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5䌝5 星の探査 Surveying the Stars

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5䌝5 星の探査 Surveying the Stars
 䚭㻘䌝㻘䚭᫅䛴᥀ᰕ Surveying the Stars
䠃䠀᫅䛴᪺䜑䛛Magnitude of star
夜空には星が見られる。明るく目立つ星もあれば,見えるか見えないかといった星も,また,かすかな雲のように見える天の川もあり,そこにはいろいろ
な模様も連想させられる。その形に様々な思いを馳せ,星座を描いたのは古くは古代エジプトに遡り,䝋䜯䝷と呼び一年を10日毎に区切る指標として使われ
ていたと言う。ただ,それは今日使われている88星座とは全く別物である。星座の起源については,四大文明以前からそれぞれの地域でそこの民族で様々な
星座が語られていたものと思われ,㯜㐠(天球上で太陽が通って行く道)༎஦᫅ᗑ(1-1章1参照)については,今から二千年以上前の古代ギリシャよりさらに
二千年以上前のシュメールで使われていた。㻫㼌㼓㼓㼄㼕㼆㼋㼘㼖(134B.C.)はシュメールの太陽の位置の記載に比べ,約1月ほど太陽の位置がずれていることから,
᫋ฦⅤ䟺ኮ䛴㉝㐠䛮㯜㐠䛮䛴ஹⅤ䟻䛒㻕㻓㻓㻓ᖳ䛭㻖㻓㼲䜁䛯䛠䜒䜑ことに気付いている。これは今日的表現 (地球が動く) にすると,
地球の自転軸が 2000年
(360
/30
ṋᕣ㐘ິ㻋㼓㼕㼈㼆㼈㼖㼖㼌㼒㼑㻌の発見ということになる。簡単に言うと,1万2千年もすると
)=2万4000年 で回転する
北極星は天空の高い位置を回転し,南の空のそう低くない所に南十字星が北半球でも見られるように変わる。地球の年齢は46億歳と推定されるから,この変
108/1.2
化を過去に46
104=20万回近く行ってきていることになる(歳差の回転速度が一定であったなら)。現在,世界で共通して使われているのは全天を
㻛㻛᫅ᗑに括るものだが,それは㻫㼌㼓㼓㼄㼕㼆㼋㼘㼖(134B.C.)(おそらく)がまとめ,㻳㼗㼒㼏㼈㼐㼄㼈㼘㼖によって広められた䝌䝰䝣䞀䛴㻗㻛᫅ᗑを元に作られたものであ
る・・・メソポタミアもギリシャも北半球に位置するため,トレミー(Ptolemaeusの欧米の呼び名)は北半球で見られる星座に限られていた。それに南半球で見ら
れる星座を加えつつ修正を加えて88星座としている。なお,黄道12星座はメソポタミア(以前)からそのまま使われている。
Fig.1b八月
Fig.1a二
天文年鑑2013より
䝌䝰䝣䞀㻗㻛᫅ᗑ
㯜㐠㻔㻕᫅ᗑ;
Taurus
Gemini
Cncer
Leo
Virg
Libra
Scorpius
おひつじ おうし
黄道より北側(21星座);
Aries
ふたご
かに
しし
おとめ
てんびん
さそり
UrsaMajor Cassiopeia CoronaBorealis
Sagittarius Capricornus
いて
Aquarius
Pisces
みずがめ
うお
ぱぎ
Andromeda
Delphinus
Bootes
アンドロメダ
いるか
うしかい
Triangulum
Cygnus
Pegasus
Serpens
Ophiuchus
Hercules
Perseus
Sagitta
Draco
Aquila
さんかく
はくちょう
ペガスス
へび
へびつかい
ヘルクレス
ペルセウス
や
りゅう
わし
おおぐま
カシオペヤ
黄道より南側(15星座)
かんむり
Cepheus
Auriga
Equuleus
UrsaMinor
Lyra
ケフェウス
ぎょしゃ
こうま
こぐま
こと
Argo
Lepus
Hydra
Eridanus
CanisMajor
Lupus
アルゴ
うさぎ
うみへび
エリダヌス
おおいぬ
おおかみ
Orion
Corvus
Cetus
Centaurus
CanisMinor
Crater
Ara
PiscisAustrinus
CoronaAustralis
オリオン
からす
くじら
ケンタウルス
こいぬ
コップ
さいだん
みなみのうお
みなみのかんむり
註)Argo(アルゴ座)は今日,使われておらず,Vela(ほ座)・Puppis(とも座)・Pyxis(らしんばん座)・Carina(りゅうこつ座)の4つに分割されている。
㻛㻛᫅ᗑ 䟺⌟⾔䟻(トレミー48星座にない40星座)
Monoceros
Delphinus
Indus
Lepus
Pictor
Dorado
いっかくじゅう
いるか
インディアン
うさぎ
がか
かじき
ComaBerenices Chamaeleon
かみのけ
Tucana
Camelopardalis
カメレオン きょしちょう
Pavo
Microscopium
Vulpecula
LeoMinor
Circinus
Ara
Norma
Scutum
くじゃく
けんびきょう
こぎつね
こじし
コンパス
さいだん
じょうぎ
たて
Caelum
きりん
Sculptor
ちょうこくぐ ちょうこくしつ
Grus
Mensa
Lacerta
Horologium
Volans
Puppis
Musca
Octans
Columba
Apus
Vela
Telescopium
つる
テーブルさん
とかげ
とけい
とびうお
とも
はえ
はちぶんぎ
はと
ふうちょう
ほ
ぼうえんきょう
Phoenix
Antlia
Hydrus
ほうおう
ポンプ
みずへび みなみじゅうじ やまねこ らしんばん
Crux
Lynx
Pyxis
CanesVenatici
Carina
Reticulum
Fornax
Sextans
りょうけん
りゅうこつ
レチクル
ろ
ろくぶんぎ
Betelgiuse
Rigel
a)いて座(銀河中心)
c)オリオン座
b)南十字座
d)ペガサス座
Polaris
北斗七星
Deneb
こと座
h)夏の大三角形
e)カシオペア座
f)はくちょう座
Fig.2
g)こぐま座
i)おおぐま座
全天の星の大きさ(明るいものが大きく見えた)を,最も明るい星を1等級,最も暗い星を6等級とし,すべての星を㻔ࠤ㻙➴⣥䛱ฦ㢦したのも㻫㼌㼓㼓㼄㼕㼆㼋㼘㼖
(134B.C.)だったと言う。見た目での分類で厳密なものではないのだが,それを今日
見かけ
の等級
Vegaとの
相対的な明るさ比
それ以上の見かけ
の明るさの星の数
-1
2.51
2
段階変わって見えるものは実際にはX の強度となっている。1等星の光度をI1,6等星
0
1
4
の光度をI6とすると,それは 6ー1=5段階の違いになるので,
1
1/2.51=0.4
15
2
48
の光度計(CCDカメラ等)で測ってみると,明るさに䠃➴᫅䛮䠈➴᫅䛭⣑㻔㻓㻓ಶ䛴㐢䛊が
普通の人の
目に
あることがわかった。人間の感覚器官は,面白いことに対数的な感度を示し,強度がX
倍になったところを一段階とすると,二段階変わって見られるものの強度はX2倍,三
3
I1/I6=X5=100 より 5logX=2 ∴ X=100.4=2.51
即ち,䠃➴⣥Ẏ䛱∸⌦Ⓩᙁᗐ䛵㻃㻕㻑㻘㻔ಶになっている。
今日,このHipparchus の分類を踏襲して,こと座の㻹㼈㼊㼄䟺⧂ጭ㻌㻃䜘㻓➴⣥とし,ある
2
1/2.51 =0.16
見える
3
1/2.513=0.063
171
4
1/2.514=0.025
513
5
1/2.515=1/100
1602
星の光度がIであったなら,Vegaの光度I0と比較し,
I0/I=2.51 → 㻰㻃䠏㻃㼏㼒㼊㻃㻋㻬㻓㻃㻒㻬㻃㻌㻃㻒㻃㻓㻑㻗 M
でその星の等級M を定めている・・・䇵ᐁっ➴⣥䇶(Apparent Magnitude)。
6
6
1/2.51 =0.4/100
4800
註) ただし,機械を用いて光度を決めると,光センサーの感度特性(何色の光に強く反応する
7
か)とその星がいくらの波長の光を強く出しているかによって等級に違いが生じる。そこで,紫
外線,青色,緑色,赤,赤外を中心に通すFilterを使って測った等級というものができ,それぞ
8
1/2.51 =0.16/100
14000
8
1/2.51 =0.063/100
42000
見えない
れ㻃㻸㻃㻏㻃㻥㻃㻏㻃㻹㻃㻏㻃㻵㻃㻏㻃㻬㻃➴⣥とされる。普通に言う 実視等級 (ApparentMagnitude)はUBVのfilter
9
を組み合わせて測定される。また,㻥䞀㻹㻃(青の強さ−緑の強さ),㻸䞀㻥(紫外線の強さ-青の強
9
1/2.51 =0.025/100
10
さ)値はその天体がどのような色なのかを示すもので,星の䇵Ⰵᣞᩐ䇶と呼ばれる。
10
121000
2
1/2.51 =1/100
340000
Table3fromWikipedia Apparentmagnitude
㻕䠀᫅䜄䛭䛴㊝㞫䚭Distance to the Star
地球
7
太陽間の平均距離は䇵䠃ኮᩝ༟న䇶㻋Astronomical Unit㻃㻾㻤㻸㼀㻃 䟻と呼ばれ
Distantstars
る。よく知られているように,太陽の光が地球に到達するまでには約8分かかる。光
速は約3
火星
105km/s(秒速30万km)であるから,
㻔㻾㻤㻸㼀䠏3
105
8
60≒㻔㻑㻘㽙㻔㻓㻛㻃㼎㼐(1億5千万km)
土星
木星
地球
金星
水星
p
である。その距離はわれわれ人間からすると,とてつもなく遠い距離(時速300kmで
Parallax
angle
自動車を走らせて57年かかる)であるが,太陽系を正しい縮尺で土星まで描くと右図の
ようになり,地球 太陽間の距離というのは,天文的には極めて僅かな距離でしかな
い。恒星間距離を表すには余りに小さすぎるため,天体(主に銀河系内の星)までの距
Nearstar
Fig.4太陽系の正しい縮尺図
離を表すには,㻔㻾㼓㼆㼀㻃㻋㼓㼄㼕㼖㼈㼆㻌という単位が用いられる。それは㻔㻃㻾㼓㼆㼀㻃䍝㻕㻓୒㻃㻾㻤㻸㼀䠏㻖㻑㻕㻙㻃කᖳ㻃である。
p
われわれは地球という自転も公転もする乗り物に乗って,宇宙を旅して見ている。星には近い星も遠い星もある。遠
くに山があり,近くに建物があるとき,動いて行けば,山と建物との位置関係がずれて来る。自分がどれだけ動いたか
d[pc]
はわかるので,遠くの山を基準にして建物の位置が何度の位置から何度の位置にずれたかを測れば,自分から建物まで
の距離はわかる。とは言っても,星座の形は半年経っても変わって見えない。それほどどの星も遠い。だが,望遠鏡を
使って,大きく拡大して見ると,僅かながら位置が変わって見える比較的に近い星もある。Fig.5のように半年して星
がずれた角度を䇵ᖳ࿔っᕣ㻃 㻋Parallax㻌㻃䇶と言う。単位は 1" (=1/3600 )で,ᖳ࿔っᕣ䠏㻔㻅㻃 䛭䛈䜑䜎䛌䛰᫅䜄䛭䛴㊝
㞫䜘㻃㻔㻃㻾㼓㼆㼀㻃䛮ゕ䛌䚯図に見るように,年周視差 p" と距離d[pc] とは
d[pc]・p"=1[AU]→㻃㼇䠏㻃㻔㻃㻒㻃㼓㻅㻃 と求められる。
地球
A
Sun
B
1AU
Fig.5
《Example》 地球からもっとも近い天体は,ケンタウルス座(本州では5 7月夏至の前後に南天の地平線近くに見られる)の
Proxima-Centauri星で,その年周視差はp=0.77 であるから,距離にすると d=1/0.77≒1.3pc≒4.24光年 (1pc=3.26光年)
また,北半球で馴染み深いおおいぬ座のSiriusは p=0.38" → d=1/0.38=2.6pc≒8,48光年 というのが最も近い星で(=太陽と共に誕生した),多くの星は近くても50
300pc→年周視差は 0.02
0.003
ほどしかない。
註)角度1"は1km先の D=1000m 2π 1/360 1/3600≒5mm の大きさで目に見える大きさではない。年周視差1[ms]=1/1000"となると,1km先の5μmの大
きさ(緑の光の波長10個分,厚めのシャボン膜)という顕微鏡サイズの大きさであることを頭に置いておこう。
後のTable12に見るように,主な星の年周視差は[ms](1"/1000)単位で,その距離は数10 1000[ps]といったものが多い。その大きさを計算できるよう
に,ここで距離の関係を求めておこう。まず,1[AU](天文単位)=1.5 108[km] はよいとして,
2π・1[pc]/360/3600=1[AU] より 㻔㻃㻾㼓㼆㼀㻃䍝㻃㻕㻓㻑㻙୒㻃㻾㻤㻸㼀㻃
また,㻃㻔㻃㼓㼆㻃≒2.06
5
10 ・1.5
8
10 km=3.09
1016m→3.09
1016=3
108・3600・24・365y→ y≒3.26 → 㻔㻃㼓㼆䍝㻃㻖㻑㻕㻙㻃㻃㼏㼜㻃㻃 㻋කᖳ䟻
という関係になる。太陽系がある㖗ἑ⣌䛵㻃Fig21(d)に示すように༖ᙼ㻃㻘୒㻃㻾㼏㼜㼀㻃䟺├ᙼ㻖୒㻃㻾㼓㼆㼀㻃㻌㻃䛴Ὸᕬ䛓ᆵをしており,太陽系はその中心から2.8万[ly]≒
8600[pc] の辺りにある。㻔㻃 㻾㼐㼖㼀㻃 䛒ᖳ࿔っᕣ䜘ῼ䜒䜑㏳ᖏ䛴㝀⏲䛭䛈䜑と言うと,㊝㞫䛱䛝䛬㻔㻓㻓㻓㻾㼓㼆㼀㻃 䜄䛭䛝䛑㊝㞫䜘ῼᏽ䛟䜑䛙䛮䛵䛭䛓䛰䛊。銀河系銀河
の中心までの距離はその8倍余り,銀河の一番近い端まででもその7倍近くもあるから,われわれが測れる星は,銀河系の中のほんの一部の太陽系の近くの
星でしかないことがわかる。とは言っても,上記の太陽からもっとも近いProximaCentauriが1.3[pc]で太陽までの距離の約27万倍,Siriusまでは
2.6[pc]で約54万倍も離れており,銀河系の半径は地球軌道の何と31億倍の大きさがあると言うのである(しかし,1[ms]という角を測るのもさることながら,そ
れより遠い1000[pc]以上の何万光年などという距離は何を根拠にそう言っているのか。それについては,また,後でお話しようと思う)。
㻖䠀⤧ᑊ➴⣥䚭Absolute Magnitude
光源の明るさは距離の二乗に反比例して弱くなる。実視等級は地球で見た星の明るさであるから,実際の星の明るさを語るには,その星を同じ距離に持っ
てきたときの明るさにしなくてはならない。そこで,われわれは地球で計測した星の明るさ䠏ᐁっ➴⣥㻃Apparent MagnitudeMと年周視差p"から䇵䛣䛴
᫅䜘㻔㻓㼓㼆䛴న⨠䛑䜏ぜ䛥䛮䛓䛴᪺䜑䛛䇶を求め,それを⤧ᑊ➴⣥㻃 㻋Absolute Magnitude㻌と呼び,星の明るさとしている。その計算は,
10[pc]であれば,IAの明るさの星をd[pc]の距離に持って行けば,明るさは(d/10)2分の1倍,即ち I=IA/(d/10)2=IA(10p)2 (d=1/pより)になる。 ところで,等級はVegaの明るさI0を基準にし,㻃㻰䠏㼏㼒㼊㻃㻋㻃㻬㻓㻃㻒㻃㻬㻃㻌㻃㻒㻃㻓㻑㻗䠏㻕㻑㻘㻃㻋㼏㼒㼊㻃㻬㻓䌝㼏㼒㼊㻃㻬㻃㻌㻃 で定義されているものだから
実視等級I; M=2.5(logI0−logI)
絶対等級IA; MA=2.5(logI0−logIA )
∴ MA−M=2.5(logI−logIA)=2.5log(I/IA )=5log(10/d)=5log(10p) ★
therefor 䚭㻰 㻤䠏㻰䟽㻘㻃㼏㼒㼊㻃㻋㻃㻔㻓㻃㻒㻃㼇㻃㻌䠏㻰䟽㻘㻃㼏㼒㼊㻃䟺㻔㻓㼓䟻
と求められる。例えば,白鳥座のDenebはApparentMag=1.25の星だが,その年周視差は1.01
msであるから AbsoluteMagofDeneb=1.25+5・log(10・1.01
一方,太陽はApparentMag=−26.74,distance=1AU=1/2.06
→ AbsoluteMagofSun=−26.74+5log(10/4.85
IA
I
10pc
-3
10 )=−8.73等級 105pc=4.85
d[pc]
10-6pc Fig.6
-6
10 )=4.83等級 となる。
ところで,一般にM等星の明るさIは M=2.5(logI0−logI) であるから,
㻰㻤㻃 ➴᫅䛮㻰㻤㻊㻃 ➴᫅䛴᪺䜑䛛䛴Ẓ䚭㻬㻤㻃㻒㻃㻬㻤㻊䚭䛵䚭M A−M A'=2.5(logIA'−logIA) → .&
.&㸲2&Ѹ 2&
ࠈ
であり,5等級変わると明るさは100倍,15等級違うと明るさは100万倍違う。具体的に
上述の-8.73等級のDenebは4.83等級の太陽に比べ IDeneb/ISun=100.4(4.83+8.73)=105.42≒26.5万倍 というとてつもなく明るい星であることを知る。
一方,Proxima-Centauri星はM=11.05,年周視差p=0.77
→MA=11.05+5log(10・0.77)=15.5等星 であるから
その実際の明るさは太陽に対して IProxi/ISun=100.4(4.83-15.5)≒10-4.3=1/20000倍 という非常に暗い星であることを知る。
このように,星は見かけ以上に桁違いの明るさのものがあることがわかっていくる。
㻗䠀ᜇ᫅䛴Ⰵ䛮Ὼᗐ䛮ᨲᑏ䜬䝑䝯䜲䞀Color of Star and Temperature
星にも色がある。白い星,青味がかった星,赤味の強い星等々と。星のエネルギー源が何かはさておき,高温のガス体である星はまさに火の塊で,その温
度に応じた色を示す。温度によっていくらの波長の光をどの程度の割合で発するかは1900年㻰㼄㼛㻃
㻮㼄㼕㼏㻃㻨㼕㼑㼖㼗㻃㻯㼘㼇㼚㼌㼊㻃㻳㼏㼄㼑㼆㼎によって求められた。
それによると,温度T[K]の輻射の振動数ν ν+δνのエネルギー密度は(導出は略す)
2πν2
hν
hν
I(ν)δν= δν c2
exp( )
-1
kT
10-34[J・s],c=3.00
10
10-15 [J/s/m2 / m ]
15000K
8
6
右図(Fig.7a)はこの関係式が与える3000,6000,9000,12000,15000Kの場合の光の強度分
布をグラフにしたものである。グラフはその温度のときの全体的な色,中央に描いたスペクトル
ultra
violet
X ray
䃑㼎㻷
はその波長の光の色を表している。
ultraviolet
108[m/s],k=1.38 10-23[J/K]
c
c
これをἴ㛏䃑ࠤ䃑䟽䃊䃑㻃䛴䜬䝑䝯䜲䞀ᐠᗐにすると δν=δ( )= (−δλ) より
λ
λ2
㻔
㻕䃖㼋㼆㻕
㻬㻃㻋䃑㻌䃊䃑䠏 䃊䃑䚭㻋Planck's
law㻌㻃 となる。
㼋㼆 㻌 䚭 䌝 㻔
㼈㼛㼓㻋䚭䚭㻃
䃑㻘
here h=6.62
I
Infra
red
4
12000K
この式の極大値を与える波長を計算すると,㻃㻳㼈㼄㼎ἴ㛏䃑㻰㻤㻻㻃 䛮Ὼᗐ䛴㛭౿
䃑㼓㼈㼄㼎㻷䠏㻕㻑㻜㽙㻔㻓䌝 㻖䚭㻾㼐䡗㻮㼀䚭㻋Wien's displacement law 㻋ንన์㻌 㻌
が導かれ,星のスペクトルからその星の表面温度がわかる。
hc
exp( )
dI
hc
−10πhc2
2πhc2
1
λkT
註> = + hc
2
hc
6
5
dλ
λ kT [exp( )−1]2
λ
λ
exp( )−1
λkT
λkT
x
hc
−5πhc2
1
= [5− ]=0 here x=
-x
hc
6
1-e
λkT
λ
exp( )−1
λkT
2
9000K
6000K
0
0
Fig 7a
250
5 0 0 3000K 7 5 0
1000
λ[nm]
x
6.63 10-34・3.00 108
hc
→ =5 この
解は数値計算より,x=4.97と求まり→ x= =4.97 thus λpeakT= =2.90
1-e-x
4.97・1.38 10-23
λpeakkT
10-3
10-3/5778=5.02
例えば,㻶㼘㼑(太陽)の表面温度は5778Kであるから,その放射のスペクトル分布はFig7aの黄色のグラフになり,λpeak=2.9
10-7=502
[nm](緑色)となる。地球上の植物が緑色であるのもそうした光の中でエネルギーを効率良く吸収して育つようにできている。
一方,オリオン座の青白いβ星㻵㼌㼊㼈㼏㻃は青白く見え,そのスペクトル分布の極大が250nm(紫外線)にあるか
ら,表面温度は T=2.9
10-3/250
10-9=11600K 1/λMAX[nm]
97
1/100
107
また,おうし座の赤いα星㻃㻤㼏㼇㼈㼅㼄㼕㼄㼑は,その最大強度の波長が740nm付近にあることから,その表面温度は
T=2.9
10-3/740
10-9≒3900K と知れる。
121
1/125
138
註)ここにβ星,α星という言葉が出て来たが,それは䛣䜒䛤䜒䛴᫅ᗑ䛴୯䛭᭩䜈᪺䜑䛕ぜ䛎䜑᫅䛑䜏㡨␊䛱䃇䟾䃈䟾䃉䡗䡗䡗
161
1/167
᫅䛮ྞ௛䛗䛬䛊䜑䚯
193
Planckの輻射公式の䜴䝭䝙㻩㼌㼊㻚㼄㻃 䛴ୖ䛴㟻✒䛵䟾䛣䛴ኮమ䛴༟న㟻✒䛑䜏ᨲฝ䛛䜒䜑䜬䝑䝯䜲䞀ᐠᗐ䃋䜘ណ
242
1/250
࿝䛟䜑。Fig7aに見るように,温度が高くなると放出されるエネルギー量は急激に大きくなり,温度Tと放出
エネルギー密度εとの関係は,Planckの式を積分することから
322
䞀㻛
483
1/500
䃋䠏䃙㻷 䚭䚭㼋㼈㼕㼈䚭䃙䠏㻘㻑㻙㻚㽙㻔㻓 㻃㻾㻭㻒㼖䡗㻮 䡗㼐 㼀䚭䚭䚭㻋Stefan Boltzmann law)
㻗
㻗
㻕
967
T[K]
と求まり,放出されるエネルギー密度が温度の4乗に比例して増大することがわかる。 0
10000
20000
30000
Fig.7b 星の表面温度と放射スペクトルのピーク
hν
x3
1
2πν2
2π(kT)4 hν 3
2π(kT)4
hν
註> ε=∫ dν=∫ ( )
d( )= ∫ dx hν
hν
kT
kT
ex−1
波長との関係(Wien's displacement law)
exp( )−1
c2 exp( )−1
c2h3
c2h3
kT
kT
4
x3
π4
2π(kT)4 π
∞
4
Now ∫ dx= (
mathematicsformula
) thus ε= =σT
x
15
15
0 e −1
c2h3
2・3.145・(1.38 10-23)4
2π5k4
here σ= = =5.68
10-8[J/sm2K4] 15・(3 108)2・(6.63 10-34)3
15c2h3
䠆䠀䠅䚭ኯ㝟ᏽᩐ䛮ኯ㝟䛴⾪㟻Ὼᗐ
半径rの天体の表面積は4πr2で,その温度がTであるなら その天体からの放射エネルギーは U=σT4・4πr2 である。 r
このエネルギーをその天体からR離れた位置で受け止めた場合,そこでの単位面積当りのエネルギー密度は ε'=U/4πR2=σT4・( )2 R
㻶㼒㼏㼄㼕㻃㻦㼒㼑㼖㼗㻑(ኯ㝟ᏽᩐ=地表に達する太陽のエネルギー) 䃋㻊㻃䠏㻔㻖㻙㻙㻃㻾㻭㻒㼖䡗㼐㻕㼀㻃㻋䍝㻃㻕㼆㼄㼏㻒㼆㼐㻕䡗㼐㼌㼑㻃㻌 ,σ=5.68 10-8[J/sm2K4] 108[m] RadiusoftheEarthrevolution R=1.496 1011[m] 11
ε R 2
4
1.366 103 1.496 10 2
4
( )
sowecanknowtheTemperatureofSurfaceoftheSunT= = ( )
8 =5780[K]
σ r
5.68 10-8 6.960 10
andRadiusoftheSunr=6.960
と太陽の表面温度は決定される。即ち,太陽定数の測定精度が,太陽表面の温度の精度につながる。 䠆䠀䠆䚭ᜇ᫅䛴༖ᙼ
恒星の半径Rは近くて大きな星以外は到底測定できない。だが,そのスペクトル分布から最も強い波長を測れば,λMAXT=2.9
10-3則から表面温度T
4
がわかる。表面温度がわかれば,ε=σT よりそこからの単位面積当りの輻射量がわかる。すると,あとは全体としての明るさを太陽と比較すること
で,次のようにして星の半径が推定できる。
太陽の輻射エネルギー密度ε◎,表面温度をT◎とすると ε◎=σT◎4,
一方,ある恒星の輻射エネルギー密度をε,表面温度をTとすると ε=σT4 4π(Kr◎)2ε
T
I
2
星の半径が太陽のK倍のKr◎(r◎;太陽の半径)とすると,太陽と星の表面の全輻射エネルギーの比 は, = =K
( )4 4πr◎2ε◎
T◎
I◎
ところで,太陽と星の輻射エネルギー量I◎,Iと絶対等級M◎,Mの関係はそれぞれ
M◎=2.5(logI0−logI◎) M=2.5(logI0−logI) here I0;Vegaの輻射エネルギー量 I
T
よって 0.4(M◎−M)=logI−logI◎=log =log[K2( )4]=2logK+4logT−4logT◎
I◎
T◎
ここで,太陽の絶対等級M◎=4.83,T◎=5800K(log5800=3.76) より 㼏㼒㼊㻃㻮䍝㻃㻛㻑㻘䞀㻓㻑㻕㻰䞀㻕㻃㼏㼒㼊㻷 となり,
星のスペクトル分布から絶対等級Mと表面温度Tを求めれば,星の半径Rが太陽半径を単位として推定されて来る。
例えば,はくちょう座のα星㻧㼈㼑㼈㼅(実視等級は1.25,年周視差は1.01ms)は 絶対等級MA=M+5log(10p)=1.25+5log(10・1.01
10-3)=−8.73
一方,そのスペクトルから T=8500K であるから logK=8.5−0.2・(−8.73)−2log8500=2.39 → K=245
と,Denebの半径は太陽半径の245倍,さらに,太陽半径696,000kmより,
Denebの半径は R=6.96
105km
ところで,地球の公転軌道半径=1.5
245=1.7
8
108km 10 kmと比較すると,Denebは太陽が地球
まで及ぶような巨大な星であることがわかる。
㻘䠀᫅䛴䜬䝑䝯䜲䞀″䚭Energy Source of Star
このように1900年頃になされた火の研究により,星のスペクトル分布から星の表面温度が,また,表面温度から単位時間当りのエネルギー,さらに星の大
きさ等多くのことが求められるようになった。しかし,星になぜ温度の違いができるのだろう? そもそも星はどのようにして光を出しているのか? 宇宙にあったのは高密度のエネルギー,それが大きく拡がって行きエネルギー密度が下がって来ると,エネルギーは質量に変わり粒子を形成していった。
γ(1.02MeV)→e-+e+ γ(1877MeV)→p++p- (PairCreation) こうして現在,宇宙には平均して1cm3当り約1個の陽子が飛び交っている。質量が生まれると,互いに引力(重力)で引き合うようになる。広い空間にばらば
らに生まれた質量が重力で引き合い集まって行くと,0であった位置エネルギーが−になり,代わりに運動エネルギーが生ま
れる。運動エネルギーを得るのも陽子で,それは集まって来たガスの中での粒子運動=熱となる。ガスの温度が上がると,
Stephan-Boltzmannの式が示すように,エネルギーを光にして放出し出す。エネルギーを光として放出すると,初めすべて
0であったエネルギーが−となり,まったくばらばらな状態には戻れなくなる。空気のようにゆるい状態でありながらも陽子
は電子も巻き込みながら宇宙の箇所箇所で集まりを作って行く。直径数
10光年といったཋጙ㞴である。さらに,そのガスの
mM
中でもガスの濃淡があちこちに生まれ,濃くなって来たところに近くの粒子がG で引き寄せられ,生まれた塊はますま
x2
す引力を増して行く。ただ,その力は非常に小さな力であり,みる
みるうちに塊を作って行くわけではない。非常に長い時間(天文学的
な時間)をかけ,原始雲の中に濃淡が生まれ,さらに濃くなった部分
にも濃淡ができ,一つの原始雲の中にいくつものガス体の集まりが
できて行く。10光年といった中にできるガス体であるから,ガス体
どうしを引き寄せて合体させるほどではないが,離れたガス塊の中
わ し星雲
三 裂星雲
Fig.8 Pleiad
にもいくつものガス塊が生まれる。中でも大きなもの・・・地球質量の数百倍以上,太陽は地球質量の30万倍,さらにその太陽の100 200倍もの質量が集まったものもあ
る・・・になると,重力で引き合うことで中に溜め込まれたエネルギーも大きく,ガス塊の中心部が2,000万K
ような圧力が作られる。即ち,生まれたガスの中心部では2000km/s
数十億K,圧力も地球100
1000個ほどが乗った
といった速さで陽子が激しく衝突を繰り返す。それにより,㟸ᖏ䛱⛝䛱䛭䛵䛈䜑䛒
䟺㻗㻘൦ᖳ䛭☔⋙㻘㻓䟸䟻 䛭䟾㝟Ꮔ䛯䛌䛝䛒⾢✲䛝䛥█㛣䛱䟾ୌ᪁䛴㝟Ꮔ䛒୯ᛮᏄ䛱ንᥦ䛝䟾㻃 㼓㻐㼑㻃 䛮䛊䛩䛥⤎ྙ䜘㉫䛙䛟ことがある。
p+とp+が結合するには,まず電気的反発力がある。核子一粒の直径はD=2.4
f=9
109・(1.6
10-19)2/(2.4
10-15[m]であるから,二つの陽子が接したときに及ぼし合う力は
10-15)2=40[N]・・・4kgw 小さい感じだがこの力を受ける陽子の質量は1.67
10-27kgであるから,途方もない。
1
1
ke2
9 109・(1.6 10-19)2
2
2
p+とp+が接するところまで近付くための速さは mv
+ mv
=ke2/D → v= = =7.6
2
2
mD
1.67 10-27・2.4 10-15
2
-27
106[m/s] 6 2
1
mv
1.67 10 ・(7.6 10 )
3
2
温度にすると k
T= mv
→ T= = ≒23億K
2
2 B
3kB
3・1.38 10-23
といった速度でpとpが接触したところで,電気的反発力に勝る力(核力あるいは強い力)が働き結合している間に p+→n+e++νe が起こらなくてはならな
い。実際に,高密度・高温状態にあるため,陽子衝突は頻繁に起こっているが,その中で,これほどの速さを持つ陽子が正面衝突を起こし,接触したときに
静止し結合してしまう確率は極めて低い。すべての原子はpとnとが核力で結合してできている。だが,この宇宙の始まりにはpしかなかった。全ては,この
pp反応から始まった。もし,pp結合が1桁でも結合しやすかったなら,星の内部でpp結合が10倍の速さで起こり,太陽はすでに10回前後も誕生と衰滅を繰り
返し,この宇宙の水素は一桁は少なくなり,全く違ったものになっていただろう。もちろん,地球上に人類が誕生することはなかった。即ち,このように変
化が少なく,穏やかな宇宙の姿が見られるのは,pp反応のこの結合確率(物理用語では衝突断面積)の小ささのためでる。 結合して位置エネルギーを失うと,失われたエネルギーの分,質量は少なくなる。言い変えれば,質量の減少分に匹敵するエネルギーが解放されて来る。
結合力の弱い結合では,その質量減少は測定不可能だが,核力による結合になると,質量減少が見える範囲に入って来る。そのため,陽子が結合して,大き
な原子核に成長して行くと,その度にエネルギーが解放され,質量が減少して行く。よᨲ䛛䜒䜑䜬䝑䝯䜲䞀䃋䛮㈻㔖΅ᑛ㻃 䏊㼐㻃 䛮䛴㛭౿䛵
䃋㻠㻃䏊㼐䡗㼆㻕䚭(mass-ebergy equivalence) here c = 2.998
108m/sspeedoflight
㻰㻃㻋㻔㻕㻙㻦㻌
㻐㻕㻚
また,陽子や中性子のことを総称してᰶᏄと言うが,核子1個の質量といった気持ちでの質量の単位を 㻔㻃㻾㼘㼀㻃䍬㻃䚭䚭䚭䚭䠏㻔㻑㻙㻙㻓㻘㻗㻓㻕㽙㻔㻓
㻃㻾㼎㼊㼀㻃
㻔㻕
䏊㼐㻾㼘㼀㻃 䛴㈻㔖΅ᑛ䛵䚭㻨䠏䏊㼐㽙㻔㻑㻙㻙㻓㻘㻗㻓㻕㽙㻔㻓㻐㻕㻚㻃㽙㻋㻕㻑㻜㻜㻛㽙㻔㻓㻛㻃㻌㻕㻃㻃㻒㻃㻔㻑㻙㻓㻕㻔㻚㻚㽙㻔㻓㻐㻔㻖㻃䠏㻜㻖㻔㻑㻘㻃 䏊㼐㻃 㻾㻰㼈㻹㼀䚭䛥䛦䛝䟾㻔㻃 㻾㻰㼈㻹㼀㻃 䠏㻔㻑㻙㻓㻕㽙㻔㻓㻐㻔㻖㻃㻾㻭㼀㻃
こうした単位を用い,pp反応で解放されるエネルギーを計算すると(反応後,減少した質量から),
㼓㻃㻎㻃㼓㻃䊲㻃㼓㼑㻃㻎㻃㼈㻎㻃㻎䃓㼈㻃㻋㻎㻴㻌 左辺=1.007276
2=2.014552[u] 右辺=2.014102+0.000549=2.014651[u] 左辺−右辺=9.9
10-5[u]
931.5[MeV/u]=0.0922[MeV] 㻕㻖
䠄䝦䝯಴䠏㻕㼊㻃 䛴㝟Ꮔ䛒⤎ྙ䛟䜑䛮䚭㻴䠏㻕㻑㻓㻔㻘㽙㻙㻑㻓㻕㽙㻔㻓 㽙㻔㻑㻙㻓㽙㻔㻓㻐㻔㻖㻃㻃䠏㻛㻑㻜㽙㻔㻓㻜㻃㻾㻭㼀䚭 䟺⣑㻜㻓൦㻭䟻 䚭䚭㻃 䛴䜬䝑䝯䜲䞀䛒よᨲ䛛䜒䜑䚯
一度,2H核ができると, 㻕㻫㻃䟽㻃㼓㻃䊲㻃㻖㻫㼈㻃 䟽㻃 䃉䚭䚭䚭䚭㻋㻃 㻕㻑㻜⛂䟻 とすぐさま 2H核はpと結合し,3He核となる。
次に,3He核がさらに周囲に飛び交うpと結合して4He核になるためには,p→nを起こさなくてはならないため、この反応は起こりにくい。それが,起こ
るよりも先に,3He 核どうしが衝突することで䚭㻖㻫㼈㻃䟽㻃㻖㻫㼈㻃䊲㻃㻗㻫㼈㻃 䟽㻃㻕㼓䚭䚭䟺㼏㻑㻘㽙㻔㻓㻘㻃ᖳ䟻 といった p→n を伴わない反応が起こる。
15万年という時間は非常に長い感じがするが, 㻃㼓㻃䟽㻃㼓㻃㻃䊲㻃㻕㻫䟽㼈䟽䟽 䃓 㼈 䚭䚭䚭㻋㻗㻑㻘㽙㻔㻓㻜㻃ᖳ㻌䚭の45億年と比べれば,3万倍の速さで,生まれた 3He核は時間
を待つこともなく次々と4He核にと変わって行く。一連の結果をまとめると
㻙㼓䊲㻗㻫㼈㻃䟽㻃㻕㼓䟽㻕㼈㻎䟽㻕䃓 㼈 䚭䚭 㻋ᖲᆍ䝌䞀䝃䝯㻗㻘൦ᖳ䟻 で ,
反応前の質量=1.007276
6=6.043656[u] ,反応後の質量=1.007276
→ 質量減少=0.025403[u]=0.025403
2+4.002603+0.000549
2=6.018253[u] より 931.5=23.66[MeV] のエネルギーが解放されてくる。
多くの星のエネルギー源はこうした 4p→4He だが,そのProcessは
3
Heの量が1Hと同程度に多くなるか,あるいは温度が1.4
㻖
㻕
㻫㼈㻃䟽㻗㻕㻫㼈㻃䊲㻚㻗㻥㼈㻃䟽䃉㻃㻃㻋㻕㻑㻔㽙㻔㻓㻘ᖳ㻌 㻃 䊲䚭㻚㻗㻥㼈㻃䟽㼈㻐㻃䊲㻃㻚㻖㻯㼌㻃䟽䃓㼈䚭 㻋㻛㽙㻔㻓᪝㻌 䚭 䊲 䚭㻚㻖㻯㼌㻃㻃䟽㻃㼓㻃䊲㻃㻕㻃㻗㻕㻫㼈䚭 㻋㻖㻑㻜㽙㻔㻓㻕㻃 ⛂㻌䚭 䚭 䟺 ᖲ ᆍ 䝌 䞀 䝃 䝯 㻕 㻓 ୒ ᖳ 䟻
と4Heを触媒とした陽子結合が始まり,また温度が2
㻖
㻕
107K(1400万度)を超えると,
107K(2000万度)を超えると,
㻫㼈㻃䟽㻗㻕㻫㼈㻃䊲㻃㻚㻗㻥㼈㻃 䟽䃉䚭㻋㻕㻑㻔㽙㻔㻓㻘㻃 ᖳ㻌䚭 䊲 䚭㻚㻗㻥㼈㻃䟽㻃㼓㻃䊲㻃㻛㻃㻘㻥㻃 䟽䃉䚭㻋㻛㽙㻔㻓㻃 ᖳ㻌䚭㻃 䊲䚭㻛㻃㻘㻥㻃䊲㻛㻗㻥㼈㻃䟽㻃㼈䟽䟽 䃓 㼈 䚭 㻋㻔⛂㻌 䚭 䊲 䚭㻛㻗㻥㼈㻃䊲㻃㻕㻗㻃㻕㻫㼈䚭 㻋㻔㽙㻔㻓䞀㻔㻙㻃 ⛂㻌䚭
といった反応も,さらに2.2
107K(2200万度)を超え,炭素(C),窒素(N),酸素(O)が存在すると,それらのC,N,Oが言わば触媒として働く。
e+,ν
120万年
12
6
13
7
27万年
e+,ν
2.4億年
13
6
14
7
1.1万年
15
8
C N C N 0 157N 126C+42He 㻋㻦㻱㻲䜹䜨䜳䝯㻌
7分
82s
p
p
p
p
ここに 147N(p,γ)1580 反応は非共鳴型反応で最も遅い。そのためC,N,O核は147Nに最も多くたまってくる。どの方法で4p→42Heを行うとして
も,星の中心部では,42Heのコアができてゆく。
6
㻖㻃㻗㻕㻫㼈㻃䊲㻃㻔㻕㻙㻦䟽㻃䃉㻃㻋㻚㻑㻕㻛㻃㻰㼈㻹㻌䚭が起こり,126Cができると,さらに,順次42Heを結合する反応が進み,
126C 168O(7.15MeV) 2010Ne(4.75MeV) ・・・・・・・ 5626Fe
4
4
He
He
4
4
He
He
と最も結合エネルギーの大きなFeが作られる。
7
4
Be+p
He+ He
3
10
CNOサイクル
3
He+ He
を起こし,中心部の42Heが高密度・高温となり,それが㻃㻔㻓㻛㻃 㻮䜘㉰䛟䛮ついに 3
3
れるようになるため星の体積は大きく膨れあがる。しかし,表面積が増し,表面温度は下がると,重力収縮
エネルギー発生率(J/kgs)
10
この段階ではまだ42Heの融合は起こらないため,42Heのコアが成長し,pの融合反応がその周囲で行わ
-2
10 ↓
↓
↓
p-p連鎖反応
↑
-6
10 Fig9
太陽
1
2
3
䠈䠀Classifying stars㻃㻋 ᫅ 䛴 ฦ 㢦 䟻
4 7
温度(10 K)
5
星は誕生の際に集めた陽子その他の粒子の量によって温度が異なり,その温度によって,表面にある原子の状態も,イオンの状態 原子状態 分子の状態
といった違いが生じる。どのような状態の何の粒子が多いかは,星のスペクトルの色による強度や吸収線の強さ現れて来る。星の色は表面温度を,さらにそ
のスペクトルの特徴・・・イオンのヘリウムが主か,原子状態のヘリウムや水素が主か,さらにはMg,Siのものが顕著か,等々・・・に基づいて,様子によって
大きく㻲ᆵࠤ㻰ᆵ䛱ฦ㢦䛝䟾䛛䜏䛱䛣䜒䛤䜒䛴ᆵ䛴୯䜘㻔㻓ṹ㝭ฦ䛗ている。
次頁からのTable12には,太陽に近く,詳細なデータが得られている主だった恒星127個ほどについて,そのデータを高温のO1型から順に掲げた。表面温
度とスペクトル型には多少の入れ代わりも見られ,また,Fig10(c)に示すようにスペクトル型と温度とは単純な直線関係にはなく,低い温度部分を細分する
対数的色彩の強い分類になっているが,table10に示す㻰㼒㼕㼊㼄㼑㻐㻮㼈㼈㼑㼄㼑㻃㼆㼏㼄㼖㼖㼌㼉㼌㼆㼄㼗㼌㼒㼑によって分類している。ここ
でしばらく,各スペクトル型の特色と,それに属している星をご覧戴こう(天文ファンでないと耳なれない言葉も多い
が資料として流してくれればよい)。
Class
Temp.
Color
SpectrumType
O
29000~
blue
Heliumions
B
~29000
11000
blue
white
Helium&Hydrogen
atoms
A
~11000
7500
white
Hydrogenatoms
Mg&Siions
F
7500~6000
White
yellow
Caion
metalatoms
G
4900~6000
yellow
Ca;ions&atoms
othermetal;atoms
K
3900~4900
orange
Metalatoms
M
2500~3900
red
metalatoms
molecular(TiO)bands
Fig10(a)
OType
Fig10(c)
Table10(d)
DeltaOrion(Otype)
Table10
B
30000K
20000K
A
10000K
F
G
K M L T
0K
Constellation星
座
おおいぬ
オリオン座
きりん座
ケフェウス
とも座
はくちょう
ペルセウス座
オリオン座
ケンタウルス
いっかくじゅう
いっかくじゅう
オリオン座
オリオン座
かじき座
いっかくじゅう
ぎょしゃ
コンパス座
とも座
へびつかい
オリオン座
おおいぬ
おおいぬ
オリオン座
オリオン座
カシオペア座
ペルセウス座
おおいぬ
おおいぬ
ケンタウルス
いて座
いて座
おうし
おうし
おうし
オリオン座
カシオペア座
ケンタウルス
こと
さそり座
つる座
はくちょう
カシオペア座
かじき座
くじゃく座
さそり座
さそり座
ほ座
みなみじゅうじ
みなみじゅうじ
アンドロメダ
いっかくじゅう
いて座
エリダヌス座
おうし
おおいぬ
おおぐま
おとめ
おひつじ座
オリオン座
こいぬ
こと
しし座
つる座
てんびん座
ペルセウス座
ペルセウス座
わし
おおぐま
しし座
はくちょう
こぐま
エリダヌス座
かじき座
いて座
いて座
おおぐま
がか座
ぎょしゃ
ケフェウス
てんびん座
ふたご
りゅうこつ座
うお
おおいぬ
おおぐま
おおぐま
おとめ
おひつじ座
カシオペア座
かに座
ぎょしゃ
こと
しし座
ふたご
ヘラクレス
ほ座
みなみのうお
わし
かじき座
おおいぬ
かじき座
ケフェウス
こぐま
はくちょう
ペルセウス座
わし
いて座
starname
Appa Parallax Spect Class B-V色 Distance Abs
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[ms]
type
指数
[pc]
Mag
29
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2
α
4.3
λ
5.09
ζ;Naos
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X-3
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6.06
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λ;MeissaA
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S
4.66
AE
6
δ
5.07
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8.29
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2.09
η;Aludra
2.45
ο2
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β;Rigel
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κ;
4.19
ζ;Atik
2.86
βMurzim
1.99
ε;Adhara
1.5
λ
3.13
ε;KausAustralis
1.85
φ
3.17
β;Elnath
1.68
ζ
3.01
η;AlcyoneA
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β;Hadar
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3.26
κ;Girtab
2.39
γ;AlDhanab
3
δ;Rukh
2.87
γ;Tsih
2.47
α;B
4.3
α;PeacockA
1.94
δ;Dshubba
2.31
λ;Shaura
1.62
γ01;Suhail
4.2
α1;Acrux
1.4
β;Becrux
1.25
α;Alpheratz
2.06
β
4.6
σ(Nunki)
2.05
α;Achernar
0.45
λ
3.47
ζ;Furud
3.03
η;Alkaid
1.84
α;Spica
1.04
γ;Mesarithim
3.86
η;Saiph
3.42
β;
2.89
β;Sheliak
3.52
α;Regulus
1.35
α;Alnair
1.74
β;Zubeneschamali 2.61
β;Algol
2.12
ε
2.88
QS
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ε;Aliot
1.77
η;AlJabhah
3.51
α;Deneb
1.25
γ;Pherkad
3.05
β;Cursa
2.8
α;A
3.8
ζ;AscellaA
3.27
ζ;AscellaB
3.48
i;Talitha
3.14
α;
3.27
β;MenkalinanA
1.9
α;Alderamin
2.51
α;Zubenelgenubi 2.75
γ;Alhena
1.92
β;Miaplacidus
1.68
λ
4.49
α;SiriusA
-1.47
β;Merak
2.37
ζ;Mizar
2.23
ζ;Heze
3.38
β;Sheratan
2.66
δ;Krose
2.68
α;Acubens
4.2
θ;Bogardus
2.62
α;Vega
0.03
β;Denebola
2.11
α;CastorA
1.93
δ;Sarin
3.13
δ;KooShe
4.27
α;Fomalhaut
1.16
α;Altair
0.77
S
8.6
δ;Wezen
1.83
β
3.63
δ;Alrediph
4.07
α;Polaris北極星
1.98
γ;Sadr
2.23
α;Mirfak
1.81
η;
3.87
π(Albaldah)
2.89
1.71
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0.52
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0.62
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7.92
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6.75
15.45
19.77
5.94
19.34
18.24
6.64
4.64
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33.62
4.72
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6.74
9.00
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12.44
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20.17
3.39
42.09
32.29
17.62
35.14
5.11
1.98
39.51
1.53
2.29
6.70
36.50
19.34
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36.98
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90.91
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40.90
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O9
O9.5
O6
O4
O9.7
O7.5
O9.5
O6.5
O8
O7.5
O9
O8
O2
O7
O9.5
O7
O6
O9.5
B0.5
B5
B3
B8
B0
B1
B1
B1
B2
B9
B9.5
B8.5
B7
B2
B7
B2
B3
B1
B9
B1.5
B8
B9
B0.5
B9
B2
B0.3
B1.5
B1
B0.5
B0.5
B9
B3
B2.5
B6
B3
B2.5
B3
B1
B9
B1
B8
B6
B7
B6
B8
B8
B0.5
B5
A0
A0
A2
A3
A3
A0
A2.5
A2.5
A7
A7
A1
A7
A4
A1
A1
A7
A1
A1
A2
A3
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A5
A5
A0
A0
A3
A1
A3
A1
A3
A7
A0
F8
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F7
F8
F5
F6
F2
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Ⅰ
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Ⅰ
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Ⅲ
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Ⅲ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
lab
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅲ
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Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
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Ⅴ
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Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
pCr
Ⅰ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅳ
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Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅱ
-0.15
0.14
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0.17
-0.27
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0.05
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-0.23
-0.23
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0
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-0.03
0.09
0.09
0.11
-0.1
0.08
0.08
0.19
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0.03
0.21
0.15
0.01
0
0.21
0.01
-0.02
0.13
0.11
0.14
0.13
0.14
-0.08
0
0.11
0.04
0.08
0.04
0.09
0.22
0.11
0.68
0.7
0.6
0.6
0.67
0.48
0.89
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585
226
1923
505
333
1855
382
281
5700
1608
1608
714
337
52632
313
446
1124
833
112
198
610
847
265
412
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230
153
132
129
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113
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55
151
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57
28
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34
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24
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53
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11
16
23
24
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5
52632
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562
155
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156
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-4.10
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-1.16
-1.34
-2.66
-2.39
-2.80
-2.14
-4.55
-3.14
-3.46
-1.06
-0.65
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0.73
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-3.47
-3.57
-3.41
-0.31
-2.03
-2.17
-2.70
-2.39
-2.20
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1.32
2.33
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-0.71
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2.04
1.42
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-6.63
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-4.27
-3.08
Temp
[K]
mass radius density
M◎
R◎ [g/cm3]
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16
30000
28
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31802
20
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56
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15
35046 27.9
52500
150
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30000
17
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40
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12200
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27000
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15000
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18700
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18500
10970
38000
11772
13000
12460
13920
12300
9200
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17500
10800
9770
8525
8280
8104
11588
8799
8799
14
16
3.6
7
7.8
6
7.18
7.7
6.1
10.25
2.8
20
3.5
2.83
3.8
4
3.5
3.59
13.5
5
2.91
10.8
19
2
3.33
13
20
36.8
16.5
14
21
14
15.8
11.8
14.2
10.8
1.0e-2
4.9e-3
1.2e-3
1.6e-2
1.2e-2
2.3e-3
1.3e-2
7.1e-3
1.8e-2
2.7e-2
6.3e-2
10
18
9.3
5
10.2
1.5
8.5
22.2
56.3
65
74
24
41.4
26
9.7
13.9
5.5
6.8
4.8
4.2
5.5
8.2
6
6
3.9e-2
3.6e-2
T>29,000Kという高温の極めて明るく,
Fig11(b)のように放出する光はほとんど紫外線域
の強い㟯䛊ኮమで,᪺䜑䛛䛵ኯ㝟䛴㻖୒ࠤ㻔㻓㻓୒ಶ
吸収線はHeIonが主。銀河系にある数千億個の恒
星のうちO型は2万個以下しかない(300万個に1個
)。
1.9e-1
2.9e-2
6.1e-1
4.6e-2
2.0e-3
1.5e-4
1.1e-4
6.3e-5
4.1e-3
5.4e-4
1.2e-3
2.1e-2
6.6e-3
3.8e-2
1.6e-2
5.1e-2
9.5e-2
9.5e-2
1.5e-2
5.5e-2
6.0e-2
Fig11(a)おおいぬ座τ星(τCanisMajor)
2500
45000K
2000
3.5
6.8
4.5
2.8
14
1.9
4.5
6.7
6.5
7.6e-2
6.2e-2
1.7e-1
9.9e-3
5.5e-1
9.7e-2
9.2e-2
8.4
2.7
3.8e-2
2.6e-1
4.5
7.3
6.4
3.9
3.4
7.4
1.9
10
3.5
29.4
3.15
3.4
4.9
4.13
7.66
3.8
3.7
49.7
203
15
2.4
3.5
1.2e-1
2.2e-2
3.9e-2
1.8e-1
2.2e-1
3.6e-2
5.8e-1
2.8e-2
1.2e-1
1.6e-4
1.7e-1
1.4e-1
4.2e-2
7.2e-2
4.2e-2
1.3e-1
8.1e-2
1.2e-4
3.2e-6
1500
40000K
I
2.0e-1
1.1e-1
1000
35000K
500
30000K
λ
0
250
0
500
750
1000
Ultra
Violet
Fig11(b)O型の輻射波長分布
䚼㻦㼏㼄㼖㼖㻃 㻥䚽
11,000K~29,000K程度,やはりスペクトルの中心
領域が⣰አ⥲の高温で,絶対等級-0.5
-6等と
いった明るい㟯䛊᫅。He,H原子が強く,Mg.Si
のlineも目立つ。銀河系では800個に1個程度存在
7530 2.04
9350 2.389
7740 1.74
8128
1.4
9260 2.81
8866
3.5
1.6
2.77
2.3
7.0e-1
1.6e-1
2.0e-1
3.3
6.8
1.1e-1
1.6e-2
2.02
2.7
1.71
3.021
5.7e-1
1.4e-1
8247 2.041
9000 2.34
8400
2.5
8500
2
10400 3.38
9602 2.135
8500 1.75
10286 2.76
9620
2.4
9470 2.53
8500 1.92
6900 1.79
9000
45
6390 16.9
5445
6.5
5500
4.5
6015
4.5
5790 12.11
6350
7.3
6000
9.3
6590
5.9
2.08
3.2e-1
3.9
1
5.1
2.362
1.73
2.4
2.2
2.64
1.842
1.63
380
237
67.8
44.5
46
150
31
107
2.21
5.9e-2
2.8e+0
3.6e-2
2.3e-1
4.8e-1
2.8e-1
3.2e-1
1.9e-1
4.3e-1
5.8e-1
1.2e-6
1.8e-6
2.9e-5
7.2e-5
6.5e-5
5.1e-6
3.5e-4
1.1e-5
7.7e-1
9940
9377
䚼㻦㼏㼄㼖㼖㻃 㻲䚽
する(0.1%)。
Fig11(c) オリオン座β星(Rigel)
みなみのうお
α;Fomalhaut
わし
α;Altair
かじき座
S
おおいぬ
δ;Wezen
かじき座
β
ケフェウス
δ;Alrediph
こぐま
α;Polaris北極星
はくちょう
γ;Sadr
ペルセウス座
α;Mirfak
わし
η;
いて座
π(Albaldah)
さそり座
θ;Sargas
りゅうこつ座
α;Canopus
カシオペア座
β;Caph
こいぬ
α;ProcyonA
ヘラクレス
ζ
いっかくじゅう 82G
おうし
111 Tauri
おおぐま
α;DubheB
おとめ
β;Zabijava
おとめ
γ;Porrima
Siriusπ3;Tabit
A
オリオン座
りゅう座
μ;Alrakis
1.16 129.81
0.77 194.00
8.6
0.02
1.83
2.03
3.63
3.14
4.07
3.77
1.98
7.54
2.23
1.78
1.81
6.44
3.87
2.36
2.89
6.40
1.87
10.86
Sirius
-0.72
10.43B
2.28
59.58
0.34 284.56
2.81
93.32
5.78
33.69
5.11
69.51
4.81
26.54
3.6
91.50
2.74
85.58
3.16 123.94
5.8
37.08
A3
A7
A0
F8
F4
F5
F7
F8
F5
F6
F2
F0
F0
F2
F5
F9
F2
F8
F0
F9
F0
F6
F7
Ⅴ
Ⅴ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
0.09
8 1.73
0.22
5 2.21
0.11
52632 -10.0
0.68
493 -6.63
0.7
318 -3.89
0.6
265 -3.05
0.6
133 -3.63
0.67
562 -6.52
Vega
0.48
155 -4.15
0.89
424 -4.27
0.35
156 -3.08
0.4
92 -2.95
0.15
96 -5.63
0.34
17 1.16
0.4
4 2.61
0.65
11 2.66
0.39
30 3.42
14 4.32
D e0.54
neb
1.07
38 1.93
0.55
11 3.41
0.36
12 2.40
0.46
8 3.63
0.48
27 3.65
8500 1.92
6900 1.79
9000
45
6390 16.9
5445
6.5
5500
4.5
6015
4.5
5790 12.11
6350
7.3
6000
9.3
6590
5.9
7268 5.66
7350
9.5
7079 1.91
6530 1.42
5820 1.45
6598 1.079
6015 1.08
7400
1.7
A l t a 1.25
ir
6132
1.842
1.63
380
237
67.8
44.5
46
150
31
107
2.21
26
65
3.43
2.048
2.56
1.385
1.67
1.3
1.68
4.3e-1
5.8e-1
1.2e-6
1.8e-6
2.9e-5
7.2e-5
6.5e-5
5.1e-6
3.5e-4
1.1e-5
7.7e-1
4.5e-4
4.9e-5
6.7e-2
2.3e-1
1.2e-1
5.7e-1
3.3e-1
1.1e+0
3.7e-1
6516 1.236
1.323
7.5e-1
䚼㻦㼏㼄㼖㻃 㻤䚽
表面温度7,500K~11,000K,λ=250
外線
300nm(紫
紫)を中心とするⓉⰅ᫅㻃(Fig7a)。水素の
Balmar系列のスペクトルが顕著で,Fe,Mg,Si
といった金属イオンも強い。ኯ㝟䛴㻔㻑㻗ࠤ㻕㻑㻔ಶ䛴㈻
㔖を持ち,銀河系の160に1個の割合で存在する。
Vega,Sirius,Altairなど,明るくよく知られて
いる-1
1等星の多くがこのTypeに入る。
䚼㻦㼏㼄㼖㼖㻃 㻩䚽
表面温度㻙㻓㻓㻓㻮ࠤ㻚㻘㻓㻓㻮のⓉ㯜Ⰵの星。スペクトル中
心は480nm(青緑)前後だが,赤
赤外域にまで拡がる
ため,全体的には黄色味を帯びた白色の星である。吸
収線はCaが強く,Fe,Cr原子のものがはっきりして
いる。໪ᴗ᫅はじめ伝説の星㻦㼄㼑㼒㼓㼘㼖など銀河系の㻖䟸
程度がこのFTypeである。なお,この中にも絶対光
度が極めて小さいものもある(左表に3個)。
Fig11(d)おおいぬ座α星(SiriusA),右に青く映っ
(e)わし座α星(Altair,牽牛),こと座α星(Vega,織
ているのがBtypeだが11等級のSiriusB。二つは連星
系をなし,互いに回り合っている。
姫星),白鳥座α星(Deneb) のAtypeの3つの星を
SummerTriangle(夏の大三角形)
Constellation星
座
おおいぬ
かじき座
ケフェウス
こぐま
はくちょう
ペルセウス座
わし
いて座
さそり座
りゅうこつ座
カシオペア座
こいぬ
ヘラクレス
いっかくじゅう
おうし
おおぐま
おとめ
おとめ
オリオン座
りゅう座
きりん座
みずがめ座
みずがめ座
りゅうこつ座
しし座
うお
うみへび座
おとめ
ぎょしゃ
けんびきょう座
ヘラクレス
ペルセウス座
りゅう座
うしかい
オリオン座
カシオペア座
くじら
ケンタウルス
こと
starname
Appa Parallax Spect Class
Mag
[ms]
type
δ;Wezen
1.83
β
3.63
δ;Alrediph
4.07
α;Polaris北極星
1.98
γ;Sadr
2.23
α;Mirfak
1.81
η;
3.87
π(Albaldah)
2.89
θ;Sargas
1.87
α;Canopus
-0.72
β;Caph
2.28
α;ProcyonA
0.34
ζ
2.81
82G
5.78
111 Tauri
5.11
α;DubheB
4.81
β;Zabijava
3.6
γ;Porrima
2.74
π3;Tabit
3.16
μ;Alrakis
5.8
β
4.03
β;Sadalsuud
2.87
α;Sadalmelik
2.94
I;HD84810
3.39
ε;RasElasedAustralis
2.98
γ
3.7
γ;
2.99
ε;Vindemiatrix
2.83
α;Capella
0.91
γ
4.68
β;Kornephoros
2.81
γA
2.93
η
2.73
η;Muphrid
2.68
HD38529A
5.94
η;AchirdA
3.44
τ
3.5
α;RigelKentA
-0.01
Gliese758
6.36
Sun
-26.74
おおぐま
Groombridge1830
6.44
はくちょう
kepler-22
11.66
おおいぬ
ο1
3.85
ケフェウス
ζ;TsaoFu
3.39
とも座
π;
2.73
ペガスス
ε;Enif
2.4
ほ座
λ;AlSuhailAlWazn2.21
うしかい
ε;IzarA
2.37
うみへび座
α;Alphard
2
おおぐま
α;DubheA
1.87
カシオペア座
α;Schedar
2.24
ぎょしゃ
ζ;Haedus
3.75
しし座
BD+20 2457
9.75
みなみのさんかくα;Atoria
1.91
わし
γ;Tarazed
2.71
いて座
δ;KausMedia
2.7
いて座
λ(KausBorealis)
2.82
インディアン
α
3.11
うしかい
α;Arcturus
-0.04
おうし
α;Aldebaran
0.87
おひつじ座
α;Hamal
2
おひつじ座
δ;Botein
4.35
かに座
β;Tarf
3.54
くじら
β;DenebKaitos
2.02
ケンタウルス
e;HD111915
4.33
こぐま
11
5.02
2.03
3.14
3.77
7.54
1.78
6.44
2.36
6.40
10.86
10.43
59.58
284.56
93.32
33.69
69.51
26.54
91.50
85.58
123.94
37.08
3.27
6.07
6.23
2.09
13.22
23.64
24.37
29.76
77.29
14.24
23.44
13.41
35.42
87.75
25.46
168
274
747
63.45
109.22
1.65
4.49
4.04
4.73
5.99
16.10
18.40
26.54
14.29
4.15
5.00
8.35
8.26
9.38
41.72
33.17
88.98
50.09
49.56
19.22
11.23
33.86
11.08
8.19
F8
F4
F5
F7
F8
F5
F6
F2
F0
F0
F2
F5
F9
F2
F8
F0
F9
F0
F6
F7
G1
G0
G2
G5
G1
G9
G8
G8
G8
G6
G7
G9
G8
G0
G4
G0
G8.5
G2
G8
G2
G8
G5
K2.5
K1.5
K3
K2
K4.5
K0
K3
K1
K0
K5
K2
K2
K3
K3
K0
K0
K1.5
K5
K2
K2
K4
K0
K3
K4
B-V
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅵ
0.68
0.7
0.6
0.6
0.67
0.48
0.89
0.35
0.4
0.15
0.34
0.4
0.65
0.39
0.54
1.07
0.55
0.36
0.46
0.48
0.92
0.84
0.97
1.03
0.81
0.92
0.92
0.94
0.8
0.88
0.91
0.7
0.91
0.59
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
1.75
1.57
1.61
1.53
1.65
0.97
1.44
1.07
1.16
1.29
1.18
1.44
1.5
1.38
1.05
1
1.23
1.54
1.15
1.04
1.48
1.01
1.37
1.39
0.58
0.72
0.69
0.79
0.82
0.75
Distance Abs.
[pc]
Mag
492.61
318.47
265.25
132.63
561.80
155.28
423.73
156.25
92.08
95.88
16.78
3.51
10.72
29.68
14.39
37.68
10.93
11.68
8.07
26.97
305.81
164.74
160.51
478.47
75.64
42.30
41.03
33.60
12.94
70.22
42.66
74.57
28.23
11.40
39.28
5.95
3.65
1.34
15.76
9.16
190.00
606.06
222.72
247.52
211.42
166.94
62.11
54.35
37.68
69.98
240.96
200.00
119.76
121.07
106.61
23.97
30.15
11.24
19.96
20.18
52.03
89.05
29.53
90.25
122.10
-6.63
-3.89
-3.05
-3.63
-6.52
-4.15
-4.27
-3.08
-2.95
-5.63
1.16
2.61
2.66
3.42
4.32
1.93
3.41
2.40
3.63
3.65
-3.40
-3.21
-3.09
-5.01
-1.41
0.57
-0.08
0.20
0.35
0.45
-0.34
-1.43
0.48
2.40
2.97
4.57
5.69
4.36
5.37
4.80
6.63
5.27
-5.06
-3.35
-4.24
-4.23
-3.90
-1.60
-1.68
-1.01
-1.98
-3.16
3.24
-3.48
-2.71
-2.44
0.92
0.71
-0.29
-0.63
0.48
0.77
-1.21
-0.33
-0.45
-0.41
Temp
mass radius density
[g/cm3]
6390 16.9
5445
6.5
5500
4.5
6015
4.5
5790 12.11
6350
7.3
6000
9.3
6590
5.9
7268 5.66
7350
9.5
7079 1.91
6530 1.42
5820 1.45
6598 1.079
6015 1.08
7400
1.7
6132 1.25
237
67.8
44.5
46
150
31
107
2.21
26
65
3.43
2.048
2.56
1.385
1.67
1.3
1.68
1.8e-6
2.9e-5
7.2e-5
6.5e-5
5.1e-6
3.5e-4
1.1e-5
7.7e-1
4.5e-4
4.9e-5
6.7e-2
2.3e-1
1.2e-1
5.7e-1
3.3e-1
1.1e+0
3.7e-1
6516 1.236
1.323
7.5e-1
5940
5700
5210
5091
5248
4885
5087
5086
4940
5050
4887
5170
5055
6100
5370
6087
5344
5790
5425
5778
4759
5518
4165
3853
3990
4379
4235
4550
4120
4660
4530
3920
4127
4150
4210
3600
4770
4893
4290
3910
4480
4810
4039
4797
6.6
6
6.5
8.4
4.01
1.03
2.94
2.64
2.69
2.5
2.9
2.7
2.55
1.71
1.48
0.972
0.783
1.1
0.966
1
0.661
0.97
10
7.9
11.7
11.7
8.5
4.6
3.03
4
4
4.94
2.8
7
5.66
3.35
2.6
2
1.1
1.7
1.5
1.91
2.62
2.8
62
50
77
169
21
9.92
13
10.6
12.2
10
17
3.9e-5
6.8e-5
2.0e-5
2.5e-6
6.1e-4
1.5e-3
1.9e-3
3.1e-3
2.1e-3
3.5e-3
8.3e-4
11
2.672
2.82
1.01
0.793
1.227
0.88
1
0.681
0.979
231
110
290
185
207
33
50.5
30
42.1
160
49
130
95
129
11
12
25.7
44.2
14.9
10.42
48
16.78
2.7e-3
1.3e-1
9.3e-2
1.3e+0
2.2e+0
8.4e-1
2.0e+0
1.4e+0
2.9e+0
1.5e+0
1.1e-6
8.4e-6
6.8e-7
2.6e-6
1.4e-6
1.8e-4
3.3e-5
2.1e-4
7.6e-5
1.7e-6
3.4e-5
4.5e-6
9.3e-6
2.2e-6
2.8e-3
1.6e-3
9.1e-5
2.8e-5
6.4e-4
2.4e-3
3.3e-5
8.4e-4
4340
1.8
24.08
1.8e-4
(f)Polaris(北極星)
(g)Canopes
0.15
6500K
F
0.12
0.09
I
5500K
G
0.06
4500K
K
0.03
0
3500K
M
0
250
500
λ
750
1000
Fig11(h)Fig7a,Fig11bの箇所にも同様の輻射の波
長分布を示したが,縦軸の目盛りが桁違いであること
に注意。Stefan-Boltzmannの法則の通り,光の強度
4
はT に比例しているため,O型とM型では単位面積当
りの最強波長の輻射強度は10万分の1以下である。
䚼㻦㼏㼄㼖㼖㻃 㻪䚽
表面温度㻗㻜㻓㻓ࠤ㻙㻓㻓㻓㻮のᵾ‵Ⓩな天体で,ኯ㝟
(5800K)もこれに入り,全体の㻚㻑㻘㻈を占める。ここ
に入る㯜Ⰵ▰᫅yellow dwarf(絶対等級=4 5前後)
やᕠ᫅㻃Giant (絶対等級-1 1等級) もある。(数は
dwarfが多いが,いずれも暗いため,表にはGiantが半
分ほど記されている)
いて座
いて座
インディアン
うしかい
おうし
おひつじ座
おひつじ座
かに座
くじら
ケンタウルス
こぐま
さそり座
しし座
とも座
はくちょう
ふたご
りゅうこつ座
りゅう座
エリダヌス座
ケフェウス
インディアン
エリダヌス座
エリダヌス座
カシオペア座
ケンタウルス
はくちょう
はくちょう
へびつかい
おおいぬ
オリオン座
ケフェウス
ケフェウス
さそり座
ペガスス
ヘラクレス
おおいぬ
おとめ
くじら
つる座
てんびん座
みなみじゅうじ
かに座
アンドロメダ
アンドロメダ
アンドロメダ
いっかくじゅう
いっかくじゅう
いっかくじゅう
いて座
エリダヌス座
おおぐま
おとめ
おとめ
がか座
くじら
くじら
ケフェウス
ケフェウス
ケンタウルス
けんびきょう座
こいぬ
しし座
しし座
てんびん座
へびつかい
へびつかい
みなみのうお
りゅう座
りゅう座
くじら
おうし
δ;KausMedia
2.7
λ(KausBorealis)
2.82
α
3.11
α;Arcturus
-0.04
α;Aldebaran
0.87
α;Hamal
2
δ;Botein
4.35
β;Tarf
3.54
β;DenebKaitos
2.02
e;HD111915
4.33
11
5.02
ε;Wei
2.31
γ;AlgiebaA
2.28
τ
2.95
ε;Gienah
2.48
β;Pollux
1.14
ε;AviorA
2.17
γ;Etamin
2.36
δ;Rana
3.54
γ;Errai
3.22
ε
4.69
40EridaniA
4.43
ε
3.74
η;AchirdB
7.51
α;RigelKentB
1.33
61A;Bessel'sStar
5.21
61B;Bessel'sStar
6.03
70A
4.03
VY
7.96
α;Betelgeuse
0.42
μ;Herchel'sGarnetStar
4.08
V354
10.82
α;Antares
0.96
β;Scheat
2.42
α1;Rasalgethi
2.91
σ
3.41
δ;AuVa
3.4
α;Menkar
2.53
β;Gruid
2.15
σ;Brachium
3.29
γ;Gacrux
1.63
DX(G-51-15)
14.81
Groombridge34A
8.09
Groombridge34B
11.06
Ross248
12.29
Ross614A
11.15
Ross614B
14.23
V838
15.74
Ross154
10.44
40EridaniC
11.17
Lalande21185
7.52
Ross128
11.13
Wolf424A
13.22
Kapteyn
8.85
YZ;Luyten725-32 12.1
Luyten726-8A
12.54
Kruger60A
9.59
Kruger60B
11.4
Proxima・Centauri 11.05
Lacaille8760
6.67
Luyten'sStar
9.87
Wolf359
13.53
AD;Gliese388
9.32
Gliese581
10.56
Barnard
9.54
Wolf1061
10.1
Lacaille9352
7.35
Strube2398A
8.94
Strube2398B
9.7
o;Mira
3.04
Teido1
17.76
9.38
41.72
33.17
88.98
50.09
49.56
19.22
11.23
33.86
11.08
8.19
51.19
25.07
17.92
44.86
96.54
5.39
21.14
110.61
72.69
276
198
311
168
747
286
286
197
0.83
6.55
0.55
0.33
5.89
16.64
9.07
2.91
16.44
13.09
18.43
11.31
36.83
275.80
279.00
279.00
316.80
244.34
244.34
0.16
336.90
198.26
392.64
299.59
227.90
245.50
271.00
373.70
248.00
248.00
768.70
253.00
264.00
419.10
204.60
160.91
545.40
236.00
305.26
283.00
283.00
10.91
8.40
K3
K0
K0
K1.5
K5
K2
K2
K4
K0
K3
K4
K1
K0
K1
K0
K0
K3
K5
K0
K1
K5
K1
K2
K7
K1
K5
K7
K0
M4
M2
M1
M2.5
M1.5
M2.3
M5
M1.5
M3
M1.5
M5
M3
M3.5
M6.5
M1.5
M3.5
M6
M4.5
M8
M6.3
M3.5
M4.5
M2
M4
M6
M1
M4.5
M5.5
M3
M4
M5.5
M0
M3.5
M6.5
M3.5
M3
M4
M3
M0.5
M3
M3.5
M7
M8
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅴ
Ⅶ
1.38
1.05
1
1.23
1.54
1.15
1.04
1.48
1.01
1.37
1.39
1.15
1.14
1.2
1.03
1
1.27
1.52
0.92
1.03
1.06
0.82
0.89
1.39
0.9
1.14
1.32
0.78
2.24
1.85
2.35
2.8
1.83
1.67
1.45
1.69
1.57
1.64
1.62
1.7
1.59
2.08
1.56
1.81
1.91
1.72
1.72
1.76
1.67
1.44
1.59
1.84
1.56
1.83
1.87
1.65
1.8
1.9
1.4
1.57
2.03
1.54
1.61
1.74
1.59
1.5
1.53
1.59
1.53
106.61
23.97
30.15
11.24
19.96
20.18
52.03
89.05
29.53
90.25
122.10
19.54
39.89
55.80
22.29
10.36
185.53
47.30
9.04
13.76
3.63
5.04
3.22
5.95
1.34
3.50
3.50
5.08
1205
153
1818
3030
170
60.10
110
344
60.83
76.39
54.26
88.42
27.15
3.63
3.58
3.58
3.16
4.09
4.09
6100
2.97
5.04
2.55
3.34
4.39
4.07
3.69
2.68
4.03
4.03
1.30
3.95
3.79
2.39
4.89
6.21
1.83
4.24
3.28
3.53
3.53
91.66
119
-2.44
0.92
0.71
-0.29
-0.63
0.48
0.77
-1.21
-0.33
-0.45
-0.41
0.86
-0.72
-0.78
0.74
1.06
-4.17
-1.01
3.76
2.53
6.89
5.92
6.20
8.64
5.70
7.49
8.31
5.50
-2.44
-5.50
-7.22
-1.59
-5.19
-1.47
-2.30
-4.27
-0.52
-1.89
-1.52
-1.44
-0.54
17.01
10.32
13.29
14.79
13.09
16.17
1.81
13.08
12.66
10.49
13.51
15.01
10.80
14.26
15.40
11.56
13.37
15.48
8.69
11.98
16.64
10.87
11.59
13.22
11.96
9.77
11.20
11.96
-1.77
12.38
3600
4770
4893
4290
3910
4480
4810
4039
4797
3.35
2.6
2
1.1
1.7
1.5
1.91
2.62
2.8
129
11
12
25.7
44.2
14.9
10.42
48
16.78
2.2e-6
2.8e-3
1.6e-3
9.1e-5
2.8e-5
6.4e-4
2.4e-3
3.3e-5
8.4e-4
4340
4560
4470
4500
4710
4666
3523
3930
5055
4900
4630
5300
5084
4036
5260
4526
4077
5290
3490
3500
3690
3650
3400
3689
2800
3877
3999
3795
3480
3600
3626
2840
3730
3000
2799
1.8
1.25
1.23
3.3
2
2.04
4.6
1.72
1.33
1.6
0.762
0.84
0.82
0.57
0.907
0.7
0.63
0.9
17
20
19.2
24.08
12.6
31.83
27
10.82
8.8
153
48.15
2.327
4.7
0.732
0.81
0.735
0.66
0.865
0.665
0.595
0.91
1420
950
650
1520
883
95
387
420
48
89
180
110
84
0.11
0.379
0.19
0.16
1.8e-4
8.8e-4
5.4e-5
2.4e-4
2.2e-3
4.2e-3
1.8e-6
2.2e-5
1.5e-1
2.2e-2
2.7e+0
2.2e+0
2.9e+0
2.8e+0
2.0e+0
3.4e+0
4.2e+0
1.7e+0
8.4e-9
3.3e-8
9.9e-8
3270
3340
3100
3828
3180
3800
2670
3150
2890
3042
3800
3150
2800
3390
3480
3134
3380
3626
3680
3000
2918
2600
12.4
2.1
2.15
12.3
1.4
2.3
2.4
2.1
1.3
0.09
0.404
0.163
0.136
0.22
0.11
2.5e-8
3.5e-6
5.2e-8
2.3e-7
1.8e-5
4.6e-6
5.8e-7
2.2e-6
3.1e-6
9.5e+1
1.0e+1
3.3e+1
4.7e+1
0.17
0.2
0.46
0.15
0.14
0.29
380
0.24
0.008
0.393
0.21
0.17
0.29
1.7e+1
5.5e+5
1.1e+1
2.3e+1
4.0e+1
1.7e+1
0.102
0.26
0.176
0.12
0.6
0.26
0.09
0.4
0.31
0.144
0.14
0.35
0.24
0.141
0.51
0.35
0.16
0.39
0.29
0.196
5.2e+1
8.5e+0
1.8e+1
6.0e+1
6.4e+0
8.5e+0
3.1e+1
9.5e+0
1.8e+1
2.7e+1
0.503
0.36
0.3
1.18
0.052
0.459
0.55
0.54
350
0.1
7.3e+0
3.0e+0
2.7e+0
3.9e-8
7.3e+1
Fig11(i) ぎょしゃ座α Capella
G-type binary star
䚼㻦㼏㼄㼖㼖㻃 㻮䚽
T=3900~4900K の䜮䝰䝷䜼䛒䛑䛩䛥ኮమ。Ⅴ型は
orange dwarf とも呼ばれ,太陽の0.6
0.9倍の
質量を持つ。全体の⣑㻔㻕㻈がこれに属する。絶対光
度で5~7等級のものとAldebaranやAldebaranなど1
1等級のred giant,-5等級以下の㉰ᕠ᫅が
ある。Mn,Fe,Siの中性金属,さらにK6以上では
酸化Tiのスペクトルが見られる。
Fig11(j)おうしα
Aldebaran"
Type K giant
䚼㻦㼏㼄㼖㼖㻃 㻰䚽
T=2500
3900Kの㉝䛊᫅で銀河系の㻚㻙䟸を占め
る。肉眼では見えない10等級以下のred dwarfが
大半,㻥㼈㼗㼈㼏㼊㼈㼘㼖㼈や㻤㼑㼗㼄㼕㼈㼖など赤く非常に明るい
0
-6等級のRed Giant 㻋㉝Ⰵᕠ᫅㻌㻃もある。ス
ペクトルにはTiOなどの酸化物の吸収線が入る。
Fig11(k)αOrionis
Betelgeus
Type M Supergiant
Table12,太陽系に近いものを中心に主立った天体に関する観測データ。左から,星座名,天体名(星座の中でぜ䛥┘䛭
᪺䜑䛊䜈䛴䛑䜏㡨䛱䃇䟾䃈䟾䡗䡗䡗とされ,呼び名(主にアラビア語)のあるものはそれを記した。
3列目は,光電ないしはCCDによる㻤㼓㼓㼄㼕㼈㼑㼗㻃㼐㼄㼊㼑㼌㼗㼘㼇㼈䟺ᐁっ➴⣥㻌,
4列目は,ᖳ࿔っᕣδだが༟న䛵㻃㻾䝣䝮⛂㼀㻃であるから,その天体までの距離は㻔㻓㻓㻓㻒䃊[パーセク]で与えられる(8列目)。
9列目に示したのが㼄㼅㼖㼒㼏㼘㼗㼈㻃㻰㼄㼊㼑㼌㼗㼘㼇㼈㻃㻋⤧ᑊ➴⣥㻌㻃で,㻰㻤 䠏㻋㻤㼓㼓㻑㼐㼄㼊㻑㻌䟽㻘㻃 㼏㼒㼊㻋㻔㻓㻒㻋㼇㼌㼖㼗㼄㼑㼆㼈㻌㻌 で与えられる。
5列目は䜽䝞䜳䝌䝯ᆵで天体の表面温度と相関がある。
6列目は次にお話する
星のいずれの段階のどのような星か
約7段階で分類されている。
7列目はその天体を䚸⥫䛴කᗐ䞀㟯䛴කᗐ䚹で全体的な色の中心がどこにあるのかを示しすⰅᣞᩐ
10列目は⾪㟻Ὼᗐ,11列目は質量䟺ኯ㝟䛴㈻㔖䛴రಶ䛑䟻,
12列目(右から2列目)はその天体の半径䟺ኯ㝟䛴రಶ䛑䟻,太陽半径は約70万kmだから地球軌道までの距離1億5千万km は,太陽半径の200倍余り。即ち,12列目が200
を超す天体は地球までを飲み込むほどの大きな天体である。
3
3
13列目(最右列)に示したのが密度[g/cm ]Cf.水=1[g/cm ],地球の密度=約5[g/cm3],大気密度=1.3
-3
3
3
10 [g/cm ],太陽の平均密度=1.3[g/cm ]
【註】多くのData及び画像はWikipediaより転載。Dataはつねに世界中で計測が続けられ,その値は日々更新されている。先にも述べたように1km先の1μm弱が1"という角で
あるから非常に僅かなことに(大気はもちろん,天体の近くを通るときに起こすその天体周囲の大気による屈折,あるいは光が重力場中を通過するときに起こる屈折なども)
よって影響される。近年,ハワイマウナケア山の山頂に作られた䛟䛶䜑᭻㐪㙶や宇宙に打ち上げられた䝓䝇䝚䝯᭻㐪㙶などにより,より正確な測定結果が次々に蓄積されてい
る。また,天体自体が静かなものばかりではない。大きく脈動するもの(木星を飲み込むほどに大きくなったり,太陽程度に小さくなったり),現在爆発して大きくなり続け
ているもの,そこいら中でドラマが繰り広げられている。主だった星のデータは各国からWikipediaに掲載されているが,その値やスペクトル型等の判定は微妙に違ってい
る。Table12はそれらを見比べて拾い上げているが,その値は観測が進むとともにつねに変更されて行っている。
䠉䠀Stellar mass and Hertzsprung-Russell diagram
星は宇宙に生まれた水素原子等が重力で寄り集まって誕生し,その圧力で原子核どうしが結合する核融合反応(Nuclear fusion)でエネルギ-を生み出し,自
ら光を発している。多くの原子が集まるほど天体の中心圧力は増し,活発に核融合反応が行われ,高い温度になる。温度が高いほど䃑㻷㻃䠏㻃㻋ᏽᩐ㻌㻃則が語る
ように,光の中心波長は短い青い光となり,また,䃋䠏䃙㻷㻗㻃則が物語るように明るい天体となる。星は,燃料となるH原子を失えば(正しくは高い圧力のかかる
星の中心部のH元素の多くがHeとなり,4H→He合成が行われなくなると),星の第一段階目の幕が閉じ,第二の生涯へと進む。この第一幕が終了するまでの時間
は,多くの燃料を持つ大きな星ほどより盛んに多くの燃料を使い続け,早くに燃え尽きて行く。
䠉䠀㻔䠀㈻㔖䛴᥆ᏽ䚭Estimate of stellar mass
さて,天体の質量はいかにして推定できるか? 最も身近なところで太陽の質量Mはというと,地球mの公転運動の周期Tと軌道半径Rとから
2π 2
(2π)2R3
(2・3.14)2・(1.5 1011)3
mM
G =mR( )
より M= = =2.0
1030[kg]
2
2
T
GT
6.67
10-11・(365・24・3600)2
R
B
とmを使わずに求まる。他の星の質量はというと,光る天体が二つかそれ以上の連星系をなしているものが少なくなく
連星系の場合,それぞれの星の質量MA,MB,回転中心からの距離をa,bとすると,
MB
MAa(2π/T)2=MBb(2π/T)2 → MAa=MBb → MAa=MB(d−a) → a= d MA+MB
MAMB
MB
2π 2
(2π)2d3
→ MA d( )
=G → M
+MB=
A
d2
MA+MB
T
GT2
d
A
b
G
a
と,周期Tと連星間距離dが測定できれば,まずは連星系の質量合計がわかる。さらに,もし䛊䛠䜒䛑䛴᫅䛴㌮㐠༖ᙼ
が測られれば,MAとMBの個別の質量も判明する。
しかし,dを測定できない天体とか,太陽のような孤立した天体の場合,質量は推定できないのだろうか? 実は,
Fig13(a)
Table12のV型(H→Heをエネルギー源とする78個)の天体について,その質量と絶対光度とをグラフにしてみる
と,右図Fig13(b)のように,対応関係㻃㻋㈻㔖කᗐ㛭౿㻃Mass-luminosity relation)が見られる。すると,䊛ᆵ
約10の直線であると見て,質量がその絶対光度 㻰㻃䠏㻃㻘䌝㻔㻓䡗㼏㼒㼊㻃㻋㼐㼄㼖㼖㻃㻒㻃㼐䕸䟻 から推定される。
䠉 䠀 䠄 䠀 ᜇ ᫅ 䛴 ᑋ ࿤ 䚭 Lifetime of Star
さて,星の絶対等級 M=2.5・(logI0−logI) → ⊿M=−2.5⊿(logI) (I;光度)
Now M=5−10・log(mass/m◎) → ⊿M=−10・⊿(log(mass/m◎))
→ −2.5・⊿(logI)=−10・⊿(log(mass/m◎)) thus 㻃㻬㻃㻃䌨㻃㻃㼐㼄㼖㼖㻗㻃 絶対等級(log10(光度))
-5
䛴᫅䛴ሔྙ䟾䛣䛴᫅䛴ᖳ࿔っᕣ䛒ῼ䜏䜒䟾⤧ᑊකᗐ䛒よ䜒䛶䟾䛣䛴ኮమ䛴㈻㔖䛒᥆ᏽ䛭䛓䜑䚯即ち,グラフは傾き
0
5
10
15
となり,放出するエネルギー(星のエネルギー消費)Iは質量の4乗に比例して増すことがわかる。恒星の寿命と
は,通常
恒星が4H→Heの核融合反応をして燃え尽きるまで(第一幕)の時間
20
を指すが,それは,始め星と
-1
(b)
して集まったHの10%が消費される時間と言えるため,
0
1
質量(log10(質量/太陽))
㼐㼄㼖㼖
㻃㻋ධ㈻㔖㻌㽙㻓㻑㻔
㻔
ᑋ࿤䌨 䌨 䌨 となり,ᑋ࿤䛵䛐䛐䜎䛣㈻㔖䛴䠅஋䛱ཬẒౚ䛟䜑ことがわかる。
㼐㼄㼖㼖㻗㻃
㻃 㻋කᗐ㻌䚭
㼐㼄㼖㼖㻖㻃
4p+2e-→He 反応を見ると 1.007276
→ 4[g]の陽子によって放出されるエネルギー=4.11
-12
10 23
6.02
10 =2.47
→ 太陽(約2.0 1030[kg])の10%が融合反応して放出するエネルギー=2.47
さて,現在,太陽から1.5
1.6
10-13=4.11
2 1030 0.1kg
=1.24
4 10-3kg
1044J 4+0.000549 2−4.002603=0.027599u⇒0.027599
10-12J 10 J
1012J
1011m離れた地球で受ける太陽エネルギーは8.4J/cm2・min=8.4
1.24 1044
→ 太陽が燃え尽きるまでの時間= =1.0
10
4.4 10 ・4・3.14(1.5 1011)2
931.5
12
104 60
24
1010J/m2・year
365=4.4
1010y(100億年) と推測される。
ここから計算すると,寿命は(質量)3に反比例するため,ある天体の質量が太陽の二倍あったならその寿命は100/8=12.5億年。
地球年齢は46億歳,地球上に生命らしいもの(多細胞生物)が誕生したのが今から10億年前の地球35億歳の頃である。惑星ができてから35億年かからないと
生命らしきものが誕生しないとすると,12.5億年で燃え尽きてしまう天体の周囲の惑星には生命が誕生しているとは考えにくい。
100
O型,B型の天体は太陽の10倍ほどの質量を持つ。すると,寿命は =0.1億年程度。宇宙の推定年齢137億年,すると仮にリレーして新たな天体が生
103
まれたとして,そうした質量の天体が1400回近くも誕生しては爆発を起こし,今日の宇宙があることになる。現在,地球にあるような様々な原子,大きな原
子はそうした大きな星の爆発の際に合成されたものと考えられる。宇宙137億歳という年限はそうした様々な原子を生み出すのに十分な時間が経過している。
人類の誕生には生命の誕生からさらに10億年余りの年月を要した(下表)。従って,誕生時に太陽より大きな質量の星の周囲では人類は誕生できない。逆
に,8.4J/cm2分程度より少ないエネルギーしか出さない天体の近くでも生命の誕生は難しい。これは奇跡かそれとも宇宙に掃いて捨てるほど普通にあり得る
ことなのか? 㻧㼕㻑㻃㻦㼄㼕㼏㻃㻨㼇㼚㼄㼕㼇㻃㻶㼄㼊㼄㼑は「銀河系(2 4千億個の恒星からなる)に太陽があり地球がありそこに人間がいることはまぎれもない事実です。宇宙
には天の川銀河のような銀河Galaxyが1700億も存在する。地球が宇宙の中で選ばれた存在でも何でもないなら,少なくとも1700億ほどの生命を有する惑星
が存在するはずです。そうした惑星に済む人からの連絡をわくわくしながら探し続けるのは素晴らしいことだとは思いませんか!?」と語る。
始祖鳥出現
類人猿誕生
40
三葉虫出現
30
多細胞生物誕生
真核生物誕生
ミトコンドリア誕生
20
シアノバクテリア大量発生
太陽質量が2倍あっ
た場合の太陽の死滅
太陽系惑星の誕生
原子生命の誕生
Table14 地球の年表
10
アンモナイト出現
爬虫類出現
恐竜の時代
ほ乳類出現
᩺⏍௥
ཿ⏍௥ ୯⏍௥
඙䜯䝷䝚䝮䜦᫤௥
46億歳
䠉䠀䠅䚭ᜇ᫅䛴㐅໩㻃 stellar evolution
㻨㼍㼑㼄㼕㻃㻫㼈㼕㼗㼝㼖㼓㼘㼕㼘㼑㼊(Denmark)と㻫㼈㼑㼕㼜㻃㻱㼒㼕㼕㼌㼖㻃㻵㼘㼖㼖㼈㼏㼏㻃(U.S.A.)は1910年,それぞれ独立に᫅䛴㐅໩㻃㻋Stellar evolution㻌㻃が読み取れる画期的な表を提案し
た。横軸に星の表面温度,縦軸に星の明るさ(絶対等級)をとり,それぞれの星をplotしたもので,㻫㻐㻵ᅒ㻃㻋Hertzspurung-Russell diagram㻌と呼ばれる(横
軸は温度であるが,linearな目盛りでも対数目盛りでもない。横軸をスペクトル型とする本もあるが,実際には高温部分は狭く,低温に広くなっており,等幅ではない。目盛りとしては㟯䛮⥫䛴㻩㼌㼏㼗㼈㼕㻃䜘
㏳䛝䛬ῼᏽ䛝䛥කᗐ䛴ᕣ・・・Fig7a,Fig11hに見るような青が強く緑が弱ければ光度の中心は紫
紫外部にあり高温の星であり,青が弱く緑が強ければピークが赤にある低温の星である)。 H-R図
の横軸は正しくは,㻥㻐㻹Ⰵᣞᩐが取られており,Fig15(a)はTable12のデータで描いたもの,また,Fig15(b)は22,000の星について描いたDanskの
Wikipediaに掲載されているものである。
O B A F G
K
5
2911 7.5 6
4
M
1000K
−10
⤧
ᑊ
➴
⣥ 0
Sun
10
20
Fig15(a)
B-V
StefanBoltzmann'slaw䃋䠏䃙㻷㻗㻃㻃によると,
単位面積当り放出エネルギーは温度の4乗に比例し
て大きくなる。従って,仮に星の大きさに違いがな
ければ,低温の星は暗く,高温になるほど明るく,
星々はHR図の左上から右下に並んでくるはずで,事
実,そうした天体が主流を占めている。これらの星
は㻗㻫䊲㻫㼈㻃 ཬᚺ䛭ක䜘Ⓠ䛝䛬䛊䜑ኮమと考えられ,
୹⣌า᫅㻃㻋main sequence㻌㻃と呼ばれており,䊛ᆵ
とも呼ばれる。
しかし,図を見るとそればかりではない。HR図
の右上方にも相当の数の天体がある。右上というこ
とは,温度が低く単位面積当りの放射エネルギーが少ないにも関わらず,全体としては明るい。ということは,星が大きくなくてはならない。Fig15(b)にあ
るように,それらの星は,HR図の上から順に
䊗ᆵ䠍㻶㼘㼓㼈㼕㻃 㻪㼌㼄㼑㼗㻃 㻋㉰ᕠ᫅䟻䟾䚭䊘ᆵ䠍㻥㼕㼌㼊㼋㼗㻃 㻪㼌㼄㼑㼗㼖㻃 㻋㍜ᕠ᫅㻌㻃 䟾䚭䊙ᆵ䠍㻪㼌㼄㼑㼗㼖㻃 㻋ᕠ᫅㻌㻃 䟾䚭䊚ᆵ䠍㻶㼘㼅㼊㼌㼄㼑㼗㼖㻃 㻋‵ᕠ᫅㻌㻃
に分類されている。ただ,図に見る通り,主系列星の左上とこれらの巨星とは連続性が見られるため,左上は
Table12のⅠ
㟯Ⰵᕠ᫅
,右上は䇵㉝Ⰵᕠ᫅
とも言う。
Ⅱ型を見ると,どれも太陽半径の数100倍から果てはは3000倍などといったものまで見られる。よく知られた星を見ると
オリオン座の㻵㼌㼊㼈㼏㻃はBⅠの青色巨星(Bluegiant), その半径は太陽の74倍,平均密度は6.3 10−5[g/cm3]
はくちょう座の㻧㼈㼑㼈㼅㻃はAⅠの青色巨星(Bluegiant), その半径は太陽の203倍,平均密度は3.2
10−6[g/cm3]
オリオン座の㻥㼈㼗㼈㼏㼊㼈㼘㼖㼈㻃はMⅠの赤色巨星(redgiant),その半径は太陽の950倍,平均密度は3.3
10−8[g/cm3] といった天体である。
3
地球の大気の密度は,地表近くで 30g/22400cm =1.3
−3
3
−6
3
10 [g/cm ] で10 [g/cm ]というと上空50kmの大気層の上端のほぼ真空と見られる状態であ
るから,これらの星は太陽を中心として地球(70R)から土星(670R)にも拡がった,まるで準真空で発光する蛍光灯の中のような天体であることになる。
また,H-R図の左下にもいくつかの星が見られる。左であるから高温,下であるから暗い星である。即ち,高温だが大変に小さな天体である。主系列星の
感覚で言うと,高温になるにはそれだけ多くのH,Heが集まり高密度でどんどん燃えなくてはならない。しかし,これらの星は小さいのに高温を示してい
る。ということは,4H→He反応で高温になっている星ではないことを物語っている。Table12には末尾にある䊝ᆵのもので,見るとどれも密度が105
g/cm3即ち,この星の1cm3の小石1つが数100kgの重さになっている。こうした星はⓉ䛊ᑚெ㻃㻋White dwarfⓉⰅ▰᫅㻌㻃と呼ばれる。よく知られている
のがFig11(d) に映っているおおぐま座の 㻶㼌㼕㼌㼘㼖㻃㻥 と呼んでいる星である。後に述べるように,こうした白色矮星はいわば䚸ᑚெ䛱䛰䛩䛥䛐−䛛䜙᫅䚹で燃え
尽きた星の最後の姿の一つであると考えられている。㻶㼌㼕㼌㼘㼖㻃㻤は冬の南天に輝く星であり,㻶㼌㼕㼌㼘㼖㻃㻥はその近くにある目には見えない8.3等級の星である。
㻶㼌㼕㼌㼘㼖㻃㻤とBは連星であるから50億年前一緒に誕生した星である。それが今のようにAは明るく輝く壮麗な星,Bは年老いた微かな星であるということは,か
つて誕生し壮年期(Ⅴ型)にあったときにはAより質量が大きく強く輝いていたBが,早く燃え尽き,晩年に入ったものと考えられる。
さてこうした様々な種類の星がH-R図にして見ると浮かび上がってくる。そして,㻫㼈㼕㼗㼝㼖㼓㼘㼕㼘㼑㼊,㻵㼘㼖㼖㼈㼏㼏等が目論んだように,そこには星が生まれてから
その生涯を閉じて行くまでのドラマが読み取れ,そのストーリーは今日おおよそ次のように考えられている。
宇宙にある物質(H,He等の原子)に何らかの原因で濃淡ができて来る。物質が多く集まるとその重力でさらに周囲の物質を引き寄せ,重力の位置エネルギー
が熱となり,温度が上がると赤外線が放出されエネルギーを失い,物質の集合が進む。こうしてᬧ㯦᫅㞴=ཋጙ㞴(Fig3)として太陽1万個といった量の物質
が集まる。これらがすべて一つの塊になるのではなく,中にあちこちに濃い部分ができ,さらに多くの物質が集まり重力収縮を起こし温度を上げ,光を発す
るようになる。この段階に来ると,その周囲の物質にもエネルギーが伝わり,それらの熱運動が活発になり,重力の弱いところの物質が飛び去って晴れ上
がってくる。おうし座の㻷㼄㼘㼕㼌(F8Ⅴ)など,この段階の星は不規則なንකを繰り返す。
中心温度が1000万度を超してくると,4H→He反応が始まり,重力と発熱による膨張力とがつり合った状態で,大きさも発熱量もその物質の量に応じて安
定した状態が保たれ(主系列星),その状態が,Fig13(b)のような質量光度関係となって現れてくる。星が生まれ輝き出したとき,集まったHの量に応じて
H-R図のいずれかの位置で輝き,その10%を燃やした段階で,主系列から外れ,別々の生涯をたどる。
星が誕生してから主系列星で輝く時間T は䚭㻷䠏㻋㻰䕸㻃㻒㻃㻰㻌㻖㻃㻷䕸㻃 ・・・hereM◎;太陽質量,T◎;太陽寿命(100億年) → 8M◎の星(H-R図左上)は T=100億/83
≒2千万年,2M◎の星(右下)は T=100億/23≒12.5億年 であるため,
左上から順々に主系列から外れて行く。なお,M<0.9M◎の星は
(a)
T>100億/0.9 ≒137億年 と宇宙年齢を超えるため,そうした星がどう
(b)
4H→He反応をし
エネルギーを放出
1000万度以上
3
なっていくのかを見ることはできない。
He
星の中心部での4H→He反応が進むと,中心にはHeが溜って行き,4H
→He反応は中心から周囲に移って行く。ただ,4個が1個になるため,中心
放出された熱を受け止め,対流
し,星の表面へと伝える(拡がるこ
とで温度は下がる)
表面温度
部は小さくなり,反応域が外に移っても,星は大きくならない。即ち,主系
列星状態である間,星の大きさはほとんど変わらない(Fig16b)。
(e)
(d)
H
He
Hの10%がHeとなると,Hの反応領域にかかる圧力が下がるため反応が
不活発になり温度が下がり,星の収縮が起こる。すると,重力圧縮で温度が
C,O
O,NeMg
Si
上がり,ある温度に戻るとH反応が再度活発化する。H→He反応が起こる度
Fe
(c)
H
H
He
He
C,O
O,NeM
g
C,O
に,燃焼殻が外に移り,外側のガスを外に押しやり膨張する。と,また燃焼
が止まり収縮する。質量の大きな星では,そうしたことが起こっても外側の
Fig16
ガスは拡がるだけだが,それほど大きくない星では再燃する度に外側のガス
を外に放出し,ついには再燃するほどの圧力がかからなくなる。すると,星
は重力で潰れ,温度が上がっても燃焼を起こさない塊になる。このときの星
の物質密度は1cm3が10トンという状態で,そのような星がH-R図左下の白
色矮星と考えられる。
註)こうした▰᫅㻋㼇㼚㼄㼕㼉㻌がすべて白色をしているわけではない。また,その後,白の
ものも光でエネルギーを放出し温度が下がると,長い時間をかけて白→黄→橙→赤
→褐色→黒色と変わって行きそれぞれ○色矮星と呼ばれる。ただ,最初に確認され
た矮星がSiriusBが白色であったため 白色矮星 の名ががよく知られている。
㻰㻃䠐㻃㻓㻑㻗㻙㻰䕸(M◎は太陽質量)の天体では,中心付近でのH→He反応が終焉
Fig17 左;おおぐま座のふくろう星雲(M97),右;こと座のリング星雲(M57),いず
れも中心に残る白色矮星が吹き飛ばしたガスが光を反射している(惑星状星雲)
し膨張→収縮し,中心核のHe の密度が高まった段階で1億度を超し,㻫㼈䛴⼝ྙཬᚺ䚭㻖㻫㼈䊲㻦䟾㻦㻎㻫㼈䊲㻲㻃䡗䡗䡗㻃䛒ጙ䜄䜑。ただ,Heの融合反応は進行が速く,
高温でなくては起こらないため,Flash し膨張しては収縮し,比較的短時間で明るさが変わるንක᫅となる(2~5日)。この段階の変光星は䜵䝙䜫䜨䝍ንක᫅㻃
(Cepheid variable)と呼ばれ,᭩ኬකᗐ䛒ᴗ䜇䛬᪺䜑䛕䟾䛑䛪䛣䛴ንක࿔᭿䛵᫅䛴කᗐ䛮㛭౿ 䟺࿔᭿කᗐ㛭౿䟻 䛒ぜ䜏䜒䟾࿔᭿䛑䜏䛣䛴⤧ᑊකᗐ䛒᥆ᏽ䛛䜒
䜑䚯そのため,銀河系外の銀河にCepheid変光星を見つけ,その周期と実視光度を測定すればその銀河までの距離が判明する(後述)。
Heの燃焼は速く,Heが燃焼している期間は主系列星でいたときのような長さはない。Heが燃え尽き,C,Oからなる中心核が収縮するとその周辺のHeが
反応する。反応しては周囲のガスを吹き飛ばし,また収縮して反応する。Heの燃焼条件は1億度であるから,反応周期も長く,䝣䝭ᆵንක᫅(Mira
Fig18(b) Miravar(くじら座ο星)
variable)と呼ばれる。
2
Fig18(a) Cepheidvar(ケフェウスδ)
CepheidvarがF~G型の黄色で周
期が2 50日であるのに対し,㻰㼌㼕㼄㻃
C,Oが反応するには㻃㻰䠐㻗㻰䕸の質
等 級
௧୕とゆっくりしている。
4
等 級
㼙㼄㼕㻃䛵㻃㻮ࠤ㻰㻃䛴㉝Ⰵᕠ᫅䛭࿔᭿䛵㻔㻓㻓᪝
3
3
5
6
4
7
8
量がなくてはならず,それ以下の赤色
巨星は外部大気を吹き飛ばし,最終的
に㻦㼋㼄㼑㼇㼕㼄㼖㼈㼎㼋㼄㼕㻃㝀⏲㻃㻔㻑㻗㻗㻰䕸㻃以下に
9
5
6/29
7/06
7/13
7/20
7/27
2002
8/03
なり白色矮星となって中にはFig17のように,Flashの際に放出した
10
Jan
'97
Jan
'98
Jan
'99
Jan
'00
Jan
'01
Jan
'02
Jan
'03
ガスが輝いて見えるᝠ᫅≟᫅㞴となるものもある。
㻰㻃䠐㻃㻗㻰䕸㻃の天体では,巨星になった後,中心核が5億度以上になり
㻦䛴⼝ྙཬᚺが起こり,Mgが合成されて行く。
㻰㻃䠐㻃㻛㻰䕸㻃になると,最終段階で㻱㼈㻃㻏㻃㻰㼊㻃ᰶ䛱㌮㐠㞹Ꮔ䛒ථ䜐㎲䜅୯
ᛮᏄ໩㻃(p(e−,νe)n・・・体積1/1015倍)というとてつもない重力崩壊で莫
大なエネルギーを一気に放出する᩺᫅⇷Ⓠ㻃Novaを起す。
さらに,㻰㻃䠐㻃㻔㻓㻰䕸㻃㻃の星の場合,さらにHe合成が進み,15億度で
Si,25億度でFe(結合エネルギー最大,これ以上は吸熱反応となる)が作ら Fig19(a)おうし座のかに星雲
れて来る(slow process)。Feで発熱反応が止まると,冷えて重力崩
壊が起こり,p(e−,νe)n反応が起こると,急激にFe以上の大きな
原子核が作られるrapid process が進行し,周辺のガスを一気に弾き
(M1Crabnebula)。藤原定家の
明月記,1054年に見られる超新
星爆発の後の現在の姿。中心部
にPulsarが確認され,中性子星
と考えられている
(b)23Feb1987,大マゼラン雲に観測された超新星
(SuperNova)右写真は爆発前の同天体の写真
Jan
'04
飛ばす㉰᩺᫅⇷ⓆSuper Novaが起こる。この爆発時に星の中心部にかかる圧力により,中性子の巨大な塊が作られ୯ᛮᏄ᫅㻃neutron starあるいはBlack
holeを作り出して行く。註)1967年11月28日,㻭㼒㼆㼈㼏㼜㼑㻃㻥㼈㼏㼏㻃㻥㼈㼕㼑㼈㼏㼏㻃&㻤㼑㼗㼒㼑㼜㻃㻫㼈㼚㼌㼖㼋㻃らが宇宙のある点から1.33秒という時間間隔で正確に来る電波を発見し,当初宇宙人か
らの信号かと話題になった。しかし,その後もその電波は途絶えることなく正確に続くため宇宙人説は否定。超新星爆発で中性子の塊になると,非常に小さな天体に変わり超強
力な磁石となると同時に,角運動量保存のため高速回転となる。そのため中性子星は超強力磁場の回転で周期的電磁波を放出し続けるPulsar でもあることが解った。
Chandrasekhar limit
星の行く末として鍵となるものにインド出身の天体物理学者㻶㼘㼅㼕㼄㼋㼐㼄㼑㼜㼄㼑㻃㻦㼋㼄㼑㼇㼕㼄㼖㼈㼎㼋㼄㼕が1930年に指摘した
がある。天体が
白色矮星という静かな眠りにくには,中心部の重力が物質が潰れない程度でなくてはならない。原子の抗力は電子が同じところで同じ状態でいられないFermi
斥力から来ている。だが,星の重さが増して行くと,多くの電子が同じ空間に押し込められ,異なるエネルギー状態になるためにより高いエネルギー状態を
持つようになる。そのとき電子の速さは特殊相対論領域に入るが,光速を超えて行くことはできず,冷えて来て重力圧が増すと,ついには電子が空間に存在
できなくなり,p(e−,νe)n反応を起し星を支えられず重力崩壊を起す。量子力学と特種相対論を組み合わせることで㻦㼋㼄㼑㼇㼕㼄㼖㼈㼎㼋㼄㼕は,白色矮星がそのまま
冷えて行く質量の最大値は㻔㻑㻗㻗㻰䕸㻃というChandrasekhar 䛴㝀⏲に至った。即ち,どのような質量の星も,白→黄→橙→赤→褐→黒色矮星という静かな終
焉を迎えるには,それまでに,何らかの形でその質量を1.44M◎以下になるように,物質を吹き飛ばさなくてはならない。
主系列星以降,M>1.44M◎の星のメカニズムについては,研究者によってそれぞれ意見が異なっている。従って,ここに記したstoryも,今後,どんど
ん変わって行くものと思う。それでも,おおよその見解を図にすると次のFig20のような変遷を辿るものと考えられる。
星間ガス
原始星
He
主系列星
静かな
質量放出
巨星
白
色
矮
星
H
He
C,O
脈動変光星
黒
色
矮
星
Nova
H
He
(d)銀河系( 球状星団 散開星団)
M>8M◎
H
C,O
O,NeMg
Si
M>4M◎
He
C,O
O,Ne
Mg
Fe
SUN
M>12M◎
UltraNova
neutronstar(Pulsar)
2.8万光年
Black hole (Xray
5万光年
Fig20StellarEvolution
−10 青色
ⅠUltraGiants
Absolute Magnitude
巨星
3
10
(a) 散開星団
2
10
10
赤色
巨星
Ⅱ BriteGiants
0
Ⅴ
Ⅲ Giants
Ma
in
se
qy
en
ce
10
red
dwarf
1
1.5 1.0
0.7 0.6 0.5
Ⅶ White dwarf
0.4
(c)球状星団
20
(b)
-0.5
0
0.5
1
B-V
1.5
2
2.5
Fig21 太陽1万個以上の質量の星間ガスが集まりཋጙ᫅を生み出して行く。星は星団となって誕生し,すばるのようなᩋ㛜᫅ᅆを作る。この段階の星団のH-R図を描く
と図(a) のように,どの星も୹⣌า᫅であることを示す。それが時間が経つと,㈻㔖䛴ኬ䛓䛰᫅䛑䜏㡨䛱ᕠ᫅䛾䛮ን䜕䛩䛬⾔䛕。巨大化したとき,表面温度は下がり,赤色
(右)へと変化して行くが,表面積が大きくなるため,単位面積当りの放射量は減っても,全体の光度は変わらず,H-R図上をほぼ水平に変化して行く。ただし,もとも
とが軽く,赤色をしていた星は温度は大きく変わらず巨大化するため,上向きに変化する。銀河の周囲や周囲には多数の星が球状に集まっている⌣≟᫅ᅆが見られる。球
状星団の中の星をH-R図にすると(c)図のように,質量の大きな星がすでに主系列にはなく,赤色巨星になっていることから,年老いた星団であることが解る
䠊䠀Ꮻᏼ䛴ᯕ䛬䚭towards the edge of the Universe
㻛㻑㻃㻔㻃ኮమ䜄䛭䛴㊝㞫はparallax(年周視差)で測られるが,角度の測定は地上からでは0.01
が限界,㧏⢥ᗐっᕣふ
ῼ⾠᫅Hipparcus でも0.001"=1000psが限界である。1000psとは約3千光年であるから,銀河系の直径10万光年
の1/30に過ぎない。銀河系自体がそれほどに巨大で,われわれが実際に年周視差をもって距離を知ることのでき
Fig22(a)WilliamHerscel'sMilkyWay
る星は,宇宙の中の一つの銀河のその一角にある太陽のごく近傍の星に過ぎない。Milkyway銀河にある星の数
(b)
は2000億とも4000億とも言われる。1788年,UKの㻺㼌㼏㼏㼌㼄㼐㻃㻫㼈㼕㼖㼆㼋㼈㼏㻃は天体観測に基づいて,右上図(Fig22a)のよ
うな銀河系の姿を描いたが,現在は(b)のような渦巻き状の姿をしていることがわかっている。
㻛㻑㻃 㻕䚭ฦකっᕣ
星までの距離の計測可能領域が,銀河系の中の自分達のいる周辺(それでも光速探査機で人類の歴史ほどの3000年も
かかる距離)に過ぎないとなると,それより遠い天体までの距離を知るには,何らか間接的な事実を探さねばなら
ない。その一つに䇱ฦකっᕣ㻃 㻋spectroscopic parallax㻌䇲と言われる方法がある。䜽䝞䜳䝌䝯ᆵ䜎䜐䛣䛴᫅䛴㻫㻵
ᅒ୯䛴న⨠䜘᥆ᏽ䛝䟾⤧ᑊ➴⣥㻰䜘ị䜇䟾䛣䜒䛮ぜ䛑䛗䛴➴⣥㼐䛑䜏
䚭㻰䠏㼐䟽㻘㻃 㼏㼒㼊㻃 㻋㻔㻓㻒㼇㻌㻃 䚭㼐䠍㻃 ぜ䛑䛗䛴➴⣥䚭㻰䠍⤧ᑊ➴⣥䚭㼇䠍㊝㞫㻋㼓㼄㼕㼖㼈㼆㻌䚭䚭䚭䜎䜐㻃 ㊝㞫㼇㻃 䜘᥆ᏽ
する。ただ,星間ガスにより星の色は赤みを帯びてしまうため,その 星だけからの光
の吸収線が判定できなく
てはならない。また,HR図も一本の曲線に並んでいるのでなく,ばらつきがあるもののため,おおよその距離し
か決まらない。銀河系内の主系列星の距離はこの方法で推定される。
㻛㻑㻃 㻖䚭㻦㼈㼓㼋㼄㼌㼇㻃 ࿔᭿කᗐ㛭౿
DeltaCephei
銀河系外の天体(銀河)までの距離は,その銀河に
+3.5
Cepheid型変光星が現れれば,その変光周期と実視
-6
絶対等級
Mag
等級(最大光度)から推定される。Cepheid型変光星の
+4.0
絶対等級(最大)には右図(b)・・・式にすると
㻰㻃䍝㻃䌝㻋㻕㻑㻘㻚㻃㼏㼒㼊㻃㻷㼇㼄㼜䟽㻔㻑㻗㻖㻌
といった࿔᭿කᗐ㛭౿があるため,変光周期から絶
0.5
Phase
-4
1.5
1.0
Fig24(a)CepheidδLightcurve
対等級がわかる。それと実視等級との比較で
䚭㻰䠏㼐䟽㻘㻃㼏㼒㼊㻃㻋㻔㻓㻃㻒㻃㼇㻌㻃 からd が推定される。
変光周期day
これは年周視差も測定可能な範囲の天体だが,Cepheid座δ星の変光周期は(右図a)10dayである→
-2
10
20 40
4
6
(b)Cephaidvar.の周期光度関係
M=−(2.57log10+1.43)=−4のはず。だが,実視等級は4.0等級である→ −4=4+5log(10/d)
→ log(10/d)=−1.6→10/d=0.025→d≒400[pc]≒1300光年 と推定される。
60
ところで,20等級以下の明るさの天体を見ることはできないため,この方法での距離推定にも限界がある。
変光周期100日以上⇒M=−(2.57log100+1.43)=−6.6等級 以上明るいCephaid変光星はない。仮にそのような変光星が出現したとしても
→ −6.6=20+5log(10/d) → d≒2.0
106[pc]=650万光年 がこの方法で距離が測れる天体(銀河)の限界である。
ちなみに,今日,銀河系の半径は5万光年,すぐ隣のAndromedaGakaxyまでの距離ですら254万光年もあり,Cephaid変光星を使っての距離の推定はご
く近距離の銀河までしか使えない。
㻛㻑㻃 㻗䚭䊗㼄㻃 ㉰᩺᫅
Cepheidよりも明るく,遠くにあって観測できるのは超
→
新星である。ただ,通常の超新星爆発(Ⅱ型等)であって
→
→
はその絶対等級はまちまちで,距離を推定することにはつ
ながらない。ところが䊗㼄㻃ᆵと呼ばれる超新星は䇵䜈䛮䜈
Fig25(a)
䛮㏻᫅䛭䛈䛩䛥ୌ᪁䛴᫅䛒ᕠኬ䛭᪡䛕䛱ⓉⰅ▰᫅䛮䛰䜑䟾䛈䜑䛊䛵ᙰᚖ䛩䛬䛊䛥ⓉⰅ
(b)
▰᫅䛒௙䛴᫅䛮㐴㐕䛝㏻᫅䛮䛰䜑䟾䛣䛝䛬㛏䛊ᖳ᭮䛒⤊䛧䟾┞ᡥ䛴᫅䛒ᕠ᫅䛱䛰䜑
-19
等
級
䛮䟾ᕠ᫅䛑䜏ⓉⰅ▰᫅䛾䛮䜰䜽䛴Ὦ䜒㎲䜅䛒ጙ䜄䜐 㻃㻋㻩㼌㼊㻕㻘㼄㻌㻃 䟾ⓉⰅ▰᫅䛒᛬ᠺ㛏䛝䟾
㈻㔖䛒㻦㼋㼄㼑㼇㼕㼄㼖㼈㼎㼋㼄㼕㻃㻃㼏㼌㼐㼌㼗㻃䜘㉰䛎䟾㻦䛴⼝ྙཬᚺ䠏㉰᩺᫅⇷Ⓠ㻃 㻋Super Nova㻌㻃䜘㉫䛙
(c)
Ni
Co
䛟䇶。この超新星爆発はある決まった質量に達した段階で同じメカニズムで起こり,
最大 㻰䠏䌝㻔㻜㻑㻖㻃㻋㼳㻓㻑㻖㻌䚭の光度を発する(太陽の約50億倍の明るさ) 。それだけでな
t
く,
放出されるガスが透明
そ
して
水素スペクトルが弱い
こと, CとOとで12Mgや14Siを生み,さらに14Si等の核融合で生まれ
た5628Niがβ+崩壊を二段階で5627Co,626Feを作る・・・6C,8O→12Mg,14Si→5628Ni→5627Co,β+,
γ→5626Fe,β+,γ・・・といった一連の核反応で
特徴的なγ線が観測される
ことから,通常の超新
星爆発(その絶対光度はまちまち)と判別でき,例えば「ある星雲の中にⅠa型と思われる超新星が出現し,
その最大光度が11.0等級となったことから,
-19.3=11+5log(10/d) → logd=7.06→d=1.15
107pc=3740万光年(1pc=3,26ly) 」と知る。
ではこの方法で測れる限界は? 最大限で20等級から
-19.3=20+5log(10/d)→logd=8.86 → d=7.24
108pc=23.6億光年 㻛㻑㻃 㻘䚭Tully-Fisher relation
(ⅠaS.N.から地球までの間に何の減光物質もなく届いていることを前提に)Ⅰa型超新星により,宇宙の地平線
(137億光年)の約1/6までの距離が測れるが,Ⅰa超新星はどの銀河にもたえず見られる現象ではない。そ
こで1977年,R.BrentTullyandRichardFisherは渦巻き銀河の端の星の銀河回り回転速度が銀河全体の
Fig26Tully-Fisgerrel.(rikanet2.jst.go.jpより)
質量が大なほど速く,銀河質量が大なほど銀河全体の明るさが明るいという関係を使い,点にしか見ない
遠方の銀河からの光のスペクトル幅(Doppler効果による)から銀河の絶対光度を推定し,その実視等級から銀河までの距離を求める方法を見い出した。
註)我々の銀河内で観測する超新星爆発は星間物質等で遮られるため200
400年に一度程度しか観測されない。が,系外銀河では超新星は平均数十年に1度は起こる。200
inches望遠鏡では,1000億以上の系外銀河が見られ,それぞれの銀河に1000万
100兆(銀河は2000
4000億)個の星が存在するため,Ⅰa超新星は宇宙全体を探索すれ
ば絶えずどこかに観測される。
8.6 nebula & The Great Debate
さて,ここで脇道にそれるが,1920年の4月26日,USAのSmithsonianMuseumの大講堂で㻫㼄㼕㼏㼒㼚㻃㻶㼋㼄㼕㼓㼏㼈㼜㻃と㻫㼈㼅㼈㼕㻃㻦㼘㼕㼗㼌㼖によって䚸Ꮻᏼ䛴ኬ䛓䛛䛵䛊
䛕䜏䛑䚹という大論争が行われた。世に言う
The Great Debate
である。
◇ 㻶㼋㼄㼕㼓㼏㼈㼜は球状星団に観測されたCepheidVarの変光周期から数十個の球状星団までの距離を決定し「太陽は銀河系の中心にはないこと」「この銀河宇
宙こそが宇宙のすべてで,どの星雲や星団もその中にあり,宇宙の大きさ(銀河の直径)は約30万光年程度であると主張し
◇ 㻦㼘㼕㼗㼌㼖は「銀河系の直径は約2万光年で,渦巻き状星雲は銀河系外にあり,銀河系とは別の独立した㖗ἑ㻃㻋galaxy㻌㻃で,銀河系はそうした銀河の一つであ
る」と主張した。
当時䚸䜂䜙䜊䜐䛝䛥ኮమ䚹がいくつも観測されてお
り,それらは䇵᫅㞴㻃 㻋nebula㻌䇶と呼ばれ,早くも1800年
頃,㻃㻦㼋㼄㼕㼏㼈㼖㻃㻰㼈㼖㼖㼌㼈㼕(仏)によって作られた㻰㼈㼖㼖㼌㼈㼕㻃
㻦㼄㼗㼄㼏㼒㼊という形で整理されていた。そのため,今日でも
星雲はそのカタログ番号を使い,
M31(メシエ31)
等と
呼ばれている。星雲には,
㻩㼌㼊㻕㻚㻋㼄㻌㻃 㤷㢄᫅㞴
◇ 原始雲の集合によってできた
䇵ᬧ㯦᫅㞴㻋dark nebula㻌䇶 (Fig27a) や
䇵ᩋක᫅㞴㻋emission nebula㻌䇶 (Fig27b) ,
◇ 赤色巨星段階で周囲に放出したガスを光らせている
䇵ᝠ᫅≟᫅㞴㻃 㻋planetary nebula㻌㻃䇶(Fig17),
◇ 超新星爆発で放出した物質が光を放っているdiffuse
nebula (Fig18a)等,個々の星のある段階での姿である
㻋㼅㻌㻃 㻰㻗㻕㻃 㻲㼕㼌㼒㼑㻃 㼑㼈㼅㼘㼏㼄
もの(銀河系内星雲)
◇ 渦巻き状等の形に見える銀河系外の星の集合である
galaxy(Fig27c)
とがあり,全く質も距離も異なる。だが,1900年代の初
頭はいずれも䇵᫅㞴䇶=「ぼんやりした天体」というだけ
で,まだ何ものかが判っていなかった。
1919年,LosAngelesの北東のMountWilson(1742m)
㻋㼆㻌㻃㻃 㻰㻖㻔㻃㻤㼑㼇㼕㼒㼐㼈㼇㼄㻃㖗ἑ
㻩㼌㼊㻕㻛㻃
㻦㼒㼖㼐㼌㼆㻃 㼇㼌㼖㼗㼄㼑㼆㼈㻃 㼏㼄㼇㼇㼈㼕
の頂上に設置された天文台に100inches(2.5m)の望遠鏡
が完成し,㻨㼇㼚㼌㼑㻃㻳㼒㼚㼈㼏㼏㻃㻫㼘㼅㼅㼏㼈が1923
24年,それを利用し,星雲の観測を行った。すると,Andromeda星雲に観測された二個のCephaid変光星の実視光
度と変光周期から距離を求めたところ約100万光年(今日の測定では250万光年)と算出されたのである。この距離は㻶㼋㼄㼕㼓㼏㼈㼜㻃が語る銀河の大きさ30万光年より
も遠く,そのことからAndromeda星雲は銀河系(半径5万光年)外のものであるという結論に達した。それまで銀河系こそが宇宙のすべてで,全ての星雲は銀
河系内のものと思われてきたのだが,CephaidvarやⅠaSNの光度を星雲から分離して測定できるようになると,䇵Ꮻᏼ䛴㊝㞫᲋Ꮔ䇶(Fig28)に見るよう
に,宇宙がとてつもなく広いことが次第にわかってきた。
※ 㻤㼑㼇㼕㼒㼐㼈㼇㼄㖗ἑ㻋㻰㻖㻔㻌㻃は太陽系から250万光年の距離にある。䛛䜙䛑䛕ᗑ㖗ἑ㻋㻰㻖㻖㻌㻃とともに㖗ἑ⣌㖗ἑ䛮同じ仲間(ᑻᡜ㖗ἑ⩄)に属する。直径は22 26万光年と銀河系銀
河の2倍余り。条件の良い所では肉眼でも満月の5倍程度の大きさに見える。Andromeda銀河からの光のスペクトルは㟯᪁೩నを示し,㖗ἑ⣌䛱ᑊ䛝㻔㻕㻕㼎㼐㻒㼖㻃䛭㎾௛䛊䛬䛓
䛬䛊䜑。そのため,㻗㻓൦ᖳᚃ䛱䛵㖗ἑ⣌䛮⾢✲䛝ୌమ䛮䛰䛩䛬䛝䜄䛌と予測される。さんかく座銀河も同様に44km/sで銀河系に近付いており,Andromeda銀河と合体した銀
河系銀河とその後衝突し合体する。南半球で見られるኬ䝢䝀䝭䝷㞴(large Magellanic Cloud)も同じ仲間で,太陽系からの距離は16万光年,直径は5000光年(銀河系の1/20)
程度の矮小銀河で肉眼で見られ,有史前から知られていたが,星雲とも認識されず㻦㼏㼒㼘㼇㻃㻃と呼ばれていた。
㻛㻑㻃 㻚䚭Hubble's law
1920年の㻶㼋㼄㼕㼓㼏㼈㼜㻃㼙㼖㻃㻦㼘㼕㼗㼌㼆㼈㻃㼊㼕㼈㼄㼗㻃㼇㼈㼅㼄㼗㼈までは銀河系が宇宙のすべてで,宇宙の大
きさは30万光年程と思われてたのが,250万光年彼方に直径20万光年もの別の銀河の存
在が明らかになり,この段階で宇宙の大きさは10倍になった。㻫㼘㼅㼅㼏㼈はその一生を
Wilson山天文台で過ごし,CephideVar.があらわれる度に,その光度周期関係からそ
のgalaxyまでの距離を一つ一つ測定し,もう一つ非常に興味深いことに気付いた。
䇵⣌አ㖗ἑ 㻃 㻋䛚䛕㎾䛕௧አ㻌㻃 䛑䜏䛴ක䛵ධ䛬㻃 㼕㼈㼇㻃 㼖㼋㼌㼉㼗㻃 㻋㉝᪁೩⛛㻌㻃 䜘♟䛝䟾䏊䃑㻒䃑䚭䛵㐪䛕
䛴㖗ἑ䜁䛯ኬ䛓䛰ೋ䜘♟䛟䇶 という,後に,㻫㼘㼅㼅㼏㼈㻊㼖㻃㼏㼄㼚 として有名になる二十世紀最
大の発見の一つである。赤は波長の長い光,赤方にスペクトルがずれるということは,
その銀河が我々の銀河から離れて行っていることを物語っている。
音波のanalogyで言えば,f0の波源がvで去って行くなら,後方に
c+v
v
㼙
䏊䃑
λ= =(1+ )λ0 → 㼕㼈㼇㻃 㼖㼋㼌㼉㼗㻃 䍬䚭䚭䚭䠏䚭 㼆
f0
c
䃑㻓㻃
とredshiftの大きさは銀河の後退速度vの大きさを意味する。
(d)ultradeepfield BigBangから数億年後の130億年前と思われる宇宙の
画像。誕生後,数億年の銀河が多数映っている。Hubble宇宙望遠鏡写真
註)光には媒質がないのだから,正しくは,2-5章-6でお話した相対的に運動する空間の現象進行がゆっくり進むという特殊相対論効果によるものだが,v<0.3cでは
v
λ
1+v/c
z≡ −1= −1= 1+(2v/c)−1≒ と上記と一致する
c
λ
1-v/c
0
㻫㼘㼅㼅㼏㼈㻃は測定した46の銀河について,横軸に銀河までの距
離,縦軸にredshiftから求まる速さをとり,グラフに描いた
Galaxy間距離
といった比例関係が認められた(Fig29a)。
註1)当初,㻫㼘㼅㼅㼏㼈㻃はCephideVar.による距離計測を行っていたた
め,今日から見ると,それほど遠くまで測られていたわけではな
H0=68km/s/Mpc
1000
0
く,650万光年(200Mpc)止まりで,Fig29aの乙女座銀河群の計測
dataに見るように比例とは言えないばらつきが見られる。それでも
30000
後退速度[km/s]
㼙䠏㻫㻓 㻧㻃 ;v:後退速度,D:地球
2000
Redshift[km/s]
ところ,おおざっぱに
Distance(Mpc)
0
20000
20
10
Fig29(a) VirgoCluster(乙女座銀河群)
500[km/s/Mpsc]と大きな誤差があった。
Hubble以後,さらに大きな望遠鏡が作られ,Ⅰa超新星が使
われより遠くまで,多くの銀河についてredshiftが計測され
Velocity
大雑把に比例定数(直線の傾き)を求めたためH0の値は
4c
generalrelativity
3c
ると,(a)のようなばらつきは大きな問題ではなく,きれいな
10000
Linear
2c
比例関係㻃㼙䠏㻫㻓 㻧が見られ(Fig28b),その傾き㻃㻫㼘㼅㼅㼏㼈ᏽᩐは
specialrelativity
c
今日,H0=28000km/s/400Mpc=70km/s/Mps(㻙㻜㻑㻖㻕㼳㻓㻑㻛㻓㻃
0
0
㻾㻋㼎㼐㻒㼖㻌㻒㻰㼓㼆㼀㻃by 20.Dec2012NASAWilkinsonMicrowave
0
AnisotropyProbe)とされる。
0
0.1
1
10
2
10
(c)
3
10
100 200 300
距 離[Mpc]
400
(b)
Redshift
㻰㼌㼏㼎㼜㻃㻺㼄㼜㻃 㻋㖗ἑ⣌㖗ἑ䟻 䛮㼊㼄㼏㼄㼛㼜㻃 㻋⣌አ㖗ἑ䟻 䛮䛴㊝㞫䛒ᣉ䛒䛩
䛬䛊䜑䚯䛝䛑䜈䟾䛣䛴ᚃ㏝㏷ᗐ䛒㐪䛕䛴㼊㼄㼏㼄㼛㼜䜁䛯ኬ䛓䛊。このことはあたかも銀河系銀河が宇宙の中心にあり,われわれを中心に宇宙が拡がっているいるよ
うに考えがちだが,そうではない。
すべての点が互いに等しくd離れれば,N個離れた点どうしはNd離れる
というように,どの点から見ても他の点は距
離の遠い点ほど速い速さで後退して見える。しかし,どこが中心かと言うことは意味がなく,過去に遡った場合,どの銀河間の距離も0になり,全ての銀河が
一点にあったことになる。単純計算では,距離Dにある銀河がvの速さで離れているのだから,t=D/vほど前には,その距離は0ということになる。即ち,
㼗䠏㻃㻧㻒㼙䠏㻧㻒㻋㻫㻓㻃㻧㻌䠏㻔㻒㻫㻓 㻃=1[Mpc]/69.3[km/s]=3.09
1019[km]/(69.3[km/s]
365.25
24
3600[s])=1.4
1010 [y]㻃 㻋㻔㻗㻓൦ᖳ䟻
となる。これを䇵㻫㼘㼅㼅㼏㼈㻃㼗㼌㼐㼈䇶(138億年とする資料が多い)と呼び,140億年前,宇宙は一点にあり,そこからኬ⇷Ⓠ㻃㻋Big Bang)によって宇宙が拓け,それ
より140億年後の今,われわれが目にするような宇宙の姿になっていると考えられる。
しかし,ちょっと考えただけでも,この計算は単純に過ぎる。Hubble時間が140億年であるというのはいいが,それがそのまま宇宙の開闢以来の年月とな
るには,その間,すべての銀河が等速に保たれていなくては意味がない。しかし,銀河は巨大な質量を持つ。質量のあるものの間には万有引力が働き,遅く
なり続けていると考えるのが当然である。㻫㼘㼅㼅㼏㼈ᏽᩐ㻃㻫㻓㻃䜘㻥㼌㼊㻃㻥㼄㼑㼊㻃䛑䜏䛙䛴䛑䛥ን໩䛝䛰䛊定数と考えるのは無理がある。従って,Hubbleの法則が Big
Bangでこの宇宙全体が誕生したことの証拠ということにはならず,Hubble自身もBigBang説には賛同していなかった。ただ,redshiftzが v=czであ
ることから天体の後退速度 v がわかり,Hubble の法則は䇱䛣䛴ኮమ䛒ක䜘Ⓠ䛝䛥᫤Ⅴ䛭䛴ᆀ⌣䛑䜏䛴㊝㞫㻧䛴᥆ᏽ䇲には使える。
註) redshiftは簡単に「波源が後退するとき後方に送り出す波の波長が長くなる」Doppller効果として語られるが,前述のように光に媒質はなく,特殊相対論では「波源の世
界の時間の進み方が変わって見える時空の相対性の結果起こるDoppller効果」として修正される。しかし,さらに重力場を扱う一般相対論では「時空の拡大がもたらす必然的
結果」として起こるものとして説明され,Doppler効果とは別物として捉えられる。ただ,上図Fig29(c)に見るように(横軸が対数軸),光速の0.3倍程度まではv=cz関係は
同様に見られる。特殊相対論では天体の速度が光速を超えることは許されず,そこは䇵Ꮻᏼ䛴ᯕ䛬䇶ということになる。ただ,正確に言うなら特殊相対論では䇵ක㏷䛭㞫䜒䜑
ኮమ䛑䜏ぜ䛬ක㏷䛭㞫䜒䜑ኮమ䛴㏷䛛䜈ᠻ䚱䛱䛵ක㏷䛱䛝䛑ῼᏽ䛛䜒䛰䛊䇶という意味であって,空間的限界を決めるものではない。それに対し一般相対論は光速以上で後退
することを禁じるものではなく,v=H0DでHubble距離を超す天体の速度は光速を超す。ただし,v>cの天体は我々には観測できず,別空間のものと解される。
Hubble法則v=H0Dで後退速度vが光速となる距離D=c/H0=ct=140億光年は䇵㻫㼘㼅㼅㼏㼈㊝㞫䇶と呼ばれる。光がわれわれの所に到達するにも時間が
かかる。太陽から地球まで光が来るにも8分余の時間がかかる。ということは,我々が見る太陽は8分ほど昔の太陽を見ている。遠くの天体になればなるほ
ど,われわれは宇宙の昔の姿を見る。130億光年彼方の銀河は130億年前,そこにその銀河がそのような姿で存在し,送ってくれた昔の姿をわれわれは見てい
る。もし,その天体がわれわれから光速で遠ざかっているなら,現在の時点でその天体はわれわれから260億光年の距離(その速さが一定だとして)にあるはずで
ある。しばしば,Hubble距離を宇宙の大きさとの誤解を受けるが,Hubble距離は宇宙がどこまで見えるかを示している䇵Ꮻᏼ䛴ᆀᖲ⥲䇶までの距離で,宇宙
の大きさではない。2013年の観測結果に基づいた宇宙の年齢は 㻔㻖㻑㻚㻚㻕㼳㻓㻑㻓㻘㻜㽙㻔㻓㻜㻃ṋ とされる。地球から光速で離れる天体はあらゆる方向に見られる。
従って,われわれから観測できる宇宙の地平線までの距離が138億光年であるなら現時点でのᏫᏼ䛴༖ᙼ䛵㻕㻚㻙൦කᖳ䟾├ᙼ䛭㻘㻘㻕൦කᖳということにな
る。・・・次にお話するᏫᏼ䛴⫴ᬊ㍵ᑏ㻃㻋Cosmic Microwave Background Radiation㻌㻃に基づいた計算では観測できるᏫᏼ䛴├ᙼ䛵㻜㻖㻓൦කᖳ,宇宙の地
平線までの距離は460
470億光年であると考えられる。
䠊㻑㻃 䠊䚭㻥㼌㼊㻃 㻥㼄㼑㼊㻃 ㄕ 㻥㼌㼊㻃㻥㼄㼑㼊㻃ㄕを初めに提唱したのは㻃㻪㼈㼒㼕㼊㼈㼖㻃㻯㼈㼐㼄㼌㼗㼕㼈(Belgium)で一般
相対論から導かれた㻩㼕㼈㼈㼇㼐㼄㼑㼑㻃による方程式に基づいた1927年の
hypothesis of the primeval atom (原始的原子仮説)
である。1929年段
階での㻃㻫㼘㼅㼅㼏㼈㻃の発見はこの説を裏付けるものであったが,㻫㼘㼅㼅㼏㼈自身
も,また㻨㼌㼑㼖㼗㼈㼌㼑㻃もBigBang説には同調することなく,拡がっている
ところに新たに天体が誕生し,つねに定常状態が保たれているというᏽ
ᖏᏫᏼㄵ steady state model が広く支持されていた。
1940年代になり,㻪㼈㼒㼕㼊㼈㻃㻪㼄㼐㼒㼚㻃(Russia)と彼の仲間は, 䇵Ꮻᏼ䛵㉰㧏ᐠᗐ䝿㉰㧏Ὼ䛴ℾ䛴⋚䛭䛈䜐䟾䛣䜒䛒⇍ᰶ⼝ྙཬᚺ䜘㉫䛙
䛟 䛙 䛮 䛭 ⇷ Ⓠ 䜘 ㉫ 䛙 䛝 䟾 㝟 Ꮔ 䝿 ୯ ᛮ Ꮔ 䝿 㞹 Ꮔ 䛮 䛊 䛩 䛥 ∸ ㈻ 䟺㈻㔖䟻䛴 ᙟ
䛱䜬䝑䝯䜲䞀䛒㌹⛛䛝䛬䜌䛕䇶という研究を次々に発表した。しかし,
この段階でもそれらの論文は全く相手にされず,1940年代末にはメン
バーは解散してしまった。だが,その中で彼等は
Fig30遠くを見ることは過去の宇宙を見ることを意味する
;宇宙が個々の荷電粒子が渾沌として飛び交う高密度なプラズマ状態にあるとき,電磁振動である光は発せられてもすぐに荷電粒子によって吸収され,外に
出ることはなかった。だが,膨張が進み宇宙の温度が3000K程度にまで達すると,平均エネルギーが
3
3
8.31
kT= 3000/1.6
10-19≒0.4eV程度<13.6eV(水素の基底状態からのイオン化エネルギー)
2
2 6.02 1023
となり,陽子と電子とが分離することなく中性水素が空間を占め,光が荷電粒子によって妨げられずに空間を自由に飛び代える 透明 な宇宙空間となる
=Ꮻᏼ䛴ᬍ䜒୕䛒䜐。それが起こったのがBig Bang から38万年頃のこと=䇱time of last scattering䇲で, この輻射が138億年経った今日も宇宙空間を
満たし,その温度は 3000K
1/1100=㻕㻑㻚㻮㻃になっているが,熱輻射が宇宙のあらゆる方向を満たしている(㻪㼄㼐㼒㼚㻃等の試算は5K)・・・Cosmic
Microwave Background Radiation(㻦㻰㻥䟻 あるいは䇵㻖㻮⫴ᬊ㍵ᑏ䇶
と指摘した。この背景輻射は思いもよらない研究から発見された。1964年,ベル研究所で無線アンテナの雑音の除去を研究していた㻤㼕㼑㼒㻃㻳㼈㼑㼝㼌㼄㼖と㻵㼒㼅㼈㼕㼗
㻺㼌㼏㼖㼒㼑等はあらゆるノイズを除去しても,どうしても除去できないノイズに行き詰まっていた。ところがそのノイズ,2.7Kの黒体輻射による波長分布と合致
しており,㻪㼄㼐㼒㼙等が予測したBigbangの名残りの背景輻射と判明した。ノイズが何らかの天体からの輻射によるものという疑念もあったが,大気圏外での
全天観測でもその強度は極めて一様で,何らかの天体からのものでもない。宇宙が晴れ上がったときの宇宙は一様で,何の天体も存在しなかったことの証拠
とも解され,この宇宙の背景輻射(CMB)こそBigBang説を裏付けるものと考えられる。㻪㼄㼐㼒㼚が1940年代に描いた推理は,巨大加速器を使った,宇宙の初
期での物質の形成の再現実験も含め,今日では䇵කᏄ䛭‫‮‬䛥䛛䜒䛥㻃 㻔㼆㼐䜁䛯䛴Ꮻᏼ䛒┞㌹⛛䜘㉫䛙䛝䟾ᣞᩐ㛭ᩐⓏ䛱⭶ᘿ䛝䟾䜳䜭䞀䜳䝿䜴䝯䞀䜮䝷䝛䝭䜾䝢
≟ឺ䛾䟾䛛䜏䛱⭶ᘿ䛝Ὼᗐ䛒ୖ䛒䜑䛙䛮䛭䜳䜭䞀䜳䛮䜴䝯䞀䜮䝷䛒⤎ྙ䛝䟾㝟Ꮔ䜊୯ᛮᏄ䛰䛯䛴䝔䝮䜮䝷䜘ᙟᠺ䛝䟾䛝䛶䜏䛕䛝䛬Ꮻᏼ䛴ᬍ䜒୕䛒䜐䛒⏍䛞䛬
⾔䛩䛥䇶という説が受け入れられている。
さらに,実際の天体観測による㍇ඔ⣪䛴ᏋᅹẒ⋙䚭4He/1H~0.25,2H/1H~10-3,3He/1H~10-4,7Li/1H~10-9 がBigBang理論から計算される値と
よい一致を見せることもBigBangを裏付けるものと考えられる。
䠊㻑㻃 䠋䚭よ䛓᪺䛑䛛䜒䜑䛴䜘ᙽ䛪䠑
近年Seyfert galaxyや quasar (quasi-stellar radio source) といった非常に遠くの天体が観測され
a)回転していない円盤からの輝線放射
るようになった。その一つ䚺㻶㼈㼜㼉㼈㼕㼗㻃 㖗ἑ䛵ᴗ䜇䛬᪺䜑䛊୯ᚨᰶ䜘ᣚ䛧䟾䠃ᖳ௧හ䛴࿔᭿䛭ንක䛟䜑䛮䛮䜈
䛱䟾䛣䛴㍜⥲䜽䝞䜳䝌䝯䛒ᖕᗀ䛕୯ᚨᰶ䛴䜰䜽䛒㻘㻓㻓ࠤ㻗㻓㻓㻓㼎㼐㻒㼖䛮䛊䛌㧏㏷⇍㐘ິ䜘䛝䛬䛊䜑䛙䛮䟾䛛䜏䛱
࿔ᅑ䛴᫅䛑䜏䛴ක䛒ᬧ䛊䛙䛮䛑䜏Ꮻᏼ䛴ิ᭿䛱⏍䜄䜒䛥㖗ἑ䛴ጶ䚻䚯䜄䛥䚺㼔㼘㼄㼖㼄㼕㻃䛵㻃㼝㻃㻠㻃㻓㻑㻓㻙㼡㻚㻃䊲㻃㼙㻃㻠㻃
b)回転している円盤からの放射
㻓㻑㻓㻙㼡㻚㻃 㼆㻃 䛭㐪䛜䛑䜑Ꮻᏼ䛴ᆀᖲ⥲㎾䛕䛴䜈䛴䛭䟾᫅䛴㞗ྙమ䠏㖗ἑ䛭䛵䛰䛕䟾ୌ಴䛴䜰䜽మ㻃䠏㻃㼔㼘㼄㼖㼌㻐㼖㼗㼈㼏㼏㼄㼕㻃
㻋‵᫅䟻䛭䟾ᆀ⌣䛑䜏ふῼ䛭䛓䜑䜁䛯䛴㟸ᖏ䛱ᙁ䛊㞹ἴࠤක䜘Ⓠ䛝䟾䛣䛴䜽䝞䜳䝌䝯䛒Ề⣪㉫″䛴≁ᚡ䛒ᤂ䛎
䜏䜒䟾㻥㼌㼊㻃 㻥㼄㼑㼊㻃 ௧ᚃ䟾Ꮻᏼ䛴ᬍ䜒୕䛒䜐䛮䛮䜈䛱᭩ิ䛱⌟䜒䛥ኮమ䛴ጶ䚻が見られてているものと考えられ
ている(註;光が届くのに多大な時間を要するほど遠くを見ると言うことは,過去の姿を見ることになる)。
c)回転し後退している円盤からの放射
核力・弱い力・電磁力・重力が宇宙の初期段階では未分化であったとする大統一理論に基づくなら,☚Ẵ
༟ᴗᏄ㻃㻋monopole㻌㻃 の存在が見られるはずだが,未だ一つとして発見されていない。
球状星団と呼ばれる球状に星が集まっているものがある。それが老齢化した星の集団で
あることは前に述べたが,ある観測ではその年齢が150億歳以上であるという。それは現
在,推定される宇宙年齢137億歳を大きく上回り,謎の一つとなっている。
太陽が銀河系中心を中心として㻃㻕㻘㻓㼎㼐㻒㼖㻃の速さで回転しており,他の星も同様に回転し
ている。ところがその運動を維持するだけの質量が大幅に不足している。そこには観測さ
れない物質が存在するのではないかといったことが問題となっており,それがDark
Matterと呼ばれている。
また,Hubbleの法則は宇宙全体に成り立っておらず,そこには反重力と言うか大きな
負の圧力で天体がຊ㏷⭶ᘿしていることが近年になってわかってきた(Dark Energy)
Fig31Seyfertgalaxy
。いま,
Ꮻᏼ䛵㻃㻃 㻚㻕㻃 㻈㻃 䛴㻧㼄㼕㼎㻃 㻨㼑㼈㼕㼊㼜㻃 䛮㻃 㻕㻖㻈㻃 䛴㻧㼄㼕㼎㻃 㻰㼄㼗㼗㼈㼕㻃 䛮㻃 㻓㻑㻗㻃 䟸㻃 䛴䝏䝩䞀䝌䝮䝒䟾䛣䛝䛬䜕䜒䜕䜒䛒∸㈻䛮䛝䛬ふῼ䛭䛓䛬䛊䜑∸㈻㻗㻑㻙㻈䚭䛑䜏ᠺ䛩䛬䛊䜑
と考えられ,その謎の解明が宇宙物理学の最大のテーマとなっている(ニュートリノ0.4%というが,そもそもニュートリノの質量,それがなぜ存在するのか,生まれた
ニュートリノが宇宙のどこに行ってしまうのか,そうした基本的なことも分っていないが)。
銀河がᑻᡜ㖗ἑᅆを構成しさらに超銀河団を構成することはBigBang説の正当性を示していると考えられるが,なぜ,Blackholeと思われる原始宇宙が
爆発を起こしたのかという問題が全く謎である。様々な謎を解明すべく巨大加速器,巨大望遠鏡,観測衛星等々が作られ,一つ一つ成果をあげ,その理論は
巨大なものとなり,一つ一つ裏付けられ,それに貢献した人が毎年Nobel賞を受けている。だが,まだまだ未解明の問題が山積しており,あなたの解明を
待っている。
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