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現代社会第74講

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現代社会第74講
第7章
日本経済の特徴
戦後の日本経済③
1.石油危機の影響
(1) 省資源・省エネルギー政策
サンシャイン計画(1974),ムーンライト計画(1978)
→ ニューサンシャイン計画(1993∼2000):サンシャイン・ムーンライト計画の一本化
(2) 減量経営
人員整理(新規採用の抑制,パートタイマーの削減),賃金の抑制,FA や OA の技術
革新をすすめた
(3) 産業構造の変化
重厚長大産業から軽薄短小産業中心へ モノ中心(第2次産業)から経済のサービス・ソフト化へ(第3次産業)
※ ペティ・クラークの法則
2.
1980 年代
(アメリカ) レーガノミクス 強いアメリカを標榜
財政政策(減税+軍事支出)、金融政策(高金利政策)の実施
→ 双子の赤字(財政赤字と貿易赤字)の発生
(1) プラザ合意(1985) G5(アメリカ、イギリス、フランス、日本、西ドイツ)が協調してドル高を是正 (日本への影響) 円高不況の発生 (対策)公定歩合の引き下げ ⇒ 景気回復
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第 74 講
戦後の日本経済③
(2) ルーブル合意(1987) G7(G5+イタリア、カナダ)が協調してドル安を是正
(日本への影響)
低金利の維持 ⇒ バブルの発生(資産インフレ)
3.1990 年代から 2000 年代
景気の抑制 → 公定歩合の引き上げ、地価税の導入、不動産融資総量規制の実施 ⇒ 複合不況の発生 消費・投資の停滞というフローの調整だけでなく、株価や地価の
下落、不良債権の処理、3つの過剰(雇用・設備・債務)の削減というストック調整が長
引く
(1) 住専処理問題
1996 年の住専処理法により、公的資金(6850 億円)を注入
(2) 金融危機
1997 年には北海道拓殖銀行、山一證券などが破綻、翌 98 年には、日本長期信用銀行、
日本債券信用銀行が経営破綻
(3) 日銀、「ゼロ金利」(1999∼2000)、「量的緩和」(2001∼2006)の実施
(4) 金融再生プログラム
2002 年に金融庁が発表。不良債権比率を半減させることを目標
⇒ 銀行の統合がさらに加速
(5) 世界同時不況(2007∼2009)
アメリカのサブプライム問題の影響が世界に拡大
⇒ 日本は戦後最悪のマイナス成長を記録(2009)
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第7章
日本経済の特徴
石油危機,プラザ合意の頃の日本企業の不況対策に関する記述として最も適当なものを次の
①∼④のうちから一つ選べ。
(センター試験)
① 石油危機後の不況期には,不況対策として即座に効果が出るのが人件費の削減であ
ることから,人員解雇が広く行われた。
② 円高不況期には,国内企業同士の合併や事業部の売却・買収によって事業の再構築
を行い,競争力を高めようとする動きが活発化した。
③ 石油危機後の不況期には,省エネ・省資源・省力化を中心とした減量経営が進めら
れるなかで,生産や事務の機械化・自動化が行われた。
④ 円高不況期には,円高の進行に対応するために,サービス産業を中心に海外に拠点
を移す企業が増えた。
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第 74 講
戦後の日本経済③
1980 年代後半,日本は「かね余り」の状況が生まれたが,これに関する記述として適当で
ないものを,次の①∼⑤のうちから二つ選べ。
(センター試験)
① 土地取引が過熱化したにも関わらず,日本銀行の金融引き締め政策が遅れ,地価高
騰に拍車をかけた。
② 企業は莫大な投資に要する資金をまかなうため株式を積極的に発行していたが,そ
れが結果的に過剰になり,その後に株価が急落する一因となった。
③ 企業は資本市場における資金調達が容易になったので,銀行から資金を調達する直
接金融に対する依存を弱めた。
④ 当時は低金利の状態にあり,預金金利に満足しない企業や個人も株・土地の投機に
関与するようになり,「財テク」という言葉が流行した。
⑤ 株・土地という資産の価格が急騰したことに伴い,消費熱が高まり,消費者物価も
全般的に高騰した。
1990 年代に生じたバブル崩壊以降の日本経済に関する記述として最も適当なものを,次の
①∼④のうちから一つ選べ。
(センター試験)
① 対 GDP 比でみた政府の債務残高は,先進 7 か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の
構成国のなかで最も低い水準になった。
② 1990 年代後半には,政府によって公共事業を中心とする景気対策が実施されるとと
もに,日本銀行による金融引き締め政策が実施された。
③ 多額の不良債権を抱えた銀行が,国際通貨基金(IMF)の自己資本比率規制を満たすた
め,融資の求めに応じず,貸し渋り現象が発生した。
④ 医療,教育,農業など,各分野の構造改革特区が設けられ,特区内において当該分
野の規制緩和が行われた。
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