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岡崎市内への病院建設を検討中の事業者の皆様へ

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岡崎市内への病院建設を検討中の事業者の皆様へ
平成 26 年 5 月版
岡崎市内への病院建設を検討中の事業者の皆様へ
この冊子は、岡崎市内で新たな病院の建設を目指す事業者の皆様に対して、「地域
の医療事情・課題」や「地域に必要な医療環境・機能」について最新情報をお知らせ
するために作成したものです。
ご存知のとおり、岡崎市内(隣接する幸田町を含めた医療圏域内)に整備できる病
床数には愛知県が定めた地域保健医療計画により制限があります。このため、今後、
地域に必要な医療環境を効率よく整備していくためには、病院建設を目指す事業者の
皆様のご理解とご協力が不可欠です。
岡崎市保健所では、病院建設に関する相談はもとより、岡崎市や当医療圏の医療事
情全般に関する情報、地域が必要とする医療機能、手続きの流れなど、幅広い情報提
供を行っています。
土地の選定・取得(交渉)、建物設計、経営手法の検討、地元への説明などに着手
する以前の早い段階で、ご相談ください。
(問い合わせ先)岡崎市保健部 保健総務課 企画事業班
岡崎げんき館2階 岡崎市保健所内
電話 0564-23-6695(岡崎市若宮町)
【 発行/岡崎市・一般社団法人 岡崎市医師会 】
1.岡崎市の医療資源の現状と課題
(1)医療圏/岡崎市は隣接する幸田町と「西三河南部東医療圏」を形成しています。
愛知県地域保健医療計画では、県内を 12 の「2次医療圏」に区分しています。
この中で岡崎市は、隣接する幸田町と共に、人口約 41 万人の2次医療圏「西三河
南部東医療圏」を形成しています。病院建設や病床整備に関することは、原則、こ
の西三河南部東医療圏を単位として進められます。
(2)整備可能病床数/当医療圏に整備可能な病床数は「568 床」です。
愛知県地域保健医療計画(現計画:平成 23 年度~27 年度)で定める当医療圏の
基準病床数(一般病床+療養病床)は「2,860 床 ①」です。
これに対して、平成 26 年 4 月 30 日現在の当医療圏の既存病床数は「2,292 床 ②」
です。従って、今後、当医療圏に整備できる病床数は最大で「568 床 ①-②」とな
ります。
(3)既存病床数「2,292 床」の内訳(一般病床 1,423 床、療養病床 869 床)
一般病床
岡崎市民病院 686 床、愛知県がんセンター愛知病院 216 床、
宇野病院 107 床、三嶋内科病院 44 床、北斗病院 110 床、
岡崎南病院 70 床、冨田病院 48 床、エンジェルベルホスピタル 34 床、
葵セントラル病院 30 床、中部岡崎病院 30 床、有床診療所分 48 床
※岡崎市民病院の病床数は、ICU、無菌病床等を含めると合計 715 床です。
療養病床
岡崎東病院 215 床、北斗病院 160 床、岡崎共立病院 190 床、
岡崎南病院 72 床、宇野病院 70 床、三嶋内科病院 102 床、
三田老人保健施設 60 床(岡崎三田病院からの転換病床)
(4)人口1万人当たりの病床数(平成 22 年 10 月 1 日現在)
ア.一般病床数 = 33.6 床(愛知県 54.6 床)
○33.6 床は、愛知県下 12 医療圏中 11 番目。当医療圏は、一般病床が大きく不足
していると言えます。
○中でも、救急車の搬送を受け入れ、入院や手術に対応できる病院(第2次救急
医療担当病院)が不足しています。
○また、近年、分娩の取り扱いを廃止する医療機関が相次いでおり、分娩可能な
施設や病床の確保も課題の一つと言えます。
イ.療養病床数 = 21.7 床(愛知県 18.5 床)
○21.7 床は、愛知県下 12 医療圏中4番目。数字の上では、当医療圏の療養病床
は県平均を上回っています。しかし、今後の超高齢社会を考えた場合、十分な
病床が確保できているとは言えません。
(5)病院勤務医師不足/岡崎市では病院勤務医の不足が恒常化しており、このこと
が、急性期医療や救急医療を困難な状況にしています。
人口1万人あたりの医師数(平成 24 年 12 月 31 日現在)
○病院勤務医師数
全国=14.7 人 愛知県=12.8 人 岡崎市= 6.3 人
○診療所勤務医師数
全国= 7.8 人 愛知県= 6.9 人 岡崎市= 6.9 人
※病院勤務医師数 6.3 人は、政令市+特別区+中核市の中で最少です。
(6)救急医療体制/一般病床の不足や病院勤務医師の不足が、当医療圏における救
急医療の困窮を招いています。市では、救急医療対策として、第1次・第2次
救急医療機関への運営費補助などを通して、第3次救急医療機関である岡崎市
民病院の負担緩和策を講じています。
ア
第3次救急医療機関(岡崎市民病院。※災害拠点病院にも指定されています)
○365 日 24 時間体制の救命救急センターを有する岡崎市民病院が当医療圏で唯
一の第3次救急医療機関です。重症重篤な救急患者への対応はもとより、中軽
症の救急患者への対応も行わざるを得ない状況にあり、岡崎市民病院の負担軽
減が当医療圏の救急医療の大きな課題となっています。
イ.第2次救急医療機関(市内4病院による輪番制)
○4病院 →宇野病院、岡崎南病院、北斗病院、愛知県がんセンター愛知病院。
○近年、救急担当医不足から、岡崎市においても第2次救急医療機関の撤退や縮
小が相次ぎ、岡崎市民病院(3 次救急)への軽傷・中等症患者の搬送が増えてい
ます。また、現状で概ね 200 床規模の病院において2次救急医療の継続・充実
が困難となっていることから、今後はさらに規模の大きい病院(300~400 床規
模)が第2次救急医療を担っていくことへの期待が高まっています。
○近年、市町村合併や宅地開発などにより、市民の住区が拡大しています。一方、
岡崎市民病院、愛知県がんセンター愛知病院、民間の第2次救急担当病院は、
比較的市中心部に集中しており、人口増加が進む市西部(矢作支所管内)や市南
部(岡崎支所管内・六ツ美支所管内)で救急医療に対応できる病院を望む声が
高まっています。
ウ.第1次救急医療機関
○岡崎市医師会が運営する「岡崎市医師会夜間急病診療所」「休日在宅当番医制
度」により、第1次救急医療体制を確保しています。
○岡崎市医師会夜間急病診療所=365 日対応。診察は午後 8 時~11 時。内科・外
科・小児科の医師3人体制。内科・外科は圏域の開業医が、小児科は開業医に
加えて県内3大学から医師の派遣を受けています。
○休日在宅当番医制度=診察は日曜日・祝日・年末年始の昼間。内科など7科)。
2.地域に必要な医療機能等について
地域の医療サービスをより質の高いものへと発展させるためには、今後の病床の整
備を「地域の医療課題」に照らし合わせて進めて行くことが重要です。そのためには、
今後新たな病院建設を目指す事業者の皆様方と「地域に必要な医療環境」について認
識を共有することが最初の一歩となります。
~ 当医療圏に必要な医療環境(当面の優先課題) ~
○岡崎市民病院の充実(第3次救急医療、急性期医療、高度・専門的医療)。
○一般病床の整備。一般病床、療養病床の配置の適正化。
○第1次・第2次救急医療体制の充実による岡崎市民病院の負担緩和。
○民間医療資源の充実、地域バランス、岡崎市民病院との機能分担。
○病院勤務の医師・看護師など、医療従事者の確保。
※以上のことを実現するために、岡崎市民病院の整備・充実を支援しつつ、民間資
本による施設整備(新病院建設・既存病院改築等)を支援・誘導し、今後の病床
整備が地域の医療課題解決に資するよう、行政や医師会などが連携して取り組み
ます。
~ 目指すべき姿 ~
○新生児の誕生から高齢者の看取りまで、幅広い年代層の市民の生命を、地域の医
療資源の活用と連携により社会全体が支える地域完結型医療の構築
○様々な医療サービス(通院・入院・在宅など)が他のサービス(介護、福祉、市
民活動、民間事業等)と包括的、あるいは、連続性を持って提供され、患者・家
族が安心して地域の医療サービスを選択できる環境の整備
3.最後に
~医療関係者・事業者の皆様へ~
地域の医療事情・医療ニーズに即した病床整備を進めるためには、地域医療の担い
手である病院、診療所、地元医師会を始め、まちづくりを進める行政、さらには医療
サービスを利用する市民が一体となり、事業者である皆様方と協力・連携して行くこ
とが事業成功の鍵となります。
今後、具体的に当医療圏への病院建設を検討される際には、当医療圏の医療を担う
一員として地域との協力・連携を最優先にお考えいただき、地域のためのより良い計
画・事業として進めていただきますよう、心よりお願い申し上げます。
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