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消費者課題 - 2015 カゴメサステナビリティ CSR活動報告
2015 K AGOME SUSTAINABILIT Y CSR活動報告 消費者課題 製品品質の確保 安心・安全な製品をつくる理念と体制 カゴメは創 業 以 来 、自然の恵みを活かし、体にやさしく、 いただける商品づくりが最も重要であると考えています。そこで 楽しい 食 の 提 案に努 めてきました 。この 考えは 、お 客さま カゴメでは、 「品質方針」に基づき、原料調達、研究・開発、 とのお約束であるブランド・ステートメントの「自然を、おいし 生 産・物流の各工程で品質マネジメントシステム(QMS)を く、楽しく。KAGOME」という言葉に集約されています。 回し、商品の安全性確保に努めています。 このお約束を果たすためには、お客さまに安心してご利用 安心・安全への取り組み ● 品質方針 1 ● 2 トマトや野菜、果実、乳酸菌のおいしさと 健康価値を追求した商品づくりに努めます。 バイオジェニックスとプロバイオティクスの ● 遺伝資源を収集し、交配法による有用品種の開発 分野の探求による価値開発 ● 価値観を共有し合える国内外のサプライヤーとの ● 農業の安全管理とトレーサビリティを備えた ● 天然由来でない化学合成の添加物を使わない味づくり ● 素材の価値を最大限に活かす非加熱技術と 拠点づくり 成分変換技術の活用 3 農産原料の調達 4 HACCPとISO9001品質システムを継続的に レベルアップし、安全でムダのない商品づくりに努めます。 ● 原料から商品出荷までの危害評価とモニタリング体制 ● 5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾) ● 種子から取り組み、完熟・採れたての 安全な農産原料づくりを目指します。 ● 商品と共に品質情報をお伝えし、お客さまや 社会の声を企業活動へ反映してまいります。 お客さまにわかりやすく、選択しやすい商品表示と ユニバーサルデザイン 品質情報を共有し、学習し、問題解決に取り組む ● 商談やホームページに活用できる最新版の品質情報の共有 品質管理システム ● お客さまの声を分析し、経営情報へ変換、活用 ● カ ゴメQMSサイクル PLAN 研究 中期品質目標 行動計画 安心要素 安全性 ACTION 品質システム改善 DO 安全基準 年度計画推進 社内外資料活用 農業・表示・ 環境適正など お客さま・ 社外関係者 社外アドバイザリー 品質情報の 共有・公開 ボードとの定期的な 情報交換や アドバイスによる 品質保証体制の高度化 原料拠点 委託先 資材業者 トレーサビリティー CHECK 実施状況チェック モニタリング 顧客満足度評価 45 商品・安全情報 商品 2015 K AGOME SUSTAINABILIT Y CSR活動報告 製品品質の確保 よい畑からの原料調達 「よい 原 料 」はよい 畑から。カゴメの商 品 づくりは畑から カゴメでは、国内でのトマトの契約栽培で創業以来培ってきた 始まっており、 「畑は第一の工場」と考えて品質管理を行って 原料作物への思いと経験を、海外からの原料調達にも活かして います。 います。 原料調達の基本 た原料は、いわばカゴメの特注品。こうした指導を通じて、 カゴメの原料調達の基本は契約栽培です。食品メーカーが 安全な原料を得るためには、農家の方々のご協力が欠かせま 農家とのコミュニケーションも深まり、そこから生まれる信頼 せん。カゴメがそのために、100年にわたって培ってきた調達 関係が安心に結びつきます。年に何度かは、役員も農家との 方式が、 「契約栽培(面積・数量)」です。 国産のトマト、にんじ 交流の場を持ち、関係を深めています。 ん、ビート、クレソン、プチヴェールなどでは、大部分が契約 栽培になっています。 面 積 契 約 栽 培とは、 ( 1 )あらかじめ、作 物の品 種や栽 培 面積、出荷規格などを決めて栽培を依頼し、 (2)栽培中は、 カゴメの担当者が畑一枚まで自分の目で確認して、農薬使用 などその畑に適した栽培方法を指導し、 (3)収穫された分は、 全量、カゴメが買い取る-という調達方式です。契約栽培に よって、カゴメは、どのように栽培されたか、その履歴が明確 で、安全な原料を得ることができます。 契約農家から出荷され 農家との交流を深める寺田社長 2014年8月 茨城県にて 海外の最適栽培地からの原料調達 管理(源流管理)を行うとともに、 トレーサビリティの確立にも カゴメでは、商品の品質の安定と原料の安定調達のため 取り組んでいます。 に、国内でのトマトの契約栽培で培った経験や知見を活かし、 安全で、野菜や果物本来のおいしさや栄養を持ったさまざまな また、社会的に関心が高い中国からの一次加工原料調達に 原料を世界各地から調達しています。海外からの原料調達に ついては、上海に「中国品質保証事務所」を設けて、カゴメ おいては、原料へのこだわりを共有する信頼できる複数のパー 社員による生産前監査と生産立会いを実施しています。さら トナー企業とグローバルネットワークを構築し、中長期的な に、全ロット残留農薬分析を行うなど、品質保証を強化して 取り組みを行っています。 います。 カゴメでは、こうした取り組みによってカゴメの基準を満た トマトについては、パートナー企 業と協 力して、カゴメの す、安全な原料だけを調達しています。 専任の原料調達担当者が各地の畑を訪問し、栽培指導、使用 農薬や農薬散布記録の確認、残留農薬の分析など畑からの 46 2015 K AGOME SUSTAINABILIT Y CSR活動報告 製品品質の確保 ● カゴメの主な原材料の産地 原料生産国 ※2014年10月現在の内容です。 フランス スペイン トルコ ポルトガル アメリカ 中国 イタリア 日本 ブラジル チリ 南アフリカ オーストラリア カゴメは、海外の加工メーカーとの契約で、 「遺伝子組み換 えではないトマトの品種のみの使用」を確認しています。国内の ニュージーランド アルゼンチン に、自社で定期的に分析を行い、遺伝子組み換えではないこと を確認しています。 トマト栽培では、契約栽培農家に品種を指定しています。さら カゴメの担当者による定期的な現地での監督・指導の様子 http://www.kagome.co.jp/hinshitsu/guide/index.html ▲ 畑での取り組み カゴメの担当者による生産時立会い 畑から製品までの安全管理 フードディフェンスへの取り組み カゴメは、国内でのフードディフェンスに関して、いわゆる 自社工場:(1)安心・安全カメラの設置 「意図的な異物混入」に対する備えとして、外部からの侵入や、 ①工場敷地の出入口 お客さまにご安心いただくための説明をより精度高くできるため ②製造場の出入口 に、社内 管理をこの度見直しました。その結果、これまでは ③原材料の開出エリア、内容物の調合エリア 入退場者の記帳、薬品管理や水処理施設の施錠などソフト面 以上3重のカメラを7工場で227台設置 中心の対応でしたが、フードディフェンスに関する社内ガイドを (2)パスワード型の施錠装置の設置 定め、2014年5月より以下の対応を実施しています。 (3)安全・安心を担保できる様、工場責任者と 従業員とのコミュニケーション密度の向上 協力工場:(1)自社に準じた体制の協力依頼 (2)フードディフェンス的視点を強化した監査での 課題抽出と推進 47 2015 K AGOME SUSTAINABILIT Y CSR活動報告 製品品質の確保 畑から製品までの安全管理 カゴメは創業以来、自然の恵みを活かし、お客さまの健康 大前提です。カゴメでは、そのためにさまざまな検査や分析・ に 役立つ商品を提供することに全社を挙げて取り組んでい 研究を行っています。 ます。そのためには、安心・安全の確保は食品を取り扱う上での 放射性物質に対する取り組み 2011年以降、安心・安全を語る上で、放射性物質の問題は てJA全農福島、各農協および契約農家の皆さまの協力を得 関心の高い内容となりました。2011年、カゴメは福島第一原 て実 態 把 握の試 験 栽 培と調 査を開 始し現 在も継 続して 実 子力発電所事故の発生後すぐ、公的機関で工場の使用水の放 施しています。また、食品内の微量な放射性物質を測定できる 射性物質の分析を行い、安全性を確認しました。また、お客さま 「ゲルマニウム半導体検出器」を導入し(2011年6月)、公的 にとっての安全を第一優先とし、放射性物質の影響が不明であ 機関での分析とも並行して、研究開発本部にて自社の原料や る原料は使用しないこととし、福島県での契約を休止するととも 水、栽培土壌、商品の検査を開始しました。結果は2011年 に、当時公的機関からの具体的な補償が何ら決まっていなかっ 7月より毎月ホームページにて掲載し、ご関心のある方どなた た状況を踏まえ、契約農家の方々への補償を行いました。 併せ でもご覧いただけるようにしています。 http://www.kagome.co.jp/company/news/info/ ▲ 東日本大震災関連のお知らせ プロセス管理による安全性の確認(国内トマト契約栽培の例) 定植 土壌分析 栽培 未熟果分析 収穫 入荷 熟果分析 製造 出荷 使用水分析 仕掛品 製品分析 保証品出荷 排水分析 農薬に対する取り組み 農薬については、毎年、使用する原料を対象に残留農薬を 原料の安全性を検証しているほか、発売後の商品の品質評価や、 分析し、安全性を確認しています。 工場の品質検査の精度確認なども行っています。 2006年5月に施行された「残留農薬等のポジティブリスト ※残留農薬等のポジティブリスト制度:基準が設定されていない農薬などが 一定量以上含まれる食品の流通を原則禁止する制度 制度※」では対象農薬が大幅に増え、残留基準の値も一層厳し くなりました。研究開発部門では、効率よく多成分を一斉に 分析できる方法の研究開発を進めるとともに食品分析の国際 基準であるISO17025の認定を取得し、分析精度のさらなる 向上に取り組んでいます。 また、同部門はカビ毒や微生物検査についても取り組み、 残留農薬分析(1) 48 残留農薬分析(2) 2015 K AGOME SUSTAINABILIT Y CSR活動報告 製品品質の確保 研究開発部門の取り組み エビデンス研究とメカニズム研究による価値機能の研究 カゴメでは、 トマトをはじめとする野菜素材や乳酸菌のさまざ 誌)に掲載。カゴメでの研究。 まな健康効果の研究により、効果的な摂取の解明にも取り組ん ● 「ブロッコリーの新芽由来の機能性成分"スルフォラファン"に でいます。 2 0 1 4 年 度から2 0 1 5 年 6月にかけて、以 下の よる肝機能改善効果を確認〜γ-GTPなどの肝機能マーカー 研究成果の情報発信や学会発表を行いました。 の値が高い男性を対象とした試験を実施〜」を第40回日本 ● 「便秘はいくつかの栄養素の吸収効率を低下させるとともに、 肝臓学会東部会(2014年11月27日〜28日)で発表。東海 老化・がんの原因となる酸化ストレスを高める可能性が明らか 大学医学部付属東京病院副院長・教授西崎泰弘との共同研究。 に~女子大学生を対象に調査を実施~」を日本農芸化学会 これらカゴメの研究成果につきましては、 「ニュースリリース (3月27日~3月30日)で発表。大妻女子大学との共同研究。 (研究)」、 「カゴメ研究開発だより」としてウェブサイト上で ● 「 食 事 前 、もしくは食 事 中 の野 菜ジュース飲 用でメタボ ご紹介しています。 の原 因となる食 後の血 糖 値の急 激な上 昇が抑えられる また、 「カゴメ研究開発だより」 「もっと知りたいトマトと野菜」 ことを動物試験で確認」を日本食品科学工学会第61回 「もっと知りたい植物性乳酸菌」ウェブサイトでも、 トマトと野菜 大 会 ( 8月2 8日~3 0日)で 発 表 。カゴメでの研 究 。 と乳酸菌のさまざまな情報を、分かりやすくご紹介しています。 ● 「ラクトバチルス・ブレビス・KB290(通称:ラブレ菌)を含む カゴメでは、今後も野菜や乳酸菌の持つ多様な機能性の解明 飲 料の継 続 摂 取によるインフルエンザ 罹 患 率の低 減を を進め、お客さまの健 康 増 進に貢 献していきたいと考えて 確認〜インフルエンザ流行期に栃木県那須塩原市の小学校 います。 15校にて 大 規 模 調 査を実 施〜」を日本 食 品 免 疫 学 会 設立1 0周 年記 念 大会(2 01 4 年1 0月16日~1 7日)で 発表。カゴメでの研究。 ● 「ラクトバチルス・ブレビス・K B 2 9 0(ラブレ菌 )が作り 出す多糖(EPS-b)に免疫力を高める効果があることを 確認」を日本乳酸菌学会2014年度大会(2014年7月 1 7日~1 8日)で 発 表 。2 0 1 4 年 1 1月6日にJ o u r n a l o f A p p l i e d M i c r o b i o l o g y( イギリスの 学 術 専 門 カゴメ研究開発だより ラブレ菌 ▲ http://www.kagome.co.jp/research/index.html もっと知りたいトマトと野菜 ▲ http://www.kagome.co.jp/tomato/ http://www.kagome.co.jp/nyusankin/ ▲ もっと知りたい植物性乳酸菌 http://www.kagome.co.jp/company/news/index.html?cat=kenkyu ▲ ニュースリリース(研究) 自然の恵みを活かすものづくり カゴメでは、 「よい原料」と「よい技術」の最適組み合わせ 商品の安全性を確保しつつ、原料素材が持つおいしさと で、自然の恵みを最大限に活かすことを、ものづくりの基本的 栄養を活かす商品開発に積極的に取り組んでいます。 な考え方としています。 49 2015 K AGOME SUSTAINABILIT Y CSR活動報告 製品品質の確保 素材の価値を最大限に活かす非加熱技術と成分変換技術の活用 原 料 素 材 の 価 値を残 す 非 加 熱 技 術 には 、トマト本 来 の 技術には、野菜・果実が本来持っている香味を残しつつ、酵素・ 真っ赤な色やうまみ成分を損なわないよう、余分な熱をかけ 微生物などの力を活かして新たな風味を引き出す発酵技術 ずに高品質に濃縮することができる「トマトジュース」の「RO と、その風味を一体化させる熟成技術を組み合わせた「ソー (逆浸透膜)濃縮技術」や、人参の自然な甘みとカロテンを損 ス」の「醸熟製法」があります。 なわずに搾り、さらにクセやくさみを抑えることができる「キャ このように、原料素材のおいしさと栄養を活かす技術開発を ロットジュース」の「フレッシュスクイーズ製法」と「ベジタブ 通して、自然の恵みを活かした体にやさしいおいしさを実現 ル・リファイニング製法」があります。 しています。 一 方で 、原 料 素 材 の潜 在 的な価 値を引き出 す 成 分 変 換 遺伝資源を収集し、交配法による有用品種の開発 カゴメでは約7,500種ものトマト種子をはじめとする豊富な していただける商品を提供するため、 トマトの持つ無限の可能 遺伝資源を保管・データベース化しています。農業研究部門で 性を引き出す、地道で着実な研究活動を進めています。 は、この遺伝資源を最大限に活用し、遺伝子組み換え技術は また、開発した品種が保有する能力を最大限に発揮させる 用いずに、従来型の交配育種によって「よい原料」となる品種 ための栽培適地の選定や、省力化が可能な栽培技術の確立に の開発に取り組んでいます。 取り組むとともに、安心・安全な原料を得るための使用可能 この方法では実用的な品種を開発するのに長い年月を要す 農薬の選定、および必要最小限の農薬使用量で病害虫の発生 ることもありますが、カゴメでは、おいしくかつお客さまに安心 を抑える栽培技術の確立を進めています。 生産・物流の基準・ルールと行動指針 カゴメでは、2003年に設計開発~調達・生産・物流・販売に 評価する新しいマネジメントを始めており、品質第一のさら わたり、ISO9001の認証を取得し、全社を挙げて品質マネジ なる徹底を図っています。 メントの向上に努めています。また、商品の製造にあたっては、 HACCP ※の手法に基づき、以下の品質管理活動を全工場で 実施しています。 ● 食品の品質を分析して「科学的な根拠で殺菌条件」を設定 ● 原材料の危害は「新規原材料評価シート」で評価 ● 製造工程の管理と検査基準を「製造管理基準」で制定 ● 防虫、作業員の衛生(手洗い、消毒など)、衛生区画を「衛生 管理基準」で制定 ● 製造工程ごとの管理や検査の手順を「QC工程表」で明確 にして記録 さらに、 「提供する商品の品質は生産の現場がつくる」と いう考えの下 、生 産に従 事する従 業員に、日々 品 質を第 一 生産現場での「行動指針」 に考えた行動の徹底を促すため、2005年に生産現場での ※ HACCP:食品材料の入荷から製造・出荷に至る生産工程に対して、 「行動指針」を定めました。2008年度からは、この行動指針 予想される微生物的・化学的・物理的危害を分析し、その結果に基づき を目指す活動そのものが現場の成果となる、品質プロセスを 危害防止のための重要管理点を設定して集中的に管理する衛生管理手法 50 2015 K AGOME SUSTAINABILIT Y CSR活動報告 消費者課題 お客さまとのコミュニケーション お客さまの声を大切にする気持ち カゴメは、お客さまから支持される企業であり続けるために、新た らいただいたさまざまな声を企業活動に反映させています。ま な価値の提供による需要創造に全社を挙げて取り組んでいます。 た、ご意見・ご指摘をいただいたお客さまに対しては対策や対応 この実現のためカゴメでは、長年にわたって培ってきた技術 方針を、また、早期に対応できない内容に関してはその旨を、誠 や研究成果を、お客さまの健康に役立つ商品として提供すると 意を持って正確にお応えするよう心がけています。 ともに、お客さまとのコミュニケーションを大切にし、お客さまか お客さまの声への対応 カゴメでは、専任の「お客様相談センター」を設置し、電話と ● ウェブサイトを通じてお客さまのご質問やお問い合わせに対応 お客様相談センター フリーダイヤル 0120-401-831 ※受付時間 9:00~17:00 しています。いただいたご質問、お問い合わせは、専用のデータ また、より多くのお客さまからのご意見・ご質問をお受けす ベースに内容をすべて登録し、社内の関連部門で迅速に共有す るためTwitterを活用した「野菜相談室」を開設し、野菜・野菜 るようにしています。また、商品に関するご提案については、商品 ジュース等の商品に関する多くの問合せをお受けしています。 企画など担当部門に速やかに内容を伝達し、商品開発などに反 今後もこのような新しい手法を通じてより多くのお客さまから 映させるとともに、社内掲示板に掲載して全従業員で情報を共有 の問い合わせ・ご意見をいただけるような取り組みを推進して しています。 まいりたいと考えています。 お客さまから寄せられるご意見・ご指摘は、 「お客さまによる商 品評価の結果」と捉え、研究開発・設計・生産・販売に関わる各従 業員が、それぞれの立場で改良・改善に努めています。 お客さまの声を活かしました! (改善事例) お客さまから賞味期限表示が西暦の下2桁の表示である ペットボトル商品 ため、西暦なのか平成なのか分かりにくいという声を受け、ペッ トボトル商品(720ml、280g)、紙パック商品(100ml、125ml、 200ml)の賞味期限の年表示を西暦下2桁の表示から、西 暦4桁の表示に順次変更しています。 紙パック商品 変更前 変更後 賞味期限表示 2014年5月5日の場合 賞味期限表示 2014年9月7日の場合 賞味期限表示 2014年9月17日の場合 賞味期限表示 2014年9月30日の場合 お客さまの最近のお声から などにつながっています。 お客様相談センターに日々寄せられる声の中から代表的な ものを抽出し、毎週社内SNS(ブログ)で全従業員に配信して ※ お 客さまの 声( 文 章 )の 集まりを自然 言 語 解 析 の 手 法を使って います。また、お客さまの声をテキストマイニング手 法 ※を 単語やフレーズに分割し、それらの出 現頻度や相関関係を分析 活用し、より有用な情報として加工しています。お客さまの声 して有用な情報を抽出する手法やシステム。 が全従業員に伝わることで、従業員の励みや、改善への意欲 51 2015 K AGOME SUSTAINABILIT Y CSR活動報告 お客さまとのコミュニケーション 適正で分かりやすい表示 食品の表示は、2013年6月に制定された食品表示法をはじめ 適正であることを検証しています。 とした多くの法律によって規制されています。 これらの根拠資料に基づき、表示の原稿から最終デザイン段階 表示には、アレルギーや栄養成分などヒトの健康に関与する までの複数の工程で、3名以上の担当者が全ての新商品や表示 情報や、食品添加物、遺伝子組み換え、栄養成分などお客さまの 変更を伴うリニューアル商品の読み合わせチェックを行い、表示 興味のある項目が含まれています。法規から逸脱していないこと を確定しています。 は当然として、当社ではお客さまに誤解を与えないような分かり また、パッケージデザインは、社内のデータベースに保管し、 やすい表示を心がけています。 最新版と過去のデザインを検索できるようにしています。 そのために、商品の開発段階において原材料名やアレルギー 表示に関する設計書を作成し、配合と表示の食い違いや表示 漏れなどが生じないように確認しています。原料の産地や品種 などの表示は、調達先から証明書を取り寄せるとともに、必要に 応じて現地を訪れて、間違いがないことを確認しています。 また、栄養成分に関しては、社内の分析体制を整え、自社分析 データを基に表示を作成しています。主要商品は、外部の第三者 機関に分析を依頼して栄養成分の分析試験書を入手し、表示が ● 担当者による表示の読み合わせチェック 食品表示を規制する法令 景品表示法 公正競争規約 意匠法 商標法 食品表示法 薬事法 景品表示法 公正競争規約 食品表示法 計量法 公正競争規約 食品表示法 資源有効利用 促進法 PL法 JAS法 景品表示法 公正競争規約 52 2015 K AGOME SUSTAINABILIT Y CSR活動報告 お客さまとのコミュニケーション QRコードを活用した原料産地情報の提供 食の安全に対するお客さまの関心が高まるなか、お客さまから 商品の原材料について多くのお問い合わせをいただいています。 カゴメでは、従来から主要商品の原料産地をウェブサイトでお知 らせしてきましたが、お客さまのアクセスの利便性に配慮して、 2008年1月からお問い合わせを多数いただいた商品のパッケー ジに、主要原材料やその原産地、原材料管理の取り組みなどを 紹介した携帯サイトにアクセスできるQRコード(二次元バーコー ド) を掲載しています。 商品パッケージに掲載したQRコード 高齢者にも読みやすい表示の採用 商品パッケージにはさまざまな文字情報が表示されています。 これらの情報は、商品を選択・購入する上で必要な情報であり、 その多くが表示を義務付けられています。カゴメではこの表示に 関し、 「ユニバーサルデザイン(UD)※」に配慮した書体の採用を 進めています。狭い面積に必要な情報をすべて表示しようとする と、文字を小さくせざるを得ないこともあります。この書体はその ような場合でも、できるだけ読みやすく、誤読がされにくいよう工 夫された書体です。また、特に注意をいただきたい内容は視認性 野菜生活100のUD表示 を高める工夫をしています。 ※ユニバーサル・デザイン(Universal Design) :文化・言語・国籍の違 い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用するこ とができる製品・情報の設計のこと お客さまとの店頭でのコミュニケーション カゴメは毎年、お客さまと自然の恵みへの感謝の気持ちとして、 トップを含め従業員によるジュース用の生トマトの配布や試飲 を8月に行っています。直接お客さまと交流できる貴重な機会 となっています。 社長による店頭での試飲イベント 53 2015 K AGOME SUSTAINABILIT Y CSR活動報告 お客さまとのコミュニケーション 工場見学 カゴメでは、 「開かれた企業」という企業理念の実現を目指す 取り組みの一環として、 トマトの収穫シーズンである夏季を中心に 那須工場、富士見工場、茨城工場で工場見学を実施しています。 地元の小学生をはじめ、広くお客さまにカゴメの企業活動や環境保 全活動について理解を深めていただく、貴重な機会となっています。 工場見学の様子 http://www.kagome.co.jp/company/shokuiku/factory/ ▲ カゴメ工場 たんけん隊! 広告宣伝活動 カゴメは、広告をお客さまとカゴメをつなぐ大変重要なコミュニ ケーション手段と位置づけており、テレビ、新聞、ウェブサイトを中 心に積極的な活動を展開しています。 広告の出稿にあたっては、景品表示法だけでなく薬事法などの 法令に照らして、誇大な表現や誤りがないかを広告部門、法務部 門、品質保証部門で十分にチェックすることはもちろん、自社都合 ではなく、お客さまに商品の持つ価値や企業としての取り組みを分 かりやすく魅力的にお伝えすることを常に心がけています。 広告(トマトジュース) ウェブサイト カゴメでは、 「開かれた企業」としてお客さまをはじめとす るステークホルダーの方々への情報開示にも取り組んでおり、 1998年からウェブサイトを開設しています。ウェブサイトの運営に あたっては、ご利用いただく皆さまのご意見などを参考に利用者に とっての使いやすさ、分かりやすさに常に配慮し、商品情報や企業 活動に関する有用な情報をタイムリーに発信しています。 カゴメのものづくりウェブサイト 54