プラスチックのリサイクル技術

特集論文
村上 治＊ 藤田章洋＊＊
プラスチックのリサイクル技術
要 旨
(家電リサイクル法+が本年４月から施行され，リサイク
特
集
¿
全般の技術確立を図っている。
ル技術の確立が急がれている。プラスチック材料は種類が
プラスチックリサイクルの課題として，ごみ・異物の混
多く，プラスチック同士の複合化や異材質材料と一体化さ
入による外観品質の劣化や機械的特性低下がある。リサイ
れた部品が多いため，金属やガラス等の材料と比較して，
クル材の製品適用化には，リサイクル材の改質と適用プロ
リサイクルする上で技術上の課題が多い。リサイクルには
セスの技術開発が必要である。リサイクル材の適用拡大を
マテリアル，ケミカル，サーマル，フィードストックの４
図るプロセスとして新材とリサイクル材を積層化するサン
種類のリサイクルがあるが，循環型リサイクルとして経済
ドイッチ成形法に着目し，リサイクル材使用量の拡大と材
的で環境負荷の小さいマテリアルリサイクル及びケミカル
料改質技術の開発を行っている。製品化にはリサイクル材
リサイクルが有効な手法である。三菱電機は，いち早く千
の供給量やコスト等の課題があるが，製品設計及び環境負
葉県市川市にリサイクルプラント（東浜リサイクルセンタ
荷の小さい材料開発を含むマテリアルリサイクル技術を確
ー）を設立し，製品分解から材料分別技術までリサイクル
立し，循環型製品を開発する必要がある。
環境軽負荷材料
設計
材料
製造
地球環境
低エネルギー
新規プロセス
製品
（顧客使用）
環境適合設計
易分解設計構造
材料品質保証
材料分別
リサイクル
マテリアルリサイクル
ケミカルリサイクル
サーマルリサイクル
フィードストックリサイクル
異物・ごみ・汚れ
異種混合材
材料改質
適用プロセス開発
サンドイッチ生形技術
リサイクル材適用拡大
プラスチックのリサイクル
プラスチックを循環型材料とするために，製品・材料設計からプロセス技術すべての開発を行っている。プラスチックリサイクルの中で経済
的であるマテリアルリサイクルにおいて，サンドイッチ成形技術の開発によってリサイクル材の使用拡大と製品化適用拡大が実現できる。
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先端技術総合研究所 ＊＊同研究所（工博）
三菱電機技報・Vol.75・No.5・2001