...

水彩画技法

by user

on
Category: Documents
19

views

Report

Comments

Transcript

水彩画技法
透明
水彩画技法覚書
はじめに:上手、下手とは
• アマチュア画家にとって基準とすべきことは、他人からの評価ではな
く、自分の評価、つまり対象を前にした時に、自分の表現したいと思
うイメージ通りに表現できたかどうかである。
• これがアマチュア画家の目指す上手の意味である。
• それが僅かでも実現した時、あるいは少しづつでも実現しつつあると
いう満足感こそが、絵を描く楽しみである。
• アマチュア画家にとって、この満足感こそ第一に重要なのであり、他
人からの評価は二次的なものに過ぎない。
• 自分が表現したいように描くには、技法や技術が重要である。
• 技術も結果の満足の喜びも、努力によって得られる。
目次
1.
2.
3.
4.
5.
6.
日本における水彩画
用具と材料(絵の具)
風景写生
色彩と調色 (本資料では省略)
透明水彩の塗り方の基本
個々の事物の描き方
7. 静物画 (本資料では省略)
8. 人物画 (本資料では省略)
9. 描き終わったら
10. おわりに
グループ展示会 (中央 笠井一男先生)
透明水彩の技法
• 水彩絵の具を十分な水に溶かす
• 紙の白さを生かしながら塗り重ねていく
• 重ねられた色彩の優美な映り具合
• 濃淡の微妙さ
• 気品のある透明感
図 重ね塗りの紙面の構成
• 優れた作品を見ると、何か心が落ち着き、和むような感じを抱かせる
透明水彩と不透明水彩の塗り方の違い
透明水彩
不透明水彩
明るくする
淡くする
十分な水で溶いて、あくまで紙の白さを
残す
白で絵の具自体を明るくし、厚く塗って絵の
具の色自体で白さを表現する
濃い色
何度か塗り重ねながら、あくまでも下に
塗られた色を生かしながら濃くする
絵の具自体の層で塗り、紙や紙の下の色
を覆う
出来栄え
色の重なりが微妙に反映しあって、軽や 絵の具の強さ、明解さはあるが鈍く重い感
かだが深い意味を持つ
じがする
日本の代表画家
木下藤次郎
浅井忠
三宅克己
石井柏亭
中西利雄
互井開一
小堀進
塗り方(平塗り、ウオッシュ)
紙を少し傾ける(20度位)と、絵の具が下によく流れる
絵の具をたっぷり筆につけ
擦るのではなく絵の具を置くように
下に溜まった絵の具を使い塗り続ける
足りなくなったら補充し、塗り続ける
決して、前に戻って塗らない
ソフトエッジにするには、乾かないうちに筆で散らす
絵の具
色の3原色と混色
絵の具 1
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
Holbein_24_Colour¥color_index.htm
初心者は少数の色を限定し、他の色との混色効果を研究する方が上達する
固形よりチューブの方が色の新鮮さを保つため無難
赤
ローズマダー:単色で使うのにはやや弱いが、透明感あり
グレージングとはある色の上に別の色でウォッ
そのためグレージングに使用
シュを重ねて3次色をつくることをいいます。
紫色は青との混色、爽やかな緑はヴィリジャンとの混色
そのままでは彩度が高すぎるので落として使用
強く強烈な赤い花はカーマインやカドミュウムレッドを使用
黄
黄色は太陽の色で重要。季節により使い分ける
春:レモンイエロー、夏:濃いオーレリオン、秋:カドミウムイエローかカドミュウムオレンジ、冬:
寒々しいネープルスイエロー
イエローオーカは混色すると温かみのある落ち着いた色になる
絵の具 2
• 青
• コバルトブルーは青の基本色、セルリアンブルー:空の色、ウルトラマリンブルーは混色で陰色を作る
• プルシャンブルー:冬の海の色、奥に引き込ませたいしき色面などに淡く溶いて重ねると効果的。混色は淡
くする、そうでないと色を殺す
• 緑
• ヴィリジャンとグリーンペール(黄緑)を用意すれば十分
• 緑は青と黄色の混色で作る
• 褐色
• 他の色を混色すると更に黒くなる(但し同系色は渋い色ができてよい)
したがって影色になる。例バーントアンバーとウルトラマリーン
• ライトレッドは不透明で他の色を殺すが、冬の雑木林や枯草を描くにはよい
• 紫
• 紫を純色で使うのは菖蒲や矢車草など
• 他の色と混色で陰色に使用できる
絵の具 3
•黒
• 黒はあまり使わない方がよい。空や遠くの山に
微量使うと深く澄み落ち着く(中村善策)
•白
• 基本的には使わず、紙の白を残す
• 細いマスト、砕ける波濤の描写に使用する程度
ホルベイン 24色セット
鉛筆による風景素描
• 風景写生は白黒のみの風景素描から入るべし
• まず広々とした風景より風景の一隅がよい
• 細かな線や事物に目を配らず、風景を構成する重要な事物を面でとらえ
る
• 白黒の濃淡のみで、面の遠近、明暗を表現する
• この素描は対象をとらえる観察力、表現力の養成で完成することにこだ
わらない
• 何度訂正して汚くてもよい、追求することに意味がある
• 鉛筆は2Bから4Bが消しやすくよい
• 紙のサイズは大きい方がよい
• 色彩の世界は感性の世界であるが、白黒は理性の世界である
鉛筆による構図
• 後で鉛筆の線で汚れないようにHから2Bがよい
• 作品の7から8割は構図で決まるといわれるので重要
• 目線(水平線)、主眼物の位置、左右の切り取り方
• それを基に細部を描いていく
• 主眼物が浮き彫りになっているか、全体的にバランスは取れている
か、不自然なところはないか、空間は空きすぎていないか、点景の
位置は適当か
構図で避けなければいけないこと 1
• 地平線を上下の真ん中に設定することは避けて、分断させない
上から三分の一か三分の二に置く。やむ得ぬ場合、マストや鳥を描く
• 同じものを左右対称に置くと焦点不在となる
位置を変えるか、大きさを変える
• 主眼物を中央に置くと画面にゆとりがなくなる
右か左にずらす
• 空間が空きすぎると貧弱になり、訴える力が弱くなる
• 画面の上部は重くしない
感情が拡散されていく経路として、明るく開放しておく
• 事物をあまり多く取り込むと画面がうるさくなり、主眼物が死ぬ
• 線や木の枝で画面の隅を三角形に切ると、その部分が遊離する
他の線や物を描き、2つの空間を結びつける
• 額に入れた場合四隅が隠れてしまうことを考えて余裕を見ておく
隠れると画面構成のバランスが崩れる
構図で避けなければいけないこと 2
• 着彩する前に、入念に構図を再検討し、自分の考えを確認する
• 不要なもの雑多なものを極力省いて、主題を浮き上がらせる
• ないものを描きこむことは初歩の段階では避ける
• 重要な点は強調 「写実とは省略と誇張である」 安井曾太郎
構図の見方 トーマス ガーティン作より
• 画面上の横の線は鑑賞者の心に静かな安定感を与え、縦の線は強い意
志や主張を感じさせる働きを持つ
• 画面に何本かの横線を並行させることで
横の広がり、画面の安定感をもたらす
• 但し帯状の線は完全な並行ではなく、若干の
角度をつけ、次々と交差し合いながら、前景
から遠景の山に進んでいく。これで奥行きを感じさせる
• 前景は簡素な面にすることで、大らかな空間帯が広がり、鑑賞者の目は
中景へと引きつけられていく
• 縦の建物は安定を破り広がりを一層感じさせる。天に昇る煙でもよい
• 画面上の起承転結も必要で、手前は起、川は承、建物は転、遠景は結
地塗りと季節感
• 最初淡い色で全体を塗り、乾いてから個々の固有色を塗る
• 季節感を出すための地塗り
• 桜の満開:ピンク、黄葉の季節:全体に黄色っぽい、曇りの日:灰色
夕焼け:全体に赤い色
• 風景画では色調を感じさせることが大事
• 春:暖かく穏やか、夏:強烈な色調、秋:全ての事物が清々しい
寒い冬:鈍い色調
• これは太陽の光に起因する。そこでまず季節の黄色を全体に塗る
• この上に固有色を塗る。但し夏の晴れた日はコバルトブルーがよい
地塗り つづき
• 地塗りは一回とは限らない。近景は乾いてから何度か塗り重ねる。
特に夏の日差しの強い事物、秋の鮮やかな紅葉 etc
• これらは、次に固有色を塗る段階で鮮やかな緑葉や紅葉に変わる
• 三宅克巳「スケッチ旅行の初日は地塗りを5,6回行い終わる」
対象の色の強弱をイエローの濃淡で塗り分け、明暗遠近ができる
(事物を面で捉え、白黒で濃淡を塗り分ける訓練がここで生きる)
季節感を表すイエローは統一すること。後で修正できない
固有色1:空
• 空は筆触やムラがあると広い空の感じが失われるので手際よく塗る
• 地平線に近いところは青味が薄れ淡くなり
• 雲の蓄積された所はローズマダーとコバルトブルーを淡く混ぜた色
• 春の朝の空:ヴィリジャン+イエローを淡く塗り爽やかさを出す
• 冬の晴れた日:淡いプルシャンブルーをコバルトブルーに重色
• 朝焼けや夕焼けの空:イエロー、イエローオーカ、ローズマダー、
カーマインを混ぜる
• 夕日の輝いた部分:ヴァーミリオン
• コバルトブルーは真夏と秋に用い、それ以外はセルリアンブルー
固有色2:雲
• 雲は変化しやすいので先に書き上げてしまうのがよい
• 青空にぽっかり浮かぶ白雲:最初に中太筆で水で雲を描き、乾かない
うちに青空を太筆で塗る
• 淡く微かに浮かぶ雲:この逆で雲をティシュで拭き取る
• 雲の陰色:ローズマダーとネープルスイエローやコバルトブルーを薄く
溶いた色
• 荒れ模様の空の雲:ウルトラマリンにライトレッドを薄く溶いた色
• 雲の陰色は余り濃すぎないこと。明るい空との対比でそう見えるだけ
• 雲が多くある場合:重畳的な遠近感で奥行きや広大さを表現
固有色3:遠景・中景
• 遠景は空気層が存在するので彩度が鈍る
• 細かいところは見ないで大体の色を塗る
• どんなに暗く見えても明るく塗る
• 明暗差を際立たせない
• 中景は主題であることが多い
• 色彩も多種類使い、変化を持たせる
• 物の形も明暗差も、より明瞭に描く
• 中景の個々の事物の描き方(後述)
固有色4:近景
• 通常の描く順序は、空、遠景、中景、近景の順である
• 近景が主題の場合は、事物を緻密に描く
• 通常は遠景・中景の引き立せ役なので細かく描かず大らかに描く
• しかし、色彩は弱く浅くせず、中景・遠景の重さを支えるものである
• 色彩はそれ相応の強さを必要とする
• 平面の広さや距離を表現し画面全体の奥行きを
感じさせるようにする
(例:織田一磨 上野広小路)
• 絵画の遠近描写にはパースと空気遠近法がある
透明水彩画の塗り方の基本
• 筆の運び方は擦るのではなく、絵の具をポツポツと置く感じ
• 擦ると下に塗った色を動かし(濁りの要因)、紙を痛める
木の枝や線、濡れているうちにぼかすやり方は例外
• 混色より重色の方が鮮やかに発色する
• 濃く強い色を出す塗り方
絵の具を濃く溶く、淡い色を何度か重ねる
• 前者は堅い感じ
• 後者は柔らかさ、しっとりした深みの感じになり、濃さの調節も可能
• 屋根や壁など光を通さず反射するものは前者、山の緑・沼の水は後者
陰の色
• 陰:物体の光の当たらぬ暗い部分、影:物体の反対側への投影
• 陰の色には3通りある
1. その物体の固有色のより濃い色
2. その固有色に青を混ぜたもの:
冷たい色を感じさせ後退させる
3. その固有色の補色または補色
を混ぜた色(暗い陰の色となる)
• 1は近景、
• 2,3は中景・遠景に使われる
陰の部分と明るい部分の塗り分け
明るい部分
暗い部分(光を跳ね返さず、奥に吸引する)
明度、彩度ともにより高い
明度、彩度ともにより低い
暗い部分よりやや厚めに強く塗る
光の反射の感じや、前に出ている感じを出す
補色を混ぜることで彩度が落ち、明度が落ちる
この色を淡く透明に塗る
(何度も塗ると厚く不透明になり、陰の感じがでない)
不透明または半透明
透明
陰は暗い、しかし黒くはない。暗いのと黒いのとはヴァルールが異なる
明かるい部分は美しい色彩を強く塗る
光の当たる明るいところは白く残さず(塗り残しをしない)、かつ淡く塗らない
明るい部分と陰の部分、どちらを先に塗るの?
1)明るい色で全体を塗り、あとで陰をそれに重ねる
2)陰の位置は変わるので最初に塗る 結論:1)でも2)でもよい
色の濁り、変色、修正の方法
1. 重ね塗りをするときに、最初の色が乾かないうちに塗る
2. 補色同士を強く混ぜた場合
3. 何回も重ね塗りした場合
• 変色を防ぐため、直射日光を避ける
1. イーゼルを平らにして、修正すべきところを水に濡らし、数分放置
2. 堅い筆で拭い取る
3. 新しい色を塗るときは完全に乾いてから
透明性と不透明性
• 不透明な白を安易に混ぜない
• 濃い色を出す場合、淡い色を重ね塗りする
• 浅井忠:典型的な水彩技法
• 三宅克己:浅井より厚塗り
• 石井柏亭:浅井より厚塗り
草の描き方
• 中景より遠くにある草、特に草原は大体の変化を見てあまり細部に
目を配らない。緑一色で塗っても草に見える
• 近景であっても細かすぎると絵がうるさくなる
• 季節の草の色
春 レモンイエローを基本色として、コバルトブルーやセルリアンブルーの混色
春の草の色は青味を帯びている
夏 夏の草の色は緑色が強くなる。
オーレリオンとヴィリジャンかカドミウムダーリンディープか他の青色の混色
秋 カドミュウムイエローをベースにして青と緑との混色
冬 ネープルスイエローが基準色となる
冬枯れの草や草原の場合はイエローオーカ、ライトレッド、ローシエナを混ぜる。枯れたすすきの色は厄介
ススキが風そよぐ風景:予め白く抜いておくと自然の色が出る
樹木の葉
• 基本的には黄と青(または緑)の混色、黄色は季節の基準色基本
• イエローオーカ:やや沈んだ緑
• ウルトラマリーンやプルシャンブルーは葉の陰色に混ぜる
• 初夏の緑:イエロー、ビリジャン、ローズマダーで鮮やかな緑
• 日本の葉:青や緑にローアンバー(但し色が沈み濁るので注意)
• 葉の陰色:明るい部分の緑を濃く塗る
• 近景では黄(緑)、遠景では青味が強くなる
• 葉の間の空は、それ全体より濃くする:明暗の同時対比の法則
• 葉の陰影は半眼にして塊で捉える
幹
• 細かな枝はあまり忠実に描かない
• 木は直立でないので、その特徴をよくとらえる
• 幹の表面は凹凸があり、光が屈折している。赤青黄を混ぜ複雑な色合い
を作る
• 木の幹は地面に根を張り安定しているように描く
• 幹の太さ、葉塊とのバランスをとる
• 幹同士の位置、太さ、色に変化をつける
• 遠くに引っ込めたい木にはプルシャンブルーを
かける
• 例 浅井忠
山
•
•
•
•
•
•
山の輪郭を正確に写生する(岩山か柔らかい山か)
遠景の山は淡く青味を帯び、中近景は緑が強くなる
まず大体の色を塗り、乾いてから山ひだなど細部を描く
遠方の山は何度も塗らない。塗ると前に出てくる
季節によって山の色を変える
雪山の雪の白さは画面で一番明るいが白ではない。例淡いコバルトブ
ルー。陰色はコバルトブルー、ウルトラマリーン、プるシャンブルー
• 中景・近景の山は近くの葉の緑より彩度が低い。ブルーの割合多く
• 何回か重ね塗りをして、濃くする
• 冬の雑木林の山:ライトレッド+コバルトブルー(部分的にウルトラマリン)
水を描く場合の共通点
• 透明性を持たせること
• 堅い表情の水面ではいけない
• 空との色の比較に注意する
• 水は空の色の反映であり、空の色より暗いはず
• 順光の場合は水面の色は暗く、逆光時は水面は明るく光る
• 視点、イーゼルを立てる位置は水面より高くする。水面と視線の高さ
の差が少ないほど、表面反射が強くなり、水の色は見えなくなる
海
• 水平付近では色は淡く白っぽい。近くなるほど固有色を増す
• 遠い部分、中間部分、近い部分で色の違いを塗り分ける
• 波辺に近いところは下の砂の色を反映して、青味が減じて茶色にな
る。この場合は緑にイエローオーカを混ぜて塗る
• 白い波の描き方
• 紙の白地を残す
• 後からホワイトを塗る
• 鋭利なナイフ等で白く削る
川・河
• 海がコバルトブルーを基調色とするのに対して、イエローオーカに少
量のコバルトブルーまたはウルトラマリーンを混ぜた色が基調
• 濁った水にはバーントアンバーを加える
• 水と陸地の境界は丁寧に描く。屈折も細かく追う
• 水の流れも変化が内容に見えるときでも、その変化を誇張する
湖、沼
• 水は深々と静まり返っている。この種の水は淡い色から濃い色へと
塗り重ねていく
• 山や建物の映り込みは、色調は実物の色より、鈍く(彩度低い)、暗
く(明度低い)
• 水面を塗る場合、筆を横に動かす:広々と横に広がった水面
•
筆を縦に動かす: 水の深さを感じさせる
• 最後の仕上げとして、さざ波や水面の変化を描きいれる
岩石
• 半眼にして見える程度の主要な凸凹のみ描く
• 岩石の立体感や量感をだす
• 岩石の色は、光の当たっている部分は強いイエロー、陰の部分はウ
ルトラマリン、プルシンブルーなどで青味を帯び、苔部分は緑色
• 近景は強く塗って遠近感を出す
• 個々の岩の色を強調する
建物
• 建物を描くときは色彩よりも形を正しく写し取る
• 日本の家屋は複雑なのでまず建物全体の立体性を把握し、柱や窓
はアクセント的に描く。特に近景はしっかり描かないと幼稚に見える
• 太陽の移動による陰の変化も早いので、着色の最初の段階で、コバ
ルトブルーとバーントアンバーを少し混ぜた色で陰の部分のみ一応
塗っておき、後で明るい部分を塗る。 グリザイユ法
• 建物が並ぶ街頭風景でも以上のことは同様
船
• 建物と同様形が重要。曲線が入るので更に難しい
• 正面、横からより、斜めが描きやすい
• 船を前景に配する場合は、存在感を出すように描く
• 背景をあまり細かく描きすぎない
• 船の色と背景の風景の色の調子(明度と彩度)の差があいまい
• 主眼物に淡い色を置いたら背景は濃く ヴァルール差
• 船自体の明暗差も明確に描く
• 船の陰は瞬時を捉え、色は目に映るより美しい色を塗る
点景人物
• 日本の風景がには点景人物が少なく、西洋は逆である
• 中景・近景に大きく描きこむと自然の中で生活を営む人間主体になる
• 入れないか遠景に小さく入れる絵は自然主体
• 人物を入れる際は
• 人物の大きさ、形態:周りとの相対的な大きさを意識、頭と胴体程度の
大きくとらえ細かく描かない
• 色彩:1,2色で塗り、あまり塗り分けない。強く塗って存在感を出す
• 画面上の入れる位置
人物の注意
• 頭の位置を揃え、遠くになるにしたがって小さく
• 見下ろす場合は、遠い人物ほど高い位置に
• 色彩:遠くは淡く、近くは強く
• 点景は想像で描かない。じっと人が通るまで待つ
• 点景人物の形、姿は旅先で通行人を
デッサンして訓練する
描き終わったら
• 描き終わったら、他人に絵を見せて批評や感想を聞く
• 謙虚に他人の声に耳を傾ける
• 額に入れてみる。一段と良く見える
• 数日すると欠点に気が付く。同じ条件の下で修正する
(写真やスケッチを有効活用する)
• 初心者は修正が難しいので、新たに描くことも上達が確認でき有効
• 保存は湿気、直射日光に注意する
• 終わったら道具はきれいに後かたずけ(洗い含む)する
• 年に一度はきれいにして一心を心がける
おわりに - 絵画上達の条件
• 審美感
• 審美感を絵画として表現する技術
• 自分の絵画に対して常により高い水準を
追い求める
• 日頃から芸術性の高いものに触れる
• 上達の早道
1. 沢山描く
2. 人に批評してもらう
3. 名作を多く見る
ミコノス島でのスケッチ風景
Fly UP