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187.小児の脳腫瘍(PDF)

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187.小児の脳腫瘍(PDF)
小児がん
187
脳腫瘍
の う
し ゅ
よ う
小児の
受診から診断、治療、経過観察への流れ
患 者 さ んとご 家 族 の 明 日 の た め に
小児がんの診療の流れ
はじめて小児がんを疑われたときから、「受診」そして「経過観察」に至
るまでの流れを示しました。
今後の見通しを確認するための目安としてお使いください。
がんの疑い
「風邪のような症状が治らなかったり、
顔色が悪いな
どいつもの様子と違うと感じたり」したら、
まずかか
りつけ医に相談しましょう。
受 診
受診のきっかけや、
気になっていること、
症状など、
何
でも担当医に伝えてください。伝えたいことは、
あら
かじめメモにまとめておくとよいでしょう。いくつか
の検査の予定や次の診察日が決まります。
検査・診断
検査が続いたり、
結果が出るまで時間がかかったりす
ることもあります。担当医から検査結果や診断につ
いて説明があります。検査や診断について理解する
ことは、
治療法を選択する際に大切です。不安や疑
問に思ったことは医療者に尋ねましょう。
治療法の選択
がんや体の状態に合わせて、
担当医は治療方針を説
明します。治療の目的、
効果および副作用について理
解しましょう。信頼できる情報を集め、
お子さんやご
家族、
医療者と話し合い、
お子さんの希望に沿う方法
を見つけましょう。
治 療
治療が始まります。治療中、
困ったことや辛いことな
ど、
気がついたことはいつでも医療者に相談しましょ
う。お子さんにとって、
よりよい方法を一緒に考えて
いきましょう。
経過観察
治療後の体調の変化やがんの再発がないかなどを
確認するために、
しばらくの間通院します。検査を行
うこともあります。
目 次
小児がんの診療の流れ
1. 子どもががんといわれた親の心に起こること ················ 1
2. 小児がんといわれた子どもの心に起こること ················ 2
3. 小児の脳腫瘍とは ······················································ 3
4. 検査と診断 ································································ 5
5. 小児の脳腫瘍の種類 ··················································· 7
1 神経膠腫(グリオーマ)······································· 7
2 胚細胞腫瘍 ······················································· 8
3 髄芽腫 ······························································ 9
4 頭蓋咽頭腫 ····················································· 10
5 上衣腫 ···························································· 11
6. 治療 ······································································· 11
1 手術(外科治療)··············································· 12
2 薬物療法(抗がん剤治療)·································· 12
3 放射線治療 ····················································· 14
4 標準治療と臨床試験 ········································ 14
5 疾患ごとの治療指針 ········································ 15
7. 転移 ······································································· 18
8. 晩期合併症 ······························································ 19
9. 再発 ······································································· 21
診断や治療の方針に納得できましたか? ·························· 22
セカンドオピニオンとは? ··············································· 22
メモ/受診の前後のチェックリスト ································ 23
がんの冊子 小児の脳腫瘍
1
子どもががんといわれた親の心に起こること
1. 子どもががんといわれた
親の心に起こること
がん(腫瘍)という診断を受けることは、わが子を失うかもし
れない恐怖で心がいっぱいになる方が多いでしょう。何がいけ
なかったのだろうかと思い悩み、早く気付けなかった罪悪感に
さいなまれたり、見守ることにつらさを感じたりすることもあ
るかもしれません。精神的な衝撃を受ける中で、治療の説明を
理解し、子どもに伝え、判断していく必要があります。
子どもが命に関わるかもしれない病気になることは、親にと
ってもトラウマ体験になると考えられています。ご家族も気分
が悪くなったり、体調を崩したりすることがあります。
ご家族に心がけていただきたいこと
子どものがんと大人のがんとでは、その性質が全く異なりま
す。小児がんについての情報はいろいろなところから得ること
ができますが、正確でないものもあります。専門家の話をよく
聞いて、現状を正しく理解することが大切です。わからないこ
とは遠慮せずに質問するようにしましょう。
子どもの入院生活はどんなものだろうか、検査や治療に子ど
もは耐えられるのだろうか、入院が始まるときに家族はどのよ
うな態勢を取ればいいのだろうか、ほかのきょうだいの生活は
どのように維持していけばよいのだろうか、と頭の中は大混乱
となることがあるかもしれません。
病院内にも、多方面からサポートするスタッフがいます。さ
さいなことと思ってもひとりで悩まないで、医療スタッフに伝
1
小児がんといわれた子どもの心に起こること
えて適切な相談者を紹介してもらいましょう。
2
一方、ご家族の関心が、病気の子どもに集中してしまうと、
きょうだいは寂しい思いをします。きょうだいにも理解できる
範囲で、病気のこと、今後の見通しについて説明をしておくこ
とが大切です。面会に年齢制限があるなど、きょうだいを会わ
せるのが難しい場合もありますが、できれば会わせたり、電話
で話をする機会をつくるとよいでしょう。
2. 小児がんといわれた
子どもの心に起こること
小学生以上の子どもたちの中には、親と同様に「がん(腫瘍)
」
という言葉から、命に関わるかもしれない病気であると感じる
子もいます。また、幼児期の子どもたちは大人たちの反応を非
常によく観察していますので、周囲のただならぬ雰囲気から大
変なことが起こっているのだということを感じ取ります。
治療を受けるには、
「治したい」という本人の自覚が必要です。
今起きていることや、これからのことがわからない上に、体調
も悪いとなると、子どもはとても不安になります。不安が高ま
ると、いろいろなことに敏感になります。例えば痛みに敏感に
なったり、寝付きが悪くなったりします。納得して治療に臨め
るように子どもにどのように伝えるか、医療スタッフとしっか
り話し合いましょう。周囲から支えられていることを感じなが
ら、この試練を乗り越えることができると、子どもは自分に自
信を持ち、発病前以上に成長できることが知られています。こ
れからの入院生活の中で本人が孤立しないように、家族と医療
チームの間の信頼が築けるような態勢をまず整えましょう。
2
がんの冊子 小児の脳腫瘍
3. 小児の脳腫瘍とは
脳腫瘍の発生率は 10万人に 10人くらいといわれています。
がんは10万人あたり300人くらいであり、脳腫瘍はがん全体の
5%以下にすぎません。ところが子どものがんにおいて脳腫瘍
は白血病の次(2番目)に多く、およそ20%を占めています。子
どもにとって脳腫瘍は決して珍しくない病気です。
一般的に脳腫瘍という場合は、頭蓋骨の中にできたさまざま
な腫瘍を意味します。純粋に脳から発生した腫瘍だけではなく、
ずいまくしゅ
脳を包む膜から発生した腫瘍である髄膜腫や、脳から出ている
し ん け い しょうしゅ
神経から発生した神経鞘腫など、脳の付属物から発生した腫瘍
も含みます。腫瘍には良性のものと悪性のものとがあります。
しんけいこうしゅ
本当の意味での脳から発生した腫瘍としては神経膠腫(グリオ
ず い が しゅ
ーマ)や髄芽腫などがあり、これらのほとんどは悪性の腫瘍で
す。一方、髄膜腫や神経鞘腫など頭の付属物から発生した腫瘍
のほとんどは良性の腫瘍です。大人の脳腫瘍において悪性腫瘍
はおよそ1/3ですが、子どもの脳腫瘍では髄膜腫や神経鞘腫が
少ないため、2/3は悪性腫瘍となります。
脳腫瘍の悪性の程度は世界保健機関(WHO)が定めた4段階の
基準(グレード)で表されます。グレード1の腫瘍は良性であり、
手術で取ることができれば普通は再発の危険はありません。グ
レード2、3および4の腫瘍は悪性です。悪性の腫瘍は周りを取
り囲んでいる脳の中にしみ込むように入り込んでいく性質を持
っています。脳には、体を動かす、話す、見る、聞く、あるい
は食事をする、呼吸をするといった重要な機能がありますから、
中に入り込んでいる腫瘍を丸ごと大きく切り取ってしまうこと
はできません。そのため、手術だけで治すことができません。
3
小児の脳腫瘍とは
完全に取りきれなかった腫瘍に対しては、放射線を照射した
3
り、あるいは抗がん剤を投与したりすることがあります。
はいさいぼう
子どもに多い脳腫瘍は、神経膠腫、胚細胞 腫瘍、髄芽腫、
とうがいいんとうしゅ
頭蓋咽頭腫などです。これらの腫瘍による症状としては、頭蓋
内圧(頭蓋骨に囲まれた脳の入っている部分の圧)が高くなるこ
とによる頭痛や嘔吐、手足の麻痺、よろけたり歩行がおぼつか
なかったり、顔面がゆがむ、眼の動きがおかしい、視力が低下
する、異常に水分を欲しがり尿が多い、けいれん発作を起こす
などがあります。このような症状がみられた場合は、速やかに
かかりつけ医に相談することをお勧めします。
小児期の脳腫瘍は、発育期の脳に重大な影響を与えます。ま
た、脳腫瘍を治すための治療も、小児期の脳が発育過程にある
ため、重大な影響を与えかねません。従って、小児脳腫瘍の治
療には生命予後のみならず、機能的予後についての十分な配慮
が必要です。
4
がんの冊子 小児の脳腫瘍
4. 検査と診断
1 頭部CT 検査と頭部 MRI検査
頭蓋骨の中の様子を調べる
図1 正常な脳のMR画像
検査には主にX線を利用する
CTと磁場を用いる MRIがあ
大脳
ります。脳腫瘍の診断に際し
小脳
ては 3 方向の断面像の情報
脳幹
と、正常組織と腫瘍組織を区
別しやすいMRI(図1)がよく
用いられます。特に造影剤を
使用して、腫瘍の性質など、
より詳しい情報を得ることが
可能です。
2 病理検査
脳腫瘍の種類を確定するための診断(確定診断)は、手術で得
られた腫瘍組織の病理検査*によって行われます。手術で摘出で
きない部位の腫瘍も、近年では組織の一部を採取して検査を行
う技術(生検)が向上してきています。これをもとに治療を選択
するので、病理検査による診断は極めて重要です。例外として、
組織を採取することが危険な部位であり、画像検査で診断が可
病理検査:採取した組織に腫瘍細胞があるのか、あるとすればどのよう
*
な種類の細胞なのかなど顕微鏡を使って調べること。
5
検査と診断
能な脳幹グリオーマや視神経グリオーマでは、積極的な生検は
4
行いません。
3 腫瘍マーカー
胚細胞腫瘍の一部ではβhCG(β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
やAFP(アルファフェトプロテイン)という特別な物質を産生す
るため、それを測定することは診断の助けになるほか、治療効
果を示すマーカーとして用いられます。これらは血液検査や髄
液検査で知ることができます。
4 髄液検査
じょういしゅ
ずいまくはしゅ
髄芽腫や上衣腫、一部の胚細胞腫瘍では髄膜播種(脳や脊髄
を包む膜に沿って腫瘍が広がること)を来しやすいため、MRI
で脊髄に播種性病変がないか確認することに加え、髄液中の腫
瘍細胞を調べて腫瘍の進展を評価する必要があります。
5 その他の検査
以上の腫瘍自体の検査に加え、腫瘍によって障害が起きてい
る可能性のある視力や視野など、眼科的検査や各種のホルモン
の状態を調べる内分泌的検査なども重要です。
6
がんの冊子 小児の脳腫瘍
5. 小児の脳腫瘍の種類
1 神経膠腫(グリオーマ)
もうようさいぼうせいせいさいぼうしゅ
1)毛様細胞性星細胞種
この長い名前の腫瘍は、グリオ
ーマの中では例外的にグレード1
図2 小脳の毛様細胞性星
細胞腫のMR画像
の良性腫瘍です。小脳と視神経に
よく発生します。
小脳に発生する毛様細胞性星細
胞腫は、大きなのう胞をつくるこ
とが多いことで知られています
(図2)
。完全に摘出すれば治すこ
とができる可能性のある腫瘍で
す。
視神経グリオーマは、1 型の
し ん け い せ ん い し ゅ しょう 神経線維腫 症(レックリングハウゼン病)の子どもにみられる
ことが多い腫瘍です。視力を犠牲にして完全に摘出すれば治る
こともありますが、腫瘍が視神経から奥の脳へ入り込んでしま
っている場合は手術で全部摘出することはできません。また、
視神経グリオーマは自然に小さくなっていくこともあるので、
個々の症例によって適切な治療法の判断が難しいこともありま
す。
7
小児の脳腫瘍の種類
5
2)脳幹グリオーマ
えんずい
脳幹は中脳、橋、延髄からなる
細長い部分で、顔や手足の運動と
図3 脳幹グリオーマの
MR画像
感覚から呼吸、意識までを司どる
重要な部分です。子どものグリオ
ーマの 1/3はこの脳幹に発生し
(図3)
、歩行時のふらつきや顔面
の麻痺のために受診して発見され
ることが多くあります。重要な機
能が集まった部分であるために手
術で全部摘出することは困難を極
め、放射線治療は一時的に症状を
よくすることはありますが限界があり、抗がん剤による治療も
同様です。残念ながら治療が最も困難な脳腫瘍の1つです。
2 胚細胞腫瘍
子どもの脳腫瘍としてはグリオ
ーマに次いで2番目に多い腫瘍で
図4 松果体部の胚細胞腫
瘍のMR画像
す。脳内に存在する生殖系の細胞
から生じる腫瘍です。10歳から
20歳によく発症します。欧米人
に比べて東洋人に多く、男児に多
いという特徴を持っています。脳
しょうかたい
の中心付近にある松果体と下垂体
付近の 2ヵ所によく発生します
(図4)
。
8
がんの冊子 小児の脳腫瘍
松果体に発生した場合は眼を上に向けにくくなるという症状
にょうほうしょう
が出ることが多く、また下垂体付近に発生した場合は尿崩症 *
になることが特徴的です。下垂体は鼻の奥の真上にあり、えん
どう豆ほどの大きさの小さな器官で、ホルモンの分泌などを介
して体のさまざまな機能を制御しています。
胚細胞腫瘍にはいろいろな型があって治療法や治療成績が異
なります。
ジャーミノーマ(胚腫)は胚細胞腫瘍の中でもっとも多く、放
射線治療や抗がん剤による治療が有効な型の腫瘍であり、80%
は治すことが可能です。
一方、胎児性がん、絨毛がん、卵黄のう腫瘍といった型の場
合は極めて悪性であり、手術と放射線治療に加えて抗がん剤に
よる治療を行っても、治すことができる例は半数程度でしかあ
りません。ただ最近は、手術と放射線治療と薬物療法(抗がん
剤治療)をうまく組み合わせることによって、徐々に治療成績
が向上しつつあります。
尿崩症:脳より分泌される抗利尿ホルモンの生成、反応が低下して生じ
*
る状態で、うすい尿が大量に出る。夜中に何度もトイレに行く
ことで、診断されることがあります。
3 髄芽腫
子どもの脳腫瘍としては3番目に多い腫瘍であり、5歳から9
歳によく発症します。小脳の中央部付近に発生し、頭痛、吐き
気、歩行障害を生じます(図5)
。小脳以外に発生した髄芽腫と
類似した腫瘍を PNET(Primitive neuroectodermal tumors:
げ ん し しんけい がいはいよう しゅよう
原始神経外胚葉腫瘍)といいます。この腫瘍は極めて悪性です
9
小児の脳腫瘍の種類
が、手術によって全部摘出できれ
図5 髄芽腫のMR画像
5
ば治る可能性があることが知られ
ています。脳内や脊髄に散らばり
やすい性質があるために、手術後
には脳と脊髄に放射線治療が必要
です。さらに、抗がん剤による治
療を加えることによって、5年生
存率 70%以上という報告もみら
れるようになってきました。悪性
脳腫瘍の中では最も治療成績が向
上した腫瘍の1つですが、一方で、治療による身体の発育や知
能発達などへの影響が問題になってきています。まだまだ乗り
越えなければならない問題も多い腫瘍です。
4 頭蓋咽頭腫
子どもの脳腫瘍では4番目に多い腫瘍で、大人にも発生するこ
とが知られています。下垂体と視神経の近くに発生する腫瘍で
す。下垂体は鼻の奥の真上にあり、えんどう豆ほどの大きさの
小さな器官であり、体のさまざまな機能を制御しています。こ
の腫瘍は転移をすることはないのですが、周囲の脳や神経を圧
迫して、尿崩症、視力視野障害などが発症することがあります。
良性腫瘍に分類されますから、手術で全てを摘出することが
できれば治癒することになります。しかし、実際には周囲の組
織に入り込んだり癒着したりする性質があるために、全部摘出
することが困難なことも少なくありません。その場合には放射
線治療を追加する必要があります。治療後に脳下垂体ホルモン
の障害を残すことが多く、大きな問題となります。成長ホルモ
10
がんの冊子 小児の脳腫瘍
ンや性腺刺激ホルモンなどの補充などには小児科医による治療
協力が必要です。
5 上衣腫
上衣腫は5歳から9歳によく発症し、上衣細胞*に由来する腫
瘍です。この細胞は脳の中の脳脊髄液で満たされた腔(脳室)の
表面に並んでいます。上衣腫が大きくなると、脳脊髄液の流れ
を妨げ、水頭症を引き起こすことがあります。脳の下部に生じ
ると脳脊髄液を通して脳の別の部位や脊髄に播種する可能性も
あります。
上衣細胞:大脳の深部にある脳室(脳脊髄液を貯留する部屋)の壁を形
*
成している細胞です。
6. 治療
手術(外科治療)
、放射線治療、薬物療法(抗がん剤治療)の3
つを組み合わせて行います。治療法の選択は、腫瘍のタイプと
腫瘍のある位置により異なります。
診断が確定したら、その疾患に対する標準的な治療、予想さ
れる効果、副作用と晩期合併症、試験段階にある治療の有無に
ついて担当医とよく話し合ってください。疑問があれば他院で
のセカンドオピニオンを希望してもよいでしょう。また、放射
線治療や抗がん剤治療が必要な場合は、どのようなチームで治
療を行うのかについても確認するとよいでしょう。その上で納
得のいく治療法を選択してください。米国国立がん研究所が配
11
治療
信する PDQの日本語版(http://cancerinfo.tri-kobe.org/)など
6
も参考になります。
1 手術(外科治療)
手術でできる限り腫瘍を取り除くことを試みます。完全に取り
除くことができなかったときは、放射線治療と抗がん剤治療の
併用、あるいはどちらかだけの治療が行われることがあります。
脳腫瘍が疑われて手術を受けることになった場合には、予想
される診断、手術のリスクと合併症、手術を担当する医師のこ
れまでの経験などについて質問をし、十分理解した上で手術を
受けましょう。
2 薬物療法(抗がん剤治療)
脳腫瘍に対する抗がん剤治療の歴史は比較的浅く、本格的な
抗がん剤治療が広く系統的に行われるようになったのは、1990
年ごろからです。
けつえきのうかんもん
脳には血液中の有害な物質から脳を守るために血液脳関門と
いうバリアーがあり、正常な脳ではこの関門のため、血液によ
って運ばれた抗がん剤のほとんどは脳の組織内に取り込まれる
ことができません。そのため、脳腫瘍の内科的治療としては放
射線治療が積極的に用いられてきました。
しかし、腫瘍の部位によっては、血液脳関門が腫瘍によって
破壊され、ある程度は抗がん剤が入り込むことができるため、
脳腫瘍にも抗がん剤治療が効くことが知られるようになり、欧
米を中心に抗がん剤治療が行われるようになりました。また放
射線治療がよく効く腫瘍は、同時に抗がん剤治療も有効である
12
がんの冊子 小児の脳腫瘍
ことがわかり、放射線治療を徐々に抗がん剤治療に置き換えて
いく試みがなされています。
現在、主に用いられている抗がん剤は以下のとおりです。
アルキル化剤(テモゾロミド(内服)
、シクロホスファミド、イ
ホスファミド、ニトロソウレア(ニムスチン(ACNU)
、ラニム
スチン(MCNU)
)
)
シスプラチン カルボプラチン チオテパ
メルファラン ビンクリスチン エトポシド
(内服もあり)
メトトレキサート
薬物療法(抗がん剤治療)の副作用
副作用は薬剤によって異なりますが、骨髄抑制(白血球減少、血小板
減少、貧血)
、嘔吐はほとんどの抗がん剤でみられます。シクロホスフ
ァミド、イホスファミドは出血性膀胱炎と脱毛、シスプラチン、カルボ
プラチンは、腎障害と難聴、ビンクリスチンは神経痛や便秘などが出現
することがあります。しかし、これらの副作用は予防可能なものもあり、
たとえ出現したとしても経験豊富な医療チームであれば適切に対処する
(支持療法といいます)ことができます。晩期合併症については後述しま
す。
大量化学療法
抗がん剤には骨髄(骨の中にあり白血球・赤血球・血小板を造る場所)
抑制という副作用があり、そのため抗がん剤の投与後に白血球や赤血球、
血小板などの血液細胞が減少することがあります。通常1週から3週間
で血液細胞は回復しますが、投与量が多くなればなるほど回復に時間が
かかり、白血球減少により感染症の危険性が高まります。
大量化学療法とは、骨髄を破壊してしまうほどの量の抗がん剤を投与
する治療法です。抗がん剤を多く投与すればするほど治療効果が大きく
なり、特に抗がん剤が届きにくい脳腫瘍では有効な治療法であり、まだ
治すことが難しい症例に対して研究が行われています。この治療を行う
ためには、あらかじめ、患者本人の血液から血液の素となる造血幹細胞
13
治療
を採取して凍結保存しておくことが必要です。この造血幹細胞を利用し、
6
抗がん剤の大量投与後に血液に戻すことで、強い骨髄抑制を回避するこ
とができます。しかし、このような治療はわが国および欧米において現
在試験中であり、臨床試験以外で大量化学療法を受けることはお勧めで
きません。
3 放射線治療
悪性脳腫瘍の全部、あるいは比較的良性の腫瘍の一部に対し
て、放射線治療は重要な治療法の1つです。手術(外科治療)や
薬物療法と併用したり、単独でも放射線治療を行ったりします。
この場合、できるだけ病巣部に照射し、正常脳神経に当たる放
射線が少なくなるように工夫します。
4 標準治療と臨床試験
脳腫瘍以外のがんにも共通することですが、がんに対する治
療法は臨床試験を繰り返すことによって開発されてきました。
そのようにして開発されてきた治療のうち最も優れた治療法が
標準治療と呼ばれているものです。しかし、小児脳腫瘍は患者
さんの数が少ないため治療法開発が遅れており、生存率や晩期
合併症の点で標準治療が必ずしも満足のいく治療とは限りませ
ん。
一方、臨床試験は新しい治療法の開発を目的としていますが、
その効果は保証されたものではなく、逆に従来の治療法より成
績が下がる可能性もあります。治療選択にあたっては、それぞ
れの治療法のメリットとデメリットを十分考慮する必要があり
ます。
14
がんの冊子 小児の脳腫瘍
5 疾患ごとの治療指針
1)神経膠腫(グリオーマ)
i)低悪性度グリオーマ
一般的に全部摘出できればその他の治療は不要ですが、全部
の摘出が困難な場合は抗がん剤治療も考慮します。特に視神経
から視床下部に発生するグリオーマは、乳幼児に多いこと、放
射線治療により下垂体からのホルモン産生が障害されること、
放射線治療による二次がんの発生が危惧されることから、抗が
ん剤治療が選択されます。抗がん剤治療としては、カルボプラ
チンとビンクリスチンを約1年間外来で投与するのが標準的で
す。抗がん剤治療の効果がある場合は、腫瘍はゆっくり小さく
なり、それに従って症状も改善していきます。しかし、抗がん
剤治療によってこの腫瘍を治癒させることができるかどうかに
ついては、まだわかっていません。多くの場合、2年から4年後
に再度大きくなってきます。しかし、それまで放射線治療を遅
らせ、その間に患児の成長を待つことができます。また、この
腫瘍は自然に小さくなることがあり、症状がほとんどない場合
は治療せずに経過観察する選択肢もあります。
ii)高悪性度グリオーマ
こうがしゅ
最も悪性である膠芽腫は、手術ではほとんど全部摘出できず、
また、放射線治療や抗がん剤治療を行っても2年以上生存でき
ることは極めてまれでした。しかし、このほど内服薬の抗がん
剤であるテモゾロミドがわが国でも発売されたため、膠芽腫の
治療成績は大きく変わる可能性があります。小児のデータは限
られたものですが、成人ではテモゾロミドの連続6週間内服と
同時に放射線治療を行うことで、26%の2年生存率が、欧米の
15
治療
臨床試験において報告されています。
6
2)胚細胞腫瘍
髄芽腫と並んで抗がん剤が極めて有効な腫瘍です。胚細胞腫
瘍は胚細胞を起源とする腫瘍の総称であり、成熟奇形腫、未熟
奇形腫も胚細胞腫瘍に含まれます。このうち成熟奇形腫以外は
放射線治療や抗がん剤治療が必要です。治療法は腫瘍の悪性度
に応じて決定されます。最も治りやすいのがジャーミノーマで
あり、90%前後の患者さんで治癒が期待できます。一方、胎児
性がん、絨毛がん、卵黄のう腫瘍などが最も難治性で、生存率
は50%前後です。シスプラチン、カルボプラチン、シクロホス
ファミド、イホスファミドなどが有効な抗がん剤です。
3)髄芽腫/PNET
この疾患は、3歳未満の髄芽腫/テント上(脳の上の方)PNET、
3歳以上のテント上PNETと脊髄、髄液への転移のある髄芽腫、
3歳以上の転移のない髄芽腫の3群に分類した上で治療法が決め
られます。
3歳以上の転移のない髄芽腫の現時点での標準治療は、手術
*
後、全脳全脊髄に 24Gy(グレイ)
、腫瘍があった部位への
55Gyの放射線治療後にシスプラチン、シクロホスファミド、
ビンクリスチンからなる抗がん剤治療を約1年間行います。ア
メリカではこの方法により 70~ 80%の 5年無病生存率が得ら
れています。
3歳以上のテント上 PNETと転移のある髄芽腫は、手術と放
射線治療のみでは治癒は期待できず、抗がん剤治療が必須です。
*
Gy(グレイ):放射線の吸収線量を表す単位です。
16
がんの冊子 小児の脳腫瘍
しかしながら患者さんの数が世界的にも少ないため、比較試験
に基づいて決定された標準治療はまだ存在しません。しかし、
全脳全脊髄への照射線量を 36Gyとし、転移のない髄芽腫と同
一の抗がん剤治療を行うのが標準的治療と考えられています。
これにより転移のある髄芽腫で 50~ 60%の 5年無進行生存率
が得られます。
3歳未満例では、頭部への放射線治療は重大な脳の機能低下
を生じるので、原則として行いません。シスプラチン、エトポ
シド、シクロホスファミド、ビンクリスチンを使った抗がん剤
治療を1年から2年行った後に放射線治療を行う方法が、1993
年にアメリカで報告されましたが、それによると2年無増悪(悪
化しない)
生存率34%、平均IQ
(知能指数)
が64
(正常:85~115)
と満足できるものではありませんでした。現在、大量メトトレ
キサート、自家造血幹細胞救済併用大量化学療法(本人の造血
幹細胞を保存した上で薬物療法を行うこと)などのさまざまな
方法が研究されています。
4)上衣腫
上衣腫にはより悪性といわれる退形成性上衣腫が含まれます
が、予後については通常の上衣腫と明らかな差は認められてい
ません。上衣腫に対する抗がん剤治療が生存率を改善するとの
明確な証拠は得られていませんが、抗がん剤治療が極めて有効
な場合があります。上衣腫は、手術で全部摘出することが治癒
を得る上で最も重要なことですが、困難なことも多く、抗がん
剤治療で腫瘍を縮小した上で、全部の摘出を試みることも行わ
れます。
抗がん剤治療では、カルボプラチン、エトポシド、シクロホ
スファミド、ビンクリスチンなどが用いられます。
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転移
放射線治療は転移がなければ腫瘍のあった部位にのみ行いま
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す。現在アメリカでは、テント上に発生した退形成性上衣腫以
外の上衣腫で全部摘出できた場合は、放射線治療を行わない試
みがされています。
7. 転移
転移とは、がん細胞がリンパ液や血液の流れに乗って別の臓
器に移動して、そこでふえることをいいます。
頭蓋内に発症した腫瘍が髄液や脳を覆っている膜を伝わって
脊髄に広がること(播種)はよくありますが、脳腫瘍の転移はめ
ったに起きません。まれに、骨髄(骨の中心部分で血液成分をつ
くる場所)への転移がみられることがあります。例えば、脳腫瘍
が頭蓋内の狭い場所を占拠したために髄液の流れが悪くなると、
髄液の流れのバイパスをつくるために脳室から腹部にカテーテ
ル(VPシャント)を埋め込むことがあります。それでも、腹腔に
転移を起こすことはほとんどありません。
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がんの冊子 小児の脳腫瘍
8. 晩期合併症
晩期合併症は治療後しばらくしてから起こる問題のことです。
晩期合併症は疾患そのものの影響よりも、抗がん剤、放射線治
療、手術、輸血などの治療が原因となっていることが多く、本人や
ご家族にも、晩期合併症について現在どのようなことがわかって
いるのかを知っていただくことはとても大切です。どのような晩
期合併症が出やすいかは、病気の種類、受けた治療、その年齢によ
り異なります。その程度も軽いものから重いものまでいろいろで
す。
脳腫瘍による晩期合併症の内容と重症度は、発症年齢、腫瘍
の発生部位と大きさ、水頭症などの腫瘍による合併症、治療法
などによって決まります。脳組織は3歳ごろまでに完成し、そ
の後、思春期ごろまで発達していきます。そのため、発症が低
年齢であればあるほどその影響は大きなものになります。
放射線治療による合併症は、照射部位と照射される線量、照
射時の年齢に依存します。重要なホルモンをつくっている脳の
中心部位にある下垂体は放射線による障害を受けやすく、24Gy
を超えるとホルモン分泌障害を来すことが多くなります。成長
ホルモンが最も影響を受けやすく、その場合は成長ホルモンの
定期的補充を行って低身長になることを防ぐ必要があります。
従って、脳への照射にあたっては、可能な限り下垂体への線量
が少なくなるように工夫します。
また、脳全体への照射では、晩期合併症として学習障害やIQ
の低下が問題になります。照射時に 7歳未満のお子さんでは、
24Gyの照射でも照射後徐々にIQが低下することが知られてい
ます。また、脳組織が完成する3歳になるまでは、放射線治療
19
晩期合併症
し し ん け い こ う さ
を用いないのが現在の原則です。その他、視神経交叉や脊髄は、
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線量が 45Gyを超えると正常組織が壊死におちいる可能性が高
くなるので、注意が必要です。
髄芽腫で必要とされる全脊髄照射では、照射部位の下端は腰
の下までになりますが、女児では時に卵巣が照射野に含まれる
こともあり、その場合、将来の不妊症に注意しながら経過をみ
なければなりません。また、背骨にも放射線があたるために背
骨の成長が悪くなり、座高が低くなります。その程度は線量が
多いほど強くなり、これも低身長の原因となります。これらの
ほかに放射線治療による晩期合併症として、照射部位での二次
がんや血管障害の発生があげられます。放射線治療を受けるに
あたってさらに注意しなければならないことは、ここに述べた
障害を生じる線量は蓄積されるということです。例えば、すで
に 50Gyの照射を受けた場所は、放射線量のほぼ限界に達して
いるので、これ以上の照射を行うことは、たとえ以前の照射か
ら何年か過ぎていてもできません。脳腫瘍の治療では放射線治
療は極めて価値の高い治療法ですが、以上の理由により、やり
直しのできない治療法といえます。そのため、治療を始める前
に十分な治療計画を立てる必要があります。
薬物療法による晩期合併症では、シスプラチンなどのプラチ
ナ系抗がん剤による難聴があります。この合併症は内耳への放
射線治療によって、より出やすくなるので、この種の抗がん剤
を利用する予定がある場合には、特に内耳への放射線量がなる
べく少なくなるように照射方法を工夫する必要があります。ま
た、抗がん剤治療により、何年かして二次がんや二次性白血病
になったり、無精子症や不妊症のリスクを高めたりする可能性
があります。
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がんの冊子 小児の脳腫瘍
9
再発
9. 再発
再発とは、治療によって目に見える大きさの腫瘍がなくなっ
たあと、再び腫瘍が出現することをいいます。
再発は、発生部位で起こることもあれば、脳の別の部位(転
移巣)に出ることもあります。
腫瘍がどのように再発してくるかは腫瘍の種類によって異な
ります。髄芽腫では髄膜播種を伴うことが多く、上衣腫では局
所再発(最初のがんと同じ場所、あるいはごく近くにがんが再
発すること)が多くなります。
髄芽腫やグリオーマではインターフェロンβの静脈注射が有
効な場合があります。抗がん剤のような副作用がないので一度
は試みてもよい治療法と考えられています。また、内服エトポ
シドも極めて有効な場合があります。ともに外来での治療が可
能で、QOL(クオリティー・オブ・ライフ:生活の質)を維持し
ながら治療することができます。
21
2
●●●●●
診断や治療の方針に納得できましたか?/セカンドオピニオンとは?
診断や治療の方針に納得できましたか?
治療方法はすべて担当医に任せたいというご家族がいます。
一方、親の希望を伝えた上で一緒に治療方法を選びたいという
ご家族も増えています。どちらが正しいというわけではなく、
患者さんであるお子さん自身とご家族が満足できる方法が一番
です。
まずは、病状を詳しく把握しましょう。お子さんの体を一番
よく知っているのは担当医です。わからないことは、何でも質
問してみましょう。医療者とうまくコミュニケーションをとり
ながら、お子さんに最も合った治療法であることを確認してく
ださい。診断や治療法を十分に納得した上で、治療を始めまし
ょう。最初にかかった担当医に何でも相談でき、治療方針に納
得できればいうことはありません。
セカンドオピニオンとは?
担当医以外の医師の意見を聞くこともできます。これを「セ
カンドオピニオンを聞く」といいます。ここでは、①診断の確
認、②治療方針の確認、③その他の治療方法の確認とその根拠
を聞くことができます。聞いてみたいと思ったら、
「セカンドオ
ピニオンを聞きたいので、紹介状やデータをお願いします。
」と
担当医に伝えましょう。担当医との関係が悪くならないかと心
配になるかもしれませんが、多くの医師はセカンドオピニオン
を聞くことは一般的なことと理解していますので、快く資料を
作ってくれるはずです。
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がんの冊子 小児の脳腫瘍
メモ/受診の前後のチェックリスト
メモ
( 年 月 日)
●
脳腫瘍の組織型
[ ] ●
脳腫瘍の場所
[
●
髄膜播種の有無
[
●
放射線治療の有無 [ 全脳/局所 Gy・全脊髄 Gy ]
●
ホルモン補充の有無
●
]
あり ・ なし
]
[ 抗利尿ホルモン、副腎皮質ホルモン、成長ホルモン、
甲状腺ホルモン、性腺ホルモン ]
受診の前後のチェックリスト
□ 後で読み返せるように、医師に説明の内容を紙に書いてもらったり、
自分でメモを取ったりするようにしましょう 。
□ 説明はよくわかりますか。わからないときは正直にわからないと伝え
ましょう。
□ お子さんにあてはまる治療の選択肢と、それぞれのよい点、悪い点に
ついて、聞いてみましょう。
□ 勧められた治療法が、どのようによいのか理解できましたか。
□ お子さんや親としてどう思うのか、どうしたいのかを伝えましょう。
□ 治療についての具体的な予定を聞いておきましょう。
□ 症状によって、相談や受診を急がなければならない場合があるかどう
か確認しておきましょう。
□ いつでも連絡や相談ができる電話番号を聞いて、わかるようにしてお
きましょう。
●
□ 説明を受けるときには可能であればご家族そろって聞かれることをお
勧めします。また、その他の方でも同席していたほうが理解できて安
心だと思うなら、早めに頼んでおきましょう。
□ 診断や治療などについて、担当医以外の医師に意見を聞いてみたけれ
ば、セカンドオピニオンを聞きたいと担当医に伝えましょう。
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国立がん研究センターがん対策情報センター作成の冊子
2
がんの冊子
小児がんシリーズ
(11種)
各種がんシリーズ
(34 種)
がんと療養シリーズ
(5 種)
がんと心、がん治療と口内炎、がんの療養と緩和ケア、
がん治療とリンパ浮腫、 もしも、がんと言われたら
社会とがんシリーズ
(3 種)
相談支援センターにご相談ください、家族ががんになったとき、
身近な人ががんになったとき
患者必携
がんになったら手にとるガイド*
別冊『わたしの療養手帳』
もしも、がんが再発したら*
全ての冊子は、がん情報サービスのホームページで、実際のページを閲覧したり、印刷したりすることが
できます。また、全国のがん診療連携拠点病院や小児がん拠点病院の相談支援センターでご覧いただけ
ます。*の付いた冊子は、書店などで購入できます。そのほかの冊子は、相談支援センターで入手できま
す。詳しくは相談支援センターにお問い合わせください。
がんの情報を、インターネットで調べたいとき
近くのがん診療連携拠点病院と小児がん拠点病院の相談支援センターをさがしたいとき
がん情報サービス
http://ganjoho.jp/
相談支援センターの紹介・患者必携についてのお問い合わせ
平日(土・日・祝日を除く)10 時 ∼15 時
がん情報サービスサポートセンター
サポート
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電話:0570-02-3410(ナビダイヤル) また、一部の IP 電話、PHS からはご利用いただけません。
がんの冊子 小児がんシリーズ 脳腫瘍
編集・発行 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター
印刷・製本 図書印刷株式会社
2008 年 3 月 第 1 版第 1 刷 発行
2013 年 6 月 第 2 版第 1 刷 発行
協力:公益財団法人がんの子どもを守る会
原 純一(大阪市立総合医療センター小児血液腫瘍科)
西川 亮(埼玉医科大学国際医療センター包括的がんセンター脳・脊髄腫瘍科)
成田 善孝(国立がん研究センター中央病院脳脊髄腫瘍科)
国立がん研究センターがん対策情報センター患者・市民パネル
第1版協力者
あなたの地域の相談支援センター
小児がん
187
小児の
脳腫瘍
国立がん研究センター
がん対策情報センター
「相談支援センター」について
相談支援センターは、全国のがん診療連携拠点病院と
小児がん拠点病院に設置されている「がんの相談窓口」
です。患者さんやご家族だけでなく、どなたでも無料で
ご利用いただけます。わからないことや困ったことがあ
ればお気軽にご相談ください。
全国のがん診療連携拠点病院と小児がん拠点病
院は、
「がん情報サービス 病院を探す」で参照
できます。
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了解なしに、患者さんの担当医をはじめ、ほかの
方に伝わることはありません。どうぞ安心してご
相談ください。
国立がん研究センター
がん対策情報センター
〒104 - 0045
東京都中央区築地 5 -1-1
より詳しい情報はホームページをご覧ください
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