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第3節 地震が起きたときの対応

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第3節 地震が起きたときの対応
(3)肢体不自由の人のために
身の安全を図る
普段生活する場所には、物が落ちたり、倒
れないように家族や隣近所の人たちに手伝っ
てもらって家具の固定を必ず行いましょう。
車いすに乗っているときに地震が起きたら、
家具などから素早く離れて、ブレーキをかけ、
頭を守りましょう。
避難するときは
地震の後には道路上に障害物が増え、車い
すでの通行も困難になります。隣近所の人な
どに避難所までの誘導を頼み、早めに避難し
ましょう。
安全の確認
その他の人を介護するときの注意
地震が治まったら、安否を確認するととも
義足や杖などは濡れたコンクリートや砂の
に、調理器具や暖房器具などから火災が発生
上では滑りやすいので、足元に注意して誘導し
していないか、ガス漏れしていないかなど、
ましょう。
安全確認をしましょう。
避難所では
避難協力体制づくり
地域の中に自分で避難することが困難な人
がいる場合は、日ごろからいざというときの
避難協力体制を検討しておきましょう。
車いすや両松葉杖の人が通るためには最低
80cmの幅、車いすが回転するためには直径
150cmの幅が必要です。
避難所に車いすや松葉杖の利用者がいると
きには、車いすなどが通れる通路を確保しまし
車いす利用者を介護するときの注意
ょう。また、避難所に障害者用トイレがない場
車いすに乗るとき、降りるときはもちろん、
合に支障を生じることがないか、本人によく確
止まったら必ずブレーキをかけましょう。
車いすの乗り降りは、フットレストを上げ
て行い、乗り終わったらフットレストに足を
乗せて移動しましょう。
車いすに乗っている人は押している人が感
じる以上のスピードを感じるので、左右をよ
く確認し、ゆっくり押してください。
段差を越えるときには、押す人の足元にあ
るステップバーを踏み、車いすの前輪を上げ、
段差に乗せてから後輪を持ち上げ、進めまし
ょう。また、段差から降ろすときは、後ろ向
きに後輪からゆっくり降ろしましょう。
階段を避難するときは、2人から3人で車
いすを持ち上げてゆっくり移動しましょう。
認しましょう。
(4)心臓・腎臓など内部に障害のある人のために
非常持出し品の用意を
大きな災害が起きると、当分の間、医療行
為が受けられなくなる可能性があります。
必要な医薬品や医療機材などを常に備えて
おくとともに、かかりつけの医療機関と相談
し、いざというときにすぐ支援の得られる医
療機関のリストを作っておきましょう。
避難所では
内部に障害のある人は、外見からは分かり
にくいため、知らない人から誤解を受けるよ
うなこともあります。避難所の職員の人たち
に、早めに自分の身体の状況や生活上の注意
事項などを伝えておきましょう。
避難協力体制づくり
避難所では
地域の中に自分で避難することが困難な人
酸素が必要な人、定期的に人工透析が必要
がいる場合は、日ごろからいざというときの
な人、人工肛門を使っている人、ペースメー
避難協力体制を検討しておきましょう。
カーを埋めている人などは、外見からは分か
りませんが、災害時に医療行為が受けられな
くなると、生命に関わる人がいます。また、
体力がないので、避難所などでの共同作業を
みんなと同じようにできないこともあります。
避難所では、自分で器具の消毒をしたり、
器具の交換をしたりする人もいますので、手
当をすることのできる清潔なスペースを設け
ましょう。
また、身体の状態によって、水、たんぱく
質、塩分、油分などの制限をしなければなら
ない人もいますので、食事を提供するときに
は本人によく確認しましょう。
医療行為を受けられるように
避難所の中にいる内部に障害のある人で、
医療行為を受ける必要のある人は、自主的に
申し出てもらい、行政と連絡を取って早急に
受け入れ病院の確認や移送手段を確保しまし
ょう。
ち
てき しょう がい
ひと
(5)知的 障 害のある人のために
ゆ
揺れているとき
ゆ
あいだ
うえ
お
揺れている間は、上から落ちてくるものな
み
まも
ちか
どから身を守りましょう。近くにテーブルや
つくえ
した
もぐ
ゆ
と
机があれば、その下に潜って揺れが止まるま
ま
で待ちましょう。テーブルなどがないときに
ざ
ぶ とん
あたま
うえ
の
あたま
は、座布団やクッションを頭の上に乗せて頭
にけがをしないようにしましょう。
ゆ
おさ
揺れが治まったら
ゆ
おさ
くつ
は
揺れが治まったら、スリッパや靴などを履
そと
ひ
いて外に出ましょう。
つか
ば あい
ひ なん
じ しん
きんじょ
ひと
たの
ひ
と
が起きたときは、近所の人に頼んで、火が止
かなら
か
じ
お
ちか
ひと
ひと
いっしょ
い
が い しゅつ
じ しん
お
外 出 しているときに地震が起きたときは、
ちか
おお
また、近くで火事が起きたときは、大きな
こえ
となり き ん じ ょ
と一緒に行きましょう。
み
まっているか必ず見てもらいましょう。
ちか
か ぞく
避難するときには、家族、隣 近所の人たち
コンロやストーブを使っている場合に地震
お
なん
避難するときは
で
し
ひと
ぼうさい
さんこう
み
近くにいる人に防災カード(P31を参考)を見
いっしょ
あんぜん
ば しょ
ひ なんじょ
い
せて、一緒に安全な場所や避難所に行きまし
声で近くの人に知らせましょう。
ょう。
ふ
だん
普段からしておくこと
おお
さいがい
お
ひ
びょう い ん
かよ
大きな災害が起きると、病 院に通えなくな
くすり
ひ なんじょ
の
しゃ
くすり
しゅ るい
き
ぼうさい
は、医者に薬の種類を聞いて防災カード
さんこう
き にゅう
たてもの
と
こ
壊れた建物に閉じ込められたり、けがをし
うご
そと
ひと
わ
て動くことができないときは、外の人に分か
おおごえ
だ
ふえ
ふ
もの
るように大声を出す、笛を吹く、物をたたく、
か い ちゅう で ん と う
てんめつ
じ ぶん
い
ば しょ
懐 中 電灯を点滅させるなど、自分の居場所を
し
たす
もと
知らせ助けを求めましょう。
いっしょ
せいかつ
こま
ひ なんじょ
をします。困ったことがあったら、避難所の
ひと
そうだん
人に相談しましょう。
(P31を参考)に記入しましょう。
こわ
ひと
避難所ではたくさんの人たちが一緒に生活
ることがあります。いつも薬を飲んでいる人
い
なん じょ
避難所では
身の安全を図る
まず、動揺している気持ちを落ち着かせま
しょう。
言葉の内容が理解できる人には、
「ここにい
るとけがをするから避難所に一緒に行こう」
などと具体的な言葉をかけて安全な場所まで
誘導しましょう。
言葉の内容をよく理解できない人には、手
を引くか、軽く肩に手をかけて、恐怖心を与
えないようにやさしく誘導しましょう。
避難所では
知的障害のある人の中には、環境の変化を
理解できずに気持ちが混乱したり、状況に合
わせた行動ができない人がいます。
また、中には、治療や投薬が欠かせない人
もいますので、障害の状況に応じた支援を行
いましょう。
(6)精神障害のある人のために
避難するときは
自分で決められた避難所まで行けないとき
には、隣近所の人たちに誘導を頼み、早めに
避難しましょう。
非常持出し品の用意を
大きな災害が起こると、当分の間、医療行
為が受けられなくなる可能性があります。常
時薬を飲んでいる人は、自分の病名や普段飲
んでいる薬の種類などを書いたリストを作っ
ておきましょう。
また、かかりつけの医療機関と相談し、い
ざというときにすぐ支援の得られる医療機関
のリストを作っておきましょう。
避難所では
大勢の人たちと一緒に生活をする避難所で
は、ストレスがたまり調子をくずすことがあ
ります。常時服用している薬は、忘れずに飲
みましょう。
落ち込みやイライラ、不安、幻覚、妄想な
どが出たときや眠れないときには、医療救護
所や精神科医師に相談し、症状に応じた手当
てを早めに受けましょう。
急な環境変化への適応
精神障害のある人の中には環境の変化に適
応できず、感情が高ぶりイライラして落ち着
かなかったり、状況に合わせた行動ができな
い人がいます。地域でともに暮らす人や友人
は親身になって心のケアや相談にのってあげ
ましょう。そのことが精神的支えになると考
えられます。
また、症状が急に変化したときには、専門
の相談所などに相談するよう助言しましょう。
避難所では
精神障害のある人の中には心理的に孤立し
てしまう人もいます。知人や仲間と一緒に生
活できるように避難所職員に配慮を求めるよ
うにしましょう。
慣れない避難所生活は身体ばかりでなく、
精神の症状も悪化しやすくなります。
また、災害直後よりも、被災してしばらく
経過した後に疲れや精神的な不安が強くなっ
てくるものです。薬を正しく服用しているか
注意をしてあげるとともに、身体や心の調子
に何らかの症状が出たときには、早めに医療
救護所や、かかりつけの医師に相談するよう
にしましょう。
また、精神障害のある人とともに生活して
いる家族や保護者の人たちの苦労を理解して、
避難所などで一緒に生活できるよう、協力で
きることには手を貸し、思いやりを持って支
援しましょう。
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