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東日本大震災 - さわやか福祉財団
平成23年7月10日発行 2011.7月 さわやかな高齢社会に向けて 特別号 緊急支援から復興支援へ 地域包括ケアの 町づくりを ! 進めよう さわやか福祉財団 「東日本大震災」特別号 「地域包括ケアの町」提言の賛同者を募っています。 詳細は http://www.sawayakazaidan.or.jp をご覧下さい。 2011年7月 「東日本大震災」特別号 CONTENTS 巻 頭 言 2 復興支援 ─ 原点は、ふれあい 堀田 力 4 清水 肇子 「地域包括ケアの町」働きかけの経過 12 2011年度 全国ブロック代表者会議報告 松村 英二 14 岩手県視察レポート~地域包括ケアの町の仕掛け~ 鶴山 芳子 20「地域包括ケアの動き・行政・サポート拠点(厚生労働省の動き) 東日本大震災からの復興 加藤 昌之 ~地域支え合い体制づくり事業と仮設住宅等のサポート拠点~ 25「仙台有識者会議報告」 被災者の孤立死を防止するための有識者会議 加藤 昌之 27 遠野市訪問メモ これは、平成の遠野物語です 丹 直秀 ─震災時「後方支援拠点」として独自の役割─ 東日本大震災等に伴う県外避難者に対する支援について 松村 英二 33 広げよう 支援の輪(3名のさわやかインストラクターの取り組み) 29 39「フレンズ」による県外避難者支援第2弾 支援セカンドステージは「モノ・ヒト」から「情報」へ 安部 博堂 41 東日本大震災・現地報告 遠野まごころネットでの活動 木原 勇 47 義援金寄付者・寄付者コメント 緊急支援物資の主な支援リスト 48 義援金の活用用途など 43 地域包括ケアの町イメージ図 10 被災者支援 つながり合おう 前へ、一歩 ふれあいバスツアーを行います 11 被災自治体への直接の働きかけ ~地域包括まちづくり通信~ 石井 美代子 38「人と人のつながりから 支援物資を送らせていただきました」 北海道札幌市 長尾 久美さん ─ 原点は、ふれあい 「はっきりしない時は、原点に戻れ」というこ このひと月ほどの間、震災からの復興がいろ いろ と も た つ く 中 で 、 私 が 得 た 教 訓 で あ る 。 私たちの復興支援は、ふれあいを広め、深め る活 動 か ら 取 り か か る の が よ い 。 る。 前提としてい という工程を す包括ケアが 力 とで あ る 。 私たちが 「地域包括ケア」を目指すのは、そこに、ふれ 復興支援 堀田 復興は、被災者の願いであり、日本全体の願 いで あ る 。 である。逆にいえば、ふれあい、いきがいを置 さわやか福祉財団理事長 それには、目指す姿が要る。それが、「地域 包括ケアの町」である。もちろん、産業が立ち き去りにしたケアの仕組みは、人々の尊厳を確 あいといきがいをしっかり組み込んでいるから 実現していく 安心を創り出 直り、自立の仕組みが整備されるのに伴って、 ● 2 ● 2011.7 特別号 仮設住宅をどう設けるのか、を決めるのも大変 そういう理由で「地域包括ケアの町」への復 興を働きかけているが、これが力仕事である。 保す る も の に は な ら な い 。 に欠かせない栄養剤である。 温かいふれあい、助けあいが要る。それは、心 るいは県外で、親戚の家で、戻った自宅で、毎 余裕 が な い 。 など、さまざまなやり方を考えて、ふれあい活 ふれあいサロン付きのサポート拠点の建設が 遅れているのであれば、私たちは、ふれあいパ 日、生活は続いている。そして、どんな人にも、 な作業であり、それにサポート拠点を付ける作 だから、私たちは、ふれあいを広め、深める 活動を、途切らせることはできない。 業も、なかなか進まない。お金も人手も必要で、 自治体が動かないものを、私たちが動かすこ とは、とても出来ない。私たちは智恵とアイデ 動を続けなければならない。また、地域や県外 被災地の自治体の多くは、そういう作業をする アは提供するが、動かない自治体に対しては、 避難地で、そういう活動を引き出す仕掛けをし 私たちは、待っていることはできないのであ る。 もしそういう活動に資金が必要であれば、政 府はいくつかの資金を用意している。 なければならない。 ラソル、ふれあいカー、ふれあいバスツアー、 私た ち の 智 恵 も ア イ デ ア も 届 か な い 。 自治体の基礎的な復興作業が停滞気味の中、 それ で は 、 私 た ち は す る こ と が な い の か 。 そうではない。自治体の作業はどうであろう と、被災した人たちの生活は、 日たりともと ぎれることはない。避難所で、仮設住宅で、あ 2011.7 特別号 ● 3 ● 1 れは着実に裾野を広げている。 肇子 年主 当財団では国や関係機関に働きかけを開始した。 組み込んだ復興まちづくりを強力に提言するため、 張し実践してきた、ふれあい、いきがいをしっかり 目指している。さわやか福祉財団がこれまで は、自宅で最後まで安心して暮らせる地域づくりを 「地域包括ケア 復興後は、どこよりもすばらしい暮らしやすいまちであってほしいー。 の町」の働きかけは、東日本大震災の被災地へのそんな思いから始まった。今、その流 さわやか福祉財団事務局長 清水 「地域包括ケアの町」働きかけの経過 3月下旬~4月前半 月下旬。被災地ではまだライフラインの復旧に 「何よりもまず目指す町の姿を 共有することが大事」 20 日本の福祉の大きな転換である「地域包括ケア」 し、理解を求めた。 が、 時間巡回サービスとなる」「地域を温かい家 れば手遅れになってしまう、そんな時期でもあった。 「地域を施設にいる時のような安心で包む。その柱 しかし、将来の姿は今この時期から考えていかなけ 追われている時期である。被災者の方々は、復興後 政策提言プロジェクトリーダーの加藤は、早速、 のまちづくりなど、まだほとんど考える余裕もない。 理事長の堀田がまとめた提言書を厚生労働省に持参 3 24 ● 4 ● 2011.7 特別号 月 日には、堀田と清水が、首相官邸に辻元清 美内閣総理大臣補佐官(災害ボランティア活動担当) ことがで き た 。 この提言は厚労省内でもしっかりと共有してもらう きるよう な 住 民 の 協 議 会 組 成 を 呼 び か け て い く 」 。 出する」「被災地の住民自らもまちづくりに参加で 庭のようにふれあいでいっぱいにし、いきがいを創 堀田を入れて 名。イメージ図は、まずたたき台を した「地域包括ケアの町への復興応援団」発起人は 趣旨を一目でわかりやすく理解してもらえるようイ 方々とチームを組んでより強力にすすめる、②提言 ねていった。そして、①同様の理念で活動している 言内容をどう普及させていくか、財団内で議論を重 災地への救急物資支援活動を活発に行う一方で、提 メージ図を作成する、ことを確認した。そして誕生 を訪問。同様に提言骨子を説明し、ボランティアの 力を活かしながら、ふれあいと地域包括ケアの町を 映しながら仕上げていくこととなった。 当財団で作成し、他の発起人5名の方々の意見を反 * * * ずは特に国の動きを探り、当方の考え方を国の施策 のベースに取り入れてもらえるよう精力的に動いた。 ( 月 日・財団)堀田、清水、そして主要関係事 目指して復興に取り組むことを確認し合うなど、ま 13 また自治体ではまず宮城県に対して、加藤が、地域 ージするマップづくり。前提の人口規模は何人が良 業リーダーが集まり、「地域包括ケアの町」をイメ そのラフ案を元に、その夜、清水がパソコンでた たき台のイメージ図として作成し、翌日から各発起 めながら整理していった。 自らホワイトボードの前に立って各人の意見をまと せるか等々を数時間にわたり討議していく。堀田が 包括ケアの概念を復興計画に盛り込んでもらえるよ 26 いか、どこまで何を書き込むか、どのように連携さ 4 うアプロ ー チ し て い っ た 。 4月上旬~5月ゴールデンウイーク 月に入り、当財団としての義援金呼びかけや被 「強力なメンバー5名と応援団を組織」 2011.7 特別号 ● 5 ● 6 4 4 月 日・青山)新潟県長岡市の「こぶし園」総 人と意見 交 換 を 行 っ た 。 ( しているいきいき福祉会専務理事総合施設長の小川 泰子さんと、堀田、清水、加藤、主要事業リーダー 時までの活発な議論と 強をしながら、 地域の雇用にもつなげることが大事」 仮設の近くにつくるサポート拠点で必要な介護の勉 いい。つながりをつくることができるんです。また ではなく、長屋がつながっているような平屋建てが 者の住まいをつくるべきなんです。それも高いビル (小山)「みんなが集まってくる中心地にこそ高齢 交換。 方々に申し訳ありません」 かすことで前進しなければ、たくさんの亡くなった 本を再構築していく必要があります。この機会を生 生きる私たちは、前例のない知恵と勇気で新しい日 大切です。前例のない災害の中、前例のない長寿を のが問題。それと女性の立ち場では、特に買い物が (樋口)「被災地復興に女性の声が聞こえてこない なる。 で意見交換。夜 時半から (同日・市ヶ谷)福祉自治体ユニット・事務局長の (小川)「目指す先はユニバーサルデザインのまち 合施設長の小山剛さんと、堀田、清水、加藤で意見 菅原弘子 さ ん と 加 藤 が 意 見 交 換 。 世紀型福祉先進国の づくり。このイメージ図は、 10 27 (菅原)「 時間地域巡回型訪問サービスの実施に 7 4 ・介護を速やかに行うために災害弱者がまとまって くさんあったほうがいい。また、災害発生後の医療 式の運営が考えられます。集会所は小さな単位でた は一定以上の規模が必要で、その上でサテライト方 で実現することを願っています」 図として、地域住民みんなで描き、地域住民の参加 に創り変えるために、新生東北にふさわしい町の構 一つの町のモデルです。日本を尊厳ある福祉先進国 月 日・電話)辻哲夫さんと堀田が意見交換。 ( 21 避難でき る 場 所 を つ く る こ と も 必 要 で す 」 24 (同日・財団)高齢社会をよくする女性の会理事長 でモデル的にケア付き仮設を建設しています。地域 (辻)「ケアタウン構想を大学で研究して、釜石市 28 の樋口恵子さん、特別養護老人ホーム等施設を運営 4 ● 6 ● 2011.7 特別号 包括ケアの町は、非常に重要なことで全面的に支持 言が見たいと送付を希望する電話もあった。 HKニュースの特集で放映された次の日、自分も提 (宮城県、仙台市、大船渡市、登米市、南三陸町歌 も、そしてうれしいことに被災住民の方々からも大 いくこととした。 被災地での好感触を得て、提言趣旨をさらに広く 進めるため、次の段階として、強力に援軍を募って 「さらに応援団メンバー、 賛同者の輪を広げる」 変な共感を寄せてもらい、一同ほっと顔の表情をゆ 津地区被災住民など)。 堀田から自治体、そして被 るめた。なぜなら、提言を実現するのはあくまで被 月 日には元岩手県知事の増田寛也氏(現株式 会社野村総合研究所顧問)を堀田、清水、丹、加藤、 鶴山で訪問。 日は高齢社会NGO連携協議会の総 災地の人々であり、これがよそ者の独りよがりの考 えと取ら れ て は 何 も 前 に 進 ま な い か ら だ 。 あり、実現に向けた切望者であった。何か、前に一 会った被災者のリーダーの方々こそ一番の理解者で 内外からそんな心配の声もあったが、杞憂だった。 学上原鳴夫教授企画によるセミナーに招かれ、加藤 訪問。 日は清水が、宮城県庁内で行われた東北大 交通省の川本正一郎住宅局長を堀田、清水、加藤で 見交換(全社協には別途丹が説明) 、 20 日には国土 日はJA全中・日本生協連と堀田、清水、丹が意 16 歩踏み出す道標が欲しい、そんな切実な思いが逆に 18 とともに参加して提言を説明。その他にも堀田が関 のまちづくりの話を向けるのは早計ではないか?」 、 会で堀田が和久井とともに会員に提言内容を説明。 12 「まだ日々の苦労に追われている被災者に、復興後 5 災住民の方々に提言内容を説明していく。行政から 5月上旬~6月 します。 一 歩 一 歩 進 ん で い き ま し ょ う 」 1 こうして固まったのが、「地域包括ケアの町」提 言書である。これを携えて 月 日~ 月 日に、 5 堀田、清水、加藤、鶴山、松村が被災地に出向いた 30 伝わってきた。余談ながら、この訪問時の様子がN 2011.7 特別号 ● 7 ● 4 19 発起人である樋口恵子さんは、 月 日の「地域 包括ケアの将来像とは!」と題されたセミナーでの を持参し て 賛 同 者 募 り に 奔 走 し て い た 。 係する委員会や自身の講演、その他職員も、提言書 でほしい。そのためには行政との連携が不可欠とな 復興計画にはぜひこれらのシステム構築を盛り込ん 会長玉井義臣氏) 、 「被災地には急性期を過ぎた今 を合わせて進んでいきましょう」(あしなが育英会 こそ地域包括ケアが必要で、特に今後のまちづくり、 講演時や女性参議院議員の方々などに、小川泰子さ 1 メントも自由記入でお願いしたが、予想以上に多く 旨の申込書が届き、時には電話での激励も届く。コ の提言書も全国に発送していった。続々と賛同する 財団から、応援団メンバー、賛同者を依頼するため ぞれの機会で提言を広めてくれている。併せて、当 それぞれに数百部を配付。他の発起人の方々もそれ が寄せられている。 児支援、医療関係者をはじめ幅広い分野からも賛同 合病院病院事業管理者山口昇氏)等々、認知症、遺 による心のケアが必要と思われる」(公立みつぎ総 ハビリテーションを提供する機能及び臨床心理士等 申し込みも受け付けられるように整備した。 月 政治家の役割、 そして被災者、私たち住民の役割 広がっている。 日現在、449名の方々から賛同が寄せられ、今も 6 の方々からの思いのこもったメッセージが届いた。 ◎ 寄せ ら れ た コ メ ン ト か ら 「ひとりはみんなのために みんなはひとりのため にあたたかい絆を創りましょう」(社会福祉法人浴 風会認知症介護研究・研修東京センター名誉センタ ー長・長谷川和夫氏)、 「あしながも素早く動き出 し、職員・学生が一生懸命頑張っています。ぜひ力 27 そして東京都からの研修生である松村は、「地域 包括ケアの町」HPサイトを準備し、ネットからの んも議員の方々をはじめ「持って走り回ります」と、 る。また、ソフト面では、介護予防としての地域リ 6 ● 8 ● 2011.7 特別号 に歩む、という視点をいかに持てているかどうかで、 席する「社会保障改革に関する集中検討会議」でこ 誰よりも精力的に、先頭に立って提言を社会に発 信している堀田は、菅総理や仙石官房副長官らも出 や支えて い る ホ テ ル 関 係 者 の 話 も 伺 っ た 。 所になっている盛岡、雫石のホテルを訪ねて避難者 囲で動くしかない。全国の皆でその動きを支援して 体の動きが鈍ければ、まず住民みずからができる範 さわしいものにしていくか。復興に向けた国や自治 組み入れた一つのイメージである。流れは生まれつ 地域包括ケアの町は目指す将来の姿であり、マッ プは地域で暮らし続けるための基本的なサービスを 将来のまちのあり様が変わってくる。 の提言を発表、菅総理からは「この図のような復興 いく。 月 日と 日にわたり、堀田、清水、加藤、鶴 山、丹、松村で改めて岩手を訪問した。岩手県副知 を目指したい」という言葉が語られた。また仙石官 事及び関係者、遠野市長らと面談した。また避難場 房副長官をはじめ閣僚や被災地首長らが出席した ちょうど本稿執筆時、 時間対応の地域巡回サー ビス創設を目玉とする改正介護保険法が成立した。 つある。次は、それをどう地域の特性に合わせ、ふ 「被災者の孤立死を防止するための有識者会議」 まで地域で暮らせる仕組み、そのための見守りの大 を会場に紹介しながら、目指すべき復興の姿、最後 町村の判断で創設できることも盛り込まれており、 どの生活支援サービスを総合的に提供する制度が市 改めて思うことだが、緊急時にはやはりトップの 力量が大きく問われる。自治体の首長が、この甚大 に具体的な取り組みの支援を、各自治体や地域に向 する方針も盛り込まれた。当財団も、これからさら 症高齢者などの権利を守るため、市民後見人を育成 4 けて行っていく予定である。 * * * 一部を除いて来年 月から施行される。また、認知 24 切さなど を 事 例 と と も に 強 力 に 提 言 し た 。 ( 介護予防のためのヘルパー派遣や、配食、見守りな 2 月 日・仙台)でも座長を務めて、イメージ図 1 12 な災害の中で、真摯に、柔軟に、そして住民ととも 2011.7 特別号 ● 9 ● 6 6 が強いられるなど、日々の暮らしへ ニティーを分断するような仮設入居 また自治体によっては従来のコミュ 分がある半面、食事は自炊となり、 イバシーが保たれ、暮らしやすい部 です。仮設住宅は避難所よりはプラ の入居が完了しつつある所と、様々 被災地では、未だ避難所暮らしが 続いている所、あるいは仮設住宅へ れあいが一番です。被災者の方々同 孤独や不安の解消、そして心の元 気には、人との絆の確認、温かいふ としました。 ふれあいバスツアーを開催すること けるように、そんな願いを込めて、 に向けた希望の力につなげていただ いただけるように、これからの生活 しさ、つらさを少しずつでも癒して つながり合おう 前へ、一歩 の不安増加や、孤立が心配されると 士が自然にふれあい、復興に向けた さわやか福祉財団・さわやかブロック ころです。 踏み出す機会となることを願ってい ふれあいバスツアーを 行います さわやか福祉財団では、全国のさ わやかインストラクター有志ととも ます。 思いを語り合いながら、前へ一歩、 りを応援します。心の中の不安や寂 に、被災地の皆さんの復興まちづく 被 災 者 支 援 ツアー概要:近隣先へのバス旅行 2泊3日を基本に、8月から12月にかけて6~7回を予定。 招待予定者:子どもから高齢者まで年齢は問わず。 1回100~150人程度を目処。 候補地域は、被災状況や仮設住宅の状況、行政の取り組み具合など 総合的に考えて、宮城、岩手、福島、茨城各県の中から現地の意向 を踏まえて決定 費 用:被災者招待にかかる経費…さわやか福祉財団に寄せられた義援金より。 当財団職員を含む同行者の経費及び各種打ち合わせ経費…さわやか 福祉財団がマッチング支出した義援金及び当財団経費より。 ● 2011.7 特別号 ● 10 被災自治体への直接の働きかけ ~地域包括まちづくり通信~ 石井 美代子 興の核となる被災自治体が仮設住宅 バックアップも必要ですが、今後復 めには、地域住民の熱意や国や県の 「地域包括ケアの町」を実現するた 各所で説明を行っています。 とめられ、さまざまな機会を通して 実現してほしい町 町」提言書では、 「地域包括ケアの ていく予定です。 っている活動・イベントなどを掲載し 各地域での取り組み、復興応援団が行 アの町」を実現するための萌芽となる 興してほしい 「地域包括ケアの町」 『地域包括まちづくり通信』では、国 提言書はこのような思いからとりま や県事業の活用提案や、「地域包括ケ に提供したいと思っています。 被災自治体の首長及び担当者に、迅速 した町に復興するヒントとなる情報を 『地域包括まちづくり通信』ではそう なが笑顔になれる町になってほしい、 すことができる町〟になってほしい、 に移っていく今の段階からコミュニ のコミュニティー 宅担当課長、避難所運営担当課長あて ティーを重視し、将来を見据えた人 モデルを図化して 〝誰もが自宅で最後まで安心して、 材育成、施設計画・整備を行ってい いますが、これか 将来〝被災したけれどこんな素晴らし くことが重要であると考え、そうし ら復興される町の に送付しています。 た自治体に対する働きかけとして 形はさまざまです。 いきいきと暮らしていける〟町に復 『地域包括まちづくり通信』を発行 しかし、どのよう い町に復興することができた〟とみん することとなりました。岩手・宮城 〝皆が幸せに暮ら 県内の被災自治体を中心に市町村長、 な 形 で あ っ て も 地域包括ケア行政担当課長、仮設住 2011.7 特別号 ● 11 ● 2011年度 松村 英二 び東北ブロックさわやかインストラクター有志に参加し りについて緊急に会議を開き、全国のブロック代表者及 東日本大震災等の各被災地域で復興への動きが始まる 中、当財団として進めている地域包括ケアのある町づく ト拠点についての解説とともに、「地域包括ケアの町」 急仮設住宅等での居宅サービス・生活サービスやサポー けていくとの方針が示された。また、被災地における応 っているため、当財団としてもそこに重点を移し働きか (6月7日 メルパルク東京) ていただき、理解と協力を得ることにした。 省や提言の発起人について時系列に沿った経過等を説明 全国ブロック代表者会議報告 会議の冒頭、清水事務局長より東北における被災地へ の町づくり支援と県外へ避難している人への支援につい した。さらに、 回にわたる被災地訪問の中で会談した の提言の内容や、それに同意する政府関係者、厚生労働 の連休以降は、生活の再建や町の再建などの動きが始ま ての意見交換が目的であるとの主旨説明があり、会議は 復興支援について何ができるのか する部署担当に送付する通信、 月 日の仙台フォーラ アの町」の応援団や賛同者、被災地の市長や復興に関係 や意見についても報告があった。加えて、「地域包括ケ ダー・被災者たちの「地域包括ケアの町」に対する反応 岩手県や宮城県の首長・行政担当者等及び避難所のリー 2 14 バスツアーについては、被災した自治体の復興計画と ム、バスツアー等についても説明があった。 7 2部構成により進められた。 第1部 5 堀田理事長からは、震災発生直後から 月末までにか けての、 物資や労力の提供などの緊急支援活動から、 月 4 ● 2011.7 特別号 ● 12 の関連や、目的地・盛り込む企画・応援体制など、被災 ○生活支援のバックアップをするための初鹿野氏による た。 ○フレンズ(寺子屋)事業による他県避難者支援につい ○大田区での受け入れ、はせさんずの活動、行政の避難 ネットワークづくり。(九州②・齋藤鈴子氏) 一方、応急仮設住宅の抽選問題やサービス・雇用の問 題、サポート拠点での居場所やバックアップセンターへ て、避難のスタイル・ステージ、福島県からの避難者 地の現状や支援の状況を踏まえながら意見交換が行われ の派遣、福島県での支援活動についても活発な議論がな への情報提供、就労支援の取り組み、心のケア。(安 ワークづくり、東京都からの情報提供、地域住民によ ○東京都への避難者の状況について、避難者間のネット 部) 者情報の把握状況。(関東・坂口郁子氏) された。 第2部 県外避難している人に対して、その地域で何ができるか 援や心のケア、脳性麻痺の方に対する医療連携支援・ ○行政やソーシャルワーカーとの連携による生活物資支 り、東京都の住民に問題がある場合、当事者は言いづら である。もう1つは、東京の生活になじめないこともあ 堀田理事長からの「私どもの活動の狙いは、県人会を つくって、問題をなるべく自主的に解決してもらうこと るふれあい・助け合い活動の掘り起こし。(松村) リハビリ・生活支援。(北海道・澤出桃姫子氏) いので、我々が代弁して解決を図る。東京では、避難者 県外避難者に対する支援について、実施状況が報告さ れた。 ○舞台鑑賞の無料招待、避難者情報入手の困難さ。(中 の把握や会をつくること自体に苦労しているが、避難者 の所在がわかっている地域では、避難者自身で問題解決 国・宇野均恵氏) ○閉鎖したホテルでの住居確保、情報開示不可の状況、 了した。 を図る体制が必要である」という言葉により第2部が終 NPOによる避難者が自由に来られるような体制づく り。(九州①・阿部かおり氏) 2011.7 特別号 ● 13 ● 岩手県視察レポート ~地域包括ケアの町の仕掛け~ 1 2 鶴山 芳子 時間ほどで の町「縁(えにし)がつなぐ仮設 戻れるまで安心して暮らせる仮設 住宅を建設し被災者の方が地元に る。その一環として、市内に仮設 後方支援として活動を展開してい たる。この度の震災でも被災地の 行き来できるいわば中継地点にあ が、どの沿岸部とも 名。また、主に岩手県内で支援活動を行っているさわやかインストラクターの葛原美恵子さん 岩手県における地域の地域包括ケアの仕掛けを目的に、 月 日~ 日にかけて岩手県内を回 った。参加者は、堀田力理事長、清水肇子事務局長、丹直秀、加藤昌之、松村英二、鶴山芳子の 6 にも参加してもらい一緒に被災者や自治体職員の声を聞いた。 遠野市役所 被害がないことを確認しました」 には大きな 遠野市 役 所 に 着 く と 、 市 役 所 入 り口で市 長 の 本 田 敏 秋 さ ん が 出 迎 と市長。即判断し、即決による迅 : えてくれ た 。 中 へ 入 る と 壁 に は 模 速な対応と活発な情報発信がうか 「地震発生後、 造紙が貼 り 巡 ら せ て あ り 、 そ こ に 30 がえた。遠野市は、被害の遭った 16 の大地震発生からの市 は、 ・ 1 6 11 内の状況が分刻みで記されていた。 沿岸部とは離れた内陸部ではある 3 ● 2011.7 特別号 ● 14 て、コミ ュ ニ テ ィ ー 形 成 を 目 的 に ンターや 医 療 施 設 、 商 店 街 、 そ し もの一時 預 か り な ど の サ ポ ー ト セ 内や周辺 に は デ イ サ ー ビ ス や 子 ど 住宅整備 事 業 」 に 取 り 組 む 。 敷 地 ってもらうための支援です」と本 作り復興に向けたエネルギーを持 「この事業は、市内に仮設住宅を した地域住民とも交わるデッキが 訴えるなど広い視点による発想と のまちづくりに取り組む必要性を 沿岸被災地と内陸部の連携で復興 ケアの町を実行しようとしていた。 が大切」と共感してくださった。 つくられる予定。すでに地域包括 実行力のすばらしさを実感した。 の柱にきちんと理念を入れること の町」については、「まちづくり は沿岸部の被災者の避難所になっ にある大きな旅館であるが、現在 岩手県盛岡市(内陸部)にある 愛真館を訪問。こちらは、温泉街 ち。現在は、半分以上の方が仮設 らす被災者の 皆さんの様子を伺った。ここに暮 いて堀田理事長が説明し、市民の 愛 真 館 ている。ピーク時は250名ほど 住宅やアパートなどの住まいが決 0名ほどが生活していた。フロン こと。 「ロビーでは、 同じ地域の 設に入りたいと相談しているとの 割は釜石市の方た がここに避難されていたとのこと まっている状況で、同じ地域で仮 ト支配人の中村秋利さんに話を伺 だが、 月初めの時点では、12 った。「地域包括ケアの町」につ 田市長。当財団の「地域包括ケア 遠野市役所打ち合わせ 2011.7 特別号 ● 15 ● 8 6 くつろい で お ら れ た 。 そ こ で 、 早 その後 、 ち ょ う ど 、 夕 食 を す ま せた方た ち が ロ ビ ー の ソ フ ァ ー で だった。 皆さんか ら 出 て き て い る と の こ と る」と、 次 の 生 活 に 向 け た 不 安 が 設の返事 も 来 な く て 今 、 不 安 で あ そうだ。 「 仕 事 が ど う な る か 、 仮 当たって も キ ャ ン セ ル が 出 て い る によると 仮 設 な ど は 全 部 抽 選 で 、 説明会が 行 わ れ た と の こ と 。 そ れ 先日愛真 館 で も 県 の 担 当 者 が 来 て たびたび あ り ま す 」 と 中 村 さ ん 。 皆さん同 士 が 話 を し て い る 様 子 が ころです。ぜひ、一度、釜石に来 ね。この図は一番うちらの願うと 集会所がある。居場所も必要です っと近づいた感じである。住民の 災者の皆さんの距離がこちらへぐ した」と話に参加してくれた。被 市など何度か入らせていただきま 森から物資を持って宮古市、釜石 応だった。その時、葛原さんが「青 石に行ってみましたか?」との反 年を取った人ばかりなんです。釜 けど、家を立てる場所がないし、 ら離れた半島で、本当は戻りたい 私たちが住んでいるのは中心地か 区画に 速、堀田 理 事 長 が 話 を 直 接 伺 っ た 。 てください」と理解を示してくれ 的で良い と 思 う け ど 、 釜 石 市 の 中 次の日は早朝に雫石町内にある けをしていく必要性を実感した。 た。実際に現地へ足を運び、仕掛 皆さんは「鵜住地区には 「地域包 括 ケ ア の 町 」 に つ い て 説 愛真館にて釜石市の被災者の方々と 心でない と 出 来 な い の か な と 思 う 。 明すると 「 い い 考 え で す ね 。 理 想 4 ● 2011.7 特別号 ● 16 旅館長栄 館 に 向 か っ た 。 長 栄 館 は すると「大変良いと思うが、住民 その後、山崎さんが 人の班長さ 人と外舘さん) だという フ ロ ン ト 課 長 の 山 崎 茂 朗 難されて い る 。 自 ら も 山 田 町 出 身 気だったが、少しずつ落ち着いて はみんな一緒に頑張ろうという空 かりだ」と山崎さん。「震災当初 きて要望を聞いたばかり…、もっ 話をすると「おととい山田町長が 伺った。「地域包括ケアの町」の に声をかけて集まってもらい話を ん(佐々木さん さんに話 を 伺 っ た 。 こ こ で は 各 階 きた現在は、被害状況を比べてい の皆さんの気持ちが揃うかが気が ごとに班 長 が い て 、 掃 除 、 決 め ご と早く伺えれば良かった」と佐々 を話して く れ た 。 「 地 域 包 括 ケ ア その中で 抽 選 を し て い る こ と な ど ること、 ま た 、 第 希 望 ま で 取 り 山田町の 仮 設 住 宅 は 大 変 遅 れ て い 生活をす る よ う に な っ た と い う 。 を選んで も ら い 、 班 長 を 核 に し た 声をかけ 、 被 災 者 の 皆 さ ん で 班 長 からの声 に 対 し て 、 山 崎 さ ん ら が 寝泊まり は 疲 れ る 」 と い う 被 災 者 てから間 も な く 、 「 ず っ と た だ で んが一つになってつくるまちづく 化が感じられる。地域住民の皆さ る被災者の皆さんの不安や心の変 旧が進み、これからの生活に対す 要だと思う」と話してくれた。復 はないかと思うし、地域交流も必 子どものことでは一致できるので れが独自で漁業を営んでおり確執 湾にある漁港も、もともとそれぞ 配です」と包括マップを見て具体 ってしまうと思う。医師不足が心 支援に入っている医師もいなくな 地域。山田町も震災が落ち着くと 本一医師が少ないといわれている 妻。 そして外舘さんが 「岩手県は日 のは、もう一人の佐々木さんご夫 ないのではないかと思う。しかし、 いと思う」と即返事をしてくれた もあった。みんなの意見が一致し 的な不安を語った。「今いる雫石 まれるコミュニティーが出来て良 ことがずっと気がかりだった。集 木さん。「内容は賛成。年寄りの てくれて い る 。 月 に 避 難 し て 来 がみ合ったりする。また、 つの 主に山田 町 の 被 災 者 の 皆 さ ん が 避 3 と、館と の 連 絡 な ど を 取 り 仕 切 っ 2 りの難しさと必要性を実感した。 5 の町」に つ い て 堀 田 理 事 長 が 説 明 2011.7 特別号 ● 17 ● 3 3 佐々木さ ん 。 そ し て 「 町 は 月 ま か所に集 ま る の は 良 い と 思 う 」 と パーがあ る が 、 こ の 図 の よ う に 一 町には、 役 場 の 回 り に 病 院 、 ス ー 夫妻。長期にわたった避難所生活 も入れてほしい」と佐々木さんご ンターの総合相談所には就職支援 ど…」と外舘さん。「サポートセ この図のようにイメージが出され 「復興にはかなり時間がかかるが、 ーム型の仮設も作りたいとのこと。 る予定であり、また、グループホ 安。ずっと漁業を営んできたので、 感をしながらも戻った地域での具 同士で話 し て い る の は 仕 事 へ の 不 町へ提案 し て 欲 し い 。 現 在 、 住 民 皆さんは、包括マップを見て、共 見えてきている現在は、被災者の でに復興計画案をつくるとのこと。 も仮設などへ移ることが目の前に に参加してくれると思う。この中 と声をかければすぐにまちづくり っているので一緒にやりましょう 県民は、もともと互助の精神を持 ることはやる気も出てくる。岩手 資格があ る わ け で も な い し … 。 生 活面が保 証 さ れ れ ば 安 心 な ん だ け 岩手県庁 ると良いと思います」と「地域包 活をされている状況において、こ 策関連を担当する職員の皆さん 続いて、小田島智弥保健福祉部 長をはじめ、岩手県の災害復興対 括ケアの町」に賛同をしてくれた。 れからは心身のケアをどうしてい ご意見を 伺 っ た 。 「 サ ポ ー ト 拠 点 していくかも課題です」と宮舘さ ケアの町」を堀田理事長が説明し、 くか、また、医療体制をどう充実 を行った。 て堀田理事長が説明し、意見交換 名に「地域包括ケアの町」につい 「共感します。できるだけこのよ んは話された。すでに岩手県内に か所ほどサポート拠点をつく はできる だ け つ く っ て い き た い と 5 は 岩手県 庁 を 訪 問 し 、 ま ず は 、 副 知事の宮 舘 壽 喜 さ ん に 「 地 域 包 括 で雇用創出も考えながら復興でき 体的な生活面の不安を語られた。 9 思う。未 だ 万 人 近 い 人 が 避 難 生 3 10 ● 2011.7 特別号 ● 18 うな形で 進 め て い き た い 。 現 在 県 拠点のバックアップセンターをつ は宮城県の構想のようにサポート いくとのことだった。 て復興のまちづくりに取り組んで 岩手県内では、例えば、釜石市 においてケアタウン構想に基づく 内には、 7 0 0 0 弱 の 仮 設 住 宅 が 戸ほどの仮設住宅の地域もあると 仮設住宅が建設される計画など、 くらない。沿岸部は土地も狭く 点も併せ て 進 め よ う と 市 町 村 と す いう特性もあり、既存の組織や社 既存の枠にこだわらない絆のある 建設され 始 め て い る 。 サ ポ ー ト 拠 り合わせ を し て い る 。 ま た 、 生 活 会福祉協議会などの組織を活かし い。 アの町づくりに取り組んでいきた がら、ふれあいのある地域包括ケ インストラクターと共に連携しな 必要性を感じた。全国のさわやか と話し合い、仕掛けを進めていく ながら信頼関係を築き、じっくり 市民の皆さんとしっかり向き合い 地域に出向き、その地域の行政、 感じた。これからは、それぞれの ごとに生活や地域性が違うことを も出てきている。それぞれの漁港 復興のまちづくりに積極的な地域 総合相談 員 ( L S A ) を 1 0 0 人 ほど採用 す る 予 定 だ が 、 基 本 は 社 会福祉協 議 会 を 中 心 に 進 め て い く ことを考 え て い る 」 と 岩 手 県 の 現 状につい て 小 田 島 さ ん が 話 さ れ た 。 そして 「 仮 設 住 宅 で の 生 活 は 年より伸 び る 可 能 性 も あ る 。 診 療 にそういう考えも入れていきたい」 案が出る 予 定 だ が 、 ビ ジ ョ ン の 中 ビジョン が 出 さ れ 、 月 に は 計 画 ばと思う 」 「 復 興 計 画 は 夏 過 ぎ に 町づくり の 下 地 を つ く っ て い け れ 所もつく り な が ら 地 域 包 括 ケ ア の 2 と賛同し て く れ た 。 な お 、 岩 手 県 2011.7 特別号 ● 19 ● 9 10 岩手県庁にて意見交換 「地域包括ケアの動き・行政・サポート拠点(厚生労働省の動き)」 東日本大震災からの復興 加藤 昌之 ~地域支え合い体制づくり事業と仮設住宅等のサポート拠点~ 月、そして 月現在も福 今を生きるための戦いが続いている。私たちは震災 常生活を取り戻すための新たな課題に直面しつつ、 応急仮設住宅への入居が始まっている。しかし、日 2011年 月 日から か月経った 月には、 応急仮設住宅の建設が急ピッチで進み、避難所から 住宅などで避難生 避難所や応急仮設 被災者の方々は、 夢を失った中でも、 家族や財産、仕 事、そして将来の 月、 月、 としている。しか 活をしながら生き 追ってい る 。 島県、宮城県、岩手県の被災地へ入り、緊急支援、 後の 月 、 7 7 4 6 11 5 る望みを見出そう 4 復旧、復興への取り組みを支援しつつ、その動静を 3 3 自然の力は脅威である。しかし、生命の息吹も自然から生まれている。 自然の一部である人間はつながることによって文明を築き上げてきた。 今、 人 間 の 力 が 試 さ れ て い る 。 1 大船渡の被災地に咲く花 ● 2011.7 特別号 ● 20 を繰り返している。被災者の瞳の奥にある深い闇か し、次の瞬間、新たな絶望へと突き落とされる日々 被災者の方々は、私たち人間が築き上げてきた文 明とは一体何だったのであろうかを教えてくれる。 瞬間は、被災地に咲く花のように思える。 ら、絶望との戦いが伝わってくる。連続した絶望の 中で、人は生活を続けることが出来るのであろうか。 それは人を思いやり、支え合うことである。人を思 一方、遅々と進まない復旧・復興に苛立ちながら も、被災者の方々は同じ避難所や仮設住宅で生活す を結集する必要がある。それによって人を思いやり、 なろう。そのために私たちは、あらゆる資源と知恵 いやり、支え合う町への復活が私たちの文明の礎と る仲間を思いやり、人と人とのつながりを大切に生 興が、とりわけ東日本大震災被災地では必要である。 きようとする本能的なエネルギーに満ち溢れている。 支え合う町、すなわち地域包括ケアのある町への復 深い絶望の中でも、ときおり現れる穏やかではある がエネルギーに満ちた瞳に出会う瞬間がある。その 地域支え合い体制づくり事業と「絆」再生事業による東日本大震災からの復興 ③岩手県 億円 4 福島県、宮城県、岩手県で 活用できる事業費はいくらあるのか 12 8 は、本誌2010年 月号 頁以下参照)と201 その算出根拠は、次の通りである。 2010年 月 日の閣議決定された「地域支え 合い体制づくり事業(200億円) 」 (その事業概要 24 10 年度第一次補正予算「地域支え合い体制づくり事 2011.7 特別号 ● 21 ● 億 千万円 8 8 億 千万円 24 24 東日本大震災被災地で、地域支え合い体制づくり 事業で活 用 で き る 金 額 は 次 の 通 り で あ る 。 ①福島 県 ②宮城 県 1 2 (1) 業(被災者生活支援等)」(約 億円)で交付される 金額の県 別 合 計 額 で あ る 。 千万円、宮城県 億 まず、「地域支え合い体制づくり事業(200億 円)」であるが、この事業費の県別交付額は、当財団 の調べに よ る と 福 島 県 億 千万円、 岩 手 県 億 円 で あ る 。 地域支え合い体制づくり事業と 「絆」再生事業をどのように使うのか 脚注 参 照 ) 島県、宮 城 県 、 岩 手 県 そ れ ぞ れ 億 円 で あ る 。 ( 次に、「地域支え合い体制づくり事業(被災者生 活支援等)」(約 億円)の上積み分の交付額は、福 8 日に厚生労働省老健 局振興課から各都道府県介護保険主管部(局)宛に について は 、 2 0 1 1 年 月 「地域支え合い体制づくり事業 (被災者生活支援等) 」 P ているのでご参照いただきたい。 そこで地域支え合い体制づくり事業として各被災 地の応急仮設住宅にサポート拠点を設置する例を紹 介する。サポート拠点には、①総合相談機能(ライ フサポートアドバイザー、相談支援専門員等)、 ② デイサービス、情報支援、日中活動、③居宅サービ ス(居宅介護支援、訪問介護、訪問看護、診療機能 等) 、 ④配食サービス、⑤地域交流スペース(サロ ン) 、 ⑥心の相談窓口の つの機能を想定している。 サポート拠点の つの機能を全て備えなければ、 応急仮設住宅にサポート拠点を併設できないのか、 つまりその事業費が使えないのであろうか。結論か らいうと、サポート拠点は、 つの機能からスター 脚 トできるのである。根拠は、「平成 年度介護基盤 の の( )「東日本大震災に 緊急整備臨時特例交付金の運営について」(P 注 参照)の別記 ート拠点の機能の項目に「サポート拠点の機能は、 よる被災者生活支援に係る事業」のイの(ウ)サポ この「仮設住宅等における介護等のサポート拠点に 地域の実情に応じて、様々に組み合わせて行うこと 参照) 24 21 20 事務連絡 と し て 出 さ れ て い る 。 ( P 脚 注 1 4 70 8 27 6 2 4 4 6 4 70 4 2 2 1 ついて(イメージ)」 は、本誌 月号 頁に示され 24 3 24 (2) 6 5 ● 2011.7 特別号 ● 22 が可能で あ る 」 と 記 さ れ て い る こ と に よ る 。 災者生活支援等) 」 から拠出できる。 り活動が必要であれば、②の日中活動に必要な運営 具体的にいえば、応急仮設住宅に併設された集会 室をサポート拠点としてよい。次の段階で応急仮設 も可能で あ る 。 課題を解決するためにサポート拠点を整備すること 援等を実施するというように、応急仮設住宅の優先 事業費等補助金の活用も可能となっている。詳細は、 さらに介護保険法や障害者自立支援法に基づく指 定事業所として設置する場合には、介護施設等復旧 拠出も可能である。 等設置が必要であれば、この事業費から設置費用の その他に、応急仮設住宅に住む高齢者世帯に対し て②のデイサービスとして高齢者向けの浴室や厨房 費(人件費)も「地域支え合い体制づくり事業(被 例えば、最初に⑤地域交流スペース(サロン)を 設置し、次に④配食サービス等の生活支援を実施す 住宅に入居した被災者たちが交流するための交流ス 厚労省老健局振興課「仮設住宅等における介護等の る。さらに②デイサービス、情報支援、日中活動支 ペースとして集会室を活用する。それがサポートセ サポート拠点の手引き」(2011年 月刊)を参 考にしてほしい。 ンターの⑤地域交流スペースである。その地域交流 スペースで②の情報支援を行うために、FAX、コ 例えば応急仮設住宅が 棟である場合、 棟ごとに ピー機、パソコンなどのOA機器を購入しても良い。 このように応急仮設住宅で生活する被災者によっ てサポート拠点を立ち上げ、その仮設住宅の実情に 6 出来つつある段階で情報支援を行うためのOA機器 の場所として使うという方法もある。自治会組織が 棟の班長さんを決めるために集まって、自治会活動 福祉推進費の中に「緊急雇用創出事業臨時特例交付 業の活用も忘れてはならない。この事業には、地域 であれば、厚生労働省社会・援護局の「絆」再生事 応じたサービスを創出し提供するための人材が必要 10 を買い揃えることもできる。応急仮設住宅での見守 2011.7 特別号 ● 23 ● 70 て扱える」とあり、「民間支援団体と自治体が連携 には、「東日本大震災被災者も広く生活困窮者とし 金100億円(全国総額)」 がある。その事業説明 心とした地域福祉の取組」 よる地域での支え合いを中 ケアシステムや住民主体に して、地域の実情に応じて一体的に行うことにより、 (注 )へとつながってい このように厚労省の予算だけを活用してもサポー ト拠点を基本とした新しい雇用創出と支え合い活動 めるよう 支 援 す る こ と を 目 的 と す る 」 と あ る 。 これらの者が地域社会で自立し、安定した生活を営 らゆる予算と資源を集結し 生命力のある町の復興へあ る人間の力を信じ、被災地 くのである。自然とつなが 1 て復興のまちを築いていこ に咲く花に負けないような と日常生 活 支 援 が 可 能 な の で あ る 。 う。 2 当財団としては、応急仮設住宅入居者と震災前に あった居宅介護施設や訪問看護ステーション、さら に保健師の皆さんと連携して、応急仮設住宅サポー ト住民団体を立ち上げ、皆でつくる安心安全の応急 仮設住宅会議の開催を勧める。これは宮城県震災復 興計画(第 次案)に記載されている「応急仮設住 ステム」の実践である(注 )。 そして「地域包括 し、復興住宅、再構築された地域の地域包括ケアシ 祉関係団体、地域コミュニティ等がケア体制を構築 宅にサポートセンターを設置し、市町村、医療・福 1 脚注1:平成23年度介護支援体制緊急整備等臨時特例交付金について http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110608R0010.pdf 脚注2:応急仮設住宅地域における高齢者等のサポート拠点等の設置について http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001amh8-att/2r9852000001dgwk.pdf 脚注3:平成21年度介護基盤緊急整備等臨時特例交付金の運営について http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110608R0020.pdf 注1:宮城県震災復興計画・第1次案、2011年6月版16頁 注2:同書 24頁 ● 2011.7 特別号 ● 24 「仙台有識者会議報告」 防止するための会議が開催された。この会議の目的は、 2011年 月 日(日曜)に宮城県仙台市の江陽グ ランドホテルで、東日本大震災による被災者の孤立死を 1.有識 者 会 議 開 催 の 経 緯 (被災地NPO協働センター代表)、 本間和也氏(新潟 禮子氏(社会福祉法人きらくえん理事長)、 村井雅清氏 さらに、過去の震災時に活動し、多くの知見を持つ市川 る岩手県、宮城県、福島県からは、野田孝則釜石市市長、 加藤 昌之 被災者の孤立死を防止することである。さらに、当財団 県 長 岡 市 社 会 福 祉 協 議 会 地 域 福 祉 課 長 )、 高 橋 紘 士 氏 被災者の孤立死を防止するための有識者会議 が提言する「地域包括ケアの町~すべての人の尊厳を支 (国際医療福祉大学大学院教授)が委員として出席した。 (内閣府官房副官房長官)が主導し、内閣府が主催した 住宅の中に人とのつながりと絆をつくるための仕掛けの 釜石市長の野田武則氏から、東京大学の辻哲夫教授が 釜石市で展開しているケアタウン構想、つまり応急仮設 2.有識者会議で出された意見の概要 稲葉信義仙台市副市長、立谷秀清相馬市長が出席した。 えるために~」を震災地の復興イメージとして共有する ことである。 ものである。その関係で、平野達男氏(内閣副大臣)、 説明がなされた。さらに釜石市内に生活応援センターを 月号 か所作り、応急仮設住宅と一般住宅への個別訪問を実 践していること、この生活応援センターと本誌 8 頁で紹介したサポート拠点が連携して孤立しがちな人の 5 も会議に参加した。 松本龍氏(国務大臣) 、 辻元清美氏(総理大臣補佐官) そもそもこの会議は、税と社会保障一体改革会議で説 明 さ れ た「 地 域 包 括 ケ ア の 町 」 に 共 感 し た 仙 石 由 人 氏 12 会議は当財団の堀田力が座長となり、表題のテーマに ついて論議された。孤立死防止が喫緊の課題となってい 6 2011.7 特別号 ● 25 ● 6 仙台市副市長の稲葉信義氏は、避難所から応急仮設住 宅へ移った後に予想される課題として壮年期の男性の孤 ということである。 応急仮設住宅にすることによって、孤立死を防止しよう ケアをしていること、が紹介された。つまり交流のある 論することが孤立死防止につながる、さらに被災者自ら ちにふさわしい地域包括ケアの町の姿を自分たち自ら議 しかし、座長の堀田から ~ 代の男性は声をかけて も出てこようとはせず、孤立死しやすいという問題点が うシステムが紹介された。 名) 」 を養 これは絆支援員の戸別訪問によって心の悩みなどを聞き の予算を組み合わせて創意工夫できるようにすることが して避難所へ配給する。昼食は外部の弁当事業者に依頼 相馬市長の立谷秀清氏からは、避難所での配食などに ついて説明がなされた。朝食と夕食は学校給食室で調理 解決に向けた支援をする取り組みである。 創出基金などをつくりボランティアコーディネータを養 算措置による有償ボランティアの活用、さらに緊急雇用 あった。さらに孤立死をなくすためのつながりで公的予 立死防止につながる。そのために、今までの規制を取り 止に向けて早急に取り組むことが確認された。 以上、国家の緊急事態に対してあらゆる予算を柔軟に 活用して、過去の経験から必要と思われる被災者孤立防 払っていく取り組みをしてきていることについて説明が する。この食事作りに従事する人は被災者を雇用すると 取り、それぞれの課題に対応できる専門家へつなぎ問題 これに対し仙谷氏は、2011年度第 次補正予算を 柔軟に活用して使いきることが被災地の復興、さらに孤 成し、仮設住宅への戸別訪問実施を予定しているという。 必要であるとした。 緊急雇用創出事業を活用した「絆支援員( 要だとの考えが示された。その支え合いの仕組みとして、 各省庁が策定した予算項目を整理して市町村がそれぞれ 指摘された。そのような働き盛りの被災者には、自分た 立死をあげた。そのような事態を避けるためには、社会 が活動できる仕組みづくりが必要である。そのためには、 60 的な仕組みやネットワークによる支え合いの仕組みが必 40 成することを検討しているとのことであった。 キロの米と調理器具を配給した。夕食は、 80 いう。また応急仮設住宅での食事は、自分で作るため、 1 60 か所ある集会所に高齢者や独居世帯の人が集まっ 入居時に 戸に 30 て会食し、その他の世帯は集会所で夕食を配給するとい 1 ● 2011.7 特別号 ● 26 される三陸沿岸の後方支援拠点とし 丹 直秀 市役所をはじめ、民家や道路など、被 億円に及ぶが、人的には ての備えである。すでに2008年 害額 の軽傷ですんだという。 を実施している。 機関と住民による大規模な合同訓練 度には、自衛隊、警察、消防、医療 度から構想を具体化し、2009年 件 ─ 震災時「後方支援拠点」として独自の役割─ これは、平成の遠野物語です 「全児童無事」 月 日、堀田理事長ほかと遠野 市役所を訪問。市役所の中央館は全 備えあれば憂いなし 無事が確かめられて喜び合っている、 敏秋市長によると、「備えあれば憂 しい余震と停電の中、子どもたちの まった。「全児童無事」とある。激 きされている。階段の一枚に目がと 刻を追って事細かに、生々しく手書 いなしを実感した」とのこと。それ らの防災への取り組みである。本田 つ注目されるのが、震災発生以前か 市民の力が大きい。しかし、もう ん、このような震災直後の市役所や に、遠野市が大きな役割を発揮でき こそ、災害発生後の救助・救援活動 このような日頃の準備があったから 今回、特に沿岸部で大きな津波被 害が発生したのは本当に残念だが、 「後方支援拠点」という役割 当時の市役所内の雰囲気が伝わって も当市だけでなく、津波被害の想定 たことは間違いない。地理的に遠野 万人の当市の被害は、 震災発生直後からの市の対応が、時 もの模造紙が貼られている。これに、 震源地近くにもかかわらず、人的 被害が軽くすんだ理由には、もちろ 案内された。壁面いっぱいに、何枚 壊で改修中。辛うじて残った西館に 1 来る。人口 3 2011.7 特別号 ● 27 ● 2 26 遠野市 訪問メモ 6 1 市は、沿岸部(宮古市、大槌町、釜 時間、ヘリコプターで 石市、大船渡市、陸前高田市など) と、陸路 月 日には、ボランティア 括ケアの町」構想については、堀田 理事長の説明を受け、本田敏秋市長 いる。 団体ネットワーク「遠野まごころネ も、佐藤正市代表も、全面的に賛成 ット」が結成された。これと、 避難してきた400名余りの被災者 日に開設された全国からのボラン ティアの拠点「岩手県遠野災害ボラ 戸の建設を始め 岡市、花巻市、北上市などとも同様 ーのある仮設住宅 へ向けて、敷地内にサポートセンタ 月からは後方支援拠点としてボラ ンティアも独自の力を発揮し始めた。 ている。震災後発足した「縁(えに 園、体育館などを、万一の場合に支 援拠点として役立つ機能を備えたも のとして整備してきた。これが今回 大いに役立ったという。 4月からは、 ボランティアへシフト 市役所主導の緊急時対応が一段落 した現在、ボランティアによる復興 へ向けた体制も本格的に動き始めて 支援をしている」とのことで、沿岸 食事づくりの補助まで、さまざまな 役割」と言う。「安心して暮らせる 所を提供するのも後方支援の大切な たい。 くりへと展開していくことを期待し 共感を得、地域包括ケアのある町づ 仮設住宅」の発想が被災者の方々の さわやか福祉財団の提案「地域包 夢のある復興へ、まず、 つながりのある仮設住宅から 部復興の大きな力になっている。 陸前高田市を中心に、泥出しから、 件を災害時に活かせるよう、市とし 40 ては、かねてから道路網や、運動公 点として絶好の位置にある。この条 ンティアセンター」などが連携し、 してくださった。すでに同市では、 月 28 し)がつなぐ後方支援プロジェクト」 遠野まごころネットの佐藤正市代 の一環である。 表の話では、「現在は約200名の ボランティアが参加し、主に大槌町、 市長は、「被災者の方がふるさと に戻れるまで、安心して暮らせる場 4 の距離にあり、双方をつなぐ支援拠 分の位置にある。また、内陸部の盛 15 3 4 8 1 ● 2011.7 特別号 ● 28 松村 英二 日)もいて、県外避難者の全容はわかっていない。 東日本大震災等に伴う 県外避難者に対する支援について 全国の県外避難者の状況 9 9 阪神 淡路大震災では、県外に避難した被災者の消息 がつかめず、避難者間で情報格差が広がったことが問題 東日本大震災等に伴う県外避難者は、岩手県640名、 宮城4042名、福島県 万5557名( 月 日現在、 になったこともあり、早急な実態把握が必要である。 6 減少している。 今後の県外避難者への支援は、福島県からの避難者が中 く、 ㎞以上離れた地域からも子どもを県外へ避難させ 総務省が整備した「全国避難者情報システム」(P 図 )では、被災者の連絡先が登録され、被災前に住民 岩手・宮城両県の県外避難者が減少しているのに比べ、 福島県では計画的避難区域や緊急避難準備区域だけでな ・ 心となっていく。そして、県外避難者は、 6 都道府県 票のあった市町村から、仮設住宅入居や義援金支給の連 945箇所( 6 月 絡、税の減免措置などの情報が遠隔地にいる被災地に提 を寄せている人を除く)に分散しているが、半数が新潟 月 供されることになっているが、避難所や公営住宅以外に 万274名( 県、東京都、群馬県、埼玉県に集まっている。 るなど、県外避難への動きは増加傾向にある。そのため、 50 知人、親類宅に避難している被災者がいるなど、福島県 30 営住宅等の提供に伴い、岩手県、宮城県の県外避難者は 各県把握)となっているが、応急仮設住宅等の完成や公 3 では避難先が把握できていない人が 4 46 1 日現在、福島県、知人・親戚宅に身 2011.7 特別号 ● 29 ● 1 1 6 当財団の県外避難者支援 東日本大震災等における被災地や避難先においても、相 互扶助の精神の基に、避難者同士や地域住民とのふれあ い・助け合い活動を推進する、を県外避難者への支援方 針として展開することとした。 ● 東京都内の県外避難者への支援活動 (1)現状と課題 ○総務省の「全国避難者情報システム」を基に送られる 避難前に居住していた県・市町村からのお知らせは、 現時点では行政的な手続きや通知にとどまり、ホーム 機能を果たしていない。 応や、復興についての意見や要望を吸い上げるような 個々の生活上のニーズや差別的な扱い・苦情等への対 ページからの情報も含めて、一方的である。そのため、 ● 2 1 助け合う、いきいきとした社会の創造を目指す、( ) 当財団は、( )互いの個性やプライバシーを尊重し つつ、それぞれの人が自分を大切にしながら、ふれあい 2 3 (図1) ● 2011.7 特別号 ● 30 ○東京都及び区市町村による避難者の状況把握や相談機 動や情報交換、生活上の問題を自立的に解決でき ウ.避難者ネットワークが、避難者同士のふれあい活 るように当財団が支援する。 ②都営住宅等に中・長期的に居住する避難者に対しては、 能は十分ではなく、今後の避難者の生活における問題 ○すでに親族や友人・知人宅に身を寄せている人々、こ 地域の中で孤立せず、地域住民とのふれあい・助け合 や課題への迅速かつ効率的な対応も不十分である。 れから大きな避難所から分散していくことが増えてい いの関係が築けるよう、都営住宅など地域の住民との ● 月末に東京都福祉保健局を訪れ、避難者が入居する ● く中で、被災者の存在が知られていなかったり、それ ① (3)支援の経過 関係づくりを支援する。 日現在、 供するとの回答を得るとともに、避難所である旧グラ 月 県調べ) の避難者が確認されているが、 個人情報保護を 理由に行政機関からの情報が極めて入手しづらい。ま ンドプリンスホテル赤坂(以下、赤プリ)を管理して 都営住宅等の所在地情報を求めたところ、集計後に提 た、都内の避難所は、安全面等を考慮し、避難所への ②住宅整備局の課長は、当財団の支援方針に理解を示し、 赤プリで毎日法律相談等を受けている災害復興まちづ くり支援機構(以下、支援機構)との連携を当財団に ● ①ア.避難者が地域住民から差別的な扱いを受けたなど 談ブースに定期的に入り、避難者ネットワークづくり 5 提案してくれた。 月中旬より支援機構の相 ③支援機構との協議の結果、 (2)支援内容 いる住宅整備局の課長を紹介していただけた。 ○東京都には、福島県から4652名( にいるのかを知らないといったことも予想される。 ○避難所から他の住宅等への移動で、同じ被災者がどこ ぞれの地域で孤立することが懸念される。 ● 4 立ち入りや避難者との接触が厳しく制限されている。 20 の相談に対して、当財団がその解決を支援する。 イ.自主的な避難者間ネットワークづくり(県人会の 発足等)を、当財団が支援する。 2011.7 特別号 ● 31 ● 6 (図2) ) の呼びかけや避難者からの相談受け付け及び対応を行 うこととなり、避難者に相談に関するチラシ(図 を配った。赤プリの約700名の避難者は、ほとんど 76 (図3) し、孤立化が進むことが懸念されるため、避難者ネッ トワークの構築が急がれた。 ⑤当初は避難者が世話人となって、避難者ネットワーク づくりにつながる交流会を開催することを検討してい 月 )。 交流会には支 たが、核となる人物が見当たらず、当財団主催で 今後の支援活動 である。(交流会の詳細は次号にて報告) 援機構も参加し、今後の支援活動等の説明を行う予定 日に実施することとなった(図 6 が福島県からだった。 月末の閉鎖に向け、東京都は次の受け入れ ④赤プリの 31 3 2 月末に説明会を開き、意向調査を配布した。 に際して 6 受け入れ先が 月 日まで利用できる の都内旅館等 と都営住宅等であるため、避難者が都内にさらに分散 8 19 月中旬に東京都(都市整備局、福祉保健局)から、避 難者が入居する都営住宅等の所在地に関する情報提供が 4 動につなげていきたい。 を掘り起こし、継続的な地域住民同士によるふれあい活 また、避難者と地域住民とのふれあい・助け合い活動 を通して、長期的な地域住民同士のふれあい・助け合い け合い活動を推進していく予定である。 等と連携しながら、避難者と地域住民とのふれあい・助 あった。今後は避難者及び都営住宅等の自治会リーダー 6 5 ● 2011.7 特別号 ● 32 広げよう 支援の輪 東 日 本 大 震 災 か ら の 復 興 に 向 け て、 被 災 地 県 外 の さ わ や か インストラクターもそれぞれの立場から活発な支援活動を ないという窮状を知り、食料の支 援を中心に、下着と靴下をサイズ 別のセットにして持って行ったり、 風邪が流行った時には家庭用の常 備薬を、お葬式に行きたいがガソ リンがないと聞けば、それを届け たりもしました。幸いだったのは、 入り、継続的な支援を続けている から宮城県の南三陸町歌津地区に こう語るのは、ご子息の友人が 被災したのをきっかけに震災直後 めました」 ながってこられた理由です」 いないと思ったことが、今までつ を手伝う形で支援していけば間違 とに詳しく、人脈も豊富。この方 の会長、小野寺寛さんと知り合え 取材・文/城石 眞紀子 行 っ て い る。 そ の 中 か ら 今 回 は、 3 名 の イ ン ス ト ラ ク タ ー の取り組みについてレポートします。 歌津地区で立ち上がった住民組織 山形県のさわやかインストラクタ 〝すばらしい歌津をつくる協議会〟 取り組み ー佐藤敬子さん(NPO法人かた 月 日には堀田理事長以下、 当財団職員を小野寺さんの元にア 1 ふるさとの復興に向けて 住民自身が 立ち上がるための 背中を押すような支援を くりの会理事長) 。 テンドし、今後の復興についての その 合い活動 も そ う で す が 、 目 の 前 に 「当初、避難所以外にいる被災者 意見交換の場も設けた。 2 たことです。元行政職員で町のこ いる一人 の 問 題 を 解 決 す る こ と が の所には物資がほとんど届いてい 「日頃、 私 た ち が 行 っ て い る 助 け まず大事 。 そ の 思 い だ け で 動 き 始 2011.7 特別号 ● 33 ● 5 だ遠い。 た と え ば 、 公 共 用 地 に 建 きても、 復 興 へ の 道 の り は ま だ ま て動き出 し て い る 。 た だ 仮 設 が で るなど、 新 し い ま ち づ く り に 向 け 申し入れ を 行 い 、 そ れ を 実 現 さ せ なく集落 ご と に 」 と 再 三 に 渡 っ て 同協議 会 で は す で に 行 政 に 対 し て、「仮 設 住 宅 の 入 居 は 抽 選 で は ってもら え た の も 良 か っ た で す 」 に、財団 の 皆 さ ん と も 直 接 つ な が 止めてく だ さ い ま し た 。 こ れ を 機 ケアの町 〟 に つ い て も 真 剣 に 受 け いて、財 団 が 提 言 す る 〝 地 域 包 括 さんは高 い 視 点 か ら 先 を 見 据 え て 杯かと思 っ て い ま し た が 、 小 野 寺 「正直、 目 の 前 の こ と で ま だ 精 一 支援ができたらいいですね」 も背中を押してあげられるような 必要な物資を届けながら、少しで なれるよう、皆さんの協力を得て で動き出さなきゃという気持ちに 災者がふるさとに戻り、自分たち 修理する工具を送りましたが、被 漁業を再開するために、船外機を り、復興はあり得ません。先日は 生活していけるようにならない限 をしてきた人たちが再び、それで む所が即働く所であり、海の仕事 とする第一次産業が中心です。住 「南三陸町の産業は、水産業を主 開したままだからだ。 と、山形に近い鳴子温泉に集団疎 腰を据えて取り組んでいきたいと 地域包括ケアのサポートセンター を運営していけるように仕掛け、 になる人を見つけて地域で居場所 ようかなと。その中からキーマン 突き合わせてじっくり話をしてこ いお茶とお酒を持って行き、顔を 「まずは笹巻きを作って、おいし 設して、交流の場を設ける予定だ。 81 程度。多くの人は地 の元になる所がつくれればいい。 設された 吉 野 沢 団 地 戸 へ の 入 居 そのためには、もっと現地に入 ってつながりを深めることが大切 思います」 者は 分 の と、今後はパラソルの居場所を開 1 元に戻っ て も 生 活 再 建 が で き な い 3 ● 2011.7 特別号 ● 34 取り組み 2 その ても役に立ちました」 のではと考えたからで、これがと ら、頼むほうも要望を言いやすい 鋭気を養ってもらい、活動しやす 場所を提供することで、少しでも ほっとひと息つけて交流できる居 どの物資を届ける支援をしてきた。 心的役割を果たしているのが、遠 れまで同 地 域 に 食 料 や 生 活 用 品 な OSを受 け た の を き っ か け に 、 こ テーショ ン ・ あ い 理 事 長 ) か ら S の佐々木 り ほ 子 さ ん ( ふ れ あ い ス は、岩手 県 宮 古 市 で 被 災 し た 仲 間 たすけあい・さわやか青森理事長) 青森県 の さ わ や か イ ン ス ト ラ ク ター葛原 美 恵 子 さ ん ( N P O 法 人 野まごころネットです。ここには 基地となっていて、その運営の中 「岩手では遠野がボランティアの ることを決めた。 興ボランティアの後方支援に当た を訪問。協力を申し出て、災害復 トワーク「遠野まごころネット」 市の被災地支援ボランティアネッ ができれば、現地のタイムリーな で得た情報や課題を共有すること ボランティアの皆さんが被災地域 を深めたい。またこの場を通して、 やお菓子などを提供しながら、絆 ヒー、終了後の憩いの時間にお茶 く遠野市社会福祉協議会敷地内で、 事業名は「さわやかパラソル」。 開設場所は同ネットが事務局を置 い環境づくりができたらと思って います」 「支援物資を届けるさいには、〝必 全国から参集したボランティア2 ニーズもつかめるでしょうから、 被災地に入るボランティアの 後方支援を通して 復興の手助けをしていきたい さらに、自分たちにできる支援 を模索する中で、 月 日には岩 要な物が あ れ ば お 書 き に な っ て 投 00~400名が常駐しているの 困っていることがあればお手伝い 「休憩時間や朝のモーニングコー 6 手県沿岸の被災地域を巡り、遠野 函くださ い 〟 と 記 し た 、 さ わ や か ですが、長丁場になるだろう活動 をするなど、今後の活動にもつな 月中旬オープン予定。 青森行の ハ ガ キ も 一 緒 に つ け ま し の中で、ボランティアの皆さんが 4 た。ハガ キ と い う 間 接 的 な 手 段 な 2011.7 特別号 ● 35 ● 5 げていけ る 。 そ ん な 効 果 も 期 待 し ているのだと思います」 い支え合いの大切さが、今問われ くする仲間と連携してスクラムを 対応できるよう、県内の志を同じ こうと思ったのです」 組むことで、支援態勢を整えてお ています 」 3 取り組み そんなTEAMみやざきでは現 在、 つの仲間が活動中だ。 つ目は、民間が主体となって 被災者をホームステイで受け入れ 所として の 役 割 を 果 た し た い と 。 トセンタ ー で も 、 ふ れ あ い の 居 場 市の仮設 住 宅 に 併 設 予 定 の サ ポ ー O法人みんなのくらしターミナル ストラクター初鹿野聡さん(NP 援を」と、宮崎県のさわやかイン 「遠く離れた宮崎からもできる支 ルプロジェクト」 。 これは、子ど PTAが主体となった「ランドセ ロジェクト」 。 る「東日本大震災被災者疎開者プ て、それ が つ な が っ て い け ば 大 き ことでも 、 人 が つ の こ と を し と言うん で す 。 で も ど ん な 小 さ な 皆が皆、〝私には何もできません〟 に渡ると予想される。必要が出た たちが必要とする支援内容は多岐 「今回の大震災では、被災した人 き」を立ち上げた。 主体となって、宮崎市に来た被災 を展開中。 つ目はNPO法人が ので、子どもの支援を中心に活動 い」という思いを元に発足したも もたちに使ってもらえたらうれし きたランドセルを、被災した子ど 2 場合、できるだけ柔軟かつ迅速に 「震災直後ラジオを聞いていたら、 Iプロジェクト「TEAMみやざ 3 つ目は、地区の その思い を 支 え て い る の は 、 「 困 もたちの「自分たちが毎日使って 日本はひとつ FUREAIプロジェクトで 宮崎から支援の輪を広げたい その 葛原さ ん が 活 動 拠 点 を 置 く さ わ やか青森 か ら 遠 野 ま で は 、 片 道 2 50キロ も あ る 。 そ れ で も 仲 間 や 地元ボラ ン テ ィ ア の 協 力 を 得 て 、 毎日型の 居 場 所 に し て い き た い と のこと。 さ ら に は 月 以 降 、 釜 石 3 1 ったときはお互いさま」の精神だ。 理事長)は 月下旬、FUREA 7 な力にな る は ず で す 。 そ の ふ れ あ 3 1 1 ● 2011.7 特別号 ● 36 合いになるきっかけづくりとして、 中)には授業で使う電子ピアノを 崎県へ避 難 し て き た 人 同 士 が 知 り 「TEA M み や ざ き と し て も 、 宮 ト」であ る 。 「助け合 い の 生 活 支 援 プ ロ ジ ェ ク きる被災 地 へ の 生 活 支 援 を 行 う 、 者の生活 支 援 、 及 び 宮 崎 市 か ら で 船渡市の大船渡東高等学校に移転 市の県立高田高等学校(現在、大 コピー用紙を、岩手県の陸前高田 のパソコンやプリンタ、インク、 町の漁協には漁業を再開するため 児童には修学旅行用の肌着を、同 へと広げていきたいと考えていま プロジェクトを宮崎から日本全国 めの鍵であり、このFUREAI 継続的に長く支援を行っていくた 支援の輪が広がっていく。それが 人と人とがつながり、絆となって、 きたい。心で向き合うからこそ、 日には、 家族 「プロジェクトを推進するに当た 〝宮崎ふれあいの居場所〟を開催。 寄贈するなどの支援も進んでいる。 す」 回の 月 り、私たちが確認し合い、特に大 第 名の方に 参 加 し て い た だ き 、 ボ ラ また、 月 下 旬 に は 初 鹿 野 さ ん 自身が被 災 地 に 出 向 い た こ と で 、 流を深め ま し た 」 や物資などハードの提供だけでな ことです。そのためにも、住まい に立つというスタンスで、個々の の生活の 様 子 な ど を 語 り 合 い 、 交 現地との つ な が り も 直 接 で き た 。 く、〝ハート〟でのふれあいをベ ースにおいた支援活動を行ってい 状況や環境を踏まえた支援を行う その結果 、 先 方 か ら の 依 頼 に 応 じ くまでも被災された人たちのお役 事にしているのは、支援する側の 9 ンティア や ス タ ッ フ も 含 め て 総 勢 4 論理で考え、動くのではなく、あ 7 名が集 ま り 、 震 災 時 の 体 験 や 今 5 4 て、宮城 県 の 南 三 陸 町 の 小 学 校 の 2011.7 特別号 ● 37 ● 1 30 かできないね」と、寄付・義援 合い、「とりあえずはお金でし 災害がわかった時は、何かし たいと思いながらも友人と話し 始。おせっかいおばさんが集ま 周りの友人に声かけして行動開 被災地とつながる道ができたと るのとは違い、とても身近に感 被災地の写真や新聞のコピー もあり、その内容はテレビで見 ています。 ラクターのNPOの話を聞いて、 にまで心遣いくださり、恐縮し だきました。忙しい中、私たち 金・支援金・どらえもん基金? りました。 ている同じくさわやかインスト どう違うんだろうと調べたりし じることができて、他人事には て、まずは送りました。 は?」と、さわやかインストラ お手伝いさせていただけるので るのなら、私にもできることで に向けて何か行動を起こしてい 「さわやか福祉財団が、被災地 参加させていただきました。 て、友人と箱に詰め送りました。 日本にも再度生まれるといいで 甘えつつ、荷物を茶の間に広げ ってくださる方の器の大きさに て、多少独りよがりは、受け取 受け取った人が気持ちよく、 中継の人が作業しやすくと考え 転。 このような人と人との温かい つながりから、新たな価値観が がありました。 も、その活動に乗っている実感 ているというのではなく、人と NPOの活動の様子もわかり、 送った荷物も漠然と誰かに渡っ クターとして活動しているMさ すね。 人の関わりが見えて、私たちに んに電話をしてみました。 しばらくしたら、NPOの代 表の方から電話とお手紙をいた のフォーラムのお手伝いをして、 って、脳も気持ちも体もフル回 人がいると思うと、あれこれ思 できない緊迫感がありました。 Mさんから、支援物資を募っ 荷物を作っている時は楽しか った、この荷物で喜んでくれる 北海道札幌市 長尾 久美さん 昨年秋、友人のMさんに頼ま れて、札幌でさわやか福祉財団 「人と人のつながりから 支援物資を送らせていただきました」 ● 2011.7 特別号 ● 38 「フレンズ」による県外避難者支援第2弾 安部 博堂 フレンズとは、さわやかインストラクター等を事務局とした地域 ネットワーク組織の愛称 支援セカンドステージは 「モノ・ヒト」から「情報」へ 城・岩手両県からの避難者。逆にそのまま残っている いう話も伝わってきた。聞けば、自宅に戻るのは、宮 難所から全員が自宅に戻ったため避難所を閉鎖したと う声を耳にするようになった。 ある市では、 用意した避 れたころ、各地の避難所から避難者が減ってきたとい ゴールデンウィークを過ぎ、被災地に溢れていたボ ランティアが、潮が引くように去っていったと報じら た後福島に戻ったある家族と、今も連絡を取りつつ物 てみよう。丹さんは「一品持ち寄り激励会」に参加し まずは、前号でもご紹介した秋田県の湯沢フレンズ (丹すみ子インストラクター)のその後の動きを追っ 「フレンズ」はどのように対応しているのだろうか。 な 支 援 が し づ ら く な っ て き た の だ。 こ う し た 変 化 に 態や数を把握できなくなってしまう。これまでのよう るため、彼らとの連絡が取れなくなり、行政もその実 のは福島県浜通りの市町村からの家族が大半だという。 つに は、 そ の 家 族 を 窓 口 と し て 現 地 で 支 援 を 必 要 と す る 1 つ目は、その家族 つある。 県外避難者の支援に取り組む「フレンズ」も、新た な課題に直面することになった。市町が指定した避難 人々へも支援の輪を広げるため。 資支援等を続けている。その理由は 所を出ると、避難者は親戚縁者を頼って散り散りにな 2011.7 特別号 ● 39 ● 2 2 が再び湯沢に避難せざるを得なくなった場合でも、気 兼ねなく戻れるように環境づくりをしておきたいとい 〝被災者による被災者支援メニュー〟 を 」。 そこで ミシンを使っての小物づくりを企画した。被災者が作 る。もし、県外の避難場所で住みなれた故郷の情報が い、強い孤立感にさいなまれることも大きな要因であ 慶弔などの現地の情報が届かず、地域のきずなを見失 福島の避難者が自宅に戻るのは故郷が落ち着いたか らではないだろう。郷里から遠く離れた土地にいると、 トラクター)は、自身のNPOで被災者を雇用する方 避難者がそのまま定住することを意図した取り組み も検討されている。出雲フレンズ(熊谷美和子インス ようになったという。 加した家族からはその後フレンズに相談が寄せられる う思いからだ。 入手できたら…。 いう考えからである。 ったものを、被災地に送ろう というプログラムだ。 フレンズの呼びかけに地域住民 名が駆けつけた。参 丹さんとフレンズの赤平一夫さん(湯沢市社協)は、 市内に残っている避難者へ、福島県で最大の購読数を イプをつなごうという活動だ。 い、市内のあちこちで避難生活を送る人々に支援のパ 大きいという。今後、市報や地元紙でもPRしてもら ないという声もあるが、こうしたフレ 避難先といっても過言ではない。原発や被災地から遠 島・鹿屋フレンズからも伝わっている。今や日本中が 出雲だけではない。福島からの避難者情報は、北海 道オホーツク沿岸の枝幸フレンズからも、九州は鹿児 針を打ち出した。就労支援こそが究極の被災者支援と 同県の大仙フレンズ(佐藤多喜子さん)も、 月に 独自の激励会を開催した。招待できた避難者は多くは ンズの発想・手法をヒントにした支援 い地域だから募金くらいしか協力でき なかったが、大仙フレンズのコンセプトは「被災者は の輪を全国に広げていけないだろうか。 誇る『福島民報』を届けるサービスを始めた。反響は 34 サービスを受けるだけでは心苦しいのではないか? 5 ● 2011.7 特別号 ● 40 東日本大震災・現地報告 ら、避難所で生活されている方々の心のケアを行っ 木原 勇 「今日一日の活動、ご苦労様でした」。 遠野まごこ ている。 遠野まごころネットでの活動 ろネット佐藤正市代表(遠野市社会福祉協議会常務 定例会議は、まずは 市 町のエリア報告からス タートする。 分から毎日行われている定 例会議は 始 ま る 。 月 日の報告では、陸前高田市内の米崎町線路 (JRドラゴンレール大船渡線)周辺の瓦礫出しに 理事)の 挨 拶 で 、 時 遠野市被災地支援ネットワーク『遠野まごころネ ット(遠野被災地支援ボランティア)』は、2011 ボランティア 名が参加したこと、大槌町では町内 2 1 国から集 ま っ た N P O 約 団 体 も 参 加 し て い る 。 の桜木町の屋内整理に 名が参加したこと、釜石市 13 手県沿岸部の被災者の方々を支援するべく、遠野市 90 6 30 内 年 月 日に発生した、東日本大震災で被災した岩 18 民を中心に結成されたボランティア集団であり、全 11 遠野市は内陸部にあって、沿岸部の釜石市、陸前 高田市、 大 槌 町 を 主 に 後 方 支 援 し て い る 。 48 遠野まごころネットでは、足湯隊・まごころ広場 ・まけない象等、様々なプロジェクトを展開しなが 63 か所で 名が屋内整理に参加したことが報告さ 47 続けて、足湯隊等から、現地の仮設情報について 聞いたことが報告され、情報の共有化を行う。 ィアが参加したことが報告された。 れ、この日は、家屋整理等に約200名のボランテ 2 「仮設住宅が市内のどこに建設され、いつ頃入居で 2011.7 特別号 ● 41 ● 3 きるのか」「抽選はいつ頃の予定か」「仮設の個別 支援がまだ出来ていない」などの意見が出される。 「アンテナが屋根にあっても、配線がされていない」 という報告に、参加者から、どよめきが起こった。 ここの会議のすごさは、佐藤正市代表と 人の副 代表の方 向 性 が ブ レ な い こ と だ 。 は、葛原インストラクター(さわやか青森)を中心に、 この遠野まごころネットの中で、さわやか福祉財団 この一言で、バラバラな背景と意思を持って参加 してきている団体をまとめるのだから、頼もしい。 てはいけ な い 」 と 、 繰 り 返 す 。 どんな場合でも、常に「避難されている方の後方 支援であり、尊厳を大切にし、自立への支援を忘れ 3 日から、同ネット事務局駐車 えがおくらぶ(青森県八戸市/小笠原雅久代表)と の連携に よ り 、 月 26 ができる 場 と し て 、 利 用 し て い た だ い て い る 。 遠方から来たボランティアの方に、ホッとできる 場を提供し、情報交換できる場・気楽におしゃべり である。 場を借りて、「さわやかパラソル」を始めたところ 6 ● 2011.7 特別号 ● 42 皆様からの温かいご寄付、ありがとうございます。 (5月 順不同) 日以降 月 (敬称略 日までの分) さわやか福祉財団 被災者・被災地救援義援金募金に ご寄付くださいました皆様をご紹介します。 6 (受領確認順に掲載しております。同じ名前がある場合は複数回ご寄付をくださった場合です。また、銀行振り込みの 12 い( 日】 日】 万円)、島本隆視( 万円)、島本幸子( 万円)、中山 ーンテニスクラブ(37100円)、NPO法人芸南たすけあ JR山手線西日暮里駅前辻立ち募金(3550円)、タテノロ 【5月 (5千円)、田中悠美子( 万円)、平林千津子(1万円) あい遠州会員(48117円)、河合竹乃(5万円)、佐藤保子 (2万円)、新セツ子(5千円)、新多嘉子(5千円)、たすけ J R 山 手 線 西 日 暮 里 駅 前 辻 立 ち 募 金(505 円 )、 福 島 治 美 【5月 堀田辰夫(2万円)、松原彰雄(1万円)、山崎昭( 万円) (5万円)、NPO法人ひまわり福祉サービス(75000円)、 方は、 ご連絡の状況により、 一部カタカナ表記のままの掲載となっております。なお、 辻立ち募金は、「名刺両面大作戦」 辻立ちの際に寄せられたものです) 万 円 )、 N P O 法 人 こ ば と J R 山 手 線 西 日 暮 里 駅 前 辻 立 ち 募 金(550 円 )、 喜 多 直 紀 万円)、千葉春彦(2万円)、大堀文 JR山手線西日暮里駅前辻立ち募金(8600円)、鶴丸幸代 10 【5月 日】 N P O 法 人 さ わ や か 北 摂( 日】 (60500円) 【5月 【5月 日】 林隆男・れい子(5万円) 、和田裕(3万円) 、湯山みはる(千円) 10 万円) 、荒井太郎(5千円)、林原満子(1万円) (2万円) 、髙野利雄( 男( 【5月 日】 10 12 2011.7 特別号 ● 43 ● 10 13 10 18 19 30 12 13 16 10 17 さと美(3千円) 【5月 日】 村三喜男(2千円)、小野キイ(2千円)、藤田静子(2千円) 、 【5月 日】 ロングウォーキングクラブ(1万円) 原清隆(6千円)、深田彰(6千円)、近藤郁子(1万円) 、矢野 伊藤護(6千円)、舘川良雄(6千円)、坂井優(6千円) 、西 堀田明子(1万円) 、松本カネ子(3万円)、恩田實(5千円)、 奈良時子(2千円)、福田進一(2千円)、八嶋とき子(2千円)、 【5月 日】 O情報センター(25399円) 田幸代(1万円) 、栗田充治(225000円)、うらやすNP 幸(4万円) 、飯久保友子(3万円)、佐藤真理(1万円)、石 JR山手線西日暮里駅前辻立ち募金(3052円)、飯久保寛 20 23 【5月 日】 岡本優子(1万円) 吉晴美(1万円)、本多定次(2千円)、本名幸作(4千円) 、本 ヨシ(1万円)、福田スミエ(1万円)、松吉晴美(1万円) 、松 24 (1万円) 、西川俊道(1万円)、高田順甫(2千円)、新橋昭子 ヒ ロ ユ キ(483216 円 )、 星 八 重 子( 2 千 円 )、 高 柴 正 義 カ ミ ス キ ユ ミ コ( 5 千 円 )、 ア サ カ マ サ オ( 3 千 円 )、 イ ト ウ 代三(2千円)、品田雄三・一美(3万円)、吉川芳江(1万円)、 藤真弓(2千円)、長田茂(4千円)、鈴木満(1万円) 、佐藤喜 水尾護(2千円)、水尾照子(2千円)、大植栄作(4千円) 、伊 名征子(2千円)、小賀野晴一(1万円)、三村波津枝(2千円)、 口敏子(2千円) 、中村勝治(2千円)、吉野国夫(2千円)、山 飛沢信子(2千円) 、楳澤武(2千円)、田口政枝(2千円)、西 シゲ(6千円)、木内規子(4千円)、匿名(2千円) 、松本喜 (2千円)、大野直政(2千円)、髙宮美佐子(2千円)、齋藤 井上晴之(2千円) 、廣橋永一(2千円)、村上和子(2千円)、 円)、佐々木富貴子(2千円)、山中れい子(2千円)、大山貞夫 江口博尚(2千円) 、三輪恵子(2千円)、飯沼明法(2千円)、 石原嘉信(2千円)、小久保季巳江(2千円)、湯澤きく(2千 幸子(2千円) 、飛岡邦夫・愛子(1万円)、竹村節子(2千円)、 浅賀雅子(2千円)、綾木美恵子(6千円)、樋口絹枝(6千円)、 (2千円) 、中村みさを(4千円)、丸尾純子(2千円)、松山 25 44 ● ● 2011.7 特別号 子(2千円) 、代田歌(2千円)、渡邉登美子(2千円)、真野荘 美子(1万円) 、堺孝興(2千円)、村上武勝(2千円)、草木恵 近(2千円)、安東洋造(2千円)、田上昭一(2千円)、松島 (2千円)、松本清子(2千円)、木内勝巳(4千円)、今井保 行(2千円)、猪狩こと(2千円)、寺島英子(2千円)、白髪 郎(1万円)、末治房(3千円)、照井茂子(2千円)、近藤祐 (2千円)、岩崎順子(2千円)、岡田繁子(1万円)、安澤善三 (2千円)、小林信男(2千円)、鵜狩節子(2千円)、藤田典 (1万円)、竹田光司(2千円)、梅崎久司(2千円)、大西徹典 円)、元吉美容室(2千円)、菅原美津子(2千円)、光島保子 中 戸 幹 郎( 2 万 円 )、 橋 爪 豊 子( 1 万 円 )、 栗 田 智 夫 子( 1 万 山田純一(1万円)、肥後征勝(2千円)、山田治男(1万円) 、 高橋富子(2千円)、斉藤好道(1万円)、藤田貞夫(2千円) 、 紳治(2千円)、藤井征治郎(6千円)、平山利忠治(2千円)、 博(1万円)、小林明子(2千円)、松澤幸男(2千円)、植田 さん (2千円) 、前澤富子(1万円)、野口守啓(2千円)、岡本晃之 中戸 幹郎 (NPO法人 青葉台さわやかネットワーク 理事長) 義援金によせて 東日本大震災と大津波により多くの 方々が被災され、その惨状が連日報道される中で、ここ ろ痛むものがあります。これは多くの方々の共通した思 いであり、被災した方々に対して、一人ひとりが出来る 支援をし、一日も早い復旧・復興を願いたいものです。 【5月 日】 円)、妹尾信二(5万円)、大城清子(1万円) 栄(2千円)、NPO法人青葉台さわやかネットワーク(5万 ると考えました。会員の皆さんに義援金の募集を呼び掛 私たち団体が現在出来る支援は何かを考えた時に、会 員の皆さんからの善意による義援金を募集することであ けたところ、多くの方々から賛同をいただきました。ま た、その呼びかけを会員以外の方々が知り、義援金を私 【5月 妙高サンシャインホテル(38828円) 日】 JR山手線日暮里駅前辻立ち募金(千円)、池内節子(5万円) 【5月 内海喜代子(5千円) 日】 たち事務所に届けていただく等、心のこもる温かい義援 金も数多くありました。その結果、賛同者数122名、 義援金総額617000円となりました。これらの義援 金を全額送金させていただきました。 2011.7 特別号 ● 45 ● 26 27 31 【6月1日】 上甲勲(3万円) 【6月2日】 J R 山 手 線 日 暮 里 駅 前 辻 立 ち 募 金(210 円 )、 久 保 田 嘉 昭 (2千円) 、山口良子(1万円)、矢上禮子(2千円)、里見百合 子(1万円) 、大石直代(2千円)、岡原実便(2千円)、林和喜 【6月 日】 株式会社八洋(2百万円)、佐藤喜美子(5万円) さん (株式会社八洋 代表取締役社長) 後藤 伯彦 倉持欽也(2千円) 、近藤すえ(2千円)、高井美智子(2千円)、 をさせていただきました。いつまでも〝人を大切にする〟 てもほんのわずかですが支援をしていきたいと思い寄付 ボランティア・ベンダーを通じて募 金を続けてきておりますが、八洋とし 小早川廣子(2千円) 、加藤稔(6千円)、増田美代子(2千円)、 会社でありたい。 NPO法人りんりん( 万円) 合計 25,960,932円 15 【6月6日】 JR山手線鶯谷駅前辻立ち募金(千円) 【6月8日】 10 募金の使用先:宮城県南三陸町歌津地区 責任者: 「すばらしい歌津をつくる協議会」会長 小野寺寛さん 宮城県本吉郡南三陸町歌津字伊里前123歌津中学校内 2 JR山手線鶯谷駅前辻立ち募金(2140円)、小泉宗正(1万 6 5 円)、NPO法人グループ凛(19000円) 3 ※ 月号 頁「義援金団体お渡し分のご報告」の 月 日分の 送金 お届け先が間違っておりましたので訂正してお詫び申 し上げます。 38 ・ 【6月9日】 JR山手線鶯谷駅前辻立ち募金(2千円) 、 片山千香子(5千円) ■これまでの義援金のご報告( 月 日〜 月 日) 石田ハマ子(1万円) 、鈴木慶子(3万円)、恩田實(7千円)、 男・従子(1万円) 、眞崎妙子(2千円)、藤田三男(2千円)、 10 6 30 ● 2011.7 特別号 ● 46 緊急支援物資の主な支援リスト(5月20日∼6月20日まで) 品 目 寄 贈 者 仲 介 者 貯水用ポリタンク さわやか福祉財団 荒川陽子インストラクター (宮城県仙台市) 通学用ヘルメット 201個 さわやか福祉財団 荒川陽子インストラクター (宮城県仙台市) Tシャツ・ポロシャツ 405枚 さわやか福祉財団 渡邊典子インストラクター (宮城県大河原町) ダイナモランプ 100個 葛原美恵子インストラクター (青森県おいらせ町) ドイツ在住 大濱普美子さん 荒川陽子インストラクター (手配協力:高橋秀華さん) (宮城県仙台市) 渡邊典子インストラクター (宮城県大河原町) さわやか福祉財団 小林悦子インストラクター (福島県福島市) ● 47 ● 2011.7 特別号 陸前高田市教育委員会 (市内中学生へ) 福島県浪江町ひまわり荘の 職員、利用者 岩手県宮古市、 岩手県陸前高田市、 宮城県仙台市、 宮城県山元町 福島市蓬莱町の子どもた ちが集まる場所や配食施 設等の定期的な環境測定 福島市蓬莱町の保育園と 幼稚園の子どもたちに提 供 (毎日使い捨て) 小児用マスク880枚 女性用夏物下着 50人分×2枚ずつ 陸前高田市災害対策本部 長部地区本部 福島市蓬莱町及び周辺の 田畑4ヘクタール(4万平 方メートル)の土壌改良と 各家庭への提供 ヒマワリの種 (4ヘクタール分希望) 線量計6個 ラデックス1008 ガイガーカウンター (マニュアル付) ロシア製 寄贈先避難所等 さわやか福祉財団 荒川陽子インストラクター (宮城県仙台市) 陸前高田市災害対策本部 長部地区本部 義援金の活用用途など 名 前 活用用途 活用後の声など 伊藤 寿美子さん ■ 被 災 を 受 け ま し た が、 の べ 800人を越えるボランティア の方たちが泊まり込みで片付 けの支援をしてくれた。その 支援にかかるさまざまな費用 に活用した。 ボランティアさんのおかげで、自 宅も宅老所もとてもきれいになっ た。おかげさまで7月の活動再開 を目指して頑張ろうと思っていま す。 葛原 美恵子さん ■宮古市重茂漁港の皆さんが避 難所から仮設住宅へ引っ越し した際に、すぐに生活ができ るような生活支援セット(台 所用品やお風呂用品など)を トラックにて追加として届け た。コーヒーとお菓子なども 110人分を購入し届けた。 ■山田町の被災者が甘い物が欲 しいと聞き、お菓子とニーズ を書いてもらうための絵はが きを送った。 山田町で漁業をしている皆さんか ら「甘い物をもらって、とてもう れしかった。これからも何かあれ ばぜひ連絡をさせてほしい」との 電話をもらったのがとてもうれし かった。 高松 志津夫さん ■雇用促進住宅の集会所にて、 たまり場をスタートするため の資金に活用。6月1日にスタ ートした。 住み慣れた地域から離れざるを得 なかったことによるコミュニティ ーを再構築するきっかけに常設型 の居場所にしていきたい。隣同士 知らない人たちが暮らす雇用促進 住宅の生活の中で、このたまり場 をきっかけにつながりが生まれて いくことに期待し、さまざまな仕 掛けをしていきたい。 渡邊 典子さん ■山元町のボランティア団体 「ふれあいの四季」さんの活 動スタート応援資金。 ■山元町の被災者の方を大河原 町 で 行 っ て い る「 土 曜 サ ロ ン」に招待するための送迎の ためのガソリン代など。 ■山元町の仮設住宅に届いた子 どもたちの絵本を整理する本 棚の購入など。 仮設住宅の自治会リーダーから、 「避難所から仮設住宅に入り、こ れまでとは違ったいろいろなニー ズが出てくると思うが、支援して くれる方がいるので、心強いし、安 心して生活ができる」と感謝され ている。 2011.7 特別号 ● 48 ● 名 前 活用用途 活用後の声など 小林 悦子さん ■福島市内の土壌改良を目的に ひまわりの種150㎏を1500袋 に分け、メッセージカードを 添え、多く。の市民に配る活 動をしています。 4ヘクター ルの農地にも蒔いた。 多くの方々が喜ばれた。今年は作 物を育てられず、気持ちが落ち込 んでいた農家の方が、種まきをす ることでやる気になったと、いき いきとされた。 川又 真貴子さん ■宮城県の桂島という離島には ほとんど支援が入っておらず、 新庄市の災害支援の仲間たち とともに支援へ入る。自衛隊 が作った道路を広げる作業を するため、一輪車、スコップ などを購入した。また、新庄 からラーメン屋さんを連れて 行き、被災者の皆さんに楽し んでいただいた。 被災者の皆さんは、7月には仮設住 宅に住む不安を持っている。支援 活動からの信頼が築かれたようで、 今度は、仮設での居場所づくりに ついて提案をしたら、ぜひにとの 話だった。次回は、広げた道路の 脇に被災者の皆さんと花を植える 作業をし、また、居場所づくりに も取り組んでいきたい。 菊地 恵子さん ■県外被災者支援として行った 「元気の集い」に参加した女 川町の方4名の支援。 仮設住 宅へ引っ越しする際に必要な 生活用品、テーブル、金槌、夏 服、下着、ラジカセ、ドライ ヤーなどを購入。 「とにかく情報が少なくてラジオ で情報を取ることが出来て良かっ た」と喜ばれた。 東日本大震災の復興支援に向けて、 「東日本大震災義援金」 を 受け付けています。 7 特別号 平成 年 23 月 日発行 7 10 発行人 堀田 力 公益財団法人 発行元 編集人 有馬正史 さわやか福祉財団 東京都港区芝公園2︲6︲8 日本女子会館7階 〒105 -0011 【募金方法・ご送金先等】 お振り込みの場合(下記のいずれかの口座宛にお手続きください。) 振込先口座名義:公益財団法人さわやか福祉財団 ■三井住友銀行 浜松町支店(普通)口座番号7479690 ■み ず ほ 銀 行 浜松町支店(普通)口座番号3383326 ■郵 便 振 替 00110−7−709627 *通信欄等に記載可能な場合は、 「義援金」 とご記入ください。 *振込手数料は、 振込金額から差し引いてお振り込みいただいても結構です。 手数料相当額分は当財団が負担し、 募金額に上乗せ致します。 【寄付控除を受けるためには、当財団の領収書が必要です】 さわやか福祉財団への募金寄付は、所得税、法人税等の控除対 象となります。 寄付控除の手続きの際には、金融機関の受領証ではなく、 当財団 発行の領収書が必要となりますので、可能であれば通信欄等にご住 所もお書きください。 できなければ、下記まで以下の内容をご連絡くだ さい。 ご入金確認後、 追って領収書をお届けいたします。 領収書ご入用の方は、 当財団まで、 お名前、 ご住所、振込銀行、 ご 入金日、 ご寄付額をご連絡いただければ大変幸いです。 (手数料を差 し引いたご送金の場合はその旨もご連絡ください) ご 寄 付 連 絡・ お問い合わせ先 さわやか福祉財団 担当・財団運営グループ TEL:03-5470-7751 FAX:03-5470-7755 [email protected]