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いたずらたぬきのポンタくん

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いたずらたぬきのポンタくん
①
①
妙見山に住むポンタくんは、とてもいたずら好きのたぬきの子供です。
化け薬を頭にチョイとふりかけ 「ちちん、ぷいぷい」 とまじないをかけると、
天を衝くような大男の 「あまんじゃく」 になって、みんなを怖がらせたり、
みんなが静かに寝ている夜に、「ドンドコドン・・ドンドコドン・・」と、大きな音で太鼓のようにお腹を叩いて、
誰も眠れません。
ポンタのお父さん、お母さんは、いつもみんなに「すみません、すみません」と、謝ってばかりでした。
②
②
さあ、今日は、学校です。 妙見山など秋の山々が赤や黄色に色づき、山田錦の稲穂も黄金色に実った朝、
ポンタやニッシー、ハバタン、たか坊も一緒に登校します。
「お早う」、「お早う」、一年生になったばかりの「ハバタン」は、学校が楽しくてたまりません。
でもポンタは、「勉強いやだなあ・・・」と、思っていました。
③
③
そんなある日の夜、突然、夜中に台風がきて、「ビュー、ビュー・・・」と、すごい大風が吹き、
滝のような大雨が一晩中、降りました。
朝起きて、びっくり、学校に行く橋は流され、道も歩けないぐらい大きな岩がゴロゴロ。
みんなの学校も少し壊れていました。
④
④
「困った、困った、学校に行けないよう・・」と、みんなは心配し、ハバタンも目にいっぱい涙を
ためていました。
そんな中、「そうだ、みんなで少しでもお金を出し合って、橋や学校を直そう。」と、
豚のトン太郎が言いました。
⑤
⑤
そうして、みんなで頑張ってお金を集めていましたが、不思議なことに募金箱の中に、
ときどき葉っぱが入っていました。
「おかしいな、葉っぱが入っている」・・・。
実は、ポンタは、お金を出すのがいやで、葉っぱに 「ちちんぷいぷい」 とまじないをかけ、
お金に化けさせていたのです。
そんなことは、誰も知りませんでした。
⑥
⑥
みんなが、一生懸命頑張っても、ポンタは、知らないふり、
「学校に行かなくていいから楽しいなあ・・・」 と、今日も川のそばの木の上で、
「ぐうぐう・・」 いびきをかいて寝ていました。
するとある時、ポンタの鼻の孔に、毛虫が落っこちてきました。
⑦
⑦
ポンタは、びっくりして「ヒエエ・・・」と、飛び跳ねました。
それと同時に 「バキッ・・」と、大きな枝が折れて、杉原川に「ドボン・・」と、落ちてしまいました。
そして、深い川の底に沈んでいきました。
⑧
⑧ 「プク、プク・・」水の中でもがいていると、どこからか大きな亀が現れ、
「どうぞ、ポンタ様、お待ちしていました。 私に乗ってください。
なかの国に案内します」と、言ってポンタを乗せて、川の中を泳いで行きました。
⑨
⑨ なかの国に着くと、怖そうな「なまず大王」が魚たちをしたがえて現れました。
「ゴッホン」と、大きな咳をして「この国に来た者は、まず私がテストをして、
「サービス満点の町」か、「サービス0の町」へ案内することになっている。」
「サービス満点の町は、みんなでお金を少しずつ出し合って、助け合って生活している。」
「サービス0の町は、誰も協力しないので、生活するのが大変だ。」と、言いました。
⑩
⑩ ポンタは、それを聞くと「あります、あります、お金ならここに」と言って、
まじないで葉っぱをお金に変えて、なまず大王に差し出しましたが、
葉っぱであることがすぐにばれてしまいました。
なまず大王は、大変怒り、「一度お前をテストする。舌を出してみろ!」と、
言ったので、ポンタは、赤い長い舌を出しました。
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⑪ なまず大王が、ポンタの長い舌を何でも見える大きな虫眼鏡で見ると、
なんと舌には、「学校大きらい、いたずら大好き」と、書かれていました。
なまず大王は、「よくわかった、このいたずら狸は、サービス0の町へ連れて行け!」と、
ザリガニに命令し、いやがるポンタを、なんと「サービス0の町」へ連れて行ってしまいました。
⑫
⑫ サービス0の町は、だれも助け合わないので、たいへん荒れ果てていました。
「お腹が空いたな」ポンタが、岩のベンチで休んでいると、ポンタの一番大事にし
ていた化け薬のビンを、沢蟹達が持って行ってしまいました。
ポンタは、お腹が空いて走れません。
「泥棒、おまわりさん助けて!」と、大声で叫びましたが、どんなに待っても
おまわりさんは来てくれません。
⑬
⑬
しかたなく 「お腹が空いて死にそう、何か食べるものあるかな」 と、歩いていると
大きなシジミを見つけました。
「やった‼」 ぽんたは、さっそくパクリと食べたところ、腐っていたのか、
今度は、急にお腹が痛くなりました。
「お腹が痛いよ! 誰か救急車を呼んで!」 と、大声で叫びましたが、
救急車は来てくれません。
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⑭ ちょうどそこにメダカが泳いできて、「この町は、みんなでお金を出しあって、
助け合ったりしないので、おまわりさんもいないし、救急車も病院も、ゴミの収集車も、
メダカの学校でさえも無いのですよ、つまりサービス0の町なのです、
気を付けてくださいね。」 と、ポンタに言いました。
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⑮ 仕方なくポンタは、1日中、荒れ果てたゴミだらけの町を歩きまわっていると、夜になりました。
川の中から見ると、お月様が笑っていました。
ポンタは、たまらなくなって 「僕、いたずらばかりしていて悪かったよ、お父さん、
お母さん、助けて‼ 僕、妙見山に帰りたいよ」と、お月様に向かって泣きながら、叫びました。
そして、水の中なので「ボコ・ボコ・ボコ」と変な音でしたが、最後の力をふりしぼってお腹を叩いて、
お父さん、お母さんに知らせようとしました。
⑯
⑯ するとどうでしょう、突然、大きな手が水の中に入ってきたかと思うと、ポンタは、「ビューン・・・」と、
空中につまみあげられました。
大きな手は、あまんじゃくでした。 笠形山に住むあまんじゃくが、目を覚ましたのです。
「川の中から変な音がすると思ったので、つまみあげたらいたずらたぬきのポンタか、いつも、ずい分と
俺様の真似をして、みんなを驚かしたな、こらしめてやる。」と、怒りだしました。
ポンタは、「ごめんなさい、もういたずらはしません‼」と、必死で叫びました。
ちょうど、そこにポンタを探していたお父さんやお母さん、ニッシー、ハバタン達がやってきて、みんなであまんじゃくに
「ポンタを許してあげて‼」とお願いしてくれました。
それで、ポンタは、やっと許してもらいました。
⑰
⑰ 「ポンタくん・・どこに行ってたの、みんなとても心配していたのよ・・」と、
ニッシーが言いました。
「ごめん、葉っぱのお金を出していたのは僕なんだ、いたずらばかりしていてごめんね。」
ポンタは、みんなに謝って、今度は、本物のお金を募金箱に入れました。
⑱
⑱ みんなで、お金と力を出し合って協力したおかげで、町は、橋も道路も学校もすっかり元のようになりました。
こんなふうに少しずつ出し合うお金のことを税金と言うのです。
この学校も橋も道路も税金で出来ています。 救急車やおまわりさんにも税金が使われています。
みんなだって、おこづかいで、お菓子を買ったり買い物をしたときは、「消費税」っていう税金を払っているんですよ。
みんなのお父さんお母さんが一生懸命働いて税金を払っているので、みんなは、安心して学校にも行けるのです。
この○○小学校の机や教科書も税金が使われているので、大事にしましょうね・・・。
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