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就職活動対策講座№3
平成24年度 就職活動対策講座№3 就職活動対策講座№3をお届けします。 今回は『やる気』についての第二弾です。 一口に『やる気』・『やる気』っていいますが、心理学では『やる気』だけでもいろいろな先生がいろいろ考えて くださっています。そんな中から少し紹介していきます。 『やる気』は掛け算 島田 英昭 氏の期待理論について 『やる気』は価値×期待=得られるもの×できること・・・で表現できます。 『得られるもの』とは=ある課題を達成すれば得られると期待できる(結果期待) 『できること』とは=ある課題を自分がやりとげられると期待できる(自己効力感) 「1日20時間勉強すれば」×「希望する大学に合格できる」=やる気にはならない これはムリ! かもしれんなぁ! 「一か月に一つの単語を覚える」×「TOEICで900点とる」=やる気にはならない これならできる! それはムリ! 「高収入が得られる」×「飛び込み営業」=やる気にならない これはいい! やりたくない! 好きなこと=価値とはならない 女の子が好きだからホストになる、ゲームが好きだから任天堂に就職する、といった単純な結びつき は少ない。 「やる気」は人を動かすエネルギー源① 義務感と無意味感 木村 祥典 氏 やる気があるときは、少々大変なことでも、大変だからこそ頑張ることもできますが、やる気がないときは それ自体が苦痛になり、ミスがでたり、挫折したりします。 やる気がでない原因に二通りあります。 一つは、やらなければならないという義務感、もう一つがやっても意味がないという無意味感です。 やっても意味がないと感じながらもそれをやっているのは、やらなければという義務感がからんでいます。 やらなければという義務感のうらでは、やりたくないという気持ちがあります。 やる気を引き出すには、この義務感と無意味感を解消することがポイントになります。 義務感を解消するには、「何のために、誰のためにその義務を負うことになったのか?」といったことや 「その義務はほんとうに果たす必要のある義務なのか?」「その義務を果たすのに別の手段はないか」 ということを探したうえで、今のやり方をするかしないかを、自分で選択して決めることが必要です。 誤解や思い違いの末に持った義務なら、もともと義務はないのですから、それをしなくても問題はあり ません。しかし、あなたが確信をもって「ねばならない」と考え、それを選択し、あなた自身が決めたので あれば、今のやり方を変えて進むしかありません。 やる気のあるものを選んで決めてやっていけば、やる気を必要としなくてもやる気を感じながらやること ができてくるようになります。 無意味感については、それをする目的や意味の再確認が鍵となります。 やっても意味がないことというのは、文字通りやっても意味がないのですから、そんなことをしたいと思う 人も、しようと思う人もいませんし、実際にやりません。 それにも拘わらず、無意味感を感じながらもやっているのは、少なくともそれを始める時点では、それを やることによって得られる成果や意味があったといえます。 その成果や意味や目的は何だったか、再点検して、自分に問いかけてください。それが見つかったとき に無意味感は解消していきます。 種や苗木の無いところに絶対に木は生えません。 種や苗木に早く大きくなれ!と叱咤激励しても、木の成長には役立ちません。 木の成長には、日光・水・栄養が必要で、それを与えていけばすくすくと成長します。 やる気がないというのは、やる気という名のまだ若い苗木に「義務感」や「無意味感」という名のツタが からんでいるようなものです。 その状態では、いくら日当たりをよくしても、ツタの葉にじゃまされて日光もあたりませんし、いくら水や 栄養をあたえても、ツタが全部横取りしていまいます。 からまったツタを取り去ってあげる方が、木の成長には役にたちます。 「やる気」は人を動かすエネルギー源② 無意味感を掘り下げる 木村 祥典 氏 自分が信じていた考えや行動が実は違っていた、やってもやっても成果がでない。 今まで頑張ってきたことが実はまったく無駄だった。 いったい今までやってきたことはなんだったんだろうって思いませんか。、 それが無意味感です。 この無意味感は大きな失望を伴う、とっても嫌な感情です。できれば感じたくない感情だと思いませんか? すると、その嫌な感情を認めたくないという力が働くことがあります。無意味感を認めたくないので、こころ の奥に閉じ込めてしまって、無意味感を認めたくないという気持ちすら感じられないときもあります。 変化していこう、やりなおしていこう、再挑戦してみようということに、抵抗感を感じてしまいます。 わかってるのにできないという状況をつくりだしてしまいます。 今までが意味がなかったかというとそうではなく、今までのプロセスがあったからこそ学べること、気づく ことが多くあったはずですが、無意味感という感情はそれさえも意味がなかったと思ってしまう誤解を産む 感情です。 無意味感は誤解の感情なのですから、この意味がないというのは本物ではない、ウソだということを 理解してそれを越えていきましょう。大きな変化がうまれてきます。よりよくなる変化のチャンスです。 ただ、この無意味感はを越えるときは大きな葛藤を感じます。よりよくなる方への思いと、そんなことを 認めると今までなんだったんだろうという気持ちになるじゃないかという思いの綱引きです。この綱引き をしている間は多少苦しさがでてきます。でも、越えてみる価値はあり、越えられないことのない感情 だと思いませんか? 無意味感を抜けるのに難しさや時間がかかりそうなどを感じたときは人に助けを求めるのもありです。 頑張っても変わらない 根本 裕幸 氏 「私なりに頑張っているのに、なかなか状況が変わらないんです」「自分なりにはやっているのに、 どうしてなんですかねぇ」 こころのどこかに、ある種の頑固さが残っているとこういうことがよくおきます。 「○○でなければダメ」「これだけはゆずれない」「そんなことはやれない」という意識です。 こんな頑固なこころがあると、「なんで譲る必要があるの?」「まだまだ時間がかかってあたりまえ」 「私には無理、できない」「悪いのは私じゃない」「私なりにがんばってる」そして、理由もなくイライラ しているあなたが見えてきます。 この頑固なこころに出会うと、状況や態度が硬直化し、問題を解決したいと思う気持ちの裏に「本当 にできるかなぁ」という疑いや、「無理ちゃう?」というあきらめの気持ちになったりします。 トンネルをほっていて大きな岩盤にぶつかってしまったようなものです。 「自立的なこころ」と「癒されない痛み」が同居しています。 ショック・悲しみ・寂しさ・みじめさを味わい、自分の価値を見失い、不信感をいだき、怒り、嘆きなどの 痛みと、痛みを守ろうとする壁をつくりだします。嫌な気持ちは感じたくないから、過去の辛さや痛み の感情を、何層も何層もコンクリート詰めにして海に沈めてしまっているようなものです。 そのコンクリートをくだこうとすると「さわってほしくない」という感情が出てしまいます。 コンクリートの中に頑固なあなたが閉じこもっています。このコンクリートがひび割れ、崩れはじめ、 やがて解放されたとき、あなたは大きく変わっていくことができるようになります。 最初は「何も変わってないなぁ」と感じると思いますが、それは螺旋階段のようなもので、上から 見れば同じところをグルグルまわっているように見えますが、横から見れば確実に登っています。 頑固さを手放して、自分が求めるものを改めて確認し、そのためにチャレンジし続けることをもう 一度選択してください。そのためには、プライドを捨てたり、目標設定を軽くしたり、自信の無さや 不安、恐れとも向き合っていく必要がでてきます。 あきらめたり、人のせいにしていては、今の状況はかわりません。一番暗いのは夜明け前ですが、 間違いなく、夜は明けます。そして昼は明るく、あすも明るい日です。 ワクワク、どきどきの目標設定 根本先生の『目標設定』についての教えを就活に応用してみました。少し長くなりますが。 過去の失敗感に苛まされていたり、自信を失っている状況では目標を見つけられない場合が あります。 これからどうしていいか分からない。 目標を立てようとすると「どうせ無駄無駄」という声が聞こえる 目標と言ってもそれは自分ではなく他の人の期待に応えるものばかり 目標をたてると、それに縛られてしまうような気がする どうやって目標に向かっていけばいいか分からないので立てられない 目標とは本来自分をイキイキさせ、前向きに、毎日を過ごす秘訣のはずなんだけど・・・・・どうも 違うみたいって感じてませんか? 歳の初めに目標を立てても、松の内のあいだに、その目標があっさり崩れてるなんてザラ。 目標を持つこと自体が義務感になってしまい、達成されない目標がどんどんと山のように積もって ます。 目標設定が「自分がしたいこと、自分がやりたいこと、自分が目指したいこと」ではなく、(自分自身も 含めた)誰かから要請されているものになってしまいがちだからです。 本を読んだり、周りの人から「人には自分の意見をハッキリ言わなければならない」という観念を持つと します。この背景には、「私は自分の意見をはっきり言えない」という否定的な心理や不安が隠れて います。それが原因でうまくいかないと【判断している】ので、「自分の意見をはっきり言えるようになる」 ことを目標にしたりするんですよねぇ。 でも、それって本当に自分がしたいことというより、しなければいけない、できた方がいいと思っている ことになります。必要性は強く感じていても、本当にそうなりたいのかどうかは言えないんですよね。 そうすると、その目標は達成されないことが多くなるのではないでしょうか? 本当にしたいことってなんだろうと自分のこころに聞いていくことが大切になります。くりかえしくりかえし 聞いていくと少しづつ心の中から本当の声が聞こえてくるようになります。 自分が本当にそうなりたいのかどうかを判断する方法は、その目標を見つけたとき、たてたときに、 「ワクワクする、胸が躍る、熱くなる」といったポジティブな感情の反応があるかどうかで見分けられ ます。 本当には欲しくなく、義務感や禁止(恐れ)から生まれる目標は、逆にテンションが下がり、仕方なく やきっと無理などのあきらめムードや何とかしなきゃぁというプレッシャーを作り出します。これでは その目標を達成することは難しくなってしまいます。 目標を設定し、その達成にいたるまでには、様々な困難や葛藤が生じます。すぐに手に入れられる ものであればわざわざ目標としては持ちえないからですが、そうした困難を乗り越えるていくには 「これが欲しいねん!」「これがしたいねん!」という強い情熱が必要になってきます。 それがいわゆるモチベーションというものです。 目標設定がうまくいかず、どれもこれもイマイチというのは、まだまだそのものに対する情熱が足らない と思ってください。答えは外ではなく、あなたの内にあります。 (本来、こうあるべき、という)義務感、○○からの要請から生まれる目標は、その多くが、今のじぶん からかけはなれていることが少なくありません。 例えば、500人の採用のうち322人が、京大・東京工大・一ツ橋・早稲田・慶応の学生が占めるソニー に、3万人がエントリーしてきます。競争率が異常に高いソニーに入るのは難しいと思いませんか? 高すぎる目標を持つ背景には、「自分は特別な存在なんだ」という意識やコンプレックスが潜んで いることがあります。いつまでも、ソニーに固執していると、落ちた時のショックは、目標が高いだけ に大きくなって、いつまでも引きずるようになり、失敗のマイナス経験は他の会社に目標を変えて も影響します。 また、こんなことを言ったり、考える人もいます。「あの有名なソニーを受けて落ちた」ことで自分を えらく見せることができる、「あれだけ競争率が高いソニーを受けたんだから落ちてもあたりまえ」 と自分を納得させて、正当化する。そうすれば失望しなくてもいいし、負担にもならないと考えるよ うになります。これに味をしめて同レベルの企業を追い求めていくと、だんだん目標とすべき企業 が減っていって、気が付くと「そして目標はなくなった」状態に陥ることになります。 どんな目標をたてるにも、気負い過ぎず、過大評価せず、なによりも「今の自分を知る」ことが求め られます。等身大の自分を見つめる、知る、自分の身の程を知るなどのことばにあるように、何より も大切なのは「今の自分のこころの状態」に素直に向き合うことです。 素直な自分に変わったとき、謙虚な目標を立て、人にも頭を下げられ、人の意見や助言を受け入れ やすくなり、本当に欲しいものへ向かっていくことができます。 独りでできることは「かっこいい」かもしれませんが、限界もあります。誰かにサポートしてもらって、 ワクワク、どきどきするような目標を設定していきましょう。 ワクワク、どきどきする目標なら、自然に人にも言いたくなります。 「こういう生活がしたいねん」「こんな仕事がしたいねん」「できることを増やして、こんなことがしたい ねん」「こんな人とこんな仕事をして、こんな人になりたいねん」って、真剣に熱く語れるようになり ます。 誰かに話したい、聞いてほしいって思えるくらいまで、そのワクワク感、どきどき感を高めてください。 その目標が本当にしたいものであれば、自然にそうなってきます。 採用担当者が、そんなあなたに共感し、応援してあげよう、かなえてあげよう、そんな気持ちに なってくれば、あなたを突き放すことはありません。こうすればいい、ここをなおせばもっといいなど と、自社の採用の枠を超えて、アドバイスをしてくれます。もちろん、自社に入れて、仲間として一緒 にやっていこうよということにもなります。 以上