...

1.クリーニング作物の有効利用

by user

on
Category: Documents
30

views

Report

Comments

Transcript

1.クリーニング作物の有効利用
1.クリーニング作物の有効利用
1)技術の特徴
イネ科作物を栽培することにより 、塩類集積を回避する手段である 。根が深く入り 、
生育が 早く肥料 吸収量の 強いト ウモロコ シやソル ガムなど を作付け し、余剰の肥料分
を 吸収させ た後、茎 葉を圃場 外へ持 ち出すこ とで環境 に負荷を 与えるこ となく栽培地
の浄化を図ることができる。
2)技術の具体的方法
(1)クリ ーニング 作物は、 根量が深 く入り生 育が早 くて土壌 中から養 分吸収力の強いト
ウモロコシ、ソルガムなどの作物を利用する。
(2)野菜 収穫後に ソルガム 等のクリ ーニング 作物を 10a 当り3∼ 5kg播種する。クリ
ーニ ング作物 は初期生 育が緩慢 で中期以 降に急 速に伸長 し、3ヶ 月くらい栽培する
と7∼10tの生産量となるので、作物収穫後圃場外に出す。
表C−1
青刈作物
クリーニング作物の栽培例 (福岡県S61.9)
播種法
播種量
元肥施肥量 (㎏/10a)
作
型
(㎏/10a) 5月 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4
5 ∼10
収量
(㎏/10a)
N
P2O5 K2O
トウモロコシ 条 播 7∼10
8
8
8
散 播
ソルガム
条 播 3∼5
10
10
10 5 ∼10
散 播
ドリル播
オオムギ
条 播 6∼10
10
10
10 3 ∼ 5
散 播
ドリル播
ライムギ
条 播 8∼13
7
7
7 3 ∼6
散 播
ドリル播
エンバク
条 播 8∼13
7
7
7 3 ∼6
散 播
ドリル播
イタリアンライグラス 散 播 3∼4
10
10
10 3 ∼ 6
ドリル播
注(1) 関東・東 海の試験 例を 参考に作 成。
(2) スーダ ンラ イグラス はソ ルガムに 準ずる。
(3) コ ク シ ビ エ は 5 月 播 き 、 7月 す き 込 み で 施 設 に 向 く 。 播 種 量は 2 ∼ 3 ㎏ /10日 、 収 量 5 ∼ 7 t /10a
(4) 種子量 は条 播では少 なく 、散播、 ドリル播では多くする。施設では多くする。
(5) 施肥量は 残効を考 慮し て、残肥 が高い場合は減肥する。追肥は生育に応じて行う。
施設では無肥料で栽培する。
(6) 収量は収 穫時期が 早け れば少な く、 遅ければ多くなる。
(7) ○∼○播 種期、
収 穫期、
施設での収穫期
3)技術または導入上の留意点
(1)土壌中か ら吸収す る養分の 種類は 、作物の 根の置換 容量によ って異な るが、吸収量
は一 般に作物生育の大きいものが多くなる傾向にある。
(2)施設栽培では無肥料で作付けし 、跡作の作型にあったクリーニング作物を選定する 。
(3)クリーニング作物によって 、土壌中から吸収される養分は 、チッソ 、カリ等が多い 。
(4)クリ ーニング 作物を圃 場にすき 込むと、 養分を 再び圃場 へ還元す ることになり、特
にカ リは施用 後1ヶ月 以内に作 物体養分 の9割 が溶出す る。この ため、作物体は必
ず圃場外に持ち出す。
- 62 -
(5)生育初期に乾燥している場合は、潅水を行って初期生育を促す。
(6)生産 物を家畜 の飼料と して用い る場合は 、含有 する硝酸 態Nの濃 度によって給餌量
を変える。
表C−2
作
物
クリーニング作物の養分吸収量(福岡県2カ年平均)
(10a/kg)
名
部
位
葉
茎
デントコーン
全
葉
茎
ソ ル ゴ ー
全
ブロッコリー
区
無処理
デント
コーン
湛
水
水
稲
体
体
葉
茎
花らい
全 体
N
10.2
8.3
18.5
9.2
6.3
15.5
8.6
3.8
2.9
15.3
表C−3 現地土壌の化学性
採土の
pH
EC
無機態窒素
深 さ
NH4-N NO3-N
H2O KCL 1:5
0∼15 5.6 5.2 1.55
1.7
15.9
15∼25 7.7 5.8 0.17
2.8
2.9
0∼17 6.6 5.7 0.12
1.0
3.8
17∼21 7.0 5.7 0.07
1.2
2.0
21∼30 7.1 5.6 0.05
0.8
0.5
0∼17 6.8 5.8 0.07
1.2
0.3
17∼21 7.3 5.7 0.07
0.9
0.6
0∼17 6.4 5.6 0.40
4.8
1.7
17∼21 7.1 5.6 0.07
3.8
1.6
21∼30 7.1 5.6 0.04
1.4
2.1
- 63 -
P 2O 5
2.4
3.1
5.5
3.5
2.6
6.1
1.8
1.4
0.8
4.0
K
O
11.1
27.9
39.0
7.5
22.8
30.3
4.7
8.0
2.7
1.54
T-N
(%)
CEC
(me)
交換性塩基
Ca
Mg
0.23
0.18
0.16
0.15
0.08
0.17
0.07
0.18
0.08
0.06
13.3
12.4
12.5
10.5
8.3
12.7
7.6
12.4
8.6
7.1
12.5
7.5
9.2
7.8
4.6
7.6
4.3
6.6
6.4
4.6
2
CaO
3.4
2.9
6.3
1.8
2.8
4.6
10.9
3.4
0.6
14.9
3.8
1.8
2.0
1.8
1.1
1.7
1.2
1.1
1.3
1.0
MgO
1.5
2.5
4.0
1.4
2.5
3.9
1.7
0.9
0.2
2.8
K
有効態
りん酸
1.4
0.5
0.5
0.3
0.4
0.6
0.2
1.2
0.3
0.3
126
94
106
64
16
91
21
76
24
16
Fly UP