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「HAクラスタによるガルーン 3 の可用性向上」PDF

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「HAクラスタによるガルーン 3 の可用性向上」PDF
HA クラスタによるガルーン 3 の可用性向上
ビジネスのスピードが早くなっていると言われる昨今、コミュニケーションの重要性が高まってきています。
そのなかで、社内のコミュニケーション基盤としてのポータル型グループウェア「サイボウズ ガルーン 3」(以下、ガルーン 3)には、より高い可
用性を求めるお客様が増えてきました。
「ガルーン 3」を導入されるお客様が可用性向上のために行う一般的な対策は、バックアップです。夜間等に「ガルーン 3」を停止し、テープや
サーバーにバックアップを行います。この場合データは保持されますが、以下の 2 点の問題があります。
データの復元性の問題
バックアップの取得時間までしかデータを戻せません。夜間にバックアップを行っている場合、復旧できるのは前日の夜間のデータになり、
それから障害時までに登録されたデータは復旧できなくなります。
システム停止時間の問題
テープ等のバックアップ媒体からのデータ復元には、運用サーバーへのデータコピー時間がかかります。この間「ガルーン 3」は利用できな
くなります。
コミュニケーションの重要性が高まるに伴い、これらの課題への対応、つまり可用性の向上を検討するお客様は年々増えてきております。
可用性の向上
「ガルーン 3」の可用性を向上させるには複数の方法があります。
1.
ハードディスク面の可用性向上
ハードウェアで障害が起こりやすいのはハードディスクと言われています。その可用性を高めるのが、RAID です。コストパフォーマンス面
から好まれる RAID 5 や、性能の向上も考慮して RAID 0+1、RAID 1+0 を選択されるお客様も増えてきています。
2.
Web サーバーの冗長化
「ガルーン 3」では、Web サーバーと DB サーバーを分離する構成を組むことができます。
Web サーバーを複数台構築した際に、ロードバランサの機能により、特定の Web サーバーの障害時も業務停止なしで、運用を行うことが
可能になります。
3.
DB サーバーの冗長化
「ガルーン 3」で実際にデータを保持するのは DB サーバーです。DB サーバーの可用性を高めるには、主に、2 つの方法があります。
コールドスタンバイ
待機用サーバーを用意し、定期バックアップするデータを、待機用サーバーに保存します。
これにより単純なバックアップ比較して、データコピーの時間が短縮されるため、業務停止時間の削減が可能になります。
ホットスタンバイ
障害時に、待機用サーバーに切り替わる方法です。
データコピーの時間もなく、且つ、障害前のデータを利用できるため、業務停止時間を短縮し、かつ、データの復旧性を高める方法です。
本稿では、「ガルーン 3」のこの HA クラスタ化についてご紹介します。
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記載された商品名、各製品名は各社の登録商標または商標です。Copyright © Cybozu, Inc.
HA クラスタによるガルーン 3 の可用性向上
HA クラスタの構成
DB サーバーをクラスタ化します。実際には、運用系のデータベースサーバーと待機系のデータベースサーバーを用意し、システムに求められる
要件に従って、サーバー構成やディスク構成を以下の構成から選択します。
DB サーバーのクラスタには「共有ディスク構成」と「データレプリケーション構成」があります。
共有ディスク構成
サーバー構成が「1:1 構成」
、ディスク構成が「共有ディスク」の HA クラスタとなります。
稼動系サーバーに障害が発生した場合、待機系サーバーに運用が切り替わります。その際、実データは共有ディスクに存在するため、データ復
旧の時間が発生しません。
「ガルーン 3」では、利用規模に合わせて複数の DB サーバーでの構成を組むことも可能です。
その場合、以下のように待機系サーバーを 1 台とする「N:1 構成」をとることができます。
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記載された商品名、各製品名は各社の登録商標または商標です。Copyright © Cybozu, Inc.
HA クラスタによるガルーン 3 の可用性向上
データレプリケーション構成
共有ディスク構成ではストレージ等の共有ディスクを必要としますが、共有ディスクを必要としない以下のような「データレプリケーション構成」
も選択できます。
共有ディスク構成が、同一のディスクを運用系サーバーと待機系サーバーで共有するのに対し、データレプリケーション構成は、運用系サーバー
のディスクから待機系サーバーのディスクへデータを同期します。一般的には、
共有ディスク構成とは違いストレージ製品が必要ないことから、デー
タレプリケーション構成の方が安価に構築できることが多いようです。しかし、常にデータのミラーを行うことから、共有ディスク構成の方が性
能面では高くなるようです。
クラスタソフトの利用
HA クラスタを構築するには、もちろんサーバーを複数台用意するだけでは十分でなく、クラスタ化を実現するためのソフトウェア(クラスタソフ
ト)も必要となります。クラスタソフトでは、主に以下の機能を実現することができます。
1.
各サービスやサーバー自体に対しての定期的な死活監視
2.
障害検出時の自動対処
サービスが停止している場合はサービスの起動が行われる
もしくは、待機系サーバーへのフェールオーバーが実行される
1. に関しては、サーバー同士が一定の間隔で相互に各リソースの死活監視を行っています。
2. に関しては、運用系サーバーのリソースを停止後、待機系サーバーのリソースを起動し、待機系サーバーが運用系サーバーとしての機能提供を
開始します。そのため、サービスの停止時間は必ず発生してしまいますが、障害からの復旧処理は自動的に行われます。
また、機能 1、2 ともに死活監視や停止 / 起動処理は、クラスタソフトが各サービス用のスクリプトを実行することで実現されます。スクリプトは、
シェルスクリプト等で作成する必要がありますが、各ソフトウェアメーカーでスクリプト作成用のテンプレートが用意されているケースがあります。
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記載された商品名、各製品名は各社の登録商標または商標です。Copyright © Cybozu, Inc.
HA クラスタによるガルーン 3 の可用性向上
「ガルーン 3」アライアンス製品の紹介
「ガルーン 3」が検証を行っているクラスタソフトは以下の通りです。
CLUSTERPRO(NEC)
http://products.cybozu.co.jp/garoon/product/alliance/clusterpro/
LifeKeeper(サイオステクノロジー)
http://products.cybozu.co.jp/garoon/product/alliance/lifekeeper/
HA クラスタの応用
これらの HA クラスタ構成は、可用性を高めようとすればするほど待機用サーバーが必要になり結果高額なシステム投資が必要になります。そ
の場合、仮想化技術を利用することにより、システム投資費用を削減することが可能になる場合があります。
例えば、仮想環境下で、ガルーン以外の複数のシステム共通の待機用サーバーを構築します。そして特定システムの障害時には、待機用サーバー
にて、そのシステムにリソースを多く割り当てます。これにより、ハードウェア費用を削減しつつ可用性を高めることも可能になります。
※実際のシステム構築については、パートナー・SIer にご相談ください。
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記載された商品名、各製品名は各社の登録商標または商標です。Copyright © Cybozu, Inc.
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