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20.12.18 公益認定等審議会 第10回

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20.12.18 公益認定等審議会 第10回
省エネ型営業スタイル推進協議会
第3回
平成21年7月8日(水)
都庁第二本庁舎31階
特別会議室24
午前10時00分開会
○岡部担当副参事
おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから、省エネ
型営業スタイル推進協議会第3回を開会させていただきます。
今回ご出席いただきました企業及び学識経験者の皆様には、お忙しい中をご出席いただ
きまして誠にありがとうございます。
はじめに、委員の欠席等についてご報告させていただきます。
専修大学商学部教授の渡辺様、東京商工会議所の西堀様から、欠席の連絡を受けており
ます。
株式会社ビックカメラ取締役の加藤様は、ご都合により欠席ですので、総務部の塚本様
に代理でご出席いただいております。イオン株式会社グループ環境・社会貢献部部長の泊
様はご都合により欠席ですので、同部の高橋様に代理でご出席いただいております。
議事に先立ちまして、お手元の資料を確認させていただきたいと思います。
営業スタイル推進協議会第3回の次第に、配付資料1から資料9まで、参考配付として
冊子の「東京都地球温暖化対策指針」が席上に配付してあります。ご確認をお願いいたし
ます。漏れ等はございませんか。
それでは、以降の進行を福川座長にお願いいたします。
○福川座長
おはようございます。お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうござ
います。本日はよろしくお願いいたします。
それでは、議事次第に従って進めますが、本日のテーマは2点です。1点目が「事業者
間における省エネ対策の取組の共有化について」、2点目が「店舗等の省エネ対策に関す
る都民との認識の共有化について」です。それぞれ別々に進めますので、ご意見等、よろ
しくお願いいたします。最後にまた全体のご意見を伺います。よろしくお願いいたします。
まず、テーマ1について、事務局からご説明をいただきたいと思います。
○岡部担当副参事
それでは、テーマ1「事業者間における省エネ対策の取組の共有化に
ついて」を事務局から説明させていただきます。
資料1をご覧ください。「1.取組の方向性」です。こちらについては、既に今までの
協議会の中でもご説明、お示ししてきたところですが、都内の業務部門の二酸化炭素排出
量は増加傾向で推移しております。その約6割が事務所ビルですが、その他では、飲食店
や学校などが占める割合が比較的大きく、また、建物用途別で見ると、1990年度からの二
酸化炭素排出量の変化で、事務所、飲食店、ホテル、小売業の増加率が高くなっておりま
- 1 -
す。そのあたりの統計からも、小売・飲食業の店舗におけるCO2削減は大変重要であり
まして、意義があることと考えております。
そのため、CO2排出量の増加率が特に高く、削減対策が重要な小売・飲食業の店舗等
での対策を強化するため、当協議会を通じて収集した先進事例等を踏まえ、地球温暖化対
策報告書制度等の施策を有効に活用し、店舗における実効性ある省エネ対策の共有化及び
その普及を図っていくことを取組の方向性とさせていただいております。
その取組の方向性に従いまして、2番目として「当協議会で紹介された店舗での取組事
例」です。「(1)課題」、「(2)具体的取組事例」と掲げさせていただいております
が、委員会の中でいただいた意見を紹介させていただきますと、売場や商品特性によって、
過剰であるものは照度を下げていく。一方で、エネルギーをより少ない形でその照度を維
持していく。こうしたメリハリというか、商品や売場の特性に応じて考え直さなければい
けないというご意見。それから、照明器具のコーナーに関して、既に通達を出して、コー
ナーの照度を落としているというご意見。また、照明も、商品なりその場に合った照度や
色合いにするので、空調もそういう考え方を入れて、その場に合うような空調にすべきで
はないかというご意見。それから、日常的なものですが、店舗間での競争を行い、上位3
者を表彰しているという事例紹介。また、春と秋の商品展示会などで省エネの取組を紹介
しているという事例紹介などがありました。
この協議会の中で、各委員の皆様、こちらで集めた事例等をいろいろ紹介させていただ
きましたが、課題として、売場や商品特性に応じた過剰な照度の抑制が必要。その場に合
った照度や色合い、その場に合った空調の適切な選択が必要。お店の人間の意識や行動を
変革するための働きかけが必要。日常的なエネルギー管理、推進体制構築が必要。などと
いう課題が挙げられたと思っております。
その課題によって、こちらの協議会の中での意見の共有化及びその普及を図るべき対策
を考え、具体的な取組事例を(2)で示させていただいております。
具体的な取組事例として、例えば、照明計画による設定などによって照明の間引きを行
ってエネルギー削減を図るということ。また、事例として紹介いただきましたが、開店前
は最低限の照明で作業をして、開店直前に売場全体を点灯、また、閉店後は、開店前と同
様に最低限の照明で作業をするということや、スイッチを点灯する時間やエリアを表示す
るといった取組事例をご紹介いただきまして、点灯時間のマニュアル化を図る必要がある
ということを取組事例として考えております。
- 2 -
それから、1日に2回、店舗において温度点検を行う。適正温度の記録管理を行ってい
るという取組事例や、省エネハンドブックを参考に温度設定の指導をしているというご紹
介をいただきました。これは、温度設定のマニュアル化が必要であるということで、取組
事例として考えております。
また、空調の運転時間、場所など、ルールを決めておくといった取組事例、先ほどもあ
りましたが、開店前や閉店後は最低限度で運転するという取組事例についてご紹介いただ
きました。これは空調管理のマニュアル化という具体的な取組事例が必要であるというよ
うに整理させていただきたいと思います。
こうした取組事例を、「3.地球温暖化対策報告書制度等を活用した先進的取組事例の
共有化及び普及促進」に反映させていくことを考えております。
ここで、第2回協議会で、イオンの泊委員から、商品や売場の特性に応じて考え直さな
ければいけない、また、実際にその作業を進めているというご発言がありました。また、
ワタミの高橋委員から、デザイナーに対して省エネの取組を依頼するという形で今後の新
店に生かしていきたい、そのようなプロジェクトを今進行しているという発言がありまし
た。この2点につきまして、それぞれその後の状況について資料をいただいておりますの
で、ここでご紹介いただきたいと思います。
イオンの高橋様、よろしくお願いいたします。
○高橋(泊委員代理)
きょうは、泊の代理で参りました高橋と申します。よろしくお願
いいたします。
お時間をいただきましたので、イオンの取組についてご説明申し上げます。
資料2ですが、「“店舗照明の見直し”事例」ということで事例があります。幾つかテ
ーマごとに分けていますが、最初に、冷ケースのオーバーキャノピー照明です。絵が小さ
くて申し訳ないのですが、店舗の、特に食料品の売場で、段になって商品を置いていると
ころを、今まではそれぞれの段に照明を付けて商品を照らしていました。資料の左上のほ
うにアームが出たような絵がありますが、棚の一番上のところ、少し通路側に出っ張った
形で商品全体を照らすような照明を付けました。これをオーバーキャノピー照明と呼んで
います。
この資料の中に「システム概要」という絵がありまして、左側が従来、矢印があって、
右側は全体を照らしています。左側に小さい字で細かく書いてあるのは、実は、蛍光灯は、
-5度になると照度が約半分になるということで、各段で照らしていると、特に冷ケース
- 3 -
の中で使用しているようなものは照明の効率も悪い。逆に、蛍光灯は発熱しているので、
冷凍・冷蔵の効率も悪くなるということで、一番上に1本追加して全体を照らして各段の
ものを消しています。
事例の中でわかりやすいのは、下から2つ目の写真です。「多段ケース」と書いてあり
ますが、左側が各段を全部照らしていたものです。右側が、一番上の蛍光灯を消すと暗く
なるものですから、一番上は残していますが、オーバーキャノピーを付けて、2段目、3
段目のものは消しておりますので、若干、各段の奥が暗く見えていますが、こういったも
のです。これがオーバーキャノピー照明です。これは、イオンだけではなく、今、スーパ
ーマーケットのあちこちで取り入れられております。
次のページに「照明設備の更新」とありまして、2つの事例があります。一つはダウン
ライト。使われているところはモール型の店舗の入口のところですが、天井の高いところ
から照らしているダウンライトを、高効率の反射板を搭載したものに替えて、しかも照度
は確保することを実現しております。それから、階段などのLED化も進めております。
LEDを基本照明として、天井の照明もLED化するというところまではまだ行っていま
せんで、階段などの限られたところでのLED化を進めております。
それから、天井照明の間引きですが、実は、照度を測定すると、いろいろな事情で、従
来であれば明るいところでは2,000luxくらいの照度がありました。JISでは、店舗のそ
ういったところは900luxくらいが定められていますが、いきなり900luxにすると暗くなっ
てしまうものですから、イオンでは、店舗の通路を中心として、1,000~1,200luxくらい
を目安にして天井照明の間引きを進めております。これも、あまり暗すぎないように、1,
000を切らないように、しかも、明るすぎないようにということで、それぞれ基本照明の
並び方、配列などを見ながら、いろいろな間引きの仕方をしています。
申し訳ありません。4番の実施写真のお店の名前が間違っておりまして、これは東雲店
の事例です。もともと蛍光灯が一直線にずっと並んでいたものを、1列おきに1本を間引
いてこのような形になっています。1列おきに1本間引いて、先ほどの1,000~1,200lux
を実現しました。
最後の5番にあるものも天井照明の間引きの例です。これは南砂店で、ここは蛍光灯が
ずっとつがっているのではなくて、4本ずつの蛍光灯がこういう間隔で並んでいるものを、
1つおきに、4本あるものを2本間引いていますので、4本分の幅のところと2本分の幅
のところがご覧になれるかと思います。こうした間引き方をして照度を下げております。
- 4 -
これも各店舗で始めております。
例えば、先ほどの東雲店では、ここは第二種エネルギー管理指定工場に指定された店舗
で、CO2の年間排出量が約4,000トンでしたが、この4月、5月に工事を行いましたので、
照明以外のものを含めて年間で15%くらいCO2の排出を削減できると思います。その1
5%のうちの60%が照明で、今申し上げましたようなオーバーキャノピー照明や天井の照
明の間引きなどで削減できます。特に照明の間引きは本数も多く、面積も多いですので、
全体で言いますと、CO2の5%の削減が照明の間引きでできると考えております。これ
で1年間のCO2の排出量を見込みまして、実際に狙った効果が出ているかどうかを確認
したいと考えております。
以上です。
○岡部担当副参事
どうもありがとうございました。
それでは、引き続き、ワタミの高橋様からお願いいたします。
○高橋委員
おはようございます。
資料3になります。資料3は、「和民」渋谷道玄坂店を今年4月にオープンさせていた
だいた際のリリースの記事です。問題点として、それまでは、既存店舗に対しての照明の
変更がかなり大変だったことを踏まえて、まずは、新規で出店する場合のデザイン設計段
階から、見栄えを配慮してLED照明を導入しようということで、今回初めて導入させて
いただきました。
新規でデザインから導入していますので、天井の高さや机の高さ、そうしたものを考慮
しながら、LED照明の光の広がりや角度まで考慮して設定させていただいております。
種類としては、場所に応じて3種類のLED照明を導入させていただいております。
その結果は、導入して間もないので、まだ実績はとれていないのですが、カタログ値の
段階で期待される効果としては、電気使用量で31%の削減を見込んでいます。当然、CO
2の排出量の要因は電気だけではないので、CO2の排出量としては、従来店舗と比較して
20%の削減を目指しました。
裏面の写真は、店内の状況を撮ったもので、ダウンライトと壁面の上のほうに設置して
ある間接照明、あとは、一番下の写真が厨房ですが、こちらの蛍光灯タイプのものも、今
回はLED照明を採用させていただきました。
以上です。
○岡部担当副参事
ありがとうございました。
- 5 -
今、効果が出ているということでご説明がありましたが、内容についてのご質問等は、
テーマの終了後にあわせてお願いしたいと思います。
それでは、事務局側の説明に戻らせていただきます。
ご紹介いただきました取組事例等は、指針ハンドブックへの反映を考えさせていただい
ております。具体的には、資料1の「3.地球温暖化対策報告書制度等を活用した先進的
取組事例の共有化及び普及促進」ということです。
まず、その(1)です。地球温暖化対策報告書制度についてです。こちらは、第1回協
議会において、東京商工会議所様から、会員企業の地球温暖化対策行動指針において、東
商さんのほうでも、「事業所ごとのエネルギー使用量を把握します」という項目は必ず実
施しているというようなご紹介がありましたが、それを進める上で、まず自ら、自分の事
務所でエネルギーをどのくらい使っているかということを把握することは非常に大切なこ
とと考えております。
報告書制度におきましては、都内のすべての中小規模事業所を設置する事業者の方々が
簡単にCO2排出量を把握でき、具体的な省エネ対策に取り組むことができるよう、事業
所ごとのエネルギー使用量や省エネ対策等の実施状況等に報告するという制度になってい
ます。
制度の中身ですが、資料4をご覧いただきたいと思います。こちらは、地球温暖化対策
報告書制度の説明の概要です。都内のすべての中小規模事業所において簡単にCO2排出
量を把握でき、具体的な省エネ対策に取り組むことができるよう、事業所ごとのエネルギ
ー使用量や省エネ対策等の実施状況を東京都へ報告する地球温暖化対策報告書制度を創設
されました。
具体的な中身ですが、真ん中以下の図をご覧いただきたいと思います。中小規模事業所
は、エネルギー使用量が原油換算1,500kリットル/年未満の事業所です。東京都におきま
しては、年間1,500kリットル以上の事業所を大規模事業所と定義し、従前から、計画書制
度ということで、削減に向けた計画を出していただくという制度がありました。また、昨
年の条例改正において、こちらの事業所についてはキャップアンドトレードによって削減
に取り組んでいただくという流れになっております。
昨年の条例改正において、中小規模事業所に対して、この報告書制度を創設させていた
だいております。東京都におきましては、全国の約1割以上を占める約69万の中小規模事
業所が都内に存在しております。こちらが、都内の産業業務部門の約6割のCO2を排出
- 6 -
しているという状況で、大規模事業所につきましては、昨年、義務化すると同時に、中小
規模事業者に対しても今後対策を打っていくことが、産業業務部門のCO2の削減にとっ
て大切なこととなっております。
そのため、中小規模の工場、病院、小売店、ビルなどにつきまして、地球温暖化対策報
告書の提出を行っていただくことによりまして、エネルギー使用量(電気・ガス等)やC
O2排出量など継続的な把握をしていただきまして、また、東京都が示します省エネ対策
メニューの中から、だれもが取り組むべき省エネ対策の実施状況をチェックしていただく
ことによりまして、中小規模事業所のCO2排出の削減を図っていくというものです。
その報告を受けた東京都においては、下の図になりますが、提出された報告書の内容を
公表したり、省エネ対策メニューを提示して、説明会や研修会などを開催して中小規模事
業所に対して、報告書を使った働きかけを行っていく。また、具体的な支援ですが、中小
規模事業者に対して無料の省エネ診断により、省エネをサポートする。省エネ設備導入に
関して、今年4月から環境減税を開始しましたが、環境減税ということで、具体的な報告
書を出すことを一つの要件として環境減税が受けられるということで、そのメリットとし
て使っていくということ。それから、中小企業制度融資ということで中小規模事業者に対
して低利融資を図っていくなど、支援も行って、中小規模事業所における削減に取り組む
という形でございます。
この報告書制度ですが、提出は、基本的には任意で誰でも提出できる制度です。上の左
側の四角にありますが、誰でも提出できる任意の制度ですが、一方、都内に設置する事業
所や事務所等で、エネルギー使用量が年間30kリットル以上で1,500kリットル未満の事業
所等のエネルギー使用量の合計が年間で原油換算3,000kリットル以上の事業者の方は、各
事業所等の報告書を取りまとめて提出することが義務付けられております。主に大企業、
チェーン展開されているところなどが該当してきますが、こちらに該当する事業者につい
ては、報告書を取りまとめて提出していただくという制度です。
報告書のメリットですが、その右側の囲みになります。実際に報告書を活用することに
よりまして、省エネ対策メニューの実行によって光熱水費が削減できます。また、積極的
な省エネ対策の取組が公表されることで、企業としてのイメージアップを図ることができ
るというメリットがあります。また、先ほども触れましたが、環境局指定の省エネ機器を
導入した場合は環境減税の対象となるというメリットがあります。また、排出報告書の提
出につきましては、都の排出量取引制度への参加条件の一つになります。
- 7 -
最後の2つですが、環境減税については、現在、詳細について主税局と調整していると
ころです。また、CO2削減量を取引するためのルールは、やはり現在、詳細について今
後決定していく予定です。
こうした報告書制度を使って、中小規模事業所のCO2削減に取り組んでいくというの
が東京都の政策です。
次に、(2)地球温暖化対策指針についてです。こちらは資料5をご覧いただきたいと
思います。全体の構成と位置付けです。右上の四角囲いをご覧いただきたいと存じます。
「地球温暖化対策報告書制度に関する各種規定の位置付け」です。
まず、環境確保条例があります。これは、昨年7月に改正させていただきました。この
条例の中で、先ほどもご紹介させていただきましたが、CO2総量削減義務と排出量取引
制度の導入、地球温暖化対策報告書制度を創設させていただいております。
次に、環境確保条例施行規則のほうで、条例改正に伴う新制度の詳細を規定させていた
だいております。これは昨年度末に規則改正をさせていただきました。
その規則からさらに地球温暖化対策指針ということで、指針の中で、事業者が取り組む
べき地球温暖化対策の方向性や対策内容を規定させていただきました。具体的には、組織
体制の整備のあり方、温室効果ガス排出量の把握の方法、地球温暖化対策報告書制度の作
成、提出方法、省エネルギー対策メニューの提示、これらを指針の中でお示しさせていた
だきました。今回、冊子として、指針を席上にお配りさせていただいておりますが、先月、
指針を策定させていただき、公表させていただいたところです。
今後ですが、地球温暖化対策報告書制度ハンドブックということで、地球温暖化対策報
告書の内容や手続き等についてそのハンドブックに記載し、また、省エネルギー対策につ
いても具体的な実施方法をハンドブックの中で提示していきます。ハンドブックは今後、
作成していきたいと考えております。
この指針ですが、左側、「地球温暖化対策指針・省エネルギー対策メニューの体系」と
いうことで、体系図をお示ししております。今までも指針はありましたが、こちらについ
ては産業・業務部門別、設備導入等対策、運用改善別に組み立てられていたものです。こ
の体系を1から5まで、組織体制の整備、エネルギー等の使用状況の把握、運用対策、設
備保守対策、設備導入対策。さらに、その中について、本社及び支店等、連鎖化事業、テ
ナントビル、また、3、4、5につきましては、全事業者が取り組むべき対策、業務部門
での対策、産業部門での対策と分けさせていただきまして、さらに、例えば業務部門の対
- 8 -
策ですと、例えば飲食系、温水利用系、宿泊系、上記以外のサービス系、食品小売系、食
品以外の小売系、テナントビルといったように、新たに業種別等の区分をさせていただき
ました。
これについては、具体的な、例えば飲食、食品小売など、本協議会で議論いただいてい
るようなものも反映できるように、業種別等の新たな区分を設けまして、再構築を図って、
このようにお示しをさせていただいております。
具体的には、対策指針の27ページ以降の、別表第1ということで、事業者等における地
球温暖化の対策ということで、今、体系でお示ししている内容を記載させていただいてお
ります。その記載内容ですが、右側の点線内ですが、業種別等に新たな区分を設けた中で、
例えば全事業者が対応するということですと、対象設備である執務室、共用部等の照明設
備については、スイッチに点灯範囲を表示する、空き室・不在時の消灯を促すスイッチ操
作のルール化。執務室、共用部等の照明設備であれば、温度計などにより実際の湿度の把
握や設定温度の調整、空き室・不在時の停止を促す室内機スイッチの操作とルール化、終
業時より早めの停止の実施などのように、先ほど、課題と具体的な事例ということで、本
協議会での議論、事例紹介の内容を引用させていただきましたが、そうした議論、具体的
な取組内容について、このように指針の中の具体的な対策にも反映させていただいている
ところでございます。
同様に、飲食系でしたら、厨房・バックヤードのこまめな消灯、客席等照明設備であれ
ば、営業前後の準備・片づけ時間帯の客室照明管理、繁忙・閑散時間帯における客席の照
明管理。その他設備でしたら、展示用設備の稼動状況の管理といった具体的な内容をお示
しして、この報告書制度に取り組む上で、数多くの中小規模事業所の方が取り組めるもの
に広げる、共有化を図って、対策に取り組んでいただきたいという内容をお示ししている
ところでございます。
具体的にどのように行っていただくかということですが、右側の上から2つ目の四角、
「対策の提示及び報告の流れ」をご覧いただきたいと思います。東京都は、それぞれの業
種に応じた省エネ対策メニューの中から、優先的に取り組んでいただきたい内容を重点対
策として示していく予定です。事業者は、地球温暖化対策報告書において省エネ対策の実
施項目をチェックして、お示ししたもの、また、お示ししていないものでも結構ですので、
温暖化対策報告書に具体的にどういう対策を行ったかということをチェックしていただい
て出していただく。今、言いましたように、重点対策以外の先進的な取組を報告書に記載
- 9 -
することも可能ですので、どのような対策を行っているかを書いていただき、翌年度以降、
報告書に記載された事業者の取組を踏まえ、適宜省エネ対策を追加、更新して、東京都は
新たな重点対策を提示して、順次、事業所のレベルアップを図っていきたいと考えており
ます。
取り組むべき省エネ対策の内容につきましては、事業者がすぐにも取り組めるよう、今
後作成するハンドブックの中で実施方法をわかりやすく示していくということで、さらに
後ろのほうにハンドブックの事例を4点ほど付けさせていただいております。
まずハンドブックイメージ①です。照明のスイッチ操作のルール化。ルール化を図るこ
とが大切であるということで、事例紹介等もいただいているところですが、省エネの意識
づけのためにはルール化が有効で、照明点灯・消灯の基準をつくってルール化して省エネ
を図ることが大事であるということで、そうした内容を図で具体的に示しております。問
題点として、照明スイッチの場所がきちんと提示されていないため、照明スイッチが自分
に関係があるかどうかわからないから、全部をつけて、どこを消したらいいのかわからな
いから消せないというようなところ。それから、人が少ないのに、どのボタンを押して消
したらいいかわからないからほうっておこうみたいな、そういう問題が現状としてあり、
スイッチ操作をルール化して省エネを図ることができるということで、裏面のほうで、具
体的に消灯のルールとして、こういう場所は消しましょうと。その他、時間外勤務をして
いる場合、開店前・閉店後は最低限の照明で作業をして、必要箇所以外は消灯しましょう
というルールをまずつくって、今度、そのルールを、社内の従業員なり設備の管理者なり
にきちんと徹底して、誰でもわかるように、みんなが残業しているとき、開店前や閉店後
はこうするということを理解した上で、照明のスイッチの脇等にきちんと記すことによっ
て、誰でもきちんと対応できて、そのルールを守れるような対応がとれれば省エネが進む。
この場合の効果の試算が③に示されておりますが、そのようなイメージです。
同様に、ハンドブックイメージ②です。温度計などにより実室温を把握する。これも協
議会で出た意見を参考にさせていただいておりますが、設定温度と室温は異なることがあ
ることを理解して、適切な空調温度にすることで省エネを図ることができるということで、
実際に測定してみると、機械で設定している温度と違うことがあるということで、協議会
の中でも実際に照明や室温をきちんと実測することが大事であるというお話があったかと
思いますが、温度計などを設置して、実室温に合った空調をするということです。
この場合、実施手順として、実際に温度計を使って、適切な置き場所を選んで温度を測
- 10 -
定する。適宜、1日に2回程度室温を確認して、それをきちんと記録して空調の温度設定
を調整する。このことによって、試算としては、年間15万円程度の削減に通じるというよ
うな紹介の仕方をしています。
ハンドブックイメージ③ですが、終業・閉店時間より早めの空調停止の実施ということ
で、これも時間を決めて、終業・閉店時間より停止時間を早める運用の実施が可能です。
例えば、終業・閉店時間より30分から1時間くらい前に空調を停止できるか検討する。空
調運転のルールを決めてきちんと周知する。
裏面ですが、実際に、春や秋などは比較的空調を早く停止できることが可能かもしれま
せん。そうしたルールを決めましたら、操作盤の脇にきちんと、何時にどうしましょうと
いうルールを明示することによって、運用管理者もしくは誰でもがきちんと取り組める内
容になります。
次に、ハンドブックイメージ④です。時間帯による客席管理。これは飲食業などの事例
ですが、客の入りが極めて少ない時間帯におきましては、客寄せなどを行い、不要箇所の
消灯(調光装置があればそれを活用)して暗くするようなことを実施する。問題点として
は、こういうことをしないと、結局、全部つけておかなければならないということでむだ
な電気使用があることが問題ですが、これをきちんと、客寄せ等を行うことによって、さ
らにスイッチ等に「不使用」と定義したエリアを色分けしたりして、誤って使用エリアを
切らないようにきちんと明示することによって、不要な場合はその場所だけ消せることが
可能になります。点灯時間管理についてマニュアル化を図って従業員に徹底することが大
事かと考えております。
このようなことを普遍化、徹底して、中小規模事業所における省エネルギー対策を、地
球温暖化対策報告書制度の施策を活用して進めていくことを考えております。
以上で、テーマ1の「事業者間における省エネ対策の取組の共有化について」の説明を
終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
○福川座長
どうもありがとうございました。
では、今ご説明いただいたことについて、ご質問やご意見をいただきたいと思います。
一応、この会の成果がこのようにまとまってきたのだろうと思いますが、何かあります
か。
○中村委員
委員さんの取組の3コマ目の写真のLEDのHf管というご説明がありまし
たね。当社でもLEDを今真剣に検討しているので、お差し支えない範囲で結構ですが、
- 11 -
この蛍光管とLED管を取り替えたとき、コスト面ではどういう感じでしたか。
○高橋(泊委員代理)
これは東雲店という一つの店舗の例で申し上げますと、LED化
したときは、工事を伴うので、管だけを替えるわけにはいかないものですから、工事の費
用もかかっています。
○中村委員
蛍光灯と比べると何倍くらいでしょうか。例えば同じ明るさをキープするた
めに、その分をLED管に替えると、単価と言うとおかしいですが、これはどのくらいで
すか。まだ高いですよね。同じ明るさでいったときに。
○高橋(泊委員代理)
○中村委員
ランニングは、電気代が下がるということはわかりますが。
○高橋(泊委員代理)
○中村委員
ランニングコストですか。
積算単価でどのくらいかということでしょうか。
そうです。切り換えるときにコストがかかるので、その辺が、導入されたと
いう意味では、こなれてきたから導入されたのかなという想像もしまして。
○高橋(泊委員代理)
まだかなり高いです。今、手元に資料がないのでわかりませんが。
申し訳ありません。
○中村委員
結構です。すいません。
○高橋(泊委員代理)
寿命は長くなります。蛍光灯の6~7倍になるのではないかと思
いますが、単価では、まだ2倍を超えていると思います。
○中村委員
当社では、今、ハロゲンをLEDに切り換えようと想定すると、3倍くらい
の単価の試算が出ています。蛍光管というのは私どもでは検討していなかったものですか
ら、どのくらいの倍数で切り換えられるのかなと思いました。
○高橋(泊委員代理)
たしか2倍は超えていたと思います。記憶だけで申し訳ありませ
んが。
○中村委員
わかりました。ありがとうございます。
○福川座長
それは、場所は、階段室とかですか。
○高橋(泊委員代理)
そうですね。一部のお店では、トイレなどの共用部と言っている
ところで。天井の高い売場は、まだちょっと無理だということで、これからもっといいも
のが出てくると思いますが、比較的天井が低いところに使っています。
○中村委員
天井の高さが問題ですか。
○高橋(泊委員代理)
○中村委員
そうです。
ありがとうございました。
- 12 -
もう一つ。ワタミさんのリリースのところでのご質問です。電気使用量が従来店舗比で
31%減ったということの後に、建設投資が、従来から20%のローコストを実現したと書い
てあります。これも同じ疑問からの質問ですが、当社も今、試算をしていると、どうして
も従来機器よりも高くなります。だから、ここをどう検討するかということが課題になっ
ていますが、この20%ローコストを実現できたというのは、何か秘訣があったのでしょう
か。
○高橋委員
この建設投資コストのところは、照明にかかわる部分だけではなくて、全体を通
じての建設金額です。ただ、照明のところだけで言うと、先ほどおっしゃられたとおり、照明
単体で見るとまだまだ高いので、何をしたかというと、照明設計段階から変えました。今まで
のお店であれば、ペンダント照明といって、天井からつり下げた造作物もありましたが、今回
は設計段階からLED照明の導入を前提としていたため、この店舗の照明にはペンダント照明
を取り外しており、LED照明採用によるコストのプラス要素とマイナス要素を全体で比較す
ると若干の増くらいでおさまったという話を聞いております。
○中村委員
ありがとうございました。
○常慶委員
イオンさんでは、天井照明を1つおきに間引くとかなさった場合、一般的に、
体裁がどうとかいうことを心配されますが、お宅様は、1灯おきは、器具そのものも撤去
されましたか。ランプだけですか。
○高橋(泊委員代理)
○常慶委員
そうすると、器具は残っているわけですね。
○高橋(泊委員代理)
○常慶委員
ここはランプだけを抜いています。
はい、残っています。
そのことについて、特に会社のトップの方がその辺を理解しないと、球を外
すと格好が悪いということをよく言われるので。
○高橋(泊委員代理)
今回、こういうふうに間引くためのガイドラインというか、基準
書を作成しまして、店舗の形態もたくさんありますが、それぞれについて、こういうとき
はこうすると。照度はこうしますということを決めて進めてきています。
○常慶委員
よくわかりました。そこら辺が、店長さんやトップの方の理解がないと、格
好がどうだこうだととかく言いがちですよね。現実は、照度が高くて明るすぎるけど、体
裁のことを言うからこういうことになるんでしょうけど。
ただ、ところどころが抜けているということではなくて、はっきりと、1つおきにきち
んとランプを抜いておられるということは、ある意思を持って消灯なさっているというこ
- 13 -
とだから、その点はいいと思います。やはりトップの理解を十分に得る必要があると思い
ます。そういう点では結構だと思います。
それから、少し細かいことですが、イオンさんの1ページ目の下のほうに、消費電力削
減量は17kWhと書いてありますね。使用電力量の削減が約15万2,000kWhとなっていますが、
細かい話ですが、この17kWhに年間時間数の8,760を掛けると約14万8,000で15万にならな
いので、ここら辺は数字を合わせておいたほうがよかろうかなと思います。
○高橋(泊委員代理)
○常慶委員
はい。ありがとうございます。
それから、次のページのLED化のところで、蛍光管の3、418に対して1,920
になって、この場合、56%削減と書いてありますが、3,458に対して1,920が56%ですから、
削減は44%になると思います。この辺は合わせておかれたほうがよかろうかと思います。
○高橋(泊委員代理)
○常慶委員
ありがとうございます。
それから、ワタミさんもLEDを3種類お使いになったということで、結構
なことだと思います。お店の場合は、色合いが気にかかるし、問題があるところだと思い
ますが、LEDをお使いになって、その辺は特に問題はありませんでしたか。
○高橋委員
建設部が主体的に、デザイナーさんといろいろ協議しながら進めてきた話で
すが、色合いに気を遣いながら、当然、食べ物がおいしく見えるようになど、そういうと
ころは大変気を遣っていたように感じます。間接照明で使っているLEDについても、光
がどのくらい遠くまで届くかということまで計算しながら、既存のお店でつけてみたり、
実験をしながら、ようやくここまで来たという経緯があります。
○福川座長
ほかにいかがでしょうか。
○大野部長
イオンさんでは、4月、5月に照明の間引きをされて、その後、お客様の反
応として何かありましたか。
○高橋(泊委員代理)
全くありません。従業員も全く違和感がないと言っています。照
度が落ちたことに気がつかない従業員もいました。
○大野部長
そういう意味では、営業面に支障が出ることはないと。
○高橋(泊委員代理)
ないです。これによって売上に影響が出るとか、お客様からクレ
ームが出るとか、あるいは、従業員からもクレームは一切ありません。
○福川座長
そもそも明るすぎるんですよね。最初の設計の段階で。これからつくるお店
は、少し‥‥。
○高橋(泊委員代理)
はい。新しく店舗を設計するときには、新しい基準を使っていま
- 14 -
す。
人間の目がこれほど順応性が高いというか、瞳孔がうまく調節することがよくわかりま
した。
○福川座長
ほかにいかがでしょうか。
後ろの制度は、これらを含めて整備されつつあると思いますが、こちらのほうはいかが
ですか。
よくわからなかったのですが、ハンドブックの項目と指針の項目は、それなりに対応し
ているわけですか。それとも、あまり関係ないですか。
○岡部担当副参事
具体的には、指針のメニューの中の項目について、具体的にどのよう
にしているかは、ある程度示していきたいと考えております。
○福川座長
対応がすぐわかるようになっているんですかね。
○大野部長
ハンドブックはこれからつくりますので。
○福川座長
一応、対応させていくわけですね。
○大野部長
はい。
○福川座長
ほかにいかがです。
○大野部長
オーバーキャノピーなどはなかなかすばらしいと思ったんですが、コンビニ
業界さんなどでは、こういうものはどうなのでしょうか。
○志茂委員
LEDに関しては、新店舗は、セブン-イレブンでしたら、店頭看板のマー
クがあって、赤、緑、各種ありますが、そこは基本的にLEDで設計しています。あと、
サインポールもしています。ただ、店内のものに関しては、やはりLEDが持つ特長と今
の照明が持つ特長が課題です。オープンケースには蛍光灯がついていますが、コンビニエ
ンスストアの場合、それほど照明を当てるような設計ではないと思います。
○大野部長
LEDは、今、ダウンライトは相当実用化されてきていますが、蛍光灯はま
だこれからだと思います。まだ実用化の段階までに少し時間がかかると思います。お聞き
したかったのはその話ではなくて、商品の展示のことです。イオンさんがしているような
形は、コンビニではまだなかなか難しいですか。
○志茂委員
似たようなメーカーでやっていると思われますので、同じような提案であっ
たり、専門部署で検討しているかと思いますが、そこはまだ、会社として具体的に発表で
きる段階ではありません。
○高橋(泊委員代理)
これは比較的食料品のところが多いものですから、オーバーキャ
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ノピーで、コンビニさんとは使い場所が少し違うかなと思います。例えば、飲み物などは
冷ケースに入っていたりして、展示の仕方がスーパーとコンビニでは違うかなと思ってい
ます。
○福川座長
コンビニは、どちらかというと、店内を明るくして、ショーケースにはそん
なに照明を当てないと。
○志茂委員
そうですね。スーパーさんとは、基本的にその辺は少し違うと思います。
○福川座長
ほかにはいかがでしょうか。
ハンドブックや指針などはよろしいですか。
資料4で言うと、今回、こちらに集まっている企業の方は、資料4のこの中に大体おさ
まる感じでしょうか。
○岡部担当副参事
ビックカメラさん、イオンさん、高島屋さんは、大規模が多いのでは
ないかと思います。あとの委員の方の店舗では、この制度が直接入ってくると思います。
○常慶委員
いろいろなお店の種類の方がいらっしゃいますので、こういう機会に、いわ
ゆる原単位――居酒屋さんとかデパートなど、そういうところのエネルギー消費原単位が、
現状がどうで、いろいろな省エネ対策をとったことによってどのように推移していったの
か、これは貴重なデータになるのではないかと思われますので、そういう原単位でデータ
をとってお示しいただきたいと思います。
それから、そのことが自社内での比較にもなりますし、他社との比較にもなるし、ベン
チマーク的なものがだんだんできていくのではないかと思いますので、今後のハンドブッ
クやガイドラインの中にもそのことを折り込んでいって、業種別の原単位を把握していき、
それがどう推移していくかということをしていったらいいのではないかと思います。
それから、ご出席の皆さんは大企業の方ばかりですが、もう少し企業の小さいお店等に、
そういうことをどう浸透させていけばいいか、そのことをどう考えるかということもある
と思います。
○福川座長
今のことは、都のほうでもこういうことをきちんと生かせと。原単位そのも
のの目安のようなものは、ハンドブックの中に書かれるわけですね。そうでもないのかな。
○大野部長
事例が上がってくれば、そういうことができるようになると思いますが、す
ぐには、まだ‥‥。
○常慶委員
まだ事例が少ないですし、省エネルギーセンターもデータをある程度とって
いますが、大規模事業所ばかりです。デパートにしても、病院とか。要するに、東京都が、
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60%の中小規模事業所が問題であるという、その60%の中小規模事業所のそういうデータ
はあまりないんです。だから、この機会にそういうものを取りまとめて整理していけば参
考になるのではないかと。お互い、どこはどうなのか、平均に対していいのか、悪いのか、
そういうデータが有効ではないかと思います。
○福川座長
ありがとうございました。
では、大体よろしいですか。最後にまたご意見を伺う機会があると思います。
2番目のテーマに進みましょうか。説明をお願いします。
○岡部担当副参事
はい。こちらのほうは、また蓄積されたデータを分析して、将来に向
けて、参考にしたり、紹介したりさせていただきたいと思います。
それでは、次にテーマ2「店舗等の省エネ対策に関する都民との認識の共有化につい
て」、ご説明させていただきます。
資料6をご覧ください。まず「取組の方向性」です。都民にとって身近で、関心の高い
小売・飲食業等の店舗等で実施される省エネ対策の理解を求めることによりまして、地球
温暖化対策の必要性に対する「気づき」を与え、都民自らのCO2削減に向けた実践行動
へと結び付けていくことを取組の方向性とさせていただいて、検討させていただいており
ます。
それに基づきまして、「協議会で紹介された店舗での取組の発信事例」です。協議会の
中で具体的にご紹介いただいた事例ですが、ドアの閉鎖についての表示で、二重ドアの片
方を閉めたり、ジグザグで入って、空気が外に触れないような工夫などをして、それを、
こういうことでやっていますということを表示することによって理解を得るという事例紹
介。それから、省エネについてのエコ展示ですが、店舗に来られたお客様が、エコ展示に
ついてはよいことをしているという反応が大きかったというご紹介。それから、百貨店に
おきまして、25度から27度に設定して、クレームを言う方も多くありますけれども、アン
ケートをとりますと、そうしたことは続けるべきだというお客様が7割程度で、意識が非
常に高いという事例紹介。それから、子どもたちに向けてエコツアーを行って、ふだんは
気づかないけれども、説明してもらえたら初めてエコの取組がわかったというお客様のご
意見のご紹介。そのほかにもいろいろと取組事例をご紹介させていただきましたが、取組
の発信事例として、そのようなことで、店舗での温度管理のためにドア閉鎖を表示する。
店内展示品への通電の抑制に関する表示を行う。業界団体で作成したポスターを活用して、
店内温度の設定、夏冬それぞれこうした温度設定にしていますよということでお客様のご
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理解を得るといった取組。店舗等で省エネに関するリーフレットなどを発行して、店舗で
こういう省エネの取組をしていますというPRの発信を行う。そうした発信事例があった
ということで整理させていただいております。
そのような発信事例を参考にして、3番ですが、「今後の都民のへの普及啓発に向けた
都の取組」ということで、都民への普及啓発に向けて東京都としてどのような取組を行っ
ていくかということです。そのために、協議会の議論や事例などを踏まえて、東京都、事
業者の方、東京都地球温暖化防止活動推進センターの3者によりまして、都民及び事業者
の認識の共有化を図っていきたいということをお示ししております。
はじめに(1)で「都のホームページを通じた取組事例の紹介」についてです。店舗等
における省エネ対策の取組事例を都のホームページを通じて広く紹介することによりまし
て、CO2削減に向けた取組の重要性について、都民及び事業者の認識、共有化を図ると
いうものです。内容につきましては、資料7をご覧いただきたいと存じます。
東京都のほうで、ホームページを通じて、例えば照明について、照度管理の徹底が必要
であるということで事例紹介し、先ほどご紹介がありましたイオンさんの取組、間引き・
調光による照度ダウンが行えるということをご紹介する。照明デザインにつきまして、デ
ザイナー導入による照明デザインを行うことによって省エネが図られたということで、先
ほどのワタミ様のような事例を紹介する。それから、高効率器具・反射板等の設置という
ことで、高出力型の照明器具、セラミックタイルの床材、これは、セブン&アイホールデ
ィングス様の事例紹介にありましたが、第1回で、Pタイルをセラミックタイルに、光を
反射する素材に替えることによって蛍光灯の削減が図れるといったような事例の紹介。
それから、空調につきましては、設定温度の管理ということで、百貨店協会さんのほう
でポスター掲示の事例を第2回で例示させていただいておりますが、そうした取組で、都
民、お客様に対してきちんと、今、こういうことで設定していますということを示すこと
によって理解を求めていくという取組の紹介。それから、都の関係になりますが、八都県
市のライフスタイルキャンペーンで、夏冬それぞれ温度設定のポスターを作成しておりま
す。そのような事例の紹介。それから、ワークスタイルの見直しということで、クールビ
ズ、ウォームビズの事例、ポスター紹介。
バックヤード関係では、社員教育について、第1回において、モスフードサービス様か
ら、省エネハンドブックで各店で教育しているという事例紹介がありましたが、こういう
ことを行っているという事例紹介。また、バックヤードで、照明や空調、掲示物などで社
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員教育を行っているというイオン様の事例。それから、営業時間前後の取組ということで、
開店前後で、ビックカメラ様から紹介がありましたが、例えば、10時開店であれば、9時
に早出の従業員の作業範囲のみつけて、9時半には全体の半分、9時50分に初めて全店で
照明をつけるといった取組。都民にあまり知られていないような部分も多くあります。そ
うした取組について、東京都がホームページで紹介することによって、事業者様、都民の
方と、きちんと省エネに関する情報を共有することによって都民に「気づき」を与えてい
けると考えまして、このようなことを考えております。
また、具体的なホームページをつくるに当たっては、委員の皆様、また、その他の方か
ら写真や資料の提供を受けてつくり込みをしていければと考えております。
次に、(2)ですが、事業者の方にどういった取組をしていただくかということで、
「都が提示するPOPを通じた各店舗での取組の「見せる化」の推進」を考えております。
例えば、エコ展示ということを大きく書いて、「省エネのために通電を止めています」と
するとお客様の反応がよいというご意見や、啓発ソフト的なことをもう少しうまくできた
らいいと思っているというご意見を協議会の中でいただいておりますけれども、店舗等で
ポスター等で出したり、いろいろな情報発信ができるよう、東京都においてホームページ
で共通のPOPを、顧客向けの店内掲示物を提供して、省エネ対策に取り組む各店舗等に
おいて掲示することによって、都民の省エネ型影響スタイルに対する認知度を高めていく
ということを考えております。
資料8をご覧いただきたいと思います。現在、このようなものをということで東京都が
お示しできる案ですが、例えば照明設備に関する表示であれば、「CO2削減のために店
内の明るさ(照度)を抑えています。」と。イチョウマークを付けて、「東京都環境局で
は、店舗等における省エネの取組を推進しています。皆様のご理解とご協力をお願いいた
します。」と、こういったものをホームページで示しまして、ダウンロードできるように
して、個々の中小の店舗さんにおいても、実践している中で、これを入口等に掲示すれば、
見たお客様が、ああそうだという「気づき」を与えられるのではないかと考えております。
同じように照明で言いますと、「CO2削減のため高効率な照明器具を使用していま
す。」と。また、ほかにも白紙も用意して、ダウンロードして自由に記載できるような掲
示の仕方を考えております。
空調でしたら、「CO2削減のため店内の空調を28℃に設定しています。」、暖房につ
いては「CO2削減のため店内の空調を20℃に前提しています。」と。また、クールビズ
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では、「軽装にてご対応させていただいております。」と。入口で、「クールビズに対応
していますので、上着、ネクタイは着用しないでご対応させていただいております。」と
いうような文章だけでお示ししているような企業さんも多くありますが、こうしたものを
掲示していただくことによって、東京都と合わせて都民の方にPRしていることがお示し
できるのではないかと考えております。
また、ほかにもいろいろあるかと思いますので、その他温暖化対策全般に関することも
書けるような形で提示できればと考えております。
ほかにもいろいろと「気づき」を与えるテーマがあるかと思うので、いろいろな形で提
案できれば、もしくは、それを補完できるような形で提案できて、各店舗において、こう
いった省エネの取組をしていますというものをきちんとお客様にPRでき、かつ、お客様
にもがまんしていただく部分、例えば夏の冷房温度の設定が若干高めになっていて、暑い
なと思っても、こうしたものを見て、なるほどそういうことには協力しようという「気づ
き」が与えられればと考えております。
こうしたことで、都民の省エネ型の営業スタイルに対する認知度を高めていくことのた
めにこうした手段があるということで提示していきたいと考えております。
最後に(3)になりますが、「東京都地球温暖化防止活動推進センターを通じた先進的
取組事例の情報収集・公表」についてです。
資料9をご覧いただきたいと存じます。東京都地球温暖化防止活動推進センターについ
て、まず左上の囲みですが、平成20年2月に地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき
まして、東京都でセンターを指定しております。センターは、東京の中小規模事業所や家
庭部門の温暖化対策の拠点として、都や区市町村と連携して、地球温暖化防止に係る普及
啓発等の活動を昨年度から開始したところです。
具体的に何をしているか、下の「実施事業」の図ですが、東京都地球温暖化防止活動推
進センター(愛称:クール・ネット東京)は、第二本庁舎の9階に場所を構えておりまし
て、内容的には、外側に並んでいるような事項等を行っています。先ほど、報告制度でも
ご紹介しましたが、業種別の省エネ対策の関係で、「無料省エネ診断・運用改善技術支
援」もこのセンターで実際に行っております。そのほか、業種別の省エネ対策推進の研究、
研修会、出張相談、ビジネス事業者の登録、エコ・コレクション、エコ・ムーブメント、
太陽光の補助事業を受託して、環境学習、そのほか相談・情報提供などもこちらで行って
おります。
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こちらの活動の中で、店舗等での省エネの取組に関する都民への情報発信ということで、
右上の四角囲みになりますが、そうした店舗等での取組にどういうものがあるかというこ
とについて、メールマガジンによる発信、省エネセミナーにおける発表の機会の提供、普
及啓発事業への参加要請、省エネ診断事業を通じた情報収集及び情報提供、作成する省エ
ネテキストへの事例掲載、ホームページによる取組事例紹介、マスコミ等への情報提供、
こういったことをセンターを使って行うことが可能と考えております。センターというチ
ャンネルを利用し、店舗等での省エネの取組を都民へ情報発信することによって、都民と
事業者と、そうした認識の共有化を図ることによりまして、都民自らのCO2削減に向け
た実践行動へつなげられるのではないかと考えまして、推進センターを利用してこうした
活動を行っていきたいと考えております。
以上3点それぞれを使って、今後、都民へ、店舗等ではこういうことを行っていますと。
それによって「気づき」を与えていくような普及啓発の方法を行っていきたいと考えてお
ります。ご説明は以上です。
○福川座長
どうもありがとうございました。
実は、やはり消費者と一番向き合う場所であるだけに、そういう店舗等での努力は、実
はちょうどいい市民教育の場所になるわけですね。そういうことも含めて、「意識の共有
化」を図っていこうということについてのアイデアです。
ご意見をどうぞお出しください。
○中村委員
ホームページでアピールする内容がありましたが、これは、スケジュールと
かアイデアの締切りとかはありますか。
○岡部担当副参事
これからつくりたいと思っておりますので、また具体的な内容で、ど
ういった情報をいただきたいとかいうことはご案内させていただきたいと思います。
○中村委員
一つご紹介させていただきます。昨日できたばかりのアイデアなのであれで
すが。
実は、百貨店協会を中心に店内の温度緩和を進めています。私ども、アンケートをとり
ましたら、私の代理で行った飯田からもお話しさせていただいたかと思いますが、お客様
から、やはり暑いという声もあります。特に、去年、考えさせられたのは、試着室で試着
をするときに商品を汗をつけてしまわないかということで気をつかってしまうと。これは
本末転倒になってしまうということで頭を悩ませておりました。
実は昨日、百貨店協会と協力して、クールビズ対応試着室というものを一つつくりまし
- 21 -
た。これは、LED照明を使って暑くないようにすることと、風があると大きく違うとい
うことなので、サーキュレーターという、扇風機のもう少し本格的なものを上に設置した
ということ。あと、見た目に暖色系のカーペットをやめて、床はフローリングにして、色
はベージュ系からブルー系に変えました。あとは、人感センサーをつけて、LED照明で
もお客様が出ると消えるという、結構凝ったつくりで高い金額がかかりましたが。これを、
きのうは取材も2件入っていましたが、店舗の温度緩和を進めるのはいいけど、お客様か
らのそういう苦情は減らしていくべきなので、事例としてご紹介いただければ参考になる
のではないかと思います。
LED照明について、さらに本格的な導入をまさに研究している最中なので、これはま
た決まったらご紹介させていただきたいと思います。
ほやほやのネタですが、なかなかおもしろいのではないかということでアピールさせて
いただきました。
○福川座長
ホームページなどは随時変わっていかないといけないですね。一度やってそ
れきりではね。1年後に開いたら1年前の情報だったというのではしようがないですね。
そういう試着室は、仕様として決めて各社がつくるんですか。
○中村委員
まず、とにかくプロトタイプを1個やってみようということで、まだ実験事
例です。ただ、記者さんたちも、入ったら、これは涼しくていいですねと。データをとる
と、たぶんそこの試着室が人気が出てくると、もっとドライブがかかるのではないかと思
います。結構、ファッションなどを扱っているところは、百貨店以外にも、個人のお店も
いろいろあると思うので、温度緩和と両立させる取組としてはいいのではないかと思って
います。
○福川座長
こういう技術がみんなで競って出るといいですね。
ご意見をどうぞ。
○大野部長
資料8で示したPOPはまだ見本で、このままというわけではないのですが、
もう一度工夫するつもりですが、こんなものを使うということについては、実際はどうで
しょうか。
○福川座長
こんなのは嫌だという人もいるかもしれない。デザインは変えたいとか。
○常慶委員
基本的には、いいと思います。お客様に、ランプが幾つか抜かれていて、こ
れはランプ切れなのかなと思われても困りますから、はっきりと、省エネのためにこうし
ていますという意思表示をするという意味では、いいのではないかと思います。
- 22 -
ただ、ここはすべて黒で文字をプリントしてありますが、例えば、この括弧内は赤で強
調するとか、いろいろとアピールする工夫の仕方はあると思います。それと、大きさをど
の程度にするのか。お店の状況に応じて、フォントを大きくするとか、さまざまな状況に
よって違うと思いますので。
○福川座長
これは、デザイナーがデザインしたんですか。
○大野部長
これはまだアイデアの段階ですから。
○福川座長
都庁内でつくったと。
いかがですか。表示は必要だろうと思いますが、やり方はいろいろ、お店によって違う
のかなという気もしますが。
○大野部長
一昨年の夏でしたか、白熱球から電球形蛍光灯に変えようという取組が始ま
りましたね。2年前の8月に、白熱球一掃作戦ということを東京都で始めましたが、その
ときには、我々がというよりは、ある電器メーカーさんから、こういうPOPをやっては
どうかというご提案がありまして、それを、東京都のホームページから、そのメーカーさ
んがつくっていただいたものをダウンロードできるようにしたこともありました。
これは、実施してもニーズがないとあまり意味がないものですから、ぜひ、率直なとこ
ろをお聞かせ願いたいと思います。
○福川座長
ダウンロードして、そのままプリントして貼るということかな。小さなお店
はそれでもいいかもしれないけど。
○中村委員
多少有料でもしようがないと思いますけど、ダウンロードすると、お客様の
目に触れるものにならないとね。かといって、これを小売業のほうでお金を出してほかに
発注するということも考えにくいので、例えばステッカー化されていて安く買えるとかい
うことだったら、もちろん、デザインはもう少ししゃれたものにしていただいたほうがい
いと思いますが、ステッカー的なもののほうが使い勝手はいいような気がします。百貨店
協会では、クールビズとか何かはいつもステッカーをつくってくれているので、それをパ
ッと貼れるので、それは使い勝手がいいです。
○大野部長
先ほどもありましたように、百貨店などはかなり洗煉されたカンガルーとい
うポスターも作成されていますので、あれは、各業界でもあるのであれば、わざわざ屋上
屋を重ねる必要もないのかなという気がします。
○福川座長
やはり東京都のマークが出ていることが重要ですかね。
○大野部長
いや、別に我々の宣伝をしようと思ったわけではないので。
- 23 -
○福川座長
こういうロゴとか文句を入れることを積極的にお願いするとか、されるとか、
そういうことが重要でしょうか。
○大野部長
業界だけではなくて、公的な位置付けもあるということが入ったほうがいい
とかいうこともありますか。その辺はどうでしょうか。
○高橋(泊委員代理)
自治体と一緒になって取り組んでいるということはアピールした
いと思います。
それから、今、個々にありますが、例えばスーパーであれば、きょうは照明の話ですが、
照明だけではなくて、店内の設定温度もアピールしたいですし。省エネとは少し違います
が、無料レジ袋の廃止など、いろいろな取組をしていて、それ一つ一つにこれを貼ってい
くのかというと、また少し違うなと。
ですから、1番目に「省エネ型ビジネススタイル実践中」とありますが、こういう個々
のことではなくて、東京都と一緒になって、いろいろなことを考えながら、一つずつ工夫
しながら取り組んでいますということがアピールできればいいなと思いました。
○福川座長
いろいろなことに取り組んでいると、これを貼っていったら、いっぱいにな
ってしまう。
○常慶委員
お話がありましたように、これは東京都がアピールして出しているという印
象はありますが、百貨店協会や、それぞれのお店の名前を入れるとか、一緒になって取り
組んでいるという表示があってもいいかなという気がします。東京都が訴えているという
だけではなくて、業界も一緒になって取り組んでいるよというつくり方もあるかなという
感じがします。
○福川座長
これを見て、ただお店でそうなっていると理解するだけではなくて、自分の
生活も少し見直すことにつながると‥‥。少し欲張りすぎですかね。
ダウンロード可能とすると、みんな面白がってベタベタ貼りだすかな。
○常慶委員
少し話が違いますが、オフィスビルの省エネ診断をしたときに、そこは大規
模事業者ではないので任意で提出したんですね。任意で計画書制度に提出したところが幾
つかあるんです。評価がAだったので喜んでいましてね。Aも、もっと上もあるけど。だ
から、評価の表彰状というか、あれもいただきましたと。本当は玄関にバッと貼りたいけ
ど、玄関に貼るにはつくりがどうも向かなかったと。だから、せっかく、Aあるいはそれ
以上がいただけるなら、もう少し玄関にきちんと貼りだせるようなものをいただけたらと
いうご意見もありました。やはりお客さんの目につくところのものは、ちょっとしたチラ
- 24 -
シというより、なるほどねと思われるくらいのものがね。
○福川座長
額に入っているもの?
○常慶委員
そこまではいいですけどね。何かそういうものがいいかなという感じがしま
した。これはちょっと性質が違いますけど、表彰されたような場合ですね。
○福川座長
文化財だと、よく統一した看板がありますけどね。
ほかの方、いかがでしょうか。ご意見ないですか。
あとは、活動推進センターについてはいかがしょうか。
もういろいろと始まっているんですか。ここに事例を持ち込むと、また紹介してくれた
りするわけですか。
○大野部長
そこは、我々の取組と一緒に、役割分担しながらやっているということです。
○福川座長
これはどこに持ち込んだらいいのか。せっかく、紹介してくれというときは、
どこに行けばいいですかね。
○大野部長
それは、具体的な形が決まりましたら、またご案内差し上げます。
○福川座長
各企業さんでも、ホームページや何かには、こういう取組は紹介されている
んでしょう。
○高橋(泊委員代理)
イオンは、不十分だと思います。省エネとは直接関係ありません
が、レジ袋の有料化などもアピールが難しい取り組みです。お客様にがまんをさせてお店
は儲けているんじゃないかとかいう方もいないとは限らないです。
○福川座長
クレーマーですか。
○高橋(泊委員代理)
そういったことも考えながら取り組んでいかなければいけないと
ころがあるので、こういうことのアピールはなかなか難しいと思っています。
○福川座長
レジ袋は有料にしたんですか。
○高橋(泊委員代理)
いろいろ形態があるものですから、それぞれの地域によってやり
方はいろいろ変えています。
○福川座長
レジ袋をやめたら少しおまけしてくれるとか。
○高橋(泊委員代理)
○福川座長
いろいろなことをしながら、今、進めています。
ほかにいかがでしょうか。
せっかく取り組んでいるのに、わからないとつまらないし。さっきの例だって、一生懸
命にやれば減るわけですよね。ですから、せっかく取り組んでいることを――和民さんな
んかは、黙っているんですか。こういうことに取り組んでいると何か示しますか。
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○高橋委員
今回の渋谷のお店では、外から見てもわからないんですね。普通のダウンラ
イト等も、見てもわからないし。そういうところで、ちょっともったいないというか、伝
えきれていない歯がゆさがあって、イオンさんのお店にお邪魔したときも、結構天井が高
くて、どういうものを使っているのかなと見てもわからないので、そういうものはやはり
何かで伝えていかなければいけないとは思っていましたが。
ただ、言われてみて初めて気づいたんですが、熱くないというか、ダウンライトの熱が
こない、言われてみて初めて気づくぐらいのことはあったので、そういったことでも何か
しら伝えていきたいと思っています。
あと、お店側に、私たちもレジ付近に何か貼るというツールも出したりしますが、結構
嫌がられるというか、営業側から、いろいろなものがベタベタ貼ってあるとあまりきれい
ではないということで嫌がられてしまうので、そういったところを統括しながら何とか伝
えていくというのはすごく難しいと思います。
○福川座長
奥ゆかしくやりたいということがあると。伝えるというのは難しいですね。
コンビニさんのほうは、伝えるということではいかがですか。
○志茂委員
確かに、同じように、コンビニエンスストアはそもそも狭い空間で、新しい
情報を発信し続けるというのも、販促すべき商品がいろいろ変わるものですから、その中
で今、防犯とか、安全・安心の拠点、未成年へのお酒やたばこの販売規制に関するものな
ど、いろいろと国や実施者と連携しながら貼るものがすごく多いです。その中でどう伝え
ていくかということは、まさに同じような悩みです。
一つの事例で、実は、昨日の夜、都内を車で走ってみました。ご存じのように、きのう
はライトダウンキャンペーンという、国が呼びかけたものがありましたが、ライトダウン
をしているのか、していないのか。啓発というか、ある期間にみんなで取り組みましょう
といった国民運動のようなものは、温度差があるかなと。わたしどもも加盟しているフラ
ンチャイズチェーン協会も挙げて、ライトダウンをこの時間、それぞれ決めて実行しまし
ょうと呼びかけたんですが、当然、商店街にあるようなお店は消してしまうと危ないとい
うこともあって、参加できない加盟店もありました。一方、街道沿いに行くと、セブン-
イレブンをはじめ、多くの加盟店は参加されているんです。しかし、銀座のまちなどでも、
ブランドショップなどは、間接照明だからおしゃれに、暗い感じででますが、反対側から
見ると、昭和のネオンのような、こうこうとまだついているような地区も目立ちました。
そうした啓発のようなレベルにおいて、アピールしていって、伝わる人が限定的であれ
- 26 -
ば、もう少しそういうソフト的なところをどう組ませていけたらいいかとか。コンビニエ
ンスストアは消費者に近いという視点も持ちながらも、そうやってライトダウンでちゃん
とポスターも貼って、CO2削減の行為と啓発に参加される店舗も多くいます。狭いスペ
ースの中で、ライトダウン専用のポスターを本部として提供させていただき、今年は2回
取り組みました。正直、顧客の反応や実際に消している加盟店さんの取組姿勢も、年々高
まるというよりも、平坦で、ちょっと残念だなと。そこにおいて、自治体の盛り上げ方と
か、消費者の動きとか、発展するような形につながるようなアピールの仕方があれば、非
常にいいかなと思いました。我々はやはり、加盟店とか、それに伴う従業員さんの家族の
方が、そういう意識が広がって初めてというところがあるので、そこが悩みです。
○福川座長
チェックしましたか。
○志茂委員
かなりチェックしました。結構、各社取り組んでいました。ただ、やはり消
えているんじゃないかという感じにしか見えないんですね。つまり、隣のドラッグストア
とかいろいろありますが、取り組んでいるところと、取り組んでいないところとあって、
やはり概ね明るいんですね。特に官公庁はずうっと電気がついていましたから。遅くまで
ご苦労さまですという一方、東京タワーは消していたり。テレビでも、あの時間帯にはラ
イトダウンとCO2の特集とやっていたのですが、実際のまちはそんなにCO2で動いてい
るわけじゃないなと。そのギャップを考えさせられました。
○福川座長
先頭に立って取り組んでいるということがわかってくれないとしようがない
ですね。
ほかにいかがでしょうか。今までのことも振り返って、ご発言ありますか。
ビックカメラさん、照明管理はいかがですか。
○塚本(加藤委員代理)
実績としては、2008年の4月1日時点で、既存店に関しては、
2007年度比でCO2に関しては5%以上落ちています。その辺は、きょうは加藤がいない
ので言いづらい部分もありますが、うちはホームページの中で「環境報告書」という形で
掲載させていただいていますけど、先ほどもあったように、お客様からの反応はほとんど
ないです。今のところはまだ自己満足程度かと思います。ですので、その辺も少し工夫し
て何かしらアピールしていかなければいけないんですが、やはり営業サイドからすると、
それで売上につながるのかと。その辺、会社の中のギャップと、お客さんとの間のギャッ
プどう埋めていくかというところがあって、今いろいろ考えているところではありますが。
○福川座長
会社の中のギャップとお客さんとのギャップ、2つあると。
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人材教育のほうでは、モスフードさん、いかがですか。
○福田委員
省エネハンドブックを配ってはいますが、毎月、店舗のほうでは、エネルギ
ーの使用量を把握しようということで、自分たちで電気メーターを見たり、ガスを見てい
ますが、電気メーターなどは、読むことが簡単ですが結構難しかったり、高いところにあ
って見えづらかったり、いろいろなパターンがありまして、今、そういうものを一つ一つ
つぶしながら、各店の使用量を毎月把握して、何かをしたから減ったとか、増えたとかと
いう原因が探れるように把握しようということをしています。
○福川座長
先ほどのPOPは迷惑ですか。
○福田委員
迷惑ということはないんですが、やはり、和民さんがおっしゃったように、
店内に掲示物がいろいろあるものですから、持ち帰りの方も多いで、客席のほうに貼ると
そういうお客様は見ませんから、店頭に飾るとなると、ほかにもいろいろとシール等が貼
ってありまして、それを貼っても目立つかどうかということとか、お店のほうでも、狭い
ところでは敬遠されがちということがあります。
○福川座長
確かに、コンビニエンスストアにはいっぱい貼ってありますね。情報だらけ
で大変ですよね。
マツモトキヨシさんのほうはいかがですか。
○幸委員
うちなどは、特に店舗に扉がないので、貼る場所が少ないんです。そういうと
ころで、お客様にどう浸透させていくのかと。薬事法の改正などもありますし、いろいろ
な広告などもつけていましたけど、やはり行き渡らない部分があったりしますので、そう
いうところで、どう認識してもらうかは、本当に真剣に考えていかないと、大変難しいの
ではないかと思います。
○福川座長
僕もきょうバスでお店の前を通りまして、いっぱい貼ってあるなと思って。
全面的にいろいろなものをやっているから大変ですよね。
ファーストリテイリングさん、いかがですか。
○松浦委員
今、ユニクロでもいろいろと実験段階で、新店では照度の見直しなども実施
しています。今までの設計照度は1,500luxでしたが、数店舗で1,200に落としてみました。
1,200に落としても、セラミックタイルの影響も有り、まだかなり明るく感じます。今後
さらに広角の反射板等を使用して、もっと間引けないか、さらに対策を検討中です。
既存店の空調ですが、ロードサイド店舗でカセット型のエアコンを使っていますが、省
エネコントローラーをメーカーに開発してもらって、数店舗に設置し検証中です。まず温
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度設定を維持する、例えば冷房であれば25度に維持する。ただ、売場全部が25度では、フ
ィッティングルームは暑いと思いますので、その系統ごとに温度は設定はしています。冬
場は、暖房設定を22度にしています。あとは運転時間ですか、閉店後1時間後には自動的
に落とすようにしています、翌日の開店の1時間前まではタイマーで停止状況とします。
ただ、手動では運転可能で、手動でつけた場合も、1時間すれば自動的に落ちる形です。
○福川座長
それは、早く仕事を終わって帰ろうとするために‥‥。
○松浦委員
いいえ、店舗には消し忘れが意外とあります。例えば、売場は消していても
倉庫はついていたとか。それも兼ねて、今、そういった取組をしています。
あと、例えば、温度を25度に設定しても、お客様が暑いと言えば下げなければいけない
ので、コントローラーでは下げられるようにしていますが、それも1時間たったらもとの
設定に戻すことにしています。その際の幅も制限しています、冷房だったら22度から28度
以外は設定できない制御とか、あとは、一括省エネモードといって、夕方の看板や街灯が
つく時間に空調を80%に運転制御します。そうすると、デマンドのあがる時間帯を制御で
きます、そういった取組を実験中で、適切な設定温度等を検証中です。
実は、ガス式のエアコンでも実験をしまして、前年対比でガス代が30%くらい落ちまし
た。電気でも現在検証中で、削減目標は20%ですが、結果が伴えば全店で実施するような
形で、検討中です。
○福川座長
それはホームページに載せないんですか。
○大野部長
お願いしたいですね。
○松浦委員
まだいろいろ準備段階で‥‥。
○福川座長
随分といろいろなさっているようですね。
○常慶委員
空調についてですが、温度設定は非常に大事ですね。通常、1度緩和すると
10%。だから、27度を28度にすれば1度で10%伸びるということが言われていますが、空
調エネルギーの中で大きいのは、換気に対するコントロールというか、外気量が多いと、
どうしても、その外気を冷やしたり、暖めたりするのにエネルギーを消費するわけですね。
それで、じゃ、外気温度がどれくらいあるかということに関心を持っていただかないと。
とにかく、どんどん換気をすれば、空気はきれいだし、いいじゃないかということではエ
ネルギーを消費するんですね。あるデータによると、空調エネルギーの中の外気を冷やし
たりするのに42%を消費すると。その36%くらいは、外気の湿度が高いものだから、この
湿度を除く、外気の水分がドレーンになる、そのエネルギーが36%と。要するに、外気の
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換気が多いということはエネルギーを非常に消費するわけです。
お客さんが多い、あるいは、そこで作業をしている人の率が高い場合は、必要な換気を
しないとCO2濃度が高まりますから。衛生基準はCO2濃度を1,000ppmを上限としている
ので1,000は超してはいけない。ところが、現実にCO2を測定してみると、600とか、700
もないというケースが結構あります。ですから、換気量に関心を持っていただいて、過剰
な換気はしない。1,000ppmを超さない程度にまでは抑制する。抑制は、外気取り入れのダ
ンパを調節すればいいわけですが、そのことにも関心を持っていただいたらいいのではな
いかと思います。
○福川座長
難しいですね。
○常慶委員
難しいですけど、外気のCO2濃度がどのくらいあるかというと、地球全体
では380ppmくらいですが、東京都は、交通量が多いとか何かで、既に400ppmを超していま
した。その400が入ってきて、人が発生する炭酸ガスと混合されて、それが室内濃度を上
げていく。これが1,000ppmを超してはいけないけど、850とか900におさまるくらいに換気
を抑制すると省エネ効果は大きいですね。その点も考慮なさった換気をしたらいいと思い
ます。
○福川座長
CO2の濃度計は簡単な‥‥。
○常慶委員
これは大したものではありません。3~4万円くらいでありますから。照度
計も安いですけどね。照度計、非接触の温度計、CO2の濃度計、こういうものを大きな
事業所はお持ちになって‥‥。ただ、床面積が2,000㎡以上で人が集まるところは、2カ
月に1回必ず換気の測定をしなさいと義務付けられていますので、大きな事業所は2カ月
ごとのデータをお持ちだと思いますので、それをごらんになって、CO2濃度がそう高く
なければ、ちょっと管理するとか‥‥。
○福川座長
熱交換型の換気扇はあまり役に立たないんですか。
○常慶委員
あれは非常にいいと思います。皆さんご存じだと思いますが、空気中の熱に
は顕熱と潜熱がありますね。顕熱というのは、例えば32度を30度に下げる。潜熱というの
は、結露させたり何かするのは、表には見えないけど潜熱としてある。だから顕熱と潜熱
の両方を、うまく室内の冷たい空気を捨てるときに外の空気の湿度や温度を交換してくれ
る。だから全熱交換機と言います。このような全熱交換機をつけているビルが最近は多い
です。ところが、これを上手に使っていないんですね。操作スイッチがあって、全熱交換
機をオンにする場合、バイパスする場合、完全に止める場合。ところが、それを上手に使
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う使い方がわからないものですから、常時バイパスで運転している。そうすると、外気を
そのまま入れる、そして外気を出す、全熱交換していない。ということは、空調エネルギ
ーを非常に消耗しているわけです。
これはどう使うかというと、冷房や暖房をしているときは電熱交換機をオンにして熱交
換する。中間期で、換気だけをして冷暖房しなくても外気がほどほどの温度なら外気を入
れるだけでいいというときはバイパスしなければいけないわけです。それを現場の人が知
らないためにうまく活用できない。かえってエネルギーを多消費しているケースもありま
す。大きな企業さんはみんなおわかりだと思いますが、小さいところではそういう例が非
常に多いので、そういうことも注意しなければいけないと思います。
○福川座長
大きなところは別にして、そういう設備などの知識がきちんとないといけな
いようですね。
○福川座長
ほかには大体よろしいでしょうか。大体こんなところで、結論のようなとこ
ろに来たと思いますが、これで終わりにしたいと思います。
最後ですので一言。
始まりは、基本的には店舗や飲食店を含めてかなりエネルギー多消費型であり、そこで
削減をすることは重要であるということでしたが、もう少し社会問題のような話で始まっ
てしまいまして、それがよかったかどうかはわからないのですが、一応、こういう形でま
とまってきましたので、やればだいぶ下がることもいろいろな報告でわかってきましたか
ら、ぜひ、今後とも、これで終わらないで続いていけばいいと思います。
ホームページのいろいろな取組も、一回こっきりではなくて、永続するように、ぜひ都
のほうにお願いしたいと思います。
長い間、どうもありがとうございました。
○大野部長
最後ですので、私も一言ご挨拶させていただきます。
この省エネ型営業スタイル推進協議会は、昨年10月末に第1回を開かせていただきまし
て、本日までに3回開催させていただきました。委員の皆様方には、大変お忙しい中をご
参加いただきまして、ありがとうございました。
議論の中にも出てまいりましたが、東京都は、大規模な事業者さんには2002年度から計
画書を出していただくという制度を実施してまいりまして、大規模事業者さんの取組状況、
排出量データなどはわかっていました。これは来年度からまたステップアップして新しい
制度に以降しますが、中小の事業者さんについては、その取組状況やデータが全くありま
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せんで、実態がよくわかりませんでした。それがこの間、3回のご議論をいただきまして、
いろいろなお話も伺わせていただきまして、相当すぐれた取組をなさっているところもあ
ることがよくわかりました。同時に、一方で、そうした取組が必ずしも全体には広がって
おらず、逆に言えば、省エネの可能性がまだだいぶあるのではなかろうかということもわ
かってきました。
この協議会の開催と並行して、本日もご紹介申し上げましたが、地球温暖化報告書制度
というものを策定しました。この実際の運用は来年4月から始まりますので、その運用の
中で、これまでにいただいた意見を生かして、中小規模の事業所が多いところでもCO2
を削減するように取り組んでまいりたいと思っております。
また、今後、ご参加いただきました企業の皆様、各業界の皆様には、個別に改めていろ
いろな協力のお願いをさせていただいたり、ご相談をさせていただく機会もあろうかと思
いますので、今後とも力をあわせて東京のCO2削減を進めていければと思っております。
本協議会にご参加いただきまして、本当にありがとうございました。
○岡部担当副参事
協議会はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございま
した。
午前11時53分閉会
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