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2.中国で売れる商材
2. 中国で売れる商材 2.1 中国人の好む素材・色、柄等 (1)素材 中国では綿、ウール生地、シルク、麻、レザー、化学繊維、混紡、モダール繊維等のテキスタ イル製品が製造されており、うち、綿、化学繊維、混紡製品が総生産量の 95.4%を占めている。 (表 3 を参照) 。一部は輸出されているとは言え、多くは中国国内で消費されていることから、 綿、化学繊維、混紡、特に綿は中国人に好まれる生地と言えよう。 近年、綿花の価格高騰で、化学繊維が綿生地の代わりに多く使われるようになってきている。 例えば、ライクラ+天然繊維等優れた伸縮性をもつストレッチ素材、綿+レーヨン等弾力性のい い素材の生地がよく売れており、輸入品の中でもポリエステル素材が最も多く、そのほかに、そ の他の新型化学繊維、混合繊維素材の生地も一部輸入されており、中国人の好む素材と見られる。 (2) 色 中国テキスタイル業界でよく使われている主要色2は赤色系、黄色系、ブルー色系、グリーン色 系、紫色系、ダストカラー系、その他(シルバー・黒・アイボリー・チョコレート等)色系の7 色系があり、それぞれのシリーズには 20~60 種の色がある。うち、中国人の好む色は赤色系、 ダストカラー系、その他(シルバー・黒・アイボリー・チョコレート等)色系である。 欧州は世界ファッションの発信地であると言えよう。中国市場でも流行色・人気色は欧州から 来ている。 近年、モノクロ系、淡色系が好まれている。例えば、ブロンズ、シルバー、グレー、花こう岩 色等が多く市場に出されている。モノクロ系、淡色系の生地は穏やかに感じさせ、色あわせもし やすく、どの年齢層でも使え、洋服の生地用にはとても適切であろう。 中国の特色といえば、赤色である。旧正月、結婚式等のおめでたい時、中国人は赤色の服装を 着用し、また、マフラー等のアクセサリに関しても赤色を好む。従って、冬物、特に旧正月着物 や結婚式用の着物等には赤色の生地が多く使用されている。 ホーム・テキスタイルにおいては、黄色等淡色系、またはカラー色系(ブルー系、グリーン系 等)が好まれている。中国人の家庭では、室内の壁、床、家具では単一で控えめな色が使用され ているため、室内装飾用生地は色とりどりにして、飾る。 (3) 柄 柄についても、欧州の流行に従っている。中国は経済の発展によって、中国人が欧州で自分の 目で見てきたり、自分の肌で感じてきたり、より速くよりふさわしい欧州スタイルを中国に持っ てくるようになってきている。 近年、シンプルでエレガントな柄が中国の消費者に好まれている。これも欧州スタイルと言え よう。生地の柄がとてもシンプルであったり、小さくて細かな刺繌パターンであったり、純色の 生地であったりし、各年齢層の中国人に好まれている。 シンプルな柄と反対に、複雑なスタイル‐ 小さな花柄、幾何学模様、絞り染め(グラデーショ ン)、漫画キャラクター、包装用紙のような大きな花柄等は個性的で、若者に好まれている。こ れらのスタイルは以前日本・韓国で流行しており、「日韓系」とも言われる。ところが、これら 2 ここでの主要色は中国テキスタイル業界関係者へのインタビュー結果であり、つまり、中国テキスタイル業界 でよく使われている色としてのまとめである。色の標識については、米国の Pantone 標識を使うのは普通となっ ている。 10 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. のスタイルは柄がとてもファンシーで、若者の中でも一部の消費者しか捉えていないため、シン プルなタイプよりははるかに尐ない。 中国の特色といえば、地方の特徴、民族の習慣に合う柄であろう。中国には多くの民族があり、 それぞれに独特な柄・スタイルを持っている。例えば、福建省では「黎族民族服」があり、鮮や かな色使いで、ダイヤモンドパターン、正方形のパターンが組合せられている。韓国のある化学 繊維メーカーが、福建黎族民族的な柄の化繊生地をが販売しているのを見かけた。同メーカーに よると、福建地域のバイヤーに売れていて、女性のワンピースやスカート用生地に使われている とのこと。ただし、上海等大都市の人に売れるかどうかは疑問である。 図 8:福建黎族民族服用生地 2.2 価格帯、ロット 表 7:中国市場での高級シャツ用綿生地の価格帯 高級シャツ用綿生地 価格帯(元/m) 中国系国産品 25~35 日系国産品 40~45 輸入品(日本製) 60~100 輸入品(イタリア製) 8~15 ユーロ(12 ユーロが多い) 出所:テキスタイルメーカー及びアパレルメーカー(外資系、日系を含む)へのインタビューより 国産品でも、外資系国産品の価格は中国系企業の国産品より高い。例えば、在中日系企 業の国産品のシャツ用綿生地の価格は中国系企業の国産品より 30%ほど高い。 輸入品の価格は国産品の価格より倍以上高い。例えば、日本製の輸入品は中国系企業の 国産品より場合以上高く、在中日系企業の国産品より 30~50%ほど高い。 イタリア製のテキスタイル製品は中国市場で高く評価され、販売価格も高く設定され、 日本製の輸入品より 30%ほど高い。 その他の材質の価格帯は以下表 8 を参照。 表 8:中国国内テキスタイル市場の価格帯 材質 種類 綿 生機 価格(元/m) 国産品 輸入品 20-40 / 備考 ・MOQ(最小受注数量):500~1,000m。 11 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved. コーデュロイ 麻 ウール 混紡 化学繊維 シルク 15-30 / デニム 20-35 / 家庭用テキス タイル 8-25 / シャツ用 14-45 60-130 ジャケット用 12-35 30-50 フラックス 30-50 45-80 カラムシ 15-20 15-35 精紡 40-600 120-1,000 粗紡 30-150 70-300 綿混 5-22 10-100 その他 4-25 / 4-12 7-40 ナイロン 13-29 20-60 アクリル 20-30 30-90 その他 4-35 / シルク 18-62 / レーヨン 6-20 15-120 ポリエステル ・受注量 10 万メートル以上の場合、 価格を 1 元/mほど下げる。 ・輸入綿生地の主要価格帯は 60-100 元/mである。 ・MOQ:1,000m。 ・受注量 1 万メートル以上の場合、 価格最大下げ幅は 0.3~0.5 元/mで ある。 ・輸入麻生地の主要価格帯は 45-60 元/mである。 ・MOQ:1,000-2,000 m。 ・受注量 1 万メートル以上の場合、 価格最大下げ幅は 1~10 元/mであ る。 ・輸入ウール生地の主要価格帯は 120-700 元/mである。 ・MOQ:1,000-5,000 m。 ・受注量 1 万メートル以上の場合、 価格最大下げ幅は 0.2-0.5 元/mであ る。 ・輸入混紡生地の主要価格帯は 20-60 元/mである。 ・MOQ:1,000 m。 ・受注量 1 万メートル以上の場合、 価格最大下げ幅は 0.5 元/mほどで ある。 ・輸入化学繊維生地の主要価格帯は 7-90 元/mである。 ・MOQ:200-1,000 m。 ・受注量 5,000 メートル以上の場合、 価格最大下げ幅は 0.2-2 元/mであ る。 輸入化学繊維生地の主要価格帯は 25-50 元mである。 出所:テキスタイルメーカー及びアパレルメーカー(外資系、日系を含む)へのインタビューより 12 Copyright © 2012 JETRO. All rights reserved.