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(7)テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験

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(7)テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験
5.情報処理技術者試験区分の詳細
5.3 試験区分の内容説明
(7)テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験
(7)テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験
対象者像
情報システム基盤(業務システム共有のシステム資源)の構築・運用において中心的役割を果たすとともに、個別の情
試
報システム開発プロジェクトにおいて、固有技術の専門家として開発・導入を支援する者。具体的には、ネットワークを固有
技術とする。
験
業務と役割
ネットワークシステムを計画・設計・構築・運用する業務に従事し、次の役割を果たす。
の 対
①ネットワーク管理者として、情報システム基盤であるネットワーク資源を管理する。
②WAN/LAN に対する要求を分析し、効率性・信頼性・安全性を考慮した設計・構築・運用を行う。
③個別システム開発の各工程(計画・分析・設計・運用・保守)において、ネットワーク関連の技術支援を行う。
象
期待する
ネットワークは情報システム基盤であり、個別のアプリケーションシステムの構成要素ともなる。また、マルチメディアへの展開も
技術水準
含め、ネットワークに要求される機能要件は急速に進展している。目的に適合したネットワークを構築・維持するため、次の
者
幅広い知識・経験・実践能力が要求される。
像
①ネットワーク技術・制度の動向を広く見通し、目的に応じて適用可能な技術を選択できる。
②企業・組織全体又は個別アプリケーションのネットワークへの要求を的確に理解し、ネットワーク要求仕様を作成できる。
③要求仕様に関連するネットワーク設計技法、プロトコル技術、信頼性設計、セキュリティ技術、通信サービス・料金など
を選択して、最適な論理設計・物理設計ができる。
④ネットワーク関連企業(通信事業者、ベンダ、工事業者など)を活用して、ネットワークの効率的な構築・運用ができる。
試験時間
午前 100分(9:30~11:10)
出題形式
多肢選択式
出題数/解答数
55問/55問
出題方針
午後Ⅰ 90分 (12:10~13:40)
午後Ⅱ 120分 (14:10~16:10)
記述式
論述式(事例解析)
4問/3問
2問/1問
午前の試験では、受験者の能力が 午後の試験では、受験者の能力が 午後Ⅱ試験は、受験者が高度情報処理
当該試験区分における“期待する技 当該試験区分における“期待する技 技術者にふさわしい経験や実務能力があ
術水準”に達しているかどうかを、知識 術水準”に達しているかどうかを、技術 るかどうかを問うことによって評価する。
試
を問うことによって評価する。
の応用能力及び実務能力を問うこと
によって評価する。
午前の多岐選択式や午後の記述式の
験
問題では問えないような質的な面を深く試
午後Ⅰの試験では、午前の小問による 験する。
の 構
出題形式では評価できないような技術
を応用して、実務における課題を解決
成
する能力を評価する。
具体的には、ネットワークシステムの開発・
運用における各プロセスを相互に関連付
けて問うことによって、専門知識、実務能
力を幅広く試し、評価する。
①各プロセスを相互に関連付けて、複合
した課題を与える。
②課題の理解に必要な最小限の状況を
モデル的に記述する。
③解答の一意性は必ずしも要求しない
が、解答に至る論旨の妥当性を問う。
出題範囲
付録 2.出題範囲 参照
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5.情報処理技術者試験区分の詳細
5.3 試験区分の内容説明
(7)テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験
●出題に当たっての考え方
午前
(1)
テクニカルエンジニア(ネットワーク)の午前試験は、ネットワークを利用したシステム構築や運
用に当たって必要となるネットワーク分野での専門的な知識だけでなく、情報処理技術者として共通
的に要求される分野で、幅広い知識の習得を求めている。
(2)
(3)
次の分野と技術レベルに分類される問題から 55 問を出題する。
① コンピュータシステム
技術レベルⅡ
③ ネットワーク技術
技術レベルⅢ
② システム開発と運用
技術レベルⅡ
④ セキュリティと標準化
技術レベルⅢ
出題範囲のうち、③の「ネットワーク技術」の分野の問題は、出題のウェイトも高く、高度でか
つ専門的な知識を要求する。④の「セキュリティと標準化」の分野に分類することもできるネットワ
ークセキュリティに関する問題もあわせると、ネットワーク技術に関連する問題は、全体の 5 割以上
となるように構成する。
(4)
「ネットワーク技術」の分野は、技術の進歩も早く、必要とされる技術も時代とともに変化する。
テクニカルエンジニアとして時代に即した新しい知識を常に習得していくことを求めている。また、
技術的な知識だけでなくネットワークやセキュリティに関連する法律知識も保有していることを期待
している。
(5)
④の「セキュリティと標準化」の分野の問題の出題レベルはⅢであるが、レベルⅢまで出題される
問題は、暗号化やネットワークセキュリティに関する技術的な問題である。標準化に関する問題やセ
キュリティマネジメント等の技術的な問題以外は、概ねレベルⅡまでの問題を出題している。
(6)
①の「コンピュータシステム」
、②の「システムの開発と運用」
、④の「セキュリティと標準化」の
分野の問題は、同程度のウェイトで出題する。
午後Ⅰ
(1)
受験者は、実務経験をもつネットワーク技術チームのリーダ又は技術チームの責任者であることを
想定し、その立場で考えるべき解答を求めている。
(2)
出題テーマは、日進月歩のネットワーク技術の進展を踏まえたものを考慮している。テーマ選定に
当たっては、試験委員が現場で直接経験した業務、又は身近で見聞した具体例をモデルにしている。
受験者がプロトコルなど基礎技術を体系的に整理し、実務経験があれば容易に解答できるよう工夫し
ている。
(3)
現実の具体例であっても、特殊な分野、技術、製品、サービスに偏ったテーマや、特定のメーカや
ベンダで使用される用語、記号、略号は原則として採用していない。ただし、業界で既にデファクト
スタンダードとして浸透し、利用されている場合は、出題文中に注釈や説明を加えることで、現実と
のかい離を減らし、実務を問えるよう工夫している。
(4)
対象業務やシステムの概況を前提条件として明示した上で設問する形式で出題文は作成している
が、あくまでも受験者が、技術知識、実務経験を踏まえて解答できるようにしている。したがって、
一見みなれないテーマのようでも、出題文をよく読めば、受験者の知識・経験から解答できるもので
ある。
受験者には、ネットワークエンジニアとして、業務要件を的確に捉え、実務上で実現性のある解決策を
いかに提案し、実践できるかを求めている。
(5)
各問題は、3~4 程度の設問で構成している。また、各設問の解答方式は、穴埋め、短文記述、図
式表示など、2~3 の小問から構成している。考え方を記述する場合でも、ほぼ一意性のある解答とな
るよう工夫している。
(6)
各問の出題文の全体の長さは、図表を含め、問題冊子で 4 ページ程度を目安としている。図表は、
要所に活用し、限られたページ数内で状況設定に対する受験者の理解を補助するよう工夫している。
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5.情報処理技術者試験区分の詳細
5.3 試験区分の内容説明
(7)テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験
午後Ⅱ
(1)
午後Ⅱの基本的な考え方は、午後Ⅰの考え方に挙げた(1)~(4)の各項を継承している。ただし、午
後Ⅱは午後Ⅰに比べ、ネットワークシステムの開発から運用までの幅広い範囲を対象にしており、よ
り具体的で詳細な状況を設定することで、技術チームリーダ又は責任者としての専門知識や実務能力
を総合的に求めている。
(2)
出題文は、ネットワークシステムの開発から運用に至るまで関連付けて広範囲に記述している。多
方面の切り口から設問を設定することで、一般論ではなく状況設定に見合った最適な考え方を解答と
して求めている。設問によっては、解答の一意性を必ずしも求められない場合があるが、その場合は
考え方の妥当性を求めている。
(3) 各問は、4~5 程度の設問で構成している。また、各設問の解答方式は、穴埋め、短文記述、図式
表示など、2~4 の小問から構成している。
午後Ⅰに比べると考え方に関する解答を求めるものを多くしている。短文でキーポイントを的確に
指摘して解答することを求めている。
(4) 各問題の出題文の全体の長さは、図表を含め、問題冊子で 10 ページ程度を目安としている。図表
は、要所に活用し、限られたページ数内で状況設定に対する受験者の理解を補助するよう工夫してい
る。
●出題例
午後Ⅰ
【出題趣旨】
ネットワークシステムはビジネスに不可欠な存在であることから、障害の未然防止及び障害発生時の
迅速な復旧は重要な課題である。したがって、ネットワーク技術者には、運用フェーズにおける問題解
決能力だけでなく、システムの設計フェーズから、これを考慮することが求められる。
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5.3 試験区分の内容説明
(7)テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験
この問は、迅速な復旧を行うために必要となる
ネットワーク管理システムに関する基本的な知識
と、運用を考慮した設計能力、障害発生時の問題
解決能力を問うものである。
現実に発生する問題は多様であり、対応方法も
状況に応じて異なるので、解決の方策を見いだす
プロセスが考えられる能力を問うようにした。
【出題に際しての工夫】
(1)
設問 1 は、ネットワーク管理に使用される
ping コマンドと SNMP を通して、ネットワーク
技術者に求められる専門的知識の習熟度を確認
している。
(2)
設問 2 は、ネットワーク機器を設置する際に、
保守性を考慮しているかどうかを LAN ケーブル
の接続方法を題材にして問うている。設計段階
で、現場での状況を実務経験として付加してい
くことが重要だが、その裏付けとなる理由をき
ちんと理解しているかどうかを確認している。
また、ネットワーク構成図や機器構成図などの
図を読み取る能力や、説明の際には図示が有効
になることから、図を描く能力も必要とされる。
そこで、図示による解答を求める小問も出題し
ている。
(3)
設問 3 は、障害発生時の問題解決能力と、止
まらないシステムの設計能力を問うている。問
題解決に際しては、システム構成を把握し、ど
のような動作をしているかを理解していなけれ
ばならない。その上で、発生した状況を整理し
て、障害となるポイントを絞り込んでいくこと
になる。また、止まらないシステムと言えば、
システムの冗長化であるが、単純な二重化構成
ではなく、そのシステムに求められる機能を踏
まえた上で構成が作れるかどうかを問うている。
この設問では、出題文で解決策が絞れるような
条件を提示した上で、実務と同様に対応策から
システム構成を検討するように順を追って解答
できるようにしている。
出典:平成 16 年度 NW 試験 午後Ⅰ 問 2
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午後Ⅱ
【出題趣旨】
情報システムの災害対策の重要性が再認識され
ている。ネットワークシステムは、情報システム
に不可欠なインフラストラクチャである。ネット
ワーク技術者は、復旧計画策定及びシステムの構
築と運用に関して、重要な役割を担う。システム
の信頼性確保や高可用性対策とは異なり、災害対
策ではシステム停止(災害発生)後の影響をいか
に極小化するかが重要となる。
この問では、復旧要件が決まった後に情報シス
テムの災害対策を検討する場面を想定し、その中
で、ネットワーク要素技術の応用とシステム切替
時のネットワーク運用を考えるものとした。
実際の情報システムの設計と運用においては、
ネットワークのみならず、多角的な視点が求めら
れる。そのような中で専門性を発揮しながら、課
題を解決できる人材が求められる。出題文中に登
場するネットワーク技術者のC君と同じような視
点での解答を期待している。
【出題に際しての工夫】
現状のシステムと災害時の復旧要件、新システ
ムの構想を紹介した後、新システムの設計と災害
対策に関する運用について、四つの切り口で考え
る設問とした。
(1)
設問 1 は、インターネットを利用したイント
ラネットのバックアップに関する問いである。
IPsec の技術を用いて、要件を満たすネットワ
ークをどのように設計すべきかを判断できる能
力を求めた。プロトコルの理解と、それが実際
のシステムでどのように利用されているかを理
解していれば、解答できる設問である。
(2)
設問 2 は、災害時のネットワーク切替えにつ
いて、複数の実現案を比較して技術的妥当性を
検討している。具体的には、DNS の応用と切替
えに伴う運用手順について総合的に考える設問
とした。出題文に記述された災害時のシステム
切替えという状況に即して、複数の実現案を技
術的に比較・評価できることを期待している。
(3)
設問 3 は、情報システムの復旧方法について、
サーバシステムを含む幅広い視点から設問して
いる。与えられた情報システムの復旧要件を基
に、システム構成要素ごとの技術的要件を導く
能力を求めている。出題文では、ネットワーク
技術者 C 君がサーバ技術者 B 君と検討を進めて
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5.情報処理技術者試験区分の詳細
5.3 試験区分の内容説明
(7)テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験
いる。C 君の立場で、ネットワークの専門性を
活かしながら、システム全体を具現化する実践
力を期待している。
(4)
設問 4 は、災害時のシステム切替手順に関す
る設問である。設問1~3で考察した内容を踏
まえ、切替手順の検討という場面で多面的に設
問を設定している。その中では、ネットワーク
に関する作業計画の立案や改善サイクルの確立
のような、管理者としての能力も期待している。
設問 4(2)、(5)では、問いの意図を理解した後、
出題文の内容を再整理し、解答を導く必要があ
る。また、設問 4(4)、(6)では、どのような視
点で解答をまとめるべきかを考え、与えられた
文字数で的確に記述する必要がある。各設問と
も特別な技術的知識は必要ないが、上級技術者
として活躍するために必要となる総合力を求め
ている。
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出典:平成 16 年度 NW 試験 午後Ⅱ 問 1
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