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﹁根 醐⋮識識描覇鰯発狂弾 ﹁珊 一一貢 二、九

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﹁根 醐⋮識識描覇鰯発狂弾 ﹁珊 一一貢 二、九
九
公有水面埋立法に基づく埋立
免許を受けて埋立工事が完成
した後竣功認可がされていな
七
戸
克
い埋立地が私法上所有権の客
体になる場合
軌州大鰐
判旨が
本件訴訟は、Ⅹ
﹁原審が適法に確定するところ﹂と
が存在する場所を含む海面六〇〇〇
︹原告砂被控訴人血被上告人︺
事情はうかがえない﹂っ
が、
の追認申請がされ、大分県知事によりこれが認可され
て、その後土地の表示に関する登記がされた。㈲本件
各埋立地についてこれまで原状回復が求められたとの
ら昭和四九年にかけて、旧埋立法三六条二項 ︵昭和四
八年法律第八四号により削除された。︶ に基づく埋立て
Ⅹの父であるCが相続により本件各埋立地の占有を取
得して、平成七年一一月二一日に死亡するまでその占
有を継続した。㈲本件各埋立地の西側に隣接する二帝
の土地も昭和三〇年ころに海面が埋め立てられたもの
であったが、これらの土地については、昭和四八年か
始した。潮Bは、昭和四五年一二月二七日に死亡し、
畑Ⅹの祖父であるBは、同月ころ、Aから本件各埋立
地を代金二二万円で買い受けてその引渡しを受け、販
売用の松を植樹するなどして本件各埋立輌の占有を開
ったが、竣功認可がされることなく同免許は失効した。
基づく埋立免許を受け、遅くとも昭和三二年九月ころ
までには埋立工事を完成し、本件各埋立地は陸地とな
坪について、大分県知事から旧埋立法 ︹−=昭和四八年
法律第八四号による改正前の公有水面埋立法︺ 二条に
立地︹=二個所︺
りである。﹁用Aは、昭和二五年九月三〇目、本件各埋
して述べる事実関係をそのまま転記すれば、以下の通
︻事実︼
彦
に対し、Ⅹの父
埋立地が事実上公の呂的に使用されることもなく放置さ
︹被告口控訴人。上告人︺
照︶。
3
一問題の所在
での法律構成については、いくつかの疑問点がある。
︻評釈︼ 判旨の結論には賛成。ただし、結論に至るま
とができない。﹂
できる。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用するこ
立を肯定した原審の判断は、正当として是認することが
の見解に立って本件各埋立地に対するCの取得時効の成
得時効の対象となるものと解すべきである。これと同旨
し、同時に、黙示的に公用が廃止されたものとして、取
上所有権の客体となる土地として存続することが確定
開始した上記の時点においては、本件各埋立地は、私法
っていたということができる。そうすると、Cが占有を
もはやこれを公共用財産として維持すべき理由がなくな
が、そのために実際上公の目的が害されることもなく、
完全に喪失し、Bによる平穏かつ公然の占有が継続した
七日の時点までには、公共用財産としての形態、機能を
件各埋立地は、Cが占有を開始した昭和四五年一二月二
二=上記M事実︼山−︶㈲︺ の事実によれば、本
四日第二小法廷判決−民業三〇巻一一号一一〇四頁参
きである ︵最高裁昭和五一年囲第四六号、同年一二月二
廃止されたものとして、取得時効の対象となるというべ
として存続することが確定し、同時に、黙示的に公用が
二、九
面に復元されることなく私法上所有権の客体となる土地
っても、上記の場合には、当該埋立地は、もはや公有水
と解すべきである。したがって、竣功未認可埋立地であ
は、もはや同項に定める原状回復義務の対象とならない
め実際上公の目的が害されるようなこともなく、これを
の上に他人の平穏かつ公然の占有が継続したが、そのた
れ、公共用財産としての形態、機能を完全に喪失し、そ
国であるY
︵大分地佐伯支判平成一五年三月一二日民集
公共用財産として維持すべき理由がなくなった場合に
第一蕃
Cが昭和四五年一二月二七日から二〇年間本件各埋立
地の占有を継続したことにより本件各埋立地の所有権
を時効取得し、Ⅹがこれを相続により取得したと主張
して、本件各埋立地の所有権の確認を請求した事案で
ある。
上告棄却。
五九巻一〇号二九四七官ニ、第二審︵福岡高宮崎支判平
成一五年九月九日民集五九巷一〇号二九五六頁︶ とも、
Ⅹの請求を認容したため、国Yが上告。
︻判旨︼
一一貢
海は、特定人による独占的排他的支配の許さ
﹁珊
︵最高裁昭和五五年何ツ第一四七号同六
︵最高裁昭和五四年帥第七三
公有水面埋立法三五条一項に定める上記原状回復
課せられた義務である。そうすると、長年にわたり当該
義務は、海の公共性を回復するために埋立てをした者に
榔
体となる土地に当たらないというべきである。
ら、この時点ではいまだ当該埋立地は私法上所有権の客
に独立した動産たる土砂が置かれているにすぎないか
状回復義務の対象となり得る限りは、海面下の地盤の上
立工事が完成して陸地が形成されても、同項に定める原
号八二四頁参照︶。これらのことからすれば、海面の埋
六号同五七年六月一七R[第一小法廷判浄∵こ民業三六巻五
対象となり得るものである
く、公有水面埋立法三五条一項に定める原状回復義務の
は、その土砂は、海面下の地盤に付合するものではな
が竣功認可を受けて当該埋立地の所有権を取得するまで
入されて埋立地が造成されても、原則として、埋立権者
三六頁参照︶。また、海面を埋め立てるために土砂が投
一年一二月一六日第三小法廷判決∵民業四〇巻七号一二
地に当たらない
たままの状態においては、私法上所有権の客体となる土
せるという制度は採用されていないから、海水に覆われ
態でその一定範囲を区画してこれを私人の所有に帰属さ
れないものであり、現行法上、海水に覆われたままの状
﹁2用
醐
⋮識識描覇鰯発狂弾
﹁根
九半ルヽ
1944号 判例時報
(判例評論574号19)
189
190
公有水面︵臨、こ沌㌫霜讐馳㌶碩〃崇碩”㌦
度が存在していた︵讃旧︶。ただし、この制度が、上記
は、もともとA外一名が正式に免許を受けて埋立を開始したもので、
立の免許が失効した旨を明言していない︵謹㌫諾
睨雛机雛㌘譜詣霊に対して、学説中には適用肯
定説も存在したため︵詔種新雛刊正一一㌫韓還器詳
下︶、適用肯定説に立った場合には、もし仮に最高裁が
立﹂という用語が用いられているが、しかし、この用語
なお、この0無免許埋立に関しては、講学上﹁無願埋
け﹂ た者にすぎない。
先々代Bは、Aから本件竣功未認可埋立地を﹁買い受
かしながら、本件における埋立権者はAであって、Ⅹの
少なくとも免許がされた時点では、将来、免許が失効すること述
なべ
くる
理ように免許が失効していたとしても、埋立権者が
追認により埋立地の所有権を取得する余地はあった。し
﹁原審が適法に確定するところによれば、
詰鳩折㌢謂謂翳譜㍍択詩媚雫︶。にもかかわら
ず、最高裁が
は陸地となったが、竣功認可がされることなく同免許は
一薫∵原審の認定によれば、本件Aの昭和二五年の免許
失効した﹂と述べているのは、∴適切とは思われない。第
︵加配詣噺詣乱打に詣鮨虹Ⅲ諾珊に︶用いられるこ
は、前示H免許失効と0無免許埋立の両者を含む意味で
いたから、右竣功期間の存在を明示して、昭和二七年の
功未認可 ︵未申請︶ の場合も含めた意味で用いられるこ
とも多い。のみならず、この用語は、本件のような日竣
は、免許出願はなされているのであり、また、上記のよ
とすらある。しかしながら、上記のように、臼において
上記判旨のような説示の仕方で埋立免許の失効を導くこ
とはできない。なお、本件Ⅹの祖父Bは、右埋立権者A
が当然に失効せず、その結果、日日に関して適用される
うに、単に竣功認可未申請ないし未認可の状態では免許
埋立土砂等の国への無償帰属を定めた埋立法三五条の規
から本件竣功未認可埋立地を﹁代金二二万円で買い受
立の免許を受けないで埋立工事をした者については、都け﹂た者であり、この売買の法的性質をどう見るかにつ
道府県知事は、工作物の改築¢除却、損害防止施設の設いては、後述する竣功未認可埋立地の所有権との関係で
定が臼に関しては適用されない以上、臼を指して﹁無願
埋﹂とと呼ぶのは不適切である。
失効を論じ、本件事案に埋立法三五条を適用して、次の
にもかかわらず、最高裁は、原審判断にはないH免許
権の範囲に属すると解されるので、この点との関係で
一方、日無免許埋立には、①当初より出願意思のない
も、Aの埋立権が否定されることはあり得ない。
ような論理によって、Ⅹの本件各埋立地に関する時効取
の地盤の上に独立した動産たる土砂が置かれているにす
有権の客体となる土地に当たらない﹂︵躇巳︶、︹H︺
に定める原状回復義務の対象となり得る限りは、海面下
功認可を申請しない場合を含まないとするのが実務上の投棄の結果として事実上生じた埋立等、種々のケースが
処理であり︵諸覧牌覧宗純請出射撃八摘諸謂柑㌔
存在するが︵謂㌔詣詔諾詣臥州︶、昭和四八年改正
の出願に基づく︵鯛舘刷駈詔鮎畿諾︶埋立の追認の制
ぎないから、この時点ではいまだ当該埋立地は私法上所
︵又は追
認︶ の効力消滅として国に引継ぐよう取扱うのは、酷にすぎると思わ
れます﹂との照会に対する回答。建設省河川局水政課︵監修︶=建設
ついて、事実上は指定期間内に竣功しているものまで、免許
定の手続をしないため未完結となっている事例が多く、前
このの
旧取
埋扱
立い
法に
三六条には、これら無免許埋立を行った者
得の主張を認めた。︹Ⅰ︺ ﹁同項︹=埋立法三五条一項︺
項二号にいう﹁工事ノ竣功ヲ為ササルトキ﹂とは、事実埋立のほかに、②出願前ないし免許取得前の埋立、③埋
上埋立工事が竣功しない場合だけを意味し、期間内に竣立区域を越えて行った埋立、さらには、④土砂等の不法
なお、上記Hのうち②の失効事由芦埋立法三四条一
顆嗣︶。
土砂等を無償で国に帰属させることができる︵綱摘に表
た、上記H免許失効の場合と同様、原状回復を免除して
置、原状回復を命ずることができ︵調譜表雛朋︶、ま
三条により埋立権者Aに認められた未竣功埋立地の使用
問題とはなるが、しかし、その占有伊使用は、埋立法二
償で国に帰属させることができる︵謂︶。一方、H埋
雛︶ご﹂の場合には、投入された土砂その他の物件を無
のについては、原状回復義務を免除することができ︵郡
は、原状回復の必要がないか原状回復が不能と認めたも竣功期限徒過を根拠に失効を認定するのならともかく、
する義務を負う︵遥覧条︶。ただし、都道府県知事
立の免許は失効し、免許失効者は公有水面を原状に回復出願時において定められた竣功期間は二年以内とされて
着手または竣功がなされなかった場合︵韻︶には、埋
口r︶、およぴ、②竣功予定顛閏︵調撃︶内に撃主事の
認可の処分があるかまたは申請がなかった場合︵器讃
設計認可の申請を要する場合において、申請に対して不用⋮⋮遅くとも昭和三二年九月ころまでには本件各土地
しかし、H①免許条件により埋立に関する工事の実施
本文。なお、旧埋立法におい て は 、 竣 功 認 可
段階で所有権を取得するもの と さ れ て い た
の日において埋立地の所有権を取得する︵胴攣l
を申請し︵鯛讃二︶、都道府県知事の竣功認可の告示
同
条 項
の項/(、
り、適用否定説に﹂芸実務︵雛梱翫折虻新譜顎詰諾
相謂﹃瑠纏綿庵牒誌面空襲ド︶、したがっ
の場合に、都道府県知事が、同法三二条の監督処分権を
H免許失効の場合にも適用があるかについては争いがあ
行使して、免許を取り消す余地はあるものの、免許が当
て、臼竣功認可の不申請︵艶㌍宗ば㍍耶ル㌍謂︶
の免許を受けた者︵軍紀潤岨硝︶は、埋﹂言開する工
警報附願︶の免許を受けることを要し︵諾法︶、埋立
鵬一︶を埋め﹂昔ようとす る 者 は 、 都 道 府 県 知 事
法旧立流
に埋享去又
お立一ハ
/(、軽水
事が竣功したときは、遅滞なく都道府県知然
事にに
竣す功
認と可
失効
るこ
はない。本件第一害および原審も∵埋
(判例評論574号 20)
判例時報1944号
1944号 判例時報
191 (判例評論574号 21)
︵新版︶
判例
山﹄
︵金融財政事情研究会、一九八t一年︶
四〇頁以下、
︵金融財政事惜研究会、二〇〇
を有していない、との一般論を説示することが
︻3︼大判大正四年一二月二八冒民録二一輯二二七四貢
号二四頁︵野蒜描㌫韻議難敵監餌地﹂︶
︻2︼釜山地方法院判大正三年一二月三日法律新聞九八八
貢︵認粁が譜∵酎紅組虹白桃肯︶
︻1︼東京地判大正三年一〇月九日法律新聞九九二号二三
を、年代順に列挙すれば、以下の通りである。
客体となり得るとの立論を行う。この点に関する判例
と支配価値がある限り、一般の物と同様、私的所有権の
は、右一般論に関しても、㈲海といえども、支配可能性
多かった。他方、私人の所有権を肯定する判例において
地﹂性︶
て私法上の所有権の客体たる性質︵﹁不動産﹂性÷土
由づけの際に、回海ないし海面下の土地は公共物であっ
して私人の所有権を否定する結論をとる判例は、その理
の①自然海没地と③払下げ水面であったが、これらに対
一方、初期の判例において現れた事案は、上記類型中
拗
桁することができるのかについては、疑問が残る。
所有権に関する回否定説・㈲肯定説という一般原則に敷
理を、条文の適用領域を越えて推及し、海面下の土地の
ただ、これら不動産登記法あるいは国有財産法上の処
る。
地﹂性を肯定する見解に立っているものと理解してい
点を捉えて、学説は、㈲海面下の土地に関しても﹁土
㌍蜃箱譜蟹詣緩蒜攣頭帯纏讃戎篭︶、この
︵諾柑珊難関ほ蛮一節諏蛙輔謝婚謂ヰ凋封訓軸㌶
づく行政財産の使用許可を受けるべきものとされており
い、海面および海底の使用に関しては、国有財産法に基
おいては、海を国有財産法上の公共用財産として取り扱
忙詐㍍︶。これに対して、財務省ならびに国土交通省に
有馬厚書芸打論不動産表示登記総論﹄
総論
﹁埋立地が︰︼・▲■′公共用財産として維持すべき理由がな
地く
としての登記能力を有するとされている︵詣鯛誌甜
なった場合には、もはや同項に定める原状回復義務の対
象とならないと解すべきである。したがって、竣功未認
可埋立地であっても、上記の場合には、当該埋立地は、
もはや公有水面に復元されることなく私法上所有権の客
と、闇付合による埋立土砂の所有
判昭和六一年一二
では、Ⅲ明治期になされた干潟
示的に公用が廃止されたものとして、取得時効の対象と
体となる土地として存続することが確定し、同時に、黙
このうちの判旨︹Ⅰ︺
なる﹂︵媚巳︶。
︵後掲︻18︼︶
の払下げの効力が争われた最 ︵ 三 小 ︶
月一六日
判昭和五七年六月一七日
では、㈲時効による
判昭和五一年一二月二
が、また 、 判 旨 ︹ H ︺
が引用されている。以下、これらの引
︵二〇〇 三 年 ︶ 一 頁 、 一 六 五
︵二 〇 〇 四 年 ︶ 一 頁 参
記の手続をとっており、この点を捉えて、登記実務では
回海面下の土地の﹁不動産﹂性ないし﹁土地﹂性を否定
しているといわれる。もっとも、①自然海没地に関して
は、その海没の状態が一時的なものと認定される場合に
限って例外的に私的所有権は消滅せず、不動産ないし土
†下
権の帰属が争われた最︵一小 ︶
︵後掲︻37︼︶
︵後掲︻糾︼︶
所有権取得が争われた最︵二 小 ︶
四日
払下げ海面の﹁土地 ﹂ 性
用判例の論点に即して検討 を 加 え る 。
二
まず、上記引用判例のうちの㈲は、海面下の土地に対
する私人の所有権の成立が争われている三つの類型芦
①自然海没地︵謂鮎諸宗に︶、②人工海面︵人工海
没地︶︵朗報帽鮎謂鎧議場超︶、③払下げ海面
︵棚開鯛諜轟謂蛸珊加鵬面︶のうちの最後のもの︵③︶
イ、「
︵ぎょうせい、二〇〇三年︶一七六頁以下のほか、七戸﹁海面下
である︵サ小鮒鴫感塩湖頭瑞軒離儒即断恥㌫㌔甑謂
﹄
にるに
行政解釈
︵二〇〇三年︶一貫、一六六号
法研究所月報一六三号
の土地所有権関す最近の裁判 例 つ い て 拍 佃 桐 ﹂
ギ面
ル海
法務省の不動産登記実務は、水没地一般につき滅失登
㈲
照号「∃、
本七
〔〉
】
干戸
︵詑霜謂∵酎恕評跳否︶
︻4︼朝鮮高等法院判大正五年五月九日朝鮮高等法院判決
録五巻二号五二一頁9朝鮮高等法院判例一巻民事二七
七貢︵讐配架酢篭篭憫醍猷紅聖
四貢︵崇拝篭甲.軒鮎㌍鍋否︶
︻5︼大阪控判大正七年二月二〇目法律新聞一三九八号二
三頁︵
羽田空港訴訟第一審﹁
判決
︺∵。
・・l
・
︻6︼東京地判昭和三八年三月三〇日下民集一四巷三号五
︻7︼神戸地判昭和三九年六月四日訟務月報一一巻四号五
六書︵︵細詐肘謂㌫船舶紬爾嘩止︶
貢︵開紅絹表紺沌謂詰↑謂硝軸記鴨謁鯛詑絹の︶
︻8︼鹿児島地判昭和五一年三月三一日判時八一六号一二
︻9︼名古屋地判昭和五一年四月二八日行裁集二七巻四号
邁酎違薫警讐瑠耶研僻絹針針︶
六型二頁義務月琴一二巻書方二七二頁︵銅需品
︻10︼名古屋地判昭和五一年四月二八日判夕三三七号二二
二貢︵憎頂遽警視語順﹂完用㌔謡折紺踊面︶
二一七妄︵糊禦工躯謂憎静謂油那証詰讐
︻11︼東京高判昭和五一年七月一二日訟務月報二二巻九号
︻12︼最〓小︶ 判昭和五二年一二月一二日訟務月報二四
四二頁︵諾讐餅穫軋離謂牒即諾誰餌︶
巻一号二五官∵判時八七八号六五官∵判夕三六〇号一
︻13︼福岡高判昭和五四年一二月三日高民業三二巻三号二
窮択鮎︶
五〇頁姦裁月彗一二巻八号八三頁︵諾慧藍軒
、
−
一七六苧行裁集≡巷八号一六七八頁︵離媚撃鞘帽
︻洞山名古屋高判昭和五五年八月二九日高民菓三三巻
﹁∴∵
鳶Ⅷ証違㌫鞘篭肇盛軒−莞︶
︻ほ︼東京地判昭和五七年三月二九日行裁集三三巻三
六〇貢・訟務月報二八巻六号一一九五頁︵誰㌘桐㍍
六一五頁︵Ⅶ篭講鞄湾頭誰諾擢還諾欄諾︶
︻16︼東京高判昭和五七年九月二二日行裁集三四巻九号一
192
(判例評論574号 22)
判例日寺報i944号
︻17︼名古屋地判昭和五九年一〇月三一日訟務月琴二一巻
︵三小︶
判昭和六一年一二月一六日民集四〇巻七
六三三九一貫︵別個諾糟閥臥甲山邁証㌫鯛運︶
︻18︼最
号一二三六頁︵錮肇粁諾悸遽珊瑚監㍊濯巽瑠=
諾讐︶
本判決の引用する右︻ほ︼判決は、川原則論として、
﹁海は、古来より自然の状態のままで一般公衆の共同使
用に供されてきたところのいわゆる公共用物であって、
国の直接の公法的支配管理に服し、特定人による排他的
支配の許されないものであるから、そのままの状態にお
いては、所有権の客体たる土地に当たらないというべき
である﹂としながらも、闇従来の判例において問題とな
っていた①自然海没地および③払下げ海面につき、〓疋
ならない
旨を判示
︻24︼名古屋高判平成九年一月三〇日行裁集四八巻一∼二
号妄︵謹諾相㍍諸服ほ用宗矧朋臥配㌔哲珊
謂相即抽㍍鮮相加謂︶
七巻一二号三五八七頁︵純絹醐即諾詣緋賢㌫且帯餌
︻25︼福岡高那覇支判平成一一年一二月二一日訟務月報四
臥配偶娼計安㌔讃飛脚鮨郡雛祭即開び︶
︻26︼長崎弛大村支判平成一三年三月二三日訟務月報四九
鍋削れ詣瑠.㍉法輪髭那敵組止円跳頂︶
巻一〇号二九一一頁︵謎錨㌫鮎幣相場獅即諾欝
︻27︼名古屋地判平成一三年六月二九日判夕一〇七九号八
1
六頁や判例地方自治二二五号三言︵︵禁断詣臥蒜糠
.
てこれを肯定した最高裁判例である︻ほ︼判決を引用した
き所有権取得肯定の具体的結論を導くため、一般論とし
場合には、あわせて回﹁土地﹂性否定の原則論をも引き
継がざるを得ない。
学説
これに対して、学説は、︻ほ︼判決の先例拘束力から自
制
しての㈲﹁土地﹂性肯定説に立って、①自然海没地。②
由な立場にあるため、かつての判例のように、一般論と
人工海没地。③払下げ海面の事案につき、私人の所有権
講し鮫町議掲荒畑詐配“︶
検討
肯定の結論を導く見解も有力である︵開鮒空誕郡弛諾
㈲
以上を要するに、第一に、︻18︼判決の﹁海は、⋮⋮そ
のままの状態においては、所有権の客体たる土地に当た
な変遷経緯から生じたものであり、①自然海没地む②人
らない﹂との一般命題は、上述したような判例の特殊的
∵∵、・・∵
三貢︵頼掛川絹Ⅵ畑報硝別院馴相恥駕㌍:沌頚髄礪馳
門28窒静岡地判平成一三年九月一四日判夕一〇八四号一四
の条件の下に私人の所有権の客体となり得ることを承認
の成立を否定するという、ねじれた構造を有している。
ての性格を失わないとする︻18︼判決の説示は、②人工海没地につい
髭塁摘︶
︻29︼福岡高判平成一四年二月二八日訟素月報四九巻一
〇号二八九妄︵堰諾欒﹂招戎讐憐鎧瑠和服報
僻詣m択購㌫柁勤詣翫折詰㍍謂礪歳鮒附踊諾禍︶
︵︻24︼︻25︼︻28山︶。だが、これら①︵②︶③の事案につ
門ほ︼判決の主要部分は、①。③に対する私的所有権の成
立可能性を説示した個所である。にもかかわらず、本判
決が、規範的要素の稀薄な上記一般命題の側をとくに切
第二に、右と類似の現象ではあるが、不動産登記法や
り取って引用するのは、適切とは思われない。
ことから、同条を例示しっつ、海も含めた公有水面一般
敷地を含めて私権の目的となり待ない旨を規定していた
が私権の客体とならない旨の立論がなされることがあっ
のまま転用するならば、同じ公有水面である海に関して
右のように、︻ほ山判決以降の裁判例は、︻ほ︼判決の説
た。これに対して、現行河川法二条二項は、河川の流水
示する①自然海没地と③払下げ海面に加えて、②人工海
のみが私権の目的とならない旨を定め、河川の敷地が私
没地についても、①自然海投地と変わるところがないと
権の客体となるとしていることから、旧法下の論理をそ
して、私人による所有権の取得を認めるに至っている
舗相関如謂印刷用諾いひ配鮎謂詣欝開票摘舶場︶
号一〇四頁︵翫鰍踊㍑机ひ択律諸説報配離禦根宗Ⅷ
︻封︼大分地判平成一六年一〇月六日判例地方自治二六行
八河川法の制定前においては、旧河川法三条が、河川が
導く論理もまた、正当ではない。かつて、昭和三七年現
⋮﹁海は一般公衆の共同便用に供される公共用物で閂ぼ
の公て
法、
的海支
面下の土地所有権の肯定。否定の一般論を
配管理に服し、国が特段の立法をした場合は別として及
、特し定
私人
の
番号2727353。こ額輔粁瀾撰器笥離籍醍漂国有財産法上の処理を、法規の予定外の領域にまで推し
︻30︼名古屋高判平成一五年六月二七日LEX︻DB文献
事案解決にとって、必要不可欠な判断要素ではない。
面と区別しての認識が可能である限り、所有権の客体工
た海
る没
土地地
。と
③し
払下げ水面の論点に関する所有権をめぐる
しっつ、しかし、制結論において③払下げ海面の所有権
﹁土地﹂性否
その結果、以後の判例においては、①あるいは③の事案
に関して肯定的な結論を 下 す 場 合 に も 、 ㈲
定の原則論を説示せざるを 得 な く な っ た 。
︻19︼名古屋地判昭和六二年二月二七日判時一二四三号七
ず、
所有権
七頁義夕六五七三〇九頁︵謡頸踵即断鞄相即冊
取得を肯定
号六八頁︵朋開削諾佃鳩絹苅和洋訪削謂靴読甜雛論
︻20︼和歌山地判昭和六二年五月二七日判例地方自治四二
駁完醍諾許かた︶
︻21︼福岡高宮崎支判平成元年∵月二五R判例集未登載
︵摺鮎摘㌍兢紅酢監詣詣幣露頭㌫指摘澗髄
鞘朋礪謂認鵬讐詣凱 詣 讐 ㌍ 悠 ︶
四妄︵撃墜挙証謂射場和個詔粁舗柏甑膿。.
︻22︼名古屋地判平成四年三月一八一出行裁集四三巻三号四
認耶紺増鮎醐闘㌘る︶
︻23︼高知地判平成七年五月二二日判時一五六六号一一九
貢︵詔銅鐸配配詔舘懐い請謁銅器射酎硝師酢沌
二属セシムルコトヲ得﹂と規定していることの反対解釈
事案は、Aから埋立権の譲渡を受けたBが、工事未完
七八一貢
務の代物弁済としてCに譲渡し、CはさらにこれをⅩに
成のまま埋立を中断し、埋立権ならびに投入土砂等を債
除の効果として﹁土砂其ノ他ノ物件ヲ無償テナ国ノ所有
国の所有に属させることができないのは明
から、﹁その︹原状回復︺義務を免除しない限り、︹土砂
も、海水については私権の客体とならないが、海面下の
等の物件を︺
一方、竣功期限徒過によりBの埋立免許が失効したた
譲渡したが、BC、CXの埋立権の譲渡は無許可である
土地については私権の客体となるとの結論が導かれそう
ような形で現行河川法の規定を海に推及させることはせ
なものである。ところが、今日の学説においては、この
のと解すべきは当然である﹂とする。
文上疑いがないから、右の物件が国の所有に属しないも
め、Yが新たに埋立免許を得て埋立工事を完成し竣功認
ことが、海面下の土地が私的所有権の客体とならないこ
なお、同項の﹁無償ニテ国ノ所有二属セシムルコトヲ
ず、かえって、現行河川法二条二項のような規定がない
との根拠とされており、その結果、本件Yも、上告受理
可を受け、埋立地をDおよびEに売却したところ、Ⅹ
で、本件土砂区域が事実上陸地を形成していたとしても
たとはいえず依然Bがその所有を有する﹂ としたうえ
︹三五条二項︺上からも⋮⋮附合によりこれが国に帰し
権は⋮⋮民法︹二四二条ただし書︺ 上からもまた埋立法
が、Yに対し、本件土砂が自己の所有に属するとして、
いるが、ただし、﹁海上に露出していなければ単なる土
において、海面下の土地に私 得﹂との表現は、有償でも無償でもよいことを意味して
が、第一審判決︻35︼は、﹁Bが投入した本件土砂の所有
損害賠償ないし不当利得の返還を請求したものである
﹁5﹂
的所有権が認められない根拠として、旧河川法ら現行河
︵諸指摘畑講話謂︶とされているのは、いまだ陸地
砂の付着であるので、有償ということは考えられない﹂
申立て理由﹁第2﹂
で援用している。
闇 判例
一方、判例においては、戦前には、埋立工事の注文者
権﹂性を喪失すると解する趣旨であろうか。
化していない段階では、投入された土砂もまた﹁所有
川法の上記規定を、類推解釈とも反対解釈ともつかぬ形
このようにして河川法の規定から薫推解釈と反対解釈
の双方が導かれている例からも知られるように、ある特
定の法規を、その適用領域以外に推及させ、一般命題を
定立することは不可能であり、海面下の土地が所有権の
即時取得を理由に、Ⅹの請求を退けた。
民法一九二条の対象たる動産と評価できるとして、Eの
百︵、江渕武彦二西南学院大学法学ノ 論集一五巻三号 ︵一九八l
・
一
′品号一〇三頁︵鈷離瑠璃牒。禍髄鱒二一志。三相
二︶
これに対して、控訴審判決︻36︼は、﹁公有水面はもと
よりその地盤も国の所有に属するものであるところ、埋
の多少にかかわらず、不動産たる地盤の従としてこれに
立のため右地盤に土砂を投入したときは、該土砂は、量
なって独立の権利の対象となりえないものといわなけれ
付合した物というべく、かつ、それは地盤の構成部分と
ばならないので、民法二四二条本文により右土砂は投入
の余地はない﹂
との理由で、Ⅹの控訴を棄却した。
とともに地盤所有者たる国の所有に帰し、同条但書適用
、
埋立法三五条二項の規定は、民法の付合の
︻36︼名古屋高判昭和五四年二月二八目下民集三〇巻一
︻32︼大判昭和三年七月九日法律新聞二九〇二号九百∵法
律評論一八巻民法五五六頁、︻33山大判昭和九年五月二一
と請負人の間での材料たる埋立土砂をめぐる紛争事例
日民集一三巻一〇五一頁が存在したが、判旨は、土砂の
客体たる性質を有するか否かの判断は、海に関する法制
的に決定されるべきものである。にもかかわらず、今R︹
度全体を網羅的に観察しっつ、個々の争点との間で具体
における議論は、公有水面の人工的埋立に関してのみ適
所有権の帰属問題には直接応えていない。
を受けた者に対して、所有権確認ならびに移転登記を請
事案は、無免許で埋立を行った老が、埋立地の払下げ
一軒︶
〇号八八四貢︵上告審︶︵誌諾許諾娼詣蒜謂牒
︻聖名古屋高判昭和三五年一二月二七日届民集一三巻一
だが、戦後、まず次のような判例が現れる。
用される公有水面埋立法の規定を、同法の適用のない事
案にも推及させ、海面下の土地に関する一般原則を定立
の帰属に関する議論にお い て 顕 著 で あ る 。
しょうとしており、それは、次に見る埋立土砂の所有権
埋立土砂の所有権 の 帰 属
求したもので、判旨は、︹Ⅰ︺
公有水面の埋立に関して、=[免許失効や0無免許埋立
三
があった場合、土砂の所有権は謹に帰属するのか。ある
は国有地であるから﹂、付合の規定を適用しうるとし、
規定を排除する趣旨ではなく、土砂等を﹁無償ニテ﹂国
︹二七事件︺ 四六〇頁、
九八l一年︶一一七貢、林修三。時の法令一
つラ ̄
﹁公有水面︵地盤を含む︶
いは、臼免許に基づく埋立の場合にも、公有水面が陸地
また、︹H︺
行政解釈
化していない段階、陸地化したが竣功末認可の段階、竣
Ⅲ
功認可を受けた段階で、 結 論 は 異 な る か 。
八二四頁︵一ル請謁霜雪感譜工艶○封董㌍諒
︻37︼最︵一小︶判昭和五七年六月一七日民集三
′\
七七五号 ︵一九八二年︶一一三頁、阿部泰
︵昭和五七年度︶は ︵法曹会、一九八七年︶
ュ
吾り
写ス
ニト
の所有に帰属させるところに意味があるとした。
巻
︵一九八三年︶ 二三〇百、浅生重機③≡雪間裁判所判例解説民事篇
室ジ
右の論点に関して、昭和三一年七月四冒法制局一発第
︵一
p辺
そして、右判決の後に、本判決の引用する︻37︼最
陸水
二六号港湾局長宛法制局第一部長回答は、H免許失効な
︻35︼津地判昭和四五年六月一〓日下民集二一巻五∼六号
小︶
判昭和五七年六月一七日の事案が登場する。
つき、公有水面埋立法三五条二条が、原状回復義務の免
らびに0無免許埋立の場合の埋立土砂の所有権の帰属に
法芳
1944号 判例時報
193 (判例評論574号 23)
判例時報1944号
(判例評論574号 24) 194
′\
川河
「『 門
る 法立 論地
て、説般埋 説勤 を地右川」 る め て ら属相を然、どさ私
的産認増敦が る 、に に 違有 に こ と ら 下 た所四\一D きに
学 い民 に埋立
が を
と る た に定合見土性 と 原 し さ 埋か下 と 権産可
い に が所でて説
、否こ(ii)、とが関の以解砂否たし」たれ立らの理者」能海(i)る対存有も対昼
付付一
撃翌品
嘉是ご這這這言粁霊雇酢警告慧芸嘉
1944号 判例時報
195 (判例評論574号 25)
それが得られなかった場合の②埋立工事費用の補償なの
いて、当事者が欲しているのは、①埋立地の所有権や、
有無は、③土砂の返還請求や、④公有水面の原状回復と
の関係においてすら、決定的な要素とはならない。もっ
とも、この点に関する判例の立場は微妙である。
返還を求めていない。要するに、判例に現れた事案にお
その結果、同説は、埋立土砂の所有権の帰属に関して
四二九頁︵詣謂宗欝謂誌躇㌍領鰐覿鞭朋梵批
︻43︼高知地判昭和三四年九月七日訟務月報五巻一〇号一
先すると解する。
は、H免許失効ならびに日舞免許埋立の場合には、埋立
いない。さらに、④免許失効−無免許埋立の場合の原状
経由で適用するだけの違いしかも
八八八号一二六
︻47︼は、原告がウラン残土の撤去請求を行うことを目的
的には、物権的請求権の費用負担の問題である一方、
例は、純然たる私法関係の事案であるが、︻46︼が、実質
問題とする必要はない。これに対して、残り四つの裁判
基づく返還を肯定すれば足り、民法上の所有権の所在を
砂利が公共用物であることを根拠として、公物管理権に
河川管理者としては、ただ単に河川法の趣旨および当該
これらの裁判例のうち、まず、︻44︼に関していえば、
艶腔諾詣静軌跡酎誓︶
百二勇くラ妨ン害残排土除撤講去京土に地対明し渡て等、請ウ求ラ事ン件残ウ土原が告土の地土に地付所合有し権てにい某
︻47︼鳥取地判平成一六年九月七日判時
所有権の帰属は、不法行為責任の成否とは直
接関係しない﹂ として、原告の請求を認容
求権はなく:⋮⊥ と主張した事案につき、﹁本件廃棄物についての
ら、原告には、本件土地の所有権に基づく本件廃棄物の
のに対して、譲渡人が﹁本件廃棄物は=⋮・本件土地に附合したか
地所有権を侵害した﹂ ことを理由とする撤去費踊の賠
献番号27二ソ⊥=J3463︵足相即詣猷翫朗報㌍㌔傾城
︻46︼さいたま地判平成三一年八月一〇日LEX−DB文
秒針諾詣諾歳計翫︶
号七七頁︵駕詣蝦説話鰍筋誌翫謂凡㍍沌㍍凱虹
︻45︼東京地判平成一二年三月二九日判例地方自治二二三
諸鮪闘朋”㍍旧観軸択㌫粁胴酢静珊捕諾︶
三八六頁︵謂耶閥㍍謂㌦は鳩椙語義醐詣如晰循相即
︻44︼大津地決昭和四三年二月一九日訟務月報一四巻四号
謂篭窮賢棄堅詣箪詰欝竪
であって、③埋立土砂の返還請求は、およそ想定されて
回復義務︵琵讐玉柏紅︶に関しても、﹁﹃疫深﹄という
立の場合には、埋立法二四条の竣功認可の効栄として、
行為がありうる以上、その土砂を元に戻すことは不可能
法三五条二項の効果として、また、臼埋立権に基づく埋
国または埋立権者が土砂を取得するのであって、右公法
ではないが、原状回復は無駄に費用がかかり、技術的に
規定により、民法の付合に関する規定の適用が排除され
る以上、本判決が引用する︻37︼判決︵枇如い謎︶が述べ
が普通である﹂といわれる︵止相場指摘畑頂諾順鞘︶。
も困難なことが通例である。原状回復義務を免除するの
﹁民法二四二条の不動産の附合
の規定によって﹂埋立権者が土砂の所有権を取得するも
︵民法二四八条︶
さらにいえば、埋立土砂の所有権の所在ないし付合の
批帰さ︶。
ば、原状回復を免脱できるというのであれば、被害者救
としても、廃棄物を付合するような方法で不法投棄すれ
決定されるとの主張に他ならない︵甜㌔琴評茫翫一一一
として土地を買い受けていた事案であり、判旨は、妨害
四貢は、憲法二九条三項の正当な補償をなすべきとする。一方、私人
間において土砂の補償が争われた場合に、付合規定の適用を論ず除
るに
こつき権利濫用等も認定していることから、同判決
排
との意味は、不当利得の規定を直接適用するか、それとも付合の常会
が一般論として成り立つかは疑わしい。また、実際問題
請求に関する規定
の規定により規律される所有権の帰属秩序とは無関係に
た、その本質部分は、補償問題に関しては、付合その他
記︻37︼判決の事案に関する回付合規定適用否定説もま
所在は、有り体にいえば、どうでもよい事柄である。上
の論点にとって、埋立土砂の付合の有無ないし所有権の
し公益的要請の強度により定まるものであって、②補償
は、もっぱら当該行為を規律する法規範の制度趣旨ない
私人との間の紛争において、補償の問題が生ずるか否か
︵相娠㌔諾正秋空苛聖からも知られるように、国と
要しない旨を判示した︻42︼奈良県ため池条例事件判決
つ、その除去につき憲法二九条三項に基づく損失補償を
植栽された樹木等につき付合の有無を問題とせず、か
である。一方、②補償問題に関しても、ため池の堤塘に
いことに関しては、上記学説の対立から明らかなとおり
埋立土砂の所有権の所在と論理的結合関係に立っていな
いない。このうち、①海面下の土地の所有権の問題が、
を決定しなければならない必然性は、そもそも存在して
判断する際に、前提問題として埋立土砂の所有権の帰属
しかも、これら判例で問題となっている①②の論点を
るように、竣功認可時に
のではないと説く︵諾㍍瑚鞘嘩撃訴訟研謂か遥
倉∴37︼評釈一四三貢。山口=住田こ別掲書山九九貢以下、三〇九頁
以下、三本木健治﹁河川の管理﹂ ﹃現代行政法体系9 ︵公務員︰公
もっとも、かかる私法法規適用排除の論理は、海面下
物︶﹄ ︵有斐閣、一九八
四年︶ 三九〇頁も同旨
の土地の何﹁不動産﹂性否定説・㈲肯定説のどちらに立
ったとしても採用可能であり、また、実際にも、㈲肯定
説に立って付合規定の適用排除を主張する見解も存在し
検討
ている︵諾㌫諸︶。
㈱
右のような学説の対立状況から知られるように、海面
下の土地ないし竣功末認可埋立地の﹁不動産﹂性に関す
る回否定説。㈲肯定説の対立と、土砂の所有権に関する
付合規定の〓適用肯定説。日通用否定説の対立は、必ず
しも連動関係にはない。
一方、学説の議論の発端になった︻34︼判決は、無免許
埋立を行った者が、投入土砂の所有権を根拠に、埋立の
て、かかる請求自体、そもそも理由のないものである。
追認を請求する権利を有する旨を主張した事案であっ
他方、本判決の引用する︻37︼判決の事件名は土砂返還請
その他埋立工事に費やした費用の補償であって、当事者
求事件であるが、当事者が求めているのは、土砂の投入
は土砂そのものの返還をまったく考えていない。さら
に、︻38︼判決もまた、本判決と同様、埋立地の所有権が
争われた事案であって、やはり、当事者は、埋立土砂の
196
(判例評論574号 26)
判例時報1944号
ては、裁判所は、当事者に対して訴えの変更をするよう
済が立ちゆかなくなる。なお、︻43︼のような事例に関し
ス﹂とは﹁官有地取扱規則第一二条二所謂官二属スト同
ったものであり、そして、ここにいう﹁国ノ所有二属
公用廃止行為である竣功認可︵鵠謡加㈹か凱は︶がされ
に即していえば、私法法規の適用排除の解除は、明示
−
前示︻18︼判決のような
って公用廃止と認定することをも認めるか − をめぐる
た場合に限られるのか、それとも、それ以外の事実を
;リ﹂とされて いる︵撃転読敗訴誹顎麺喪諸相
的な解釈姿勢に従うならば、
か㌍四︶。それゆえ、上記仙付合規定適用否定説の基本
促すことによって、︻46︼︻47︼と同様、﹁付合させた者勝
の不当な結論を極力回避すべきである。
以上を要するに、およそ一般論として、①土地の所有
ち﹂
な公有水面埋立法が適用される事案に関しては、㈲肯定
公有水面埋立法の適用が問題となっていない事案におい
議論である。なお、この黙示的公用廃止の論点は、上
付合も含めた私法法規の適用可能性一般にかかわる問
であるが、従前の議論においては、私法法規の中でも
もっぱら時効取得の瑛定との関連で論じられてきた。
旧 学説
右﹁公物の時効取得﹂ の論点に関する学説には、
は存在していない。
権の帰趨に限らず、②工事費用の補償、さらには、③土
効取得否定説ないし明示的公用廃止説︵潤一詣飢翳順餌㍑
いずれをとるかはさておき︼、少なくとも本件のよう
ず、本判決が、︻18︼判決のほかに︻37︼判決を挙示しっ
説に立たなければならないはずである。にもかかわら
て、海面下の土地所有権に関して回否定説・㈲肯定説の
また、とくに本判決の引用する門37︼判決のような公有
酢靴謂報㌍詣㌶詣鮎時︶、②黙示的公用廃止
の帰趨ないし付合の有無を論じなければならない必然性
水面埋立法の適用事例に関していえば、私見は、埋立法
つ、何﹁不動産﹂性否定説に立って、﹁いまだ当該埋立
砂の返還請求、④原状回復との関係でも、土砂の所有権
に規定がある場合には、これと抵触する限りで付合その
地は私法上所有権の客体となる土地に当たらない﹂と判
細郎鮎酎此謂謂絹鑓m蓑如関配胱舶針目親指諾郎郎︶、
説︵謡削澗机鵠掴鵠摘謂霜距離別踊軌跡雛釣れ㌔
他の民法ないし私法規定が排除されるとする、川村合規
定適用否定説の﹂り一場が基本的には正当と考えるが、しか 示するのは、判例の引用の仕方としても、正当とは思わ
③時効取得完全肯定説︵詣拍詣鮒轟㌫朗雌㍊鮎
公物の時効取得
四
開競釦㍍錆鮒詣鋤取︶のほか、公物の種類に着眼し、
れない。
そして、以上に述べたような付合規定の適用の可否を
④私的所有権の客体となる公物︵諾軋盛雄窮一卵¶
しながら、同説の具体的な主張内容は、埋立法によって
めぐる解釈の筋道は、同じく民法の規定する時効取得の
規律される法律関係の範囲を踏み越えているように思わ
れる。たとえば、土砂等の国の所有への無償帰属を定め
条文の適用可能性についても、等しく成り立つものであ
鎧讐㌢蒜詔電柵鞍効碩⊥訴腋法︶。
の論点につ
対象とならないとする説がある︵娼詣㌔釦請酢㍍
ならない公物︵綱訓如讃︶︵謂︶については、時効取得の
た埋立法三五条二項に関しても、同項にいう﹁土砂其ノ
もあり
豊については時効取得の対象となるが、私権の客体と
︵建物︶
る。すなわち、公有水面埋立法二四条が、竣功認可の告
の中には、独 立 動 産 や 不 動 産
示︵諾訳詣配嘉瑚︶∃これは本件原審も述べるよ
他ノ物件﹂
との間でどのような法律関係が生ずるかについては、埋
得るところ、それらの所有権が国に移転した後、埋立地
−﹂によってはじめて埋立権者が埋立地の所有権を取得す
うに
﹁公用廃止の意思表示﹂と理解することができる︻
また、同条は、H免許失効および0無免許翠玉に関する
立法の何ら規定するところではないというべきである。
規定であって、臼免許に基づく埋立に関しては、何ら触
して、公用廃止行為たる竣功認可がなされるまでは、私
格な規制を加える点にあるから、かかる制度趣旨に照ら
︻52︼行判昭和四年六月一〇日行録四〇韓六〇
立って時効取得を否定
示的?︶ 公用廃止説に
訂︼大判昭和四年四月一〇日刑菓八巻一七四頁︵瑠惑
柑暇駅雛坤.繭馴諾監鮎そ︶
に立
=︰︰明示的公用廃止説 って原判決を破棄
謁︼大判大正さ年二月一日民録二七輯一六〇貢︵深
農相虹詣詣琵請甜︶
器︼大判大正八年二月二四日民録二五輯三三六頁︵糧
熔 判例
る旨を規定している趣旨は、私人の埋﹂り一行為に関して厳
一方、判例は、右﹁公物の時効取得﹂
以下のように変遷した。
れるものではないから、︻37︼判決のように、同条の解釈
を取得することができないものと解される。それゆえ、
人は、いかなる取得原因をもってしても埋立地の所有権
として、臼免許に基づく埋立も含めて、﹁土砂は、その
となることはなく、⋮⋮独立した動産としての存在を失
時効を取得原因とする権利取得を定めた民法の規定もま
投入によって直ちに公有水面の地盤に附合して国の所有
わない﹂との一般命題を定立することもまた不適切であ
た、右埋立法の制度趣旨と抵触する限りで、適用が排除
れとも、黙示的なものでも足りるかー1公有水面埋立法
が、公用廃止につき、明示的であることを要するか、そ
しかしながら、右の点との関係で問題となってくるの
される。
ろう。
の
である旨を明言している。こ
のみならず、右引用のごとく、︻37︼判決は、﹁公有水
面の地盤﹂は﹁国の所有 ﹂
に従
れは、公有水面埋立法一条一項の定める﹁公有水面﹂
定義﹁海⋮⋮其ノ他ノ・⋮÷国ノ所有二属スルモノ﹂
197 (判例評論574号 27)
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1944号 判例時報
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(判例評論574号 28)198
判例時報1944号
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199 (判例評論574号 29)
1944号 判例時報
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排形 よ 図説んて て黙(な う 得同所埋〕がなが能 る「木立適決お決用 な判止決
る さ も 致失黙媒適て理決用 と こ こ 結立維がか し 冒 ○め止有 て と 決関 ○②
公れか さ と 示介用 い論以廃 し と と 果法持害 っ て 的す た の水 排 そ の す そ 黙
物 る かせ的項事た に前止 て がな三す さ 公の に な点有面 除 の②る れ示
、
の 可わ る 埋公 を例 の 従の の 」「確 く(3)五べれ然形使わ で無理 し 上黙右 ゆ 的
、
200
(判例評論574号 30)
判例時報1944号
水面埋立法三五条一項に定める上記原状回復義務は、海
た、臼免許に基づく埋立も含めた一般原則として﹁公有
それ自体の法的性質に関しては一切触れるところがない
三五条の規定は、海面下の土地ないし陸地化した埋立地
︻37︼判決において問題となった公有水面埋立法二四条や
して本判決が引用したことには疑問があった。一方、
た
の公共性を回復するために埋立てをした者に課せられた
︵物︶
る﹁土地﹂性ならびに黙示の公用廃止Eの各々の充足
義務である﹂と述べている点も、不正確である。本稿冒
いては、同法一条一項により、海が ﹁国ノ所有二属ス
と解すべきである。ただし、同法の適用される事案にお
時効取得に必要な二つの 要 件 ≦ 所 有 権 の 客 体
根拠を明示すること︵鮒鞘詣諾蝿語順如綿失、︶にあ
る。
が生じていない事案であるようにも解された。にもかか
頭において触れたように、本件は、そもそも臼免許失効
検討
㈲
い事案においては、海面下の土地が私権の客体となるか
ル﹂と規定されている。これに対して、同法の適用のな
拠に関しては、竣功認可の告示前に埋立権者が行った違
された海面下の土地に関しても、それは、無主物であっ
が、しかし、たとえ右判断に基づき﹁不動産﹂性が認定
価値があるかどうか⊆−により決せられることになる
い以上、もっぱら私法の一般理論‡支配可能性と支配
否かは、他にこの点につき定めた特別の法条が存在しな
うな判示を行ったのは、本判決引用の︻37︼判決が、⇔無
免許埋立の事案であったためであろう。
わらず、本判決がH免許失効を認定したうえ、上記のよ
しかしながら、本判決の理論構成は、右第一こ弟二の
まず、第一の点についていえば、上記本判決の理論構
いずれの側面との関係でも、 疑 問 が 残 る 。
成においては、拗原状回復義務は消滅するが仰の形態的
反行為に対して原状回復その他の処分を命ずるこ一とがで
臼埋立権に基づく埋立に関する原状回復義務の条文根
その具体例としては、埋立法三五条二項の原状回復義務
きる旨を定めた、埋立法三二条一項がある。それゆえ、
要素が喪失しない場合を見逃している点が問題である。
の免除により埋立土砂を無償で国の所有としたが、埋立
もし日日臼の全事例を対象に原状回復を問題にしたいの
たところを民法二三九条二項により国の所有に属したも
考えられる。このような公共的性質を有する埋立地を、
地が公共用財産としての形態・機能を有している場合が
のと解されるから、結論は、上記公有水面埋立法の適用
限り、公益性と抵触する限りにおいて、私法の適用が否
面下の土地に関しては、公共用財産たる性質を失わない
事例と変わるところがない。そして、この国有地たる海
による準用の結果、三二条一項ないし三五条一項に基づ
であれば、︰[免許失効の場合には、三五条一項に基づく
く原状回復の可能性があり、また、臼許可に基づく埋立
った法定取得を含めて排除される︵競郎欄渋㌫絹駅調
定される結果、私人の権利取得は、付合や時効取得とい
原状回復義務があり、0無免許埋立の場合には、三六条
として、原状回復義務が時効消滅した場合を想定する論
に関しても、竣功認可前においては三二条一項を理由と
は適当ではない︵開催鮎踊酎難掲︶。なお、右以外の事例
者もいるが︵慨酢諸聖、しかし、あたかも物権的請
する原状回復の可能性があるがゆえに、いまだ上記制の
国有財産法上の普通財産と評価して時効取得を認めるの
求権が消滅時効にかからないのと同様、公共用財産への
時効取得の要件を充足しない、との説示が行われるべき
ないのは、公有水面埋立法と同様である。その意味では、海面下の
処理は、あくまでも不動産登記法上の技術的・政策的問題にすぎず
これを不動産登記手続以外に推及させ、一般論に敷宿することがで
化しょうが変わるところはない︵謂如如抽㍍誤粗鋼硝
て、以上の点は、この国有地が、海面下にあろうが陸地
昼鎧欄謂議飢郡冊鮎麒朋欄舶艶郎琵謂噛触︶。そし
侵害が持続している限り、原状回復請求権は日々刻々発
というのも、本判決は、㈲の時効取得の要件に関し
ずる意味があるのかが問題である。
しかし、ここでは、そもそも佃原状回復の可能性を論
であった。
生していると辞されるので、原状回復義務について時効
消滅を考える余地はないと思 わ れ る 。
一方、第二の点に関する判例の論理は、拗原状回復義
﹁土地﹂性を有しない、という
務の対象となる限り㈲埋立地が再び公有水面に復元され
る可能性があるがゆえに
︵②人工海没地︶8③
いる。しかしながら、すでに述べたように、回﹁土地﹂
﹁土地﹂となって民法一六二条の要件を満たすと解して
かっているところ、これを喪失させるのは、公用廃止で
っぱら公共用財産たる性質を喪失しているかどうかにか
土地につき、私人が所有権を取得できるかどうかは、も
下の土地ないし自然的あるいは人工的原因で陸地化した
詣艶㌍指摘回る︶。それゆえ、この国有地たる海面
︻柑︼の根幹部分は、①自然海没地
性否定説の根拠として本判決が引用する判例のうち、
は、土地に関する明示的な公用廃止であるが、これに対
ある。この点、公有水面埋立法二四条の竣功認可の告示
て、海面下の土地所有権に関する回﹁土地﹂性否定説を
も、同条は、H免許失効および日無免許埋立の場合に適
立法三五条一項に求めている点が問題となる。というの
払下げ海面に関して、〓疋の場合には所有権が成立する
ものであるが、この点との関係では、まず、本判決が、
用される規定であって、臼埋立権に基づく埋立には適用
がない。
したがって、判旨が﹁埋立権者が竣功認可を受
との命題にあり、これと必ずしも論理的結合関係にない
前提に、佃原状回復の可能性の消滅により刷埋立地が
けて当該埋立地の所有権を取得するまでは、⋮⋮公有水
回﹁土地﹂性否定の説示部分だけを、独立的な法命題と
︻37︼判決を引用しっつ、原状回復義務の条文根拠を、埋
面埋立法三五条一項に定める原状回復義務の対象となり
して、埋立法三五条の原状回復義務の免除は ⋮ 上記の
得る﹂と述べているのは、条文適用に誤りがあるし、ま
拘置所に拘留中の者が脳梗塞
を発症し重大な後遺症が残っ
た場合について速やかに外部
の医療機関へ転送されていた
ならば重大な後遺症が残らな
かった相当程度の可能性の存
在が証明されたとはいえない
岡
林
伸 幸
として国家賠償責任が認めら
れなかった事例
折葉大群
17・12・8一小法廷判決、上告棄却、判例時報一
九二三号二六貢
麻痺という重大な後遺症が残った。そこでⅩはY ︵国︶
から、Ⅹを東京拘置所で保存的治療をすることは不適
当であると判断し、受け入れ可能な病院を探し、Ⅹは
午後三時九分頃に救急車で運び出され、午後三時四一
分に到着した。
同病院に到着したときは、Ⅹは昏睡状態であり、午
後四時三〇分に行われた頭部CT撮影の結果、左中大
脳動脈領域に広範な脳浮腫が出現し、左半球は短小化
し、脳室は拡大しているという状態であり、症状は憎
悪傾向にあった。そこでⅩの弁護人の同意を得て、同
日午後一〇時一五分から四月三日午前○時二三分まで、
Ⅹの前側頭部の緊急関頭減圧手術を施行した。
平成一三年八月当時のⅩの病状は、言語や文字の理
解力。判断力は著しく低下しており、右半身完全運動
に対し、東京拘置所の職員である医師は、Ⅹに脳梗塞
の適切な治療を受けさせるために、速やかに外部の医
療機関に転送すべき義務があったにもかかわらず、こ
れを怠ったなどと主張して、国家賠償法一条一項に基
一三二︶ は、第一回CT撮影の撮影時間は四月一日午
前一〇時七分であると認定した上で、午前八時三〇分
過ぎごろにはⅩに血栓溶解療法の適応があった可能性
が相当程度認められることから、その時点で東京拘置
所の医師は適切な治療を行える専門病院に転医させる
義務があったとした。そしてその義務違反によりⅩは
血栓溶解療法を受ける機会を奪われて重大な後遺症が
残ったわけであるから、Yはこれによって発生した精
神的損害を賠償すべき責任があるとして、慰籍料一〇
〇万円、弁護士費用二〇万円が認められた。
原審判決︵東京高判平17。1。18判時一八九六¢九
八︶ は、第一回CT撮影の撮影時間は四月一日午前九
時三分であると認定した上で、その時点で血栓溶解療
法の適応があったとは認めがたいことなどから、転医
して血栓溶解療法を受けることにより、Ⅹの重篤な後
遺症が残らなかった相当程度の可能性があるとはいえ
ないとして、Ⅹの請求を棄却した。Ⅹが上告した。
づいて、慰籍料及び弁護士費用を請求した。
損害賠償請求書件、最高裁平一七㈲七一五
号
、平
第一審判決 ︵東京地判平16。1・22判夕一一五五8
ように同条は土地の所有権の帰属を定めた規定ではない
九≡
ことから ー 土地に関する公用廃止の意思表示とは評価
できない。
のように、黙示的公用廃止説の一
以上を要するに、海面下の土地が国有地と解される以
上は、潮時効取得の要件に関して、公用廃止のほかに、
私的所有権の客体としての﹁土地﹂化を挙げる必要はな
いから、この点との関係で佃原状回復義務を論ずる必要
性はない。また、公有水面埋立法三五条の原状回復義務
の免除が土地に関する公用廃止の意思表示と評価できな
いことから、公用廃止要件との関係でも価原状回復義務
を論ずる実益はない。
他方、上述したように、原状回復義務が喪失しても公
共用財産としての性質を維持している場合があり得る以
上、山形態的要素の喪失を闇原状回復義務の消滅と評価
することもできないことから、結局、公有水面埋立法の
適用事例であると否とを問わず、海面下の土地ないし埋
立地に関する私人の蒔効取得の成否は、本判決以前の裁
判例︵︻銅︼︻20︼︻38︼ ︶
般理論に従って処理すれば足りるということになる。畑
原状回復義務の消滅や長期間の不行使は、黙示的公用廃
止説の一般要件であるところの旧公共用財産としての形
態的要素の消滅を認定する際の判断斬料の一つとするこ
とで充分である。
以上より、本判決が、本件各埋立地について時効取得
を認定した結論は妥当と解するが、その理論構成に関し
ては、反対である。
ことは分かるらしい。[日を閉じてというと目を閉じる。
︻事実︼ 住居侵入罪で逮捕され東京拘置所に勾留さ
れていたⅩは平成一三年四月一日午前七時三〇分頃、
布団の上で上半身を起こしたままの状態でいるのを環
員が発見した。そこで同日午前八時ごろ、東京拘置所
医務部病院に運び込まれ医師が診察したところ、Ⅹは
脳内出血または脳梗塞の疑いがあり、午前八時一〇分
頃に特定集中治療室に収用された。
午後八時三〇分過ぎに医師が頭部CT撮影をしたと
ころ、Ⅹの脳には低吸収域が写っていることから、Ⅹ
の症状は脳梗塞によるものであると判断し、薬品を投
与した。その後経過観察をし、Ⅹは午後九時二〇分に
は就寝した。
翌四月二日午前七時五〇分頃、Ⅹは﹁こちらの言う
右半身麻痺二三詣障害がある﹂状態であった。同日午
前九時二七分頃、頭部CT撮影が行われ、Ⅹの左の脳
室が圧迫されており、脳浮腰の進行が認められたこと
本件評釈として、大嶺崇¢みんけん ︵民事研修︶五
八八号︵二〇〇六年︶四七貢、福永実色法令解説資料
総覧二九二号︵二〇〇六年︶九四貢、松尾弘﹃平成一
七年度重要判例解説﹄ ︵ジュリスト臨時増刊一三一三
号、二〇〇六年︶ 七三 貢 が あ る 。
(判例評論574号 31)
1944号 判例時報
201
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