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さかとく旋風 - 県立境特別支援学校

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さかとく旋風 - 県立境特別支援学校
せんぷう
さかとく旋風 第11号
平成28年7月1日発行
境特別支援学校校長室
デュアルシステム型現場実習の取組
―高等部特集―
高等部の職業コースや作業コースの子供達が取り組んでいるデュアルシステム型現場実習先を近藤進
路指導主事と共に巡回してまいりました。そもそも「デュアルシステム」とはドイツで始まったマイス
ター制度(週の半分を企業で残りの半分を企業で専門的・実務的内容を「学びながら働き,働きながら
学ぶ」制度で中世から実施運用されている)で,
「教育」と「職業訓練」を同時に進めるシステムのこと
です。本校では,2 週間継続して行う現場実習とは別に,年間をとおして毎週1日(火曜日)に実習(今
年度は午前中)を行い,実習の課題等の改善に向けて学校で振り返りの学習を行います。今年度から職
業コースの 2,3 年生が挑戦しています。学校生活の最終段階にある高等部の子供達に「はたらきたい」
を育てる学校目標がどれだけ根付いたかが問われます。地理的な条件から,子供達は自転車をフルに活
用して実習先に赴いています。天候の良し悪しに関係なく,担当の先生と共に学校と実習先間をペダル
をこいで頑張っています。今回は4箇所を回ることができましたのでご紹介します。
梅原流通情報サービスでの実習:贈答品の箱の組み立て・タオルの寸法の確認作業です。 ↑本校の保護者でもある櫻井さん宅での農作物(今回はカボチャ)の出荷作業を行いました。
介護老人福祉施設「ファミール境」でお年寄りの話相手となり熱心に世話をする子供達です。
↑ホーマックで日用品の品出し作業を行う子供達です。(種類が多いので大変です)
高等部見学会&さかとくサポーター見学会開催!!
30 日(木)の午前中に本校通学区域内の中学生を対象にした「高等部見学会」が,午後からは日頃か
ら支援をいただいているさかとくサポーターの皆様を対象に見学会がさかとくホールで開催されました。
午前中の高等部見学会では,近隣の中学校から 21 家族が参加し,秋山高等部主事から高等部の概要を
説明した後,授業を観て回りました。本校高等部が自分の進路先の選択肢の一つになるかこれから考え
てもらうことになります。
(校内の中学部生を対象にした見学会は別日に設定しています。
)
午後は,さかとくサポーターの皆様(25 名:16 事業所+個人 1 名)にお集まりいただき,職業コース
の子供達の中から 4 人が現場実習の体験報告を自分で作成したプレゼンテーションで発表しました。子
供達は準備万端とあってサポーターの方が目を丸くするほど立派な発表を行うことができました。サポ
ーターの方から,
「もし,組み立て作業で失敗してしまったら隠さずにきちんと報告できますか。(失敗
したものは商品にはならないという厳しい現実があるの意)
」の問いに,迷うことなく「はい,できます。
」
と自信をもって答えていました。子供達にとって貴重な体験になったことは言うまでもありません。
「高等部見学会」で
見事な
農園芸班の作業を
プレゼン
見学している様子
の様子
※27 日(月)の全校集会において小学部 6 年の児童生徒会役員が自主的に 6 年生の修学旅行の報告を行いました。驚きでした。
※同じく全校集会でドリームランチの考案者(小 4 の 2 男子)に賞状を手渡しました。「がんばれくまもとランチ」のネーミングもよく,献立は中華め
ん,とんこつスープ(くまもと風),天草大王鶏のからあげ,れんこんのきんぴら,でこぽんです。給食としていつ出るか楽しみですね。
せんぷう
さかとく旋風 第12号
平成28年7月8日発行
境特別支援学校校長室
「自立活動」の指導力向上を目指した研修会が開催されました!
自立活動と言われてもどういうものかよく分からないと思います。本校の教育課程(学校の教育目標
を達成するために教育内容等を学習段階に応じて系統立てて配列した指導計画,カリキュラムのことで
す。
)は,各教科,道徳,特別活動及び自立活動,総合的な学習の時間を適切に組み合わせて指導を行っ
ています。
「自立活動」は領域別の指導に含まれ,子供達の個々の障害による学習上又は生活上の困難を
改善・克服するための活動を行い,人間として調和のとれた育成を目指すことにあります。
例えば,A君の場合,大きな音には耳をふさいでいる,暑さ寒さが苦手,毎日繰り返す活動は落ち着
いて行える,担任の働きかけは素直に受け入れる,困ったことがあっても助けを求められず混乱してい
る等の正確な実態を把握しその背景を分析していきます。そうすると,A君の「意思伝達の困難さ」や
「感覚の過敏さ」等がみえてきます。そこで,背景に迫るための指導目標を設定します。意思伝達の困
難さを改善するのに,「絵や写真カード等を利用して自分の要求を伝えることができる。」といった目標
が考えられます。これをスモールステップ化すると,
「教師の促しのある場面で,対象を担任として,絵
カードや身振り等の手段で自分のしてほしいことの要求を伝えることができる。」→次の段階として,
「教
師の促しのない場面で,対象を担任以外の学年の教員として,絵カードや簡単なことばを手段自分の要
求を伝えることができる。
」というようにステップアップさせていくことが想定されます。
学校研究とタイアップした今回の研修では,小・中・高各部の提案授業を受けて講師としてお招きし
た茨城大学の新井英靖先生から,授業について細部にわたってご指導をいただきました。指摘のあった
点は参考になることや新しい発見も多く,次時の授業に生かすことのできる研修となりました。
小 1 は友達を意識して行うゲームです。中 1 は友達に意思を伝達しながら行うゲームです。高 1 は友達を褒めることで自尊感情を高めます。新井先生による授業分析を伺いました。
平成 28 年度「第 1 回教科用図書選定協議会」がありました
教科用図書いわゆる教科書ですが,いったいどうやって決めているのでしょうか。簡単にいうと県の
教育委員会から通知を受けた学校は,選定協議会を開催して選定方針等について,委員として委嘱した
外部の方(植木PTA会長他 2 名)から意見を求め協議をします。選定協議会の結果を受け,原案を立
て学校内部の選定委員会にかけます。この段階では,各部学年で煮詰められた具体的な教科書案が示さ
れます。さらにこれらが教科書として過不足なく流通しているのか等,同じく学校内部の調査委員会が
調べます。これを受けて第 2 回の選定協議会において調査結果等を協議し選定することになります。
最終段階として,選定された教科書一覧を県教育委員会に提出し,県の審査会で採択されるというス
ケジュールです。☆のついたものや図鑑等も教科書として選定されたものです。有効に使いたいですね。
外部委員さんには小学部から順に授業を参観していただいた後,各部の教科書展示場所や図書室にご案内しました。。
【インフォメーション】PTA副会長の飯田さんからかぶと虫(かご・えさ付き)をいただきました。
季節の生き物が登場して管理棟 1 階がにぎやかになりました。ありがとうございました。
せんぷう
さかとく旋風 第13号
平成28年7月15日発行
境特別支援学校校長室
7 月の全校集会がありました
11 日(月)に全校集会を行いました。今年度は 10 月 15 日(土)に第 2 回目の「さかとくまつり」が
実施される年です。白石先生より中学部と高等部の各学年から選出された実行委員 12 名が紹介され,続
いてスローガンとテーマソングの発表がありました。今回のスローガンは,高等部 2 年生が考案した「み
んなで叶える物語~Story~2016 さかとくまつり」に決定し,テーマソングは,小学部 1 年生と 4 年生が
選曲した歌手のドリーム・アミの「トライエブリシング(映画ズートピアの主題歌)」が選ばれました。
集会では,テーマソングのさわりの部分に耳を澄ましたり,実行委員一人一人から「さかとくまつり」
に対する抱負(ほうふ:心の中に抱いている決意や計画)の発表に耳を傾けたりしました。
「さかとくま
つり」をみんなで盛り上げていきたい等,実行委員の並々ならぬ意気込みが感じられる発表でした。
最後に笹川先生から子供達に向かって,夏休みに海や山,テーマパークの他に行けるといいなと思わ
れる「博物館」の話がありました。主に鉄道博物館の案内でしたが,あまり聞いたことのない名前に子
供達や先生も「へーっ,そんな所にあるの?」といった表情でとても興味深く聞いていました。
体育館に集合した子供達。児童生徒会役員の進行で始まります。白石先生がさとくまつりでは何をするの?と子供達に問います。その後,実行委員の発表
笹川先生の話へと続きます。
第 1 回漢字検定実施!
8 日(金)に今年度初めての漢字検定があり,小中高合わせて 19 名がそれぞれの目標としている「○
級」に挑戦しました。静寂に包まれた「さかとくホール」では受験する子供達の緊張感がひしひしと伝
わってきました。
「始めてください。
」の合図で一斉に鉛筆が動き出しました。子供達の練習してきた努
力の跡がはっきりとうかがえました。受験生全員に朗報が届くことを期待したいと思います。
受験上の注意をよく聞いてから試験が始まりました。脇目も振らずに解答用紙に書き連ねていきました。頑張りすぎて試験が終わってから体調不良になった受験生がいました。
第 1 回保護者会がありました
12 日(火)に 1 学期の保護者会が持たれました。当日はご多用のところをたくさんの保護者の皆様に
お集まりいただきましてありがとうございました。授業参観には全体で 177 名(64%),学級懇談には 162
名(58%)の参加がありました。1 学期の 4 ヶ月間でいくつもの成長が見られたお子さんの様子を参観い
ただけたことと思います。その後の学級懇談では,担任と 1 学期を振り返りながら,お子さんについて
共通理解を図られたのではないでしょうか。お子さんが学級という集団の中で友達同士,時にはよき仲
間として助け合い,また時にはよきライバルとして競い合いながら育つことの意義を十分にご理解いた
だけたでしょうか。これからどんな成長をみせてくれるかますます楽しみになってきました。
<インフォメーション>
「PTA第5回夏まつり」が 7 月 31 日(日)に開催されます。実行委員の皆様には既に何度も会合を
持たれ,細部にわたって詰めの作業を続けていただいておりますことに感謝申し上げます。当日が子供
達をはじめ大人にとっても豊かな活動になりますよう,皆様と心を一つにして頑張ってまいりましょう。
せんぷう
さかとく旋風 第14号
平成28年7月22日発行
境特別支援学校校長室
第 1 学期が終了しました!
20 日(水)第 1 学期の終業式が体育館で行われました。4 月からそれぞれが新しい環境で学習するこ
とになりましたが,月日が経つにつれて日々の見通しをもって生活できるようになってきました。終業
式では,4 月から歩んできた 1 学期間の学校生活を子供達と一緒にスライド(写真)で振り返りました。
各学部・学年の行事や学習の様子が映し出されると,
「にゅうがくしきーっ。」
「しゅうがくりょこうーっ。
」
「プールーっ。
」などと関係する学年から思わず歓声があがりました。学習したことがしっかりと脳裏に
焼き付いていたことが分かりました。
式後に,夏休みの過ごし方について,体育館とさかとくホールに分かれて学習しました。体育館では
境町防犯協会女性部の方々による不審者には絶対に付いていかない「いかのおすし」のお芝居やさかと
くホールでは境町警察署生活安全課長石塚警部から,犯罪に巻き込まれないようにするためにといった
講話がありました。夏休みに入る直前のタイミングであり,子供達も強く印象に残ったことと思います。
境町防犯協会女性部の皆さんの息の合った流れるようなお芝居で身を守る大切なお話を聞きました。さかとくホールでは石塚警部の携帯電話等で起きた事例に耳を傾ける子供達です。
スクールバス乗務員さんへ感謝の気持ちをプレゼント!!
同じ 20 日に,各号車のスクールバス乗務員さんに対して 1 学期間お世話になった感謝の気持ちを込め
て,プレゼントを贈りました。毎学期の終了時に高等部生の手作りの雑巾(2 枚)やボックスティッシュ
(5 箱セット)を贈っています。この日はスクールバスが学校に到着するやいなや,バスの中で贈呈式を
行いました。車内でのセレモニーなので窮屈な印象がありましたが,号車担当の先生の合図で,
「ありが
とうございました。また,よろしくお願いします。
」と子供達から伝えることができました。
車内では何かいつもと違う雰囲気に驚く子供達がいました。セレモニーは子供達の記憶に残るか残らないかのうちに終わってしまったのが少々残念でした。
不審者対応訓練を実施
22 日(金)に職員による不審者対応訓練を行い,境警察署生活安全課長の石塚警部や同課の北島巡査
部長から手ほどきを受けました。平成 13 年に起きた大阪教育大学附属池田小学校の児童等殺傷事件を受
けて,全国の学校で不審者対応訓練や防犯マニュアルの見直し,警察への緊急通報装置の設置,さすま
たの整備,防犯ブザーの携帯,ホイッスルの活用等々,様々な環境が整備されてきました。茨城県でも
同様に最低限必要な対応策を練って取り組んできたところであり,特別支援学校においても教職員だけ
ではなく子供達を含めた訓練を毎年実施しながら,防犯に対する意識の向上を目指しています。
教員を目指していたという石塚警部から,不審者への具体的な対応法を実践を交えて学びました。
※夏期休業中の「さかとく旋風」は本校HP上に掲載いたします。ご了承ください。
せんぷう
さかとく旋風 第15号
平成28年7月29日発行
境特別支援学校校長室
職員研修旅行実施!!
23 日(土)に希望者を募って総勢 29 名で職員研修旅行に出かけてきました。今回の旅は歴史ある横浜
がメインで,始めに横浜市防災センターを見学した後,横浜中華街でバイキング料理に舌鼓を打ち,午
後は横浜港から東京湾をクルージングと洒落込みました。
最初の見学先である防災センターでは,この 4 月にリニューアルしたばかりとあって建物が新しいば
かりでなく,体験を通して学べるプログラムが組まれており,音と映像の空間がまるで災害現場にいる
ようなシミュレーションを肌で感じることができました。具体的には,まず,起震車ならぬ起震台に乗
ってこれまでに全国で起きた大地震の感覚を映し出される画面と共に体感しました。縦揺れや横揺れ,
直下型等,数十秒の体験でしたが,東日本大震災の揺れの再現はあの日と同じように長く感じました。
次に,消化器を使った初期消火のシミュレーションです。天ぷら鍋から燃え上がる映像が流れると消
火器のストッパーを外してレバーをつかみノズルを画面の炎に当て続けていると,ゲームのような感覚
のレーザー光線が炎を消していきます。インストラクターから実際の場面では炎に近づきすぎないこと,
消火器で全部を消すことはできないので過信せず避難することが第一である等の説明がありました。
3 つめは,煙体験です。実際に煙が充満している細長い廊下をハンカチ等で口と鼻を押さえ腰をかがめ,
低い姿勢で出口を目指します。10mほどの距離でしたが,煙のために前方が確認しにくいことと低い姿
勢に加え,煙を吸い込まないように口と鼻を押さえているので息苦しさを感じた体験でした。煙は上へ
昇る性質があるので,壁と床の境目には新鮮な空気が残されているとのこと,万一の場合はそこに口を
当て酸素を取り込んでほしいとの説明がありました。
4 つめは,家のリビングにいる状況で災害が起きた場合にどう対応するかのシミュレーションでした。
大地震,火災,水害等の危険にさらされた時,瞬時の判断が生命を守る分岐点になります。大地震の場
合は,家屋倒壊を考え,後で役立てられるものを持って外に出る,火災の場合は初期消火で済まない場
合は身の安全を考え一刻も早く外に出ること,水害の場合は,できるだけ家屋の高い場所(2 階等)に上
がることなどの説明を受けました。
最後に通された部屋では,震災等の映像を視ながら,防災について今何ができるか,何を備えておか
なければならないかといったまとめの内容でした。館内には,熊本地震の被災地の写真やその他,防災
用品,段ボール製の簡易ベッド,簡易更衣室,非常用飲料,防災備蓄品等が展示されていました。
参加した先生方から「大変勉強になった。
」という声が聞かれ,学校の避難訓練やいざという時に活か
される手段を学ぶ見学ができたと思います。
お昼は横浜中華街のバイキングでした。修学旅行などでも昼食や夕食で使われる場所です。異国情緒
を味わいながら中華料理を堪能し,午後のティークルーズは梅雨が明けきれぬ東京湾を潮風に髪をなび
かせながら目の前に広がる水平線や流れる景色に目をやりつつ,とろんとまどろみました。さかとく会
の幹事の皆様,素敵な旅行をありがとうございました。また,来年もよろしくお願いいたします。
※防災センターはさほど大きな建物ではないのですが中身が充実していました。阪神淡路大震災の揺れは他の地震に比べてバーをしっかりと握っていないと
振り落とされるようで恐怖感が募りました。消火体験・煙体験と学んだ後の食事はまた格別なものでした。午後は心地よい波に揺られ景色を楽しみました。
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