...

配布資料(PDF:3.2MB)

by user

on
Category: Documents
10

views

Report

Comments

Transcript

配布資料(PDF:3.2MB)
『新たな公』
(地域づくりの担い手)
大集合:活動報告会
東北ブロック
配布資料
平成22年 2月 4日(木)
目
次
分科会①
青森県横浜町
岩手県北上市
特定非営利活動法人 資源循環
型社会発信地域創造グループ
(EGG)
特定非営利活動法人 活き粋あ
さむし
協同組合 プランニングネットワ
ーク東北
特定非営利活動法人 いわて
NPO−NETサポート
「ばっちゃ力の共同食レストランと弁当サービス」の
仕組みづくり
2
元気な地域の「かたち」創造ワークショップ
4
岩手県花巻市
農商工連携・動き出す土沢商店
街プロジェクト委員会
農商工連携・動き出す土沢商店街プロジェクト
6
秋田県五城目町
「五城目」まちコミュニティ創生・
ふるさと元気再生協議会
自動車依存地域における、路線バス廃止に伴う消費
弱者の増加に対処する故郷再生モデル調査
8
山形県白鷹町
美しい山形・最上川フォーラム
美しい山形・最上川フォーラムによる地域活性化
プロジェクト支援事業
10
福島県白河市
特定非営利活動法人 まち研究
工房
友好都市の元気いっぱい農山村コミュニティづくりモデ
ル事業
12
青森県三戸町
特定非営利活動法人 三戸地域
資源発掘会議おっほの会
食文化の伝承と交流による三戸町ふるさと再生事業
16
岩手県花巻市
特定非営利活動法人 いわて
地域づくり支援センター
花巻市立谷内小学校の跡地活用方策の住民検討と地
域づくり支援
18
宮城県七ヶ宿町
特定非営 利活 動法人 水 守 の
郷・七ヶ宿
未来に向けた関・矢立地区の持続可能な国土開発事業
20
秋田県仙北市
特定非営利活動法人 アート夢
ネットあきた
民間主導による新たな生活防衛団設立のための実証
実験
22
福島県白河市他
特定非営利活動法人 白河ふる
さと回帰支援センタ−
特定非営利活動法人 しらかわ
市民活動支援会
協働の力でふるさと回帰を実現する事業
24
青森県五所川原市
社団法人 青森県防犯協会連合
会
五所川原地区防犯協会
地域見守りハンド・イン・ハンド事業
28
岩手県滝沢村
特定非営利活動法人 いわて
NPOセンター
拓魂の里 姥屋敷 地域の担い手発掘支援モデル事業
30
桑町自治会連絡協議会
地域の自然・災害・文化を伝える「語り部∼つなぎ手∼
担い手」育成事業
32
山形県上山市
山びこ村
地域循環型山村ルネッサンス事業
34
福島県会津坂下町
会津坂下町地域が輝くまちづくり
創造委員会
「地域が輝くまちづくり」新たな地域運営システム創造
事業
36
秋田県大潟村
大潟村 西5丁目地区有効活用
推進委員会
計画活動の改質を契機とした「新しい関係づくり」の構築
に向けたモデル事業
40
福島県南相馬市
NPO法人 はらまちクラブ
元気再生ふるさと応援団 自立・持続性確立プロジェク
ト
42
分科会②
分科会③
気仙沼市・唐桑町観光協会・唐
宮城県気仙沼市
欠席団体
分 科 会 ①
1
モデル事業名 「ばっちゃ力の共同食レストランと弁当サービス」の仕組みづくり
特定非営利活動法人 資源循環型社会発信地域創造グループ(EGG)
活 動 団 体 名 特定非営利活動法人 活き粋あさむし
協同組合 プランニングネットワーク東北
ホームページ
所属/
担当者名
連絡先
http://www.planet-thinks.or.jp/
協同組合 プランニングネットワーク東北 事務局長
三浦麻子
(資源循環型社会発信地域創造グループ(EGG) 柏谷富紀子
TEL 017-723-7630 FAX 017-723-7631
事務局
横浜事務局)
[email protected] (三浦)
活 動 地 域 青森県 横浜町
● 活動地域の概要
<横浜町の現況>(平成 21 年6月現在 数字は平成 20 年)
・人口は 5300 人、2070 世帯。前年に比べ人口は 110 人減少、世帯数
は 16 世帯増加。
・集落の数は 18。最も多い本町は 1080 世帯 2500 人、最も小さい雲雀
平集落は 5 世帯 10 人。
・0∼14 歳人口は 13.0%。人口増加率はマイナス 7.5%。高齢化率
28.4%。特に 85 歳以上の人口は平成 9 年から 19 年の 10 年間で 2.2
倍の増加。
・公共交通はJR大湊線横浜駅がある。
・町内に病院はなく、診療所が 2 ヶ所ある。1つは医師が高齢、1つ
の医師は青森市からの通い。
・ 就業人口の構成比は、1次産業:2次産業:3次産業が3:3:
・ 典型的な半農半漁の町。野菜は各家で自家生産が多い。
横浜町は下北半島のつけ根
● 活動地域の課題
むつ湾東岸(はまなす海岸)の横浜町は、やませの気象条件、平地の制約で半農半漁の集落群である。後継者流
出が続き、高齢単身のばっちゃ比率が高い。家族・コミュニティが崩れ、孤食が広がっている。短命県青森のなか
でも女性は最も短命に近い。保健所などの食事指導も孤食で効果が制約されている。
また、その生活は半困窮状態で、わずかな収入追加が浜のばっちゃたちの切実な願いだが、可能性はコミュニテ
ィ複合的なスモールビジネスに限られる。
● 活動の内容
・平成20年度
9月
関係機関に趣旨説明、協力依頼
第1回運営ばっちゃ会議
運営ばっちゃ会議設立(設立時 20 人)
第2回会議 委員 2∼3 人ずつチームに分かれて集落ごとに「昔食
べていたもの調査」取材とまとめ実施
10月 第3回会議 チームごとに調査結果を発表(1回目)
農家レストラン「ふみえはらはん」
(宮城県加美町)見学
11月 十和田市道の駅とわだぴあ 農家女性達の料理「一皿会」見学。
第4回会議 「昔食べていたもの」発表(2回目)と試食。
浅めし食堂と NPO 法人活き粋あさむしの見学・研修(浅虫温泉)
第5回会議 「昔食べていたもの」発表(3回目)と浅虫研修
の感想発表 第1回横浜ばっちゃ料理試食会打ち合せ
12月 第6回会議 第1回横浜ばっちゃ料理試食会(関係機関招待)
1月
第7回会議 試食会反省 第2回試食会の打ち合せ
2月
第8回会議 第2回試食会(弁当試食会)打ち合せ
2チームに分かれて2種類の弁当の内容を相談
3月
関係機関への活動報告と材料提供協力依頼(JA、漁協、社協)
第9回会議 第2回試食会 浜のばっちゃ弁当(2種類)試食
会(先輩ばっちゃグループ、関係機関招待)
第 10 回会議 弁当試食会反省と次年度の相談
2
唯一のじっちゃ委員は調理師
弁当試食会で。石木先生の講評
・平成21年度
7月
第0回会議 前年度の振り返り 今年度のアイディア出し
8月
第1回会議 今年度スケジュール説明
9月
第2回会議 伝統法事膳の再現試食(国土交通省現地視察)
産直レストラン「ビーンズ」
(秋田県大仙市)視察と研修
10月 第3回会議 「ビーンズ」研修反省 学校行事との協働について
11月 <菜の花クリニック仮開業> お祝いの紅白餅を提供
第4回会議 クリニック開業記念「ばっちゃの漬け物コンテスト」
相談 ばっちゃ会議のロゴ検討
12月 第5回会議 講演 上十三保健所健康増進課長 東山惠子さん
横浜町の正月料理試食会 (国土交通省 担当者現地視察)
1月
第6回会議 漬け物コンテストの詳細打ち合せ 他
23 日 青森市新町商店街まちの駅で「クジラ汁」
(限定 100 食)
提供(商店街との共同企画) 26/27 日 町内高齢者の昼食会に
伝統料理を提供 事業化アンケート調査(社協との共同企画)
法事膳の再現
大曲 産直レストラン「ビーンズ」
● 活動の成果
・平成20年度
① 孤食状況のヒアリング、試食会、グループインタビューで、一人暮らし高
齢者の引きこもり状態の改善、食事の指導効果の向上、生活習慣病改善のた
めには「共同食レストラン及び弁当サービス」が必要なこと、集落高齢者の
事業への期待も高いことを確認した。
② また、60 歳代は伝統食づくりの経験が乏しく保全・継承が危機的状況にあ
ることに気がついた。
③ 町も社協も財政難で人手もなく、ばっちゃ自身が担い手となる経営体設立
の支援が必要なことも確認。
④ 行政や農漁協など関係機関の理解が進んだ。
・平成21年度
① 産直レストラン「ビーンズ」など、事業としてなりたっている事例を見学
することで、自分たちに可能な事業形態、規模などを展望することができた。
② 社協や町、民間の集まりなどから、弁当の依頼を受け、提供した。原価で
提供し、そのかわり?アンケートに協力してもらった。
③ 活動を通じ、菜の花クリニックが横浜町に開業することが決定!ばっちゃ
会議としては、全面協力態勢で臨むこととし、仮オープンに紅白の餅を提供。
④ 菜の花クリニック主催「漬け物コンテスト」事務局を担当、クリニックと
町民のコミュニケーションスタートに協力。3月初旬の新築開業のオープニ
ングパーティ(内覧会)に料理を提供する予定。
漬け物コンテストチラシ
ばっちゃ力ロゴマーク
● 今後の課題及び展望
・課題
① 今年度事業で予定していた学校行事との協働が、インフルエンザ騒動のため、実施することができなかった
た。核家族が増加して、子ども達だけでなく親の世代でも行事食や伝統料理の味を知らない。伝統の味の継
承が家庭ではできなくなっている。
② 高齢化の一層の進展により、社協の事業は多様化し、作業量の増加も著しい。
③ 菜の花クリニックに医師が常駐、3人体制で町民の健康を守ってくれることになったのは、ばっちゃ会議の
活動によるところが大きい。これをサポートするのはばっちゃ会議に託された使命である。
(と勝手に決めた)
・ 展望
① 年間スケジュールのなかにばっちゃ会議との協働事業を組み入れてもらうなど、子ども達の心に地域への誇
りを醸成するためにも、学校との協働事業を実施したい。
② 町の高齢者の健康増進と、孤食回避、楽しい食事を提供するため、スモールビジネスの立ち上げを目指す。
③ 菜の花クリニックと協働で、残したい味コンテストを継続する。
④ できる範囲で活動範囲を広げる。県内他地域からのばっちゃ料理提供のオファーがあれば積極的に応じる。
3
モデル事業名
活動団体名
元気な地域の「かたち」創造ワークショップ
特定非営利活動法人 いわてNPO−NETサポート
ホームページ
http://npo2000.net
所属/担当者
いわてNPO−NETサポート
連絡先
活動地域
事務局長
菊池 広人
いわてNPO−NETサポート 0197−61−5035
メール:[email protected]
岩手県北上市
● 活動地域の概要
●中山間地区の人口減少と少子高齢化
北上市は工業を中心とした企業誘致により、平成20年までは段階的に人口が増加している一方、その増加は郊外エリアが顕
著であり、中山間地区においては人口が減少している。
(平成8年から平成20年の人口動態 ※北上市人口 93771人 ※平成20年12月末)
・人口増加率 北上市 105.7% 郊外エリア(相去地区)116.9% 中心市街地(黒沢尻地区)107.5%、中山間地区(口内地区)84.5%
・高齢化率 北上市 21.3% 郊外エリア(相去地区)16.6% 中心市街地(黒沢尻地区)19.7%、中山間地区(口内地区)36.8%
●中心市街地における空き店舗数の増加、市街地交通量の減少
●中山間地区における生活基盤(農協、診療所、個人商店)の閉鎖、規模縮小
【位置図・岩手県】
【位置図・北上市】
【東部中山間地域における農協空き店舗】
● 活動地域の課題
北上市は工業を中心とした企業誘致により、平成20年までは段階的に人口が増加しており、特に郊外部である新興住宅エリ
アにおいてその傾向は顕著である。一方、市内においても中山間地区においては人口が減少し、少子高齢化が課題になっ
ている。実際、診療所の閉鎖、農協の閉鎖、小学校の統合など生活基盤の縮小も進んでいる。
● 活動の内容
・平成20年度
各地区での持続可能な地域のかたち、住み続けられる地域のかたちを検討し、その中では現在の公共交通を補完する地域
交通の必要性が各地域から導き出された。
・平成21年度
活動① :中心市街地の都市基盤活用のための補完的交通社会実験
中心市街地において、歩いて動けるまちづくりのためのまちなか点検を行い、その結果からまちなかの歩行者を増やし、賑
わいを戻すための北上独自の方法を導き出し、社会実験を実施する。
1)まちなか点検
2)まちなか交通検討会(ワークショップおよび中心市街地勉強会の開催)
3)まちなか交通社会実験(駅前および中心市街地におけるバス路線・バス停の表記の改善・整理)
活動② :コミュティにおける車が運転できなくても暮らしていける交通基盤社会実験
1)公共交通勉強会・意見交換会の開催
・地域の交通の必要性についての勉強会および視察の開催(地域住民・事業者)
2)地域の交通検討会
・先進地視察およびモニター調査、利用者ヒアリング調査の実施
3)地域の交通社会実験
・3地区における乗り合いタクシーの時間変更および広報改善の実施
・1地区における過疎地有償運送の実現に向けた取り組みの実施
活動③ : 元気な地域のかたちアドバイザー会議
1)アドバイザー会議の開催
きたかみ型のコンパクトシティの実現にむけた情報交換会およびアドバイザー会議の実施
4
● 活動の成果
・平成20年度
13地区でのワークショップの開催およびアドバイザー会議、フォーラムの開催により、北上版コンパクトシティのかたち「あじさ
い型集約都市」を市・各地区に提言を行った。その結果として、市のさまざまな施策にその考えが反映されるとともに、各コミュ
ニティにおいては、持続可能な地域づくりにむけた具体的な取り組みがスタートした。
・平成21年度
(活動の状況、地域内での反響・効果及び周辺への波及効果等について記入)
活動① :中心市街地の都市基盤活用のための補完的交通社会実験
交通点検の結果、交通事業者、北上市と利用促進に関しての社会実験を実施するととも
に、バス路線の再配置やまちなかバスターミナル構想など、北上市が現在策定を進めてい
る公共交通ビジョンへ反映し、具現化できる情報の集積につながった。
活動② :コミュティにおける車が運転できなくても暮らしていける交通基盤社会実験
地域が支える公共交通のあり方について、多くの住民が「公共交通に参加すること」の必要
性を理解した、また、現在の地域交通の課題を洗い出し、事業者と利用者の双方が利用し
やすいダイヤ・路線の変更を行うことができた。
活動③ :元気な地域のかたちアドバイザー会議
きたかみ型コンパクトシティ「あじさい型集約都市」の実現に向けて、その方策に関して、一
定の方向性が見えてきたとともに、今後のさまざまな施策へ反映するための具体的な取り組
みの方向性の確認をおこなうことができた。
● 今後の課題及び展望
・課題
公共交通に関しては、住民の参加と事業者の理解が不可欠であり、現状の車依存型社会のまちの課題を今回再認識するとと
もに、それに向けた改善策の必要性を共有した。
・展望
これからの持続可能なまちの実現のために、行政・地域コミュニティ・事業者・市民団体などが、それぞれの地域においてどの
ような事業を行えばよいか、その方向性を聞共有できた。これをもとに、総合計画や各コミュニティの地域計画への反映や、公
共交通ビジョン、都市計画マスタープランなど、さまざまな関連計画に横断的に反映すること、さらにそれぞれが役割と責任に
よって事業を推進することにより、地方都市版のコンパクトシティの目指すべきかたちが北上に構築されることが期待される。
5
モデル事業名
農商工連携・動き出す土沢商店街プロジェクト
活 動 団 体 名 農商工連携・動き出す土沢商店街プロジェクト委員会
ホームページ
所属/
担当者名
連絡先
http://(活動団体のHPのアドレス)
事務局(土澤まちづくり会社内)/渡邊佳洋
TEL:0198-42-1331 FAX:0198-43-1201 E-mail:[email protected]
活 動 地 域 岩手県花巻市東和町地区
● 活動地域の概要
◆人口の減少 … H7 国勢調査:11,123 人 H12 国勢調査:10,710 人 H19 市民登録課調べ:10,144 人
◆高齢化率の増加 … H12 国勢調査:25.2% H17 国勢調査:32.3
◆公営バスの見直し(年間利用者数)… H15:約 3.6 万人 H16 約 3.3 万人 H17:約 3.2 万人 H18:約 2.9 万人
【←】東和町
における
土沢・浮
田・田瀬の
位置図
【↑】東和町および土沢の位置図
【↑】町内を走る公営バス
● 活動地域の課題
全国の他地域と同様、花巻市東和地区においても地域の担い手が不足し、地域基盤が弱体化している。中でも、中心
商店街は「街かど美術館」や「土澤ちょこっと市」等、何とか地域の活力を取り戻そうと活動を続けているものの、来
訪者の減少や担い手不足、売上減少といった課題を抜本的には解決できていない。また、長引く景気の低迷により、地
域課題解決の糸口が見えておらず、近い将来、限界集落ならぬ「限界商店街」という現象が訪れるのではないかと危機
感を感じている。
一方、周辺農村地域においても、農家の高齢世帯化、若年人口の流動化等による、コミュニティ存続が危機的状況に
ある。また、農業政策も大きな転換期を向かえ、行政や農協に依存した従来の手法から、それぞれの個性を生かした自
立型の農業を模索する取り組みが各地域で見え始めている。かつて、農家と商店は単なる売り買いの関係ではなく、そ
れを超えた密な つながり があり、さらにはそれが地域と地域を結ぶ大きな役割を果たしていた。しかしながら社会
環境や経済環境の大きな変化に伴い、かつて良かった農家と商店の つながり が薄れ、無くなりかけているのが現状
である。
そのような中で、東和地区を運行する市営バスは、高齢者、住民の足として農村部と商店街を結ぶ交通手段としてだ
けでなく、それらの地域間を結ぶ橋渡し的存在として位置付けられ、住民に長く利用されてきた。しかし平成20年度
花巻市公共交通基本計画が制定され、これまでの運行に見直しがかかり、市営バスは朝夕の便のみ、日中の便は予約応
答型乗合タクシーに移行する試験運行が実施されている。ただし予約応答型は、週3回という回数制限や、前日予約が
必須条件となっており、普段公共交通を唯一生活の足としている高齢者にとって利用しづらい状況となっている。また、
高齢者が多く利用する商店街にとっても、死活問題になりかねない。このように、農村部と商店街のつながりを結ぶ役
割を果たしてきた公共交通が大きく変わろうとしている今、商店街と農村部の今後の関係性を再び見つめ直す機会が必
要となっている。
● 活動の内容
・平成21年度
ア)地域の現況の確認と住民のニーズの把握
・アンケート調査の実施(予定)
イ)農と商のあり方検討
・ワークショップの実施
①農と商の連携について(遠野地域におけるグリーンツーリズムの取り組みから学ぶ)
②商店街のあり方を見つめ直す
6
③農と商 地域が元気になるコミュニティビジネスの展開法(島根県離島キッチンから学ぶ)
ウ)農と商をつなぐ実験事業
・おしかけ商店街の実施
①浮田地区(2/21)
②田瀬地区(未定)
エ)住民発 農村地域と商店街の将来計画の検討
・住民ならではの交通の検討
● 活動の成果
・平成21年度
(活動の状況、地域内での反響・効果及び周辺への波及効果等について記入)
※2次募集により採択された事業のため事業を開始してからまだ日が浅く、現時点で目に見える成果は上がっていな
い。
ア)活動状況
①おしかけ商店街の実施に向けた準備会の開催(3回)
②おしかけ商店街実施に向け実施先関係者との事前打合せ(浮田地区と田瀬地区)
③住民代表との公共交通将来像の(プレ)ヒアリング調査
イ)地域内での反響・効果
・はじめて商店街が農村地域に出向く事業であり、互いに期待感が強い。
・将来の先行きに、前向きなビジョンが見出せない中、当事業をきっかけに 何かやってみよう という意欲を育
てていくことで、さらにステップアップし、地域の活力を向上させることができる。
ウ)周辺への波及効果
・今回、おしかけ商店街を試験実施しない地域においても、農村地域と商店街の結びつきを再構築する事業であっ
て、特に農村地域の注目度が高い。
【↑】おしかけ商店街の参加者募集
【↑】浮田地区での事前打合せ
【↑】田瀬地区での事前打合せ
● 今後の課題及び展望
ア)課題
・おしかけ商店街の試験実施以前ということもあり、普段人通りの少ない商店街の商店が出向いても、お客さんが来
ないのではないかという不安がある。
・
(公共)バスの活用法について、法律による縛りがあるため、できることとできないことがある。特区による対応
ができないか、関係機関と相談する必要がある。
・バス利用者の声が届きづらい(利用者は生活弱者である高齢者が多い)
イ)展望
・地域の参加状況を見極め、おしかけ商店街の継続実施を検討する
・さらなるステップアップとして、商店街が出向いた際に、農家の物産品(ほうき、わら細工)や加工品(漬物等)
を仕入れ、商店街で販売する仕組みを構築できないか検討する
→商店街ならではの産直経営の可能性の模索
・住民発、バス活用方法の提案と試験実施(特区要望など)
・情報発信拠点としての商店街の構築(農村地域におけるコミュニティビジネスの手助け)
(町井地区…米粉パン、浮田地区…豆腐、鷹巣堂…味噌、漬物)
・地域の農産物を活用した総菜屋の開店(農家でとれた農産物に付加価値をつけて販売する)
7
モデル事業名 自動車依存地域における、路線バス廃止に伴う消費弱者の増加に対処する故郷再生モデル調査
ごじょうめ
活 動 団 体 名 「五城目」まちコミュニティ創生・ふるさと元気再生協議会
ホームページ
所属/
担当者名
連絡先
http://attaka-attaka.net/
理事・事務局長
018-852-5027
土橋文平
[email protected]
活 動 地 域 秋田県五城目町(中心市街地、集落、郊外の観光・集客施設等を含む町内全域)
● 活動地域の概要
・人口減少・高齢化率が全国で最も高い秋田県の中で、特に本町を含む秋田市周辺の市町村の人口減少・高齢化が集
落を中心に急激に進むとされており、平成 42 年時の本町は町民の約 2 人に 1 人が高齢者になると推計されている。
・既に、本町は、全人口約 11,800 人の既に 3 割が高齢者であり、生産年齢人口の減少により、500 余年の伝統を誇
る朝市の存続危機と中心市街地の衰退に加え限界集落問題が深刻化するなど、県内でも都市部との地域経済・生活
条件の格差が特に顕著に広がっている地域である。
各集落と街の中心
五城目朝市通りの様子。朝市が終わる
の朝市通りを結ぶ、 と商店街に人気がなくなってしまう。
高齢者等の足の確
保と買物の利便性
の向上が、
コミュニ
ティ創生のカギ.
五城目町の位置
路線バス(廃線予定)に乗る集落の高齢者
五城目朝市通りの様子。朝市が終わる
と商店街に人気がなくなってしまう。
・本町内には、鉄道の最寄り駅が無く県内でも特に自動車依存率が高い交通条件の中で、町内の集落を廻る一般バス
路線の廃線となる一方、代替手段として行政の施策により乗り合いタクシーが一部の地区で試験運行している。
・また、秋田県は、自殺率が減少傾向にあるものの依然として全国で高い水準にあり、その中で本町は近年 2 番目に
自殺率が高い水準に達したこともある。自殺の理由のひとつには、孤独感が要因にあるとされている。
● 活動地域の課題
・活動地域の状況を踏まえると、集落地域の高齢者等が街なかに出て、買物等を通じて人々とふれあい、地域社会に
関わることが極めて重要であるといえる。
・路線バスの代替の交通手段が導入されても、限界集落を生まないためには、今後増加する運転できない・しない・し
たくない高齢者や妊産婦など移動制約者(=消費弱者)の日常生活の利便性を確保することが重要となっている。
・他方、朝市は、中心市街地の商店が並ぶ通りで毎月平均 12 回開催されているが、その買物客による沿道の一般商
店への消費行動は決して盛んでなく、朝市を活かした季節イベント等の商店街活性化策が打たれているが、その効
果を日常の商店街活性化に結びつくまでには至っておらず、消費拡大を促す方策が重要となっている。
● 活動の内容
・平成20年度
■BDF(バイオディーゼル燃料)の普及推進活動における集落在住高齢者等の移動サポート実験への取り組み
① コミュニティ創生に向けた BDF(バイオディーゼル燃料)事業の本格実施にあたっての事前調査と、地域交通
に関わる住民・関係機関に対する意識・意向調査
② 多様な主体の連携と官民協働による植物油(廃油)の回収と BDF の自主精製の実験
③ BDFの配布と使用によるコミュニティ創生等の効果の検証
④ 本提案事業の本格化による、まちづくり会社(TMO)によるコミュニティビジネス化の可能性検討
・平成21年度
① 集落地域における官民協働による BDF 普及事業の推進
行政側で先行して植物性廃油を回収している集落を除く各集落地区を対象に、TMO(㈱あったか五城目)と
町民有志が協力して廃油を自主回収し、行政指定の「食油リサイクル協議会」の事業所に定期的に運搬する。
② 集落地域における御用聞き実験
朝市通り商店会から御用聞きの実験に参加する商店を募り、活動①の集落地域における廃油回収を通じて、高
齢者等居住世帯に対する御用聞きを実践し、その実施方法や利便性、改善点等に関するヒアリング調査を行う。
③ 朝市通り商店街でのお買物サポート実験
高齢者等をサポートするため、町民有志(介護経験者等)が TMO 事務所(
「朝市通りあったかサロン」
)に詰
めて、アンケート調査を行いながら買物代行(現場での御用聞き)や随行(荷物持ち)
、荷物預かり等を行う。
8
● 活動の成果
・平成20年度
(1)達成できた目標
①集落の高齢者や個人事業者等に対して、BDF、送迎サポート、御用聞きの必要性
等に関し、基本的な実態とニーズの傾向を把握できた。
②新聞チラシや町の広報誌等により周知を図り、朝市通りでの協働イベント等を
通して、植物性廃油の回収・精製・利用を実践し、普及の糸口とコミュニティ
創生ツールとしての可能性を掴んだ。
③御用聞きと送迎サービスは、御用聞きの現実的な難しさや個人事業を取り巻く
経営環境、法律上の制約等により継続的な検討課題となったが、タクシー会社
と町民有志の協力を得て代替的な送迎・回収手段を確保することで町民ニーズ
に応え、朝市や商店への来客と交流の創出を実現した。
(2)新たに見出された展開可能性・将来性
①行政の事業として植物性廃油の回収と乗合バスの運行が先行的に軌道に乗り始
めていることから、本活動の結果を踏まえながら行政と民間の適切な役割分担
を図り、連携することにより、活性化・環境・福祉・教育等のテーマが相互に
絡みながらコミュニティ創生事業の多様な展開が期待できる。
②町民有志が自家用車を持ち込み、廃油収集の巡回や乗合乗降時の高齢者のサポ
ートを自主的に行なうなど、新たなまちづくりを担う元気な人材が発掘できた。
また、その成果が御用聞きの方法の再検討に活かされ、高齢者等の日常の買物を
サポートする仕組みが出来上がる可能性を見出すことができた。
有志の町民が自家用車で BDF
用廃油の回収に努めた.↑
BDF 用廃油回収車に随行する
送迎車に乗る集落の高齢者↑
集落から送迎車(「あったか号」)で朝市に来て、休憩所の「あったか
サロン」で談笑して過ごした高齢者を笑顔で見送る町民サポーター →
・平成21年度
BDF の普及は、2 年度にわたる活動により官民の役割が分担されてきたとともに、
各集落をつなぐ協働の取り組みとしてコミュニティの醸成に役立っているといえる。
また、20 年度において行政、商工団体・TMO をはじめ多くの関係機関・企業が
集まり結成した本協議会メンバーには、21 年度から町民が加わり、介護の資格を持
つ町民もサポーターとして常時参画し、企画や広報を自主的に行うようになった。
御用聞きや買物サポートは、21 年度から本格的に実験を実施したが、初期段階で
あることや改善が必要であることから当サービスを利用する高齢者はまだ少ないが、 回収した廃油を巡回車のタン
クに入れているサポーター↑
協議会メンバーがこの 2 年間を通じて協働して取り組んだ活動は、集落の高齢者等
にとっては精神的な支えにもなり、いくらかでも孤独感が解消されるなど日々の生活
に安心感がもたらされていることが、
← 御用聞きしている様子と、
高齢者に対するアンケート結果から
朝市商店会のお店に寝具の注
も伺うことができる。
文が入り、店主自らが集落の
住民宅に届けている様子 →
● 今後の課題及び展望
・活動を通して見出された検討課題
本町の集落住民の生活利便性向上と中心市街活性化を果たすべく、TMO と商店会を中心としたコミュニティサー
ビスビジネスの本格的事業化に向けては、次の 5 つの検討を行なう必要性が見えてきている。
①コミュニティサービスにおける、官民の連携・役割分担の検討と、TMO の運営事業としての採算性を検討。
②高齢者が気兼ねなく買物が出来るコミュニティサービスの検討。
③御用聞きのサービスを補完する、中心市街地商店街と集落地域を直接結ぶ新たな商品提供方法を検討。
④高齢者の個別ニーズに応える地元商店街ならではのきめ細かい品揃えや、不足している商業機能の対策を検討。
⑤有志町民(学生を含む)や地元企業等が加わった、継続的なコミュニティサービスの体制づくりを検討。
・展望(検討課題に対する今後の具体的取り組み(案)
)
①官民の多様な主体が参加する、採算性のあるコミュニティサービス運営事業に向けたワークショップの定期開催
②バス路線廃止による、地域交通網の劣化に対応する行政等への提言(お年寄り等の交通の確保)
③朝市通りあったかサロンのサービスメニューの見直し(一時レンタルカートの改善、荷物預かりの充実など)
.
④高齢者でも立ち寄りやすい、朝市通り商店街の飲食店や食のメニューの充実(食のブランド開発の成果も活用)
⑤TMO の研修スタッフの配置、TMO と市民グループとの連携強化、地元企業からの人的協力(CSR)の提携等.
9
モデル事業名 美しい山形・最上川フォーラムによる地域活性化プロジェクト支援事業
活動団体名
ホームページ
所属/担当者名
連絡先
美しい山形・最上川フォーラム
http://www.mogamigawa.gr.jp/
事務局 平野 沢果
023-666-3737 [email protected]
活 動 地 域 山形県白鷹町川下(大瀬、佐野原、下山、菖蒲)地区
● 活動地域の概要
大 瀬:・世帯数 20 戸、人口 63 人(平成 17 年度国勢調査)
※世帯数 60 戸以上、人口 327 人(昭和 40 年、事実上無人となった平田集落と合わせて)だった 40 年前と
比べて世帯数 2/3・人口 4/5 減少
・65 歳以上の高齢人口が占める割合 50.0%(平成 20 年度)
、20∼24 歳および 35∼39 歳は 0%
・公共の交通機関 町中心部への定期バス(平日 4 便/日)
、デマンドタクシー(平日 7 便/日、500 円/回)
佐野原:世帯数 31 戸、人口 115 人(平成 17 年度国勢調査)
、高齢化率 34.8%
下 山:世帯数 66 戸、人口 235 人(平成 17 年度国勢調査)
、高齢化率 32.8%
菖 蒲:世帯数 56 戸、人口 220 人(平成 17 年度国勢調査)
、高齢化率 30.0%
最上川
【位置図:白鷹町】
位置図参考 URL
http://map.yahoo.co.jp/
http://www.mapion.co.jp/map/admi06.html
【位置図:川下地区】
● 活動地域の課題
川下地区、特に「大瀬集落」では、高齢化、世帯数・人口の減少に伴い、敬老会や運動会などの住民が顔を合わせる
機会に加え、防災対策等地域の課題を共有し解決に向けて話し合う機会が減少している。白鷹町のほぼ北端に位置する
大瀬を活性化させることは、町全体の活性化にもつながると考えられるが、そのためにはまず大瀬の近隣集落における
コミュニティの活性化が不可欠である。20 年度、大瀬において地域点検のワークショップを行った結果、地域の既存の
資源を磨いていくことで合意したが、この取り組みに参加していた「下山集落」の住民の間にも、地域が元気に存続す
るためには、住民が集う活動を通じコミュニティの活性化を図らなければならないとの認識が高まった。
● 活動の内容
・平成20年度
「大瀬も先進地に学べプロジェクト」
(9 月)…「四ヶ村」
(
「日本棚田百選」の棚田保全に係る地域活性化)と「大蔵
村肘折温泉」
(歴史ある湯治場の中での地元大学との連携等新しい取り組み)を視察。
「大瀬が健康でいきいきプロジェクト」
(10 月)…「大瀬のお宝」
(7 月調査)をもとに「こうなったらいいね!」とい
う提案を出し合い、そのためには何が大切か、
「誰が」
「いつ」やったら上手くいくのかを整理。芋煮会、保健士の健康
講座も同時開催。
「大瀬を桜の新名所にしようプロジェクト」
(12 月)…桜の植樹・既存の桜の手入れを実施。さらに桜の休眠期の手入
れ方法を勉強し継続的に住民が集う機会創出を目指す。桜と地域づくりの記念講話、
「大瀬応援団」
(下山集落住民等)
との餅つきも実施。
「まとめの会」
(2 月)…上記プロジェクト(ワークショップ)で話し合ってきたことの総括。
「おおせ博覧会」
(3 月)…手作り映画「おおせ物語」
、大瀬の写真展、川下地区の歴史講演、
「しらたか美食売店」での
鍋・餅等の販売を実施。
・ 平成21年度
(1) 大瀬での平成 21 年度からの発展的な取り組み
年度当初、
「住民と行政で協力したらすぐできる(20 年度ワークショップでの整理による)
」と、稲荷神社のお祭りを復
活させる計画をしていたが、稲荷神社に松の木が倒れ稲荷が損壊してしまったため中止。しかしその後、
「大瀬応援団」
の協力も得て、縁起物「身替り稲荷の松」として、その松を使い「通行手形」を手作り。白鷹町、朝日町、大江町でつ
くる広域観光推進協議会が実施する「レトロバスツアー」で大瀬前の国道 287 号線を通行するツアー参加者に配布した。
(2)川下地区全体での地域点検ワークショップ
「しもやま桜街道による地域づくり研修・植樹会」
(11 月)…地域点検ウォーキング、植樹作業、手入れ研修(実技・
10
座学による病気処置方法等)※開催案内時、桜守組織メンバー、および「さくら街道」と「荒砥第二公園」の愛称を募
集。
「しもやま桜街道地域づくり祝賀会」
(12 月)…防災セミナー「あるといいな防災マップ∼いつもの道が命の道になる
∼」
、歴史研修・地域点検会、子ども落語、餅つき(収穫祭)
、愛称発表会、
「最上川慕情」をうたう集い
「ボランティア組織立上げの会(仮称)
」
(1 月)…ボランティアが集まり、今後の活動計画を確認。
● 活動の成果
・平成20年度
まず、ワークショップにおいて、地域の歴史的な行事・史跡等で廃れているもの、
生活における不便な点、および地域の魅力を集落みんなで歩き抽出・確認した。次
に諸問題を「誰が」
「いつ」やれば解決できそうか整理・区分した。諸問題として「住
民同士が集まる機会の減少」も挙げられており、ワークショップを重ねること自体
が地域コミュニティの活性化へとつながった。この結果、集落をさらに発展させる
ことは難しいかもしれないが、住民が元気で生き生きと暮らし地域の活気につなげ
ることの重要性が分かってきた。
「声掛け合って元気な毎日」等の合言葉も生まれ、
自分たちで解決できそうなものは、話し合いを続けて具体的な方策を探ることで合
意した。
大瀬での取り組みについて、美しい山形・最上川フォーラムがホームページなど
で周知しているが、
「おおせ物語」は 300 件近いアクセスがあり、地域の魅力発信・
住民の士気高揚に寄与している。さらに、大瀬での取り組みに「大瀬応援団」とし
て参加してきた下山の住民の間でも、既存の桜、最上川沿いフットパス(小路)
、道 「大瀬応援団」との餅つき
の駅、
「つぶて石」等を整備・活用することで地域を元気にしようという気運が醸 (20 年 12 月)
成された。
・平成21年度
「下山さくら街道による地域づくり研修・植樹会」11 月 15 日(日)
①地域点検ウォーキング(公民館∼「荒砥第二公園」の周遊)
②桜植栽
③研修 実技:既存の桜で手入れのデモンストレーション(テング巣病枝剪定等)
座学:植栽後の手入れ(下山の地域性を考慮(鳥の食害対策等)について)
※参加:川下地区住民、美しい山形・最上川フォーラム会員、大学生など約 30 名
「下山さくら街道地域づくり祝賀会」12 月 13 日(日)
①防災セミナー「あるといいな防災マップ∼いつもの道が命の道になる∼」
②下山及び周辺の歴史研修・地域点検会
研修会のようす(21 年 11 月)
③子ども落語
④ポスターによる桜植栽報告(植栽時注意・手入れ方法を発表)
⑤愛称発表会(桜街道:
「下山ロマン街道」
、荒砥第二公園:
「黒滝展望公園」
、桜守
組織:
「下山ロマン街道・黒滝展望公園の会(仮称)
」
)
⑥子ども交流館で育てたもち米を使い「餅つき」
(収穫祭)
⑦「最上川慕情」
(歴史研究に登場した下山の史跡などが歌詞に登場)合唱
※参加:川下地区住民、美しい山形・最上川フォーラム会員、大学生など約 70 名
「ボランティア組織立上げの会(仮称)
」1 月 31 日(日)
植栽した桜の施肥・剪定・防除等の手入れ作業を通じ、最上川周辺の景観整備・活 防災セミナーのようす(21 年 12 月)
性化を担うボランティア組織を立上げ(当資料作成時は活動計画等を作成中)
。
● 今後の課題及び展望
・課題:現在の取り組みを、将来も若い世代にしっかりと引き継ぐために、住民のみなさんの士気を高いままに保つこ
とが必要。加えて、コミュニティ創生の中心となる桜の手入れについては、成長とともに新たな知識も必要となる。
・展望:上記課題を解決するため、美しい山形・最上川フォーラムでは桜守活動等を広報・支援するとともに、川下地
区と他地域の住民交流の場として桜手入れ研修会継続を検討。このことにより、地域コミュニティの維持・活性化が
期待される。
11
モデル事業名 友好都市の元気いっぱい農山村コミュニティづくりモデル事業
活 動 団 体 名 特定非営利活動法人 まち研究工房
ホームページ
所属/担当者名
連絡先
http://www.machi-ken-kou.net/
代表理事 金田 好明
TEL048−445−9038 FAX048−445−8734 [email protected] [email protected]
活 動 地 域 福島県白河市の主に表郷(おもてごう)地区(および白河市と友好都市の埼玉県戸田市内の一部)
● 活動地域の概要
【市町村合併と友好都市】
・対象地域である表郷地区(旧表郷村)がある白河市は、福島県南部のほぼ中央に位置し、栃木県那須町に隣接。
現在の本市は、平成 18 年に旧白河市と旧表郷村・旧大信村・旧東村の 3 つの村が合併し、新市として誕生した。
・また、本市の友好都市の戸田市との交流は行政同士だけでなく、市民活動等を通して農産物の紹介や祭りへの参
加など親睦が年々深まっている。しかし、双方が連携した民間ベースの具体的活動は構想段階に留まっている。
【少子高齢化の状況】
・白河市の人口は、平成 21 年 3 月現在約 65,360 人であるが、人口減少・高齢化率が集落地域を中心に進んでおり、
既に高齢化率は 20%を越え、今後、総人口・生産年齢人口の減少と高齢化がより一層進むことが予測されている。
・表郷地区(旧表郷村)は本市の中でも高齢化が進んでいる地域であり、地区面積の多くを占める山林や農地の適
正な維持が難しくなっているとともに集落コミュニティの活力が低下しており、限界集落も顕在化している。
福
島
県
↑表郷地区の遊休農地の状況
白河市の位置
←↑JR 新白河駅構内にある白川郡の間伐材の利用を促している
看板と製品例(県南地方の人工林の6割が間伐を必要としている)
【自然資源・農林業】
・阿武隈山系の自然資源・環境に恵まれている一方、山林の適正な維持と林業の負担軽減のために間伐材の利用促進
が図られているが(写真参照)
、その需要拡大が白河市の大きな課題のひとつである。
・その中で、白河市の市民団体が表郷地区に在る営林署・森林管理事務所と連携し、国有林や民有林の間伐材を利用
促進に関わっているなど、市民レベルの森林保全・木材を活用したまちづくりの動きがある。
・農産物は比較的多品種であり、農業産出額は 9,540 百万円(2004 年)であるが、農業労働力は低下傾向にある。
・しかし、本対象地域は、高齢者の元気づくりやコミュニティの維持に不可欠な農林業関係者の結束力とともに、間
伐材や遊休地等の有効活用しながら都市部(友好都市等)の市民ニーズに応えられるポテンシャルを有している。
● 活動地域の課題
・耕作放棄が増える一方で営農の意欲のある高齢者は少なくない。また、間伐材の利用が課題である一方で、都市部
では今後増える高齢者のための休憩所が必要であるなどを踏まえつつ木材のニーズを掘り起していく必要がある。
・こうしたことから、間伐材の様々な利用促進に向けた都市部での需要喚起や、遊休農地の再利用による都市住民が
求める新鮮で多彩な野菜を提供する取り組みが、農山村の元気なコミュニティを創生するカギであるといえる。
・しかし、市内の限られた財政・民間活力による対策の実施は容易でないため、外部との連携・協働事業の推進方策
として、友好都市のNPOのノウハウや市民パワーを活用し、新たな概念・形態のコミュニティ創生が必要である。
● 活動の内容(平成21年度)
(1)友好都市で活動する NPO の木材活用事業による、山村集落コミュニティの元気再生事業
① 間伐材の利用実態、林業関係者・友好都市住民等へのヒアリング、アンケート調査の実施
② 都市住民に好まれ利用される木製品についてのワークショップ、デザイン研究・開発
③ ①②の結果を踏まえた間伐材利用の需要喚起の可能性の検討、及び以下の木造・木製品の試作.
(2)白河市内の「戸田市民共同農園」
(約 450 坪)の試験的開設・野菜栽培およびレシピの研究開発・試験販売
① 遊休農地を活用した仮称「戸田市民共同農園」の試験的開設.
② 地元農家(高齢者等)の参加による戸田市民への野菜の栽培、及び戸田市内の街角での PR・提供.
③ 野菜の提供を受ける戸田市民の登録会員(モニター)制の試験的実施(戸田市の地域通貨を併用)
.
④ 農産物を使ったレシピの研究開発・試験販売(白河市と戸田市の市民による合同ワークショップにて検討)
.
● 活動の成果(平成21年度)
・NPO・市民団体や農林関係者および一般の市民が当該活動に参加・協力したことにより、交流が深まるとともに
12
連携相手が増え、また、間伐材や野菜の新たな販路や販売方法の開拓の可能性を見出すことができたといえる。
・現在、白河市関係者の意向とログハウスメーカー・建築士の協力により、間伐材を利用するログハウスキット材を
白河市の地場産品として自前で一貫して製材加工できるか検討に入っている。
・また、そのログハウスキットによる野菜保管を兼ねた休憩小屋(ラウベ)を白河市内の「戸田市共同市民農園」の
敷地に設置できるか検討中である。一方、戸田市側での取り組みとして、地元の木工職人の協力により、白河の間
伐材を使用したベンチ(オリジナルの仕様による小型ベンチ 5 脚)を試作し市内で実用化することになっている。
・戸田市民のための共同農園を表郷地区に開設し、地元農家により季節の野菜が栽培され、双方の市民や NPO の手に
より戸田市に定期的に運搬するとともに、戸田市内の様々な店舗等が参加している「おやすみ処ネットワーク」を
活かし、
街角で白河の新鮮野菜を市民等に PR・提供することで野菜のマーケット拡大の新たな可能性を把握できた。
↑戸田市有志の間伐体験と、大企業も参加した間伐材利用の合同ワークショップの様子
↑戸田市内のJR高架下の「おやすみ処」での街角朝市の様子
↓おやすみ処ネットワークに参加している店舗での朝市に来場した白河・戸田の両市民
↓居酒屋の開店前の時間を利用しての野菜レシピの研究発表
↑レシピは事前に試作したものを含め 20 品以上考案された.
● 今後の課題及び展望
・今後の課題
(1)森林保全・間伐材の有効活用に向けた課題
① 友好都市双方の林業関係者・地権者・事業者・NPO 等が連携した効率的な生産・加工・流通体制づくり
② 間伐材の品質確保と魅力のある製品の開発、および都市部での多様な間伐材マーケットの開拓
(2)耕作放棄の予防・放棄地の再生、限界集落の解消に向けた課題
① 耕作放棄地の管理体制の充実、魅力ある新規就農環境の創出と若手人材の確保、改正農地法等法制度への対応
②農産物の効率的な流通・販売方法の検討(コストダウン化)と体制づくりと、既存の野菜販売業者との共存共栄
(3)活動の発展的継続のための課題
① NPO と行政・市民団体・企業等の連携強化(企業の CSR の促進)による事業の体制づくり
② 利益のある社会貢献事業(ソーシャルビジネス)としての間伐材利用および野菜普及事業の採算性の検討
・展望(活動の展開可能性)
(1)間伐材の有効活用事業の展開
① 地域材活用木造住宅振興事業等の法制度を活用した展開
地域材による展示住宅を都市部に整備する場合等に助成を行う事業者向け補助事業等を導入するとともに、山
村と都市部の友好関係を活かすことにより、地域連携による間伐材の有効活用事業を展開できる可能性がある。
② 改正道路法の制度(道路占用の特例、道路外利便施設協定)の活用による展開
道路や沿道民有地における木製ベンチやプランタ等の設置・管理を NPO・行政等の協働で円滑に推進できる。
③ 木造中層建築の動向を踏まえた展開
木製建材の研究開発により耐火性・耐震性が高まり、外国の事例では中層の建築物の木造化が見られるように
なっていることから、日本でも実現すれば、間伐材の建材が大都市圏の住宅市場等に流通される可能性がある。
④ 森林認証制度(国際認証 FSC)に対応した展開
二酸化炭素吸収源としての森林(生態系等を含む)の保全状態を国際規格で認証する制度の導入により、日本
の木材マーケットにおいても認証材が販売条件になれば、間伐材の有効利用が進展する可能性がある。
(2)耕作放棄地の再生(遊休農地の活用)への展開
農地法の改正や農家の個別所得補償等の法制度・公的措置の動向、就農意欲のある若手や団塊世代等の人材が
増えている状況を踏まえ、田園環境や文化の継承を図りつつ新たな農地利用や就農人口増加の期待がある。
(3)広域連携・協働体制づくりの展開
① 今回の活動に参加・協力した白河・戸田市の各団体や企業に加え、新たに複数の市民グループや企業等が参加
することにより、民間ベースによる友好都市間の協議会づくりに発展するなど多様に展開する可能性がある。
② さらに、
「新たな公」の事業に取り組んだ東北地方の各団体が連携・協働することにより、延いては、国土の
骨格的インフラをフルに活かした関東地方等とのより大きなネットワークづくりに発展する期待がある。
13
14
分 科 会 ②
15
モデル事業名
食文化の伝承と交流による三戸町ふるさと再生事業
活 動 団 体 名 特定非営利活動法人 三戸地域資源発掘会議おっほの会
所属/
担当者名
連絡先
西山 光子(お問合せ先:特定非営利活動法人三戸地域資源発掘会議おっほの会)
0179−20−0073 mail:[email protected]
活 動 地 域 青森県三戸町全域
● 活動地域の概要
三戸町は、青森県最南端岩手県との県境に位置している。南部藩が居城を構え栄えた城下町として宿場町として栄え
た町で、古くから三戸郡の中核機能を有した町として栄えてきていた。季候は比較的温暖で冬季の積雪量も少ないため、
リンゴ、ブドウ等の果物、そば、うどんなどの特産品 が多く、農業・商業の町として知られている。しかしながら、
人口の減少に伴い高齢化が進み、中心の商店街が閑散となり、街自体に活気が見られない状況下にある。
【位置図】
【三戸町中心街全景】
【郷土料理せんべいかやき】
● 活動地域の課題
三戸町は高齢化・人口減少の進行や産業の低迷等課題を抱えており、それらの課題を解決するために、自然・伝統文
化等地域資源を生かした取組を官民一体となって実施し、悪循環から好循環に転換することが求められている。
● 活動の内容
・平成21年度
地域コミュニティの再生と交流・定住人口の拡大を目指し、食文化を中心に地域資源を活用した将来ビジョンづくりを
住民参加型で実施するとともに、東京・首都圏における三戸町の物産品販売や郷土料理を食しながら地域間交流を促進
する団体や会場を発掘する。
● 活動の成果
・平成21年度
(活動の状況、地域内での反響・効果及び周辺への波及効果等について記入)
活動①:
「特定非営利活動法人三戸地域資源発掘会議おっほの会マネージメント会議」1 月 6 日 1 回目実施
・この事業実施に当たり、おっほの会メンバーの意思統一を図ることができたと考える。
・メンバー個々が、次年度の活動に際しての事業計画を立てることが次回への課題で・
メンバーが集まり、原点に立ち返り、地域の課題について、解決についてをあげる中で
何を優先すべきかを話し合おう。どこに、目標設定すべきかを改めて意識する。
活動②:
「さんのへ活性化ワークショップ開催」1 月 17 日 1 回目開催
・25 人が集まり意見交換を行うことが、地域の合意形成の一歩である。そのため、中間支援組織へワークショッ
プの実施を再委託することで、地域住民から意見を引き出すことができたと考える。
・1 回目の WS では、三戸町の良いところ・悪いところ・夢やこう変えれたらいいのにを出して頂いた。
・このワークショップに、青森県立三戸高校の教諭と生徒の参加を得た事は、新たな一歩である。
・三戸町で住民による住民が考えるさんのへ活性化WSは、初めてである。1 回目に参加できなかったが、
2 回目には参加したいという方の申し込みが多数見られている。
・参加者は、一般町民・高校生・観光協会・商工会・スタンプ協会・行政職員・町会県会議員など
多種多様の方の参加が得られている。
どのチームでも共通して出ている事は、以下のことが多い。
* 良いところ:自然が多く景観の良い町・歴史がある町・食べ物が豊富で美味しい町
* 悪いところ:足引張りが多い・人口が減っている・雇用がない・宣伝が下手・資源が活かされていない
16
* 夢・改善点:空施設を活用する・歴史伝統を伝えて行く・農商工連携を進めて行く
各チームで意見を出し合う様子。
Aチーム:稼げる町にしたい
Bチーム:若い人にほこれる町にしたい C チーム:魅力ある町にしたい
と、各チームが自分達の出した意見から、テーマを掲げ発表する。
活動⑥:
「さんのへ活性化プロジェクトチーム」の立ち上げ 1 月 8 日
・ さんのへ活性化プロジェクトチーム立ち上げでは、事務局から
この事業の提案書に基づき説明を行い。
その後、中間支援組織より、プロジェクトチームを立ち上げることの
意義や効果についての説明がなされる。
今後、このチームが「新たな公」によるコミュニティ創生支援モデル
事業を実施していく事を再確認する。
・ 当日参加者は 7 名であったが、参加したいと申し入れ者は他 10 名
いる。その為、再度 2 回目のWS終了後再説明を行うこととする。
・ 地域の中で、
「何とかしなければいけない・・」と考えている方たちが多くいることを知る。皆そのきっか
けを見つけれずに暗闇の中をさ迷う状態であったが、
「新たな公」によるコミュニティ創生支援モデル事業が
起爆剤となるように成功させたいという想いが共有される。
● 今後の課題及び展望
・課題
:さんのへ活性化ワークショップを開催したことが、各新聞紙面に掲載され評価を得る反面、参加しなかった一部の方
達からの俗にいう「足引っ張り」が見られている。これは、地域で活動する上での最大の課題である。予測されたこ
とであり、活動④として「パートナーシップで進めるさんのへ活性化意見交換会」の開催を予定している。この活動
の中で、如何に多種団体との合意形成を図ることができるかが今後を左右する。
・展望
:事業は、開始したばかりであるが、今年度ゴールまで残り 1 ヶ月半となる。急ピッチで進める必要があるが、一つ一
つの活動を丁寧に行うことが重要である。
今年度は、活動②:
「さんのへ活性化ワークショップ開催」
・活動④:
「パートナーシップで進めるさんのへ活性化意
見交換会」の開催・活動⑤:
「さんのへ活性化アクションプラン発表会」の実施・地域の合意形成を図る事に重点を
おき活動する一方で、次年度への取り組みの準備段階として、活動③:都市間交流のためのヒアリング発掘調査・活
動⑦:
「おっほの会」と「さんのへ活性化プロジェクトチーム」との合同会議が行われる。そのことを、新聞紙面や
町広報誌を活用しながら、また町内会回覧を活用したりしながら、町民へ自律する三戸町をアピールして行きたい。
17
モデル事業名
活動団体名
ホームページ
所属/
担当者名
連絡先
活動地域
花巻市立谷内小学校の跡地活用方策の住民検討と地域づくり支援
特定非営利活動法人 いわて地域づくり支援センター
http://www.k5.dion.ne.jp/ iwasen/
若菜千穂
0198-26-2187
[email protected]
岩手県花巻市東和町東和東部地区
●
・
・
・
・
・
活動地域の概況
東和東部地区は、東西約6km、南北約 11km、おおよそ 65km2 の広さの中山間地域である。
人口 2400 人、世帯数は 715 世帯で、5行政区、67 集落からなる。
高齢化率は 33%、高齢者世帯率は高齢者単身世帯を含めて 23%に達する。
地区内は5つの行政区からなり、それぞれの地区に集落センターや公民館が立地している。
区域内には地区センターなどの拠点施設がなく、振興センターは谷内小学校の一部を活用して設置されている。コミュニ
ティ会議などは谷内小学校の教室を活用しており、地区の拠点的な施設を兼ねている。
・ 谷内小学校は平成 24 年 3 月を以って廃校となる予定である。
【対象地位置図】
【東和東部地区は典型的な中山間地域】
【谷内小学校の現校舎】
● 活動地域の課題
活動の背景として、地域の課題は①∼③が挙げられる。また、新たに平成 20 年度の活動により④∼⑤の課題が生じてい
る。
①地域コミュニティの拠点でもある小学校が閉校の予定である。
②少子高齢化と人口減少を背景として集落再編の必要性があり、実際に取り組みが始まっている。
③「新たな公」の考え方に即した新たな検討組織が必要となっている。
④社会実験的な取り組みによってより具体的に検討していく段階にある。
⑤市との積極的な協議と連携が必要となっている。
● 活動の内容
・平成20年度
初年度として若手を中心とした検討体制を立ち上げ、ワークショップ形式での検討を行うと共に、検討に必要な基礎
資料の収集や先進地視察などを行った。
活動① プロジェクトチームの立ち上げとワークショップの開催
活動② 地域概況の資料収集整理
活動③ 人口推計分析
活動④ 地域の現状調査、集落点検
活動⑤ 先進事例視察
活動⑥ 今後の活動方針のとりまとめ
・平成21年度
市との協議を経て、小学校跡地に地域のコミュニティ拠点施設の検討を進めることが合意されたことから、昨年度に
引き続き、ワークショップ形式で建物の基本構想の検討を行った。検討の中で、社会実験的な取り組みを行う予定であ
る。
活動①:小学校活用実践チームを立ち上げと検討
活動② :事例収集及び先進地視察(5箇所程度)
活動③ :社会実験的な取り組みの実施
活動④ :市との協議と協働体制の確立
活動⑤ :行動計画案の作成
18
● 活動の成果
・平成20年度
効果1 プロジェクトチームによる検討体制の構築
組織に当たっては、若手(40 歳くらいまで)と女性を多く含めるように配慮
した結果、これまでの自治組織への参加メンバーとは異なる新しい人の参加を促
すことができた。
効果2 地域の課題についての認識の共有化
市は、東和東部地区を新しいコミュニティの枠組みとして位置づけているが、
5つの自治会、3つの小学校にまたがっていることもあり、コミュニティの一体
感の醸成が課題となっている。委員会での検討のほかに、住民アンケート調査な
ども行い、地域としての課題を共有化できた。
効果3 小学校跡地活用案の整理
検討結果を住民アンケートという形で地域に在住する住民全員に問いかけを
行い、小学校跡地の活用案が整理できた。
効果4 市との連携体制づくり
市としては、小学校閉校後の校舎の取り扱いを明確にしていなかったため、委
員会としてはこれ以上具体的な活用策を検討することが困難になっていた。その
問題に対して、第5回ワークショップには市当局も参加してもらっての意見交換
を行い、その結果、今年度の成果として市に対する要望・提案書を取りまとめた。
委員会の検討風景
現在の小学校の視察
・平成21年度
施設の基本構想図づくり
市との意見交換を通じて、地域のコミュニティ拠点施設として立てていくよ
う、要望していくことが決定し、より具体的な検討がスタートした。その結果、
4つの構想図ができたため、全世帯を対象とするアンケートを経て、基本構想図
を完成させる予定にしている。構想案は、住民ならではのオリジナリティあふれ
る意見がたくさん含まれており、活動の成果がみられる。
社会実験の実施
今年度はさらに社会実験に取り組む予定である。社会実験は拠点施設に期待す
市との意見交換
る機能を確かめるためと、広く住民に委員会の活動成果を示すことを目的とし
て、パブリックビューと料理・スポーツイベントを行う。また、拠点施設はエコ
ハウスとして地域を牽引することをも期待することから、地域独自の事業として
で、エコハウスに関する視察も行うこととなっている。
今年度は、設計図を使っての検討や、社会実験の検討などより具体的な検討と
なったことから、委員の参加意欲が高まり、独自に検討してきた内容を委員会の
場に持ち込む姿勢もみられるなど、より主体的な活動となっていることは大きな
成果である。
これらの成果をとりまとめ、施設の活用や運営への住民の関わり方まで書き込
基本構想の検討も増資
んだ意見書をとりまとめ、市との協議につなげていく予定である。
● 今後の課題及び展望
【課題】
最も大きな課題は委員の参加率の向上である。特に委員会は、次世代の地域づくりを担う人材の発掘や育成も兼ねる
こととするために、30 代や 40 代の世代を多く含むメンバー構成とした。しかし、忙しい世代であることや、小学校の
閉校行事なども始まったことから、参加率が低い状況が続いた。
もうひとつの課題として、施設の活用や運営に関して議論が十分ではないという課題がある。
また、今年度の成果として、市に対する具体的な提案をとりまとめるが、費用面や運営面を含めた本格協議はこれか
らであり、活動を継続していく必要がある。
【展望】
施設の活用や運営に地域住民が参画することによって、初めて地域づくりの拠点施設として十分活用することができ
る。上記の課題を踏まえても、市と対等に協議できる体制を維持していくこと、さらに施設の基本設計が確定した後も、
現在の検討組織を実践チームとして再編し、さらに協議・検討を進めていくことが必要である。
19
モデル事業名 未来に向けた関・矢立地区の持続可能な国土開発事業
活 動 団 体 名 特定非営利活動法人 水守の郷・七ヶ宿
ホームページ
所属/
担当者名
連絡先
http://www.mizumori7.org
理事長/海藤 節生
0224―37−2171 [email protected]
活 動 地 域 宮城県刈田郡七ヶ宿町関矢立地域
● 活動地域の概要
この町は古くより宿場町として旅人たちを支え栄えて
きた。その後、農林業を中心に人口が増加昭和 35 年には
人口 5177 人にも達した。産業構造の変化により人口は
減少に向かう。近年では七ヶ宿ダムの建設工事に伴って
158 世帯がダム湖に沈むこととなりその結果、多くの人々
が町外へ移り住むこととなった。
1.人口 1820 人(△195 人)
2.世帯数 720 世帯(△38 世帯)
3.高齢化率 41.6%(+5.8 ポイント)
□ 関・矢立地区
●七ヶ宿町
【位置図】
4.年齢別人口構成の推移は 10∼19 歳
今年度事業実施区域
の減少が特に際立ち、75 歳以上の高齢
者の人口に占める割合が増加している
前年度事業実施区域
5.公共交通は町民バスが町内を運行、
他にJR白石駅と七ヶ宿町を連絡する
ミヤコーバスが一日 6 往復(休日は 5 往復)の
割合で運行している
ダム湖
(※数字は平成 21 年 4 月 1 日現在、
( )内は平成 11 年 3 月末比)
【ダム湖に沈んだ町に隣接する集落】
● 活動地域の課題
宮城県民 183 万人の水瓶として水質日本一を目指す我が町は国土保全に努め、水源地を適正に管理していかなければ
ならない。先日、地域住民に対し実施したヒアリング調査の中で「住む人たちの仕事が変わったために地域のつながり
が無くなっていった」という回答があった。例えば稲作であれば農繁期にはネコの手も借りたい。地域に住む人たちが
同じ仕事を営んでいた時期には、地域の人たちは暮らしの中で助け合い、支えあってきた。日常の中にコミュニティが
存在し、同時に地域の環境が保全されてきたのである。地域の担い手が消え、山村は都会同様、個人中心の社会へと変
化しつつある。
「働き」の形と同様に消費の形も変化を遂げた。暮らしの中で生活する人たちのコミュニティを支えて
きた商店も次第に姿を消し同時に人々が集う場が失われている。
「働き」の変化はコミュニティばかりか農地や森林を
も荒廃に導いている。この地域に人々が住み続け、古くからの「働き」を取り戻していくことは国土の維持管理におい
て大変重要なことである。この地域の古くからの「働き」
、つまり共同体を新たな協働体に再生する取組みは国土の維
持管理にも大変重要である。
● 活動の内容
・平成20年度
活動1:自然散策路の整備:自然散策路的なウォーキングコースを選定し、ルート作りと共に案内板やコース整備を行
った。地域住民と協働で作業を行い、実際に整備したコースの維持管理や環境保全活動は地域住民に限定せず広く利水
地域のボランティアと協働で行った。
活動2:未活用の施設周辺の整備を行い施設内は工芸品やNPOの活動写真などを展示するギャラリーとして活用し
た。地域住民と流域住民とのコミュニケーションを高めるために、オープニングイベントを実施し地域住民と他地域の
住民とのコミュニケーションの場づくりを行った。
・平成21年度
活動1:
「山の学校」体験活動の推進:古くからある「働き」を整理し先人達の知恵を学ぶための体験活動の実施によ
って副次的に国土を維持管理していく意識した自然活用と耕作放棄地の復興によるコミュニティの関わりづくり
活動2:
「山の学校」拠点作り:①昨年度開設した「寺子屋」を拡充し、場内にプレハブを設置し薪や枝を直接燃料と
して利用するかまどやいろりで食を通した地域間交流を図る②溜め池から水をひいて暮らしに利用し水環境保全への
意識高揚を高める。又、水車や廃材を利用した五右衛門風呂の利用・検討を行う。
20
● 活動の成果
・平成20年度
活動の成果
自然とふれあう場づくりを目的とした散策路整備では
カヌーを利用した中州の観察や富栄養化に伴って繁殖が
拡がる菱(水藻)の食への利用検討など多面的な広がり
を見せている。既存施設の活用ということで始まった
木材加工センター周辺を寺子屋として位置づけ、定期的
な間伐や炭焼きによって周辺の環境保全活動が始まった。
地域内での反響・効果及び周辺への波及効果等について
夏は睡蓮の花を冬は飛来する白鳥やマガモを楽しむ地域住民の新たな憩いの場として、またこの地区に位置する高齢者
福祉施設では毎日の散策の場として利用されている。また寺子屋ゾーンには炭焼きの煙という新たなランドマークが誕
生し立ち寄った訪問客との新たなコミュニティが生まれている。
・平成21年度
活動の状況
山村での「働き」を整理していくと、先人たちが生態
系サービスを巧に受け継いでいることを強く感じた。
耕作放棄地の再生では自然の再生能力の強さと人の関与
による国土維持の必要性を感じた。作業の合間での「食」
が与える潤いは想像以上にコミュニティの質を高めた。
今回「山学校体験センター」という名称で体験メニュー
を整理しパンフレット作成に至った。
地域内での反響・効果及び周辺への波及効果等について
事業二年目に入りスピード感のある我々の行動に地域住民からは篤いエールが送ら
れた。特に嬉しかったのは当該事業実施区域からの協力者の出現である。事業の実施
に従って人が集まり動き始めた流れが、地域内外にも元気を与え始めたようだ。自治
体もその距離を縮め、次年度からの観光事業などへ協働の申し出が出され始めた。こ
ういった地域は保守的な考えが強く、よそ者の意見を
聞くことはあまりない。地理的にも雪国という点から
も外部と遮断され頼れるのは自分という時代を生きてきた地域の歴史は保守的に動い
てきた。
自分たちで出来ないことは他の地域の人と協働していくという形に動きつつあ
る。今回の活動は目に見える形での関・矢立地区の変化と同時に、
「働き」を通した関
わりの中から多面的な効果をあげている。高齢化、過疎化に向かう町にポジティブな行
動をとる良い刺激になっていることは否定できない。
● 今後の課題及び展望
250km2 を越える広大な面積に小規模の集落が点在する七ヶ宿。町という機能を維持していくためには最低限の人口
規模が必要である。地域の担い手たちは雪国という厳しい自然環境と雇用のない町に未来を見出すことは難しい。宮城
県民 183 万人の水源という役割を担うこの場所を未来に引き継ぐことはこの地域住民の使命である。当NPOが今回
提案した活動は「自然を利用することで自然を守り、先人達の知恵を学び、伝えて実践していくことにより持続的に国
土を管理していく(開発していく)その中で町内外の「人」が集い、新たなコミュニティの形を創生する」というもの
である。体験メニューを実施していくために、地域に受け継がれてきた文化を地域の高齢者から学び、こうした学びを
整理し生態系サービスを利用した体験を可能にする自然に近い形の場づくりを目指した。過疎化の進行と共に耕作放棄
地が増加していけば、比例して国土は荒廃していく。地域の課題を地域だけで解決することは難しい。今回は蕎麦栽培
という切リ口で放棄された大地を蘇えらせた。その修復プロセスの中で利水地域住民を巻き込みながら最後に収穫、食
とつないでいった。国土保全を目的に収穫後には二毛作で小麦を栽培、炭を蒔き土壌環境改善を行っている。栽培する
品種を菜種等に変えバイオ燃料の原料として地域内で生産、利用する事により国土を保全していくという方法もある。
様々な主体が集い、集まった者が知恵を出し合い共有可能な目標を掲げることによって質の高い交流が生まれる。その
為の生態系フィールドは充分に存在する。今更のようだがキーワードは地産地消、それも多面的に徹底し行うことが必
要だ。自然と親しみ、その中で営みを続けていくことで環境が保たれる。森林面積が 90%を超える当地域が健全に国
土を管理していくことで、排出権取引の受け入れ先として自然を味方につけることが期待できる。そのエリアが拡がり、
持続的に管理されていくことで、国土全体がバランスを取り戻し、コミュニティあふれた日本が甦る。持続可能な未来
づくりには時代の流れに逆らわず将来を見据え地域の人と自然をつなぐ主体=「新たな公」が必要である。
21
モデル事業名 民間主導による新たな生活防衛団設立のための実証実験
活 動 団 体 名 特定非営利活動法人 アート夢ネットあきた
ホームページ
所属/
担当者名
連絡先
なし
NPO法人アート夢ネットあきた理事・事務局長 大和田しずえ
電話0187−44−3970 E−メールアドレス shizue@warabi.or.jp(上記担当者の連絡先)
活 動 地 域 秋田県仙北市西木町
● 活動地域の概要
総面積は 264.95k ㎡、面積の約9割が山林・原野、耕地率 4.9%の典型的な山村。降雪量は 1.5m∼2.0m、積雪期間が
150 日以上の特別豪雪地帯。
人口は平成 17 年 5,641 人、
過去 30 年間の人口減少率は 20.9%。
65 歳以上人口比率は 35.0%
と少子高齢化が進行。現在の集落数は 79。集落の数はほとんど変化無く推移しているが集落人口は人口減少と同調し減
少。しかし消滅した集落は無い。世帯数については、昭和 50 年が 1,714 戸、平成 17 年が 1,609 戸で 6.1%程度の減少
率である。高齢化率は、昭和 35 年 4.3%から、平成 2 年に 18.8%、平成 17 年 35.0%と急速な速度で進んでいる。
公共交通機関としては、民間路線バスと内陸縦貫鉄道があるが、民間バスは不採算路線であり、平成 22 年 4 月に県の
補助金見直しが行われると補助対象外となり、廃止されることもあり得る状況である。また、内陸縦貫鉄道については
運行の継続は決まったものの、大変厳しい経営状況にある。
【仙北市地図】
【 雪に埋もれた高齢者宅 】2008 年 2 月赤倉一善 撮影
● 活動地域の課題
20 年度の取組みでは高齢化率 40%以上の 15 集落、261 戸にアンケートと訪問聞き取りによる調査を実施。内一人暮ら
し世帯が 17%、全員 65 歳以上の世帯が 26.1%と、独居老人や高齢世帯の暮らしぶりが不安視される状態である。日常生
活で不便と感じることは、の問(複数回答)に対し、通院の大変さが 30.7%、雪おろしや除雪作業の大変さが 24.7%、買
い物の大変さが 20.4%という結果だった。また、不安を感じる緊急事態とは、の問(複数回答)に対しては、急病や事故な
どへの救急医療体制との回答が 62.3%にのぼった。一方、このように不安や不便さを抱えていても、現在地に住み続けた
いとの回答は 80.6%あり、住み続けるための集落内、周辺集落内の協働の取り組みによるコミュニティの活性化が求めら
れている。また 20 年度の学生モニターによる一人暮らし老人宅訪問による会話の中で、外出は月に1回の通院だけとい
う高齢者が少なくないことも判明し、交流の場の創出が求められている。
● 活動の内容
・平成20年度
学生の若い感性と視点で地域の魅力や課題を浮き彫りにしてもらうために、都市部の学生を招聘して、高齢者住宅や温
泉施設などに宿泊しての体験調査を実施した。ケアサービス体験、除雪体験などをしてもらい、地域住民の声の聞き取り
と同時に地域の課題と改善の提案をまとめてもらい、これらを踏まえて、フォーラムを開催した。
・平成21年度
活動① :県内の大学生による高齢者宅訪問の継続的実施。
農作業や除雪などの訪問活動を通じて学生とお年寄りの信頼関係が構築され、地域で暮らす人と自然の魅力を共有する
ことができ、双方がさらに元気になることをめざす。
活動② : 医療の悩み相談と健康づくりをセットにした地域交流会の開催
地域医療に取り組む医師による医療講話、健康体操講師による実技講習をセットにした地域交流会を開催し、引きこも
りの老人に外出と健康増進の場を提供する。同時に地域住民の楽しい交流の場とする。また、20 年度に交流を深めた都市
部の学生を招聘して高齢者との交流の魅力をさらに醸成してもらう。
活動③ :アッシー君、アッシーさん創出事業
日常生活では近所同士だからこその遠慮やしがらみにしばられて、困った時の助け舟を求めることが困難なことも多
い。そこで、アッシー希望者のリストアップと地域の住民のニーズ調査を行い、マッチングした上で、調査実践を行う。
22
● 活動の成果
・平成20年度
本事業で当初設定した目的は、地域住民が現実にある様々な社会問題
に目を向け、自らの力で解決する機運を高めること、またその成果とし
て「生活防衛団」を結成する意識形成を行うことであった。結果は、予
想以上のものがあった。
・地域と問題を共有し、解決に向けた道筋を提示する目的で「暮らし方
を決めるのはここに生きている私たち」と題して実施したフォーラムに
は、当初予測を大幅に上回る487名の参加があり、
「地域のむすびつ
きが重要であると実感した」
「自らが活動する重要性に気がついた」な
どの声が寄せられた。
・学生参加者からは、
「高齢者の移動手段を地域ごとに作る仕組みづく
り」
「学生が定期的に支援に入る仕組みづくり」
「若者と高齢者の情報交
写真/都市部の学生による除雪支援
換、文化交換できる仕組みづくり」などの意見が寄せられた。
・平成21年度
活動計画①と②について
・ 20 年度活動において交流の深まった千葉大学の学生による再度の訪問活動が実現。高齢者宅を訪問して庭の手入れや
畑仕事の手伝いなどを通して一層ふれあいを深めることができた。交流2日目の午後に開いた地域交流会では、学生
がお年寄りに寄り添って参加し、
「まるで孫ができたようだ」と涙ながらに喜びを語るお年寄りの姿があった。
・ これらの活動を踏まえて、開催した「健康づくり地域交流会」には 133 名の高齢者が参加した。
「新たな公は仲間づ
くりですよ」という市長の挨拶や、作家で介護経験豊な浅利佳一郎氏による「認知症なんかこわくない」の講演に笑
いがはじけた。昼食を挟んでそっくりショーを楽しみ、温泉につかったり、血圧測定をしたりと盛りだくさんの内容
に大満足の笑顔があふれた。
また、スタッフによる聞取り調査にも積極的に協力してもらい、その中で、70 代後半∼80 代の一人暮らしや高齢世
帯においても、自力で除雪や冬囲いをし、人に頼らない生き方をしている姿が浮き彫りになった。
・ 秋田県内の学生による訪問活動も継続実施中。ワラ細工やイタヤ細工など農具の技の名人や伝統料理の名人から技を
伝授してもらい、写真付き解説書としてまとめる活動をしている。それは地域の宝として継承することにつながると
確信しているが、何よりも、お年寄り自身が元気を取り戻している。
・ 今年は積雪量が多いため県内学生による除雪支援は感謝されている。
写真/浅利佳一郎氏の講演に聞き入る参加者
会話がはずむ聞取り調査
高齢者宅の屋根の雪降ろし作業
● 今後の課題及び展望
・課題
自力で冬囲いや毎日の除雪もこなして、元気に暮らしている元気な高齢者の姿は頼もしいが、一方で妻や夫の介護に
疲労困憊の老々介護も増加しており、我が家で暮らしたいと願うお年寄りに対して、地域コミュニティができることは何
かが問われている。
・展望
学生は県内県外を問わず、その若い感性とパワーで、地域で暮らしてきたお年寄りの生き方から丸ごと吸収しようと
いう意欲にあふれ、お年寄りの元気を引き出している。これからも後輩たちに引き継いでもらい、学生による訪問活動を
継続していきたい。そのことは、この地域で生まれ育った子どもたちが地域の魅力を発見する大事な機会ともなる。
地域でできることを持ち寄り、語り合う場の創出をはかる。可能なことから実践に移す「結い」の具体化をはかる。
23
モデル事業名
協働の力でふるさと回帰を実現する事業
活 動 団 体 名 特定非営利活動法人 白河ふるさと回帰支援センター、特定非営利活動法人 しらかわ市民活動支援会
ホームページ
所属/
担当者名
連絡先
http://furusatokaiki.com/(活動団体のHPのアドレス)
NPO 法人白河ふるさと回帰支援センター/事務局長:渡辺 史郎
電話:0248−24−1099、E−メール:[email protected]
活 動 地 域 福島県の県南地区;白河市、西郷村、泉崎村、矢吹町、中島村、棚倉町、塙町、矢祭町、鮫川村
● 活動地域の概要
県南地区の人口動態調査による数字(すべて H.16 年∼H.21 年の増減率)
①地区全体の人口は、H.16 年から H.21 年までの5年間で、▲3,412 人(▲2.1%)の減少
②そのうち、0 歳∼14 歳の人口減少率▲9.8%、15∼64 歳の生産年齢人口減少率▲3.3%
③一方、65 歳以上の老年者人口増加率 6.6%、75 歳以上の人口増加率 22.9%の高率
④うち、東白川郡の人口増減は5年間で、▲2,313 人(▲6.0%)という高率
⑤うち、東白川郡の 0 歳∼14 歳の人口減少率▲14.2%、15∼64 歳の生産年齢人口減少率▲7.0%
農村部においては、少子高齢化の傾向が著しく、農林業の担い手が不足している。したがって、耕作放置地、遊休農地、
土地家屋所有者の不在化、山林の荒廃化、農林業後継者不足、といった問題を提起している。また、近年においては地
域コミュニティの希薄化・崩壊化の傾向も顕著に見られる。中心市街地においても空き店舗化が著しい。
【位置図】
【廃屋になっている民家】
【耕作放棄されて荒廃した田】
● 活動地域の課題
福島県の県南地区は、関東に近く東北新幹線や東北自動車道、福島空港などの交通インフラが整備されて便利で、移住
地として高い人気にも関わらず、都会からの交流居住や移住が思ったほど進んでいない。また、辺鄙な農村部では、著
しい人口減少や高齢化の課題も抱え、その改善も進んでいない。それらの地域では、遊休耕作地や手入れされず荒れ放
題になった山林も目立ち、国土の荒廃という課題をも示している。さらには、近年地域コミュニティも崩壊傾向にあり、
共に支えあう関係が希薄になり、田舎暮らしの良さが次第に失われつつある。当然、優秀な人材が都市部や都会に流出
していて、まちづくりや地域活性化がままならない状況にあり、抜本的な対策が求められている。
● 活動の内容
・平成20年度
○プランの検討、ツアー訪問地・施設の調査
白河周辺の観光資源・施設などの調査、パンフレットの収集を行い、ツアーコースの選定を行った。
○「田舎暮らし体験交流ツアー」の開催、 日程:2月10日∼11日<1泊2日> 6名参加
白河周辺の名所旧跡・分譲地など案内、
「だるま市」の見学。温泉宿泊・交流懇談会にて手作り郷土料理。
○「田舎暮らしコンシェルジュ養成講座」の開催、 2月28日・3月7日・3月14日<各13時∼16時>
都会から移住してきた方々に田舎暮らしの情報・知識・技能を提供したり、いろいろな相談にのれる人達の
養成として本講座を実施した。 受講者18名、14名の方々に認定証を授与した。
・平成21年度
○「白河ふるさと暮らしセミナー」東京、
「第5回・ふるさと回帰フェアー」東京、にてツアー開催のPR実施。
○「田舎暮らし体験交流ツアー」の開催、 日程:9月26日∼27日<1泊2日> 13名参加
東京駅集合・バスにて送迎、都市農村交流センターにて手打ちそば作り体験・交流懇親会を実施。
今回テレビ東京・ワールドビジネスサテライトの特別番組として2日間密着取材を受け10月1日に放映。
○「田舎暮らしコンシェルジュ養成講座」の開催、 1 月 23 日・1 月 30 日・2 月 6 日・2月 13 日<4日間>
前回より1日間(3時間)多くして講座内容の追加及び内容の充実を図ると共に対象範囲を拡大して実施。
○リタイアメント・コミュニティ・ビジネスのモデル企画提案
國學院大學の田原裕子教授(経済学部)講師の「引退移動の動向とその展望」講演会を2月8日に開催の予定。
24
● 活動の成果
・平成20年度
(活動の成果、地域内での反響・効果及び周辺への波及効果等について記入)
○「田舎暮らし体験交流ツアー」の参加者の皆様からは当地方の良さを実感してもらい、ふるさと回帰運動の意義
やビジョンにも共感を頂き、参加者の中から1組の家族の方には白河市へ移住して頂けた。
○「田舎暮らしコンシェルジュ養成講座」の開催においては、地域に埋もれていた人材の掘り起こしにつながり、
志を持ちながら活動の場がなかった人達の登録でき移住・二地域居住の受入支援体制が整備された。
○上記のイベント等の開催、パンフレット及びチラシ等での広報活動、ホームページでの情報発信など協働での活動
が認められ、8月に福島県県南地方振興局から県南地方定住・二地域居住相談所「ラクラスしらかわ」の開設、
当センターでの運営・委託を受けることとなった。県が県内に設置する相談所としては初めてとなる。
○福島県知事より「福島ふるさと暮らし案内人」として当センターが認証を受ける。8月25日認証交付式あり。
○人口減・少子高齢化、コミュニティの崩壊・地域力の減衰を食い止める事が出来るのではないかの感触を得た。
体験交流ツアー
コンシェルジュ養成講座
相談所&事務所
案内人・認証交付式
・平成21年度
○県南地方定住・二地域居住相談所「ラクラスしらかわ」の開設、8 月 24 日に開所式・運営を開始する。
○8 月 30 日、東京・銀座ふるさと回帰支援センターにて福島県と協働で「白河ふるさと暮らしセミナー」を開催。
○9 月 22・23 日、東京・早稲田大学「第5回・ふるさと回帰フェア」福島県ブースにてツアー開催のPR実施。
○「田舎暮らし体験交流ツアー」の開催、9月26日∼27日<1泊2日>東京駅バス送迎、13名参加
テレビ東京・ワールドビジネスサテライト(ニュース番組)の特別番組として10月1日に 10 分間放映。
○「田舎暮らしコンシェルジュ養成講座」の開催、 1 月 23 日・1 月 30 日・2 月 6 日・2月 13 日<4日間>
現在、養成講座の開講中:前回より1日間(3時間)多くし内容の追加・充実を図る。
○リタイアメント・コミュニティ・ビジネスのモデル企画提案:講演会を2月8日に開催の予定。
相談所・開所式
セミナー開催
ふるさと回帰フェア
体験交流ツアー
● 今後の課題及び展望
・課題
○首都圏への広報活動のあり方:
イベントの開催及び参画、パンフレット配布・設置、ホームページの更新など広報活動にはまだ改善が必要。
○移住相談窓口で受けた希望条件への取り組み対応:
・古民家での半年∼1 年の体験移住支援、
・就職活動及び就農などの支援&情報提供、
・空き家情報提供など。
○田舎暮らしコンシェルジュの方々同士のネットワーク作り:
それぞれ地区で独立して活動するのではなく、情報やノウハウの共有をし協働する事で何倍もの相乗効果を得る。
・展望
○引き続き「田舎暮らし体験交流ツアー」
「ふるさと暮らしセミナー」などの開催、各種団体が開催するイベント
への積極参画など、首都圏等への積極的な広報活動の実施。
○移住・二地域居住希望者からの問い合わせ事項、相談事項などの取りまとめ、対応支援体制の整備。
・お試し体験移住施設の検討、 ・空き農地&空き家などの情報収集及び情報提供
○地域住民どうしのネットワークや協働についての道筋は見えてきたが、産・学・官との協働についてはまだ
不十分である。新たなコミュニティを創生して地域力を底上げするためにも、もっと深くて広い協働が求め
られていると考えられる。このような点について今後さらに取り組んでいきたい。
25
26
分 科 会 ③
27
モデル事業名
地域見守りハンド・イン・ハンド事業
活動団体名
社団法人 青森県防犯協会連合会
五所川原地区防犯協会
ホームページ
http://www17.ocn.ne.jp/~aokenbou/aokenbou/
所属/
担当者名
事務局長 木村純一
連絡先
017-777-5959
活動地域
青森県五所川原市
● 活動地域の概要
青森県
五所川原市
人口
150
人口
70
148
146
60
144
60.7
142
140
50
139.4
138
136
万
人 134
H10
【位置図】
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
千
人
40
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
【人口推移∼青森県及び五所川原市】
青森県の人口動向は、平成 11 年以降「少子化」及び「高齢化」の進行により減少に転じ、年々減少幅が拡大してい
る。
また、本モデル事業実施地区である五所川原市においても、県同様に人口減少が進み、平成 17 年の市町村合併によ
り、一時増加に転じたものの、翌年からは再び減少傾向が続いている。
○ 人口減少の原因分析(五所川原市での分析)
少子化、人口流出など複雑な要因が考えられるが、五所川原市の場合は自然減と分析されている。
● 活動地域の課題
前記のとおり、県内の人口は減少しており、
「少子化」に歯止めがかかっていない厳しい現状を踏まえ、安心して子
どもを育てられる生活環境の整備が必要である。
● 活動の内容
・平成20年度
9月 18 日(木)に五所川原市南小学校において地域安全マップ作成講習会を実施し、地域安全マップの提唱者であ
る立正大学小宮教授及び同ゼミ生を講師に、小学生による地域安全マップ作成を実施。
講習会では地元町内会及び教育関係者、防犯ボランティアの参加を頂き、小学生が地域安全マップを作成中には、別
室において「子どもを犯罪から守る∼犯罪機会論と地域安全マップ∼」と題した講義を実施。
講習会参加者へは、講習会修了証及び講習会を題材とした広報ビデオを交付し、地域安全マップ作成指導者としての
活動を依頼。
28
● 活動の成果
・平成20年度
モデル事業実施後、県知事部局(県民生活文化課)において、防犯、交
通安全及び消費生活に関する総合的な研修会「地域活動リーダースキルア
ップ研修」を平成 21 年から 2 カ年事業として実施することで決定し、平成
21 年は弘前市において地域住民による地域安全マップ作成研修会を開催
することとなった。
【県主催の地域活動リーダースキルアップ研修会の実施状況】
・平成21年度
県知事部局において実施した「地域活動リーダースキルアップ研修」に
参加した弘前市役所が主催の「地域安全マップ作成事業」が開催されるな
ど、本モデル事業の取組みが他地域へ波及してきている。
【弘前市主催の地域安全マップ作成事業の実施状況】
● 今後の課題及び展望
・課題
本モデル事業の目的である「子どもの安全確保を通じたコミュニティの再生」のためには、育成された各地域のリー
ダーを中心とした自主的な「地域安全マップ作成」が継続して行われることが必須であり、各地域において広く地域安
全マップ作成が実施されるように継続的な各種支援を継続する必要がある。
・展望
県民に対し、地域安全マップ作成による地域防犯力の向上やその効果及びコミュニティの再生となることを広報する
とともに、自主的な地域安全マップ作成が県下に拡大、定着するように働きかけを継続していく。
29
モデル事業名
活動団体名
ホームページ
所属/
担当者名
連絡先
活動地域
拓魂の里 姥屋敷 地域の担い手発掘支援モデル事業
特定非営利活動法人 いわて NPO センター
http://www.vill.takizawa.iwate.jp/ubayasikitiiki(姥屋敷いきいき 21 推進委員会)
http://www.vill.takizawa.iwate.jp/(滝沢村)
http://www.iwate-npo.org/center/(特定非営利活動法人 いわて NPO センター)
特定非営利活動法人
いわて NPO センター 事業開発チーム/竹花 清(岩手県盛岡市大通三丁目 10-40)
TEL 019-606-1100、FAX 019-606-1101、E-mail [email protected]
岩手県滝沢村姥屋敷
● 活動地域の概要
姥屋敷(うばやしき)
人口:350 人、世帯数:106 世帯、高齢化率:48%、公共交通:無し、産業:主に酪農・畑作農家、自治会数:1、
住民団体:
「姥屋敷いきいき 21 推進委員会」
姥屋敷地域は満州から引き揚げた開拓民が、昭和 22 年から開墾した酪農・畑作を主産業とする地域である。これま
で地域住民による任意団体「姥屋敷いきいき 21 推進委員会」が行政と協働で平成 17 年∼18 年に生活道路の幅員を倍
に拡幅する工事(建設業者なら 9 千万円のところを住民の力で 3 千万円で施工)を実施した。また平成 20 年には防火
用水を整備する工事も実施。また、平成 15 年からは新しい特産物のヤマブドウの作付けや食品加工場をつくり商品開
発をしている。
姥屋敷
滝沢村
岩手県
【滝沢村位置図】
姥屋敷
滝沢村
【姥屋敷位置図】
【住民により改修された道路】
【食品加工場】
● 活動地域の課題
「姥屋敷いきいき 21 推進委員会」や自治会が中核となり、地域の様々な課題解決に精力的に取り組んでいる姥屋敷
地域であるが、地域住民の高齢化と人口減少により限界集落に近づきつつあり、今後も同様の地域の取組を継続するこ
とには困難が予想される。
● 活動の内容
・平成21年度
姥屋敷地域のコミュニティを持続可能な形にするには、地域を担う後継者の確保が急務であり、そのためにはまず対
象地域において交流人口を増加させることが先決である。このため、地域住民で将来ビジョンを描いてこれを共有し、
姥屋敷の地域資源を活用した地域ツーリズムや 6 次産業化への転換を視野に入れて方策を検討、実践するものである。
平成 21 年度の目標「地域の想いを共有し、地域の将来ビジョンを策定する」
姥屋敷地域将来ビジョン検討会:5 回 → 目標:
「拓魂の里 姥屋敷 基本構想」1 式策定
姥屋敷宝探しワークショップ:5 回 → 目標:姥屋敷お宝マップ 1 式作成(
「基本構想」にフィードバック)
30
● 活動の成果
・平成21年度
(活動の状況、地域内での反響・効果及び周辺への波及効果等について記入)
平成 21 年 9 月 10 日 検討会 1(姥屋敷いきいき 21 推進委員会・自治会での事業説明・共有)
平成 21 年 10 月 14 日 検討会 2(姥屋敷いきいき 21 推進委員会と意見交換・ニーズヒアリング)
平成 21 年 11 月 30 日 検討会 3(姥屋敷青年会と意見交換・ニーズヒアリングワークショップ)
平成 22 年 1 月 31 日 姥屋敷の未来を考える勉強会 1(勉強会ワークショップ・検討会)
平成 22 年 2 月 11 日 姥屋敷の未来を考える勉強会 2(勉強会ワークショップ・検討会)
:予定
平成 22 年 2 月中旬 ワークショップ・検討会:予定
平成 22 年 2 月下旬 ワークショップ・検討会:予定
平成 21 年は活動の中核を担う団体や個人有志等、地域住民と事業の展開方法について合意形成・共有するための検
討会を開催した。平成 22 年度には広く一般住民の参加を募り、姥屋敷の未来を考える勉強会を実施する。
【検討会 1 開催状況】
【検討会 3 開催状況】
【検討会 3 のワークショップ成果】
● 今後の課題及び展望
・課題
最初に事業の合意形成を図った姥屋敷いきいき21推進委員会以外にも、実際はその構成団体である自治会や青年会
のほか、地域の将来に夢のある計画を持つ有志など、多様な世代や団体・個人が居り、それぞれは連携できていないこ
とが判明した。
これらの団体・個人は、それぞれ地域への思いや課題・ニーズ、将来構想などが違い、その内容についてもお互いが
共有する機会がなかった。そこで、本事業を契機にそれぞれ地域への思いや課題・ニーズ、将来構想をお互いが共有し、
ひとつの地域ビジョンにまとめ上げながら、協力して取り組むことができる事業を策定することが必要となった。
・展望
今後は地域資源を活用した事業を展開する。例えば次年度以降は、地域資源を体験できる「姥屋敷ウォーキング」に
よって姥屋敷地域の魅力を広く周辺地域に紹介し、併せて「姥屋敷ウォーキング」の参加者の中から姥屋敷の地域ツー
リズムやコミュニティビジネスに参画し、地域の担い手として定住を希望する人材を発掘することも目指す。
「姥屋敷
ウォーキング」は姥屋敷の魅力を伝える地域ツーリズムのメインメニューであるが、これはガイドや物販等で収益事業
化も可能である。地域の担い手の獲得・育成は勿論、この事業収益を原資に地域住民による生活環境の改善と公共財の
管理にも持続的に取り組めることが可能となる。
即ちこれは、本事業終了以降も地域ツーリズム・コミュニティビジネスの展開によって姥屋敷の魅力を広く発信し、
交流人口を増加させ、リピーターの中から地域を担う後継者として定住を希望する人材を発掘すると共に、事業収益を
原資に地域住民による生活環境の改善と公共財の管理にも持続的に取り組める持続可能な仕組みを構築することを目
指すものである。また、過疎化の問題を抱える地域においては、これら一連のフロー(地域資産の発掘から事業化、こ
れにより交流人口の増加が生まれ地域の担い手となる人材を発掘)は、全国各地の過疎の地域で通用するモデル的な手
法と考えられる。
31
モデル事業名
地域の自然・災害・文化を伝える「語り部∼つなぎ手∼担い手」育成事業
活動団体名
気仙沼市・唐桑町観光協会・唐桑町自治会連絡協議会
ホームページ
気仙沼市 http://www.city.kesennuma.lg.jp/
所属/
担当者名
連絡先
活動地域
唐桑町観光協会 http://www.karakuwa.com/
気仙沼市 総務部 危機管理課 防災情報係
電話番号:0226-22-6600(内線 262)
主査
鈴木秀光
Eメール:[email protected]
気仙沼市 唐桑地域
● 活動地域の概要
・高 齢 化 率 :H14 年 3 月 2,337 人(26.56%) → H17 年 3 月 2,432 人(28.91%) → H20 年 3 月 2,548 人(31.62%)
・人 口 動 向 (国勢調査)
:S60 年 10,096 人 → H 7 年 9,277 人 → H17 年 8,103 人
・観 光 客 数 (唐桑半島ビジターセンター)
:H 元年度 56,252 人 → H10 年度 32,155 人 → H19 年度 13,145 人
・想 定 津 波 :地域における最高津波高 8.7m(参照:宮城県第三次被害想定調査)
【位置図:気仙沼市唐桑地域】 【景勝地:巨釜・折石】 【過去の津波被災状況:昭和 8 年】 【津波浸水想定区域:宮城県調査】
● 活動地域の課題
これまで基幹産業としてきた観光客の減少や水産業の衰退に伴い、人口は減少傾向にあるとともに、高齢化率も
約32%に達するなど、コミュニティの活力低下が大きな課題となっている。
また、当地域は過去 明治三陸・昭和三陸・チリ津波によって大きな被害を受けており、また近い将来非常に高い
確率で発生すると発表されている宮城県沖地震とそれに伴う津波によっての被害が懸念されている。
● 活動の内容
・平成20年度
・「 地 域 資 源 発 掘 調 査 ア ン ケ ー ト 」
唐 桑 地 域 全 世 帯 ( 2,371 世 帯 ) に 対 す る 意 識 調 査 ア ン ケ ー ト の 実 施
・地域住民による「自然・災害・文化の伝承活動」
語り部を行ってもよいという方の調査
・イベント
自然・災害・文化に関する語り部活動や、体験型の防災学習を実施
・「 唐 桑 コ ミ ュ ニ テ ィ 創 生 シ ン ポ ジ ウ ム 」 の 開 催
風土に根付く文化や、災害文化の伝承についての講演等を実施
語り部とイベントの状況
・平成21年度
・イベント(夏期)
趣向を凝らした教材や,空き缶炊飯等の体験型のイベントを実施
・唐桑地域への来訪者に対する意識調査アンケートの実施
観光客が求めているものや,今後の活性化に向けた意識調査を実施
・「 語 り 部 」 と し て の 具 体 的 な 活 動 実 施
デジタル語り部として,記録に残しいつでも見られるように対応
・イベント(冬期)
語り部さんからの直接のお話。防災カルタ大会など楽しみながら
学べるイベントを実施
・「 防 災 と ま ち づ く り シ ン ポ ジ ウ ム 」 の 開 催 ( 予 定 : 2 月 13 日 )
夏期イベント(空き缶炊飯)
“防災”によるまちづくり・地域づくりをテーマとしたシンポジウムを開催
32
● 活動の成果
・平成20年度
・地域資源発掘調査アンケートの実施
回答割合が 89%(実質)と非常の高い回答率。 過去に被害の大きかった地区ほど
災害伝承が高いことや,自然に対し地域住民が強い誇りを持っていることが窺えた。
・地域住民による自然・災害・文化の伝承の実施
自然・災害・文化を伝えるための「語り部」として取り組んでも良いという方への
説明等を行い,地域の誇りに関する涵養が図られた。
・イベントの実施
語り部さんから子ども達への地域の自然・災害・文化についてのお話しをしてもらい、
体験型や観光キャラクターを用いた防災講座の実施など、子どもにも保護者にも楽しみ
ながら防災について学んでいただけるとともに、展示の体制を整備した。
この後、防災研修を目的として訪れる観光客もいらっしゃった。
・唐桑コミュニティ創生シンポジウムの実施
シンポジウムの状況
地域に根ざす文化の紹介、及び防災講演等を通じて防災意識の高揚と、日頃の備えの
重要性を訴え、地域防災力の向上に努めた。
・平成21年度
・イベント(夏期)
他校の生徒や,地域住民などとの交流を図る機会にもなっている。
空き缶炊飯では助け合いや,他者への配慮の気持ちも持てたようだ。
・唐桑地域への来訪者に対する意識調査アンケートの実施
語り部さんのお話
自然観察や語り部の話を聞くなどの体験について,観光客に対して
満足度を提供することができる内容であることがわかった。
・「 語 り 部 」 と し て の 具 体 的 な 活 動 実 施
唐桑地域を訪れるコンテンツの発信として,観光協会とともに
市でも観光・防災の両分野からの情報発信を模索中。
防災カルタ大会
・イベント(冬期)
子どもや保護者がお年寄りから被災経験を聞くことで,地域の歴史を
伝承されると共に,語り部さんにもやりがいを感じて頂けたようである。
また防災研修メニューとしての整備も図られた。
・シンポジウムの開催(予定)
単に防災意識を高めるだけではなく,地域のあり方,他者へのいたわり,助け合いなどの デジタル語り部
大切さについて感じて頂ける内容となるように準備中。
● 今後の課題及び展望
・課題
当地域において、地域への愛着や思い入れは強く、次の世代に残したい・伝えていきたいという気持ちが窺えるが、
もう一歩を踏み出すためには、何らかのきっかけが必要な状況にある。
事業への取り組みを通じて、参加された方々には世代間での伝承、交流への貢献に楽しみ・やりがい等を感じて頂け
たと思っているが、地域活性化のためには一層の周知や啓発の取り組みが必要と感じる。
・展望
一連の取り組みによって、防災研修が行える体制や地域の方々の参加について行ってきたことから、より他地域から
の来訪者の増加を図り、地域住民との交流機会等を設けることによって「地域活性化」が図られるよう各関係機関・団
体と連携しての周知の取り組みを展開していきたいと考える。
33
モデル事業名 地域循環型山村ルネッサンス事業
活 動 団 体 名 山びこ村
ホームページ
所属/担当者名
山元地区公民館
事務長
横戸利一
TEL023−675−2311
Eメール:yamamoto−1@onyx.ocn.ne.jp
連絡先
活 動 地 域 山形県上山市山元地区
● 活動地域の概要
面積:2,742ヘクタール
集落数:8
人口等
集落
世帯
須刈田
22
狸森
26
元屋敷
38
菅
人口
1∼19 歳
20∼49 歳
50∼69 歳
70 歳∼
70 歳以上
の比率
6
13
18
25
40
89
8
25
32
24
27
124
10
28
39
47
38
62
7
24
2
4
11
7
30
前丸森
15
29
1
7
9
12
41
入丸森
9
28
2
7
10
9
32
沼田
3
4
0
0
2
2
50
境
14
31
1
5
8
17
55
中ノ森
15
41
4
9
10
18
44
計
149
432
34
98
139
161
37
路線バス:山形から長井まで8往復/日
産業:農業、林業
森林:2,180ヘクタール(森林率80%)
雇用(事業所)
:山元地区公民館、山元林業協同組合、山元簡易郵便局、山形農業協同組合山元支店
ドライブイン、食堂、蕎麦屋、喫茶店、建設会社
特産:木材、林産物(山菜、きのこ)
、蕎麦
山また山にて綴られた谷合に形成された山村風景
● 活動地域の課題
平成19年度に山形県の地域コミュニティ再生のモデル地区に選定され「これからの地域づくりを考える会」での話
し合いにより3つの優先課題を絞り込んだ。
①地域資源の発掘と活用
②安全安心身近な助け合い
③休校学舎の再活用
3つの課題を実践するため、平成20年度当該事業に応募し選定され2つのテーマで取り組んだ。
①地域資源を活かしたコミュニティビジネスの取り組み
②休校学舎の活用と助け合い支え合い
その結果、特徴的な山村資源の商品化、学舎に山びこ村の機能をどう集積するか、暮らし安心、この3点について引き
続き取り組む必要がある。
34
● 活動の内容
・平成20年度
①地域資源を活かしたコミュニティビジネスの取り組み
古来から食されてきた暮らしの知恵と山の幸を巧みに生かした山元固有の伝統食「ごんぱ餅」を継承し特産品化を目
指す。
◩オヤマボクチの自生地整備と人工栽培
◩栽培技術実地調査
◩マーケティングと研究試作
②休校学舎の活用と助け合い支え合いの仕組みづくり
◩山びこ学校活用検討委員会
◩再活用可能性調査
◩共助互助慣習の現状調査
・平成21年度
①スローフードの発信
山元固有の伝統食「ごんぱ餅」の商品化と「食用ホオズキ」及び「そば」の付加価値づくり。
◩オヤマボクチの自生地整備と人工栽培
◩ごんぱ餅の試作販売と生産体制の確立
◩食用ホオズキのマーケティングと地域ブランド産品づくり
②学舎の再活用
◩山びこ学校活用検討委員会
◩農産加工所の確保
③暮らし安心
◩路線バス停待合所キャビンの設置
● 活動の成果
・平成20年度
◇身近にある足下の地域資源に気づき、改めてその価値を見直すことができた。
◇自分たちの力で地域が力を合わせてできるものを追究した。
◇モノを売るというより、地域を売るという発想で取り組んだ。
◇収益を地域に還元するという行動を起こした。
オヤマボクチの
人工栽培
・平成21年度
◩オヤマボクチ自生地の下草刈り、施肥
◩製造技術講習会(ごんぱ餅、食用ホオズキジャム)
◩試作販売(ごんぱ餅、食用ホオズキアイスクリーム)
◩食用ホオズキ商品化マーケティング調査
◩東北芸術工科大学生によるエコビレッジ構想発表会
◩路線バス停待合所キャビンの設置
◇途絶えようとしていた伝統食が地域づくりの目玉になった。
◇ごんぱ餅の商品化が実現した。
◇地域が自信を持った。
◇地域住民の結集力の強さが実証された。
◇自立心の高い積極性のあるリーダーが育っている。
食用ホオズキジャムづくり講習会
◇学生の提案に対し反響があり実践への意識が高まっている。
● 今後の課題及び展望
・課題
「ここで暮らしていこうとする人たちがこれからも楽しみを持って安心して居心地良く暮らしていくことができる
ように自身で良くしていこう」というのがむらづくりの大方針である。これまでのように行政や外に依存しない、人を
当てにしない、人任せにしない、自立的な地域づくりの途は自分たちで考え自分たちで切り拓こうという意識に転換さ
れてきて、実際活動に現れている。この意識を持ち続けて活動を継続していくことこそ課題の本質である。
・展望
まだ取り組みは小さいが、山村における地域づくりの企画も波及的に提案されるなどこれからの展開が大きくなってい
くものと考えている。
35
モデル事業名
「地域が輝くまちづくり」新たな地域運営システム創造事業
活 動 団 体 名 会津坂下町地域が輝くまちづくり創造委員会
http://(活動団体のHPのアドレス)
www.town.aizubange.fukushima.jp
ホームページ
所属/
担当者名
会津坂下町役場 政策財務部 政策企画班
連絡先
電話番号:0242-84-1504
荒井 敏之
E−メールアドレス:[email protected]
活 動 地 域 福島県河沼郡会津坂下町 全体
● 活動地域の概要
平成20(2008)年12月に国立社会保障・人口問題研究所が試算した本町の将来推計人口は、2005 年:18,274
人、2015 年:15,923 人、2025 年:13,633 人、2035 年:11,615 人となり、2035 年における対 2005 年比 63.6%と大幅
に減少することが予想される。
年齢3区分ごとの 2035 年の推計では、年少人口:1,179 人(2005 年比:44.0%)
、生産年齢人口:5,081 人(2005
年比:55.6%)
、老年人口:4,634 人(2005 年比:89.7%)と、年齢3区分ともに人口が減少し、特に年少・生産年齢
人口では大幅な減少となる。
【位置図】
【自主公民館による
農業体験事業】
【町中心部の航空写真】
● 活動地域の課題
本町を取り巻く環境は、生活環境や意識の多様化から、地域社会への帰属意識や連帯感が希薄になりつつあり、さ
らに少子高齢化社会を迎え、住民自治の最も基礎となる地域コミュニティの脆弱化が危惧される。また、本町は昭和
の合併旧町村単位に7つの地区に区分され、各々の地区に幼稚園・小学校を設置していたが、少子化を背景として平
成25年に幼稚園2園、小学校2校への統廃合が予定され、これまでの地域の拠点施設であった小学校の廃校により、
地区住民の地域コミュニティへの意識の希薄化の進行が課題となっている。
● 活動の内容
・平成21年度
本年7月18日(土)に町民29名、役場職員14名、アドバイザー4名、計47名により「会津坂下町地域が輝
くまちづくり創造委員会」を組織化し、活動を開始した。月2回のペースで委員会を開催し、各回ごとにテーマを設
定し、グループ分けによるワークショップを行っている。町の現状と課題、町の将来像(目指すべき町の姿)
、その
為に町民として何を行う必要があるのか、どの分野を担えるのか(担う必要があるのか)等について、一人ひとりが
町民の視点から発言し、グループとして纏め上げ発表することを行っている。また、宮城大学名誉教授山田晴義先生
による「プロセスの共有が協働の基盤づくりに」と題しての講演会の開催や、
「住民満足度調査」を実施することに
より、広く住民の想いや考えていること等を参考としながら協議をすすめている。
36
● 活動の成果
・平成21年度
(活動の状況、地域内での反響・効果及び周辺への波及効果等について記入)
「会津坂下町地域が輝くまちづくり創造委員会」の協議により、
現状の地域コミュニティへの危惧や将来的なコミュニティへの不安
から、人と人、人と地域、地域と地域の「絆・結」の大切さ、人が
人を活かす「自立」
、心と心が通い合う「共助」等のキーワードが
共有された。また、7地区公民館単位に「地域の未来を語る会」等
の組織が立ち上げられ、地域住民が自分達の地域を自ら考える場が
誕生している。
第1回(平成 21 年 7 月 18 日)
第8回(平成 21 年 11 月 13 日)
● 今後の課題及び展望
・課題
地域コミュニティの再生を目指すとともに「新たな公」
・
「新たな公共」の視点も含め地域づくり計画を検討するこ
ととなるが、担い手となる人材の育成、確保が今後の課題となる。
・展望
今年度の取り組みにより町としての今後の方向性を確立し、次年度においては各地区公民館単位の7地区ごとに
「地域づくり協議会」を組織化し、地域課題の抽出と地域目標の設定、課題に対応した施策・事業の検討、学校跡地
の利活用策の検討、地域が受け持つことができる役割等について協議し、地域づくり計画としてまとめる。また、会
津坂下町地域が輝くまちづくり創造委員会は、組織を継続し、各地区単位の協議における全体調整や全地区に共通す
る課題等の解決に向けた検討を行うものとする。
「新たな公」すなわち新たな公共の担い手として、地域コミュニティの役割を明確にし、地域を地域住民自らが運
営していくための仕組みづくりを目指す。
37
38
欠 席 団 体
39
モデル事業名
計画活動の改質を契機とした「新しい関係づくり」の構築に向けたモデル事業
活 動 団 体 名 大潟村 西5丁目地区有効活用推進委員会
ホームページ
http://(活動団体のHPのアドレス)
http://www.ogata.or.jp/
所属/
担当者名
大潟村総務企画課 企画財政班 増永洋
連絡先
0185-45-2111、[email protected]
活 動 地 域 大潟村字西5丁目
● 活動地域の概要
大潟村は、八郎潟干拓により 1964 年(昭和 39 年)10 月 1 日に秋田県で 69 番目の自治体として誕生した。1都1道
36県から589名の入植者が家族と共に入植し、現在、世帯数 1,076 戸、人口 3,370 人(H21.7 月 1 日)とほぼ横ばい
に推移している。基幹産業の農業は、米を主体とした土地利用型農業を行っているが、米価の低迷等による厳しい状況
にある。農業経営者の約8割が入植者世代から第二世代に交代し、高齢化も進み(高齢化率 24.5%)人口構造に変化をも
たらしている。平成19年には、唯一の公共交通であった路線バスが廃止された。
【手つかずの西5丁目地区 面積約16ha】 【重機により慎重に前を確認しながらの除草】
【位置図】
● 活動地域の課題
西5丁目地区(村有地約 16ha)は干拓以来手つかず状態であり、村活性化のために開発が求められていた。交通量の
多い幹線道路沿いにあり、近くに干拓博物館、農産物直売所があることなどから、この地区一帯をむらづくりの拠点、
玄関口と位置づけ、村内各種グループ相互が連携・融合した多参画な出会いの場として整備し、大潟村の活性化を図り、
さらには行政と住民、住民相互、世代間相互の「新しい関係づくり」のあり方の実践活動の場として整備に取り組んだ。
また、脆弱化しつつある地域のコミュニティーの再生に向けた取り組みの一環としても推進した。
● 活動の内容
ゆい
こころ
・
「結」の精神結集事業
計画や事業の推進に際して民と官の関係づくりを超えて「結」の意義・精神の醸成を図る必要がある。そこで、現在、
計画用地である西5丁目地区が芦や草、雑木等で荒地状態にあることを利用し人、組織、行政等のもっている各種資
源をもちより村民総参加による「整地」活動を実施する。そして、地域全体の草刈り等の作業は毎年必要なことから、
この実施日を大潟村「地域づくりの日」
「協働作業の日」としての制定などに結びつけていくことを考える。
・
「新しい関係づくり」実践事業
西5丁目地区は4つのゾーンに分けて土地利用案が示されている。このうち「癒しと環境学習ゾーン(5.3ha)
」はビ
オトープ造成、植林等による整備を、
「フリープラニングゾーン(自己責任の基で自由に計画し、実践できる空間
4.2ha)
」はモトクロスコース造成、スケートボードパーク整備を自ら手を挙げた個人、団体が中心となりそれぞれ独
自に行う。
40
● 活動の成果
・課題であったビオトープの導水について大潟土地改良区との協議の結果、隣接する用水路からの確保が可能となった。
また、他の団体の協力のもとにブナの植林を行った。村内諸団体との関係づくりが成立したケースと言える。
・
「フリープラニングゾーン」
(4.2ha)は、農業後継者である村内青年層が自己責任の基で自由に計画し、実践できる
空間として位置づけられているが、その主体として、モトクロスコースの整備及びスケートボードパークの設置を希望
する者・グループ(2グループ約40人)が誕生した。この活動は大潟村を越えて隣接する自治体青年層との「新しい
関係づくり」の中で進められている特徴を持つものとなった。
これまでの地域づくりが「モノとカネ」から徐々に「コトとヒト」にそのウエイトを高めつつある思潮の 実感 を得
たと考える。もの を作ったという結果よりも、それを「つくる、協働する」という経過、プロセス、その仕掛け作り
の重要性の一端を認識するとともに、実感できる経験・体験となったと言える。
・平成21年度
ゆい
こころ
・
「結」の精神結集事業の継続:荒地状態を人、組織、行政等のもっている各種資源をもちより村民総参加による「整
地」活動を実施。1年目より作業が軽くなったことから参加者が増加した。
・
「新しい関係づくり」実践事業の継続:結いの作業(整地活動)を実施しながら、モトクロスコース、スケートボー
ドパーク造りなど自分たちの活動を併せて進め、一部が利用できるまでになった。
・新たに住民による「大地の家族像」
(村在住彫刻家作)を建立する会が組織され、自ら募金活動と作業を行い、西5
丁目にブロンズ像を建立した。
【所有する機械を持ち込みビオトープを造成】
【住民の募金により建立された「大地の家族像」
】
この活動は、住民主体で行っており村広報や参加住民の口コミで住民に周知し推進してきた。これまでの村主導の事
業と異なり、西5丁目で何をやっているのか、西5丁目に何ができるのか、こうした問い合わせや活動に対する提案等
が住民から寄せられている。
住民自らが主体的に活動し、行政の協力を得て一つの事業を完成させた例として総事業費400万円余りを募金と自
らの労力で完成させた「大地の家族像」建立がある。このことは、行政と住民、住民相互、世代間相互の「新しい関係
づくり」の機運が芽生えつつあることの証と言える。
● 今後の課題及び展望
・課題
現在、活動を主導するコアメンバーは限られており、この人的拡がりを如何に作っていくか、改めてその難
しさが認識された。しかも、コアメンバーを支える人材の層もまだまだ薄いのが実情であり、仲間づくりの重要性も
改めて認識した。
本事業への参画の基調は、提案し参画し、汗をかくことにある。しかし、この様な行動様式を苦手とする住民も多
い。この層の地域住民の声を如何に吸収し、形にしていくかは重要な問題と考える。
行政と住民、住民相互、世代間相互の「新しい関係づくり」という観点から不足する部分に行政がどう対応すべき
か、関わるべきかを検討する必要がある。
・展望
西5丁目地区の実践活動を通して目に見える形で変化が示されたことにより、行政と住民、住民相互、世代間相互の
「新しい関係づくり」や地域のコミュニティーの再生という点で、多少ではあるが村民に意識が芽生えつつあると思わ
れる。
将来、大潟村民がそれぞれに「知恵のある人は知恵を、体力のある人は体力を、金のある人は金を。知恵も体力も金
もない人は参加し、参加できなかった人は参加したひとから話しを聞き、他の人に伝え、伝えられた人は拍手をし、そ
の活動を称えます」という村の風土を作り上げていければと思う。
41
モデル事業名
元気再生ふるさと応援団 自立・持続性確立プロジェクト
活 動 団 体 名 NPO法人 はらまちクラブ
ホームページ
所属/
担当者名
連絡先
活動地域
●
・
・
・
http://genki.npoharamachiclub.jp/index.html
理事長 江本節子
電話:0244-22-2564
090-8258-0840
Email:[email protected]
福島県 南相馬市(フクシマケン ミナミソウマシ)
活動地域の概要
福島県浜通り北部で太平洋に面し、面積は 398.5 平方 km。いわき市と宮城県仙台市のほぼ中間にある。
人口約 73,000 人(近年は年 3%程度減少傾向)
、23,000 世帯。老年人口約 25%。
近年第2次産業人口の減少が著しい。
※出典:国勢調査
【位置図】
【年齢別人口推移と産業別人口推移】
● 活動地域の課題
本地域では、古来より 無尽(ムジン) や 結い と呼ばれる地域互助・共助の文化が残されてきたが、現在では、
このような共助・互助の仕組みが、失われつつある。このように、今後は、人口減少や少子高齢化にともない地域の助
け合いや伝統文化の継承などが、さらに、困難になってくることなどが懸念されている。
地域の祭りなどの衰退は、住民同士の交流の機会を減じ、ひいては地域の活力の低下につながっている。このような
中、地域資源の活用・地域住民の取組を効果的に進めていくためには、地域内の人・物・金・情報を有機的に連携させ
ていく仕組みと推進役が必要であると言われている。また、そのような活動は一部のメンバーのがんばりだけに頼って
いたのでは、継続が難しいことも指摘されている。
このような仕組みや推進役の価値を市民が認識し、多くの市民が参画する中で、このような活動や組織を支える仕組
み・関係を確立していくことが求められている。
● 活動の内容
・平成20年度
「南相馬市ふるさと元気応援団」を設立し、人的資源を集約するボランティアバンク制度及び、市民の小さな力を集
めるスーパー地域通貨優路システムを構築した。
活動①.南相馬市ふるさと元気応援団の設立とボランティアバンクの制度設計
活動②.スーパー地域通貨優路システムの制度設計
活動③.ふるさと元気プロジェクトの実施
・平成21年度
中間支援的組織とプラットフォームの有効性を、地域住民・行政・企業が実感し、その諸活動を地域の力で無理なく
支える仕組みをつくり、これに参加してもらえる機会を増やしていくこと。
活動①.スーパー地域通貨優路の社会実験(:優路をボランティア通貨として配布し、協力店で利用。本格運用にむけ
て、課題や評価を把握する)
活動②.情報システムの整備(:元気応援団の活動への信頼性と、ボランティアの参加しやすさを向上させるため、情
報公開を行う。元気プロジェクトのPRや、ゆうバンクの状況の公開等を目的としたホームページ等を製作)
活動③.ふるさと元気プロジェクトの実施(:住民の交流を促進するとともに、ボランティア育成の場として活用や、
ボランティアの活躍の場、企業との連携の場を創出する)
42
● 活動の成果
・平成20年度
①南相馬市ふるさと元気応援団の設立とボランティアバンクの制度設計:これまでの活動分野にとらわれず、コミュニ
ティ関連のNPO、商工業関係者、福祉関係者など多様な分野の人が連携し、ひとりの力ではなく、地域の多くの仲
間の力をあわせて地域を元気にしていきたいという想いを集めることが、元気応援団の設立という形で表すことがで
きた。地域活動のプラットフォームの役割を担う準備が整いつつある。
②スーパー地域通貨優路システムの制度設計:地域通貨優路システムについて、市内大手スーパーの賛同が得られたこ
とにより、商店が地域活動に対し支援する姿勢が具体的に市民に示された。また、NPO法人はらまちクラブの活動
を中心としたボランティアの方々も、本システムの主旨と今後の謝礼への地域通貨の使用に賛同してくださったこと
から、地域互助・共助が再認識され広まっていくことが期待できる結果が得られた。
③ふるさと元気プロジェクトの実施:3つの元気プロジェクトに約 1,500 人の参加者があり、多くの市民の交流が実現
した。また、元気プロジェクトや優路のPR等が、全国ネットのTVや、地方テレビ・地方紙などでもとりあげられ
たことから、ふるさとへの誇りの醸成につながったものと確信している。
20 年度に実施した
元気プロジェクト
まちなか元気俳句 ing
サンライフ感謝祭
三世代元気運動会
・平成21年度
①! スーパー地域通貨優路の社会実験:社会実験グッズの製作を終え、一般市民に向けた説明会を8回、150 人以上に
行った。11 月 29 日に社会実験の実施。優路は 1,382 枚配布され、優路ショップにおいて 1,003 枚が換金された。
『優路』を使った市民にアンケートを実施し、結果を検討した。社会実験を経て市民からの賛同の声が集まり、年
内の 12 月 12 日より本格運用が始動となった。
②情報システムの整備:元気応援団HP(ブログ機能付)の作成。ブログにより最新情報を公開。随時更新中。
③ふるさと元気プロジェクトの実施:
「相馬野馬追い応援団」
「北泉ビーチ遊すぽ」
「アイスまんじゅう早食い大会」
「三
世代元気運動会」等々実施。参加したボランティアにアンケートを実施。優路について意見・感想を集め、検証。
アンケート結果(一部抜粋)
無回答
スーパーのレジに
て、ハート型コイ
ン『優路』で支払
う様子
その他
人との交流が増えると思う
ボランティアへの関心が高まると思う
地域の活性化につながると思う
0
協力店のラーメン店に並ぶ様子
5
Q 地域通貨の仕組みをどう思いますか?どんなことが期待
できますか?
HPのトップページ
● 今後の課題及び展望
・課題
① 優路の増刷費用の捻出
② 「多様な分野の、より多くのお店があればいい!」の声もあるが、管理のボリュームがさらに増大することも予想
されることから、優路の流通に比例するようにショップの増加を図りたいが、民意は?
③ テレビ(1月6日)や新聞多数回の報道により、相当伝わったと思う。今後どれだけの人が直に優路を手に取ってい
ただく仕掛けができるかが課題。優路を謝金や賞品に使う団体や個人の募集!
④ まちの元気を創出するイベントのネットワーク化
⑤偽造・悪用などについての課題
⑥しあわせのおまじない的ハートコインで心を繋ぎ人を繋ぐ仕組み作り
・展望
ふるさと元気応援団の更なる充実と進化による優しさの連鎖のまちがスーパー地域通貨優路によって創出される取り
組みをする。まちのみんなが地域の子どもを見守る機運を盛り上げ、ひいては 笑顔・夢・感動あふれる元気名まちづ
くりに新たな公として多大な貢献ができる。
43
Fly UP