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租税特別措置法等(酒税、たばこ税関係)の改正 目 次 一 酒税関係 4 みなし製造の規定の適用除外の特 1 清酒等に係る酒税の税率の特例の改 例の創設 …………………………………597 正 …………………………………………595 5 構造改革特別区域法における酒税 2 入国者が輸入するウイスキー等に係 法の特例の改正 …………………………597 る酒税の税率の特例の改正 ……………596 二 たばこ税関係 3 ビールに係る酒税の税率の特例の改 1 入国者が輸入する紙巻たばこに係 正 …………………………………………596 るたばこ税の税率の特例の改正 ………599 一 酒税関係 1 清酒等に係る酒税の税率の特例の改正 ③ 単式蒸留しょうちゅう 平成15年4月1日から平成19年3月31日ま で 本則税率の100分の70 ⑴ 改正前の制度の概要 清酒、合成清酒、連続式蒸留しょうちゅう、単 平成19年4月1日から平成20年3月31日ま 式蒸留しょうちゅう、果実酒又は発泡酒(麦芽比 で 本則税率の100分の75 率が50%未満でアルコール分が10度未満のものに 限られます。 )の製造者が、 平成元年4月1日(合 ⑵ 改正の内容 成清酒及び発泡酒については平成15年4月1日) 本特例は、清酒等の増税に伴い、中小零細な事 から平成20年3月31日までの間にこれらの酒類を 業者が多いこれらの酒類の製造者に与える影響を その製造場から移出する場合において、前年度の 緩和する観点から講じられた措置ですが、中小零 それぞれの酒類の課税移出数量が1,300キロリッ 細な清酒等の製造者を取り巻く状況が厳しいこと トル以下であるときは、その酒類の製造者がその から、これらの製造者の経営の安定化を図る必要 年度に移出するそれぞれの酒類(酒税法第30条第 性等が勘案され、軽減割合の見直しを行った上、 3項(再移出控除)の適用を受けるものは除かれ その適用期限を平成25年3月31日まで5年延長す ます。 )の200キロリットルまでのものに係る酒税 ることとされました。 の税率は、次のとおりとされていました(旧措法 本特例の適用を受ける酒類に対する改正後の酒 87)。 税の税率は、次のとおりです(措法87)。 ① 清酒又は連続式蒸留しょうちゅう ① 清酒、連続式蒸留しょうちゅう、単式蒸留 平成15年4月1日から平成18年3月31日ま で 本則税率の100分の70 しょうちゅう又は果実酒 平成20年4月1日から平成23年3月31日ま 平成18年4月1日から平成20年3月31日ま で 本則税率の100分の75 で 本則税率の100分の75 平成23年4月1日から平成25年3月31日ま ② 合成清酒、果実酒又は発泡酒 で 本則税率の100分の80 平成15年4月1日から平成20年3月31日ま で 本則税率の100分の70 ② 合成清酒又は発泡酒 平成20年4月1日から平成22年3月31日ま ─ 595 ─ 租税特別措置法等(酒税、 たばこ税関係)の改正 れたことに伴い、通関時における納税手続の簡素 で 本則税率の100分の75 平成22年4月1日から平成23年3月31日ま 化を図る観点から講じられた措置ですが、ウイス キー等に係る関税を無税とする関税暫定措置法の で 本則税率の100分の80 平成23年4月1日から平成24年3月31日ま 適用期限が平成21年3月31日まで1年延長される ことから、これに併せて、本特例の適用期限につ で 本則税率の100分の85 平成24年4月1日から平成25年3月31日ま いても平成21年3月31日まで1年延長することと されました(措法87の5)。 で 本則税率の100分の90 ⑶ 適用関係 ⑶ 適用関係 本改正を含む「所得税法等の一部を改正する法 本特例は、「国民生活等の混乱を回避するため 律(平成20年法律第23号) 」は、平成20年4月30 の租税特別措置法の一部を改正する法律(平成20 日に公布されましたが、改正後の本特例は、平成 年法律第9号)」によりその適用期限が暫定的に 20年4月1日から適用されます (経過措置令13①) 。 平成20年5月31日まで延長されましたが、「所得 2 入国者が輸入するウイスキー等に係る 酒税の税率の特例の改正 ⑴ 改正前の制度の概要 保税地域から引き取られる酒類のうち、平成20 税法等の一部を改正する法律(平成20年法律第23 号)」によりその適用期限は平成21年3月31日ま でとされています。 3 ビールに係る酒税の税率の特例の改正 年3月31日までに、本邦に入国する者がその入国 ⑴ 改正前の制度の概要 の際に携帯して輸入し、又は別送して輸入するウ 平成15年4月1日から平成20年3月31日までの イスキー等(商業量に達するまでの数量のものに 間に初めてビールの製造免許を受けた者がその 限られます。 )に係る酒税の税率は、次のとおり 製造免許を受けた日から5年を経過する日の属す とされていました。 (旧措法87の5) 。 る月の末日までの間にビールをその製造場から移 出する場合、又は平成15年3月31日以前にビール 対 象 酒 類 税 率 一 ビール(関税についての条 約の税率が無税とされるもの に限られます。)又は発泡酒 200,000円/ キロリットル の製造免許を受けた者が平成15年4月1日から平 成20年3月31日までの間にビールをその製造場か ら移出する場合において、前年度のビールの課税 移出数量が1,300キロリットル以下であるときは、 二 ウイスキー又はブランデー (アルコール分が50%以上の もの(2リットル未満の容器 入りにしたものは除かれま す。)は除かれます。) 500,000円/ キロリットル 三 ラム、ジン又はウオッカ 400,000円/ キロリットル 四 リキュール 300,000円/ キロリットル そのビールの製造者がその年度に移出するビール (酒税法第30条第3項(再移出控除)の適用を受 けるものは除かれます。)の200キロリットルまで のものに係る酒税の税率は、本則税率の100分の (注) 本特例の適用を受けるウイスキー等につい ては、消費税を課さないこととされています (措法86の3)。 80とされていました(旧措法87の6)。 ⑵ 改正の内容 本特例は、中小零細なビール製造者の創業期の 経営基盤の強化に資する観点から講じられた措置 ですが、中小零細なビール製造者を取り巻く状況 ⑵ 改正の内容 が依然として厳しいことから、引き続き創業期に 本特例は、ウイスキー等に係る関税が無税とさ おける支援の必要性が勘案され、その適用期限を ─ 596 ─ 租税特別措置法等(酒税、 たばこ税関係)の改正 平成22年3月31日まで2年延長することとされま した(措法87の6) 。 以上で、課税済みのものであること。 ② 蒸留酒類と混和をする物品は、糖類、梅等 であること。 ⑶ 適用関係 (注) 蒸留酒類と混和できる物品は、次の物品 本改正を含む「所得税法等の一部を改正する法 以外のものとされています(措規37の4)。 律(平成20年法律第23号)」は、平成20年4月30 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃ 日に公布されましたが、改正後の本特例は、平成 ん、きび、ひえ若しくはでんぷん又はこ 20年4月1日から適用されます(経過措置令13①)。 れらのこうじ 4 みなし製造の規定の適用除外の特例の 創設 ぶどう(やまぶどうも含まれます。 ) アミノ酸若しくはその塩類、ビタミン 類、核酸分解物若しくはその塩類、有機 ⑴ 制度創設の背景 酸若しくはその塩類、無機塩類、色素、 酒税法では、税負担の公平性等の観点から、酒 香料又は酒類のかす 類に他の物品を混和した場合において、混和後の ③ 混和後新たにアルコール分が1度以上の発 酵がないものであること。 ものが酒類であるときは、一定の場合を除き、新 たに酒類を製造したものとみなされ(酒法43) 、 また、本特例の適用を受ける混和は、混和する 酒類の製造免許を受けなければならないこととさ 蒸留酒類の数量が営業場ごとに年間(4月1日か れています(酒法7) 。 ら翌年3月31日まで)1キロリットルを超えない 一方、近時、地方公共団体等から、民宿等にお 範囲内で行うものに限るものとされています(措 ける地域の特性を活かした酒類の製造・提供を容 法87の8②)。 易にするよう求める要望が寄せられていました。 なお、本特例の適用を受けた混和後の酒類は、 このような状況にかんがみ、地域の活性化に資 その営業場で飲用に供する場合を除き、譲り渡し するとの観点から、みなし製造の規定の適用除外 てはならないこととされています(措法87の8③)。 の特例を創設することとされました。 ⑶ 適用関係 ⑵ 制度の内容 本特例は、所得税法等の一部を改正する法律(平 酒場、料理店その他酒類を専ら自己の営業場に 成20年法律第23号)の公布の日(平成20年4月30 おいて飲用に供することを業とする者が、その営 日)から適用されます(経過措置令13②)。 業場において飲用に供するため、その営業場にお いて蒸留酒類と他の物品(酒類は除かれます。 ) との混和をする場合には、みなし製造の規定を適 用しないこととされました(措法87の8①) 。 5 構造改革特別区域法における酒税法の 特例の改正 ⑴ 改正前の制度の概要 (注) 「蒸留酒類」とは、連続式蒸留しょうちゅう、 酒税法では、酒税の保全を図る観点から、酒類 単式蒸留しょうちゅう、ウイスキー、ブラン の製造について免許制を採用し、酒類の年間製造 デー、原料用アルコール、スピリッツをいう 見込数量が一定量(最低製造数量)に達しない場 ものとされています(酒法3五)。 合には、酒類の製造免許を受けることができない 本特例の適用を受ける混和は、次の要件に該当 するものに限るものとされています(措令46の8 こととされています(酒法7①、②)。 (注) 主な酒類の製造免許に係る最低製造数量基 の2) 。 準 ① 混和前の蒸留酒類は、アルコール分が20度 ─ 597 ─ ・ 清酒、連続式蒸留しょうちゅう、ビール 租税特別措置法等(酒税、 たばこ税関係)の改正 ……60キロリットル 合に限られます。)における構造改革特別 ・ 単式蒸留しょうちゅう 区域内において生産された果実(災害等に ……10キロリットル より構造改革特別区域内において生産され ・ 果実酒、その他の醸造酒、リキュール た果実を原料とすることができなくなった ……6キロリットル ことにつき地方公共団体の長から証明を受 一方、構造改革特別区域法では、酒税法の特例 けた場合には、構造改革特別区域以外の地 として、構造改革特別区域内において農家民宿等 域において生産された果実も含まれます。 ) を併せ営む農業者が、その構造改革特別区域内の 等とされています(特区規1①) 。 製造場において、自ら生産した米を原料として濁 なお、濁酒についても同様の改正が行わ 酒を製造するため、その他の醸造酒の製造免許を れています(特区規1②)。 申請した場合には、その製造免許に係る最低製造 ② 交流人口の拡大や地域農産物の利用促進 数量基準を適用しないこととされていました(旧 を図る観点から、その地域の特産物である農 特区法28) 。 産物を原料とした果実酒又はリキュールを構 造改革特別区域内の製造場において製造しよ ⑵ 改正の内容 うとする者が、果実酒又はリキュールの製造 地方公共団体等からの要望等を踏まえ、酒税の 免許を申請した場合には、その製造免許に係 保全を図りつつ、地域の活性化に資するとの観点 る最低製造数量基準を果実酒については2キ から、果実酒又はリキュールについても、酒税法 ロリットルに、リキュールについては1キロ の特例として、その製造免許に係る最低製造数量 リットルに引き下げることとされました(特 基準を緩和することとされました。改正の具体的 区法28の2)。 内容は次のとおりです。 本特例の適用を受ける果実酒又はリキュー ① グリーンツーリズム(農村に滞在し余暇を ルは、それぞれ次のものに限られます。 過ごすこと)の推進を図る観点から、構造改 地方公共団体の長がその地域の特産物と 革特別区域内において農家民宿等を営む農業 して指定した果実(その構造改革特別区域 者が、その構造改革特別区域内の製造場にお 内において生産されたものに限られます。) いて、自ら生産した果実(これに準ずるもの を原料とした果実酒 として一定のものも含まれます。 )を原料と 酒類(他の製造場において製造された して果実酒を製造するため、果実酒の製造免 ものに限られます。)と地方公共団体の長 許を申請した場合には、その製造免許に係る がその地域の特産物として指定した農産 最低製造数量基準を適用しないこととされま 物(その構造改革特別区域内において生産 した(特区法28①) 。 されたものに限られます。)又はこれらと なお、本特例の適用を受けた果実酒は、構 他の物品(酒類及び農産物は除かれます。) 造改革特別区域内に所在する自己の営業場又 を原料としたリキュール は製造場において飲用に供する場合を除き、 販売してはならないこととされています(特 ⑶ 適用関係 区法28③、特区規2) 。 改正後の本特例は、構造改革特別区域法の一部 (注) 自ら生産した果実に準ずるものとして を改正する法律(平成20年法律第35号)の公布の 一定のものは、災害等により自ら生産した 日(平成20年5月21日)から適用されます(特区 果実を原料とすることができなくなった場 法改正法附則①)。 合(地方公共団体の長から証明を受けた場 ─ 598 ─ 租税特別措置法等(酒税、 たばこ税関係)の改正 二 たばこ税関係 1 入国者が輸入する紙巻たばこに係るた ばこ税の税率の特例の改正 ます。 ⑵ 改正の内容 ⑴ 改正前の制度の概要 本特例は、紙巻たばこに係る関税が無税とされ 保税地域から引き取られる製造たばこのうち、 たことに伴い、通関時における納税手続の簡素化 平成20年3月31日までに、本邦に入国する者がそ を図る観点から講じられた措置ですが、紙巻たば の入国の際に携帯して輸入し、又は別送して輸入 こに係る関税を無税とする関税暫定措置法の適用 する紙巻たばこ(商業量に達するまでの数量のも 期限が平成21年3月31日まで1年延長されること のに限られます。 )に係るたばこ税の税率は、 1,000 から、これに併せて、本特例の適用期限について 本につき7,000円とされていました(旧措法88の も平成21年3月31日まで1年延長することとされ 2)。 ました(措法88の2)。 (注) 本特例の適用を受ける紙巻たばこに係るた ばこ特別税の税率は、1,000本につき500円と ⑶ 適用関係 されています。 本特例は、「国民生活等の混乱を回避するため また、本特例の適用を受ける紙巻たばこに の租税特別措置法の一部を改正する法律(平成20 ついては、消費税を課さないこととされてい 年法律第9号)」によりその適用期限が暫定的に ます(措法86の3)。 平成20年5月31日まで延長されましたが、「所得 したがって、本特例の適用を受ける紙巻た 税法等の一部を改正する法律(平成20年法律第23 ばこに係る税負担は、たばこ税及びたばこ特 号)」によりその適用期限は平成21年3月31日ま 別税を合わせて1,000本につき7,500円となり でとされています。 ─ 599 ─