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北川ダムにおける魚のへい死(12 月 8 日)について

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北川ダムにおける魚のへい死(12 月 8 日)について
北川ダムにおける魚のへい死(12 月 8 日)について
平成25年12月20日
12月8日に北川ダムで確認された魚のへい死について、調査結果と今後の
対応をお知らせします。
【問い合わせ先】
大分県企業局工務課
ネットワーク推進監 吉用(ヨシモチ) 和史
TEL 097-534-6773/FAX 097-532-1712
大分県土木建築部河川課
防災調整監 高瀬 年生
TEL 097-506-4599/FAX 097-506-1775
北川ダムにおける魚のへい死(12 月 8 日)について
1.発生~現時点の状況
①魚のへい死
発生日 :平成25年12月8日(日)
発見場所:北川ダム堤体上流側(佐伯市宇目南田原)
魚 種 :ハス、ホンモロコ等
数 量 :数百匹
発生日 :平成25年12月10日(火)
発見場所:下赤ダム堤体上流側(宮崎県延岡市北川町下赤)
魚 種 :ハス、ウグイ、ホンモロコ
数 量 :数十匹
②下流河川内魚の死がい除去
発生日 :平成25年12月12日(木)~19日(木)
発見場所:一級河川五ヶ瀬川水系北川河川内
(宮崎県延岡市北川町下赤~八戸)
魚 種 :ボウズハゼ、チチブ、ハス、オイカワ
数 量 :19日までの処分量 下流河川分152kg
現在、北川ダム水位はダム湖内にて施工中の北川ダム維持流量放流設備工事
(注1)に伴い、例年の水位と比較して25m程度低くなっている。
2.調査内容
① 簡易水質測定:12月10日以降毎日企業局にて実施
水温、電気伝導率、溶存酸素、濁度
測定箇所 11ヶ所
(北川ダム付近4ヶ所、ダム湖上流域4ヶ所、北川発電所下流3ヶ所)
② へい死魚の分析:12月10日(北川ダム)11日(下赤ダム)、12日
(八戸地区)採取
県農林水産研究指導センターにて分析
③ 水質検査:12月11日採水(4ヶ所:北川ダム3ヶ所、下赤ダム1ヶ所)
生活環境項目に準拠する13項目・・・検査機関:衛生環境研究センター
水道水質基準に準拠する44項目・・・検査機関:大分県薬剤師会
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④ 魚類によるモニタリング(注2)
北川ダム湖及び下流2地点(北川発電所、下赤発電所)で魚類を用いた河
川水のモニタリング監視を継続中
3.現時点での判明事項
・上記①の結果:12月10日の水中の溶存酸素濃度がダム付近では4.6
mg/L と、例年同時期の値(9mg/L 程度)より低いだけでなく、一般に魚類
の生息に必要な5mg/L を下回っていた。
(注3)また、9日に降雨があった
ことを考慮すると、8日は10日の測定値よりもさらに低かった可能性があ
る。
・上記②の結果:北川ダム、下赤ダムで発見された魚のへい死原因は寄生虫
や病原性細菌ではない。下流の八戸地区で発見された魚の死がいについては、
一部は腐敗が進んでおり、細菌検査は実施できなかった。
・下流河川内では、新たにへい死した魚が見つかっていない。
・上記③の結果:念のため、ダム湖の水をそのまま飲用する場合を想定し、
水道水質基準について大分県薬剤師会で検査を行った。4地点で採水したが、
魚のへい死が確認されたダムの取水口付近の結果は、ヒ素が0.013mg/L、
鉄0.37mg/L、マンガンが0.54mg/L と水道法に基づく水質基準を超
過していたが、ヒ素の値が同様に超過した県内の河川において魚のへい死が
発生した事例はない。
・また、環境基準についても、衛生環境研究センターでも水質調査を行った。
同様に4地点で採水したが、取水口付近の結果は、溶存酸素が6.0mg/L、
ヒ素が0.011mg/L と環境基準を満たしていなかった。
・上記④の結果:ダム湖および下流2地点で実施中の魚類によるモニタリン
グでは異常がない。
・延岡市への聞き取りの結果、北川の表流水を取水している水道施設はなく、
北川の近傍で取水している水道施設は八戸地区の簡易水道(浅井戸)のみで
あったが、同地区の浅井戸の水質についても異常がないと聞いている。
4.まとめ
調査の結果、寄生虫および病原性細菌や水に含まれる成分が魚のへい死へ
与えた影響の可能性は小さかったと考えられる。一方、水中の溶存酸素濃度
については魚類の生息に必要な数値を下回っていたことから、現段階では北
川ダム湖内の魚のへい死は水中の酸素不足により発生したと推測される。
なお、今回の水質検査結果におけるヒ素の最大値は0.013mg/L となっ
ているが、ヒ素による急性毒性を生じるレベルは1日の摂取量が70~20
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0mg 程度といわれており、健康影響が生じるレベルではない。
参考に、平成24年度の公共用水域の水質測定結果では八坂川で0.01
1mg/L、朝見川で0.015mg/L、町田川で0.019mg/L と環境基準を達
成していなかったが、いずれも魚等への影響はなかった。
また、鉄(基準値:0.3mg/L)およびマンガン(基準値:0.05mg/L)
は、水道水質基準が設定されており、水道水として利用する場合に異常な臭
味や洗濯物の着色などの生活上の支障を来さないという点から設けられた項
目である。
5.今後の対応
・当分の間、1日2回北川ダム湖、下赤ダム湖および下流約10kmの川坂大
橋地点までの河川巡視点検を実施する。
・下赤ダムで毎日1回、北川ダムで週1回の簡易水質測定(水温、電気伝導率、
溶存酸素、濁度)により湖内環境の経過観察を行う。
・北川ダム4ヶ所、下赤ダム1ヶ所で週1回の水質検査を実施し経過観察を行
う。
・ダム湖1ヶ所及び下流2ヶ所での魚類によるモニタリングを継続する。
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(注1)北川ダム維持流量放流設備工事
これまで北川ダムからすぐ下流の河川には水が流れるようになっておらず、
北川ダムから北川発電所までの約4.5km間が水の少ない河川となってお
りました。
この区間の河川環境改善のためダムからすぐ下流に河川維持のための水を流
す設備を整備しております。
工事は、ダム湖斜面での施工となることから雨の少ない渇水期にダムの水位
を下げて行う必要があります。
北川ダム状況図
無水区間:北川ダムから北川発電所への導水により河川の水が無い区間
減水区間:北川ダムから北川発電所への導水により河川の水が少ない区間
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(注2)モニタリング
各地点の河川水でヒメダカを飼育し、観察を行っている。
写真:下赤発電所内にてダムの貯留水を汲み上げ、そのまま飼育箱に常時か
け流している。
(注3)溶存酸素
出典)新・公害防止の技術と法規2013水質編
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