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[参考事例集](案)(PDF形式:1143KB)
資料3−3 合同会議中間取りまとめ 【関連事例集】 (案) 平 成 1 7 年 9 月 経 済 産 業 省 目 次 1.消費者及び住民ニーズに対応している事例 2.地価及び地権者問題に対応している例 3.関連主体と協力している例 4.TMOが機能している事例 5.商店街などが社会的機能を担っている事例 6.地方公共団体が積極的役割を果たしている事例 1 1.消費者及び住民のニーズへの対応している事例 1)商店街の対応 i)博多川端商店街(福岡市) ・1990年に同商店街に隣接する工場跡地に複合商業施設「キャナルシティー」の基本構想が発 表されたが、地元商店街として議論を重ねた結果、反対するのではなく共存共栄を図る方針 を決めた。 ・1996年にキャナルシティーが開店した当初は、キャナルシティーからの人の流れを呼び込む ため、若者向けの商品を扱う店舗が増加し、若者が多く通る商店街となった。 ・しかし、キャナルシティーの方が若者のニーズに対応できる機動性と資金力があり、商店街 が次第に若者を呼び込めなくなってきたことから、戦略を転換。高齢者向け商店街として高 齢者生活へのきめ細かな対応を実現。例えば、商店街が空き店舗対策として、「健美工房」 に交流サロン、薬局、病院、針灸治療院等を誘致。その結果、現在は、高齢者が足しげく通 う商店街となっている。 ・通行量の変化をみると、平日は1990年から一貫して増加している一方で、休日は1990年か ら1996年では大幅に増えたが、1996から2000年では少し減少している。平日が堅調なのは、 高齢者向け商店街の対応を進めた効果ではないかと思われる。 博多川端商店街の通行量の変化 通行量(人/日) 25000 20000 15000 10000 平日 休日 5000 0 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2 ⅱ)健軍商店街(熊本市) ○同商店街は周辺に大型商業集積が進出し、厳しい競争環境におかれ、また、周辺住民の高齢 化率が高く(24%)、高齢者は重い荷物を運べないため、買い物量が減少する、来街率も 減少する事態にあった。そのため、県が進めている「ユニバーサルデザイン振興」の一環と して、「ユニバーサルデザインのまちづくり」を商店街のコンセプトとし、他の商店街や大 型店に行けない高齢者や障害者にターゲットを絞った。具体的な事業としては、「らくらく お買い物システム」、「ユニバーサル商品の展示」、「電動スクーターの貸し出し」、「相 談コーナー、休憩スペースの設置」などを行っている。 ○通行量の変化をみると、平日は2004年度に32%(対前年比)増加しており、休日は2004年度に 42%増(対前年比)増加している。(健軍商店街西里生花店前) (参考)「らくらくお買い物システム」の概要 高齢者、障害者など買い物された方が重かったり、 かさばったりする荷物を、スタジオ(宅配受付)で 受け付け、それを自宅まで直接宅配するシステム。 常時2名程度の人間がスタジオにいて、荷物の受付、 買い物の相談に当たっている。 集められたお買い物の荷物は、時間毎、あるいは お客様の都合に合わせた時間にタクシーを利用して 自宅まで届ける。利用料金は1回当たり300円だが 商店街で100円の宅配補助券を発行しており実質 200円で利用できる。(15年度は1万件強の利用 があった。) 3 ⅲ)呉服町商店街(静岡市) ・平成4年から「一店逸品運動」を実施し、 各商店が優れた商品やサービスを持つことを 促進している。その結果、各商店が開発した 逸品は大ヒットして、その店の定番となって いる。 定番逸品一覧 ⅳ)東和銀座商店街(東京都足立区) ・1990年に東和銀座商店街振興組合に加盟していた41人の商店主が共同出資して、株式会 社「アモールトーワ」を設立。 ・廃業した鮮魚店を、「鮮魚店が無くなれば商店街全体の魅力が損なわれる」と考え、会社で借 り上げ、経営継続。 ・地域貢献の観点から、学校給食の受注や、高齢者宅への弁当宅配なども実施。 ・大型店の店舗清掃を受託し、大型店の進出もビジネスチャンスにしている。 4 ⅴ)奈井江町商工会(北海道) ・平成13年度から、商工業者がホームヘルパー3級・2級の資格取得をし、会員制の「ふれあ いネットワーク」宅配事業を立ち上げ。 ・事務局は商工会にあり、住まいの相談、除雪、庭の剪定作業、衣料品・食品・お花の排他知事 に、1人暮らしの話相手など困ったことがないか生活状況の確認をしながら、コミュニケー ションを図り地域住民とのふれあい事業を実施。また宅配事業も実施。 【全国商工会連合会提出資料】 ⅵ)一の宮町商工会(熊本県) ・商工会では、お年寄りや障害者といった日常の買物に不便な世帯に無償でFAXを設置し、商店 街宅配等お買い物支援に取り組んでいる。御用聞きコミュニティシステム事業として運営。 【全国商工会連合会提出資料】 ⅶ) 福島聖天通商店街(大阪市) ・同商店街では、江戸時代の占い学の大家「水野南北」が聖天さんを信仰して事業に大成功したと いう 故事にちなんだ、占いで商店街活性化を図るアイデアを基に、平成13∼14年度にかけて大阪市の施策 のアドバイザー派遣を利用してノウハウを獲得、平成14年8月に占い師約 20名を集めて初めての占い イベントを実施。 ・現在では、毎日が常設の「売れても占い館」で占い師2∼3名で、毎週金曜日に占い師6∼7名が、毎月 第4金曜日には商店街の通りで占い師20∼30名を集めて「売れても売れても占いデー」を開催し、広域 から若い女性を中心としたお客を集めている。 5 ⅷ)大須商店街連盟、藤ヶ丘商店街振興組合(名古屋市) ・大須商店街では平成17年7月1日から電子マネー「Edy」を導入。商店街の若者向けの衣料、雑貨 店などを中心に約150店舗が参加。商店街で一時期に導入された事例としては国内最大級。決済手 段を広げ、サービス向上で利用客の増加を図る。大須商店街では、 「Edy」を導入に関連したキャン ペーン事業を実施。 ・藤ヶ丘商店街では平成17年3月から電子マネー「Edy」を導入。商店街単位での電子マネーの導入 は中部地方では初めて。決裁した顧客には商店街で共通利用できる独自ポイントを付与できる。商店 街では、次世代技術の先取りは地域の活性化につながるとして、積極的に導入に取り組み。80店舗 が参加。 ⅸ)大門大通り商店街振興組合、立町商店街振興組合(三重県津市) ・津市の大門と立町の二つの商店街が合同でつくる「だいたて街づくり委員会」では、お年寄りを ターゲットにしたイベントを商店街に隣接する津観音で実施。境内をバリアフリー化し、両商店街 以外からも広く出店を呼びかけた結果、第1回イベント「じいちゃんばあちゃんの日」には、津観音 と周辺の商店街はお年寄りを中心にたくさんの買い物客で賑わいを見せた。周到な広報活動が 効を奏した形。商店街の担当者が事前に津市周辺の老人ホーム等に説明に出向き、施設の行事 として津観音を訪れるよう勧誘。 ・第2回では、お年寄りだけでなく、幅広い年齢層の女性客もターゲットに加え、「初夏の茶会と甘い もん祭り」と銘打って開催。たくさんの出店の他、お茶会やお茶の煎れ方教室、市民グループの楽 器演奏などもあり、賑わいを見せた。 ⅹ)沖縄商工会議所(沖縄県沖縄市) ・沖縄商工会議所(TMO)では、国道に通じる商店街(中央パークアベニュー)において、空き店舗対策事 業として「ドリームショップ・グランプリ」を実施している。これは、一種のチャレンジショップといえるが、全 国にPRし、沖縄市への移住を前提として、ユニークな商売の企画を公募し、グランプリには、賞金50万 円と店舗・住居家賃の補助1年分、準グランプリは、店舗家賃の半額を6ヶ月分補助する。平成12年か ら年2回開催しており、今年度で12回、13回目の開催となるが、選から漏れたにもかかわらず出店する こともあり、非常に成功している。 6 ⅹi)籠屋町商店街(徳島市) ・徳島市籠屋町商店街振興組合は、消費者に対して保育サービスを提供するため、地区内にある空 き店舗を活用して子育て支援施設を設置。 ・「子育てほっとスペース すきっぷ」の名称で、平成15年9月1日にオープン。子育て中 の親子が交流する場を提供したり、NPO単独事業として商店街への来客者等を対象とした 一時預かりの託児事業を実施していることから、商店街の利便性向上とイメージアップにつ ながり来街者の増加と賑わいが創出されている。 7 2)個別企業の例(規模の大小にかかわらず販売額が伸びている事例) ⅰ)ショップ99(株式会社九九プラス) ショップ99は消費者ニーズを徹底して考えた、全く新しいビジネスモデルによって、売上高、店 舗数を急速に伸ばしている。 <ビジネスモデル> ①日常の食生活の必要十分条件を満たす、食品中心のマックス12,000アイテムという圧倒的な品揃え。 ②お年寄りや主婦、一人暮らしのOLなどの要望に応えた、使い切り・簡易性を原則にした少量パッ ク。 ③誰にでも分かりやすい均一価格99円(税込み104円)を実現。 ④立地場所は、コンビニや食品スーパーの空き店舗が中心。 ⑤既存店舗(雑貨屋や魚屋など)がある場合には、そこの商品を残しつつ、ショップ99がそれ以外 の商品(生鮮3品、ドリンク、加工食品など)を補うことも可能。 <店舗形態> ①コンビニタイプ:(面積40∼50坪) ②標準タイプ :(面積80∼120坪) ③コンボタイプ :(面積80∼200坪)…ドラッグストア等の他業種との複合店 <売上高、店舗数の推移> (百万円) 店舗数(連結) 売上高 350 50000 40000 30000 300 250 単体 連結 200 150 20000 100 50 10000 0 0 "2001/3 "2002/3 "2003/3 "2004/3 出典:FACT BOOK 2004 SHOP99(株式会社九九プラス) "2001/3 "2002/3 "2003/3 "2004/3 8 ⅱ)松下電器産業系列販売店 80年代からの家電量販店の急速な台頭により、それまで家電メーカーの主力販路だった系列店 ルートの販売シェアの低下。 松下電器産業では、 01年から、顧客の悩み、疑問を解決し家電を軸に快適な住生活を提案する、 「接客」と「ソリューション」をキーワードとする系列店政策の改革に取り組んでいる。 商品をよく分かっている客やひたすら安さを求める顧客は量販店やネット通販で家電を買う一方、 高齢化社会が広がる中で、 ①安値販売よりも商品の使い方や楽しみ方の丁寧な説明 ②故障したらいつでも飛んできてくれるといった問題解決ニーズ ③給湯設備や調理家電などを組み合わせ、風呂場、台所をリフォームするニーズ 等 に応える接客、ソリューション型小売店を積極的に推進している。 また、店主が高齢化して後継者のいない店には、インターネットで後継者を募集して斡旋するなど の若返り策も実施。 松下の家電に占める系列販路の売上高は、 10年前の6割より減少したものの、今でも 4割強を占める。売上高の前年比伸び率10 %以上の系列店は、02年で3割、04年は 5割弱に達し、量販店に負けていない。高額 品のプラズマテレビやDVDは、系列店販路 が全体の5割を占めている。 出典:日経流通新聞(2005年1月24日) 松下電器産業(株)2004年度第3四半期連結決算概要より 9 2.地価及び地権者問題に対応している事例 i)豊橋花園商店街(愛知県豊橋市) 空き店舗を埋めるために、組合の理事長らが家主に働きかけ、テナント料の高止まりを改善。 主体:花園商店街振興組合 賃料:約1万円/月・坪 → 約5千円/月・坪(資金0円、礼金0円、約1,500円/月・㎡) 実績:2002年以降、空店舗のうち9店舗が埋まった。 ⅱ)臼杵市中央通り商店街(大分県) 臼杵商工会議所が、賃料の引き下げ交渉を行い、空き店舗が減少。 実施主体:臼杵商工会議所 交渉前後の賃料の違い:約10%減額 実績:空き店舗率23.5%→12.7% ⅲ)諫早市中心市街地(長崎県) チャレンジショップ(※)としての出店希望者に対し、TMOと連合会が協力してテナントオー ナーとの家賃交渉を実施し、空き店舗が減少。 (※)2003、2004年度に商店街協同組合連合会が実施主体となってチャレンジショップ事業を実施。 開業主体:諫早市中心市街地商店街協同組合連合会、TMO 賃料 :礼金、敷金の免除及び、家賃の暫定的な減額(実質2∼3割の減) 空店舗率:6.9%(2003.10)→3.8%(2004.10) 2003年度:4店舗、2004年度:1店舗(2者のジョイントショップ)のチャレンジショップ開業 10 ⅳ)まんだら横丁(北海道旭川市) 平成14年度から旭川銀座商店街振興組合が実施している 「まんだら横丁」(商店街の空き地を利用した貸店舗事業。 貸店舗は9つ)では、地主から、地代を固定資産税相当程度 の低い額に設定してもらい、出店者の負担する出店使用料 (地代をベースに算出)を低く抑えた。平成16年度までの 予定だったが好評につき、平成17年度も継続することで準備中。 ⅴ)専門店街レッツ(福島市) 福島県では大型空き店舗対策事業(賃借料を補助)によって、平成14年12月に、福島市内 の大型空き店舗(ニュー福ビル)にテナント13店舗が出店した。ところが、平成16年11月 末で当該事業が終了することから、商工会議所がこれらテナントの営業が存続できるよう当該ビ ルのオーナーと家賃交渉を行った。その結果、オーナーが家賃の減額に応じることになり、テナ ント側の負担は事業実施期間よりも少し増加する程度にとどまり、テナントは営業を継続できる ようになった。 ⅵ)わくわくステーション(大阪府豊中市) 豊中駅前まちづくり会社が運営するレンタルスペース。平成12年10月にオープン。商店街 の空き店舗(地権者がまちづくり会社に理解を示し賃貸可能になった物件)をまちの活性化に活 用し、豊中駅前からわくわくするような魅力や情報を発信する拠点。まちで新しく商売や事業を する人など誰もが利用できる。レンタル料は1時間1千円から。語学教室などとして利用されて いる。 11 ⅶ) 「ランドオーナー会議」((振)静岡呉服町名店街)(静岡市) 【地権者に商店街活動への協力を求めている事例】 設 置:商店街がランドオーナー(土地所有者)に積極的な働きかけを行い、商店街の街づくり 推進委員会の下部的な組織として平成15年1月設置 設置理由:①近年、オーナー=営業者ではなく、土地売却・テナント貸しするオーナーが増えてき たため、オーナーと商店街がまちの魅力づくり等の方針を共有し、情報交換を行う場 として設置 ②商店街活動に対するオーナーの理解を得ることにより、組合活動に対するテナントの 参加を促す 成 果:①新たなテナント募集前に組合に相談してもらい若者に人気のある物販店を誘致 ②テナント契約条項に商店街への加入条件を盛り込む ※このような動きに合わせ、16年7月の商店街総会において、「①ランドオーナーの組合参加、 ②組合がデベロッパー機能を果たし、テナント運営していく」ことを表明 12 ⅷ)川越市角栄商店街振興組合(埼玉県) 【商店街がボランタリー・チェーンと連携して空き店舗を解消した事例】 ○平成14年2月に商店街中央にある核施設の食品スーパーが閉店。 ○角栄商店街、角栄霞商業協同組合、霞ヶ関自治会では、商店街の理事長を中心に店舗の誘致図っ た結果、ボランタリー・チェーン(VC)の㈱エコスが出店を決定し、平成17年1月に開店。 ○商店街側では共同利用による駐車場の確保を図るなど出店に協力するとともに、開店に合わせて各 店での協賛セールや、先着100名に対するプレゼント事業を実施。 ※ボランタリー・チェーン(VC) 各々の加盟店は共同売り出しなど本部の指示によって行う点でFC(フランチャイズ・チェーン)と同様であるが、本部と 加盟店が一対一の契約を行い店舗の名称が同一であるFCに対して、VCでは加盟店が自発的な意志に基づいて組織を 結成あるいは加盟し店舗の名称に独立経営者の商号が使われる場合がある。 ⅸ)大須商店街連盟(名古屋市) 【オーナーへの働きかけにより空き店舗を解消した事例】 ○名古屋市の大須商店街は、平成3年頃から、空き店舗の増加が問題となったが、大須商店街連盟が 中心となり、空き店舗での開業を希望する若者に機会を与えるようオーナーに働きかけるといった空 き店舗対策を含めた商店街活性化策に取り組んだ結果、現在では平日で約1万人、休日には近県 からの買い物客も含めて5万人前後が訪れ、空き店舗率がほぼゼロとなっている。 13 3.関連主体と協力している事例 1)交通事業者との協力事例 (盛岡市)中心商店街 ・岩手県交通が、平成11年度(初年度は市の補助による実証 運行)から、盛岡駅を起点とした5つの中心商店街(駅前、 材木町、本町、肴町、大通り)を結ぶ都心循環バス「でんでん むし」を運行している。運行間隔は10分から15分おき。 ・まちなかの回遊性を向上させ、中心商店街に買い物客など 新たな需要を創出している。 年間乗車人数の推移 (高知市)協同組合帯屋町筋 (1)協同組合帯屋町筋加盟店で3千円以上購入した客に以下を提供。 ①電車・バス無料乗車券:高知県交通及び土佐電鉄のバス・電車の初乗り運賃が無料となる乗車券。 ②タクシーサービス券:帰りにタクシーを利用する客に200円分のサービス券。 ③JR四国割引券:帰りにJR四国を利用する方に、260円分の引替え又は、割引券。 ※各交通事業者はサービス券の発行に係る経費を負担。 (2)敬老デー電車・バス無料乗車券プレゼント:毎月15日を「敬老デー」として、長寿手帳を持 参の客に協同組合帯屋町筋が①と同様の無料乗車券を提供。 (那覇市)国際通り ・国、県、市、商工会議所、通り会連合会、学識経験者、バス協会等と連携し、「国際通りトラン ジットマイル実証実験事業」を平成14年∼16年の3年間にわたって実施した。同事業は、慢性的な 交通渋滞、開放された道路空間を活用した商店街活性化等を主な目的とし、通りへの自動車の流入 を制限し、トランジットバスのみの運行とし、その効果・課題等の整理を行った。 ・来年度の本格的な導入に向けて、2月25日に「那覇市国際通りトランジットマイル導入検討委 員会」を設置し、実証実験事業における課題等を踏まえた、検討を進める予定。 14 2)学校や学生との協力事例 (青森県黒石市) 平成16年9月11∼12日に開催された「こみせまつり(主催:こみせまつり実行委員 会)」において、黒石商業高校の学園祭を共同開催。(こみせまつりは毎年開催しているが、今 回の共同開催は市制施行50周年及び学校創立30周年を記念して実施。) (神奈川県相模原市)大野銀座商店街 相模女子大学と商店街が協同して、商店街の活性化や学生のビジネス 体験を目的に、空き店舗を活用して学生によるチャレンジショップを 展開中。学生たちが作った生活小物、アクセサリーなどを販売。 (高知県高知市)高知女子大学生によるまちづくり活動 ・高知女子大学生がグループ「エスコーターズ」を結成。毎週日曜 日に商店街の清掃・介助・案内を実施。月1回程度、商店街と業 務報告会を持ち、活動中に気づいたことなどについて意見交換を 実施。 ・エスコーターズがストーリーを考え、高知市在住のイラストレー ターが絵を描き、絵本「トモちゃんと魔法のおかし」を作成。1,50 0円で販売し、その収益金を商店街内のゴミ箱の設置等に活用。 (長崎県佐世保市) 長崎県立大学の学生が、空き店舗対策事業「チャレンジショップ99マート」への入店、商店 街の清掃等を行う「まちかどサポーター」実施、イベント(きらきらフェスタ)での屋台販売を 実施(平成15年度) 15 (神奈川県横須賀市) ○関東学院大学が、追浜商店街に空き店舗が出始めていることから、共に町おこしをしないかと提案。 平成16年10月、生涯学習を通じて住民と学生が交流する施設「追浜こみゅに亭」を開設。居酒屋 の空き店舗を借り上げ、住民有志を講師にパソコン操作、ステンドグラス制作などの10数の講座を 立ち上げ。 ○家賃の6割は、国と県の補助でまかなうが、補助金が切れると施設を閉じるケースが多いことから、 大学関係者がワイン作りを提案。岡山県のワイン会社で醸造方法を学び、横須賀税務署とも掛け合 い果実酒製造免許を取得。設備資金は、サポーター制を導入し、商工会の呼びかけで県外も含め2 00口余りを集めた。会員には、割引販売などメリットがある。また、通販の申し込みも多いが、原則 応じない。あくまで追浜に足を運んでもらうための名産品であり、取扱いは、ワイナリーと市内の物産 館のみとしている。 【平成17年8月15日「日経MJ」他】 (東京都品川区) ○IT(情報技術)を使い買い物情報を提供する「ユビキタス商店街」を作るべく明治大学と品川区、ITベ ンチャー企業のCOCO・WA・DOCOが一体となって戸越銀座商店街の活性化を図る。光ファイバー ケーブルを使ってまちのネットワーク化を進め、利用者はパソコンや携帯端末で買い物情報等をいつ でも自由に入手できるようにする。商店街の中でのみ通話が無料になる無線電話も利用できるように する。さらに、カメラやICタグを利用して防犯にも役立てる予定。 【平成17年7月23日「日本経済新聞」他】 (静岡県沼津市) ○平成13年8月に、産業振興全般のコーディネーターとして、地域産業界と大学等の学術研究機関と の連携により、地域活性化に関する総合支援を行うために「ぬまず産業振興プラザ」を創設。沼津市 の大学は、郊外に立地しているため市街地で活動できる拠点が必要であったため、整備。 ○プラザの具体的な活動は、技術・経営・ITに関する講座の実施、産学官連携コーディネート、情報ネッ トワークの構築など多様。学生は、まち中でのイベントの企画からマネイジメントまで行っており、名刺 も持たせ、さまざまな交渉等を自ら行わせるなど、学生の自己啓発にもつながっている。 16 (愛知県瀬戸市) 商店街は「いっぴん商品委員会」を組織し、同委員会が認定した優れた商品で、毎年新しい商品 を新聞発表し、銀座通り商店街の代表商品として商店街を挙げてアピールするもの。 逸品運動で、商店街の小規模な店でもオリジナル商品を製作でき、販売することが可能となり、逸 品商品は現在十種類を認定。 名古屋学院大学では、「一店逸品」バーチャルモールを作成、インターネットに掲載した。同大学は 銀座通り商店街に学生の店「マイルポスト」を開いている。 <効果> 名古屋学院大学の調査では、3年前の調査で、1日の通り客は約500人程度であったが、最近の 調査では1千人以上が記録。 3)金融機関との協力事例 (鳥取県日野町)根雨宿 町内の金融機関(根雨郵便局、山陰合同銀行、島根銀行、鳥取銀行)が発起人となり、平成1 6年11月から、根雨地域の路地で写真、絵画などの美術品を展示する「根雨宿まちかど美術 館」を開催。展示場所は金融機関だけでなく、展示スペースがありそうな商店や個人宅にも協力 を求めた。 17 4)その他企業との協力事例 (東京都渋谷区)表参道商店街等 *ストリートマーケティング事業 商店街がストリート全体を企業のプロモーションとタイアップで演出し、地域に投資 する財源を創出する事業。具体的には、広告代理店やクライアントと商店街との間 で、商店街が管理する空スペースや街灯・ゴミ箱等を用いた企画をとりまとめて実施。 商店街はブランド価値の高い大手企業との協働によってエリアブランド価値の向上 を実現し、媒体収入に財源創出効果を得ること、等ができる。企業側は、地域特性 に合わせたプロモーションが実施でき、まちづくり活動への協力といったCSR効果を も得ることが出来る。商店街、企業双方にとってメリットあるストリートマーケティング 事業で生まれた資金は、地元の清掃事業やイベント事業などに生かされ、さらなる 商店街の魅力向上に繋がっている。 代表例として原宿・表参道が挙げられるが、既に仙台、広島、松山など様々な地域で実施。 ■写真・原宿・表参道におけるストリートマーケティング事業例 18 4.TMOが上手く機能している事例 名 称 石川県金沢市 「㈱金沢商業活性化 センター」 ○プレーゴテナント 賃料によるTMO事 業の推進 長野県長野市 「㈱まちづくり 長野」 ○流通業のキャリア を招聘 機能している理由 指 標 ほ か ○中心市街地全体の商業の強化に向けたテナントミックスの形成 に大きな目標をおいた。 ○中心市街地の回遊性強化のうえで重要な役割を担い、時間消費 が楽しめる回廊や広場を備えたパティオ的な商業施設「プレー ゴ」を整備。 ○20∼30代前半の女性をターゲットに欧風の統一したデザイ ンの回廊やパティオに魅力的な個店が集積。通路や広場は24 時間開放型としライティングにも配慮。 ○開発・運営はTMOが担う。3セクTMOとしての収益軸を確 保し、自立した経営が行えることを目指している。 ○各入居者とも目標売上高を達成しており、中には目標の倍の売 上をあげている事業者もいる。 ○プレーゴの開発・運営は、TMOの経営基盤形成に大きく貢献 している。 ○年間販売額の増加 〈竪町、片町地区〉 H11年度 608億2,430万円 ⇒H14年度 635億4,672万円 (4.5%増:商業統計調査) ○平成12年7月、12月と中心市街地の中央に位置する大型店 が相次いで撤退し、中心市街地の急激な空洞化が生じたことか ら、流通業の最前線で実践的なキャリアを積んできた商業の専 門家(GMSのOB)をタウンマネージャーとしてTMOに招 聘。 ○タウンマネージャーの指導のもと、大型空き店舗(地下1F∼ 地上8F)全体のうち、まずは早期の活用が可能な地下1F∼ 地上3Fの再生に着手。 ○流通業の豊富な経験を生かし、 1FにはTMO直営による食 品スーパーをオープン。2F∼3Fには子育て支援施設やNP Oの活動拠点など整備し、中心市街地に不足する機能を入れな がら大型空き店舗を再生(施設名:もんぜんぷら座)。 ○4F以上の活用は中心市街地活性化の進展を見ながら随時、市 民要望の高い機能を導入していく方針。 ○核施設が整備されたことにより、中心市街地への来街者の増加 がみられると共に、街の魅力向上に伴い民間マンションの中心 市街地建設が進んでいる。 ○歩行者通行量の増加 〈もんぜんぷら座前〉 H14年度23,164人 ⇒H15年度24,656人 (前年度比6.4%増) ○閉鎖したダイエー店舗内で商 業集積を運営するに当たり、 投資家を集めるなど補助金に 頼らずに実施。TMOでタウ ンマネージャーを務める服部 氏は、全国各地のTMO運営 は補助金獲得が事業の前提で あり、「上からお金が降って きて何かやってくれるという 構図は時代に合わない。自助 努力が必要」と指摘する。 (2002年9月5日日経MJ) ○歩行者通行量の増加 〈金沢駅周辺〉 H13年 4,324人 ⇒H15年 5,690人(31.5%増) 19 名 称 愛知県豊田市 「豊田まちづくり㈱」 収益→駐車場収入(5駐車場)、 テナント賃料 京都市伏見区 (株式会社 伏見夢工房) ○多様な自立事業によるま ちづくり活用の推進 機能している理由 ○TMO事業の柱は豊田市駅西口再開発ビルの管理運営事業と5つ の駐車場の管理運営事業。その他、賑わい創出のためのイベントや 事業者間連携の広報活動等にも取り組む。 ○西口再開発ビルは、平成12年12月に百貨店が退店したが、翌年 には別の百貨店の誘致を実現。子育て総合支援センターなどの公 共施設の入居も図り、核施設としての充実を図る。 ○中心市街地駐車場の利便性向上を図るため、中心市街地の店舗・ 施設で買い物等をすれば3時間分の駐車料金が無料となる「フリー パーキング事業」をTMOが所有する5駐車場のほか9駐車場と連携 して実施。 ○豊田駅前の大型スーパー撤退後の空き店舗では、ワンフロアをTM Oが賃借しテナントミックス事業を実施。7店舗のテナント誘致を実現。 ○不動産事業の経験者をスタッフにもち、経営分析、財務分析力に優 れ、関係者へも数字でメリットを示し巻き込みを図るなど、成果をあ げている。 株式会社伏見夢工房はTMO自立事業として、以下の事業を 実施、多くの人々が訪れ、商店街の活性化にも大きく貢献。 ○伏見区内の宇治川派流域での十石舟の運行をほぼ年間を通じ て開催。歴史上の人物や出来事とゆかりの深い港町伏見を気軽 に楽しめる。夏の特定の期間においては、夜間運行もあり。同 期間中は、酒蔵が立ち並ぶ通りのライトアップも行い、まち全 体が幻想的な雰囲気を醸し出し、多くの人が訪れる。 ○国交省の外郭団体から中心市街地を流れる河川の管理、浄化 業務をTMOが受託、また、河川整備の面でも、国交省と連携 し、河川流域の桜、モミジ、アジサイを地元の方々、子供達の 協力のもと、植栽する事業を実施。 ○月桂冠旧本社家屋を改装して、飲食、酒類等の販売(伏見の 日本酒アンテナショップ)の運営を行っている。 ○中心市街地にある7つの商店街をコンセンサス形成して夏の 夜市を実施。 指 標 ○フリーパーキング事業 1,967千台/年の利用 (中心市街地の総利用台数の70%強 を占める) ○西口再開発ビル営業収益(テナント 家賃収入) 1,650百万円 (TMO収入全体の76%) ○百貨店の売上 2.1%増 (15年度上半期:前年同期比) ○子育て総合支援センター利用者 24%増(15年度:前年度比) ○十石舟の乗船数の推移 平成14年度 19,004人 →平成16年度 27,195人 ○観光客数の増加 平成14年 123,938人 →平成16年 156,161人 20 【専門的人材を活用した事例】 名 称 長野県長野市 「㈱まちづくり長野」 流通業のキャリアを招聘 機能している理由 指 標 ○平成12年7月、12月と中心市街地の中央に位置する大型店が相次いで撤退 ○歩行者通行量の増加 〈もんぜんぷら座前〉 し、中心市街地の急激な空洞化が生じたことから、流通業の最前線で実践的な H14年度23,164人 キャリアを積んできた商業の専門家(GMSのOB)をタウンマネージャーとしてT MOに招聘。 ⇒H15年度24,656人 ○タウンマネージャーの指導のもと、大型空き店舗(地下1F∼地上8F)全体のう (前年度比6.4%増) ち、まずは早期の活用が可能な地下1F∼地上3Fの再生に着手。 ○1Fには流通業の豊富な経験を生かし、TMO直営による食品スーパーをオー プン。2F∼3Fには子育て支援施設やNPOの活動拠点など整備し、中心市街 地に不足する機能を入れながら大型空き店舗を再生(施設名:もんぜんぷら座)。 ○4F以上の活用は中心市街地活性化の進展を見ながら随時、市民要望の高い 機能を導入していく方針。 ○核施設が整備されたことにより、中心市街地への来街者の増加がみられると 共に、街の魅力向上に伴い民間マンションの中心市街地建設が進んでいる。 愛媛県松山市 「松山商工会議所」 地元百貨店の経験者を招聘 ○個店の魅力創出、販売促進の強化、商店街全体の魅力向上を目的に、松山 市中心の4商店街振興組合が「松山商店街マネジメント事業推進委員会」を組 織し事務局を設置。 ○事務局に、地元の百貨店に長年勤務した経験をもつ商業の専門家を商店街マ ネージャーとして招聘。 ○空き店舗率の改善 〈松山中央商店街〉 H13年 2.36% ○4商店街を1つの事業体と見立て、総合的なまちづくりを推進。マネジメントや 消費動向に明るい専門家の指導を受けながら、個店支援事業(個店へのヒアリ ング調査を実施し、各店舗のブラッシュアップを行う)、Eマップ作成事業(4商店 街が連携し買い物に便利な商店街マップを作成)、札幌狸小路商店街姉妹提携 記念イベント事業、坊ちゃんパスポート事業(道後温泉の宿泊客の中心市街地 への回遊を促進するためクーポン券を発売)などを実施。 ○商店街にハローワークを誘致。ハローワークには多数の人が集まっており、商 店街の賑わいに大きく貢献している。 ○通行量の増加 〈銀天街GET周辺〉 H13年 29,921人 ⇒H15年 2.25% ⇒H16年 34,409人 (15%増) 21 【参考】専門家としてのSC経営士のまちづくりへの貢献 SC経営士の活動事例 呉服町名店街 <静岡市> ○全国の商店街の中でも数少ない活力のある呉服町名店街は、歴史や伝統を生かしつつ革新的事業 にも挑戦しているが、SCの経営手法を商店街の運営に活かすため、平成16年1月に日本SC協 会に入会。 ○現在、SC経営士がSCの競争力の源泉等のSCの経営システムをアドバイス。 中央通商店街振興組合 <富山市> ○中央通商店街振興組合からの依頼に応じ、SC経営士が商店街の活性化基本プランの内容につい て時代に合致しているかなどのアドバイスを行う。 ○現在、2名のSC経営士が本格的指導の前段として現地に赴き指導を実施。 ○中央通商店街振興組合は、平成16年9月に日本SC協会に入会。 メイプル (水沢中央ビル㈱) <水沢市> ○水沢市の中心市街地にオープン(昭和60年)したメイプル(再開発型SC)のキーテナントで ある総合スーパーの撤退に伴いメイプルは一部テナントを除いて閉店(平成17年5月)。 ○平成18年2月(予定)のリニューアルオープンに向け、基本構想や周辺商店街を含めた中心市 街地の再生について、SC経営士が再生事業のコンサルテーションを実施。 SC経営士とは ショッピングセンター(SC)の開発から管理運営までの業務 に対して豊富な経験と実績を有し、SC経営のトップ・マネジ メントの職務を遂行又は補佐することができる者のこと。 ◆試験概要◆平成4年に資格制度が創設 ・年1回実施 ・受験資格:SCの開発・管理運営(コンサルティング)に関し 5年以上の実務経験を有する者 ・試験科目: 【一次試験(筆記)】 ①SC経営戦略と意思決定②SC開発実務の基本知識 ③SC管理実務の基本知識④商業一般に関する常識問題 ⑤経済一般に関する常識問題 【二次試験(論文・口頭試問)】 ・近年の実績(280名が登録) 平成15年度:合格者15名(受験者101名)合格率:14.9% 平成16年度:合格者23名(受験者81名) 合格率:28.4% SC経営士活動概要 【SC経営相談室】 (社)SC協会が開設している「SC経営相談室」の相談員と して、SCの経営全般にわたる相談をSC経営士が対応。 計画的・統一的なSCの開発・管理運営手法は、 ・中心市街地の商店街の活性化 ・中心市街地大型複合施設の再活性化 ・撤退大型店跡地の再生 等 に有効に機能することから、相談室では商店街関係者の抱 えている課題への助言も実施。 【診断・コンサルテーション】 商店街等からの依頼を受け、商店街の活性化等について 具体的な診断・コンサルテーションを実施。 【TMO関係】 SC経営士は、中小企業基盤整備機構のアドバイザーとし ても各地で活躍(以下、平成17年度登録人数) 中心市街地活性化タウンマネージャー:22名 商店街活性化シニア・アドバイザー:15名 商店街事務局強化アドバイザー:4名 22 5.商店街などが社会的機能を担っている事例 1)地域の防犯・防災機能を果たしている事例 ⅰ)江戸川区小岩地区 ○平成15年6月、商店会主等の地域住民が、防犯ボランティア団体「京成小岩イエ ローベレー隊」を結成。毎週土曜日の夜にパトロール活動を実施。 ○パトロール活動では、駐車場や公園、公共施設を回り安全確認を行うのに加え、 スーパー等では、自転車に乗った買い物客に対する防犯指導を行っている等、様々な 活動を行い犯罪防止に寄与している。 ○平成14年9月、37の町内会が結集し、「小岩地区防犯カメラ設置推進委員会」を開催。住 民や小岩駅周辺のスーパー等から約3000万円の寄付金を集め、駅周辺に防犯カメラ60台を 設置、運用。 ○平成15年6月、郵便局員や新聞販売店員、ピザ販売店員から成る防犯ボランティア団体 「犯罪抑止パトロール隊」が結成され、配達中に 平成16年1月、窃盗犯を取り押さえるなど の成果を上げている。 (出所)平成16年版警察白書 【日本商工会議所提出資料】 公園の公衆便所内をチェック 街頭に設置された防犯カメラ 23 ⅱ)明大前商店街振興組合(東京都) ○「ひったくり」、「空き巣」、「小学校近くでの痴漢多発」に対応するため、商 店街関係者が中心となり10名で自警団を結成し、商店街地域のパトロールを実施。 ○痴漢犯罪がゼロになった他、地域住民の意識改革や支援が拡大。 【全国商店街振興組合連合会提出資料】 ⅲ)大磯町商工会(神奈川県) ○町内11ヶ所に消防署を補完するための消防分団を設置。この団員の多くは商店 主又はその家族。 ○火災や風水害をはじめ各気象警報が発令された際には、団員が出勤し、地域の防 災活動に協力。 【全国商工会連合会提出資料】 24 2)その他(教育の場、地球環境対策など)に貢献している事例 ⅰ)大和町商工会(福岡県) ○商工会青年部と町内の小学校、中学校が協力し、総合学習の時間に生徒に商店街 の空き店舗で店舗経営を行ってもらい、「お金」について学ぶ機会を設けている。 仕入れ・販売まで全て生徒で行い、損金が出た場合は商工会で負担。 ○第1回目の様子が新聞で取り上げられ、反響が大きかったことなどから継続して 実施されている。「お金」を稼ぐ難しさが体験でき、「お金」の大切さが実感でき ると大変好評である。 【全国商工会連合会提出資料】 ⅱ)大月市商工会(山梨県) ○空き店舗を利用し、地域の短期大学と提携して喫茶店を実地学習の場として提供し ており、経営を学生に任せている。そのため、学生は机上理論と現場理論の双方を学 ぶことができる。 【全国商工会連合会提出資料】 ⅲ)福島晴聖天通商店街(大阪市福島区) ○福島が商人について論じた福沢諭吉の生誕の地であることにちなみ、「なにわ商人体験」とい う、修学旅行の小中高校生を対象にしたプログラムを実施。参加生は、商店主からの商人講話 受講、自分たちの地元の特産品等の体験販売と観光PR、占い大楽(だいがく)での手相の勉強 もできる。 25 ⅲ)小浜駅通り商店街振興組合(福井県小浜市) ○3種類のポイント(①各店発行のお買い物ポイント、②ボランティア活動に対 して支払われる地域通貨(地域通心券マリン)、③空き缶回収機への空き缶投入 のポイント)を一枚のカードに統一した「御食国エコネットポイントカード」を 発行。 ○満点のポイントカードは、エコネット加盟店約100社で300円のお買い物 券として使用、5000円相当のカタログ商品との交換、イベント参加券として 使用可能。 ○事業開始後一年で、小浜市民半数程度が「カード」を所有する会員。 地域におけるボランティア活動の推進、空き缶リサイクルの推進などに寄与。 【全国中小企業団体中央会提出資料】 ⅳ)網走専門店会連盟(北海道網走市) ○高年齢専門宅配弁当の「宅配クック123(ワン・ツウ・スリー)」という配食サービス事業 を実施。在宅で食事に困っている人や生活習慣病の人を対象に、年中無休で、昼夜の 食事を宅配。 ○高年齢社会対応型まちづくりの一環として、中心市街地(商店街)の大型空き店 舗を解体・整備。まち中居住促進として高年齢者向け有料賃貸住宅とデイサービ スセンターを複合させた住宅を建設。 【協同組合連合会日本専門店連盟提出資料】 26 ⅴ)早稲田商店会(東京都) 商店街のにぎわいのため、公共的機能も担った各種活動を実施。 ○「エコステーション」 空き缶、ペットボトルを入れると数回に一回、「餃子無料」といった「ラッキーチケット」が 当たる。客も店も儲かり、リサイクルも進むシステム。全国約90の商店街に広がる。 ○「震災疎開パッケージ」 年間5000円/年払い、災害が起きたら、全国の提携する地域への避難と旅館費用 が出る。災害がなければ全国各地の特産品3000円分をプレゼント。 ○「早稲田ホームステイ企画」(下宿屋プロジェクト) 独居老人が住む広い一軒家に、学生が下宿するのを商店会があっせん。学生は ちょっとしたお手伝いをしたりパソコン教えたり、お年寄りからは昔のことや料理を教 えてもらったりしながら交流を図っている。 27 6.地方公共団体が積極的役割を果たしている事例 1)総合的なビジョンに基づく事例 ⅰ)青森市:コンパクトシティ ○1000人規模の郊外開発によって生じる都市運営コストが1970年∼2000年の30年間 で348.5億円にも上るとの試算を踏まえ、「コンパクトシティ」を構想。 ○青森市都市計画マスタープラン(平成11年6月)を策定し、市域を3つのエリアに分けて開発 方針を明確化。 【3つのエリア】 3つのエリア】 「アウターの設定/外環状線(都市計画道路3 「アウターの設定/外環状線(都市計画道路3・2・3号)の外側に位置し、原則として市街地の拡大を抑制するエリア」 「ミッドの設定/内環状線(都市計画道路3 「ミッドの設定/内環状線(都市計画道路3・2・2号)と外環状線の間に位置し、将来の市街化需要の受皿となる地区」 「インナーの整備/内環状線の内側に位置し、住宅・公共施設等の都市機能を集中的に整備」 中心市街地 市街化区域 開発抑制 市街化調整区域 インナーシティ 市街化区域 市街化区域 開発抑制 市街化調整区域 既 成 市街地 ミッドシティ 市街化 主に市街化区域 の受皿 (一部は市街化調整区域) アウターシティ 主に市街化調整区域 (一部は市街化区域) 駅前の歩行者通行量が 4年間で約4割増加 H12 5,448人 H16 7,592人 開発 抑制 28 ⅱ)佐賀市:明確な目標を掲げての取組み ○「住む人を増やす」「来る人を増やす」→「街を歩く人を増やす」→「目的を持って街に来る人を増やす」 →「できるだけ長く街を歩いてもらう」という明確な目標を基本計画で設定。 中心市街地活性化目標 (平成22年に平成17年の2倍の通行量を実現する。) 一日平均6,000人(1人1時間以上)が歩くまちをつくる。 ①住む人を増やす 7,000人 →8,000人に増やす 佐賀は中心市街地に住んでいる人が非常に少な ①街なか居住の支援 い。過去郊外の宅地開発により市街地の人口が郊 ・土地、建物の流動化促進のためのコスト削減策を制度化 外に流出した経緯があるが、今後中心市街地の活 ・中心市街地に多数存在している空室・空き店舗の賃貸促進 性化を進めるには、都心居住を求める人たちを対 ・リフォーム、仲介、契約関連を代行する組織の構築 象に中心市街地への居住を誘導し、市街地の人口 ・空地、低未利用地の住宅への変換の促進 を増加させる必要がある。 ②商住一体化の推進 ・中心市街地に多数存在している空室・空き店舗の賃貸を促進するために、改修 経費などの初期投資や手続き費用など参入コストを抑えるシステムの確立 ③安心して暮らせるための環境整備 ・老若男女を問わず、住みやすい生活環境の提供という観点から、利便性の高い 施設を誘致する。例えば、病院などの中心部への回帰を促す、子供を育てる世代 を支援するために保育所、幼稚園などを配置する。 ・治安の維持を図る。 ②来る人を増やす ③街を歩く人を増やす すでに中心市街地に住んでいる人7,000 人と毎日通勤、通 学で通って来ている人21,000人に、できる限り多く街を歩いて もらうための環境整備を図る。 ④目的を持って街に来る人を増やす 通勤通学で日頃街に来ている人に加え、非日常を求め街へ 行こうという人を増やすきっかけと仕掛けをつくる。 通勤20,000人、通学 1,000人 → 計22,000人に増やす 業務に従事する人口集積は高い。通勤・通学あわせて現状の21,000 人を維持増加させるための施策を展開。 ①公的施設などを中心市街地に集約 ・中心市街地にある公共的施設は出来る限り市街地に残す。 ・一度郊外へ出た公共的施設を中心市街地に戻す努力をする。 ・新たな公共的施設は極力中心市街地につくる。 ②企業誘致 ・コールセンターをはじめとする都市型企業を誘致する。 ・中心市街地に多数存在している空室・空き店舗やほかの目的 でつくられた施設の商業・業務施設への転用による賃貸を促 進する。 ③事務所の誘致 ・中心市街地に多数存在している空室・空き店舗、空きビルの 賃貸を促進する。 ・行政、団体の事務所機能を中心市街地に戻す。 ④病院の誘致 ・大型の病院については、施設更新時に中心市街地へ誘導す る。小規模の病院については随時誘致する。 ⑤教育施設を誘致 ・大学・専門学校など、専門性の高い教育施設を誘致する。 ⑥NPO 活動の拠点・インキュベート施設の整備 ・商店街の空き店舗・空家を本来の商業目的だけでなく、NPO 活動の拠点としての利用やベンチャー企業支援として一種の インキュベータとしての賃貸を模索する。 ⑦佐賀大学との連携 ・街づくりについて大学と連携を図る中で、大学の講義やゼミを 街なかで開いてもらい、学生が必然的に街に出てくるような仕 組みをつくる。 ⑤できるだけ長く街を歩いてもらう まちを歩いている人にできる限り長い時間歩いてもらうため の環境整備が必要 ①ただ歩くだけでなく、付加価値を提供する ・ちょっと一息つくためのベンチ、木陰などの設置 ・ゆっくりと時間を過ごすため、また、賑わいを醸し出すひとつ の手段としてのオープンカフェの存在 ・飲み食いしながらまちを歩けるようなコロッケ屋、天ぷら屋、 ファストフード店の存在 ・知識(歴史、文化、説明、うんちく、いわれ)を解説することで 街を案内する ②街へのアクセスを向上させる ・安心して停められる、停めた自転車が絵になるような駐輪施 設の整備 ・停めやすく、しかも歩きやすい駐車場の配置と車を降りてか らの安全な歩行環境の提供 29 2)都市計画法を活用している事例 ⅰ)特別用途地区 出典:国土交通省作成資料 30 ⅱ)特定用途制限地域 出典:国土交通省作成資料 31 3)土地利用制度による郊外大型店の立地抑制事例 (福島県伊達町) 伊達町の市街化調整区域(農地)へのショッピングセンターの出店計画(店舗面積7万㎡ 超)があり、町は当該地域の市街化区域への編入を県に要望した。県は、伊達町が関係市町等 との調整を完了していないこと等を理由に、当該地域の市街化区域への編入を見送っている。 伊達町SC 出店予定地 福島市中心部 県北都市計画区域土地利用方針図 32 (青森県八戸市) 土地区画整理事業区域内であって、第1種低層住居専用地域等に指定されている地域にショッ ピングセンターの出店計画(店舗面積4万6千㎡)があるが、市は都市計画と整合しないため、 出店は認められない(都市計画法に基づく用途地域の変更は行わない)としている。 (秋田県能代市) 農用地区域へのショッピングセンターの出店計画(敷地面積6万㎡程度)があるが、市民団体 からも出店反対要望が出されていることから、市は、農用地区域として保全する(農業振興地域 の整備に関する法律に基づく農用地区域の変更を行わない)意向である。 (長崎県佐世保市) 農用地区域へのショッピングセンターの出店計画(店舗面積6万5千㎡)があるが、当該地域 は農地の保全と有効利用を図る地域として積極的な農業施策を行ってきているところで、市は農 用地区域からの除外は難しい(農業振興地域の整備に関する法律に基づく農用地区域の変更を行 わない)としている。 (長崎県諫早市) 市街化調整区域(農地)へのショッピングセンターの出店計画(店舗面積2万3千㎡)がある が、都市計画マスタープランとの整合性、中心市街地活性化、まちづくり等の観点から、市は、 実現困難であると判断しており、県も市の意向を考慮する(都市計画法に基づく市街化区域への 編入は行わない)としている。 33 4)中心部への都市機能誘致支援 ①固定資産税税制の活用例 (静岡県浜松市) 中心市街地での投資・企業活動を誘発し、商業機能等の集積促進を図るために、中心部に立 地する店舗に課される固定資産税を軽減(1∼3年度目は1/3に軽減、4∼5年目は1/2に軽 減)するという措置を実施。平成15年度から税制優遇がスタートし、平成15年度6件、16年度9 件の適用があった。内訳は、飲食9件、物販4件、ホテル2件となっている。なお、 新・増築が対 象で、リニューアルには適用されない。 ②まちなか居住促進支援(補助等) (北海道函館市) まちなかの賃貸住居に入居する新婚世帯に対し家賃の一部補助[西部地区ヤングカップル 住まいりんぐ支援事業] (北海道小樽市) 要件を満たす共同住宅をまちなかに建設した場合、建設費を補助[若年者向け共同住宅建 設費割増補助制度] (山梨県甲府市) まちなかに共同住宅を建設又は既存建物を共同住宅に改修する者に対し、建設・改修費を 助成[まちなか共同住宅建設・改修費補助事業] (山形県酒田市) まちなかに建設する賃貸住宅の新築・増築工事に無利子で建設資金を貸し付け等[酒田市 住宅改善支援事業] *国土交通省住宅局資料から 34 5)その他(景観施策との連携など) (岐阜県美濃市) [うだつのあがる街並み整備事業] ○美濃市美濃町が重要伝統的建造物郡保存地区に選定されたことを契機として、歴みち事業(まちづくり総 合支援事業)を実施。道路修景、電線類地中化、ポケットパーク等の整備を進めた。行政と地域が一体と なって景観保護に取り組んでいる。又、空き店舗の有効活用、美濃市特産「和紙」を使った「美濃和紙あかり アート展」など、地域を挙げた幅広い活動を通じ中心市街地の活性化を行っている。 <効果> 飲食店をはじめ、観光客相手の店が増加し、町並みを散策する人も多い。 35