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GI制度の利点

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GI制度の利点
資料4
EUの地理的表示(GI)制度
ジョルジオ・ボチェディ
Tokyo, 5 July 2012
1
GI制度の利点
共同の取り組み
保護
(集合的アプローチ)
地域レベルでの
付加価値の創出
ブランディング
持続可能性
2
EUのGI制度:サクセスストーリー
EUで登録されているGIの数:
– ワイン(ぶどう酒)1,931品目
– スピリッツ(蒸留酒)331品目
2012年6月29日現在
– 食品1,099品目
283件(うち10件は非EU諸国、主にアジア)の
登録申請が審査中である。
3
3
GI制度:生産額および輸出額
•
•
生産額:
– 食品:145億ユーロ(卸し価格) 約1兆4500億円
– ワイン: 130億ユーロ(産地直売価格) 約1兆3000億円
– スピリッツ: 300億ユーロ(消費者価格) 約3兆円
輸出額:
– 食品:7億ユーロ (約700億円)
– ワイン:59億ユーロ (約5900億円)
– スピリッツ: 57億ユーロ (約5700億円)
*1ユーロ=100円として換算
4
販売の区分(GI食品)
• GI製品のほとんどは、
国内市場で販売される
• GI製品の多くは、製品
固有の評価を得ている
• GI登録は、製品の宣伝
および販売拡大につな
がる
Extra EU
5%
Intra EU
13%
Domestic
82%
5
法的なGI保護の利点
GIによるEU独自の保護制度:
強固な知的財産権(IPR)保護

製品名の直接的もしくは間接的使用、誤用、模倣も
しくはそれを連想させるような使用、製品の原産地
や生産地、性質や質等に関する誤った、あるいは誤
解させるような情報に対する徹底した保護…

当局によるIPRの執行

GIの権利は譲渡不能であるため、生産が移転され
ることはない

GIには有効期限がなく、更新の必要がない
6
GIと商標
両立可能で相互補完的(コニャック/ヘネシー、シャンパーニュ/テタン
ジェ)
異なる目的のために設けられた異なる権利(IPR)
実際には、GI製品のほとんがが生産国で販売されるため、対立するケー
スはとても限られている
EUの制度には、対立ケースの扱いについての明確なルールが定められ
ている
•
•
•
•
7
共同で取り組む利点:
団結は強さである

GI生産者組合の設立により、以下の集団的
アクションにかかるコストを分担できる
IPR保護
 GI製品の宣伝
 製品開発(例:科学的なリサーチ)


個々の経験の共有が、より容易になる
GI = 集団的な権利と集団的ガバナンス
8
GIは、地域レベルで付加価値をもたらす

地域での雇用に好影響を与え、地域外
への流出を防ぐ

価値連鎖に沿った、より適切な付加価値
の再配分が可能に

消費者に対する保証により、プレミアム
価格での製品販売を促進
9
高品質農産品の直接販売
10
アグリツーリズム
11
雇用への好影響:
フランス産GIチーズの例
1リットルの生乳の加工につき、
3倍の直接雇用
牛乳100,000リットルをGIチーズに加工
する過程では、同量の生乳の通常加工
に比較して2.8倍の雇用を創出
12
価格への好影響
French Wine price (2)
Nuoc Mam from Phu
Quoc Vietnam price (2)
€/l
P.D.O.
€/l
Other wines
2000
2003
4,19
1,5
 300%
 230 %
0,5
1,28
(2)
GI Protection obtained
in 2001
Based on exports 99-2001
Source : MAAPAR, ONIVINS, CFCE, INAO
Source : BNIC, UNDP
13
イタリア産オリーブオイル
(Note: Euro / Kg, TVA excluded, Bulk product, Free producer firm (farmer or miller)
Source: ISMEA)
9,0
8,0
7,0
6,0
5,0
4,0
3,0
2,0
Umbria
mar-07
Toscano
gen-07
nov-06
set-06
Chianti Classico
lug-06
mag-06
mar-06
gen-06
Vergine Extra
nov-05
set-05
lug-05
mag-05
gen-05
nov-04
0,0
mar-05
1,0
Terre Di Bari
14
プルーン <プリュノー・ダジャン>
GIによる保護の影響:
 生産コスト:カリフォルニアでの生産コストの2
倍、チリの3倍、アルゼンチンの4倍
 生産および輸出の拡大:年間50.000トン
 平均40ヘクタール規模の家族経営農場が
1.800
60000
50000
40000
30000
20000
10000
Total Sales
Domestic
Sales
19
50
19
54
19
58
19
62
19
66
19
70
19
74
19
78
19
82
19
86
19
90
19
94
19
98
20
02
0
Domestic Sales
Total Sales
15
鶏肉<ブレス産鶏>
ブレス産鶏PDOは、通常の鶏に比べて生産
コストが2.5倍(人件費、飼料費、長い飼育期
間、高額なひなの価格)とされているが、産地
直売価格は4倍である
16
ブランディング

GIは、商標と共に活用できるブランディング
の手段
消費者は、地理的原産地表示を認識して
おり、その意味する情報を重視している
 米国の消費者の92%は、食品の産地を知
りたがっている(消費者連盟による調査、2007年)
 欧州の消費者の40%は、GIのある製品の
ためなら、+10%のプレミアム価格を払っ
てもよいと考えている(1999年の調査)

17
持続可能性

GIは以下の保全を促す:





生物多様性:植物、動物、微生物等
地域の知識(ノウハウ)や伝統
景観 => 観光業に好影響
GIは、食品の画一化を防ぎ、消費者により
広い選択の幅を提供する
GIは文化の重要な一部として、社会の結束
に寄与する
18
環境と景観の保全
19
対立のある分野
商標
総称的使用
先使用権
翻訳
連想
20
21
• コンソーシアム「プロシュート・サン・ダニエーレ」は1995年8月
22日、米国特許商標庁に証明商標(serial no:74336070)を
登録 (左ロゴ)
• しかし、この登録では、ダニエーレ・プロシュート社(米ロードア
イランド州の企業)が「ダニエーレ」という文字商標を加工肉製
品に使用し、ロゴを米国内で「米国産ハム」に継続的に使用
するのを防ぐことはできなかった (右ロゴ)
22
「パルミジャーノ・レッジャーノ」生産者は
米国で4つの商標(文字商標「PARMIGIANOREGGIANO」を含む)を登録
23
2001年8月1日、米イリノイ州のグラン
デ・チーズ社が右上の商標を登録
同社は1996年11月26日に、チーズに
使用するため、右下の商標も登録
24
Thank you for your attention !
25
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