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佐々木 良氏 国土交通省 総合政策局 交通計画課 課長 『公共交通の

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佐々木 良氏 国土交通省 総合政策局 交通計画課 課長 『公共交通の
佐々木
良氏
国土交通省 総合政策局 交通計画課 課長
『公共交通の利用推進とモビリティ・マネジメント』
モータリゼーションの進展等により,公共交通の利用者が減少を続けているが,地球温暖化,高齢社会,
地域再生等の課題に対応していくため,公共交通の利用を推進していく必要がある.特に,昨年2月に京都議
定書が発効し,その必要性が強く再認識されたところである.
国土交通省は,従来から交通事業者を支援することにより公共交通の整備に取組んできたが,それに加え
て新たに公共交通の利用者である企業,大学等の通勤・通学における公共交通利用推進策を支援することと
した.モビリティ・マネジメントは,その大きな柱となる施策であり,経済産業省と連携して全国及び地方
レベルにおいて交通事業者,経済界等からなる公共交通利用推進等マネジメント協議会を立ち上げ,検討を
進めてきた.これを踏まえて,平成18年度予算において,NEDOの公共交通機関の利用促進に関する支援事業
が新たに措置された.
本事業,公共交通活性化プログラムを活用して,引き続きモビリティ・マネジメントを強力に推進すると
ともに,国土交通省のあらゆるツールを駆使して公共交通の整備を効率的に進めることにより,総合的に公
共交通機関の利用促進を進めていくこととしている.
公共交通の現状
まず、公共交通機関の現状でございますが、バスについては平成5年と16年を比較いた
しますと3割以上減っている。鉄道について見ると4%ぐらいで、それほどでもないかなと
いう感じではあるんですが、実は今、詳細な人員ベースはデータを分けて精査中なんですけ
れども、ここにございますように、平成12年以降でも450キロの廃止が行われている。
それから廃止の届け出を出して、多分、1年以内にはという線が6線、90キロある。そ
れから廃止の意向を示しているのが、また50キロぐらいございます。
新しくできた線を見てみますと、大体、こういう線でございまして、200キロ強出てい
るんですけれども、ごらんいただくとわかるとおり、三大都市圏、特に東京近郊が多いとい
うことでございまして、三大都市圏、特に東京は増えていて、その分、地方がかなり落ち込
んでいるという状況でございます。
自家用車につきましては、10%以上増えていまして、やはり、自動車が増えて、公共
交通が減っているというトレンドでございます。
参考までに、ちょっと数字は古いんですけれども、2002年だと、ここにデータはない
んですが、シェアで見ますと、日本は国際的に見て公共交通は相当頑張っております。例え
ば、バスと鉄道を合わせますと、大体49%ぐらいのシェアがあって、車が54%で対等で
はないんですけれども、6対4ぐらいで頑張っている。アメリカはどうかというと、ご想像
のとおり車78%で鉄道、バスは3%、イギリスは車が85%ありまして、鉄道、バスが1
2%程度です。ドイツも車が79%、鉄道、バス16%ということなので、他の国に比べま
すと、公共交通は昔から鉄道、バス、民間主体ではございましたが、健闘しているという状
況にはございます。ただ、トレンド的には非常に厳しいということでございます。
公共交通衰退の原因
では、何でこんなにだめなんだろうと。どうしてこんなことになったんだろうということ
なんですが、1つは一番大きいのはモータリゼーションの進展、それから、みんな車中心の
ライフスタイルになってしまって、地方なんかでは、よく笑い話みたいに100メートル先
のお店に煙草を買いに行くにも車に乗ってしまう。下駄がわりにしちゃうと。そういう状況
にある。もう車に依存している。
それから、まちのつくりとしては、郊外ショッピングセンターができて駐車場がいっぱい
あるところに人が行く。駅前商店街は衰退する。それから、自治体の方も公立病院ですとか、
図書館などの公的施設をどんどん郊外の方に移転させて、車でないとなかなか行きにくいと
ころに移転しまっているというまちづくりの問題。
それから交通事業者の方も、鉄道、バス双方とも必ずしもお客さんを増やす努力をしてい
るかというと、十分ではないんじゃないかというふうに考えております。
公共交通は必要
では、このままでいいのかなということなんですけれども、やはり、高齢社会の到来、2
000年には高齢化率、65歳以上の方が全人口にどのぐらい占めるかという数字を「高齢
化率」というふうに定義されておりますが、2000年で17.3%だったんですが、現在の予
測では、2040年には33%までに増えるという予測がございます。
それから、先週発表されました昨年の国勢調査の数字によりますと、既に高齢化率21%
になったと。世界最高になりました。他方、15歳未満の子どもの率が13.6%、これも
世界一ということで、高齢化と少子化、これが恐ろしい速度で今進んでおります。
それからさらに、地球温暖化の問題がございます。ご案内のとおり、昨年京都議定書がロ
シアの批准により発効いたしまして、我が国としても国際的なコミットメントを果たしてい
かなければいけない。日本の今のCO2 排出量のうち、運輸部門は約21%を占めておりま
すが、それの9割がやはり自動車からの排出でございます。そこを何とかしないといけない
んじゃないか。
それから各地域の都市、中心市街地は非常に空洞化しております。やはり、まちづくりと
公共交通の再生が一体で進まないと、なかなかうまくいかないんじゃないかということでご
ざいまして、小泉内閣で5年間、官から民へ、国から地方へということで改革が進められて
きたところでございます。総理は痛みに耐えて頑張れと国民に呼びかけられてきたところな
んですが、そういう意味で貴乃花という横綱がおりましたが、最後、怪我をして頑張って優
勝したという場所で、小泉総理は痛みに耐えてよく頑張った、感動したと絶叫されたんです
けれども、その後、貴乃花はどうなったかというと、そのまま引退してしまいました。やは
り、痛みに耐えることも必要ですけれども、限度を超えた痛みにはやはり治療が必要です。
国として、やはり対応が必要なんじゃないかというふうに考えております。
温室効果ガスの排出抑制・吸収の量の目標
まず、環境の問題をさっと見てまいりたいと思いますが、これが京都議定書での日本の目
標でございます。全体で温室効果ガスを6%減らすというのが日本のコミットでございます。
そのうちエネルギー起源CO2 、運輸部門は1990年の2億1,700万トンを2億5,
000万トンに減らすという計画になっております。
運輸部門における二酸化炭素排出量の推移
トレンドでございますが、ごらんいただくと1997年にピークを打ちまして、今、対策
が実を結んで少しずつ減り始めております。中身を見ますと、貨物自動車が非常に頑張って
おります。それから公共交通機関発生のCO2 も減っている中で、自動車だけは相変わらず
伸びている。それで自動車の部分は1990年度比で2003年には5割も増えてしまって
いる。これは自動車単体の対策が非常に進んでいるんですけれども、車の量そのものは増え
ている。それから、1台当たりの走行量が増えておりまして、ここは手を打っていかないと
いけない。ということで、公共交通の利用をしていただこうということでございます。
運輸部門における地球温暖化対策
これが昨年4月に京都議定書が発効いたしまして、運輸部門の温暖化対策ということで、
とりまとめたものでございます。様々ございますが、公共交通機関の利用促進につきまして
は、280万トンという目標を立てておりまして、その中で通勤交通マネジメントにつきま
しては、85万トンという数字を予定しております。
何で公共交通機関がいいかというと、皆さん釈迦に説法かもしれないんですが、マイカー
に比べてバスで約3分の1ですし、鉄道だと10分の1ぐらいになる。CO2 排出量が減り
ますので、ということで転換を進めたいということでございます。
公共交通利用の推進に関する関係者のパートナーシップの強化
取組みといたしましては、従来は公共交通機関を便利にすることによって乗っていただこ
うというアプローチでございました。
具体的には鉄道の高速化と近代化、それからバスロケーションシステムを導入して、バス
が何時に来るのかわからない、イライラするということを改善するですとか、それから共通
のカードを導入する。来年3月には関東一円はJR、民鉄、それから大手のバス、すべて1
枚のICカードで利用できるようになります。また、JRも、このたび本州の東東海と西も
ICカードを共用化するということになりましたので、非常にそういう意味では便利になっ
ていくということで、この事業者を支援することによって、今までは公共交通を改善しよう
ということでございました。
それが今回、新しく、それも引き続き強力に進めてまいりたいと思っておりますが、企業
サイドですとか、利用者にも働きかけていこうということでございます。その大きな柱とい
うのは、今回のモビリティ・マネジメント、それが大きな柱になっております。そういうこ
とによって、交通事業者、企業、行政、利用者の4者が連携して、この公共交通の利用を推
進していこう。それでその具体的な取組みとして、「公共交通利用推進等マネジメント会議」
というものをつくりました。それでハードの整備も一生懸命やっていく。それからソフトも
やるということで、トータルで進めることによって、公共交通の利用を進めたいということ
でございます。
公共交通利用推進等マネジメント協議会について
会議の方は中央とその地域でやっております。中央は4回やりました。地方はそれぞれ2
回ないしは3回やりまして、そのバックボーンといいますか、位置づけとして、1つは去年
2月に京都議定書を発効して、それを踏まえた京都議定書目標達成計画というものが閣議決
定されております。
それから全体の省エネルギーを押し進めるということで、省エネルギー法が改正されまし
て、企業による公共交通利用推進の努力義務というものが初めて法律に規定されました。
京都議定書目標達成計画(平成17年4月28日閣議決定)(抄)
これを具体的にちょっとおさらいしておきます。
京都議定書の目標達成計画でございますが、その中で公共交通機関の利用促進というもの
でございまして、ハードの整備を進めます。それとこれらと連携して、事業者による通勤交
通マネジメント云々云々といった具体的な取組みを進めていくというふうに決定されており
まして、これが今進められている取組みの根拠になっております。
エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律
(平成17年8月10日法律第93号)(抄)
それから省エネでございますが、70条におきまして、事業者はその従業員の通勤におけ
る公共交通機関の利用の推進、その他の措置を的確に実施することにより云々ということで、
事業者に公共交通機関の利用の推進という努力義務が初めて規定されたところでございます。
公共交通機関の利用促進に関する支援事業
その支援といたしまして、NEDOの「民生部門等地球温暖化対策実施モデル評価事業」
というものを活用いたしまして、公共交通機関への転換・利用を促進する先進性、モデル性、
政策性のある取組みを今年度から優先的に支援するということにいたしました。
モデル事業というものは補助金の上限額1億円、補助率は2分の1でございます。FS事
業というのは、構想段階のものにつきまして、2,000万円の定額の補助を行うという仕
組みでございます。
具体的には地方公共団体とか、民間団体等複数の人たちが共同してやる以下のような事業、
例えば、バス事業者とか、カーシェアリング事業者、商店街が連携してエコポイントを活用
して公共交通の利用を促進する。それから自治体ですとか、バス事業者、大学が連携して、
自転車シェアリング、BDF燃料を活用したデマンドバスの運行等々の取組みな
ど、こういった総合的な取組みにつきまして、支援をしていくということでございます。
先ほどありました中央協議会におきまして、本年度は約19件、金額にいたしまして5億
円強の支援というものを推薦いたしまして、今、NEDOの方で審査中でございます。恐ら
く、この案件はすべて支援・採択されると思います。
自民党地域公共交通小委員会提言
それから次にがらっと変わりまして、自民党の方でもやはり地域の交通を再生するという
のは非常に重要だろうということで、委員長は栃木の渡辺喜美先生、それから事務局長に中
島先生がなっておりました。こういうメンバーで昨年来検討が進められております。その中
の第12回において、
「モビリティ・マネジメントについて」という議題で議論をいただきま
して、本日の藤井先生、それから京都府の取組みについてご説明、ご議論が行われたところ
でございました。それで6月に提言案ができまして、ポイントだけご説明させていただきた
いと思います。
交通機関相互の連携、乗継の円滑化
まず1点目は、交通機関の相互の連携が必要なんじゃないか。鉄道は鉄道だけ、自分のこ
とだけ考えてやるんじゃなくて、鉄道とバスの乗り継ぎですとか、鉄道と鉄道、そういった
乗り継ぎをシームレスでやっていくということが利用者からは必要だろう。公共交通を使え、
使えと言っても、マイカーに比べて圧倒的に不便であったら、それはなかなか進まないとい
うことで、こういう観点からいろんな技術を活用して、どんどんシームレス、使い勝手のい
いものにしていく必要があるという点が1点目でございます。
各交通機関の活性化・再生、新しい交通システム
それからあとは、各交通機関自身も、これだけIT技術が発達して、利便性が高まってい
るときに、必ずしもその努力が十分じゃないかということで、各公共交通機関自身でも努力
をしなきゃいけないというのが2点目でございます。
地域・まちづくりとの連携、自家用自動車から公共交通機関利用へ
3点目でございますけれども、ここにモビリティ・マネジメントも取り上げていただいて
おりまして、自家用車通勤から公共交通機関への転換促進、モビリティ・マネジメント等と
も進めないといけない。それからやはり、まちづくりと連携してやらないといけないという
ことでございまして、国、自治体、地域住民、NPO、交通事業者のコンセンサスに基づく
地域住民にとって便利で利用しやすい総合的な交通システムづくりが必要だと。それで地域
のおける協議会の設置など、総合的な交通計画を樹立し、推進する仕組みが求められるとい
う指摘がございました。
行財政・租税上の措置
総合政策局としても、自治体の総合的な計画、その取組みの具体化実現に対して、予算で
すとか、税ですとか、総務省さんのお手伝いをいただいて起債などによって、集中的に取組
み具体化への支援ができないか。そういう仕組みができないか。今ちょっと検討しておりま
す。できれば法律などもつくって、そういう支援をしていきたいと考えておるんですが、内
部で議論中でございますが、なかなかそう簡単ではないというところでございます。
それから、国は地域交通活性化に積極的に取り組む自治体と共同して、総合的な交通計画
策定を行うとともに、公共交通システムの総合的な体系化、先進的な取組み事例のデーター
ベース化云々によって支援してくださいということでございまして、これにつきましては、
国土交通省に交通政策審議会という審議会がございまして、その中に地域公共交通部会とい
うのを新たに立ち上げまして、9月からこういう議論をしてまいりたいと考えております。
富山港線LRT化事業に対する支援
まちづくりと一体となった公共交通再生の事例を1つご紹介させていただきたいと思いま
す。富山県の県庁所在地で富山市という人口42万の市がございまして、ここは北陸新幹線
が整備されることが決定しております。それに伴って富山駅の高架化、そういったことも行
われるということでございまして、現状は、ちょっと見にくいんですが、ずっと富山港線と
いうのが走ってきて、最後、こういうふうに富山駅に平面で入っているんですが、ここらに
すごいマンションとかが建てられていて、ほとんど高架化すると莫大が金がかかるので、こ
こを切って、ここからLRTを約1キロ整備して、それで旧の線とつなぎまして、それで下
の方もLRT化と申しましょうか、そういったことをしようという事業でございます。総事
業費は58億円、それで17年度、今年になってから一生懸命工事をいたしまして、それで
新しく1.1キロの軌道を新設して、もともとの鉄道線区6.5キロを使ったというプロジ
ェクトでございます。
全国でLRTの取組みいろいろあるんですが、この事業がなぜうまくいったかというと非
常に幸運が2つありまして、1つは先ほど申したように、駅を高架化したと同じ負担金、い
わゆる支障移転的な国からの負担金は33億円出ているんです。
それともう一つは、この富山港線はJR西日本が運営しておりましたが、赤字路線でござ
いまして、これを切り離すということであれば協力金を出してもいいですよということで、
JRから14億円出ているということで、47億円のギフトがあったということで、非常に
そういう意味では、自治体の当初持ち出しが非常に減ったという背景がございます。それで
こういった様々な事業、例えば、フィーダーバスなども付けましたし、それから周りの観光
地もまちづくりと一体で、まちも非常によく整備をされました。
富山港線LRT化事業に関連した取組み
LRT自身の利便性の向上といたしましては、まずは終電と始発を改善した。始発につい
ては岩瀬浜発が早くなりましたし、終電については富山駅発が、今までは9時だったのが、
11時15分としました。それから、フリーケンシー、運行間隔につきましては、朝のラッ
シュ時に前は30分ヘッドを10分ヘッドにし、昼間と15分ヘッドで走らすということで
非常に使いやすくなった。料金についても均一運賃、大人は200円になりました。来年3
月までは昼間は100円で乗れますので、ぜひ皆さん行っていただければと思います。その
際は、ICカードで2,000円のものがありますので、100円で乗るんじゃなくて、2,
000円のカードを買っていただければ、富山市の人は非常に喜ぶと思います。
それとあと、市民の取組みということでベンチ、日比谷公園を例に習ってやったと言って
いましたが、あと電停内の広告、ネーミングライツ、駅名ですとか、それから基金も資本金
を4億9,800万でとめていまして、これは5億円になると大企業になってしまって、常
任監査役を置かなきゃいけないとか、いろいろ費用がかかるので、わざと200万円だけ欠
かせている。それで資本金を出したかったんですけれども、出せない方はかなり、この寄付
金をやっているというふうに伺っております。
利用状況ですが、4月29日に開業して以来、1日平均、これは5月末までの数字ですが、
6,000人という数字で出ております。それで昨年の10月に調査いたしました。平日は
2,266人、休日1,045人だったのに比べると大幅に増えている。それから、6月末
の数字を昨日聞きまして、平日は2,266人に対して4,919人、休日は今の1,04
5人だったのが6,900人ということで、まだ物新しいので、お休みの日には子どもです
とか、デートコースとかになっているんじゃないかと思うんですが、いずれにせよ、かなり
増えております。
私の方は、LRTをどんどん引くということを申し上げているわけではございません。こ
の取組みのように、既存の軌道を有効活用していく。これはもう絶対にやるべきだと思いま
す。廃線になりそうな鉄道をもうぎりぎりまで使い倒すということが大事だと思います。
BRT(Bus
Rapid
Transit(ブラジル・クリチバ)
ただ、新設はかなり費用もかかりますので、慎重にやった方がいいんじゃないかと思って
おります。それで、私がやりたいことのもう一つが、これなんです。BRT、日本では今名
古屋でかなり取組みが進んでおりますが、これはブラジルのクリチバです。これは3連接で
270人も乗れますので相当輸送力はあります。専用空間を確保さえすればいいんじゃない
かと。それからターミナルの停留所では、改札みたいなものがあって、そこでもう既に料金
を支払っておくということで、非常に乗降時間も短縮できますし、バリアフリー化もこうい
う工夫をすることによってできる。1日171万人も利用者がいるという、ものすごいシス
テムでありまして、ちなみに東京メトロが1日569万人、8路線でそういう利用になって
います。あれは183キロのネットワークがございますので、この人数なんだろうと思うん
ですけれども、そういう意味で、メトロの3分の1ぐらいをバスだけでさばけてしまうとい
うことでございます。
藤沢西北部地域における新しいバスシステムの導入
日本でも新しい取組みを始まっておりまして、この湘南台の駅の西口と慶応大学の間に、
ドイツ製の129人乗りの連接バスが入っております。幹線の部分は優先信号とセットにし
まして、定時性を相当確保程度確保する。バスも非常に乗り心地がよいので、慶応大学の学
生さんも従来のバスだったら、席がいっぱいになるともう乗ってくれなくて、駅前はバスで
あふれかえっていたんですが、今は立ち席でも乗ってくれる。相当乗ってくれる。特にエン
ジンは後ろにあって、前方はほとんど音がありません。下もフラットになっておりますので、
非常にきれいなバスになっています。
あと、道の細い部分は、こういう小さい32人乗りのバスを使って、これもリアルタイム
で接続情報が出まして、このバスに乗っていると、何分のこれに乗れますという情報が見れ
るようになっています。こういう取組みはぜひ成功してほしいと思っておるところでござい
ます。
ちなみに、このバスは6,000万です。富山のLRTは80人乗りで2億2,000万
円かかります。LRTを新しく導入するときは、当然変電所ですとか、車両基地もつながっ
ていないといけないですから、そういったものも必要。したがって、富山は7編成を入れま
したので、車両だけで15.4億かかっています。そういう意味で新しく引くときには、ぜ
ひBRTというものを並行して検討してもらえばなと思っています。
シームレスな交通機関の概要
さらに我々今、取り組んでいるものとしては、新しいシームレスな、先ほどもありました
ように、シームレスなものによってドア・ツー・ドアのマイカーの利便性には及ばなくても、
かなり近いレベルまで行けないかということで、IMTS、それからJR北海道のデュアル
モードビークルなどの取組みを何とか実用化したいと考えております。
そろそろ時間でございますので、最後に国土交通省として、本気で公共交通機関の利用促
進、それからモビリティ・マネジメントを推進してまいりたいと考えております。具体的に
こういう予算支援があったらいいとか、税制支援があったらいいというものがあれば、ぜひ
教えていただければと思います。全力で実現できるように頑張ってまいりたいと思います。
ということで、引き続き日本でモビリティ・マネジメントが定着して、どんどん進めてい
けるよう、我々としても努力してまいりたいと思いますので、皆様のご支援の方もよろしく
お願いいたします。どうもご清聴ありがとうございました。(拍手)
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