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09 1996 - 大阪大学 産業科学研究所
技術室報告 No.91996 大阪大学産業科学研究所 技術室 各位殿 訂正のお詫び、 「技術室報告 JN o .9( 1 9 9 6 ) 発刊にあたり編集者のミスで[技術指導]欄の 2. 研究室のガラス細工とその基礎知識 (3) 工作班ガラス工作掛小川紀之 と 、 [技術研究発表〕欄の 2. フラッシュクロマトグラフィー用 ガラスフランジ及び締め付け金具の改良 工作班ガラス工作掛松川博昭 が入れ替わっております。訂正の上、ご高覧下さるようお願いいたします。 目 次 [技術指導] 1.金属工作に有効な図面の書き方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1) 工作班機械回路工作掛大西政義 2.研究室のガラス細工とその基礎知識 (3) ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(7 ) 工 作 班 ガ ラ ス L作 掛 小 川 紀 之 [招待発表] 1.大型計算機センターの役割とネットワークの歴史・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1 1) 大阪大学大型計算機センター共同利用掛北本昇一 [技術研究発表] 1. S T M用遮音ボックスの製作・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(31) 工作班奥田良行 2 . フラッシュクロマトグラフィー用 ガラスフランジ及び締め付け金具の改良・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(39) 工作班ガラス工作掛松川博昭 3. イオン研磨装置のメンテナンスとイオン研磨法による T E M (透過電子顕微鏡)試料作製の実際・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4 3) 計測班分析・データ処理掛石橋武 4.FABMS法をホストーゲスト分子認識能に応用する手法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(51) 計測班山田等 [技 術 指 導 ] 金属工作に有効な図面の書き方 工作班機械回路工作掛 大西政義 1.はじめに 試作室金属工作室に製作依頼をする場合、依頼伝票に図面をつけるのが一般的な常識と なっているが、図面の良し怒しによって製作工程や所要時聞が大きく変わってくることは あまり知られていない。 理解しやすい図面を描くことができれば製作者には作業効率の 向上、依頼者には製作時間の短縮という利点が得られる。 今回は、基本的な図面の描き 方と、機械加工をする上で図面から読みとりにくい箇所をこうすればわかりやすくなると いう図面と並べて比較解説する。 2. J1Sにもとづく標準製図法 わかりやすい図面を書くためには、誰がみても同じように理解することのできる一定の 規則を守る必要がある。 わが国では、日本工業規絡 (J1S) にもとづいて製図法が定 められており、これが図面作成の基礎となる。 この製図法に定められでいる事柄の中で 特に知っておいてほしいのは図形の表し方と寸法記入法である。 2- 1図形の表し方 .第三角法 依頼を受けた実験器具・部品等(以降これを品物と呼ぶ)を作る場合、ふつうはひとつ の図だけでは品物の全般を知ることはできないので、正面・平面・側面の 3方向から見た 図を描き表すのが一般的である。 これを第三角法といい、 J1Sの製図規格において 「第三角法によって描く」と規定されている。 第三角法によって図面を描く場合注意し 回日凶回 パ凶 同 山 ] 日 出 回岡山]因 なくてはならないのが図面の配置場所である。 B…平面図 D…右側面図 F…背面図 (a) 第三角法 同 日 山 A…正面図 C…左側面図 E…下面図 口 凶 n山 A (b) 第一角法 図 - 1 図面の基準配置(第三角法・第一角法) 図 -1に示すように、まず正面図を描き、平面図を真上に、品物を右からみた側面図を 正面図の右に描かなくてはならない。 わが国では、ほとんどの図面が第三角法によって 描かれているが、国際的見地からは第一角法も使われていることがあるので図面の表題欄 。 E } 司 。 必l A (a) 第三角法 ~ 図 -3 投影法混用時の描き方 近くに図 -2のように投影法の種類を明記しておくことが望ましい。 また、品物の概要 を理解しやすいように投影法を混用して描く場合があるが、この場合は図ー 3のように必 ず補足投影したい部分に矢印と文字によって投影の方向を記入して明示しなくてはならな い 。 図面は見やすく正確に、もっとも効果的に作成しなげればならない。 効果的に正面図を選ぶとその図だけで十分用が足りるもの(単一図)がある。 極端な場合、 それだげ に正面図の選び方には注意をする必要がある。逆に単一図だけではわかりにくい複雑な品 物の場合には右側面図、平面図、左側面図、下面図、背面図を付加していく。 さらに正面図を選ぶときには、図 - 4のように 他の図面に隠れ線(破線)で表すことをなるべく 避けて、できるだけ外形線(実線)で表すような 方向から見ることの出来る投影図を選ぶことが大 切である。 左側面図 正面図 右側面図 ( 不 良 良 ) 図 -4 破線を避けた投影図の選び方 また、実作業において作業者が 出来るだ付図面を理解しやすいよ うにその品物の最も加工量の多い 工程を基準として、その加工の際 におかれる状態と同じ向きに描く のがよい。 (a)内面削り (b) 外面削 9 図 -5 旋削する品物の場合の図形の向き たとえば主に旋盤加 工による品物の図面の描き方は、 図 -5のように実際に品物を旋盤 に取り付ける向きと同様にその中 心線を水平にし、かつ作業の重点 が右方に位置するように描くのが 図 -6 平削りする品物の場合の図形の向き よく、また、平削りする品物では、図 -6のようにその長手方向を水平にし、かつ加工面 が図の表面になるように描くのがよい o -補助となる図法 第三角法は正投影法によるものであり、品物によってはその詳細を図示できないものも 多々ある。 そのような場合、補助投影図・部分投影図・局部投影図・回転投影図・展開 -2- 図・想像図・断面図等によってその品物の形を表す。 このうち、断面図は品物内部が見えない形を図示する場合、 その品物をある箇所で切断して、その切断面の形状によって図 示するものである。 断面図を描く場合、注意しなければなら ないことは、図 -7のように切断面の先方にある実線を省略し ないことである。 不良 良 次に注意すべき点は、部品の種類によって 図 -7 断面図の描き方 は切断面として示さない方がわかりやすいものがある。 J1Sでは、原則として、軸・ピン・ボル パ¥汁¥ ト・ナット・座金・小ねじ・止めねじ・リベ s総長麹 1際z ット・キー・テーパピン・リプ・車のアーム ・歯車の歯などは長手方向に切断しないと規 定している。 断面図には、品物の形状を最 図ー 8 二つ以上の品物が援する場合 も理解しやすいように、全断面図・片側断面 偽偽グ" 図・基本中心線でない箇所の断面図・部分断 面図・回転図示断面図・階段断面図・鋭角断 面図、直角断面図・薄物の断面図等の切断法 不良 がある。また、切断面をわかりやすくするた め、ハッチング等を使用する場合があるが、 不良 良 良 (b) (a) 図 -9 角度を変えてハッチングを引く この時に注意することは、二つ以上の部品が 相接する場合には、図 -8のようにハッチン A r グの線の方向を変えるか、間隔を異にする A か、または通常 45・に引く線の角度を異に して引く。また、ハッチングを 45・に引く と図面がまぎらわしくなるときは、図-9( a )( b )のように角度を変えて引いた方が見や すくなる。また、階段断面図において、切断 面の各段に現れる部分を区別する必要がある 図 -10 ハッチングをずらして引く 場合には、図 -10に示すようにハッチングをずらして引いてもよい。 -省略図示法 省略図示法には、かくれた線・対称図形・繰り返し図形・中 間部分の省略・必要部分だけの図示がある。 かくれた線で示 さなくても、明確に図を理解できる場合は省略することが多 い 。 む し ろ 、 図 -11に示すようにかくれ線をこまめに描い たために理解しにくくなることの方が多い o 次に、品物が対 称形状の場合、対称中心線の片側だけ描くと重複部分が省略で き対象物だということもわかる。 (a) 良 (b) 不良 図 -11 かくれ線の省略 -3- また、品物に同じ形状の加工が続く場合、 例えば貫通穴などは要所だけその加工形状を 描き、あとは加工穴の中心だけを示しておけ ばよい。 さらに、品物が長尺物などの場 合、一定縮尺で現物通りに描こうとすると、 間延びした図面になってしまう。このような 場合には、同じ断固形状が続く部分を破断線 等により適宜省略して描くとよい。 (c) 良 あと、 図 -12(a) のように左右非対称な品物を図示 図 -12 部分投影図の表し方 する場合、正面図と片側から見た補足投影図(図 -12(b))だけではまぎらわしくなるよう な場合、左右にそれぞれ振り分けて片側の面.だけをそれぞれ部分投影図として描くと理解 しやすくなる(図 -12(c)) 。 2-2寸法記入法 図面の中で寸法は最も重要なもののひとつであって、寸法の記入に間違いがあったり、 または読みにくい記入をしたりすると、製作者側の作業能率を低下させることになる。 そこで、図面に寸法を記入する場合には、見るものの立場になって、明確な寸法を記入 すること・寸法の記入漏れをしないこと・作業現場で、計算しなくても寸法が求められる ようにすること・寸法の記入法が、製作工程上便利であるようにすること・図面を不鮮明 にするような記入をしないこと・記入寸法は、特に指示のない限り完成品の仕上がり寸法 を用いること等があげられる。 -寸法と角度について 図面に記入する寸法の単位は、わが国ではメートル式を基準としているから、その基準 単位をミリメートルとしている。またミリメートルを表す文字mは記入しなくてもよい。 なお、従来用いられていた μ (ミクロン)は、国際単位系 μ m (マイクロメートル)と名称が改められた。 (S1)の採用にともない、 角度の単位としては、ふつう度で表し、 O 必要に応じて分、秒を併用する。図面上では、度は r J 、分は r ' J 、秒は r ' "J の記 号で表す。 また、角度の寸法数値をラジアンの単位で記入する場合には、その単位記号 r a dを記入する。 -寸法線、寸法補助線 │ @ 汁 」 念l 品物の寸法は、細い実線による寸法線及び 寸法補助線を用いて記入するのが原則であ る 。 このとき注意しなければならないの のように中心線や外形線、基準線 は、図 -13 及びそれらの延長線を兼用せずに、寸法線を -4- (a)良 (b) 不良 図 -13 寸法線の記入方法 指示する長さを測定する方向に平行にかつ図形から適度にはなして引く。また、寸法補助 線を指示する寸法の端から寸法線に対して直角に引き、寸法線をわずかに (2-3mm) 越す まで延長する。 ・矢印 のように織 図面に使用する矢印は、図 -14 . 唱 手 a ) 閉じていても ( b ) 塗りつ が開いていても ( (a) (b) a空量一 c ) かまわないが、その矢の先 ぶしていても ( ・ 4 によって寸法・角度等の限界を示す物である (c) 図 -14 図面に使用する矢印 から、まぎらわしいような物であってはなら ない。また、簡便のために図 -15のように矢 a ) や黒丸 ( b ) を用いても 印の代わりに斜線 ( よい。ちなみにこれら矢印・斜線及び黒丸を 図 -15 斜線・黒丸 総称して端末記号という。 -引出線 狭いか所の寸法は、そのままでは記 │φ│ 1 6 ( a ) に示すよ 入しにくいから、図 うに引き出し線を用いて寸法線から斜 め方向に引き出しその端を水平に折り 曲げてその上側に寸法数値を記入すれ (b) (a ) (c) ばよい。この場合には、引き出した側 図16 引き出し線の使用法 には何も付けないことになっている。 なお、引き出し線はこのような目的の他、加工万法・注記・部品番号等を記入するために 1 6 ( b )および ( c ) に示すように、引き出し線が も用いられるが、この場合には同じく図 形状を表す線から引き出される場合には矢印を付け、形状を表す線の内側から引き出され る場合には黒丸を付けることになっている。 また、使用する引き出し線の傾き角度は任 意でよいが、あまり立ちすぎたり寝すぎたりしないのがよい。 -寸法補助記号 製図上では、寸法数値とともに積々の記号を併記して図形の理解をはかるとともに、図 面あるいは説明の省略をはかっている。このような記号を寸法補助記号といい、 φ (直径) • R (半径)・ S φ (球の直径)・ SR (球の半径)・口(正方形の一辺)・ t (板の厚 さ)・-(円狙の長さ)・ C( 4 5・面取りの寸法)などが ある。 さらに、寸法記入上の注意としては、品物を作るとき出 来るだけ寸法を読みやすいようにするために製作工程によ って寸法を区分配列することが望ましい。たとえば、図- 1 6に示すようなフランジの加工を行う場合、穴あけだけは 別の工程になるので、穴の寸法と配置場所の記入は正面図 - 5一 16 工程別の寸法記入 図- に行うよりも、ピッチ円(寸法補助線)の描かれた側面図の方に記入する方がわかりやす い 。 3.おわりに 最近の依頼図面の傾向としては、 CADによる図面がかなり多く見受けられるようにな ってきたので、今回は、製図機材や用器画法の説明はしなかった。 しかし、基本的なこ とを知った上で製図すると、同じように CADを使ってもできあがった図面は今までと見 違えるほど見やすくなるので、是非覚えておいてほしい。 また、作業者は、依頼者が持 ってきた図面を見ながらその品物がどういう実験等に使われるか、どの部分が重要かを聞 きながら、品物のイメージを具体的に膨らませていき、材料からの加工工程を頭の中に思 い描く。 実際に研究者が必要として いる品物のイメージにどれだけ作業者が近づけるか が、図面を見ながらの両者の話し合いで決まるといっても過言ではない。 4. 参考引用文献 理工学社 rJISにもとづく標準製図法」 津村利光閲 序 大 西 清 著 - 6ー フラ ッ シ ュ ク 口 マ 卜 用 ガ ラ ス フ ラ ン ジ 及 び クランプ(締め付け金具)の改良 工作班 1 松川博昭 ガラス工作総 はじめに 。 フラソシュクロマトグラフィー l まカラムクロマトグ I縮 空 気 な どの 加 l 王下で混合物ぷ ラ フ ィ ー の 一 つ で .J 料 の 分出mを f T : i 1 1 iJ 3 .つ 迅 速 に 行 え る 方 法 であり 、 釘 機 化 学分野では大変. f f i'~iー されている 。 i止 近、当ガ ラス 工 作室でも製作依 加圧ガス 導入口 止め金 t i it)!多 く な っ て き て い る o . g ; !tEよく使 0-1) ング われているフラッシユク ロマトグラフ(1 霊11) は ヘ ッ ド音1 Iと カ ラ ム 本 体 部 か ら な って お り 、 そ れ ぞ れ に O リ ン グ 淋 付 の ガ ラ ス フ ラン ジ を 施 し 、 ク ラ ンプ を 用 い て .そ の フ ラ ン ジ と ク ラ ン プ の 改 良 固 定 し て い る . 今 巨1 を 依 頼 毎 に 数 回 行 っ た の で 以 下 に 報 告 す る。 図 1 フラ ッ シ ュ ク ロマト 2 試作 , I 9 9 2年 I2月 に 図 而 (凶 I)と 市 販 1 1 7 1を 見 本 に I ti l : iが あ っ た . し か 品初 の 製作は 函りに製作する の には以下 の ように 何 つかの 問題 が あ っ た . し、そ の 図 而 i 現状タイプ チェ ー ン 式 図2 市販タイプ 写真 1 フラン ジ固定方式 現状(従来)タイプ 製作上の問題点 (1) フ ラ ン ジ 部 の 形 状 が 特 殊 で フ ラ ン ジ 加 工 の 治 共 の 製 作 に 手: l f J とt ' imがかかる。 (2) 現 状 タ イ プ の フ ラ ン ジ 及 び ク ラ ン プ の 方 法 ( 図 2)写,w; I) で は 、 減 圧 に は I } J 足jな く 保 つ こ と が で き る が 、 2 ~ 3気圧 の 1 mJ 工に耐 え る こ と が で き る の か 心 配 で ある 。 7 (3)フランジのクランプも特殊で製作に大変手 H~ がかかる 。 (4 ) 依 頼 が lセ ッ ト だ け だ っ た の で 当工 作 宝 で 既 存 に 近 い 方 法 で 製 作 し た い . そ の (2)の 1 1 ¥ ] 題 の) J J 1fEにも耐え る こ と が で き る 方 法 とし て 、 名古段大学Il ! l学 ; 11 0 )j! J ' ' 1 8 敏I J ! {氏 が 、 19 R 2 年に I~ 4 'ガラス 技 術 研 究 会 で チ ェ ー ン 式 ク ラ ン プ (I gl21 ¥ ' 火 ) (写真 2)を宇i li ! ?され てい る 。 こ の チ ェ ー ン バ ク ラ ン プ は 6 ヶ所 以 上 を 点 で 押 さ え る タ イ プ ( 写 1 1は 自 力 所 ) で それぞれの 点 を│ 口 lじ )Jで 締 め 付 け ら れ る の で 、川 I J J ーにも 耐 え る こ と が で きるという長所がある。 またこの方法の方が 、 盟、い n r版 タイプ(I:ill2;釘, ) (写真 3. 4) よ りも 簡 単 に 製 作 で き る と チ ェ ー ン 式 ウ ラ ン プ の タ イ プ で ま ず 製 作 を試みた。 写真 3 写真 2 チェーン式クランプ 写真 4 市販タイプのクランプ ガ ラ ス フ ラ ン ジ部 の 製 作 従米のガラスフランジと問じ ) J法 で ガ ラ ス 院 佐 と カ ー ボ ン の 型 を J l Jいて ) J If.~ li~ J 陪に よ , り) J I I1 :r る (. 勺J'[5、(j ) 写 真 5 ガ ラ ス 旋 盤 に よ る フ ラ ン ジ加 工 写 真 6 フ ラ ンジの溝;g融加 工 ま ず . ガ ラ ス 肱 般 に 取 り付 け た ガ ラス 引 の 端 を カ ー ボ ンの 型 を 用 い て . バ ー ナ ー ) J I I工 に よ り成 到 す る 。 カ ー ボ ン の 型 は 成 型 時 に 抵 抗 が 少 な く な る よ う に 自 [ 1 ]に回 1 ' 正 す る よ う に して iU 5} 。 つ ぎ に 、 い る ( 勺: フランジの 辿 結部分に滞 ) J I I工 を 施 す 。 治 6の 中 火 の よ う に 悶 定 し て 、 フ ラ ン ジ の 形 が あ ま り i u iれな い よ う に J II 工す る 。 軟 化 さゼ ) - 8- i m分 は カ ー ボ ン を写 J ' J ; 小 さ い 炎 で 防1' 1的に クラ ンプの製作 ジュラルミンのブロックをセーパ一 、 フライス倣な ど で 製 作 す る 。 この ブ ロ ッ ク と ス テ ン レ ス 板 を 交 互 に シ ャ フ ト と 山l ピ ン を 用 い て 辿結す る (竹 細 工 の 蛇 の お . i l iめ 付 け 部 分 は 、 端 の シ ャ フ もちゃのようになる) .f ; Jク に 掛 け て ネ ジ で 締 め 付 け る よ う に トを反対 側 の 7 ' する(写J' n ) 写 真 7 チェ ー ン 式ク ラ ン プ 3 改良 (1) 改 良 │ し ば ら く し て 、ユ ー ザ ー か ら フ ラ ッ シ ュ ク ロ マ 卜 の 迫 加 依 頼 が あ っ た 製作したチェーン式クランプのタイプのクランプは しかし . 最 初 に 悦l 時の取り扱いが少し而倒である 。 おl ま た 、 ク ラ ン プ の 製作│時 I H Jも 1 1 1っ て い た よ り か か る 。 そ こ で 今 度 は て 製 作 し た 。 しかし a 市販品 タイプを真似 クランプの製作費用が本体よりも高くなるくらい 製作時間がかか つてしまった。 ガラスフ ラ ン ジ 部 の 製 作 チ ェ ー ン 式 ク ラ ン プ と 問 じ方法で 制 作 す る。 異なる 点は、 l 当1 I 1に 回 転 す る カ ー ボ ン の 型 の 形 状 を 換 え て (クランプと践するiH i 分にテーパーを 付け るため)製 作する 。 クランプの製作 ポ リ プ ロ ピ レ ン の 阪 を 鋭 総 お よ び 旋 盤を J T Iい て ド ー ナツ型に i l j 'り 、 内 側 に テ ー パ ー を 付 け 、il' 1 1} J l工 を 雌 す 。 フ ラ イ ス 維 を月1 いて : 11)r , wを 入 れ る 。 外 側 に ス テ 写真 B 市販品タイプ ン レ ス 板 を 巻 き やlけ ビ ス 止 め す る 。 パ γ クル i 部分を プ ラ イ ス 般 、 ボ ー ル 総 な どを 使 っ て 創 作 す る ( 写 点 8) (2) 改 良 1 その後、何度か数本の i l i ' j作 依 頼 が あ り 、 製 作 時 l 1 l J短 紛 のためクランプのパックル i 部分 の 改 良 を 行 った。 クランプの製作 ク ラ ン プ 本 体 は 前 回 と 同 じ よ う に 製 作す る. バック ル の 製 作 は 1寺n 日が か な り 掛 かるため、 ビス で 簡 単 に締 写真 9 締 め 付 け 部 改 良 型 め 付 け る タ イ プ に 改 良 し た ( 写 真 9) 9ー (3) 改 良 1 1 ¥ 199 5" 1 '8月 に は 卜 数 本 の 依 頼 が あ り 、 ク ラ ン プ 製 作 に 一ヶ 月 近 く も 掛 け ら れ な い た め 、 ク ラ ン プ 全 体 の 改 良 を 考 え た 。ま ず クランプ方式を少し変 えクイックカップリングクランプと問じ形にした 。 また、材質もガラスフランジの強度考えると少し心 配 が 残 る が 、))[1工が容易な ジ ュ ラ ル ミ ン に 変 え た ( 写 ; : J : [10) こ れ ら を 変 え る こ と に よ り 、 ク ラ ン プ の製作時 l I U が 半 減 し た 。ま た 、才7 脱も容易になり取り扱いやす 写 真 10 ク イ ッ ク カ ッ プ リ ン グ 型 くなったロ 4 まとめ 今 回 の ガ ラ ス フ ラ ン ジ お よ び ク ラ ン プ の 改 良に よ り 以 下 の よ う な 成 果 を 上 げ る こ と が で きた 。 -数 気 圧 の })[I圧状態でも耐えられるガラスフラ ンジ を 製 作 で き る よ う にな っ た 。 ・ガ ラ ス フ ラ ン ジ の 形 状 を 変 え る こ と に よ り 、 ク ラ ン プ が コ ン パ ク ト に な っ た 。 .ク ラ ン プ の 取 り 扱 い が 容 易 に な っ た . ・ク ラ ン プ の 製 作時 n uが か な り 短 く な った。 5 謝辞 今回の 報 告 に あ た り ご 指 導 、 ご 協 力 い た だ きました有 機物性化 学 研究分野 今明 I ¥ ' i助 手 、 お よ び ク ラ ン プ 製 作 . 治 具 の力¥ 1工 に 際 し ご 指 導 、 ご 協 力 い た だ き ま し た 前 技 術 室 長 f~~ 氏、機械回路工作併長 6 角一道I 則 投 官 に 心 よ り感謝, lた しま 廿 。 文献 「ガラス装 i 白への O リ ン グ 使 用 の 一 例 」 名大限学部 野田敏1I!l若 rJ.Org. Chem. J Vo l 43. N o .14 「有 機化 学 実 験 の て びき 1J 物質取扱法と分離粕製法一 1 0ー 198 2 19 7 8 化学問人 大村 [招 待 発 表 ] 大型計算機センターの役割とネットワークの歴史 大阪大学大型計算機センター 北本昇一 1世 界 の ネ ッ ト ワ ー ク の 展 開 とU N I X の 展 開 イ ン タ ー ネ ッ ト は 、 7 メリカ(米)が発祥の地と呼ばれ、その米でのネットワークの歴史と U N I Xもそうであ るように、 U N I Xの歴史が今のインターネットとどう関わってきたかを、ここで説明する。 1 1ネットワークの歴史と展開 インターネットワークの歴史は、 1960年代後半に米国防総省がA R P A ( A d a v a n c e d R e s e a r c h - A R P A( D e f e n c s e A d a v a n c e R e s e a r c h P r o je c t s A g e n c y )の軍事援助に始 P r o j e c t s A g e n c y )、D まりまる。また、米国大学や研究機関がネットワークに関する研究を開始したことにより急速に 全世界にインターネットワサが広まりことになる。このことは、旧ソ連の宇宙開発の先進性と軍事 力に負けじと、核攻撃にも強力な通信網と核攻撃が行われでも信頼性のあるデータを獲得 しうるシステムを確立することが目的に創設されたのがA R P Aネットワークである。その前段階 では、ネットワーク構想が研究され、網の目型ネットワークを構築を行い、伝送方法はリレー方式(専用回 線を使用した)が良いという報告書が米国防総省に出されていた。大学の研究室では、い かにしてメットγを他の地点に間違いなく届けるかといった研究も開始された。今のルータの原 型で、ある情報メッセーγ交換処理装置が完成されていた。こういう背景から A R P Aネットワークは急速 に拡大していった。 このネットワークは最初は、 T S S (タイムシェアリングシステム)の会話型処理でメインコンヒ。 rタ に7 クセスする方法がとられていた。この A R P Aの目的には、ファイル転送機能の開発とメッt γ交 換機能の開発であった。しかし、研究者間の会話のためのメール機能と研究者グループ。聞の メーリングリスト機能の開発も行われた。これが今の電子メー}~とメーリングリストの原型になっている。 A R P Aネットワークは研究用ネットワークと軍事用ネットワークとに分かれ、 A R P Aネットワークは実験研究ネットワークと して、最初に大陸間ネットワークという名前が付けられ、 A R P Aネ ッ トw ー ク がTCP/IPを採用することと U N I XのO Sとして B S D 4 . 2を使用したことでTCP/IPネットワークという名前が付けられた。そのネット ワークが発展して現在の T h eI n t e r n e t (インターネット)という名前で呼ばれるようになった。 1 2UNIXの歴史と展開 U N I Xは最初から存在したのではなく、 1965年に M I T、G E、B E L L 電話研究所の 3社が合 E L L が手を引く 同で、先進のヨンヒ。ュサ開発に乗り出したが、期待通りのマシンが得られず、 B ことになる。ところが、 B E L L電話研究所内の技術者が研究所内部で独自の研究を続け、活 気的なマシンの開発に成功を納める。これが、 D E Cマシンで開発した U N I Xの原型ともなる O Sはアセンブリで書かれていた。現在のファイルシステムやアログラム実行環境及び1Sである。この O ; :( 1 F tィ環境の実現をさせた。この O Sは改良を加えられ、 C 言語で書かれるようになる。 C言語 で書かれたことにより移植性が良くなることと、メーカーも商品化しやすくなることで、利用 -11- 者が増えることに結びついていく o この段階では、まだTCP/IPが実装されていなく、マW : l ' ¥ ! ' ?ツ工科大学}ドサレイ校で研究・発展されて 4 . 2 B S D系統が生まれる。この O SにTCP/IPが実 装したことで、始めて U N I Xがインターネットの O Sとして活用され商品化も行われ、利用者の増大を 生むことになる。また、 B S DのO Sは州や米国が援助をすることにより、より早く安く利用者 を獲得していった。 B E L L電話研究所から U N I XのO Sが生まれ、これを商品化したのがAT&T 社 のS y s t e mV系統がある。これらの O Sを実装できるマシンも商品化されていった。そして、 現在の S u n S p a r c S t a t i o n, S o ny N e w sがB S D系統であり、 E W SがS y s t e m V 系統である。こ れらの O Sを米では、政府機関や大学・研究所がU N I XのO Sを使うことで、商品化と利用を加 速していくことになった。 2阪大のネットワーク 阪大のネットワークは学内 L A N( O D I N S : O s a k a D a i g a k u I n f o r m a t i o nN e t w o r k S y s t e m s ) の予算が 新社会資本という予算でつけられる前と、後に大別することができる o m阪大ネットワーク:ODINSの 前 1 9 8 5年5月基礎工学部情報工学科に始めて E t h e n e tが敷設されたのが始まりである。同年 6月同 学科と N T T 武蔵野通研がU U C P 接続を開始(図 1:学内ネットワークのあゆみ)し、これが J U N E Tという ネットワークが関東地区で行われていたものが始めて関西地区に接続されることに なった。同年 1 1月J U N E T ニr スシステムの運用開始・ S ystemVメーラー開発 o 1 9 8 7年基礎工学部情報工 学科と工学部通信工学科と U U C P接続を開始。 1 9 8 8年8月吹田地区と豊中地区間のネットワーク接続 を9 . 6 K B P S( S L I P :シリアル回線による I P接続)開始。 1 9 9 0年6月I Pアドレスを正式に取得と基 礎工学部情報工学科がW I D Eと6 4 K b p sで接続する o 1 9 9 0年J A I N接続開始。 1 9 9 1年2月に基礎工学部ネットワーク敷設する。同年4月大型計算 ンターを中心とした吹田地区で S L I P 接続開始。同年5月吹田地区と豊中地区のネットワーク接続 機t 4 K b p s 7 +) 、 y γ 接続に切替える。同年8月大型計算機センターに J ¥ +I)Yt~+ j .ントを敷設する。 を6 ' 1 9 9 3年5月に阪大と奈良先端大学院科学技術大学との聞の回線を 7 6 8 K b p sに増設する(奈 良先端側が負担) ( 図 2:大阪大学ネットワーク構成図)。 このように阪大のネットワークは G e n e s i s n e t w o r k と呼び、ネットワークを最も早く使用したい人 々の日々の努力と技術力により構築されてきたと同時にネットワークの運営が維持されてきまし た ( ; f ¥ +ラ ン テ ィY ) 。別紙 1に示すように、各学科、各学部が大型計算機センターの l ドけがすに接続 する形で構成されていた。接続に関する費用や作業は接続する部局が行っているため、殆 んどの部局がセンターまでの専用回線を利用して接続していた。作業として大型計算機センター側 で発生することは、 SLIP 用の IPY ドレスと学科・学部で使用する IPY トゃ以の配布とトミナ1~~-J\" の 設定及びG A T E Dの更新であった。あと、 I n e tというメーリングリスト上(全てがわティ Y ) でのネームザー } の登録作業がある。これを担当する別管理者が作業を行うことになっていた。 ハ守・メールトγ - 12- ニ rス ザ ーJ ' "の登録も同様である。このようにネットワークを使いたい人(技術力、経済力等がある) が 接続して使用できるネットワークでもあった。 S L I Pはシリアル回線を用いた I P 7 。 ロ ト ヨJ vでJ ドックボーンと接続されていて、回線速度は 9 . 6 K b p から 1 9 . 2 K b p sと非常に細く不安定な接続であったが、ワークステーションとモデムさえあれば簡単に s 接続できる点であった。もう少しお金がある部局は専用リモートリヒ。サと jトタを用意し 6 4 K b p s で接続していた。 S u n L i n kという方法で6 4 K b p sで接続している部局もあり、光リヒ。ータと jトタを 用いて 1 0 M b p sで接続していた部局もあった。 大阪大学と外部ネットワークの接続のために jドリアセグメントが吹田地区、大型計算機センター内に 設 けられ、 W I D E( 7 6 8 K b p s、現在は 1 . 5 M b p s ), S I N E T ( 5 1 2 K b p s,現在は 5 0 M b p s )、H e p n e t ( 6 4 K b p s、 現在は不明)などの日本圏内l ドックポーンに接続されていた。同時に ]¥"1)7セグメントには大阪大 R I O N S ( O s a k aR e g i o n a l I n f o 学の受け持ち範囲の近畿地区の大学等の地域ネットワークである O m a t i o na n dO p e nN e t w o r kS y s t e m )に参加している周辺大学等が継ってきていた。しか し、学外側が早いスピードで継っていても大型計算機センターを除く全ての学部・学科にとって センターまでの細いリンクのために利用できない。さらに、吹田地区と豊中地区の間の速度が6 4 K ¥ "A は学内からも学外からも遠い存在であった。そ b p sしかないことも問題があり、豊中キャンJ 4ネ ッ ト ワ ー ク 、 3 0学科が接続していた。 の当時のネットワークは約 6 学内ネットワークのあゆみ(図 1) 1 9 8 5年 5月 !情報工学科に.大阪大学としては初めて, E t h e r n e tが敷設される. 1 9 8 5年 6月 INTT武蔵野通研との情報工学科が UUCP接続. Jl7XETが関東地区以外にはじめて広がる I 別 3年 1 1月 JGXETニュースシステムの運用を開始する S v s t e l nV m a i l e r開発 1 9 8 7年 1 9 8 8年 8月 1 9 8 9年 1 9 8 9年 1 9 8 9年 7月 1 9 9 0年 1 2月 1 9 9 1年 2月 1 9 9 1年 5月 1 9 9 2年 8月 1 9 9 2年 9月 大阪大学通信工学科と情報工学科が UlTCP接続開始. 9 6 0 0 b p sの SLIPによる接続) 吹田豊中間ネットワーク接続 ( IPアドレス正式取得.情報工学科, 'VIDEとの接続 ( 6 4 k b p s ) J i ¥ I N接続開始 産業科学研究所との SLIP接続実験開始 センターを中心とする吹田地区の SLIP接続始まる 基礎工学部ネットワーク敷設 6 4 k b p sのブリッジによる接続) 吹田豊中間ネットワーク接続 ( 対外接続用バリアセグメント構築 加 n e x 3 ( t s )の導入(吹田)、 annex2( t s)の移行(豊中) - 1 3一 大阪大学ネ ッ トワーク構成図(図 2 ) 19 9 3年 6月 18日 現 在 大型計 算機セン合 一 ( 豊中 DS ) セン合一 叶法守 学 lP ) 1 9. 2 K ( SL aロ 1 9 . 2 K ( S L lP ) 教養部 学 一理 ト ⋮ 理学部数学科 情報システム工学科 基礎工学部 32port 大型計算縫センヲ ー ( 吹 田本館) 工学部応用物理学科 核物理研究セン空 s l i p ( l9. 2K) : + - 中 通信工学科 l 1 J会経済研究所 薬掌 & S y ・ メ a 八 情報システム工学科 r( " ・ ORIONS o n 関西大学 一¥戸 電子工学科 大阪府立大学 国立民族学博物館 工学部電気系 大阪国際大学 奈良女子大学 手塚山大学 大阪教育大学 FHW m a.mγ 開四ネ sh o ,a R O 卜 均J ワ K 司叫 均J 出門 - y ワネ ド・ MM y 沢引田佳刷 - 1 4ー MW1 続攻 圏直 日 2 ﹃ト j 山尚旧 制阪 知町己主大 ・ 一 0 人間科学部 _ sl i p( 9.6K) 量白質研究所 -ーで士 超電車エ レクトロニ クスセンター 生物工学国際交流セン ター 医学部 レーザー核融合研究センタ f 針E 工学研究所 ι 2 2O D I N Sに つ い て 1 9 9 3年 l 月第 l 回O D I N Sシ ン ホo~+?À を開催した。平成5年度の通常概算要求では認められず、 突然の「新社会資本」という形で認められることになった。但し、 3 年計画から l 年計画 (単年度)で整備することになった。 4月に O D I N S予算が承認された。 5月第 1 回O D I N S技術専門委員会、 O D I N Sワーキンググループ。の設 置 、 6月O D I N S 整備本部事務室の設置、同 1 0月第2回O D I N Sシ ン ホ o~+?ム開催、 12 月第 l 回 ODINS 組 織企画専門委員会、第 1 回O D I N S学術資料情報専門委員会の開催、 1 9 9 4年4月O D I N S運用開始 D I N Sの当初の計画として、設計にあったては次の 4つのことが考慮された。 1 となった。 O つめは様々な速度で接続される機器を収容できること。 2つめは吹田地区と豊中地区の速 0ソヨンを収容できること。 4つめはしっかりしたネットワークの 度の差異を無くすこと。 3つめは,¥ 運用管理体制をつくること。ここで、 4つめのことに的を絞ると、 O D I N S前の G e n e s i s N e 0I)~_ に基づ、き f ランティアヘ~スで管理を行ってきた。そ t w o r kでは「繋ぎたい人が繋ぐ」という * の部局・学科で多少のネットワークに心得があるとか、どうしてもネットワークにアクセスしたいという人 が、好むと好まざるとに拘らずネットワークの運用管理をやらされてきた。そして研究用ワークスト ションをト]¥..として使用してきた。そうした運用管理者の集まりが i n e tというメーリングになって いる。今でも存続している。 しかし、 O D I N Sの登場で、これまで以上にネットワークに関して全 e n e s i sN e t w o r kよ く理解や知識の無い部局・学科が無条件に接続してくることになる。 G り規模の大きなネットワークをどのように管理、運営していくかは大きな課題でもある。特に管 理者の幅が広くなりネットワークの心得のない人が部局・学科のネットワークの運用管理をさせられる トスが増えることも考えられる。 O D I N Sの特徴は、今まで多くの大学で構築されたhン 1 ドスネットワークの基幹部分は F D D Iを中心と A Nを収容してきた。 O D I N Sも同様、当初から F D D Iをl ド ッ ク し、イーザネットで、構成される各部局の L がすとする単純な要求をしてきた。しかし、 F D D Iの問題点も明らかになってきている。 2 つの問題が指摘できる。 1つは F D D Iはj ト7。型ネットワークであり、接続されるすべての部局が 1 0 O M b p sの速度を共有できるが、特定の部局が大量にネットワークを使用すると、他の全ての部局が 迷惑を被る結果となる。 2つめはネットワークを拡張した時に、,¥+ックがすの速度が 1 0 0 M b p sに制限 D D lの利用には、あまり良い方法がないことに原因がある。ところが、 O D される。これは F I N Sは 7大学の最後に予算が認められたことで、最新の技術を用いたネットワークを構築すること D D Iの問題を解決する技術として A T M( A s y n c r o o n o u sT r a n s f ができたことである。つまり F e rM o d e )を導入することができたことである。 O D I N Sについては、別途、詳細に説明 ( U n i xM a g a z i n e ) されているので、ここまでとす る 。 - 15- 3大型計算機センターとネットワークの関わり 3 1大型計算機センターの役割 大型計算機t ント「以下(センター)という」は、全国共同利用大型計算機センターの 1っと 4( 19 6 9 )年4月に設置され平成8( 19 9 6 ) 年で約 28年の歴史をもっている。 して、昭和 4 11 :ンピュサや汎用計算機やU N I X計算機は約5 年くらいの周期で新しく更新される。 新しいスー¥ 0 利用者にとっては最新のマシンが利用できる環境があり、魅力的でもある。研究室等と異なり ¥~ック7ッアや77。リトシ 利用者に対する跡。ート体制は万全である(例えば、ファイルなどの定期的な 1 ョンの使用法、ハード的な障害対策等)。計算機利用負担金も今年から利用者のアンケート結果に基 づき、負担金を改正し、利用者の希望をいれた内容に実施した。また、利用者から徴収す る負担金の使用方法は、 t ンターの管理運営の一部となっている光熱水量等を少し負担いただ く形をとっている。 ある部局を例にとると、研究室にはワークステーションやP Cが導入され主に数値計算をそのコン1:=1 ; 0 サで実行させている研究室が多いが、実際は保守契約をしないで、何らかの障害が発生し た場合には、データは全て消えたりする。また、ハード障害が発生した場合には、部品の取り 寄せと修理に時間がかかることがある。これらの 2点を解決するのは、 t ントのワークストション上 の 77 イルトI\~ に情報を保存しておくという方法がある。この方法では、 17イJ~ は消去されずに 済むだろう、あるいは、障害が発生しても、何日か前に戻る程度である。しかし、反面、 そのファイル負担金が必要となってくるが、大きな額にはならない。 C 等は全て買い取りで購入している。最新の機種を購入す また、研究室でのワサステーションや P るには簡単には行かない。研究室の予算との絡みが出てくる。センターは 3から 5年に 1 回の割合で機種を最新のものに更新している。 ¥ 1~ . , ク ア ッ7。の面から考えると、 1 ¥~ ク , .7 . ' ) 1。体制 や教育等を年開通して実施している。また、プログラム相談(利用相談)、広報誌等の発行、 利用者講習会、オンラインアログラム相談等に力を注いでいる。図書資料室には情報関係の雑誌が あり、利用者にとって力となる。 3 2大型計算機センターのネットワークの関わり 大型計算機センター(以下(センター)という」では、以前から汎用計算機において閉ざされた B SiJーピスを行って来た。 これは I Pネットワークが盛んになるほど、殆んどが I Pネットワークヘ 移 メ ー ル 、 B 行し使用されなくなり、 I Pネットワーク上でのメール交換が盛んなっている。現在、汎用計算機上で vという通信手順で汎用計算機上でのコンヒ。 r タネットワークが行われている。 N 1 7 。 ロ ト ヨJ これは、 8 センターの共通利用番号申請デサの送受信等と各センターーのT S S( T i m e S h a r r i n g Pネ S y s t e m s ) 処理、 R J E( R e m o t e J o b E n t r y ) 処理を行うためにトピスを行っているが、 I ¥ヨ ン 1 : =;1サの導 ットチクがどんどん進むにつれ、研究室のワークステーションの導入や各大学に中型のスー1 0 0 入に何らかの影響を受けて、汎用計算機からの利用者離れが出ている状況がある。 センターは、大阪大学総合情報通信システム ( O D I N S )の概算要求を行う窓口になって取り組んで - 1 6ー きた。圏内大学の最先端 ( A T Mネットワーク)を進んでいる。 また、外部ネットワーク ( W I D E やS I N E T等) A N ( O D I N S )の整備本部事務室としての役割を担 との接続拠点にもなっている。また、学内 L うととともに O D I N Sワーキンググ jト7 。の教官と協調体制をとり整備本部としての重要な役割を担 D I N Sのト 1 ¥ " ニr ( ス 、 メ ーv l 、ネーム)の管理・運営を行っている。周辺の大学等を収 っている。 O 容する地域ネットワーク ( O R I O N S ) 等連絡協議会としての役割も重要である。学術情報網 ( S I N E I N E T 加入機関の拠点にもなっている。 T )のノード校として、近燐の S 特に、センターは、大学の学術・研究のための高速計算サーバを提供するために設置された 9 9 7年 1 月には新し L叫 _ , ヨンピュサが導入されることでもあり、 全国共同利用機関であり、 1 0 超高速計算ト1 ¥..の提供できる全国共同利用施設となると同時に、有用なソフトウエアの提供がで 9 9 7年度末には汎用計算機の更新を控えている。既に、これらの きる施設となる。また、 1 計算トげは I Pネットワークからも利用出来ること、全国の大学や研究所からも I Pネットワークを介して 利用出来ることを大いに宣伝したい。ネットワークは道具であり、本来、センターは、それを利用し ンターであると思う o 学内ネットワークは、既に運用段階に入っている。ネットワーク維 計算を提供する t 持管理を行うよう大学自体が学内運用組織を新しく作るために、学内において O D I N S運用 t ンター(仮称)の施設を創ることが強く望まれる。将来、科学技術計算の長時間の大規模化と 使用ソフトウエアの豊富さ・複雑さを増し、一般では考えられない要求がセンターの役割とし て求められる、そのことで、役割が益々、増すであろう。 4ネットワークの管理 4 1日常生活の維持管理 ネットワーク環境の中で、いかに快適に生活するかを考えると、いろいろな管理を行うことが 必要になってくる。生活の維持管理イコール自分が常に使うワークステーションを考えると、快適な環境 の維持問題、ソフトウエア問題、ハードウエア問題等とがある。環境の維持問題では、種々の外部から いかにして管理するかということ。これは、通信経路上のトラプル、施設関係のトりつb 、天災 からのトラプ v l 等がある。ソフトウエア問題では、新規利用者の登録・削除、マシンの追加(IP 7ド レ ス 、 ホスト名)、ネットワーク環境変化への対応、 O Sの1 ¥ "γン ョ7ッ プ 、 77イ v l システムの溢れ、利用者の教育 (技術移転、後継者の育成)がある。ハードウエア問題等は、ディスク障害、ハードウエアの増設がある。 4 2メ ー ル 管 理 等 利用者の登録・削除・変更作業がある。また、メールファイルの状況や異常が発生していない かをチェ、汐する必要がある。利用者がどこの誰であるか連絡がとれるような方法を管理にと りいれておく。 5ネットワークの接続について ここでは、大阪大学総合情報通信システム ( O D I N S ) のI Pネットワークに接続する上での事項につ - 1 7ー いて述べる。 5 1部 局 のO D I N S 技 術 担 当 者 の 役 割 O D I N Sのネットワーク維持管理体制は、クラスターという基幹部分と支線部分とに分けて管理し、クラ スター技術担当者と支線の部局技術担当者との役割を明確にしている。そして ODINS事務 室の役割も明確にしている。 ここでは、部局の技術担当者の役割について説明する。 l つは、部局・支線ネットワークの接続するマシンの I Pアドレスと名前(ホスト名)の割り振りを行うこ つめは、 O D I N S整備本部事務室との調整(事務的技術的)の役割を担っていること。 と 。 2 3 つめは、支線ネットワーク上で障害が発生した場合等の支線の障害連絡の窓口となる。 4 つめは、 ODINSへのト I\~ 登録申請等する場合(ネームト1\~、メーJ~~-I\~ 、ニ:l -Ã~- I\~、 WWWザーJ\~) の窓口とな り 、 O D I N S事務室に連絡する役割であること。 5 つめは、支線イコール部局(学部・学科)のネッ つめは、支線イコール部局等のネットワーク技術者と トワークの技術的な支援イコール相談役でもあること。 6 つめは、部局の 9 して、部局での技術移転や後継者の育成に尽力することが要求される。 7 -J\~ マシンの管理運用者でもある。 8 つめは、クラスター技術担当者との連絡調整を担う役割をもっ ている。 以上8つの役割があるといえる。これら一つ一つは荷の重い役割に違いない。 52パ ソ コ ン をO D I N Sに 接 続 す る に は ・ 1 ¥ 0ソ コ ン をO D I N Sに接続する場合には、必ず部局技術担当者と相談を行うことが要求される。 J トトゃ・ソ7ト的)で、どうような機器を備えれば接続が 必ず相談を行い、どのようなマシン ( 可能かを確認すること。接続するにあたっての注意事項についても確認を行うことが必要 となる。 参考として、 PC関係のドわメントは、 anonymous.ftpによる東京大学にある。 f t p u t s u n . s . u t o k y o . a c . j p に存在する / P C / n e t w o r k / d o c / p c t c p i p f a q j . j i s と 、 UNIXマγ γン の1 9 9 4年8月号から 1 0月号(東田 学) r 昔は昔、今は今一目的指向の環境 構築に向けて -WindowsとUN1XJが参考になる。 6サ ー バ の 立 ち 上 げ 今、マスコミ等でW W W( W o r l d W i d e W e b ) でインターネットとか、各会社がW W Wのト的。ーγ を立ち上げたとか、このことによって何かインターネットの一員でもあるかのように騒いでいるよ W Wというものは、インターネけ上で情報提供を行っているにしかすぎないという うであるが、 W ことを認識すべきである。インターネットとは、一言にいってそのようななものではなくもっと複 雑な作業を伴う内容であることを認識する必要がある。 こどこかの機関が加入するには、マシンのインターネットアドレスと名前(ホスト名と世界の中で イ ン タ ー ネ ッ トl 日本のどういう機関群に所属したどういう組織の中の何々であるという識別名=ドメイン名) - 1 8ー を持つ必要がある。単に、,,0'))ン l 台で www とかメーI~や 77 イ1~転送を行う場合には、このような ものは不要で、どこかのネットワーク機関に接続手続きを行えば簡単に(但し、電話や I N S 6 4で行 う場合は、回線使用料や接続料や基本額が必要となる)インターネットに加入できたことになる。 しかし、ここで述べることは前者(どこかの機関がインターネットに加入)のことである。インタ 由ネットに加入することは、名前の認識を行う名前ト]\'"、電子メー1~ を行うメールすー]\'"、電子ニ rスを 行うためのニ;1A ' I ¥ "、当然、 w w wで全世界中の w w wを見るための附附1 ¥ ' "、ファイル転送を行う F T Pト,,'"等のマシンやその設定を行い立ち上げるためのスタッフ(人員)や常時これらのす1 ¥ "の面倒 を見るスタッフ(管理者、それも技術的にすぐれた要員)が必要となる。ここでは、これらの トげがどのようなものであるかを簡単に触れることにする。これらの設定等については、 他の別の資料を参照されたい。 6 1ネームサーバについて 名前(ネーム)ト}¥"とは、普通は、名前とマシン(資源)との対応を知らせてくれるトl ドのこ P 7ドレスを考えた場合に、ネームザー,,"の役割は、ねト名から I P 7ドレスを とで、マシンに割り振られた I 知る(教えてくれる)ことである。ここで言う名前はニックネームのことでもある。 U N I Xのシステムにおいて、ホスト名と I P 7ト*レスとの対応を付けるために、計算機にローカルに存在す / e t c / h o s t sフ ァ イ ル にI P 7ドレスとねト名の対応表を記述) し 、 この情報を見なが るファイルで管理 ( P 7ドレスに変換することが行われてきた。この内容は、ネットワーク上のホストマシン 1台毎 らねト名を I に設定しなければならないので、ネットワークに接続するホストが増えると、対応が出来ない(例と 0 0 0台のホストに 1台のホストを追加する場合には、 / e t c / h o s t s ファイルの内容を書き替えな して、 5 P接続されているので、他の組織のホストへの接 ければならない)。また、インターネけによって I P 7ドレスの対応表と、常時、 / e t c / h o s t sファイルの更 続を行う場合に、他の組織のねトのねト名と I 新を行うことは不可能に近い。 P 7ドレスを知っているザー,," (全世界、全日本国内)がネットワークに存 ここで、全てのねト名と I P a d o r e s uの対応ファイルを作成しなくても、そのす-,,'"に問い合わせ 在するなら、逐次ねト名と I P 7ドレスとねト名を知ることができることになる。この役目を果たして を行うことにより、 I 1 ¥ 。である。 いるのが名前(ネーム) ' e t c / h o s t sファイルでの対応表を作成し管理する方法と 2つ 名前管理の方法の 1っとして、 / I S( N e t w o r k I n f o r m a t i o n めは約トワーク内のり*ネットワーク化された内部で情報を共有管理する N S e r v i c e ) を利用する方法と 3つめとして広域ネットワークでデサを階層化して共有管理する D N S B I N D (D0main Nam e Sy stem /Service- Beker1ey Internet Name Domain) を利用する方法がある。 NISサーバを使用すれば、下記のことが可能となる。、 1 . ' 7 "ネットワーク内部の情報トピス 2 . 利用者の管理 (U1D :l ' ' ' ' i d、 GID:グjト7i d、ハ。スワード:暗証番号等) 0 - 1 9ー 3 . 7 ロトヨ J~の管理(各ファイル: P r o t o c o l s、 rpc、s e r v i c e s ) 0 4 . その他の管理(各ファイル:a li a s e s、netgroup、b o o t p a r a m s ) 5 . 問題点として、ライセンス契約が必要/]\~-γ ョンによってマシン同士参照出来ない場 合がある DNSサーバを使用すれば、下記のことが可能となる。 l ねト名/ドメイン名に関する情報を階層的に管理 2 . 名 前 =1P7 ドレス=ニックネ叫=ねト情報=メーJ~ 中継ホストが可能 3 . B1NDの実装がソース7ログラム・フリーで公開されている 0 4 . PC、MAC/TCP、Windows/WindowsNT-TCPIP NetBIOSに対応している ネ ー ム サ ー } ¥~の仕組みとしては、ネーA~-J\~に問い合わせればインラーネット上の殆どのねトの IP7 ドレスを 知ることができる(未登録を除いて) 0 しかし、全ホストの 7ドレスを 1ヶ所で管理することは できないのでトA~-}\" は分散して管理されるようになっている。このことは、ネットワーク上の各 セグメント等にネームザーJ\~ が置かれており、それらが各々連繋して問い合わせに答えてくれる。 ネ ー ム ザ ー ] ¥.,.の簡単な仕組みを簡単に触れることにする。 ホストの名前は、 C conyxOl. center. osaka-u. ac. jp のように表されるが、これを FQ DN (Fully Q u a li f i e d D o m a i n N a m e ) と呼んでい る 。 hostnameコマンドで表示されるねト名は設定によって異なる場合がある。.以下を含まな い表示になる場合がある o .以下のドメイン名を付加した (Fully Qualifiedな)ものが FQ DNとなる。この名前の付け方は管理階層を反映した構造になっている。ホストの名前に 従い右側に行くほど大きな管理組織を表している。 ネ ー ム ザ ー } ¥~のデータは、この階層構造を反映した形で分散・配置されていることになる。 ここの例では、 jpというドメインについて知っている (jpには、 aC,co, o r, go, a dがる . jPというドメインについて知っている ( ac . jp ということを知っている)トハ¥ ac にはどのようなドメインがあるか知っている)トJ\~ 、 osaka-u. ac. jpというドメ インについて知っている (osaka-u. ac. jpにはどのようなト@メインがあるかを知っ ている)トげ、 center. osaka-u. ac. jp について知っているトJ\~ がそ れぞれ存在し、連繋して名前に関する問い合わせに答える仕組みになっている。ドメイン名に は jp以外のトッアドメインを持つものがあるが、それらの全てのトップドメインについて知ってい るトJ ¥ "が一番上位に存在する。 このすー]¥"は全体としてツリー構造を形成していること、このト]¥"は木の根に相当することで、 ルートトJ\~ ( r o o t server) と呼ぶ。このことから分かるように、ネ-À~-}\'" が任意の FQDN に対する質問に答えるためには j ト ト ザ ーJ ¥"に問い合わせるようにすれば良いことになる。そう することにより、例のホスト名から、 jpのサーバを見つけてそこへ問い合わせを行い、 以下順に ac . jpのサーバ、 saka-u . ac . jp osaka-u. ac. j pのサーバ、 center.o . jpのサーバというように問い合わせを繰り返していけば求 める答えを見つけることになる。以上が、おおまかな流れである。ネームザー 1 ¥+には、下記のよ うなタイ7の設定が可能である。 0 1.キャッシュのみのサーバ 自分自身はドメインに関する情報を持ってサーバであること。したがって、問い合 わせが来るとさらに他のト1 ¥+に問い合わせに行くことになる。では、これは何のため ¥ "であるかと言うと、一度問い合わせた結果はそのザー 1 ¥+に一定の時間~-v V.lされる の ザ ー1 ようになっていて、同じ問い合わせがくれば~-vV .lを覗くことにより、自分の力で答え られるようになっているのである。ゆえに、~-vV.lの仕事が多くなり情報が増えると h bが賢くなりネットワーゥへの負荷が軽減できる効果がある。なお、項目 2を除くすべての タイプのネ-À~-1ドは、~-vV.l機能を持っているので、ここでは r~-Vv.lのみ」のトハ*と言っ ているわけがある。 2 .リモートサーバ 自分自身ではト1 ¥ +を持たずに、ネットワーク上の別のホストに問い合わせに行くようなね トのことで、これはト}¥+ではないので、普通は DNSク ラ イ7 ントと呼ぶ。 3 .スレーブサーバ 自分が知っている(~-vV.lにデサがある、または、元々自分がデータを持っている)場 合には、自分自身で問い合わせに答えるが、それ以外の場合には特定のトハ*に問い合 わせをフォワードするようなト1 ¥+のこと。 ~-v V.lのみのト 1\ +との違いは、自分自身でデサを持っても良いことと、問い合わせ受 けた時にそれを決まった相手に単にフォワードすることである。 4 .普通のサーバ 通常の手続きに従い問い合わせに答えるト 1 ¥~のことである。 ここでは、自分自身がデータを持っているト,\~ (上の 3または 4 ) の場合、デサの持ち 方により、アライマリザー}¥+、幼ンゲリザー,¥+と呼ぶ区別がある。上の 1 --4は問い合わせに関する ザ ー1 ¥+の動作による区別であったが、下記の A、 Bはデータの持ち方による区別である。 A) プライマリサーバ ( P r i m a r y S e r v e r ) あるドメインに関するデータをファイルの形で持っているホストをそのドメインのアライマリト1 ¥ +と呼 ぶ。アライマリト1 ¥ +は、通常 1つのドメインについて 1つだけである。この理由は、複数の - 21- ホスト上にファイルがあると、一貫性を保つのが難しいからである。また、ザーハ*を複数持つ ¥"を使用する方法がある。 場合、セカンゲリザーJ B) セカンダリサーノ~ ( S e c o n d a r yS e r v e r ) あるドメインに関するヂサを別のザーJ ¥ "からネットワーク経由で転送して持っているザー I ¥ "のこ ¥"と呼ぶ。このト1ドは、定期的にアライマリトI\'~ を先、yクし、必要に応じて とをセカンゲリトJ 自分のデサを更新することによって一貫性を保っている。 アライマリト J ¥"、セカンゲリト J ¥"は、ドメインのツリー構造における部分木の単位であり、その 木に関する問い合わせに責任を持つことになる。この部分木の単位をグーンと呼ぶ。 ネームサーバの木(ツリー構造) c c o n y x O l 部分 6 2メールサーバ ここでは、極簡単にメールサーバについての説明を行う。 メールサーバの機能は、下記のような機能を持っている(図 3:メールの流れ)。 1 . 私書箱を利用した電子郵便 2 . 計算機内部に蓄積される電子化情報を直接送信可能 3 . 簡易型メーI~転送アロトコル: SMTP ( S i m p l eM a i l T r a n s f e rP r o t o c oI ) で規定 4 . メ ッ セ ーγは } ¥ . .' T " Jリレー方式で行われ、数カ所の中継点を利用して送信 5 . DNSのMX ( M ai 1E x c h a n g e r )レコード機能 6 . 主に Sendmai1 7ログラムでメールシステムを構築 これらの機能以外に、下記のものがある。 A . 本。ストオフィスプロトヨv l( POP、P o s tO f f i c eP r o t o c o l ) B . 多目的インターネット拡張機能:M 1M E ( M u lt i p u r p i p o s e I n t e r n e tM a i1 E x t e n s i o n s ) テキスト、グラフィックス、音声のコード化等の機能 大まかには、上記に述べた機能・役割を持ってる。詳細については、下記の文献を参照 していただきたい。 「インターネット構築術J (ソフトパンク出版:石橋勇人 「インターネット接続 J (トッパン出版:J .S .クトターマン、 著者) S .カールミッチェル 著 者) 「インターネット構築入門 J (トッパン出版: { ザ プ タ イ ト ル 向上 著者) {TCP/IPとUNIXによるネットワーク構築法} rSendmai1解説 J (オーム社:ブライアン コステール、エリック オーマ ン、ニールリッカート著者、村井純監訳者、鈴木克彦訳者) メールシステムの流れ〈図 3) トDisk , l u s r l s p o o l / m a i l J I v aぬ pool/mqueue c l i e n t SMTP • む。 l u s r l s p o o l / m a i l I v a r l s p o o l / m q u e u e SMTP ~ c l i e n t c l i e n t ( D i s k j n z z ロ : 間 eue 日その他のサーバ ニュースについて簡単に触れておくと、インターネット上でニァスを転送するための主要なアロトヨJ vは 、 e t w o r kN e w sT r a n s f e rP r o t o c o l ) である。 ネットワークニュース転送アロトヨル (NNTP、N NNTPは、ニュースリーグが使用するために選択したニュース言己事を対話的に検索することがで ッ ト ワ ー ク ニr スリデインクサ。ロトヨル (NNRP、N e t w o r kN e w s きる。 この NNTPを使う場合、 ネ R e a d i n gP r o t o c o l ) と呼ぶこともある。 r スのソフトウエアには、 Anews、 Bnews、 Cnews、 1NN O n t e r N e tN ニ e w s )があるが、オリシ +t l vの ニr ス 1 ¥。 ッ ク ーγが Anewsと呼ばれるもの。その後 Bnewsと いパッケージが開発された。 Bnewsはほとんどが C言語で書かれていた。 1980年 代後半に Cnewsが開発され、処理速度がわずかに速くなった。 1990年代初期に 1NN O n t e r N e tN e w s ) と呼ばれるパッケージが開発された。こ 1け ーγは、従来の 1 ¥リ ーγと異なり、従来のこrスが主に U U C Pで配信されていたが、 IN の¥ NはUUCPニュースフィート@を処理することができ、ニr スの主要な転送機構が TCP/IPであ 0 0 ることが前提になっている。 INNは 、 C n e w sやそれ以外のニ l.-Aが特殊な方法(フ。ログラムは、他のアログラムが必要な時に 実行され、デーモンとしては実行されない)で呼び出されていたのに対し、同じ種類のイヘット により起動することが出来る。また、常に実行しこrス~t!事データヘ~スの管理を維持するデーを ンを持っている。ニュース記事及び、実行ファイルや履歴ファイルのような関連制御ファイルへのアクセスは全て、 7 。ログラム)の呼び出しによって処理される inndは直接 NNTPと ト , ¥. . デ ー を ン innd ( して動作し TCP接続を通して着信するニr スを受信する。 J ' ¥ +での文献を参照さ 以上が、簡単なニr スの概要を説明である。文献については、ニ 1.-A4 1 1トに存 れたい。 INNのプログラムに関する日本語訳ならびにソースフ。ログラムは下記の ftp4 在するので、参考までに掲載する。 ftpサイト: ftp. iij. ad . jp ディレクトリ:/ p u b / n e w s /i n n EE E EEEe''' nku ‘ 、 nHHHU n H V E a ・ AHV nHU nu AHV nHU , , 、 ‘ ・ 一 、 m脚 " v d nHu nAu nιnHV a n u A anonymous (匠名という意味)を使用する場合、ユーサ.名 a n o n y m o u sとログインす ¥ 0スワードには通常自分のメー} v ;ドレスを入力することで、ログインが出来る仕組みになってい る 。 1 る。この anonymousトピスは、勝手にトピスしているのではなくその機関が業務で 管理運営している所もあれば、ボランティアで管理運営している所もあり、これを支える 人々が存在していることを知って頂きたい。 下記に示す以外の所も数々あるが、代表的な機関を記す。 -大阪大学:f t p f t p . c e n t e r . o s a k a u . a c . j p( f t p 1 3 3 . 1 . 4 . 1 3 ) ・京都大学:f t p f t p . k u i s . k y o t o u . a c . j p( f t p 1 3 0 . 5 4 . 1 2 1 . 5 9 ) ・東京大学:f t p u t s u n . s .u t o k y o . a c . j p( f t p 1 3 3 . 1 1 . 1 1 . 1 1 ) ・九州大学:f t p f t p . c s c e . k y u s h u u . a c . j p( f t p 1 3 3 . 5 . 1 . 2 ) ・11J :ftp f t p .i i j .a d .j p( f t p 2 0 2 . 2 3 2 . 2 . 6 4 ) 6 5各サーバに必要な能力 ー ザl ドマシンに必要な能力といった方がよく分かる。下記にネームザー1 ド (B1ND) 、 メ ー ル ザ ーJ ¥ " (Ma i1) 、ニューストJ\~ (News) について、目安となるデータを上げる。 サーバに必要な能力と単位 サーバ 基本 性能 (M1PS) 主記憶容量 (MB) 10 ディスク容量(MB) 8 600 BIND 5 10 10 M ai1 10 + N 16 + N 100 + A M News 10+0.25N 10 + N 300 + 100B N:一度にアクセスするユーザ数 M:管轄の全ユーザ数 A:ユーザが利用する未読のメール量 B:ニュースの保存日数 提供者: by S A I T O H A k i n o r i くく s a it o h @ i c s .e s .o s a k a u .a c .jp>> 7トラプルシューティング 7 1日常発生する障害とその対策について 日常起こる障害には、下記のようなことがある。 1 . TAP (タップトランシーバ)の経年変化による障害並びに取り付けミス 2 . TAP/PC/HUB/ルータ等のケーブルの緩みの障害 3 .H U B、ルー夕、 P C、W S (ワークステーション)等の熱暴走によるハンクγッ ア 4 . 天災(雷、誘導雷)によるセグメント、ハード(ディスク)障害 6 . 電源設備の点検等で、機器のパッケージ不良等が発生 これらの対策としては、 1、 2については、基本的な問題であり、障害が発生した場合には最初にチェックする 項目となる。 3については、室内の清掃(塵芥、タバコの煙等は禁止)することが大事で ある。 4については、出来るだけ回避できる措置がしである建物・室内に重要な機器を設 置する。また、回避出来る機器を据え付けることが大切である。 5については、迅速に措 置することが望まれる。 7 2ネットワーク障害対策 ネットワーク障害で良くみられるのは、相手が見えなくなったりといったことになり、 まったく相手が反応しないことがある。また、デフォルト経路情報が落ちていたりといっ P 7ドレスを重複して割り振っていたりといった、様々 たことも良く発生する。また、マシンの I な障害がある。 7 。ログラム機能)である。 下記に示す内容は、それらの対応に良く使うコマンド ( 1.相手が動作しているかを調査するコマント:ping ドメイン名(IP 7 F 'v A ) 2 . 相手のマシンの経路の何処まで届くかを調査するコマント守:traceroute , ラメサは ¥ 0 ping と同じ 3 . 経路情報が自分のマシンに流れているか確認するコマンド:netstat -rn 4 . }トタでの経路情報確認コマント。:show -i p routeまたは、 routeに7 ト eレ スを記述 show -ip 0 . 0 . 0 . 0 (デフォルトの確認) 5 . その他として、機器のうンア状態(メッt γ 表示)等を確認し、それぞれの対策を講 じる事。 7 3メール障害対策 ・ メール管理者の対策としては、下記のことが上げられる。 1.登録利用者の情報の把握とその責任者の確定 2 . mail Qコマンドでの受信メールの確認 3. sysl o g (システム履歴) の確認 4. メー1~の /spool ディレクトリファイルの溢れの確認 1は、利用者との連絡調整を行う。 2は内容確認し、その利用者と調整を行う。 3は メ ー 1~システムに障害発生していなし、かを確認する。 4 はディスク容量の確認とどのような情報量が きているかをチエ‘汐し、対策を講じる。 ¥ "の重要なファイルは一定周期で他の媒体にバックアップするこ その他として、これらのト 1 とが重要な作業となる。停電等でディスククラシュが発生する場合がある。 8インターネット上でのモラル インターネットを使用する場合に、必ず注意するエチケットやモラルがある。それを下 記に示す。 8 1ネットワーク運用上のエチケット 1 . ネットワークの利用規約を守る。 ある組織が加入したネットワークには必ず利用規約がある o この規約を守り、他のネットワーク に迷惑をかけずに快適な環境の朴ワサを運用することが大事であることと、どのよう な規約であるかをネットワークを使う上で知っておく必要がある。 2 . 他のネットワークに迷惑をかけない。 ある組織がネットワークに加入する場合には、専用回線(になるだろう)とか、機関内部 は光トプル等を利用した回線を使うことになる。機関内部は除いて専用回線の場合には、 回線費用が必要である。また、加入したネットワークトピス機関側も日本の代表するネットワークザ ーピス組織に回線費用が必要である。ネットワークを使う場合には無料ではないことを知る必 要がある。ネットワーク通信では、中継として他のネットワークに影響してくる。回線容量に限界 があるので、無駄な膨大な通信は避けることが望まれる。 3 . セキュリティ・プライバシを守る。 ¥ 0A ? -ト*管理は自分でしっかり行う必要がある o ー ザjドに登録された自分の IDにつく 1 1 ¥ 0A ? -ト。を盗まれると他人がその本人になりすまし他に被害を及ぼすことがある。 この時1¥スワードを盗まれた人が厳重注意される。また、インターネットで意図せずに侵入行 0 為する可能性がある。可能でも行ってはいけないことが多くある。他人に自分の利用 者番号を使わせる行為もその一つである。 4 . 著作権法違反・違法行為違反 Netscape等の V V V V V V( W o r l d W i d e W e b ) 等で、美しい画像が出、その情 報を自分のファイルに花。ーをとることが出来るが、コピーし他人に公開することは著作権法 違反になる。また、自分で画像を公開する場合、雑誌の止。由を使用してはならない。 ネットワークのマシン上で、コヒ。ーが簡単に出来るが、出来ることと、 しでも良い、 とは別問題で あることを認識する必要がある。 日 コミュニケーション上でのエチケット 3VV文は、 VVab 上では画像や音芦情報の交換もされているが、電子メー1~や電子ニrスの殆 どは、文字による情報交換が行われている。 1.電子的な情報交換の特性 文字のみの情報交換は、文字情報の中に強弱の口調・表現、その人の持っている特 徴的な言い回しが無く、受け取った人は誤解を生じやすいと言える。そのため冗談や 感嘆な感情表現が、相手には皮肉ゃあてこすり等に見えて、相手の感情を助長するこ とにもなりかねない。相手が余計に見えないことが、かえって感情的な面に陥りやす い側面を持つ。基本的には、冷静に電子メーJ~や電子二rスを書くことに努め、表現には充 分注意し誤解のないようにする事が必要である。受けた場合、冷静な判断でその誤解 を解く努力が必要である。また読む場合、冷静になり自分が相手の意図を誤解してい ないか充分慎重に考えるべきである。 文章を文字として書いた場合にはすぐに相手に送らずに、少し時間を置くというの も冷静になる工夫の一つである。時間を置き、送る前にもう一度読むと、自分の文字 が感情的になっているのに気づく時もあるであでしょう o 誰でも、簡単に(不用意に)出せることに注意を払うことが大事である。 2 . 常識で判断はしないこと インターネットの世界では、人は年齢や身分や性別や国籍に関係なく対等であると、いえる。 これらのことを認識し、自分の今までの常識では判断せずに、インターネットの状況も考慮し 判断することが大切である。 3 . 常識的礼儀を持って情報交換を行う インターネットの世界における情報交換も人間同士の情報交換に変わりがないといえる。相 手も人間であり常識的な礼儀は必要である。しかし、誰でもが同じ常識を共有してい ないので、自分だけは常識外れの事をしないよう注意する必要がある。 9今後のネットワークの展開 大阪大学では、既に学術研究用ネットワークの運用が行われている。平成 8年度にはそれに加 えて事務用ネットワークが正式運用される予定である。その準備としてげソコンの研修会が行われて いる。今後、この事務用ネットワークと学術研究ネットワークがと、のように、阪大の教職員に関わって くるかは非常に興味がある。 この事務用ネットワークと職員の業務量との関わりが、今後の阪大での「簡素化」等に どう影響するかが大きな課題となるであろう。 下記に、今後の阪大での事務用ネットワークの展開についての希望を述べることにする。 1.パソコンの初歩的知識や電子メールの使い方 事務用ネットワークでは、電子メーJ~行うためのソフトウエアとして STAR-OFFICEが使用される 予定であると聞いている。事務用ネットワークと学術研究用ネットワーク聞の交互のがv } 交換も可能 になるであろう o 事務用ネットワークでの職員のメー J v Yドレスは、人事異動があってもその 7ドレ スが学内の何処でも使用可能な職員固有番号が割り振られる予定である。メールを出すの I N D O W S 9 5上で相手にが J vを出すことになる。この使用方法は事務局主催の 1 ¥ 0ソヨン講習 はW 会を最低限度は受講しておくべき内容であろう。 2 . ネットワーク上での職種別、電子フォーラムとメーリングリスト 事務職では会計系や庶務系といった幅の広い仕事内容がある。技術職では教室系、 ォ ー ラ 研究所系、施設系といった系統に分けられる。これらの共通した電子的な会議や7 ム及びメーリングリスト(共通課題・問題点)が近い将来、生まれてくることであろう。 3 . 情報のデータベース化と情報提供等 事務用ネトワークでは、現在、事務局学生部が学務情報システム(学務関係のデータヘ ス)を構 築計画がある。データヘ スを構築し、運用するに当たっては充分の配慮が必要となる。 ドリアッ7 。等が上げられ 担当職員の異動問題、後継者の育成・教育問題と情報の保護・ 1 る。実務に当たっては、学生のデサをどう扱うかである。卒業学生等の古いデサの保 存や新規学生の登録等が上げられる。このデサは、いづれプログラムの入力データとなり、 学生関係の情報を正確に掴める資料が出来上がるであろう。それもアログラムを作成せず、 市販されているソフトウエア等を組み合わせて簡単に作成できるであろう。購入ソフト ウエアの予算化の問題も発生してくる。これらを実際に担当する職員の問題も出てくる。 どのような業務になるのか、仕事としての位置づけはどうなるのか等の問題が種々の ことが上げられる。今後、各学部でデ恒例¥ス化等の開発が望まれる。また、これらの 運用管理・保守体制も確立する必要がある。しかし、今のような人事異動では、この ような事務情報化が将来にわたって出来るのかどうか、また、職員が少ないという不 安面もある。この問題に対する対策を講じる必要がある。 1 0謝 辞 この資料は、初めてネットワークを使われる方々とって参考になることを期待したいと考えて います。この資料を作成にあたり、貴重な資料提供や御助言等をいただいた大型計算機セ ンター・下傑 真司助教授にこの紙面をお借りしてお礼申し上げます。 『参考文献』 「大阪大学大型計算機センター要覧J (大型計算機センタ一発行) o l . 2 3 N o . 2 1 9 9 3 1 1第 9 0号 J ( O D I N Sの概要:下係、宮原) 「センターニュース V r O D I N S講習会資料・メールト 1 ¥+の導入と設定 J (尾上孝雄:工学部情報システム工学科) r O D I N S講習会資料・ネームサーバの導入と設定 J (東田学:基礎工学部数理教室) r O D I N S講習会資料・ニュースサーバの導入と設定 J (藤川和利:大型計算機センター) N I X J (山口英:奈良先端大学院科学技術大学) 「つながる U 「インターネット構築術J (ソフトパンク出版:石橋 勇人 著者) [技術研究発表 ] STM用遮音ボックスの製作 工作班 奥田良行 1.はじめに 前回 A F M用の騒音低減のための遮音ボックス(ノイズシェルター)を製作し、良い結果を得 ることができたので、今回はさらに空調設備や M BE (分子線エピタキシー装置)用の各種コン トローラ及び計測機器からの騒音の大きな実験室内に設置されている S T M (走査型トンネル顕 微鏡)に与えるイメージの乱れなどの影響を改善するための遮音ボックスを新たに製作したので この製作過程及び効果について述べる。 2 . S T Mの原理 STMは走査型プロープ顕微鏡の中でも最初に開発され、 STMファミリーの最も基本的な要素を 含む顕微鏡である。 図 -1に示すように先の鋭い探針とこれを三次元的に操作するための制御回路から成り、動作 のための信号は、探針を試料の表面に原子オーダーまで接近させた時に生じるトンネル電流を用 いている。すなわちこのトンネル電流の大きさは探針と試料表面との間隙によって指数関数的に 変化するため、この大きさを一定になるように制御を行い、この時の制御電圧をイメージ化すれ ば試料表面の S T Mイメージが得られることになる。 写真一 1に STt ¥ 1 本体の様子を示す。 Z輪駆動 c u - 動一 抑制一動 Y 一駆 軸 x 制御回路 Vt 探針ート 試料 図1 STMの 動 作 原 理 図 (防振ハンドブックより) 3.遮音ボックスの製作 今回対策を施す対象の S T Mは真空チェンバ一内に置かれていることと、実験室内に設置され ているため、他の装置類との関係から決まる諸条件から遮音ボックスの奥行き、高さ、幅の寸法 に制限が生じ、さらに S T Mの操作や試料の出し入れのため簡単に開閉できる構造が必要であっ た 。 設計方針としては以上のような制約条件上でいかに遮音ボックス内のスペースを広くとり内部 空間の吸音カを上げるかということと、ボックスの奥行き、高さ、幅の寸法比を可能な限り整数 でないようにしてボックス内の国有振動による共振を避けることを最優先した。 遮音ボックスの外壁には l m l T I 厚の鋼板を用い、これに市販のダンピング材として防振材 2mm 厚、ウレタンホーム 201nn1厚を貼付した。この音響特性は残響室法吸音率が l I<~Hz~こおいて 65% 、 損失係数が常温、 5 0 0 I I z で約 0 . 3である。また外壁の開閉のためにはボックスの支柱の各部にボル トを溶接し、外壁の各部にボルト孔を抜いて墜をはめ込むようにした。しかし、この方式は後に 組立の際に支柱の歪みのため非常にはめ込みを困難にする原因となった。 図 -2にこの遮音ボックスの外観及び各寸法を示す。 写真一 2及び写真一 3に実際に組み立てた遮音ボックスを示す。 ~コ omN c=2 c : : : : コ 4 噌 150 ー - 図2 遮音ボックスの概観図(単位 cm) 写真-1 STM本体 - - d e e - , ' - e . , 常 一 ぺ . , L J F ‘' , J 写真一 2 STM用遮音ボックス (正面) - 3 3 写真ー 3 STM用遮音ボックス(側面) 3 4ー 4 . 遮音ボックスの音響特性及び効果 図一 3はこの遮遮、音ボツクスの製作及び d a t a lは室内の機械騒音で、 d a t a 2はこの時の遮音ボックス内の騒音レベルである。 この結果から低中音域ではほとんど差が見られず、高音域で効果が見られる。 d a t a 3はスピーカーからホワイトノイズを発生した時のもので、 data-4はこの時の遮音ボックス 内の騒音レベルである。これから低音域でのボックスの共振状態や中高音域での効果がはっきり と分かる。 図-4は遮音ボックスを設置した MBE室内の実験結果を示す。この図でopenはこの室内の騒 音レベルを示し、 c l o s eは遮音ボックス内の騒音レベルを示す。 図-5は表面構造が観察しやすい試料としてグラファイトを用いた時の遮音ボックスをオープ ンした時とクローズした時の S T Mイメージを示す。この図からこの試料に関しては明瞭な変化 は見られなかった。 周波数 ( Hz) 32 63 125 250 500 l k 2 k 4k d a t a1 50 47 46 43 48 43 38 35 d a t a2 5 1 50 46 45 44 37 30 20 d a t a3 55 72 67 76 76 83 85 88 d a t a4 60 82 64 68 68 70 69 64 (∞ち )Jn 片山 90 80 70 60 一 + -d a t a1 ・- 50 -data2 一 企 -d a t a3 40 → ← data4 30 20 10 125 250 500 4 63 -K 32 ・ ・ ・ O 2 k 4k F r e q u e n c yB a n d ( H z ) 図3 遮音ボックスの音響特性 (試作室内) 周波数 ( II Z ) open c /o s e 3Z 63 1Z5 250 500 1k 2k 4k 59 67 56 6 1 57 54 52 46 61 73 55 59 55 47 40 33 ) J a ω (∞刀 日0 70 60 50 40 30 20 10 O 32 63 125 Z50 500 1k 2k 4k F r巴q u巴n c yB a n d (Hz ) 図4 遮音ボックスの音響特性 -3 6ー (実験室内) 遮音ボックス ( OPEN) ノイズレベル 74dB O . 7 7 V バイアス電圧 トンネル電流 S.33nA バイアス電圧 O . 7 7 V トンネル電流 5.33nA 遮音ボックス ( CLOSE) ノイズレベル 72dB 図5 グ ラ フ ァ イ ト の STMイ メ ー ジ 例 -3 7ー 5 . おわりに *今回遮音ボックスの形状及び寸法は設置場所の条件による制約があったため、ボックス内の固 有振動の分布が一様になるように設計を行ったが低音域での共振は避けることができなかった。 *ボックスの支柱として組立を簡単にするためアングルを用いたが、僅かな歪みによってかえっ てボルト孔の位置のくるいを生じ、組立に時間を要した。 *従来から用いられている音響材料では低音域の騒音は原理的に除くことは困難なので、狭い空 間に於ける騒音ならば技術的にほぼ確立している電子的方法によるアクティプ・ノイズコントロ ールによる消音が望ましいと考える。 *以上のように今後解決しなければならない問題がいくつかあるが、このボックスを用いれば STM観察中の混度変化による熱ドリフトや衝撃的なノイズに対しては十分に効果があると考え られる。 6 .謝辞 今回の遮音ボックス製作の案を快く承諾して頂いた権回俊一教授及び朝日一助教授、また製作 の過程で溶接や種々のご援助を頂いた前技術室長大村彰氏、試作室の角一道明掛長及び大西政義 氏 、 S T Mイメージを提供して頂いた権回研究室の廊柱亭君及びデータ整理にご協力頂いた鮒子 田昌弘君以上の方々に厚くお礼巾し上げます。 7 .参考文献 1 ) 金属系新素材発泡アルミニウムの吸音特性 技術室報告 N o . 3, 1 9 8 9 2 ) 金属系新素材発泡アルミニウムの吸音特性 技術室報告 N o . 4, 1 9 9 0 一音響流れ抵抗と最適吸音条件の関係一 3 )超音波を利用した化学反応実験装置から発生される騒音の低減 技術室報告 N o . 7, 1 9 9 3 4 ) 走査型プロープ顕微鏡用ノイズ、シェルターの製作 技術室報告 N o . 8, 1 9 9 5 5 )建 築 音 響 前 川 純 一 箸 共 立 出 版 6 ) 防振制御ハンドブック 監修時間保夫、森村正直 フジテクノシステム 研究室のガラス細工とその基礎知識 (3) 工作班ガラス工作掛小川紀之 しはじめに 平成 6年 、 7年の 2年間で「研究室のガラス細工とその基礎知識』と題し、さまざまな ガラス細工の手法を紹介してきた。本年はその続きとして封じ込みの手法を紹介したい。 そのうえで、それらを総合すれば何を作ることが出来るのか。具体的にトラップとリービ ッヒ管の製作を通 じて見ていきたいと思う。なお、過去 2回分に関しては、技術室報告誌 . o8を参照していただきたい。 の N o .7とN 2 . r 封じ込み J について 封じ込みが使われているガラス器具は実に多く、その形状から次の 3つに分類できる。 2 ) 封じ込みの変形、 ( 3 ) 横断封じ込み、それぞれ代表的なものを写真で (I)通常の封じ込み、 ( . 3.) 挙げてみた。( 写真 1 . 2 写真1.通常の封じ込み 左から トラップ リービ ッヒ管 (冷却管) 水流ポンプ 写真 2.封じ込みの変形 左から ジムロート ソックスレー - 3 9ー 写真 3 . 横断封じ込み コックの栓 封じ込みは非常に歪みのかかりや すい部位で出来が悪ければ後の作業 中にヒビ、 が入って割れてしまう。し たがって良い封じ込みを作るには次 封 じ 込 み の点に注意しなければならない。 (1)接着帯が太くて (2) 均一で (3) ガラス管表面より中にあって (4)接着手書の前後は丸く仕上がっ 良い例 ている 図 1に模式図で良い例と惑い伊j を 示した。接着帯というのは、外管と 〕 内管が接着 しているリ ング状の部分 のことを言 う 。 封じ込みの手法には大別して、外 悪い例 封じと内封じ、の二つがある。次に 簡単なトラ ップを作りながら、この 二法の途いを説明していきたい。 図1.良い例と悪い例 3.外封じ込み法によるトラップの製作 図 3は外封じによるトラ ップの製作手順を示す。 (a) まずトラップの本体となる 30 φ位のガラス管を、片方は足場にヲ │っ張り(図では長さを省略している)もう片方を吹き φ 位の口に作る。 破って 13 (b)次に、外径 10t/>位のガラス管を用意し、途中をソロ バ ン玉のような形にする。片方は足場に、もう片方は切断面を軽〈焼いておく。これが内 管となる。 (C) において (b) の内管を (a) の吹き破りロに挿入する。この時、吹き -4 0ー 破り口とソロパン玉がピッタりと接 するようにサイズを合わせる。左右 から少し押しながら、小さい炎で接 ; と ) 『 71『 ( b ) 江:> 面を溶融する。すると、まず本体の 吹き破った縁が溶けてソロパン玉に 溶着し、そして、徐々に全円周が溶 < : : : : J 着していき、接着帯が現れてくる。 この時、長時間接着面を熱してい ' ' ' 1 三吉田 ( e J }号宅戸 C ')のように焼き縮み(イ) ると ( の外壁が内管に付着してしまうので、 時々炎から出してプローを入れる。 (ロ)の部分を加熱肉寄せし、少し ふとい自の管に吹き、冷え際を引っ 張って (d) のような直管にする。 〉 (イ)の側も加熱しプローを入れて、 肩を充分に張らせる。(イ) ( ロ 〉 の双方を軟化点にまで熱し冷却の時 に軸を回転させて、センターを合わ せる。 図2 . 外封じ込み法によるトラップの製作 (d)側管を接着し (e)底 を作り完成する。 ( 0 ) 4 . 内封じ込み法によるトラップの ( h ) ー ! んr ; ! 図 4は内封じによるトラップの製 (a) まず内管の片 方の口を少し広げておく。 ( c ) d (b) ゴ 通す。 事 、; 〉 一 { 弘 栓 )ド、 山 i一 竺 士 ー す l ラI . : J V(~l 事 _ι~ 主nr-- ム栓をガラス管で貫いた軸管を用意 し 、 j、 1<<I~ 製作 作手順を示す。 r ? (a) で用意した内管を軸管に (c)全体を斜めにすると、 ( d ) 内管が外管に接するので、そのまま 小さい炎で接線の右側を焼き縮める。 そうすると接線が帯状になって接着 して接線帯となる。軸管を使うと内 管の軸が固定され溶着の時にぶれず 容易に作業出来る。以下、接線帯の 両側の整形・センタ一合わせ・側管 付け・底作りと作業を進めるが、外 封じと同じなので省略する。 図3 . 内封じ込み法によるトラップの製作 - 4 1一 5 . 内封じ込み法によるリービッヒ管の製作 トラップは 1つの封じ込み(片方だけ〉で出来ているが、冷却管は両端が封じ込みされ ている。内封じ込み法によるリービッヒ管の製作を通じてその違いを見てみたい。図 5に その手順を示す。まず、試験管口に両端を広げた内管を作る。 (b) この内管を外管の中へ入れ、 いると、接着帯がゆがむので直角・平坦にしておく。 両端に足場を引っ張る。 のようにする。 (a) 両端の口がゆがんで (c)足場の根本(イ)は薄肉になっているので焼き縮め (c) (c) を下に傾けて内管を外管の肩に接するようにし、矢印の点を加熱す ると接着帯が現れ、内管と外管が接着する。 (d)次に (c) の足場を抜き取り、吹き破 d ')を直管 って蒸気の受け口 ( つなぎし、 (e)側管 ( e ')を 付ける。以下、接着帯の両側の 5佃 ルと作業を進める。 (f)では aH司 H 君"畠 整形・センタ一合わせ・アニー { 畠 ) 町 ω {イ) - ー一ー-'両国園田町 右手{吹島)~司圃 (ロ)を焼き縮めて接着し、封 じ込みをする。この際、プロー t' l '(幽伝} の吹き口が 2カ所に別れている ので注意を要する。 (g)下管 を付け、接線帯の両側の整形を し 、 (h)側管 ( g ')を付け、 電気炉で一晩アニールする。こ の時両端に封じ込みがあるもの は、室温付近からスタートしな 1 L乎 ( l i i l伝) ω〈竺::J良竺竺 ( 1 1 ). c : 司 調 申 > = = 止 主 主 ω 脚訂正~13 二 : ; } g 釘 ロ m ω 脇 ( 1 1 ) ければ、外管と内管に熱膨張の :> : ,> :> 左手{闘伝} F E 司 亡兵制水出口 時間的ズレがあるため割れてし ( h ) まう。 畠} ε入 ごE ~ 冷 却 水 入 口 コ 右乎{吹き) 6I 込 図4 . 内封じ込み法によるリーピッヒ管の製作 6 . まとめ 今固まで紹介した手法を総合すれば、トラップや冷却管など結構使えそうなガラス器具 を作ることが出来た。当然、知識だけ充分で、も実際やってみると、なかなか思うようには いかず、相当失敗すると恩う。ただ、これだけの知識を頭に入れていれば、上達が数段早 いのは間違いない。さらに、自分に必要な装置を考案するとき、作る手順なども考えて、 的確な設計・発注ができるのではないかと恩われる。 参考文献 ガラス細工法 基礎と実際 飯田武夫 昭和 48年 虞川書底 - 4 2ー イオン研磨装置のメンテナンスとイオン研磨法による T E M (透過電子顕微鏡〉試料作製の実際 計測班分析・データ処理掛石橋武 1 . はじめに 分析電子顕微鏡で高分解能の像観察や元素分析をするとき、その精度を上げるには非 常に薄い試料(数 1 0 n mの厚さ)を作る必要がある o この試料作製に必要不可欠のものが イオン研磨装置である o いろいろ改良されて便利にはなっているが、メンテナンスを手 抜きすると短時間で良好な試料を作製することができない。今回は電顕室で分析した試 料の経験をもとにイオン研磨装置のメンテナンスや試料作製方法について報告する o 2 . イオン研磨装置について υ 研磨方法は主として気中放電によって生じたプラズマから引出電極によってイオンを 加速し、ビーム状に絞って加工物にあてる o この時にイオンが表面原子をはじきだす現 象を利用して試料を簿くする。実際は試料の両側にイオンガンがあり、任意の角度で傾 斜して回転している試料を削っている。 3 . 装置のメンテナンス メンテナンスには装置をいつも良好なコンデションで使うための通常メンテナンスと 連続運転を持続させるためのメンテナンスの両方が必要である o a .通常のメンテナンス イオンビームを最大加速電圧までスムーズに印加でき、効率のよい研磨をするためのメ ンテナンスである。図 -1に示すように電極内の真空とチャンパー内の真空の差動排気 をうまく働かす必要があるが電極の穴径に大きく影響される。図 -1の下に電極の使用 前の穴と 100時間程使用してイオンで削られて穴が大きくなったものを示す。実際に このようになると、差動排気がうまく働かずチャンパー内の真空も悪くなり試料がうま く削れなくなる。このため新しい電極と交換することが必要になってくる。 b .連続運転のメンテナンス 長期の連続運転による機器の修理や、真空系では可動部材料の疲労による劣化、 O リン グのグリスぎれや損傷による真空漏れがあり、電気系では長時間の使用による電気回路 絶縁部の汚れや高温劣化による絶縁破猿がある。表 -1にそれらをまとめた。 4 . T E M用断面試料の作製 2・3) a .硬さによる研磨の違い ここでは例として Si基板上に成長させた多層構造部分どうしを接着剤で貼りあわせ、 その面を中心にして機械研磨・イオン研磨した場合を図 -2に例を示す。観察したい多 基板の方から削られて行き多層構造部分 層構造部分より接着層の方が硬い場合には Si は接着層と一緒に厚いままで残ってしまう。また、接着層が他の部分より軟らかいと接 - 43- イオン研磨の原理 原理図 イオン材事ヰ ( ガ ス ) 蒸気 実 際例 (エドワーズ 1BT200 ) 試料 Ar Arガ ス -喝一一 一 一・ ー ー 一 ‘ を供給 電極内 1.3Torr チャンパー内 K V 使用前 5 5x1 OTorr 駆動モータ 使用後 図 -1 -4 4ー c l00時間) 着層が削られてしまい、多層構造部分の保護の働きもできず観察したい部分までも削ら れてしまう o このように硬さの違う接着層と多層構造部分を同時に薄くするのは至難の 業であり、たいていはどこかに残ったほんの一部分を観察していることが多い。 (通常のメンテナンス) トラブルと症状 原因と対策 電極聞の絶縁物の汚れ 高電圧が十分にかからない (2--3kvまでしかかからない) (絶縁物のクリーニング・交換) Arイオンが少ない (Arガスを増やす) ビームが弱い (ビームの色が弱く見える) チャンパーの真空が良くならない 引き出し電極の穴が大きくなった│ 〈ビーム電流を基準値にすると真空が悪くなる) 試料が速く削れない 〈電圧・電流・ビームが良いのに削れにく L、 ) 〈電極の交換) イオンビームの軸調整のずれ (ビーム軸の再調整) 〈連続運転のメンテナンス) チャンパー内の真空が十分に上がらない 〈何もしないのにトラブルが起きた) 試料交換時に真空漏れが発生する R .P .や D.P .のオイルぎれ 排気回路材料の劣化 (つなぎめの腐食など) 開閉部などの可動部より真空漏れ発生│ (0リングの損傷やグリスぎれ) Arガス導入用のパイプ劣化もあり イオンビーム加速用の高電圧電源のリーク 負荷を順番に外しながらリーク場所 のチェック 〈高圧ケープルのコネクター内でリーク) 試料台が回転しない 減速ギアーの研磨物による詰まり (ギアーのクリーニング、交換) モーターの焼け付き〈モーターの交換) 表 -1 装置のメンテナンス b.ビーム方向の違いによる研磨の効果 上記の欠点を補うために試みたのが次の方法である。電顕像の観察から層状に沿って イオンビームを照射すると選択エッチングが起こっているのがわかる。そこで層状構造 に対して直角方向にのみビームが当たるようにして研磨した。図 -3にこの様子を示す。 - 45- T E M用断面試料〈多層構造薄膜〉の作製 多層構造→ ←多層構造 接着層 理想の穴の位置 ビームを一方向のみで 図 -2 - 46- ビームの方向による研磨の違い I Z J-3 - 4 7ー 図 -4b 図 -4a K n u r l e ds e c ur in gn u t s 2 . U p p e rr i n g 3 . U p p e rf o i Jd i s c 4 . L o werf o iJdi s c 5 . L o w e rr i n g 6 . 5凹 c e r 7 . S p e c i m e n ② と⑤ のリングの聞にアルミの遮蔽をもうけー る。 - 4 8ー 集束イオンビーム加工法 (F 1B) x75000 x5000 - x2000 図 -4 9 5 にj この方法では層状付近に涙状の穴が空き、一つの穴に対してその両端にニカ所づっ観察 のできるチャンスが生まれる。この研磨方法を行うには試料の回転を一定方向に回すの ではなく振り子回転(任意の角度で反転させる〉させなければならない。しかし、すべ ての装置がこのような機能をもっている訳ではない。そこで単に一方向だけ回転する装 置でも、試料台の任意の方向だけにイオンビームをカットする遮蔽(アルミ箔等)を設 ければ、簡単でしかも有効な代用装置になる。 c .イオン研磨によるクリーニング効果 図 -4aを見ると試料の透過しているところに、いくつかの斑点が見られ、これが微 細な部分の像観察を妨げている。これはイオンビームで試料を削る際に、早く削るため にパワーをあげて粗削りしたための結果と考えられる。仕上げに電圧・電流・傾斜角度 を少なくして研磨すれば良いはずなのだが、時間がかかってうまく行かない場合が多い。 この対策として複数の研磨装置の組み合わせで対処している。例えばパワーの強い装置 でもって 30分研磨した後、パワーの弱い装置 ( 1日式の装置〉で 3時間研磨して試料を 作っている。図 -4bの写真は旧式の装置で仕上げた試料である。右端の縦に入った細 線(数 nmの太さ)がはっきり観察されている。 d .F 1Bによる試料作製 図 -5に集束イオンビーム加工法 ( F1B )で作製した薄膜試料を示す。 F1Bは最 近、頻繁に使われだした方法で、 Arイオンのかわりに Gaイオンを使用している o 研 磨部分は目測で決めるのではなく、イオン像を見ながら目的の場所を削り出す方法であ る。図は下から n 慣に拡大観察しており、最上部の写真の多層構造は下の写真では O印で 囲んだところである。この電顕像より層状構造の確認に使うのにはたいへん便利な方法 である。 5 . まとめ イオンビーム研磨装置は 10数年前から当電顕室で稼働しており、この装置によって 作られた試料はセラミックスからセラミックスと金属の複合体、そして超格子構造の半 導体へといろいろ変わって来たが、その都度、試料の作り方に悩まされており、その時 々の工夫によってクリヤーされて来た。装置の方も購入後 2-3年は順調に働くが、そ の後は必ずトラブルがあり、うまく使いこなせるかはメンテ次第だと思う。これらの事 情は産研内の最新の装置でも例外ではなく、今回の報告が何かの参考になればと思う。 6 . 謝辞 今回の報告にあたり貴重な試料をお借りした九州工大の武内氏、本研究所中島研の加 藤氏に紙面をお借りしてお礼申し上げます。 7 . 参考引用文献 1)機械設計 v40 (日刊工業新聞社 1996)61. 2)電子顕鏡基礎技術と応用 1995 (学際企画) 165. 3)薄膜作製応用ハンドブック(エヌ・ティー・エス 1995)597. FABMS法をホストーゲスト分子認識能の評価に応用する手法 計測班 山田等 1.はじめに 質量分析法は種々なイオン化法を用いて試料をイオン化し、そのイオンを電磁気的 に分離し、検出し、得られたスベクトルを解析することにより試料の分子量の決定、 分子構造の推定、既知物質との同定等を行う分析法であり、有機化学、分析化学、生 化学などの各分野で必要不可欠な機器分析法左じて定着している。 先ず、 F A B M S法はイオン化法のー・つであり、悶体や液体の試料をグリセリンや ニトロベンジルアルコールなどの粘調なマトリックスに溶解させる。直接溶解しにく い場合は、メタノール、クロロホルムなどの通常の有機溶媒に溶解させてから、マト リックスとよく混合する。このようにして調整した試料約 1 μ L を F A Bターゲット に塗布し、キセノンなどの電気的に中性な高速原子ビームを照射しイオン化する法で ある。 F A B M S法は、微量の難揮発性試料、熱不安定性試料、生体高分子などに対 して有用なイオン化法であるため近年めざましく発展をとげてきた。さらに、 F A B M S法は有機分子の選択性、反応特異性評価のための新しい手法になり得るという動 きが台頭し、質量分析法の長所である微量試料と迅速測定を生かした新しい方法論と してホストーゲスト化学の分野で注目されるようになってきた。 また、分子認識能(キラル分子認識)は生体系における基本プロセスの一つであり、 さまざまな生体反応の初期過程に現れる選択的会合原理の原型ともいえる。生体はエ ナンチオマー(鏡像体)対の一方にだけ応答するか、あるいはエナンチオマーそれぞ れに異なった応答をする。たとえば、一方のエナンチオマーのみを代謝したり、医薬 として有効に作用したり、甘味を感じたりする。種々の人工モデル化合物が、そのキ ラル認識メカニズム解明のために合成されてきた。そのーっとしてキラル(光学活 性)クラウンエーテル類が、ゲストのエナンチオマーを認識しうる典型的ホスト化合 物として合成された。その結果、ある種のゲスト化合物に対して高度なキラル認識能 (右と左を区別しうる能力)を示すホストーゲストの組み合わせシステムが見いださ れ、有機化学的な精密解析を経て、機能発現のためのメカニズムが次第に明らかにさ れてきた。今回、ホストーゲスト分子認識能の評価に F A B M S法を応用した手法に ついて、キラルクラウンエーテルホストとキラルアンモニウムイオンゲストとを組み 合わせた反応系等について、測定した結果を紹介する。 2 . F A B M S法の原理とトータルイオンクロマトグラフ F A B M S法の原理を凶--1に示した。 また、図 - 2に E I M S法、凶 - 3に F A B M S法で検出されるトータルイオン量の クロマトグラフを示した。 通常マススベクトルは、 1スキャンで 1スペクトルが得られる o E 1M S法の場合 にはスキャン回数によりトータルイオン量は変化するが(図-2) 、 F A B M S法の - 5 1一 場合にはスキャン回数に関係なくほぼ安定したイオン量が得られ(1 玄1 -3) 、定匙的 t j :測定においても問題のない ことを示唆し ている 。使用し た試料が FAsMSi 去に対 応しなければならないことは勿論の ことで あるが、イオン最が安定して出現するとい うことも大きな要因の 一つでもある 。 n … ン • 子園 z- 出- 速制園 中﹀圃 高品目 A 科 試 - [ ] ,府 交 換 〉 【スパ ッ タ リ ン ゲ 樋E 構 多1[ 1 MS ン イ オ -7 タ ス ク イ ン オ ke -ン , HHf ︺14 + 一 一 M M 戸一 ︹ ︻τ I l ー ゲ ツ ニ ニ' L 婿茎 図- 1 t ¥ I . E 1 1 3γ1 I. T . i f u1 fli • "印 ~m.z F A s M Srt;の原; 盟図 Fげヨ 号 ~tm , . . R. T . 干 ・ " 回 E " " " " ・ ・" . . ・ & l I 1 2 γ _ 1 .1 7 1S~ . . . 図 -2 E 1M S法に よる トータ ルイオンクロマトグ ラフ ・ 1 1~-3 . . ー . " ・ 4 F A s M S法 による トータ ノ レイオ ンクロマトグラフ 1 .1 ・ S ε m Rd 3. ホストーゲスト分子認識能の評価について 今回取り扱ったキラルクラウンエーテルホストとキラルアンモニウムイオンゲスト とのホストーゲスト組み合わせシステムの代表的な模式図を図 - 4に示した。このキ ラルクラウンエーテル(ここでは H と表す)は 4個の置換基 (A、B、C、D と表されて いる)が、クラウン環骨格炭素に、それぞれ ( R ) -の立体配置で結合している (RR Host C h i r a lCrownE t h e r 受 B Host G u l ωωmp勉K lon D i a s t e r e o m e r GUDSt C h i r a lAmmoniuml o n D 』 『 │GR+o rGS+ I 図 -4 ホストーゲスト組み合わせシステムの模式図 RR)- ホスト。一方、クラウンエーテル酸素に水素結合で会合するゲストは、ここで はアンモニウムイオン部 (NI I3+)が 3つの異なる置換基を有する不斉炭素に結合する、 キラル(光学活性)アンモニウムイオン (G+)である。 (R)-配置の (G+)は (GR+ ) 、 (S) ー配置の (G+) は (Gs+)となる。 (H) と (GR+)あるいは (Gs+)で生成するホス トーゲストコンプレックスイオンは、 (H+GR)+あるいは (H+Gs)+で表記され、互い にジアステレオマー(立体異性体)である。このジアステレオメリックホストーゲス トコンプレックスイオンのどちらがより多く生成するか、つまりホスト錯形成の相手 として (R)- ゲスト分子を優先的に捕捉するか、 (S)-ゲスト分子を優先的に捕捉する かを決定することがキラル認識能評価である。 従来、このキラル認識の有無や程度の決定には次のような種々の検出手法が用いら れてきた。 O 抽出/旋光度法 O タイトレーション NMR法 O 膜輸送法 O 電極法 最・近では、タイトレーション(滴定)NMR法がしばしば用いられている。 4. キラル FABマススベクトロメトリーの基本原理 有機化合物のキラル識別とは、一対のエナンチオマーにおけるキラル中心原子につ いた霞換基の配列順序を識別することである。 FABMS法は本来、このキラリティ ーの判別には威力のない測定法である n それは一対のエナンチオマーの F A Bマスス ペクトルは問ーであり、スペクトルパターンに全く差がみられないためである。 Jの分子 したがって、キラル認識、キラル識別に FABMS法を用いるためには、男I の持つキラル環境と組み合わせた複合系での測定が必要となる。つまり、基本原理は、 基準となる別のキラル化合物どの分子関相互作用の差を検出ことであり、次のプロセ スを経て行う。 (1)基準のキラル分子 ( ( R ) -y) を加え、分子問相互作用をしうる条件下で測定を 行う o (2) 生じたジアステレオマー、 [(R) ーX ・ (R)-Y] と[(S)-x ・(R) ーy] の F A B マススペクトルのピーク強度の差異等を検出し、定量化する o (3) それによって、 (R)-Xか (S)-xかのキラリティーを識別する。 ーX+(R)-Y 二 二 三 [(R)-X・(R)-Y] (R) (R)-y] (S)-X+(R)-Yζ 士[(s)-x ・ このプロセスにおいて、 FABMS法で検出できるという条件が満たされなければ ならず、そのためには、ジアステレオマー問で比較的大きな差の分子問相互作用が期 待できる基準キラル化合物 ( y ) の選択が鍵となる。 そこで、材料解析センターで確立した RP 1法(相対ピーク強度法)、 1R 1S法 (エナンチオマー標識法)についての手法を!較に紹介する。 5. FABMS/RP1法 n : r ) を加え、 RPI法では、キラルホスト(I -I)と当モル量のアキラル基準ホスト (H カチオンゲスト (σ) との聞で生じる 2種類のホストーゲストコンプレックスイオン ( R C f +Gf] を求めることを基本にしている。 のピーク強度の比、 1 [(H+GfJ / [ この比のことを RPI値と呼んでいる。そこで、エナンチオマーゲスト (GRfと(Gsf 対の間で得られる R P I R値と R P I s値を比較してその比、 R P l a/ R P I sの大小をキラル認 識能評価の指標とする。 ( H + ( ' J R f J/ 1 [ ( 比 a + < I R fJ R P I R= 1 [ R P I s= =1 [(H+Gs ) ・ J/ 1 [ ( f b r K I s ) t ] キラル認識能力の判別法は次のようになる。 .0の場合、ホストは ( R)- エナンチオマーゲストと優先的 (1 )R P I R/ R P l 3 >1 にコンプレックス出来る。 .0+ 0 . 1の場合、ホストはゲストのキラリティーを認識でき (2) R P l a/ R P I 3 =1 ない。 - 5 4ー (3) RPIR/ R P I s く1.0の場合、ホストは ( s)-エナンチオマーゲストと優先的 にコンプレックス出来る。 図 -5に FABMS/RPI法の手法を、図 -6に得られるスペクトル図を示した。 この方法を用いて、天然に由来する単糖類の誘導体のキラノレ認識能力が調べられた。 i j j j j j c = IR :内 部 標 準 ホ ス ト I l :m 史出 I~ トリックス RP I a=1 [(H+Ga ) ' J / 1 [(lW+<nf J RPL= I [(H+Gs f J / 1 [(u...+Gsf J 図 -5 FABMS/RPI法の手法 i Z ' 師 鴫 s ' w 醐v .」 l〈 H 町耐由+ = 4 G ω I S ) + CH+G + A) m I z = 8 4 0 { m H 危 + = G 制 s 。 〉+ 町耐惚+ = 4 G ω R)+ C H 品 有 明 l ' I T I I 開 抑, . l .叫….… 1 . . . l . J . I . l J . " 書官@ 48Q . . . " . w¥ . w l " " " " " ' ' ' ' ' P N . . . . , . " . " . . . . " . , . , . , S S g 61Q 宅1 1 l 帽 891 曹S 刷局 ー 3O'i 制拘 5 1 1 1 邑田 図 -6 FABMS/RPI法で得られるスペクトル 1a Q e 胸 制itV! 6. FABMS/IRIS法 FABMS/RPI法では基準ホストの選択が重要な鍵となり、選択次第では認識 能力があっても過小評価されるような場合がある。この点を改善する手法として発展 的に FABMS/IRIS法が開発された。この方法は基準ホストを使わずに、生成 するジアステレオメリックホストーゲストコンプレックスイオンを一枚の FABマス スペクトル上で直接区別しようとするもので、ゲストのエナンチオマ一体の一方を同 : 1 等モル混合して調整し、 位体標識した試料と他方の非標識エナンチオマ 一体試料を 1 これをゲストとしてホストとコンプレックスさせる手法である。 h H+G イ ご = : : . (H+c n f H+G~φ ぞ=三: (H+G: 凶 y 得られた FABMSスペクトルで一対のジアステレオメリックホストーゲストコン プレックスイオンのピーク強度比、 1 [ ( H + G R f J/ 1 [ ( H +G凶f J をとってキラル認 識能力の指標とする。 キラル認識能力の判別法は次のようになる。 ( 1 ) k/bt. ・ 3>1の場合は、ホストがゲストの ( R ) ・エナンチオマーとより強くパ インドする。つまり ( R ) -エナンチオマー選択性を意味する o その値が 1より大きけれ ば大きいほどホストのエナンチオマー認識の程度は高い。 (2) IR/い3 <1の場合は、ホストがゲストの ( S ) - エナンチオマーとより強くパ S ) -エナンチオマー選択性を意味する o インドする。つまり ( (3) I R/ k3= 1+0 .1の場合は、ホストがゲストのキラリティーを認識できない ことを意味する。 また、 FABMS/ 1R 1S法においては 同位体の天然存在比を 無視出来ず計算時には 補正を加えている。 図 -7にコンビュー タ計算による天然存在 比の一例を示した。 図 - 8にFABMS /IRIS法の手法を、 0、 図 図 - 9、 図 -1 1 1に得られるスペクト ル図を示した。 この方法を用いて、 天然に由来する環状化 合物などのキラノレ認識 能力が調べられた。 . . H " 骨 骨 骨 嶋 崎 輔 輔 H 骨 * Ph9H~02CH3 C S 1 H s s N 1 0 9 骨 骨 " " 輔 NHi 輔 輔 輔 " " " “ g z 輔柿 輔輔 君= I s o t o p e m / z I n t e n s i t y(%) 骨骨 輔柿 崎輔 “ " . n s 情 " “ " ・ ・ ・ 椅輔 T M 8 2 6 1 0 0 . 0 0 M+1 M+2 M+3 827 5 8 . 6 8 8 2 8 829 1 8 . 7 4 0 悼骨 g認 骨師 " 輔 輔 嶋 帽 輔 骨 ‘ - 輔 崎制 嶋崎 暢骨 骨骨 " H " n a s . . . 輔輔帽 4 . 2 6. . . 図 - 7 同位体天然存在比の一例 柿崎輔輔 骨骨骨輔 ( n t :ゲスト / M eO H M:ホスト /CHCb GHø~ゲスト /MeOH 5μ ト¥ tμL I [但崎Il f J/1 [(H-tG凶,fJ 図- 8 FABMS/IRIS法の手法 田町 a - --Relative 自bund-nee 1 St : ! R f ¥ (H喝 自 由 6B 4B /(8地司令 lB4 2B lBB 図-9 2BB 3B目 4BB SBB 6BB 7BB '8BB FABMS/IRIS法で得られるスベクトル ( I R/ I s φ3 >1の場合) - 57- 9B目 lBBB 〆 "Z ; : : 門 ; : lJ││ /(耳鳴4J f 9 2 1 v e 但地}¥ 。 e 1BB 2BB 3BB 4BB 5BB 6BB 1BB BBB 9BB 1!2!B~ 〆 "Z 図 --10 FABMS/IRIS法で得られるスペクトル (I R/1 品 3 <1 の場合) 「 国 (H崎af¥/(8 喝 u s ) 4~1 ν e tse u n d a n 40 II g 301 c e 20 3BB 4BB 5BB 6B目 1BI / I 91 / 1 1 / 1 図 -1 1 FABMS/1R 1S法で得られるスペクトノレ (I R/ k3= 1+ O .1の場合) 7 . おわりに FABMS法は微量試料を高感度で迅速に測定できることはもとより、生成イオン も比較的安定に検出でき、再現性の良いスペクトルが得られる o 今回紹介した FAB 、 FABMS/IRIS法は、材料解析センターにおいて FABMS MS/RPI法 法を最大限に活用することによって開発されたホストーゲストシステムにおける新し いエナンチオマ一分子認識能(キラル認識能)評価法である。実験結果は、代表的な 剛 R 滴定法で求めたホストーゲストコンビネーションシ いくつかの試料について Hステムの結果とも完全に一致しており、この方法は、今後簡便なエナンチオマ一分子 認識能評価法として幅広く利用されてゆくものと期待される。 さらに、他の研究分野においても、このような手法を応用した F A B M S法の活用 がなされることも併せて期待する。 最後になりますが、この報告に際し貴重な研究データ並びに資料を提供くださった、 材料解析センター津田助教授、高井助手に深く感謝いたします。 〈参考引用資料〉 rFA Bマススペクトロメトリーによるクラウンエーテル類のキラル分子認識J 津田正賓 ダイキンニュース No.78( 1 9 9 6 ) 技 術 室 報 tE E k 平成 9年 3月 発行者 大阪大学産業科学研究所技術室 干5 6 7 大阪府.茨木市美徳ヶ丘 8番 1号 (阪大吹田団地内) T E L .0 6 8 7 9 8 3 9 7 印刷所 (株)セイエイ印刷