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目 次 編集方針 2 トップメッセージ 3 カゴメの考えるサステナビリティと カゴメの理念体系 5 特 集 サステナビリティへの取り組み 7 私たちの事業展開 15 私たちの価値創造基盤 17 私たちの戦略 19 事業部門別の戦略と業績 21 主要な財務・非財務パフォーマンス 29 コーポレート・ガバナンス 31 リスクマネジメント 34 CSRマネジメント 34 組織統治 35 労働慣行 44 環境 52 公正な事業慣行 76 消費者課題 78 コミュニティへの参画及びコミュニティの発展 88 GRIガイドライン第3.1版内容索引 95 CSR情報のご紹介 CSR情報については、網羅性の高い情報開示を目指し 「GRIサステナビリティレポーティングガイドライン第3.1 版」 「ISO26000」および環境省の「環境報告書ガイドラ イン2012年度版」を参考に編集しています。 アンケートご協力のお願い 今後の制作などに役立てるため、お手数ですが下記アン ケートフォームより、アンケートにご協力をお願いいたします。 http://www.kagome.co.jp/company/kankyo/report/ questionnaire.html 1 編集方針 カゴメグループは企業理念「感謝」 「自然」 「開かれた企業」 のもと、社会への貢献を通じた価値創造によりこれまで成長し てきました。私たちの取り組みは、1999年度の環境報告書発 行をはじめとして、2013年度のサステナビリティレポート発行 まで、年々その取り組みを進化させ、ステークホルダーの皆さま にご報告してきました。16年目となる2014年度サステナビリ ティレポートでは、私たちの価値創造基盤をより具体的に読者 の皆さまへご紹介することを目的に編集しており、2016年度の 報告書において、事業における創出価値が明確となった「統合 報告書」の形にて、皆さまにご報告することを目指しています。 報告書の変遷と今後の予定 1999年度 : 環境報告書 2005年度 : 社会環境報告書 2010年度 : CSRレポート 2013年度 : サステナビリティレポート 2016年度 : 統合報告書(予定) 報告対象期間・対象範囲 対 象 期 間: 2013年4月∼2014年3月 ※一部対象期間外の活動も含まれます。 報告対象範囲 文中においてカゴメ株式会社単体に関する報告は「カゴメ」、国内グ ループ会社全体に関する報告は「国内カゴメグループ」、海外のグルー プ会社を含む国内外全体に関する報告は「カゴメグループ」として表記 しています。 情報公開月 2014年12月 お問い合わせ先 所 :〒103 - 8461 住 東京都中央区日本橋浜町3丁目21番1号 日本橋浜町Fタワー カゴメ株式会社 コーポレート・コミュニケーション本部 グローバルサステナビリティ部 T E L :(03)5623 - 8705 F A X :(03)5623 - 2334 E - m a i l : [email protected] 2 トップメッセージ 食を通じて社会課題の解決に 取り組み、持続的に成長できる 強い企業を実現します カゴメ株式会社 代表取締役社長 環境変化の中で再認識する私たちの使命 カゴメは、1899年の創業以来、 トマトなど自然の恵みがも (ソリューション)、経済価値を創出する力(イノベーション) を高めることが、不可欠と考えています。 つ価値を活かした商品の開発・提供を通じて、人々の健康的 な食生活の実現に貢献してきました。今日では、日本で消費 これまでの取り組みを振り返って されるトマトの約3割、緑黄色野菜の約1割を供給するに至っ 2013年度からスタートした中期経営計画「Next50」は、計 ていますが、これは当社の企業理念に込められた「ステーク 画初年度に連結売上高が前期比1.6%減の1,930億円という ホルダーへの感謝」 「自然の恵みを活かし、人々の健康に貢 厳しい結果となりました。また14年度も減収、減益となる見込 献する価値開発の追求」 「人と社会に開かれた企業の実現」 みです。この背景には、 トマトブームの反動や既存商品の魅力 という考え方を社員一人ひとりが事業活動の中で追求し、ス 度低下を新商品でカバーできなかったほか、原料調達価格の テークホルダーの皆さまから共感と信頼をいただいた結果で 高騰や天候不順などの影響がありました。この振り返りで深め あると考えています。 た認識は、当社は社会に価値提供を行う前提条件である「安 これからの50年を見据えた時、日本では2035年に3人に 定した収益を確保する基盤」が脆弱で、外部環境の変化に弱 1人が高齢者という超高齢社会が到来し、人口減少、社会保 いという反省でした。これを受けて、 「Next50」は計画の前提 障費の増大、単身・二人世帯の増加、地方や農業の衰退など となる自社の実力の見極めが不十分であったと考えて白紙化 の大きな社会変化が待ち受けています。世界でも全人口の し、グローバルブランドへの飛躍を目指す長期的視点は継承し 増加と経済発展および、気候変動に伴う水や食料などの資 つつ、 「働き方の改革」と「収益構造の改革」を開始しました。 源・エネルギー問題や環境問題、栄養問題(肥満、栄養不足 等)などの社会課題が深刻さを増すと考えられています。当 3 中期経営方針 社が今後も食を通じて社会に貢献し続けるには、プロダク 新たな中期経営方針では当社が持続的に成長するため トアウト型からソリューション型の事業に発想を転換し、社会 の収益獲得基盤の強化に力点を置き、以下の3つの重点課 の変化を予測し、その時代の要請を事業戦略に組み込むこ 題に取り組みます。 とで、カゴメならではの方法で社会課題の解決に貢献しつつ 1つ目は「バリューアップ」で、既存商品の価値向上を通じ K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 て収益性を高めます。既に進めている、野菜飲料のペットボ の全量国産化」を推進し、国内における加工用トマトの契約 トルを二人世帯でもおいしく飲み切れる容量で提供する「ス 栽培の維持・拡大を進めるほか、生食用トマトやベビーリーフ マートPET化」や、 「旬の時期にしか味わえない国産原料を をはじめとしたカット野菜・パックサラダ素材の栽培を進めて 使ったストレートのトマトジュース」を濃縮還元のトマトジュー います。また、地域の特産品を当社の商品原料として全国に スと異なる商品ラインで提供する「トマトジュースのプレミア お届けする「地産全消」では、収益確保と地域活性化への ム化」などを継続して進めます。 貢献を今後も進めます。 2つ目は「生産性の向上」で、原価低減や滞留品処分費用 第三は「国内業務用事業の拡大」です。日本では働く女性 の極小化、広告投資の効率化、商品の絞り込みなどを行うと や高齢者、単身・二人世帯の増加で、家庭で料理をしない世 ともに、固定費の発生構造にまで踏み込んだ中長期的な収 帯が増え、外食・中食市場が拡大しています。この業務用市 益構造改革を進めるため、 「働き方の改革」も推進します。 場で使われるトマト・野菜をカゴメが全て供給できるように、市 20時以降の残業禁止や働きやすい勤務体制を導入するほ 場のニーズに深く対応した商品を開発し、 「トマトのことなら か、社長直轄の業務改革室を設置し、業務の必要性と価値 何でもカゴメに」と言っていただける状況を目指します。 を第三者が評価し、不要な仕事を見直すことで「生産性の3 第四は「フレッシュ化への挑戦」です。生ジュース感覚の商 割向上」に取り組みます。同時に人事評価制度も改定し、職 品開発など、これまでにないフレッシュさを感じていただける 位に応じて「職務+成果型」の評価割合を高め、新しい働き イノベーションにより、新たな需要創造を実現していきます。 方への意識を定着させ、年齢・人種・国籍・性別等に関係なく 活躍できる職場づくりを進めます。 真の自主自立を実現する 3つ目は「イノベーション」です。 トマトは世界で消費量 これらの取り組みを進めるに当たって最も大切なことは、 No.1の野菜で、今後も毎年、日本の年間消費量に匹敵する 適切な経済的利益を持続的に獲得する実力を身につけなけ 100万トンずつ消費量が増えると予測されています。日本で れば、社会に価値を提供し続けることはできない、という意識 も「販売金額1位の野菜」であり、 「トマトのことなら何でもカ を持つことです。 「自主自立」 「人中心の経営」など、当社が ゴメに」と言っていただける状況を実現し、 トマトで培った強 これまで強みとしてきた企業文化は働きやすい雰囲気を高め みをほかの野菜にも展開することが事業機会の創出に直結 る一方で、業務に壁をつくり部門を超えた連携が進まない、 します。このような認識の下、以下の中期的な重点成長領域 責任の所在を曖昧にするといった風潮を生み、変化への対応 に経営資源を集中させ、部門間の連携を強化することで、当 力や競争力を弱める要因となっていました。今回、国内事業 社が持続的に成長する基盤づくりを進めます。 間の連携を進める国内事業統括を設置し私が就いたのも、横 第一は「グローバルトマトサプライヤー」の実現です。新 の連携を深め、このような体質を打破することが狙いです。 興国では経済発展に伴うライフスタイルの変化で生活習慣 当社は、経営の中心に「人」を置くことで成長してきた会社 病や肥満などの問題が増加し、健康へのニーズが高まって であり、従業員の成長こそがカゴメの成長に他なりません。従 います。当社は、原料生産から販売に至る全ての事業プロセ 業員が適切な経済的利益を持続的に獲得する実力を身につ スを持つ強みを活かし、地域の気候風土や消費者の嗜好に けて初めて、ステークホルダーの信頼に応え、ひいては社会 合った品種開発など、各市場に合ったビジネスを速やかに構 への責任を果たすことにつながるのです。各自が環境変化を 築し、グループ全体の成長を牽引します。 的確にとらえ、企業理念の実現に向けてスピーディーな連携 第二は「農業の成長産業化」です。 「ジュース用トマト原料 が取れてこそ、真の「自主・自立」が成り立ちます。 4 カゴメの考えるサステナビリティと カゴメの理念体系 カゴメの考えるサステナビリティとは、 「共助」の精神に基 づいて、企業理念を具現化し、事業活動と一体となって、個人 としても、企業としても、持続可能な「人・社会・地球環境の 企業理念 健康長寿に貢献する」ことです。 ブランド ステートメント カゴメは、1 0 0 年 以 上もの間 、トマトをはじめとした野 菜・ フルーツなど、たくさんの自然の恵みを利用して、商品づくり 人・社会・地球環境の 健康長寿に貢献 を続けてきました。人々や地球の命や健康を維持することに、 大きな危機感が芽生え始めている今だからこそ、カゴメは人と 中期経営方針 社会と地球環境が健康で、いつまでも持続できる社会の実現 行動規範 を目指し、事業を通じて貢献していきたいと考えています。 企業理念 ∼時代を経ても変わらずに継承される「経営のこころ」∼ 感 謝 自 然 開かれた企業 私たちは、自然の恵みと多くの 私たちは、自然の恵みを活か 私たちは、おたがいの個性・能 人々との出会いに感謝し、自然 して、時代に先がけた深みの 力を認め合い、公正・透明な企 生態系と人間性を尊重します。 ある価値を創造し、お客さまの 業活動につとめ開かれた企業 健康に貢献します。 を目指します。 ブランドステートメント 自然を おいしく 楽しく 自然の恵みがもつ抗酸化力や 自然に反する添加物や技術に 地球環境と体内環境に十分に 免疫力を活用して、食と健康を たよらず、体にやさしいおいしさ 配慮して、食の楽しさの新しい 深く追求すること。 を実現すること。 需要を創造すること。 これがカゴメのお客さまへの約束です。 5 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 商品から見たこれまでのあゆみ 1899年の創業以来、 「自然の恵みである農産物の価値を活かして 人々の健康に貢献したい思い」を商品に込め、生活者の皆さまにお届けしています。 国内TOPシェア商品群2013年計 54%.9 86%.0 トマト関連 調味料※1 トマト ソース※1 59%.3 トマト ケチャップ※1 2004年 野菜一日 これ一本 (杯) 2009年 トマト鍋 1996年 サルサ 51%.0 トマト ジュース※2 国内飲料事業 国内食品事業 2001年 カゴメデリ 51%.1 2006年 植物性乳酸菌 ラブレ 野菜ミックス ジュース※2 国内生鮮 野菜事業 国内通販 事業 2014年 サラダ野菜 1998年 生鮮トマト 国内ギフト 事業 58%.1 野菜果実 ミックスジュース※2 国内業務用 事業 海外事業 1998年 健康直送便 1995年 野菜果実ミックス ジュース(野菜生活) 1966年 プラスチック チューブ入り ケチャップ (世界初) 1973年 1969年 野菜ジュース リンゴミックス ジュース 1961年 ミートソース 1933年 トマト ジュース 1908年 トマトケチャップ・ウスターソース 1903年 トマトソース 1899年 創業者蟹江一太郎、 西洋野菜の栽培に着手 ※1 出典:インテージSRI (食品) /2013年1月-12月/金額ベース ※2 出典:インテージSRI (清涼飲料) /2013年1月-12月/金額ベース 6 サステナビリティへの取り組み 特 集 カゴメグループは地球環境から得られる自然の恵みであるトマトと野菜、フルーツを活かした商品をつくり、生活者に届け ることで、人々の健康長寿に貢献することと、その事業を維持・進化させるために農業から携わることで農業と地球環境 の持続可能性に貢献することを両立させています。このサイクルを回し、 「社会価値」の提供と需要創造による「経済価 値」を両立させる構造をつくり育てていくことで、持続的な成長を目指しています。 企業の継続 カゴメの農業・食料に関する実践 社会への継続 ● 安定した原料調達のための拠点の拡大 ● 種や栽培技術の進化と普及活動 畑は第一の工場 ● 農産物の収穫の効率化 ● 生鮮野菜事業のスマートアグリ化の推進 種から支える ものづくり 研究開発 カゴメは農業から手がける 育苗 垂直統合型のバリューチェーンにより、 原料であるトマトと野菜を よりおいしく、より栄養価の高いものに みがきあげて商品をつくり、生活者に 安定して提供し続けています。 農業 (栽培指導) 商品生産 水 濃縮液 ジュース 世界各地での農業と地球環境の保全 種苗 逆浸透膜 調達 一次加工 農業・食料に関する問題 (非加熱濃縮法) ● 食料の配分の不均衡 ● 気候変動による食料不足 トマトの分画・加工 さまざまな姿に変化可能なトマト ● 日本国内における農業の衰退 (耕作放棄地/後継者の不足) ● リコピン ● ● 農業による環境汚染 研究開発 カゴメグループの 垂直統合型の バリューチェーン 7 ● トマトエキス ● ジュース ● ピューレー ● ペースト パウダー ● ホールトマト ● カットトマト ● パサータ ● ドライトマト 品種開発 種 苗 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 続的な発展と カゴメの人の健康に関する実践 的な価値提供 トマトと 野菜・フルーツを ベースとした商品 ● トマト加工量52万トン(世界第11位) ※Fresh Tomatoes Processed Tomatoland Information Services, May 26, 2014 ● 日本国内における緑黄色野菜供給量11.3% (トマト30.6%、ニンジン16.3%、ピーマン4.7%) マーケティング 販売 ※農林水産省「食料需給表」 (H24年度版)、 「野菜生産出荷統計」 (H24年度)、 財務省「貿易統計」 (H24年度) カゴメの供給量はH24年度使用実績より算出 カゴメが提供する 自然の恵みを活かしたさまざまな 商品は、旬と栄養成分にこだわった トマトと野菜をベースとし、人々の 人々の 健康長寿 健康長寿の実現に貢献することを 目指しています。 経営 資源への再投資 世 界 中の人 々の健 康 増 進 商品 ● トマトと野菜の機能性研究 健康に関する問題 ● 日本人の生活習慣病罹患者の 増加と若年化 ● 日本人の野菜摂取量の慢性的な不足 ● 日本国内における医療費の増加 ● 世界各国における収入の格差・食生活 の偏りによる栄養不足や栄養過多 農 業(栽培指導) 一 次 加 工・調 達 商 品 生 産・品 質 管 理 マー ケ ティング・販 売 8 特 集 サステナビリティへの取り組み 事例 1 トマトジュース原料の全量国産化を目指して 経済価値 国産トマトの有用性を活かし、 トマトジュースのバリューアップを図ることにより、新たなる需要を促進 社会価値 国内農業の持続可能性の追求 トマトジュース用国内原料の調達量 2 013年度 1万9千t (百t) 2 016年度目標 350 3万t 300 課題認識 トマトブーム一巡後の売上の伸びが落ち着いた環境下での、国産 原料の価値を活かしたバリューアップと、収穫期・単収量拡大に よるコストリダクションを目指した、地域と協働した農業の持続 可能性への貢献。 国内産トマトジュース原料の調達量と栽培面積の推移 原料調達量 (ha) 350 栽培面積 300 250 250 200 200 150 150 100 100 50 50 0 2011 2012 2013 0 (年度) 2016(計画) 2014 ※2011年度は東日本大震災の影響で、福島県産トマトの契約栽培を中止した影響で一時的に減少 全量国産化による付加価値の創出に向けて カゴメが生産するトマトジュースの原料は、国内産トマトが約27%(缶・PET・紙容器 などの合計/2012年実績)程度で、不足分は海外産原料を使用しています。これは、 国内のトマト契約栽培生産者の高齢化や後継者不足により生産者数・栽培面積が伸び 悩んでいること、加工用トマトの内外価格差が主要因となっています。カゴメは、永続 的にトマトジュース原料の調達を実現するため、継続的な高付加価値品種の開発、 収穫期間の拡大、面積当たり単収量の拡大を課題として、 トマトジュース用の原料トマ トの産地・生産者・栽培方法を自ら開拓し、国内農業の持続可能性を高めることを目指し ています。これにより、カゴメトマトジュースの原料全ての国産化を目指し、品質や鮮度 にこだわった高付加価値型の商品など、新たなトマトジュースの魅力の開発につなげ ていくことが可能となります。 トマトジュースプレミアムの 売上高の推移 (百万円) 1,000 750 500 250 0 (百万円) 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 2014年に発売した ストレートトマトジュース (年度)「トマトジュースプレミアム」 2013 2014(見込) カゴメトマトジュースの売上高の推移 2010 2011 2012 2013 2014 (年度) (見込) 北日本に広がるジュース用トマトの産地 カゴメは現在、北日本を中心にトマトジュースの原料の産地拡大を進め、2014年 度はより大規模で機械化された営農が可能な北海道において試験栽培を実施し、数 年後の供給開始を視野に品種・栽培方法の調整に入っています。また、東北地方にお いて、地元の農業法人との連携によるジュース用トマトの産地の拡大にも着手。宮 城、岩手、青森県においては、2013年度に4.77haであった栽培面積を、2014年 度は約4倍の19.17haへと広げています。 カゴメトマトジュースプレミアムが 「フード・アクション・ニッポン アワード2014」の 大賞を受賞 2014年11月、カゴメトマトジュースプレミアムが 第6回「フード・アクション・ニッポン アワード2014」 の大賞を受賞しました。受賞の理由は、国内農産 物などの消費拡大に貢献したこと、ならびに農業と 地域の活性化にもプラスの影響を与えたことです。 機械収穫に向けて、今後のカゴメの対策に期待 ∼生産者の声∼ 東日本大震災の被災農地40haを含む100haの圃場で 9 トを作付けし、その一部は機械収穫用品種の栽培を実施。 水稲をはじめとした麦、大豆の2年3作体系の農業を行い、 栽培面積の拡大のためには機械収穫が必須ですが、近隣 そこに野菜を組み合わせ、従業員6名、臨時職員7名の雇 に選果場を設置するなど、 トマトの運搬の頻度アップが 用を継続しています。2014年にはカゴメのジュース用トマ 課題となります。今後のカゴメの対策に期待しています。 (有)アグリ―ドなるせ 代表取締役社長 安部 俊郎さん K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 事例 2 生鮮トマト・野菜分野での挑戦 経済価値 生鮮トマト・野菜に特化した農事業を、飲料・食品に続く新たな収益源に育てる 社会価値 国内農業の成長産業化への貢献 生鮮野菜事業の売上 2 012年度 89億円 課題認識 ● ● 100億円 生鮮野菜事業の売上高の推移 (百万円) 2 014年度見込 12,000 10,000 規模 8,000 大規模ハイテク菜園による生鮮トマトの生産・販売に加え、機能性成分 や手軽さなどの特徴がある「カット野菜・パックサラダ」分野へ参入。 6,000 単収量の拡大、製販調整の精度向上、高付加価値商品の開発 による収益向上を目指した、 「強い農業」を実現する。 2,000 4,000 0 2009 2010 2011 2012 2013 2014 (年度) (見込) 国内の流通量の10%を目指す、生鮮トマトの生産 カゴメの生鮮野菜事業は、加工用トマトの品種開発力、農業技術力を応用し、大規模 ハイテク菜園での環境保全型のコンピューター管理による新しい農業形態の確立を目 指してきました。事業開始から数年間は製販調整が軌道に乗らず、廃棄などのロスが発 生しましたが、2012年に黒字化を達成。カゴメの生鮮トマト「こくみトマト」などを全国 の小売店を通じて販売しています。現在の生鮮トマトのカゴメの供給量は約1万4千t (国内の総供給量の2.5%程度)で、カゴメは10年以内に全体の10%の6万tまで増や こくみトマト 大規模ハイテク菜園内部 すことを視野に入れています。2014年11月時点で大型菜園は11カ所(単収25∼ 50t/10a)。現在、より高単収な最新型の大型菜園(目標単収70t/10a)の導入と、 夏季の安定供給が可能な供給体制の整備に着手しています。カゴメは本事業の拡大を 通じ、国内の農業の成長産業化と安定した雇用の創出を目指しています。 高リコピントマト オレンジまこちゃん 機能性・手軽さに特化した高付加価値野菜へ参入 カゴメは、2014年から生鮮野菜事業の拡大に向けてさらなる一歩を踏み出しました。 その第一弾として3月に発売した「ベビーリーフ」は、成長した葉と比べ重量あたりの 栄養成分が多く含まれ、機能性野菜として海外では人気があり、国内でも洗うだけで 食べられる手軽さから市場が拡大しています。8月には「カット野菜・パックサラダ」事業 への参入を発表。美容に関心の高い女性や健康志向の高いシニア層をターゲットに、 高付加価値を特徴とするサラダ商材のシリーズ展開を行い、野菜を食べる機会の創出 を通じて野菜の消費量の増加につながる活動を継続しています。 栽培風景 2014年3月に発売した 「サラダバンクシリーズ」 大規模ハイテク菜園の環境保全の取り組み(一部の菜園のみの取り組みも含む) ● クリーンエネルギー (液化石油ガス・LPガス・天然ガス)を使用 ● 太陽光発電所の電気を活用(響灘菜園) ● ボイラー燃焼時のCO 2を光合成に利用 ● 温室内に和種クロマルハナバチを放し、自然受粉を促進し、生態系を保全 ● 節水のため温室の屋根にたまった雨水を利用 ● 除去した茎や葉は微生物で分解し、肥料として再資源化(いわき小名浜菜園) 10 特 集 サステナビリティへの取り組み 事例 3 地産全消で地域の農業を応援する 経済価値 地域特産品を使った特色ある商品を全国で販売し、商品と特産品の需要の裾野を広げる 社会価値 地域特産品のジュース原料購入による地域農業への経済的な貢献と特産品の知名度の向上 2013年販売本数実績 1億3,200万本/年 課題認識 地域の農業を応援し、日本の農業の持続可能性を高めるため、継続 的かつ計画的に地域特産品原料の調達、商品化を行い、無駄なく販 売することにより持続的な利益を確保し、全国での消費を促進する。 野菜生活100季節限定シリーズの販売本数と営業利益(百万円) (百万本) 140 販売本数 120 営業利益 1億1,830万本 350 300 100 250 80 200 60 150 40 100 20 50 0 2010 2011 2012 2013 0 2014(計画)(年度) 季節限定商品に特有の製販調整が課題 日本国内には数多くの野菜やフルーツの特産品が存在します。カゴメは自ら国内の 地産全消商品の生産者・自治体・カゴメの連携 地 域 魅力をカゴメブランドの商品として全国にお届けする「地産全消」活動を2010年度 生産者 にスタートさせました。 「野菜生活100季節限定シリーズ」は、地産全消商品の代表と 協定 農業の活性化を担うのみならず、全国の自治体やJAと協定を結び、各地の特産品の カゴメ 自治体 JA して、2013年度には1.3億本を超える販売本数となりました。しかしながら、季節限定 商品のリスクの一つである販売の見込みと実績のギャップにより、利益の圧迫をまね 商品化 いています。カゴメでは今後も「地産全消」をシステムとして継続するために、営業部 門での小売店における販売予測の精度向上、原料調達のリードタイムの短縮などを 全国のお客さま 急務として、改善に努めています。また、2014年度は2010年の取り組み開始以来 の販売数量の減少が見込まれ、新たな地域の特産品の開拓に加え、商品の味の設計 に踏み込んだ改良を課題として認識しています。 デコポン/熊本 とちおとめ/栃木 さくらんぼ/山形 野菜生活100季節限定シリーズ (2013年4月∼2014年10月) 「野菜生活100瀬戸内レモンミックス」∼広島県とカゴメの取り組み∼ 広島県 総務局 経営企画チーム 広島県では、国産シェア約5割と生産量日本一を誇 11 ます。2012年にカゴメと「野菜生活100瀬戸内レモ る「瀬戸内 広島レモン」を中心とした、かんきつ産地の ンミックス」の商品化を含めた「瀬戸内レモン協定」 活性化を図るため、さまざまな取り組みを進めており、 を締結し、この商品は1,600万本もの販売を記録。 その一環として「瀬戸内 広島レモン」のPRを行ってい 県庁内でも印象深い取り組みとなりました。 広島県と 「瀬戸内レモン 協定」を締結 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 事例 4 世界各地での農業の持続可能性を目指して 経済価値 トマトと野菜の垂直統合型ビジネスの規模拡大による安定した原料調達の実現と海外事業の成長 社会価値 世界各国の気候・土壌に適したトマトと野菜の栽培による農業の持続的な発展 2013年度海外事業売上高 280億円 課題認識 ● ● 海外事業の売上高の推移 (百万円) 30,000 25,000 20,000 商品の原料の安定供給を持続的に行うため、各国の環境に適し たトマトと野菜の品種の開発と栽培方法の確立を行う。 15,000 世界各国地域において、種子開発と農業から始まる地産地消型 の持続可能なトマトと野菜のビジネスを広げ、事業の拡大を図る。 5,000 10,000 0 2009 2010 2011 2012 2013 (年度) ※セグメント間取引は相殺消去した数値です 海外産原料の安定供給に向けた取り組み カゴメグループは、1899年の創業以来、 トマトの生産にこだわり、2013年現在では 世界11位※の加工量を誇る企業に成長しました。その大きな要因には、自然の摂理を守 りながら持続可能性を目指した農業技術を推進してきたことが挙げられます。カゴメオー ストラリア社は、先進的なユニリーバ社の持続可能な農業基準に100%対応しており、 点滴灌漑の利用による水や肥料の管理と輪作による土壌改善の設備・技術を導入し、長 期間にわたる栽培が可能な農業を進めています。HIT社(ポルトガル)もグローバル GAP(Good Agricultural Practice)に基づいた農業を推進しています。また、カゴメ は2013年に米国の種苗会社UG社(United Genetics)を子会社化し、栽培地域の気 候や土壌に適したトマトと野菜の品種開発と、栽培技術の確立に着手。さらなる安定供 給技術の高度化に向け、種子のレベルから取り組んでいます。 ※出典:Tomatoland Information Services, May 26, 2014 海外事業の拡大を通じたビジネス展開国の発展 カゴメは、1989年からトマト加工品(一次加工・最終製品)を北米において販売開始 し、現在では欧州、アジア、オセアニアの顧客に販売する事業も行っています。2013年 には、インドにおいて現地大手メーカーなどとルチカゴメ社を合弁で設立し、業務用を中 心に家庭用においても事業の拡大を目指しています。カゴメの海外におけるビジネス展 開は、マーケットイン・地産地消に加え、現地での人材育成を含め、持続可能な現地産業 としての成立を基本としています。これらを通じて、ビジネス展開国における農業生産体 制の強化、加工技術などの普及、雇用の促進などに貢献することを目指しています。 インド・ムンバイで行われた、ルチカゴメ社の調印式 Uni ted Genet ics社をカゴメグループに加え、垂直統合を前進 2013年11月、カゴメグループに加わった米国UG としたカゴメグループの事業は、既存の拠点に加え、 社(デラウエア州)はトマトと野菜の非遺伝子組み換 北米、南米、南ヨーロッパ、インドにも広がり、それら え種子を自社開発し、世界80カ国以上で販売事業を の各国において安定した供給ならびに利益を生み出 展開する野菜種苗会社です。これにより種子を起点 す体制が整いました。 12 特 集 サステナビリティへの取り組み Topics 1 トマトの品種開発の効率化/ 食の安心・安全への対応を強化 カゴメ研究開発本部は、グループのバリューチェーンの源流として、研究 開発による技術的成長エネルギーの供給をミッションに、現在と将来に わたり活用できる技術や情報を追求しています。 トマトの種子 遺伝子解析技術の活用により、 飛躍的に品種開発の対応力が向上 フードディフェンス視点での 食品危害物質分析体制を強化 カゴメでは現在、約7,500種のトマトの 2013年12月末に発覚した国内他社冷 遺伝資源を活用し、遺伝子組み換え技術を 凍食品工場での農薬混入事件以降、全社 用いずに加工用と生鮮用トマトの品種開発 的にフードディフェンス(食品への意図的な をしています。現在は遺伝子解析技術の活 異物の混入を防止する取り組み)を強化し 用に力を入れており、品種開発が大幅に効 ています。食品安全部では、万が一問題が 率化しました。これにより市場のニーズへ のすばやい対応が可能となるだけでなく、 病気に強い品種、国内の栽培面積の拡大 に対応した機械収穫に適した品種などの開 発生した際に、危害物質を迅速に特定でき 研究開発本部 農資源開発部 課長 伊藤 博孝 る分析方法の装備を進めています。同時に 緊急対応時の分析手順を定めるとともに、 365日分析ができる体制を整えました。 研究開発本部 カスタマーソリューションセンター 食品安全部 課長 森内 知男 発力が大幅にアップしました。 農資源開発部:農業のサステナビリティを目指す取り組み ● 食品安全部:商品の安全性を確保する取り組み 品質とおいしさの向上と収量性・病害抵抗性の両立した ● 食品に関するリスク予見活動情報の収集と管理への反映 トマトの品種開発 ● 分析技術の装備(化学物質、微生物、香味・匂い成分等) ● 原料の安全性評価と定期的な検査(残留農薬・放射性物質等) ● 微生物の特性・挙動評価と制御条件確立ソリューション ● トマトの新規産地における作型研究。収穫機械の開発、 機械収穫に適した栽培技術開発。病虫害防除の技術開発 世界的な影響病害「トマト黄化葉巻病」に 対する抵抗性品種 カゴメと農機具メーカーの共同で開発した 日本型収穫機 放射性物質の分析 研究開発本部:最近の研究成果から(2013年4月∼2014年10月) 2013年7月 2014年10月 スルフォラファンに悪酔い軽減が期待できる効果を発見 ラクトバチルス・ブレビス・KB290(通称:ラブレ菌)を含む飲料の ∼米国Johns Hopkins医科大学と共同研究∼ (Alcohol and Alcoholism誌の電子版に掲載) 2014年3月 継続摂取によるインフルエンザ罹患率の低減を確認 ∼インフルエンザ流行期に栃木県那須塩原市の小学校15校にて大 規模調査を実施∼(日本食品免疫学会設立10周年記念大会で発表) 便秘はいくつかの栄養素の吸収効率を低下させるとともに、老 化・がんの原因となる酸化ストレスを高める可能性が明らかに ∼女子大学生を対象に調査を実施∼(日本農芸化学会にて発表) 2014年7月 食事前、もしくは食事中の野菜ジュース飲用でメタボの原因とな る食後の血糖値の急激な上昇が抑えられることを確認 (日本食品科学工学会第61回大会にて発表) 13 ラブレ菌 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 Topics 2 東北の未来を拓く息の長い支援を 続ける東日本大震災復興支援活動 カゴメは、共助の精神に基づき、東日本大震災の被災地における人道支援・ 農業再生支援を2011年から継続して行っています。 みちのく未来基金 「第3期生の集い」 安全が安心に変わるまで 「ふくしま産トマトジュース」 東北復興の担い手を育む 「みちのく未来基金」 カゴメは、加工用トマトの生産地として福 2011年にカルビー株式会社、ロート製薬 島県に大きな期待を寄せています。 「東日 株式会社と共同で設立した震災遺児のため 本大震災により福島県のトマト栽培を途絶 の進学基金、公益財団法人「みちのく未来基 えさせてはならない」という強い決意の下、 金」は4年目を迎え、基金給付生が300人を 2011年度と2012年度をかけ、福島産ト 超えました。2015年度も、約100名のエント マトの 安 全 性を検 証し、2 0 1 3 年 1 1月に リーが見込まれており、その後も毎年70∼ 「ふくしま産トマトジュース」の発売が実現 100名の基金生を迎える見込みです。2014 年3月には、専門学校の課程を修了する46名 しました(福島産の加工用トマトは、本商品 のみで使用)。これからもカゴメは「ふくしま 産トマトジュース」を通じ、福島県の農業を 支援し、それに共感する人々の輪を広げて が新社会人として基金を旅立っていき、これ コンシューマー事業本部 商品企画部 部長 からの活躍が期待されます。現在、基金では 稲垣 慶一 岩手・宮城・福島県以外に移り住んだ震災遺 コーポレート・ コミュニケーション本部 東日本大震災復興支援室 北岡 祐治 児への情報提供を目的とし、全国の自治体や いきたいと考えています。 支援団体を訪問する活動を続けています。 みちのく未来基金 「夏の集い」 ふくしま産 トマトジュース Topics 3 子どもたちの豊かな食体験と心身の 健やかな成長を応援する食育支援活動 子どもたちの「食」への興味・関心を育み、食の楽しさを体験するきっかけ づくりをしたいと考え、食育支援活動に取り組んでいます。 カゴメりりこわくわくプログラム 正しい食習慣を伝えるミュージカル 「カゴメ劇場」 トマトを通じた食農体験 「カゴメりりこわくわくプログラム」 りりこ 1972年から続く、夏休みにたくさんの親子を無料でご招待してい 全国の小学校や保育園などに、ジュース用トマト「凛々子」の苗と学習 るカゴメオリジナルのミュージカルです。食べ物の役割や健康の大切 用資料を無償で提供する活動です。食べ物を育てて調理して食べるこ さを歌とダンスで楽しく紹介し、幼児期に正しい食習慣を身につける とを通じ、命への関心と感謝の心を育むことを狙いとしています。1999 きっかけとなることを願って実施しています。 年から2014年度までの参加校は累計で45,563校・園を数えます。 43年間で、のべ341万人が 来場した「カゴメ劇場」 自分の手で育てた凜々子を 使った調理体験 14 私たちの事業展開 カゴメグループは国内をはじめ、世界各地を調査し、最適な栽培地を選び出し、海外においても日本で培ったノウハウ をもとに事業を展開しています。カゴメグループはグローバルブランドを目指して、世界中の人々においしさと健康を お届けしています。 Kagome Hongmei(Ningxia) Agriculture Co., Ltd. Vegitalia S.p.A. 2003年設立・イタリア 契約農家と共同で育てた地中海野 菜の加工・冷凍・販売 2013年設立・中国 中国国内生鮮トマトの生産・販売 Kagome Hong Kong Co., Ltd. United Genetics Turkey Tohum Fide A.S. フランス 2014年設立・中国 飲料、食品、生鮮野菜の輸入販売 1987年設立・トルコ 種子の生産・販売、および育苗事業 スペイン ポルトガル イタリア トルコ Kagome(Tianjin) Food Industry Co., Ltd. 2013年設立・中国 フィルム容器入り調味料の製造・販売 Kagome(Hangzhou) Food Co., Ltd. 2005年設立・中国 飲料の製造・販売 中国 本 Holding da Industria Transformadora doTomate, SGPS S.A.(HIT) 2007年設立・ポルトガル トマトペーストやピザソース等のト マト加工品の製造・販売 Ruchi Kagome Foods India Pvt.Ltd. 2013年設立・インド トマト加工品の製造・販売 OSOTSPA KAGOME CO., LTD. Taiwan Kagome Co., Ltd. 2012年設立・タイ 商品開発ならびに美容健 康飲料等の製造・販売 1967年設立・台湾 調味料および飲料の製造・販売 Kagome Longson Sdv.Bhd. 2014年12月設立予定・マレーシア ハラル対応業務用調味料の製造・販売 Kagome Australia Pty Ltd. 南アフリカ 会社概要 業 : 1899年(明治32年) その他 設 立 : 1949年(昭和24年) アジア事業 本 社 : 愛知県名古屋市中区錦3丁目14番15号 資 本 金 : 19,985百万円(2014年3月31日現在) 代 表 者 : 代表取締役社長 寺田直行 従 業 員 数 : 2,349名(2014年3月31日現在) オーストラリア 事業セグメント別売上高構成比 創 東 京 本 社 : 東京都中央区日本橋浜町3丁目21番1号 日本橋浜町Fタワー 15 2010年設立・オーストラリア 加工用トマトの生産およびトマト 加工品の製造・販売日 通販事業 ギフト事業 生鮮野菜事業 食品事業 グローバルトマト事業 0.9% 1.6% 4.3% 4.3% 5.0% 12.1% 12.9% ※2014年3月31日現在 ※セグメント間取引は相殺消去した数値です 飲料事業 45.5% 業務用事業 13.3% K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 原料生産国 事業拠点(社名) ※事業拠点、 原料生産国は 2014年10月現在の内容です。 事業内容 United Genetics Holding LLC 1990年設立・アメリカ グロー バ ルにトマト、野 菜 および フルーツの種子開発・生産・販売 Kagome Inc. 1998年設立・アメリカ 米国での大手レストランチェーン向 け業務用トマトソースの製造・販売 カゴメ(株) 1899年設立・日本 調味食品、保存食品、飲料、その他 の食品の製造・販売ならびに、種苗、 青果物の仕入れ・生産・販売 Kagome Foods, Inc. 支店 アメリカ 工場 2007年設立・アメリカ 各種業務用ソースに加え、マーガリ ンや他の植物油ベースの製品の製 造・販売 菜園 本社 ブラジル 研究開発本部 東京本社 チリ ニュージーランド アルゼンチン 経営計画推進体制 ※2014年10月現在 代表取締役社長 〈8本部〉 〈2カンパニー〉 トマト事業カンパニー アジア事業カンパニー 通販事業本部 農事業本部 生産調達本部 業務用事業本部 コンシューマー事業本部 コーポレート・ コミュニケーション本部 経営企画本部 研究開発本部 16 私たちの価値創造基盤 カゴメの事業は、自然の恵みである「農産物の価値」を活かすことに立脚しています。そのため、 「畑は第一の工場」の 考えの下、農産物の生産と加工の段階で、 「良い原料と良い技術の最適組み合わせ」により最も大きな価値形成を 行い、品質管理を徹底して、採れたてのおいしさを活かした商品をお客さまにお届けする事業を営んでいます。 グループ売上 1,930億 (うち海外11%) 営業利益 事業活動への再投資 67億 7,500万円 うち設備投資額 69億 2,300万円 当期純利益 自然の恵みを活かした 食品の提供 株主配当 51億 500万円 21億 8,800万円 (個人株主数約19万人) カゴメグループの事業活動(農産物の価値の最大化) 活動内容 事 業 プロセス 需要創造 (マーケティング・販売) 日 本 商品が持つ価値をお客さ まに伝え、需要を創造する 価値伝達活動 良い原料と良い技術の最 商品生産 海 外 製造・販売 グループ内外から原料を調達し、商 品を製造・販売(企業向け、消費者向 け) (事業拠点:ポルトガル、オースト ラリア、インド、アメリカ、中国、イタ リア、台湾、タイなど) 自社基準を満たした高品質 高品質な 農産原料供給 農 業 競争優位な 種苗の供給 品種開発・ 種苗生産 研究開発 の農産原料のみを調達し、 農産原料生産 おいしさを損なわないため 環境配慮型の大規模農業で農産原料 を生産し、グループ内外に販売(事業 拠点:ポルトガル、オーストラリアなど) 指定品種による契約栽培と での生鮮トマト栽培(右) ※上記の数値は2013年度のものです。 ※2 52万トン (世界第11位) 240.5ha 自社保有の農産物の遺伝 農業資源開発 資源を用い、交配法で有 新しい品種の開発・採種・育苗を行い、 用品種を創出し、競争力の グループ内外に種苗を販売(事業拠点: 米国、 トルコ、イタリア、インドなど) 自然の恵みである農産物の価値を最大化し、人の健康長寿に 貢献するための一貫した研究開発を推進 (研究拠点:日本、ポルトガルなど) 17 トマト加工量 国産トマトジュース の原料栽培面積 農業指導(左)、ハイテク菜園 ある種苗を生産・供給 ※1 30.6%を供給 全製造拠点で 取得 料の価値を最大化する製 の一次加工を実施 日本のトマト 消費量の 国際品質基準を 適組み合わせで、農産原 造工程と品質管理 一次加工・ 調達 特 徴 トマトの遺伝資源 日本 約7,500 種 研究員数 約200名 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 このような当社の事業は、自然の恵み(農作物や農地などの自然資本)や農家(社会関係資本)など、多くのステーク ホルダーとの協働の上に成り立っています。そのため、当社の事業の発展につながり、かつステークホルダーの課題 解決にもつながる事業活動を推進することが、当社の競争力を高め、持続的な成長・発展につながると考えています。 6つの資本 ● 財務・製造資本 :総資産 1,836億円 ● 知 的 資 本 :農業生産・製造加工等に関する 独自技術・ノウハウ、強いブランド ● 人 的 資 本 :社員(2,349名) ● 社 会 関 係 資 本 :生産者等との強いつながり ● 自 然 資 本 :豊かな農地、農作物の遺伝資源等 資本の維持・強化を通じた 価値創造基盤の強化 資本を活用した 事業の推進 ステークホルダー価値 人と社会と地球環境の 健康長寿への貢献 価値創造基盤 ● 安心・安全な食品として日本で広く愛されているブ ランド ● 素材の価値を活かす独自の製造技術 (無菌充填、成分変換技術 等) ● 素材のおいしさを保持し、食品の安心・安全を確保す る徹底した品質管理 ● 環境負荷の最小化に向けた管理、製造工程の効率化 ● 非加熱濃縮など環境・栄養・おいしさに最適な一次加工 ● カゴメの品質要求を実現できる最適栽培地の生産者 ネットワーク ● 調達先の畑や工場まで入り、品質・安全性を確認した 優良原料のみを仕入れる調達 ● 食品安全・農業生産性・環境保全を確保する独自基準 に基づく農業 競 争 力の強 化 と 持 続 的 成 長の実 現 ● 時代に先駆けた価値提案と強い需要創造力 消費者 ● 心身ともに健康的な食生活の実現 ● 安全で高品質な食品の摂取(原料トレーサビリティの確保) ● 野菜の新たな「おいしさ」 「健康価値」の発見 ●(海外)栄養問題の解消(肥満、栄養不足など) サプライヤー(原料生産、製造加工) ● 品質管理・生産技術の向上 ● 経済価値の安定的な獲得 農家、地域社会 ● 安定した農業経営の実現 ● 農業生産のサポート (優良品種の入手、野菜生産技術 や知見等の入手・利用) ● 農業を通じた地域の活性化 ●(海外)雇用・所得の創出、農業技術移転、新産地形成 等 ● 全量買い取りを前提とした指定品種による契約栽培 ● 契約農家への栽培指導 株主・投資家 ● 持続的な経済価値の獲得 ●トマト等の遺伝資源を数多く保有 ● 栽培地の生育条件に適した用途別の競争優位な品種 の開発力 社員 ● 働きがいある仕事 ● 種苗の生産技術と販売ネットワーク ● 農作物の価値を活かした商品づくりに向けた一貫し た研究開発体制(農業∼素材の有用性研究∼製造・加 工技術∼商品開発) ● 世界各地に設置した研究ラボ 事業を通じた ステークホルダー への価値提供 ● 労働環境の向上 自然環境 ● 自然環境、農地生態系の保全 ●トマト等の遺伝資源の保全 ※1 農林水産省「食料需給表」 (H24年度版)、 「野菜生産出荷統計」 (H24年度)、財務省「貿易統計」 (H24年度) カゴメの供給量はH24年度使用実績より算出 ※2 Fresh Tomatoes Processed Tomatoland Information Services, May 26, 2014 18 私たちの戦略 中期経営方針 当社は、東海地域の一企業から日本のナショナルブランド コストの増加や国内の天候不順および増税への対応等が遅 へと転換を図った年から50年目にあたる2013年に、世界の れたことが原因です。 人々のより健康的で豊かな食生活の実現と食・農業・健康など しかし、より長期の視点で見ると過去にも好調時の業績を に関わる社会課題の解決に貢献するグローバルブランドへと 維持できずに収益を低下させており、当社の本質的な課題は 飛躍するため、2013年度からの中期経営計画「Next50」を 「安定した収益を確保する基盤」が脆弱であり、外部環境の 策定しました。 変 化に弱 い 点にあるとの 認 識を深 めました 。これを受け 、 しかし、計画初年度、主力の飲料事業が減収減益となり、 「Next50」は計画の前提となる自社の実力の見極めが不十 連結売上高が前期比1.6%減の1,930億円という厳しい結 分であったとの考えから白紙化し、グローバルブランドへの飛 果となりました。また2014年度も減収減益となる見込みで 躍を目指す長期的視点は継承しつつ、 「働き方の改革」と「収 す。これは、過去最高益を記録した2012年のトマトジュース 益構造の改革」を開始しました。この改革により、持続性のあ ブームの反動と他の飲料との競合激化による既存商品の魅 る収益基盤の構築を目指します。 力度の低下を新商品でカバーできず、 トマト原料の海外調達 当社を取り巻く主な外部環境動向 国 内 海 外 ● アベノミクス、消費税増税、円安 ● 世界人口の増加と資源・食料不足、格差の拡大 ● 食品機能性表示の規制緩和 ● 気候変動等の環境問題の深刻化 ● 農業の規制緩和、TPPと関税撤廃 ● 経済の重心変化とアジア等の新興国におけるトマトの需 ● 流通の巨大化、ネット通販・宅配チャネルの拡大 ● ● 要増(ライフスタイルの変化と食の欧米化、肥満等の過剰 2020年東京オリンピック・パラリンピック(緩やかな成長、 コストアップ) ● 途上国における栄養問題 急激な社会構造変化(人口減少、超高齢社会、社会保障費と ● FTA等の自由貿易圏拡大 国の債務問題、都市部への集中と地方の衰退) ● 国境を越える企業活動とサプライチェーン ● ICTの発達 ● 社会課題解決への社会要請拡大 ● ライフスタイルの変化(働く女性と少人数世帯の増加、家庭 で料理を作る世帯の減少、価値観の多様化) ● 栄養問題) 農業環境の変化(農家の高齢化、後継者不足、脱稲作) 等 ● トマトは「販売金額1位の野菜」 「好きな野菜1位」 ● トマトは世界で消費量No.1の野菜 ● 今後、毎年100万トンずつ消費量が増加予測 事業機会 国内外で健康的な食生活へのニーズが拡大。 「トマトのことなら何でもカゴメに」と言っていただける 状況を実現し、さらにトマトで培った強みをほかの野菜にも展開することが、当社の事業機会に直結 19 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 方針策定における基本的考え方 国内事業は、主力の飲料事業を含めてトマトの国際相場の 環境面での制約が強まると考えられます。このような変動の激 変動や円安等による輸入原料コストの増加で今後さらなる原 しい時代に持続的に発展し、社会に価値を提供し続けるため 価上昇が見込まれるため、単年度のコスト削減だけでは安定し には、社会の変化を予測し、その時代の要請を事業戦略に組 た収益の確保は十分とは言えません。また、当社の強みとして み込むことで、当社ならではの方法で社会課題の解決に貢献 きた「自主自立」 「人中心の経営」などの企業文化は、働きやす し、経済的価値の創出につなげる「プロダクトアウト型」から い職場づくりにつながる反面、部門を超えた連携が進まない、 「ソリューション型」への事業の発想の転換が不可欠になると 責任の所在を曖昧にするなどの風潮を生み、競争力低下の要 考えています。 因になっていたとの認識の下、 「持続的な利益獲得力の構築」 このような基本認識の下、新たな中期経営方針では持続的 には組織と社員一人ひとりの仕事の中身にまで踏み込んだ な利益獲得力の構築に向けて、 「働き方の改革」と「収益構造 「働き方の改革」と「収益構造の改革」が必要です。 の改革」を行い、2015年度は経常利益率4%、2016年度に また、これからの50年を見据えた時、日本では超高齢社会 は5%を目指します。改革の3つの重点課題である「バリュー の到来など、大きな社会変化が予想されており、世界でも全人 アップ」 「生産性の向上」 「イノベーション」に取り組むことで、 口の増加と経済発展および、気候変動に伴う資源・エネルギー 持続的な利益獲得基盤の構築を推進していきます。 問題や栄養問題(肥満、栄養不足等)が深刻化するなど、資源・ (重点課題の具体的内容は、 トップメッセージをご参照ください) 中期経営方針(2015年度∼2016年度) 現 状 安定した収益を確保する基盤が弱く、外部環境の変化に弱い 目標 働き方の改革と収益構造の改革(定量目標: 経常利益率 2015年度 4%、2016年度 5%) 目標達成に向けた基本視点❶ 働き方と収益構造の改革による「生産性の向上」 目標達成に向けた基本視点❷ 社会変化を見据えた「重点成長領域への経営資源の集中」 重点課題1 重点課題2 重点課題3 バリューアップ 生産性の向上 イノベーション 既存事業や既存商品群における 利益の改善を図る。 ● 広告投資の効率化 中期的な重点成長領域に資源を集中させ、 事業組織間の連携強化による成長を目指す。 ● スマートPET化 ● コストダウン ●トマトジュースのプレミアム化 等 ● 商品の絞り込み ● 利益マネジメントの見直し ● グローバルトマトサプライヤーの実現 等 ● 農業の成長産業化 ● 国内業務用事業の拡大 ● フレッシュ化への挑戦 ● 等 配当政策 連結業績を基準に、配当性向40%を目安に安定配当。 20 事業部門別の戦略と業績 コンシューマー 事 業 本 部 関連セグメント 飲料 食品 ギフト 今後の戦略 コンシューマー事業は、 トマトや野菜のおいしさや価値を、 まで事業別だった営業の連携を進め、価値提供マネジメントの 飲料・食品・ギフトの各事業を通して日本の消費者の皆さまに 強化に取り組みます。また、原価低減活動や広告投資の効率 ご提供することをミッションとしています。 化、商品の絞り込みなどのコストダウンへの取り組みを進めつ 2013年度は主力の飲料事業で減収となったことを踏まえ、 つ、需要や業績予測の精度向上や、より効率的かつスピー 2 0 1 4 年 度より「 収 益 力の向 上 」を最 優 先 課 題とし、 「イノ ディーな現場情報の把握と利益マネジメントの仕組みを強化 ベーション」の促進による新しい成長エンジンの創出と「バ することで、外部環境にかかわらず持続的に収益を獲得する リューアップ」による既存事業領域の成長力と収益力の回復 力を高めていきます。 を進めています。具体的には、チルド温度帯(5℃以下)の商品 開発など、当社にしか提供できない鮮度訴求型商品を開発す る「フレッシュ・イノベーション」、また、 「旬の時期にしか味わ えない国産・ストレートのトマトジュース」を従来と異なる商品 ラインで提供する「プレミアム化」や、ペットボトル野菜飲料を 二人世帯でもおいしく飲み切れる容量で提供する「スマート PET化」など、既存商品の価値向上を通じた「バリューアップ」 の推進です。さらに、今後の日本は外食・中食市場が拡大し、 消費者のライフスタイルや価値観・嗜好も多様化するなか、 当社の提供価値を明確化し、事業の垣根を超えてお客さまと の関係をより強固にしていくことが必要です。そのため、これ 21 小林 寛久 執行役員 コンシューマー事業本部長 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 2013年度の業績概況 飲料 野菜飲料カテゴリーでは、 「野菜生活100」シリーズにおい これらの施策を行いましたが、野菜飲料カテゴリー合計で て、重点マーケティングテーマ「地産全消」を象徴する、地域色 は、価格制度の変更もあり減収となりました。また、実質的にも が豊かで季節感の溢れる期間限定商品が好調に推移しました。 トマトブームの反動によるトマトジュースの落ち込みをカバー 「野菜一日これ一本」シリーズについては、缶商品の賞味期限を しきれず、前期を少し下回りました。乳酸菌カテゴリーについて 「野菜の保存食」としての価値 3.5年※に延長したことを契機に、 は、8月までは前年を下回る水準が続いていましたが、第3四半 を提案し、これまで取引のなかったチャネルへの普及が進みまし 期以降(2013年10月1日∼2014年3月31日)は前期比 た。 トマト飲料については、8月に毎年好評いただいている新物 108%と好調に推移しました。その結果、飲料事業の売上高 のトマトジュースにて、 トマトのフレッシュなおいしさを実現した は、価格制度の変更による減少を含めて、前期比8.6%減の 低温度帯の商品を数量限定で発売し、好評をいただきました。 878億11百万円となりました。 食品 トマトのおいしさ・楽しさを新発見・再発見してお客さまにお 必要のないストレートタイプとして、お客さまの利便性を高め発 届けしていく活動「トマト・ディスカバリーズ」をテーマに商品を 売した結果、好評をいただきました。パスタソースについては、 発売し、プロモーションを展開しました。 トマトケチャップにおい 人気の瓶入りパスタソース「アンナマンマ」シリーズから3品の ては、ナポリタンスパゲティのメニュー提案に注力したことなど フレーバーを8月に発売しました。手軽に、 トマトの濃いおいし により、前期を上回りました。2013年11月にはメニュー提案 さをお楽しみいただけることに高い評価をいただき、発売以降 の取り組みを象徴するイベントとして、全国の絶品ナポリタンを 好調に推移しています。ソースについては、堅調に推移しまし 集めた「ナポリタンスタジアム」を横浜にて開催し、好評をいた た。食品事業合計では価格制度の変更のために減収となりまし だきました。 トマト調味料については、2013年3月に発売した、 たが、実質的には前期を少し上回りました。その結果、食品事 使いやすく環境負荷の低い紙容器「トマトパック」シリーズの育 業 の 売 上 高 は 、価 格 の 変 更による減 少を含 めて 、前 期 比 成に注力しました。 トマト鍋については、本年度より水を加える 15.5%減の232億77百万円となりました。 ギフト 中元・歳暮市場全体は縮小という厳しい環境下、当社では 移しました。またトマトの焼き菓子「トマッティーニ」やトマトの 各流通チャネルにおいて高い採用率を獲得し、過去最高の売 ゼリー「Frut toma (フルットマ)」といったスイーツギフトによ 上高となりました。野菜飲料ギフトや国産フルーツジュースギ り、母の日や手土産といった中元・歳暮期以外の需要を開拓で フト、および歳暮期に導入したフリーズドライのスープギフトに きました。その結果、ギフト事業の売上高は、前期比5.1%増 加え、企業限定などプレミアム感を打ち出した商品が好調に推 の83億38百万円となりました。 ※2015年度 賞味期間5.5年の商品発売予定 22 事業部門別の戦略と業績 農事業本部 関連セグメント 生鮮野菜 今後の戦略 農事業本部は、カゴメにおける「トマトと農のエキスパート集 急拡大するなど、数年のうちに1兆円規模になるのではと予想 団」として、国内におけるトマトジュースの原料となる「加工用ト する(量販店役員や卸業者さまの)声も聞こえています。このよ マト」の生産に契約農家の皆さまと取り組むとともに、スーパー うな状況を踏まえ、③「野菜領域」への本格進出を進めており、 マーケットなどでお買い求めいただける「生食用トマト」を全国 2014年3月に販売を開始した「ベビーリーフ」および8月に発 11カ所の大規模ハイテク菜園で生産・販売するなど、 「農産原 表した「カット野菜・パックサラダ事業」への参入は多くの量販 料の生産技術の高度化」 「トマトや野菜の生産と他の事業部門 店、卸業者さまからお問い合わせをいただきました。今後も、高 への供給」、そしてお客さまに生鮮野菜を直接販売する「生鮮 品質・機能性野菜を特徴とする新たなサラダ商材「サラダバンク 野菜事業」を担っています。 シリーズ」の販売を推進します。 近年は「ジュース用トマト原料の全量国産化」を目指して、 このような生鮮野菜事業の拡大を通じて、日本の農業の成長 日本の農への貢献に取り組むとともに、総面積53haにおよぶ環 産業化と消費者の皆さまの健康長寿に貢献してまいります。 境配慮型の大規模ハイテク菜園で独自ブランドの「生鮮トマト」 の生産に取り組み、最初の菜園設立から10年以上を経た2012 年に初の黒字化を実現。2013年度は96億円を超える売上の 事業に成長しました。 今後は、当社の農を基盤とした垂直統合型ビジネスモデルの 強みを活かし、①生鮮トマトの供給基盤拡充と機能性訴求による 生鮮トマト事業の拡大、②加工用トマトの機械化収穫の確立と北 海道などでの栽培を含む、ジュース用トマト原料の国内産地拡大 を推進します。また、近年、働く女性や単身・二人世帯の増加など で、カット野菜やパックサラダといった生鮮型加工食品の需要が 藤井 啓吾 執行役員 農事業本部長 2013年度の業績概況 生鮮野菜 店頭では、 「ダブルトマトでおいしく!」をテーマに「トマトフェ さまに配布することで、スポーツシーンでのトマト摂取を提案し ア」や「カゴメフェア」など野菜飲料や食品と連動した展開の機 ました。また、生鮮トマトの収穫量を増やし、供給を増やすことが 会を獲得できました。プロモーションとしては、昨年に引き続き できたこともあり、過去最高の売上高となりました。 2014年2月に、東京マラソンに協賛し、 「高リコピントマト」と その結果、生鮮野菜事業の売上高は、前期比8.4%増の96億 「ちいさなももこ」を東京マラソン公認トマトとしてランナーの皆 23 83百万円となりました。 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 通販事業本部 関連セグメント アジア 通 販 今後の戦略 通販事業本部は、IT化の進展に伴う新たなビジネスチャネ 盤の確立を進めます。また、新規顧客獲得のための広告・プロ ルに対応し、通信販売専用商品の開発・販売を通じて、お客さ モーションの見直しや既存のお客さまとのコミュニケーション まの健康長寿と食の楽しさの提供に貢献することをミッション の充実を図ると共に、お客さまのご要望により柔軟に対応で としています。現在、100万人以上のお客さまとコミュニケー きるサービス基盤の整備を進め、お客さまとのつながりを一 ションを行っており、お客さまのお声を直接いただくことで、 層強化していきます。 「カゴメへの期待」や「新たなニーズ」を把握し、カゴメの事業 全体にフィードバックする役割も担いつつあります。 現在は、お客さまの利用メディアの変化や増税の影響で足 元の市場成長率はやや鈍化しているものの、2013年度は希 少な旬の採れたてのジュースをお届けする「旬シリーズ」など が好調で過去最高の売上高となりました。当事業の中心購買 層が食生活と健康への意識の高い比較的高い年齢層である ことを考えると、高齢化が進む今後の日本において、当事業は 高い成長ポテンシャルを持っていると考えています。 今後は、お客さまの生活に寄り添ったより長く愛飲・ご利用 いただけるカゴメならではの魅力的な商品を提供していく計 画で、 「つぶより野菜」のようなほかの商品と差別化できる特 高野 仁 徴のある野菜飲料の開発や、これまでカゴメが培ってきたラ 執行役員 通販事業本部長 ブレ菌やリコピンなどの機能を生かしたサプリメント事業の基 2013年度の業績概況 通販 主力商品「毎日飲む野菜」については、2014年6月に新た 「旬シリーズ」の販売も好調でした。加えて、サプリメントなど なお客さまを獲得するための広告手段を追加したことにより7 の商品ラインナップを強化したことも、売上高の増分に寄与 月以降の販売量が増加し、好調に推移しました。また、商品供 しました。 給体制が整い3年ぶりに再発売した数量限定商品「桃しぼり」 その結果、通販事業の売上高は過去最高となり、前期比 や甘みと栄養がたっぷりの旬の冬ニンジンをジュースにした 7.5%増の82億77百万円となりました。 「冬しぼり」など、希少な旬のとれたてジュースをお届けする 24 事業部門別の戦略と業績 業務用事業本部 関連セグメント 業務用 今後の戦略 業務用事業本部は、 「トマトや野菜を中心とする業務用食 組みました。このような新たな需要創造への継続的な取り組み 品」の開発・販売事業を担っており、日本で消費されるトマトの を通じて、より良い食生活の実現に貢献し、事業の安定的な成 16%にあたる約17万トン※を供給しています。 長を実現していきます。 日本は働く女性の増加や高齢化で、宅配食を含む外食・中食 ※トマトの供給量は、 トマトケチャップなどのトマト加工品に使用しているトマト原料を 生トマトに換算した数値です。 の食支出に占める割合が上昇しています。多くの人々の「日々 の食」を外食・中食が支えるようになるなか、 「食を通じた健康」 や「おいしさ」へのニーズも年々高まっています。当社は、強み である「トマトや野菜」を中心とする食品にフォーカスし、この 分野で顧客企業の多様化するニーズに“深く”対応すること で、事業の拡大を図っています。 2013年度は、大手企業向けのチーム営業・開発体制を一層 強化したほか、スイーツなどのほかの食品分野の企業との協業 で新しい商品開発に取り組みました。また、コンシューマー事業 本部と協働でナポリタン日本一を決めるイベント「ナポリタンス タジアム」を開催し、 トマトケチャップの需要喚起になどに取り 山口 聡 執行役員 業務用事業本部長 2013年度の業績概況 業務用 「トマト素材」 「トマトソース」 「野菜素材」 「野菜飲料」を重点 銀座コージーコーナーと協働しました。両社の強みを活かして 商品カテゴリーに設定し、売上拡大を図りました。大手ユー 共同開発したメニュー・商品は、同社の店舗にて提供・販売さ ザーや産業用に向けたサポート体制を強化してきた成果が表 れ、好評をいただきました。このほかにも、カルビー株式会社と れ、売上高は順調に推移しました。 トマト・ディスカバリーズの取 の初めてのコラボレーション商品として「ポテトチップス カゴメ り組みとしましては、既述の「ナポリタンスタジアム」の開催に トマトケチャップ味」が同社より発売されました。 あたり食品事業との連携を強化し、ナポリタンスパゲティのメ その結果、業務用事業の売上高は過去最高となり、前期比 ニュー普及に努めました。また他社との連携としては、 「トマト× 2.9%増の257億64百万円となりました。 スイーツ」の新しいおいしさ・楽しさを提案するために株式会社 25 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 アジア 事 業カンパニー 関連セグメント アジア 今後の戦略 当カンパニーのミッションは、 トマトや野菜を中心とする食の 究成果、おいしく安全な商品設計力と、信頼できる現地企業 提供を通じて、アジア36億の人々の健康長寿に貢献し、カゴメ のノウハウや製造インフラ、現地スタッフを中心とする営業力 グループの成長に寄与することです。 を掛け合わせ、現地の人々の嗜好に徹底的に合った商品を そのためアジア全体の市場を見据え、中国、台湾、香港、 リーズナブルな価格で提供し、着実にお客さまを増やしてい タイ、マレーシア、インドに拠点を構え、 トマトと野菜を中心とす きたいと思います。 る飲料・業務用調味料、生鮮野菜などの商品を、その国に最も 合った形で提供し事業を進める計画です。 具体的には、業務用事業とコンシューマー事業に分かれます が、業務用ビジネスでは、カゴメの強みであるグローバルなト マト原料の供給力、個別のお客さま向け商品の開発力を駆使 し、アジアで展開されるグローバル企業や日系企業のみなら ず、現地企業にも良質で安価な商品を提供し、早期の事業展開 を進めます。また、アジアでは経済成長に伴う社会環境やライ フスタイルの変化のなか、 「安心・安全な食」、 「より健康的な 食」へのニーズが急速に高まりつつあります。このため、コン シューマー向けビジネスでは、 トマトや野菜の効用に関する研 児玉 弘仁 取締役 常務執行役員 アジア事業カンパニーCEO 2013年度の業績概況 アジア Taiwan Kagome Co., Ltd.は、円安に伴い円換算での売 小瓶入りワンショットトマト健康飲料「Tomato Essence」を発 上高が増加しましたが、現地通貨ベースでの売上高も前期を上 売しました。 回る水準で推移しました。Kagome(Hangzhou)Food Co., その結果、アジアにおける売上高は、前期比35.0%増の31 Ltd.は、香港市場向けの野菜飲料の生産量が増えていることに 億19百万円※となりました。 加えて、円安の影響もあり売上高が増加しました。なお、タイに おける飲料の商品開発・販売業を展開しているOSOTSPA KAGOME CO., LTD.については、9月にコンシューマー向けの ※セグメント間取引は相殺消去した数値です 26 事業部門別の戦略と業績 トマト事 業カンパニー 関連セグメント グローバルトマト 米国・欧州・豪州 お客さまのニーズに合わせた加工、パッケージング トマト栽培 今後の戦略 トマト事業カンパニーは、 トマトという商材を使ったグローバ ネスを構築できるだけでなく、全プロセスにカゴメが関わること ルな事業展開を担っています。先達が追求してきた「トマトが持 で垂直統合による当社独自の競争力創出や「安全・安心な食」 つ価値をお客さまに提供し、広めていく」ことを通じて、持続的 の提供を当社自身で確保できるようになり、世界レベルでのト に収益を上げるだけでなく、世界の皆さまから支持される「そ マトの持続可能な地産地消に貢献することが可能となります。 の地域になくてはならない企業」となり、カゴメをトマトで世界 今後は、各国の気候や土壌に適した種苗などトマトの価値創 No.1の企業にすることが当カンパニーの役割です。 造に向けた革新的な研究開発も進めていきます。また、グロー そのために、私たちは事業エリアを11の戦略地域に分けて バルな事業の推進を実現する上で最も重要なカゴメの価値を います。①良質なトマト原料の生産・調達の可否、②トマト原料 共有し継承できる人材の育成に向けて、世界共通の人事制度 の加工基盤の有無、③市場の有無(消費スタイル、成長性な で公正な評価・処遇を実現するとともに、世界中のスタッフとカ ど)、という3つの条件で各地域を評価し、進出の優先順位や ゴメの価値観を共有し、多様な地域での業務を経験してもらう 市場での成功要因を見極めることで、それぞれの地域に最も ことで、事業を牽引する幹部人材を育成し、グローバルレベル 合った戦略を立案して事業を推進しています。 での成長を加速させていきます。 当カンパニーは、当社グループの中長期の成長に大きく貢 献すると考えています。その理由の一つは、 トマトがすべての 野菜の中で最も消費量が大きく、今後も年率2.5%で成長する 有望な商材だからです。そのため、価格競争ではなく、カゴメの 強みである品質・付加価値面における競争で、利益率の高い事 業の実現が可能です。もう一つは、当社グループが持つ垂直統 合型ビジネスモデルの強みを活かせることです。2013年に米 国の種苗会社を買収し、 トマトを扱う企業としては唯一、競争優 位性のあるトマトの品種開発から、農業生産、商品開発、加工、 販売までの全てのプロセスを持つ「自然の恵みと消費者を直接 結びつけることができる企業」となりました。その結果、グルー プの資源・ノウハウを組み合わせることで、各市場に合ったビジ 27 住友 正宏 常務執行役員 トマト事業カンパニーCEO K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 2013年度の業績概況 グローバルトマト 米国・欧州・豪州 米国では、円安に伴い円換算での売上高が増加に加え、 上高が増加しました。豪州では、主要顧客へのトマト加工品の 現地大手顧客向けの出 荷も順調に推移しています。ポルト 販売時期後ろ倒しに伴い、売上高が前期を下回りました。その ガルでは、Holding da Industria Transformadora 結果、米国・欧州・豪州における売上高は、前期比32.6%増の do Tomate, SGPS S.A.の連結子会社化に伴い、売上高が 249億63百万円※となりました。 純増しました。また、イタリアでは、円安に伴い円換算での売 ※セグメント間取引は相殺消去した数値です 海外CEOメッセージ ステークホルダーの方々のお力添えもあり、私たちは25年にわたり 私たちは、85カ国の市場に商品を提供しており、野菜種子におけ 高品質な商品を展開してきました。現在では、米国の大手レストラン る世界のベストカンパニーを目指しています。私たちの野菜は遺伝 チェーンなどへの販売だけでなく、世界40カ国で私たちの商品が使 子組み換えではなく、伝統的な品種改良技術を基に開発されており、 われています。これからも顧客のニーズに合った革新的なトマトベース そのための革新的な研究が成長を支えています。これまで過去5年 のソースの開発と製造に注力することで事業を成長させていきます。 間にわたって、2桁台の力強い成長を享受することができました。今 また、2007年に買収により米国の両岸に拠点を持ち、さまざまなタイ 後は、さらなる地域展開と高付加価値商品の展開を進める予定で プの商品や容器形態を提供できるようになりましたので、今後もこうし す。特に、より高い利益が見込まれる温室向けの品種において、競争 た利点を生かし、総合的なサービスを提供していきます。 力のある製品群の開発に力を入れていきます。 米国 Luis DeOliveira 執行役員 Kagome Inc.(USA) President CEO 米国 Remo Ludergnani United Genetics Holding LLC President CEO 冬に雨が多く、夏に乾燥したポルトガルの気候はトマト栽培に特に オーストラリアの事業は、 トマトの栽培から始まり、収穫、食品メー 適しています。私たちはそうした自然が与えてくれる価値を生かすだ カー向けのペースト、ダイス加工まで手掛ける、垂直統合型のビジネ けでなく、農業慣行の改善や水利用の効率性へ特段の配慮を実施し スです。農業、食品製造業に渡る、サステナビリティ、食品の安全に関 てきました。ここ数 年は、そうした気 候のおかげで生まれるフルー する数々のグローバルな認証を取得し、原料からのバリューチェーン ティーで甘いという特徴を生かし、さまざまなトマトの開発を行ってき 作りに努めています。また2014年には、ベータカロテンの含有量の ました。今後は、そうした特色のさらなる改善に加え、リコピン含有量な 高いニンジンの栽培・加工を始めました。2015年には、豪州国内およ どさまざまなトマトの特徴を改善することに力を入れていく予定です。 び東南アジア市場をターゲットとした、フードサービスへの商品供給を これからも高い技術と品質により成長機会を生かしていきます。 開始し、さらなるバリューチェーンの拡大をしてまいります。 欧州 Martin Stilwell 執行役員 CTO Holding da Industria Transformadora do Tomate, SGPS S.A. President CEO 豪州 John Brady Kagome Australia Pty Ltd. President CEO 28 主要な財務・非財務パフォーマンス 連結決算財務パフォーマンス 売上高/海外売上高比率 ※1 売上高 (百万円) 営業利益/営業利益率 海外売上高比率 (%) (百万円) 営業利益 営業利益率 (%) 200,000 20 10,000 10 160,000 16 8,000 8 120,000 12 6,000 6 80,000 8 4,000 4 40,000 4 2,000 2 0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013(年度) 0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013(年度) 自己資本当期純利益率 一株当たり当期純利益 (%) (円) 10 80 8 60 6 40 4 20 2 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013(年度) 0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013(年度) 非財務パフォーマンス 従業員数 ※2 (名) 2,400 エネルギー使用量 ※3 (千GJ) 2,000 2,000 1,600 1,600 1,200 1,200 800 800 400 400 0 29 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013(年度) 0 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013(年度) K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 当期純利益 総資産/純資産 (百万円) 総資産 (百万円) 7,000 純資産 200,000 6,000 160,000 5,000 4,000 120,000 3,000 80,000 2,000 40,000 1,000 0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013(年度) 0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013(年度) 一株当たり配当金/配当性向 (円) 一株当たり配当金 一株当たり純資産 配当性向 (%) 25 100 20 80 15 60 10 40 5 20 (円) 1,200 1,000 800 600 0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013(年度) 400 200 0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013(年度) ※1 セグメント間取引は相殺消去した数値です CO 2 排出量 ※3、※4 (t) 水使用量 ※3 (千t) 100,000 5,000 80,000 4,000 60,000 3,000 40,000 2,000 20,000 1,000 0 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013(年度) 0 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013(年度) ※2 対象範囲はカゴメグループ ※3 対象範囲はカゴメ本体+国内グループ会社(カゴメ不動産、 カゴメ物流サービス、4菜園) ※4 CO2計算値における電気換算係数は社内管理固定係数:0.421kg-CO2/kWhを使用 30 コーポレート・ガバナンス 基本的考え方 カゴメは、 「開かれた企業」を目指すという企業理念の下、 「経 定」 「経営監視機能の強化」をコーポレート・ガバナンスに関する基 営の透明性の実現」 「経営責任の明確化」 「スピーディーな意思決 本的な考え方として据えており、グループ各社に適用されています。 コーポレート・ガバナンス体制 2014年10月現在、 「取締役会」は10名の取締役で構成さ 31 「経営戦略の決定」 「業務執行の監督」、執行役員は「部門業務 れ、全社の経営戦略の決定と業務執行の監督を行っています。 の執行」に専念できる体制を整備しています。 取締役の任期は1年とし、経営責任を明確化しています。2014 なお、カゴメは監査役会設置会社であり、4名の監査役(うち 年度より当社の経営判断・意思決定の過程で、その知識と経験 2名は社外監査役)が「取締役会」をはじめとする重要な会議に に基づいた助言・提言をいただくことを目的に社外取締役を3名 出席し、意思決定プロセスやその内容、業務執行の状況をチェッ 新たに選任しています。また、執行役員制度を採用し、取締役は クすることで、経営の健全性と透明性を確保しています。 氏 名 地 位 西 秀訓 代表取締役会長 寺田 直行 代表取締役社長 担当、主な職業および重要な兼職の状況 ダイナパック(株)社外取締役、長瀬産業(株)社外取締役 大嶽 節洋 代表取締役副社長 児玉 弘仁 取締役常務執行役員 アジア事業カンパニーCEO 渡辺 美衡 取締役常務執行役員 経営企画本部長 佐藤 邦彦 取締役常務執行役員 研究開発本部長 三輪 克行 取締役常務執行役員 蟹江 睦久 常勤監査役 村岡 明高 常勤監査役 江尻 隆 監査役 弁護士法人西村あさひ法律事務所社員、 (株)安藤・間 社外監査役、 ディップ(株)社外監査役 村田 守弘 監査役 村田守弘会計事務所代表、住友ゴム工業(株)社外監査役 近藤 誠一 社外取締役 近藤文化・外交研究所代表、外務省参与(国連安保理非常任理事国選挙担当大使) 橋本 孝之 社外取締役 日本アイ・ビー・エム(株)会長 明関 美良 社外取締役 マルトモ(株)代表取締役社長 United Genetics Holding LLC 会長 生産調達本部長 ダイナパック(株)社外監査役 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 社外取締役の選任 社外からのガバナンス強化のため、2014年6月18日開催 ンス強化に加え、社外取締役3名それぞれの持つ知見を最 の第70回定時株主総会で社外取締役3名(うち2名を独立 大限経営に活かしています。 役員として)を選任しました。従来から取り組んできたガバナ 独立役員の選任方法 当社としての独立性に関する基準または方針はないものの、選任にあたっては、 東京証券取引所の独立役員の独立性に関する判断基準等を参考にしております。その内容は以下の通りです。 ア.当社または当社の関係会社の業務執行者でないこと エ.当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得てい イ.当社を主要な取引先とする者または業務執行者でないこと るコンサルタント、会計専門家、法律専門家でないこと ウ.当社の主要な取引先またはその業務執行者でないこと オ.当社の主要株主でないこと カ.当社または当社の関係会社の会計参与でないこと 監査役監査および内部監査の状況 カゴメは、2006年4月の取締役会において、 「内部統制に な情報交換や意見交換を行うなど、緊密な相互連携をとって 関する基本方針」を決議し、 「業務の有効性・効率性」 「財務 おります。 報告の信頼性」 「法令等の遵守」 「資産の保全」の達成に向け 当社の内部監査は、内部監査室3名で組織され、各事業所 継続的に取り組んでいます。 の業務活動が、法令、諸規程および経営方針・計画に準拠し、 当社の監査役会は、監査役4名で構成されます。取締役の 適正かつ効率的に運営されているか否かを検討し、経営の合 職務執行について、監査役会の定める監査方針および分担に 理化・業務効率の改善向上に資することを目的としております。 従い、各監査役が監査を実施しております。また、当社が監査 監査において発見された問題点については、都度情報交換・ 契約を締結している名古屋監査法人から年間会計監査計画 意見交換を行い、必要な対策または改善措置を立案・実行し の提出・会計監査実施結果の報告を受けるほか、適宜、会計 ております。また、内部監査室による監査に監査役が立ち会う 監査人による監査に立ち会うとともに、会計監査人と定期的 など、監査機能の精度向上や連携を図っております。 役員報酬 当社の役員報酬等は、基本報酬および業績に連動した役員 経常利益率と役員個人の貢献度を基にして決定しております。 賞与、ストックオプションにより構成されており、役位別に基本報 なお、当社は、役員報酬などの決定の透明性および客観性 酬と役員賞与、ストックオプションの構成割合を定めています。 を高めるために取締役会の諮問機関として報酬委員会を設 基本報酬は、株主総会で決議された総額の範囲内におい 置しています。また、監査役報酬については、株主総会にて決 て、使用人の最高位の年収を基礎とし、その職位ごとに役割の 議された総額の範囲内において、監査役会の協議により決定 大きさに応じて決定する固定報酬としております。 しています。 役員賞与およびストックオプションは、全社業績としての連結 32 社外取締役メッセージ カゴメに愛着をもちつつ、厳しい目で見ていきたい 個人や組織が自由で競争的な経済活動(投資)を行うことで発展する現代社会において、経済 のエンジンたる企業は、利益を社会に還元する「良き企業市民」でなければなりません。そして、そ うした資質を備えることが「ガバナンス」です。しかし、組織は時に、過去のしがらみに縛られ、身内 でかばい合い、結果として社会的公正を欠くことになりがちです。だからこそ、会社から一定の距 離をおいて監視し、適切にアドバイスすることを任務とする人が必要であり、これが社外取締役の 役割であると考えます。 カゴメのことを知り、愛着をもちつつ、厳しい目で見て、耳の痛いことであっても率直に意見して いくことが、社外取締役としての私の役目だと認識し努めてまいります。 選任目的 カゴメグループはトマトに関する商品やサービスを、垂直統合型のビジネスモデルで世界に提 供することを目指しています。同氏の中央省庁での豊富な海外経験や経済への知見を活かして、 当社の海外事業の拡大やダイバーシティに貢献いただきます。 近藤 誠一 近藤文化・外交研究所代表 外務省参与 (国連安保理非常任理事国選挙担当大使) 経営の可視化を推し進め、妥協なき姿勢で臨みたい 「開かれた企業」という企業理念の下、社外取締役の導入1年目から、取締役会を中心に活発 な議論が行われています。昨今の経済、政治、地球環境の変化に伴う自然災害など、変転極まり ない経営環境下において、ステークホルダーの期待に応え成長し続けるためには、軸足をしっか りと据え、その存在意義を常に認識し、変えないものと変えるべきものを明確化し、スピード感を もって変革することが要求されます。そのための的確な判断を促すために、―層の経営の可視化 を推進し、社外取締役として妥協なき姿勢で議論を尽くしてまいります。また、多様性を取り入れ さらなる価値を創造できる、インクルーシブな風土の醸成にも注力してまいります。 選任目的 グローバルにビジネスを展開するIBMは、ダイバーシティについても先進的で、一貫した考え を有しています。こうした企業をリードしてきた同氏の知見を活かして、変化に強い組織作り、 多様性を持った人材の最適配分を可能にする新たなグローバル人事制度の設計・導入に寄与い ただきます。 橋本 孝之 日本アイ・ビー・エム株式会社 会長 女性、母親、若年者の視点でもサポートしていきたい カゴメの取締役の皆さんは、会社とトマトをこよなく愛し、メンバー同士もとても仲が良く、良い 雰囲気であることから、イメージ通りの「良い会社」という印象を受けました。 トマトや農産の専門 知識のない社外取締役でも、偏らない判断ができるように、現地視察や勉強会などの機会を積極 的に設けていただいています。これからのカゴメは、 「おいしさ」に「感動」を加えた価値を、生産 者、取引先、消費者と一緒になって生み出していくことで、社会で必要とされる企業であり続け、 それが企業価値の一層の向上につながると考えます。ライフスタイルが変化する中で、その一助 となるよう、経営者としてはもちろん、女性、母親、若年者の視点でも取締役会の意思決定をサ ポートしていきます。 選任目的 マルトモ株式会社は、かつお削りぶしをはじめとする、水産天然資源を利用した商品開発に取り 組んでいます。企業経営の一線を担いながら、育児を両立させてきた同氏の知見を活かして、世界 中の顧客に対して新しい価値提案を目指す当社の経営に貢献いただきます。 33 明関 美良 マルトモ株式会社 代表取締役社長 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 リスクマネジメント リスク管理体制 総合リスク対策会議 カゴメは、リスク管理の統括機関として、総合リスク対策会 議です。また、 「コンプライアンス委員会」 「情報セキュリティ委 議を設置しています。総合リスク対策会議は取締役、一部の執 員会」 「品質保証委員会」 「研究倫理審査委員会」 「投資委員 行役員、監査役をメンバーとして、リスク対応方針や重要リス 会」の5つの委員会を設置し、リスク管理体制の充実を図って ク対応課題について検討し、迅速な意思決定を図るための会 います。 主要なリスクと対策 リスク 認識と対策 当社グループは、原材料および一部の商品を、複数の国から調達しています。これらの調達にあたっては安定 的な調達を行うため、さまざまな対策を実施していますが、世界的な食料需給構造変化に伴う、安定的な価格 原材料、商品の 調達に関するリスク や調達量確保に対するリスクおよび調達先の国における下記のリスクが内在しています。 ● 予期しない法律または規制の変更 ● 政治、経済の混乱 ● テロ、戦争等による社会的混乱 これらの要因は、当社グループにおける調達価格の上昇や供給不足の原因となるリスクをはらんでおり、業績と 財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、商品の品質、安全性を経営の最重要課題のひとつだと考えており、そのためにさまざまな活 動を行っています。具体的にはトップ参加の品質保証委員会を毎月開催し、商品クレーム、事故の発生防止活 安全性に 関するリスク 動、商品表示の適正化に取り組んでいます。また、いわゆる「フードディフェンス」の考え方を取り入れ、意図的 な異物混入を防御するとともに異常がないことを証明できる体制づくりを行っていますが、異物混入などの被害 によりブランドイメージを損ね、回収費用や訴訟・損害賠償などにより業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性 があります。また、商品の品質や安全性を確保するためのトレーサビリティの強化などは、そのシステム構築に 多大な費用がかかる可能性があり、これらも業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、販売促進キャンペーン、通信販売などにより多数のお客さまの個人情報を保持しています。 当社グループは、これらの重要な情報の紛失、誤用、改ざんなどを防止するため、システムを含め情報管理に対 情報システムに して適切なセキュリティ対策を実施しています。しかしながら、停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、コン 関するリスク ピューターウイルスの感染、不正アクセスなど予測の範囲を超える出来事により、情報システムの崩壊、停止ま たは一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏えい、改ざんなどのリスクがあります。このような事 態が発生した場合、営業活動に支障をきたし、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、生産ラインの中断による潜在的なリスクを回避するため、必要だと考えられる定期的な災 天災リスク 害防止検査と、設備点検、さらにサプライチェーンの複線化などの災害対策を行っています。 しかしながら、天災 などによる生産施設における災害を完全に防止できる保証はありません。こうした影響は、売上高の低下、コス トの増加を招く可能性があり、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 CSRマネジメント ISO26000の活用 カゴメでは、社会的責任に関する国際規格であるISO26000 者課題」 「コミュニティへの参画及びコミュニティの発展」の7つ を活用し、CSRマネジメントを推進しています。2013年度は「組 のテーマについて取り組みの現状を分析しました。 織統治」 「人権」 「労働慣行」 「環境」 「公正な事業慣行」 「消費 34 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 組織統治 コーポレート・ガバナンス 基本的な考え方と体制 カゴメは、 「開かれた企業」を目指すという企業理念の下、 取締役は「経営戦略の決定」 「業務執行の監督」、執行役員は 「経営の透明性の実現」 「経営責任の明確化」 「スピーディーな 「部門業務の執行」に専念できる体制を整備しています。同時 意思決定」 「経営監視機能の強化」をコーポレート・ガバナンス に、全 社の業 務 執 行の審 議と情 報 共 有を目的とした「執行 に関する基本的な考え方として据えており、グループ各社に 役員会」を設置し、定期的に会議を開催しています。 適用されています。 また、カゴメはリスク管理体制の充実を図るため、5つの委員 2014年10月現在、 「取締役会」は10名の取締役で構成され、 会を設置し、さらにリスク管理の統括機関として、総合リスク対 全社の経営戦略の決定と業務執行の監督を行っています。 策会議を設置しています。 取締役の任期は1年とし、経営責任を明確化しています。 なお、カゴメは監 査 役 会 設 置 会 社であり、4 名 の監 査 役 2014年度より当社の経営判断・意思決定の過程で、その知識と (うち2名は社外監査役)が「取締役会」をはじめとする重要な 経験に基づいた助言・提言をいただくことを目的に社外取締役 会議に出席し、意思決定プロセスやその内容、業務執行の状況 を3名新たに選任しています。また、執行役員制度を採用し、 をチェックすることで、経営の健全性と透明性を確保しています。 ● コーポレート・ガバナンス体制図 選任・解任 選任・解任 選任・解任 株主総会 報告 取締役会 取締役10名 (うち社外取締役3名) 会計監査人 監査役会 連携 監査役4名 (うち社外監査役2名) 監査 監査 選 定・監 督 監査 代表取締役社長 総合リスク対策会議 執行役員会 執行役員22名 35 内部監査室 投資委員会 研究倫理審査委員会 品質保証委員会 情報セキュリティ委員会 コンプライアンス委員会 (うち取締役兼務4名) K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 コーポレート・ガバナンス 社外取締役の選任 社外からのガバナンス強化のため、2014年6月18日開催の第 を選任しました。従来から取り組んできたガバナンス強化に加え、社 70回定時株主総会で社外取締役3名(うち2名を独立役員として) 外取締役3名それぞれの持つ知見を最大限経営に活かしています。 独立役員の選任方法 当社としての独立性に関する基準又は方針はないものの、選任にあたっては、東京証券取引所の独立役員の独立性に関する判断基準 等を参考にしております。その内容は以下の通りです。 ア. 当社又は当社の関係会社の業務執行者でないこと イ. 当社を主要な取引先とする者又は業務執行者でないこと ウ. 当社の主要な取引先又はその業務執行者でないこと エ. 当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家、法律専門家でないこと オ. 当社の主要株主でないこと カ. 当社又は当社の関係会社の会計参与でないこと 監査役監査および内部監査の状況 カゴメは、2006年4月の取締役会において、 「内部統制に や意見交換を行う等、緊密な相互連携をとっております。 関する基本方針」を決議し、 「業務の有効性・効率性」 「財務報告 当社の内部監査は、内部監査室3名で組織され、各事業所 の信頼性」 「法令等の遵守」 「資産の保全」の達成に向け継続的 の業務活動が、法令、諸規程および経営方針・計画に準拠し、 に取り組んでいます。 適正かつ効率的に運営されているか否かを検討し、経営の合理 当社の監査役会は、監査役4名で構成されます。取締役の 化・業務効率の改善向上に資することを目的としております。 職務執行について、監査役会の定める監査方針および分担に従 監査において発見された問題点については、都度情報交換・ い、各監査役が監査を実施しております。また、当社が監査契 意見交換を行い、必要な対策または改善措置を立案・実行して 約を締結している名古屋監査法人から年間会計監査計画の提 おります。また、内部監査室による監査に監査役が立ち会う等、 出・会計監査実施結果の報告を受けるほか、適宜、会計監査人 監査機能の精度向上や連携を図っております。 による監査に立ち会うとともに、会計監査人と定期的な情報交換 役員報酬 当社の役員報酬等は、基本報酬および業績に連動した役 役員賞与およびストックオプションは、全社業績としての連結 員賞与、ストックオプションにより構成されており、役位別に基本 経常利益率と役員個人の貢献度を基にして決定しております。 報酬と役員賞与、ストックオプションの構成割合を定めています。 なお、当社は、役員報酬等の決定の透明性および客観性を高 基本報酬は、株主総会で決議された総額の範囲内において、 めるために取締役会の諮問機関として報酬委員会を設置してい 使用人の最高位の年収を基礎とし、その職位毎に役割の大きさ ます。また、監査役報酬については、株主総会にて決議された総 に応じて決定する固定報酬としております。 額の範囲内において、監査役会の協議により決定しています。 36 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 組織統治 コンプライアンス 「開かれた企業」としての指針 カゴメは、役員・従業員が相互に個性・能力を認め合い、公正・ この理念は、カゴメグループの役員・従業員一人ひとりの日々 透明な企業活動に努めることを旨とする「開かれた企業」という の行動を通じて初めて実現するものであることから、カゴメでは 企業理念を掲げており、グループ各社もこの理念に基づいた 行動指針となる「カゴメ行動規範」を制定して、グループの全役 企業活動を展開しています。 員・従業員にその遵守を徹底しています。 KAGOMEの行動規範 ● お 客様との関係 私たちは、 「自然を、おいしく、楽しく。KAGOME」を実現す るため、お客様とのコミュニケーションを大切にし、お客様に とって安全で安心な商品を提供します。 ● 社 会との関係 私たちは、企業市民としての責任と義務を自覚しつつ、社会と の共生に努めます。 ● 従 業員との関係 私たちは、基本的人権を尊重し、安全で働きやすく、自主活力 あふれる社風の実現に努めます。 ● 取 引先・業界・行政との関係 私たちは、独占禁止法や不正競争防止法、知的財産関連法規 等を遵守して公正で透明な取引を行い、フェアな競争を実施 することで業界の発展に寄与します。 ● 地 球環境の保全と調和 私たちは、様々な恵みによって人々の健康な生活を支える地 球環境に感謝し、地球環境と調和の取れた企業活動を続けて いきます。 ● 株 主・投資家との関係 私たちは、企業情報の開示および積極的なIR活動を通じて、 株主・投資家の皆様に理解を深めていただくとともに、持続的 な企業価値の向上に努めます。 私たちは、国際ルール・現地法令を遵守するとともに現地の文 化慣習を尊重します。 http://www.kagome.co.jp/company/about/code.html ▲ カゴメ行動規範(全文) ● 国 際社会における法令順守 コンプライアンス推進体制 カゴメグループでは、代表取締役社長を議長とする総合リスク 確認等を行っています。検討結果については、総合リスク対策会 対策会議の下に、コンプライアンスを管掌する取締役常務執行役 議等を通じて取締役会メンバーへ報告がなされています。委員会 員を委員長とし、常勤監査役をメンバーに含む「コンプライアンス 事務局である法務部門が中心となり、日々コンプライアンスを推進 委員会」を設置し、コンプライアンスの推進やモニタリング状況の しています。 コンプライアンス徹底のためのさらなる取り組み 国内カゴメグループでは、 「カゴメグループ コンプライアンス イアンス社内講座については、当社の人事制度におけるスキル 実施規則」を制定し、前述した「コンプライアンス委員会」の下、 ポイント制度と連動させており、管理職に昇格するための要件 事務局である法務部門が中心となってカゴメグループのコンプ の1つに位置付けております。 ライアンスの徹底を図っています。 研修においては、社会動向や社内での事例を踏まえ、内容の 活動としては、コンプライアンスに関連する案件の事前チェッ 更新を図るよう努めており、2013年度の研修においては、食品 ク、コンプライアンス関連情報の発信のほか、新入社員研修や の表示偽装、ソーシャルメディアの利用に関する注意点、パワー 新任管理職を対象とした集合研修やEラーニングを通じた啓 ハラスメント等についても取り上げ、従業員の意識向上を図って 発、ケーススタディ、グループディスカッションを取り入れたコン おります。 プライアンス社内講座などを継続的に実施しています。コンプラ 37 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 コンプライアンス カゴメ コンプライアンスホットライン 国内カゴメグループでは、職場での違法行為やそのおそれが また、コンプライアンスホットラインの通報先や業務・行動に ある行為などについての相談や通報のための制度「カゴメ コン 関するコンプライアンス面でのチェックポイントを記したコンプ プライアンスホットライン」の社内窓口をコンプライアンス委員 ライアンスカードを作成しており、派遣社員を含む全従業員に 会事務局に、社外窓口を外部法律事務所内に設置しています。 配布しています。配布の状況についても、年2回の内部監査で 窓口から連絡が取れることを前提に匿名での通報も可能とする チェックを行い、制度の周知が徹底されるよう努めております。 など、従業員の利用のしやすさにも配慮しています。 海外グループ企業でのコンプライアンスについては、重要な 寄せられた通報については、通報者が不利益を被ることのな 課題として認識しており、2014年から米国のグループ会社を対 いようプライバシーの保護を図るとともに、速やかな調査と適切 象に海外内部通報制度を導入し、運用を開始しました。今後、各 な措置・対策を講じています。また、措置・対策を講じた事案につ 国の関係企業に拡大を図ってまいります。 いては、通報者や関与者が特定できないようにしたうえで、社内 今後も、これらの制度を適切に運用していくことで、違法行為 で共有化し、類似事案の再発防止を図っています。2013年度 の未然防止、早期発見に努めていきます。 は19件の相談・通報があり解決にあたりました。 ソーシャルメディアポリシー 急速に普及し、社会に不可欠なものとなっているソーシャルメ ゴメグループの従業員におけるソーシャルメディア利用の基本 ディアは、高い利便性を持つとともに、内容によっては本人の意 方針・ガイドラインを制定しました。 図を離れ、大きな社会的影響を引き起こす力があり、利用の際に 特にガイドラインは、実際の利用場面での留意事項が明確と は十分に留意する必要があります。 なるよう、①ソーシャルメディアの特性②してはならない書き込 そこで、的確で効果的な利用を図っていくため、2011年にカ みの事例を示し、具体的に注意喚起を図っています。 38 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 組織統治 さまざまなリスクへの対応 全社的なリスクマネジメント体制 カゴメは、リスク管理体制の充実を図るため、5つの委員会を ● 研究倫理審査委員会 設置し、さらにリスク管理の統括機関として、総合リスク対策会 研究開発段階で行われるヒトを被験者とした効用・安全性の確 議を設置しています。総合リスク対策会議は取締役、一部の執 認試験が、被験者個人の尊厳や人権を損なわないものであるか 行役員、監査役をメンバーとして、リスク対応方針や重要リスク どうかを事前に審査するために当会を設置しています。委員会 対応課題について検討し、迅速な意思決定を図るための会議です。 は、研究開発部門以外の社員と社外の医学専門家、弁護士で構 ● コ ンプライアンス委員会 成されており、中立的な立場から、研究の目的、方法等の倫理的 コンプライアンスの推進のための委員会を設置しています。 妥当性および科学的正当性を審査できる体制としています。 当委員会の事務局には、コンプライアンスホットラインの窓口を ● 投資委員会 投資に関するリスクの測定・評価を行うため、投資起案部署か 設け、従業員などからの相談や通報を受け付けることにより、社 ら独立した形で当会を設置しています。 会規範や倫理に反する当社および当社の従業員の行為の未然 防止、早期発見に努めています。 ● 情報セキュリティ委員会 代表取締役社長 全社において保有する、個人情報をはじめとする重要情報の 総合リスク対策会議 保護に関する基本方針および適正な管理体制・運用についての ルールの設定と実施状況の監査を行い、適法性の確保および情 への対応、品質事故の発生防止、法改正への対応、表示の適正 化など、当会設置により、社内外の対応の精度向上とスピード 投資委員会 品質保証強化を目的に、毎月開催しています。お客さまの声 研究倫理審査委員会 品質保証委員会 品質保証委員会 ● 情報セキュリティ委員会 コンプライアンス委員会 報漏洩等の事故防止を図るため、当会を設置しています。 アップが図られています。 個人情報保護 カゴメは、お客さまをはじめとするステークホルダーの方々から この認識の下、 「プライバシーポリシー」を制定し、社外への お預かりした個人情報を適切に利用し、保護することが、企業とし 流出防止対策はもとより、外部からの不正アクセスなどによる ての社会的責任であり、事業活動の基本であると認識しています。 漏洩対策を徹底し、個人情報の保護に努めています。 知的財産権保護 カゴメは、特許権や商標権といった知的財産権を企業価値の 術・ネーミング等を見きわめ、オリジナリティの高い研究・開発を 向上や競争力の強化に不可欠なものと位置づけており、自らの 推進しています。 事業活動の自由度を損なうことのないよう、その積極的な取得 さらに、新入社員や研究開発本部・商品企画部・営業推進部門 を推進しています。 などの研究・開発・営業企画に携わる社員を対象に、知的財産権 また、知的財産権については、他人の権利を尊重するととも 保護の意識と社員の自己判断力・リスク察知力の向上を目的とし に、研究・開発の初期段階から、権利の重複を避けるために、特 た研修を実施しています。 許権・商標権などの調査を行うことで独自の権利を確保できる技 39 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 さまざまなリスクへの対応 クライシスマネジメントの強化 カゴメでは、天災や不慮の事故の発生時に企業活動を速やか に回復できるよう、防災体制を構築してきましたが、東日本大震 災での甚大な社会インフラ被害により、迅速に機能できなかっ た事象を教訓として、災害への対応体制の一層の整備を進めて います。 具体的には、全従業員に震災対策知識とカゴメの震災対策を まとめた『カゴメ震災対策ハンドブック』 を配布するとともに、安 否確認を複線化した手段で実施し、迅速に情報を確認する「災 害掲示板」システムの開発、災害に強いMCA無線の導入による 安否確認システムの運用画面 全社連絡体制の強化などです。 震度6以上またはそれ以下でも影響が大きいと判断される震 災が発生した場合は、 「災害対策本部」を速やかに社内設置する とともに、国・自治体とも連絡・調整を図りながら、被災地支援と 企業活動の早期復旧に向けた体制構築にも取り組んでいます。 その他 「揺れてからでは身を守ることは困難」という考えの 下、揺れる前に震度と揺れまでの秒数が館内放送で流れる「緊 急地震速報システム」の設置を進めています。このシステムを カゴメの震災対策ハンドブック サバイバルカード 使い、身を守る訓練を繰り返し行っています。 事業継続計画(BCP)から事業継続マネジメント(BCM)への取り組み カゴメでは、東日本大震災で自らも大きな被害を受けるととも に、お客さまの健康な食生活を支えるライフライン企業として 事業継続に向けたマネジメント体制の強化の必要性を痛感し ました。そこで、2009年に流行した「新型インフルエンザ」に 対し策定した事業継続計画をベースに見直しを行い、 「カゴメグ ループ災害対策基本行動計画」の制定と運用を実施。東日本 大震災の経験を踏まえて、海外子会社との連携も含めたBCPの 見直しを全社で進め、事業継続マネジメント(BCM)への取り 組みを進めております。 社内報臨時増刊号 40 カゴメグループ災害対策基本行動計画 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 組織統治 株主・投資家への責任 情報開示と経営監視機能の強化 カゴメは、株主や投資家の皆さまにフェア(公平)シンプル(平 いった株主の皆さまとの直接・間接的な対話と交流活動を通じ 易)タイムリー(適時)な情報提供を行うとともに、株主総会やセ て、その結果得られるご意見やご要望を企業活動に反映させ、 ミナー、事業所モニター見学会などの開催、アンケートの実施と 経営監視機能を強化しています。 株主の皆さまとの「対話と交流の会」 カゴメでは株主の皆さまを、親しみを込めて「ファン株主」と呼 それぞれの「対話と交流の会」の模様はホームページや株主 ばせていただいています。より深くカゴメを知り、さらなるご支持 向け小冊子で紹介しています。 をいただくことに加え、いろいろなご意見をいただけるよう、広 今後ともカゴメは「お客さま資本」の会社として、これまで いエリアの多くの株主の皆さまと「対話と交流の会」を開催して 以上に株主の皆さまとの対話と交流活動を活発に展開して います。 いきます。 株主総会 カゴメはより多くの株主の皆さまに株主総会に参加していた しているクールビズスタイルでの総会について、2014年も宮 だけるよう1998年から他社の株主総会が集中する日を避け 城県の企業に製造を委託した「カゴメ震災復興ポロシャツ」をカ て、前倒し・単独開催しています。招集ご通知添付の報告書は ゴメスタッフが着用し総会を運営しました。このポロシャツの社 2010年から分かりやすいQ&A方式を採用し、2011年からは 員の購入代金の一部は被災地の子供たちの進学支援に活用し 回答を写真付きで説明するなど、より興味深く読んでいただける ています。 ように工夫を重ねています。 また、東日本大震災以降のカゴメの取り組み状況について、 ホームページや報告書、株主総会の議長説明や映像、ロビー展 示を通してタイムリーな情報開示を行い、株主さまのご意見を直 接いただくことを心がけています。 2014年6月18日開催の第70回定時株主総会は、過去最多 の2,683名の株主の皆さまにご参加いただき、102分にわたる 審議を行いました。議決権行使の結果は株主総会参加の株主分 を含め、ウェブサイトにて開示しました。また、2009年から採用 第70回定時株主総会 健康応援セミナー 株主の皆さまの健康な生活を応援するため、健康応援セミ ナーを2014年3月に名古屋で開催し、約1,000名の株主の 皆さまに参加いただきました。セミナーでは社長あいさつに続 き、研究員が、 「食と運動でロコモ予防」をテーマとして講演 を行いました。また、春夏注目の新商品について営業担当者 から紹介いたしました。会場ロビーでは、講演内容や安心・安 全なカゴメのモノづくり、経営課題への取り組み等についてパ ネル展示を行い、株主の皆さまと役員・社員が直接に意見交 換を行いました。 名古屋での健康応援セミナー 41 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 株主・投資家への責任 事業所モニター見学会 カゴメの製造現場等を深く知っていただくことを目的に、事業 所モニター見学会を実施しています。2014年7月には生鮮トマ トを栽培しているいわき小名浜菜園、8月は富士見工場と那須 工場とで開催しました。工場内外のトマト畑では、 トマトジュース 専用の加工用トマト「凛々子」の収穫体験を通じてカゴメの原料 へのこだわりを実感いただいたほか、工場ラインでは安心・安全 なモノづくりの現場をご覧いただきました。また、生態系をはじめ 環境も大切にする企業姿勢も体感していただきました。 いわき小名浜菜園 食卓からの家族の健康応援! セミナー 食を通してカゴメの提供価値を実感していただくことを目 的として、 「食卓から家族の健康応援!セミナー」を開催して います。2013年度は、9月仙台、10月札幌、2月横浜・さいた まで開催しました。185名の株主さまとそのご家族やご友人に ご参加をいただき、 トマトの健康効果や新商品とおすすめレシ ピをご紹介するとともに、株主さまと社員で直接意見交換を行 さいたま いました。2014年度も開催を予定しています。 仙台 経営監視 カゴメは、多くの株主さまの目でカゴメの企業活動や経営成績 年9月末に総株主数が10万名を超え、2014年3月末現在で約 についてご評価いただくことが、経営監視機能の強化につなが 20万名になっています。 ると考え、2001年度から「ファン株主10万名づくり」に取り組 今後とも、株主の皆さまからいただいた貴重なご意見・ご要望 んできました。その結果、当初予定よりも1年半前倒しで2005 期末総株主の推移 (名) 200,000 137,895 137,784 139,026 142,106 150,000 100,000 67,361 76,142 199,878 170,972 168,358173,352 150,960 87,701 44,415 50,000 0 を企業活動に適切に反映させていきます。 6,549 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013(年度) 42 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 株主・投資家への責任 株主政策 配当方針 株主の皆さまへの利益還元は経営上の最重要課題のひとつ を目安に、安定的な現金配当を目指しております。また、内部留 です。2014年3月期の配当金は、1株当たり22円でした。こ 保金につきましては、企業価値向上のための成長投資等に活用 の結果、連結配当性向は42.8%でした。カゴメは中期経営計画 し、将来の事業発展を通じて、株主の皆さまに還元させていた 「Next 50」の開始年度である2013年度より配当性向40% 配当金(1株あたり)と連結配当性向の推移 (円) 25 配当金(1株あたり) 連結配当性向 20 15 15 15 10 5 2008 200 22 160 15 50.1 120 80 60.3 42.5 35.8 2007 (%) 20 18 15 74.7 0 だきます。 2009 2010 2011 42.8 30.7 2012 40 2013 (年度) 株主優待 カゴメでは株主優待制度として年2回カゴメ商品を全国一斉 ことを主旨にしています。そのため、毎回アンケートによって株 にお届けしています。株主優待制度は株主還元とは一線を画 主さまのご意見・ご要望を伺い、企業活動に活かしております。 し、株主の皆さまに商品を通してカゴメをよりよく知っていただく 格付 カゴメは企業信用力の評価としてR&I(格付投資情報セン R&I(格付投資情報センター) 取得しています。 http://www.kagome.co.jp/company/ir/stock/grading.html ▲ 格付情報 43 A J-1 長期格付け (シングルエーフラット) (シングルエーフラット) A ター)とJCR(日本格付研究所)の2社から、以下の信用格付を JCR(日本格付研究所) 長期格付け 短期格付け K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 労働慣行 雇用の維持と多様な働き方の尊重 人事に関する基本的な考え方 グローバルHR※ポリシー (1)カゴメには110年あまりの歴史を通して、人を大切にするという基本原則がある (2)カゴメで働く人たちは、カゴメグループの最も重要なステークホルダーである (3)マネジメント・ポリシーや仕組みを作るためにはツールが必要 ①ジョブ・グレード ②評価の仕組み ③サクセッション・プラン・プログラム(後継者育成プログラム) ※ HR : Human Resources この3つが重要な共通のツールとなり判断の基準となる カゴメグループは、2013年度より、従業員の多様化する働き ①2013年7月より「取締役報酬・評価制度」を施行 取締役の 方に対応するため「グローバル人事制度」の仕組みづくりを進め 報酬構成において変動報酬の割合が増え、業績に連動して ています。この制度は、全世界の従業員が自分に合うキャリアを 負う責任の割合を以前より厚くしています。 自分で選択するオーダーメイド型の人事制度で、世界中どこに ②2014年7月より①の考え方を拡充し「執行役員・コミットメント いてどんな仕事をしようとも公平な基準で評価され公正な処遇 スタッフ評価・報酬制度」を施行 を受ける事ができることを目指しています。 ③2014年7月より「グローバル・ジョブ・グレード」を役員・コミット カゴメグループ「グローバルHRポリシー」にも基づき、2014 メントスタッフ職に施行 職務の大きさと市場価値を考慮して 年8月時点で3つの制度を導入・施行しています。 グレードを設定し、そのグレードに応じて各種の人事施策を 行う制度で、日本特有の年功的要素をなくすとともにカゴメ グループ共通の育成・登用等の施策の実施を目指します。 課長職は今後の施行を予定しています。 公正・公平な雇用条件と制度 カゴメは、国籍・信条・性別・社会的身分によって差別することな 児・介護といった家庭生活に対する、支援策や手続き方法、情報 く、従業員同士が多様な価値観を認め合い、個々の従業員が持 などを取りまとめた出産・育児期の従業員向けの「仕事と家庭の てる能力を最大限発揮できることが大切であると考えています。 両立支援サイト」を開設しています。 その一環として、多様な働き方やライフプランを尊重し、 「自 また、採用においても、社会のグローバル化に合わせ、2011 己都合退職者の再雇用制度」や「育児短時間勤務制度」などの 年から従来の春採用(新卒)に加え、夏採用(新卒/既卒)も取 整備・拡充を推進しています。 り入れ、候補者一人ひとりの個性や持ち味を活かしていただく 社内イントラネットでは、仕事と家庭のバランスを保ち、活き 機会を大切にしています。 活きとした生活を送りたい方を応援することを目的に、出産・育 新卒採用実績推移 (人) 100 50 0 29名 34名 2010 2011 47名 54名 2012 2013 2014 (年度) http://www.kagome.co.jp/company/recruit/index.html ▲ 就職希望の皆さまへ(新卒採用情報) 50名 44 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 雇用の維持と多様な働き方の尊重 雇用状況の推移(カゴメ) 2009 正社員数 2010 2011 2012 2013 男性 1,228 1,197 1,198 1,212 1,197 女性 336 346 344 353 364 1,564 1,543 1,542 1,565 1,561 39.6 40.0 40.2 40.3 40.1 1.5 1.0 1.3 0.9 0.7 計 平均年齢 離職率 ※正社員数、平均年齢は、有価証券報告書の数値 ※離職率は、 自己都合退職者の率 地域別従業員数の推移(カゴメグループ) 2009 日本 米国 欧州 アジア オセアニア 正社員 2010 2011 2012 2013 1,690 1,672 1,670 1,687 1,689 786 980 1,029 1,007 1,019 66 59 56 56 165 304 265 239 249 294 36 37 81 163 204 臨時雇用 148 119 73 253 286 正社員 239 244 259 268 256 12 22 76 50 42 臨時雇用 正社員 臨時雇用 正社員 臨時雇用 正社員 - 33 35 35 35 臨時雇用 - 67 51 2 2 自己都合退職者の再雇用制度 カゴメでは、仕事と家庭の両立支援強化の一環として、自己 の事業所で人員の需要が発生した際に、事前に登録した退職者 都合で退職した従業員を再び受け入れる「自己都合退職者の再 から希望者を募集し、キャリアを考慮し期間契約社員として再雇 雇用制度」を2006年から導入しています。 用する制度です。 この制度は、結婚や配偶者の転勤などの事由のほか、他社へ 2014年7月末現在、71名が登録しており、これまでに9名が の転職者も含む自己都合退職者すべてを対象としており、全国 再雇用され、内4名が現在在籍しています。 育児支援 カゴメでは、仕事と育児の両立を目指す従業員を支援するた め、 「育児短時間勤務制度」を整備しています。子どもを持つ従 業員は、子どもが小学校3年の年度末まで、1日2時間を上限に 労働時間を短縮することができます。 2013年度は50名、2014年度は7月末までに11名が新たに この制度を利用しています。 仕事と家庭の両立支援サイト 45 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 雇用の維持と多様な働き方の尊重 定年退職者の再雇用 カゴメでは、定年退職者の高いスキルや豊富な経験を十分に ていますが、市場価値の高い方については、市場価値型の処遇 活用するとともに、退職者に働きがいを持って勤務してもらうこ にて雇用し、また、業務特性によっては、勤務時間を通常の3/5 とを目的に、2006年度から「定年退職者の再雇用制度」の上限 にして雇用する形も用意しております。 年齢を65歳としています。 再雇用希望者は定年退職者の約8割で、2014年7月末現 通常は年金を前提としないフルタイム勤務の形態で再雇用し 在、81名を再雇用しています。 障がい者の雇用 なお、2014年6月1日現在のカゴメの障がい者雇用率は、法 カゴメの東京本社をはじめ各支店、工場では、多くの障がい者 定雇用率である2.0%を上回る2.36%でした。 が勤務しています。 障がい者雇用率年度平均の推移 (雇用率) 2.14 2.2 2.0 1.88 1.8 1.96 1.97 2011 2012 1.80 1.6 1.4 1.2 1.0 2009 2010 2013 (年度) セクハラ相談窓口 カゴメでは、従業員が活き活きと働ける会社の実現を目的とし 年度にはさらなる相談のしやすさを考慮し、社外窓口も設け環境 て、全従業員の啓発に加え、従来からコンプライアンス委員会事 の充実を図っています。 務局を窓口に「セクハラ相談窓口」を設けてきましたが、2007 46 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 労働慣行 従業員の能力やモチベーションの維持・向上 従業員育成の基本的な考え方 カゴメでは、従業員個人の成長が企業の発展につながるとの その一環として、従業員の自発的な成長を支援する「自主キャ 認識に基づき、従業員の声に耳を傾けながら、適材適所で持て リアプラン」を推進しています。 る能力を最大限に発揮できる制度の整備や、自主活力にあふれ た社風の創出に取り組んでいます。 人材育成方針 自身の能力保有度や発揮度を棚卸し、能力開発への気付きとす 己実現とカゴメの成長に向かって努力を続ける「姿勢」と、世間 る「アセスメント」の場を増やし、評価制度や任用とも連動した 基準に対し高いビジネスリテラシーと、カゴメパーソンとしての 「教育施策」を用意することで、各自の「弱み」や「強み」をフォ 専門知識やスキル両方の「能力」を兼ね揃え、カゴメを深く知り ローし、能力や希望に併せた「テーラーメイド型の人材育成」を (愛し)、社内外に対してオープンに伝えたいという「マインド」 実現していきます。 を持った人材が多数存在する状態、つまり「マーケットで戦える それらの施策により、自らの意思と責任で学ぶ内容を選択し、自 人材集団」を目指していきたいと考えています。 自主キャリアプランの実現 が考える「将来ありたい姿」の実現を支援する各種制度を整え カゴメでは、自らが主体者となり、自らの頭で考えて行動する ています。 「自主」という考え方を尊重しており、従業員一人ひとりの自ら 「将来ありたい姿」の実現を支援する主な制度 ● 自 己申告制度(全従業員が対象) 中長期のキャリアプランや能力開発の取り組みを上司・ 部下間で共有し、人材育成に活用する制度 ● キ ャリア異動希望制度・社内公募制度(希望者のみ) 自分から手を挙げることによって希望する仕事に就ける チャンスを増やす制度 ● カ フェテリア型教育・研修 各従業員のニーズに合った能力開発支援型の教育・研修 2013年度版カゴメ自己啓発ガイド 47 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 従業員の能力やモチベーションの維持・向上 教育・研修による能力向上 カゴメでは、 「人に対するリスペクト」を大切にし、個々の成長 ● 新卒入社3年目までの若手層に対しては「自主的に学ぶ」土 への舞台装置として機能する人材開発施策を用意しています。 台形成が必要であるとの考えから、集合研修の機会を設けて ● 外部の客観的視点により、 自身の能力保有度や発揮度を棚卸 います。 し、能力開発への気付きとする「アセスメント機会」を設けて ● ● 職種別には、各部門(営業・生産調達・研究等)が教育プログ います。 ラムを設計・実施しており、 「専門スキルの習得」を支援して 職位等級に制限を設けず、参加者を募集する「選択型ビジネ います。 ススキル研修」を開催し、 「自主的に学べる環境」を整えてい ます。 研修体系の全体像 等級 全部門共通実施 部門/職種別実施 個の自律 個別課題の解決 自己の棚卸 課題の発見 専門スキルの習得 アセスメント N1∼2 入社 3年目まで ◆コミュニケーション研修 ◆マーケティング研修 ◆財務研修 ◆リーダーシップ研修 入社3年次研修 入社2年次研修(新設検討) 新入社員研修/新入社員フォロー研修 また、カゴメでは「新入社員研修」 「50歳ライフプラン研修」 をはじめとする教育・研修を提供し、従業員の知識獲得や技能向 上を支援しています。 全従業員が受講する研修 ● 新 入社員研修 新入社員が一定期間各部門で研修し、会社全体の活動を 実体験する研修 新入社員研修でのトマト収穫体験 ● 5 0歳ライフプラン研修 50代を迎えた全従業員が、その後のライフプラン設計を 考える研修 48 本社各部門︵スタッフ︶ N3 営業部門 ◆論理的思考力研修 研究開発部門 職種別教育体系 【選択型研修(新設)】 生産部門 N4 課長昇格アセスメント N4昇格アセスメント N3昇格アセスメント 入社 3年目まで K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 従業員の能力やモチベーションの維持・向上 キャリアカウンセリング相談窓口 自主キャリアプランの実現に向けて、キャリア開発・進路相談・ ングを実施しています。人事部が窓口となり、キャリアカウンセ 悩み相談を通して、組織への貢献と自身の働き甲斐のマッチン ラー資格保有者がカウンセリングを行っています。2013年度の グを支援し、自己解決に導くサポートとして、キャリアカウンセリ 利用者数は107名でした。 従業員の表彰 カゴメでは、従業員に対する各種の表彰制度を用意し、従業 員のモチベーションの維持・向上に努めています。 主な従業員表彰制度 ● 永 年勤続者表彰(10年、20年、30年) 勤続者に対する表彰制度。入社後10年ごとに表彰 ● 特 別表彰制度 品行方正・技術優秀・業務に熱心で、かつ他従業員の模範とな る従業員や、災害の未然防止または災害発生時に特に功労の あった従業員に対する表彰制度 ● 発 明表彰制度 業務上有益な発明・改良・工夫・考案を行った従業員に対する 表彰制度 公正な評価・処遇 従業員に健全な競争意識が生まれ、モチベーションが上がる していく仕組みです。上司・部下間で、目標設定セッションや進捗 ことで、 「頑張れば報われる」企業風土につながる評価制度の構 セッションおよび課題・達成度確認セッションを行い、仕事の成果 築を目指しています。カゴメでは全コース社員に目標管理制度 やプロセスを振返り、翌期の業務課題や人材育成課題の発見に を導入しています。会社の経営計画を達成していくために、個々 つなげています。考え方や進め方は「人事制度ハンドブック」に 人の目標を組織目標と連鎖させた上で、具体的かつ明確に設定 詳細を記述し、社内イントラネットで全社員に共有しています。 360度観察制度 管理職を対象に、360度観察を毎年行っています。日常のマ 部下育成課題の形成につなげています。管理職自身に気づき ネジメント行動について、本人を含め、上司と部下からも多面的 を与え、マネジメント行動を変革する仕組みとして活用して な診断を行い、本人と他者との認識ギャップをフィードバックし、 います。 評価についてのアンケート実施 人事評価制度運用の一環として、運用実態調査を半期に1 の実態調査により定期的に確認し、改善していくことを目的とし 回、定期的に実施しています。人事評価制度は、セッションや面 ています。具体的には、前年度の評語確定時や本年度の目標設 接など、評価の手続きを確実に実行することによって、納得性が 定時において、セッション・面接の有無や評価の納得度等につい 高まり、本来の目的である人材育成が達成されると考えていま て回答するものです。結果は通達にて発信し、全社員に共有し す。人事評価制度が適正に運用されているかどうかを全員参加 ています。 49 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 労働慣行 職場環境の整備 安全で働きやすい職場環境づくり 企業が競争力を維持し続けるためには、従業員が健全な状態 として、健康診断やメンタルヘルスケアなどを実施し、安全で働 で、安心して活き活きと働ける職場環境を整備することが重要 きやすい職場環境づくりを進めています。 です。 なお、中央労使協議会は年2回、支部労使協議会は各支部、 カゴメでは、経営のパートナーであるカゴメ労働組合と協力 最低四半期に1回行うことを原則としています。 し、安全衛生管理体制をはじめ、過重労働の防止に関する施策 労働安全衛生教育 カゴメでは、通信教育での安全衛生管理に関する知識の習得 労働安全衛生に対する意識の向上に努めています。 を、管理職昇進前の資格等級への昇格要件の一つとするなど、 過重労働の防止 カゴメでは、従業員が生産性を向上させつつ、健康にかつワー 2008年9月からは、新しい勤怠管理システムを導入し、勤務 クライフバランス(仕事と家庭の調和)を保って働き続けられる 時間の週次マネジメントを行い、長時間労働の発生防止に努め よう、管理職研修での周知徹底や残業時間管理、パソコンの稼 ています。 動状況管理などを実施し、過重労働の防止に努めています。 1ヵ月当たりの従業員平均残業時間 (時間) 20 18.4 16.6 16.2 2010 2011 17.5 17.3 2012 2013 10 0 2009 (年度) 健康の維持・メンタルヘルスケア カゴメでは、企業が健全であるためには、そこで働く従業員が また、メンタルヘルスについては、国内の各事業所に窓口担 健全であることが大前提であるという考えの下、全従業員を 当を設けています。 (2013年度は61名を選任)事業所内のモニ 対象に定期健康診断、定期歯科検診、インフルエンザ予防接種 タリングや状況のとりまとめ、休職者(治療中)の窓口および を毎年実施しているほか、30歳以上の従業員には配偶者も 人事部への情報提供、復職支援・復職後のフォロー等の役割を 含め人間ドックの受診を奨励・支援しています。 担っています。 また、国内カゴメグループでは、メンタルヘルスケアにも積極 2013年度では、メンタルヘルスケアへの支援体制強化を目 的に取り組んでいます。カウンセリング機関などで悩みやストレ 的に、窓口担当の集合研修も行いました。その他では、新入社員 スを無料で相談できる制度や、心の状態をセルフチェックできる や新任管理職にメンタルヘルス研修を毎年実施しています。 制度を整えています。 50 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 職場環境の整備 交通安全への取り組み 従業員や家族、関係者を一瞬にして不幸にしてしまう交通事 また、交通安全への意識向上と維持を行うため、全社で交通 故を撲滅すべく、カゴメは様々な交通安全への取り組みを行って 安全キャンペーンを定期的に開催しています。 います。 その他、運転未熟な新入社員には、教習所での訓練や先輩に 運行データや車内外の映像が記録される車載器を全社有車 よる同乗訓練を行い、交通事故の防止に努めています。 に設置し、交通事故の未然防止や再発防止に努めています。 労使関係 ● 中 央労使協議会(年2回) カゴメでは、単一の労働組合である「カゴメ労働組合」と定期 2013年度は決算内容の確認、2014年度決算期変更に伴う 的に労使協議会や業績説明会を開催しています。 人事処遇制度運用に関して、業務生産性向上に向けた取り 給与等の処遇、人事制度改定等については、労使協議をし、 組みについて協議されました 労使合意の上で実施しています。 ● 第 1四半期、第2四半期、第3四半期業績説明会 (年3回) 2 0 1 4 年 8月1日現 在 、役員・管 理 職を除く正 社員の内 、 四半期決算内容に関する確認、次期以降の課題・施策に 1,068名が加入しています。 ついて意見交換 ● 支 部労使協議会(四半期に1回以上 ※工場は毎月) マネージャー・組合員間の対話による職場の改善・活性化 実施している主な労使協議会 中央労使協議会 年2回 第1四半期、第2四半期、 第3四半期業績説明会 年3回 支部労使協議会 四半期に1回以上 ※工場は毎月 51 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境 環境方針と中期環境計画 新環境方針 カゴメグループの考えるサステナビリティの実働とグローバル 新・環境方針 なEMSへの転換を目指し、1999年に制定したカゴメ環境方針 を2 0 1 3 年 度に、新・環 境 方 針として再 制 定いたしました。 カゴメは、様々な恵みによって人々の様々な生活を支える また、第5期中期環境計画においては、10年後のカゴメ像を実 地球環境に感謝し、こうした地球環境と調和のとれた企業 現するために、 「人・社会・地球環境の健康長寿に貢献すること」 活動を続けるために、以下の環境方針を掲げます。 を通じて、事業の持続可能性を戦略的に高めることを目指し、各 1 関連部署との協議を重ね設定いたしました。 原材料と商品への配慮 人 々の健 康や 地 球 環 境に配 慮した原 材 料を使 い 、安 全で 今後、この新・環境方針と第5期中期環境計画を基に、国内 価値ある商品の提供に努めます。 外のカゴメグループ環境経営を推進し、活動を推進してまいり 2 ます。 廃棄物削減・資源循環 地球の資源を無駄無く活用するとともに、廃棄物の削減を 目指します。 3 CO 2削減 地球温暖化につながるCO 2の排出抑制に努めます。 4 全員参加の活動 全ての事務所で、環境保全活動に取り組みます。 第5期中期環境計画(2013~2015年度) 第5期中期環境計画の方向性 従来から継続する環境側面の課題に加えて、サステナビリティ への取り組み課題も盛り込み、以下の方向性を立案しました。 ● 農 産 原 料 の サステナブ ル な調 達: トマトを中 核 にした グループ全体での取り組み ● 水への配慮、原材料の最大活用と3Rの推進、CO2削減 ● コ ンプライアンス強化のための法規対応力向上 ● 「Think GREEN KAGOME」の全社員・組織浸透:社内運 動論展開 ● 環 境マネジメントシステムの高度化:国内の再構築、海外 実態把握、グループ体制の構築 52 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境方針と中期環境計画 第5期中期環境計画 基準年度2012年(達成年度2015年度) 環境方針 【1】原材料と商品への配慮 行動基準 環境方針の実現に向けての 行動のあり方 ①農産物のサステナブルな調達 人々の健康や地球環境に配慮し た原材料を使い、安全で価値 ある商品の提供に努めます。 課題 農産物のサステナブルな調達の実現 ・ トマトの持続可能な調達の達成 ・ トマト以外の原料の持続可能な調達の計画策定 調達先と連携した環境配慮の推進 ・CSR調達基準の運用による調達先の評価、リスク低減 ②環境に配慮した商品の導入 【2】廃棄物削減、資源循環 第5期中期環境課題(2013-2015) 環境配慮型商品の設計・提案 ・環境配慮型容器の研究、設計、評価 (容器重量減、リサイクル適正、新素材評価等) ①原材料の最大活用と3Rの推進 地球の資源を無駄なく活用する 国内7工場における植物性余剰物・汚泥再資源化率100%の維持 国内7工場における廃棄物の削減と再資源化 ・国内7工場でのゼロエミッション維持 ・生産余剰物量(生産量対比)を3%以上削減 とともに、廃棄物の削減を目指し ます。 食品リサイクルの推進 ・食品リサイクル率85%の達成(食品リサイクル法の適正対応) 生鮮トマト栽培時の資源有効利用 原料調達および流通段階での廃棄物削減 ・原料調達における輸入製品、原材料のロス削減 ②水への配慮 【3】CO 2削減 ①CO2削減 地球温暖化につながるCO2の 排出抑制に努めます。 工場での水資源の有効利用 工場での用水使用量(生産量対比) を3%以上改善 国内グループ会社のCO2排出量の管理・削減 (改正省エネ法への適正対応) エネルギー原単位3%以上削減 を3%以上削減 国内7工場におけるCO2排出量(生産量対比) 生鮮トマト栽培におけるCO2排出量(品種別生産数量対比) を3%以 上削減 物流におけるCO2排出量(販売重量対比) を3%以上削減 オフィス部門におけるCO2排出量原単位の3%以上削減 再生可能エネルギーの普及促進 ・カゴメグループ遊休地の活用による太陽光発電事業 【4】全員参加の活動 すべての事業所で、環境保全活 動に取り組みます。 ①コンプライアンス強化の ための法規対応力向上 ②EMS:国内の再構築、 海外実態把握~ グループ体制の構築 法令遵守の徹底、コンプライアンス強化 グループマネジメントの強化 ・海外グループ会社を含めたEMS構築 ・国内グループの連携強化 ③「Think GREEN KAGOME」 の全社員・組織浸透 従業員への浸透強化 全社運動につながるプログラム作成と実践 地球環境保全活動の実施 社外ステークホルダー向けの情報発信強化 53 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境 環境マネジメント 環境マネジメントシステム 環境方針と環境管理制度の運用 国内カゴメグループでは、1999年に制定した環境方針と 定め、その目標の達成に向け年度ごとの目標を設定してい 環境管理制度に基づき、社長以下全部門・全事業所の役割を ます。各部門・事業所は、年度目標に沿って環境保全活動を 明確化し、環境マネジメントシステム(EMS)の継続的な改善に 推進し、経営層、各部門長・事業所長が活動実績について定期 努めています。 的にチェック・アンド・レビューすることで、次年度の目標や取り 具体的には、環境方針に沿って3ヵ年度の中期環境計画を 組み方針を設定しています。 ● EMS体制 社長 ● ● ● ● 取締役会 (全社環境委員会) ● ● ● ● 環境方針の制定 環境方針達成状況の確認と認証 環境管理責任者の任命 カゴメEMSに必要な経営資源の承認 など 中期環境目標の審議と承認 次年度の目標・議題の審議と承認 中期目標と年度目標の達成状況の審議 カゴメEMSの有効性の見通しと審議 など 全社環境管理担当部門の役割 ● 全社管理項目 (目標管理項目、測定管理項目)案の策定 ● 全社の中期目標・課題案および実行計画案の 作成 ● 全社年度目標達成度の取りまとめ ● 全社に対する情報発信、啓蒙教育の推進 ● 事業所の環境管理システムの構築支援 など 事業所共通の役割 環境課題の事業所課題への組み入れと実行計 画策定 ● 環境課題の実行と評価 ● 事業所における環境関連法規制の遵守 ● 緊急事態の未然防止と発生時の環境影響回 避・軽減措置の実行 ● 事業所従業員に対する環境意識啓発 ● 事業所周辺地域における環境保全活動の実施 など ● 環境管理責任者 カゴメEMSの確立・維持・管理 環境中期目標・中期実行計画案の設定 ● 年度目標・課題案の設定 ● 内部環境監査結果からの是正処置の指示 ● カゴメEMSの有効性の検証と取締役会への 報告 など ● ● 部門共通の役割 環境課題の部門課題への組み入れと実行計画 策定 ● 環境課題の実行と自己評価 ● 中期実行計画見直しのための問題点の把握と 達成手段の検討 など ● 本社・スタッフ部門 研究開発部門 商品企画・事業部門 営業部門 生産・調達部門 ロジスティクス部門 国内グループ子会社 54 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境マネジメント ● EMSサイクル 内部環境監査 部門・事業所別 実行計画の策定 環境方針・行動基準 年度目標・ 課題の方針展開 中期環境目標 中期実行計画の設定/ 年度目標・課題の設定 実行と進捗管理 国内カゴメグループ EMS サイクル 部門・事業所目標・ 課題の見直し 次計画へ 部門・事業所の 取りまとめと評価 全社取りまとめ 全社の評価 (全社環境委員会) 報告書発行 日本政策投資銀行(DBJ)から最高ランクの環境格付を取得 「DBJ環境格付」融資は、DBJが開発した格付システムに 3. マルチステークホルダーとの対話を踏まえ、環境経営を推進 より企業の環境経営度を評点化、優れた企業を選定し、得点 する上での広範な課題からマテリアリティ (重要課題)の特定 に応じて融資条件を設定するという、世界で初めての融資 およびそれに基づくKPIの設定を、サステナビリティレポー メニューです。 ティングの新たな流れを踏まえて先駆的に進めている点 カゴメは、2014年7月、格付リニューアル後として、全国で 初めて最高ランクを取得しました。また、当社は2009年9月に もリニューアル前の同格付において最高ランクを取得して います。 (以下今回評価内容) 1. 国内産トマトに代表される製品原料に、栽培時の環境負荷 削減の観点から独自の栽培ガイドラインを策定していること 「環境への配慮に対する取り組みが特に先進的」 という最高ランクのマーク に加え、契約農家に対する営農支援により、農業の持続 可能性の向上に貢献している点 2. 原料調達段階からの生態系モニタリングにより事業の影響を 把握するとともに、専門家の協力を仰ぎながら生物多様性と 当社のバリューチェーン全体との関係性を分析するなど、 生態系サービスへの依存度を低減させる取り組みを加速 させている点 55 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境マネジメント ISO14001認証取得状況 カゴメは、国内全工場でISO14001の認証を取得してい ● ISO14001認証取得工場 ます。各工場では、ISO14001に従って外部監査員による環境 監査と、社内監査員による内部監査を実施し、環境マネジメン トシステムの適正な運用と高度化に努めています。 那須工場 富士見工場 小牧工場 茨城工場 静岡工場 小坂井工場 上野工場 環境教育 カゴメでは、新入社員を対象とした環境教育を実施している ほか、通信教育のメニューのなかにも環境をテーマにした科目 を用意しています。また、全事業所に対し、社内報、メール、イン トラネット等で様々な情報を発信しています。工場見学に来て いただいたお客さまには、見学ルートのなかでカゴメの環境へ の取り組みについてお伝えしています。 2013年度は、廃棄物コンプライアンス勉強会・現地確認 講習会を前年に引き続き実施しました。 新入社員研修 廃棄物コンプライアンス勉強会・現地確認講習会 国内カゴメグループ全事業所(管理部門・営業部門・生産部門・ 関連会社)の中で要望が強かった事業所の環境管理責任者 (管理職)と環境担当者に対して、廃棄物処理法の義務内容、 契約書・廃棄物管理票の作成・管理等について解説し、実務に おいて生じている疑問点等について意見交換を行っています。 さらに2012年度より国内カゴメグループに義務化した「産業 廃棄物処理業者に対する年1回の現地確認」に対して適切な 廃棄物コンプライアンス勉強会(現地確認講習会) 対応ができるよう、カゴメ現地確認フォーマットを用いて、委託 している廃棄物処理業者を実際に訪れ、現場の確認ポイント等 について説明をしています。 56 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境マネジメント 法令遵守 カゴメグループでは、関連する環境関連法令を遵守しながら 2 0 1 3 年 度は4 件ありました。いただいた情 報を基にその 事業を行っています。2013年度は、重大な法令違反はあり 都度、状況の確認と迅速な対応を行い、また、実施した対策に ませんでした。 ついてご説明しています。 また、工場への環境に関するお問い合わせやご指摘は、 環境会計 環境会計については、環境省「環境会計ガイドライン(2005 見直しています。カゴメにおいて、2013年度は、投資、費用 年版)」を参考に、適切な取り組みを進められるよう適宜項目を 合わせて約1,145百万円を投入しました。 項目 ・ 内容 事業エリア内コスト (単位:百万円) 投資額 ①公害防止コスト 大気汚染防止、 水質汚濁防止、 大気・水質の分析・測定など ②地球環境保全コスト CO 2 削減、 省エネルギー、オゾン層破壊 防止など ③資源循環コスト 資源の効率的利用、廃棄物再資源化など ①②③の合計 費用額 10 206 505 141 2 75 517 422 上・下流コスト 容器包装の再資源化委託料など 0 141 管理活動コスト 環境マネジメントシステム運用、環境教育など 0 44 研究開発コスト 環境負荷低減のための研究開発活動 0 10 社会活動コスト 環境美化、公害対策賦課金、関連団体活動費など 0 10 0 0 517 628 環境損傷対応コスト 合計 57 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境 カゴメ 環境負荷の全体像 KAGOMEの 事業活動 INPUT OUTPUT 生産工程で出た余剰物は、その ほとんどを飼料、肥料、再生原料などに 再資源化をするよう努めています。 2013年度は生産余剰物の99%以上を 再資源化しました。 自然の恵みを活かした商品づくりが カゴメの仕事。 「よい原料」 と 「よい技術」を創出し、 できる限り環境に負担がかからないよう、 努めています。 製品 原料 生野菜 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.5万t 農産品(果汁・ペースト等) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7.8万t 調味料等 ・・・・・・・・・・・・・・・ 3.8万t ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 原料調達 研究開発 「よい原料」 41万t 大気排出 「よい技術」 CO2 ・・・・・・・・・・・・・ 41,200t-CO 2※ 廃棄物 エネルギー 再資源化 電力・重油・都市ガスなど ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 881千GJ 水(用水) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3,620千t 生産余剰物量 ・・・・・・・・・・・ 9,419t 再資源化量 ・・・・・・・・・・・・・・ 9,416t 生産 大気排出 CO 2 ・・・・・・・・・・・・・・・ 26,100t-CO 2 返品等に伴う廃棄物 ロジスティクス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 再資源化 1,363t リサイクル 再資源化される容器: ガラスびん、スチール缶、PETボトル、 プラスチック、段ボール、紙製容器 販売・消費 電力(床面積あたり) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大気排出 164kWh/m2 CO 2 ・・・・・・・・・・・・・・・ 2,124t-CO 2※ OA用紙(1人あたり) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4,273枚/人 オフィス ※電力のCO2への換算は、社内管理用固定係数0. 421にて計算 58 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境 生産における環境配慮(省エネルギー・地球温暖化防止) カゴメグループでは、従来から生産工程で取り組んできた地 し、エネルギー使用量や生産量あたりのエネルギー使用量の削 道な省エネルギー活動や、効率のよい生産工程の検討を強化 減に努めています。 エネルギー使用量削減 生産活動には、重油、電力など多くのエネルギーが必要となり ます。 カゴメでは、国内全工場でエネルギーの効率活用や省エネル ギー活動の実績確認、課題抽出、改善方法の検討を定期的に行 い、エネルギーの効率的な利用に努めています。2013年度は、 省エネパトロールの実施、照明のLED化の推進等を継続し、 エネルギー使用の削減に努めました。 エネルギー使用量の推移 (千GJ) 2,000 1,600 2.08 2.10 880 899 1,200 800 富士見工場の現場パトロールの様子 (GJ/t) 2.05 2.07 2.14 835 855 881 2.5 2.0 1.5 1.0 400 0 0.5 2009 2010 2011 2012 2013 (年度) 0 使用量 生産量あたりの使用量 CO2排出量削減 2013年度における国内全工場のCO2排出量は2012年度 2012年度比約2.0%減少して100kg/klとなりました。 比約2.1%減少し、41,200t-CO 2 、生産量あたりの排出量は C0 2 排出量の推移 (t-CO2) 60,000 45,000 108 107 104 104 45,800 44,400 30,000 (kg/kl) 120 104 104 100 102 100 99 90 40,700 42,100 41,200 60 30 15,000 0 2009 2010 2011 2012 2013 排出量 生産量あたりの排出量 目標 ※電力のCO2への換算は、社内管理用固定係数0. 421にて計算 59 (年度) 0 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 生産における環境配慮(省エネルギー・地球温暖化防止) CO2 排出量を削減する製造技術の開発 ~那須工場にLNG冷熱利用システムを導入~ 那須工場では、CO2排出量削減・省エネルギーを目的として、 2013年にA重油からLNG(液化天然ガス)への燃料転換を実 施しました。 燃料転換の効果だけではなく、LNGの持つ冷熱を活用した 一層の省エネを目指して、東京ガスグループと冷熱利用シス テムを共同開発し、導入しました。 これは、冷凍倉庫の冷凍機の冷却水をLNGが持つ-162℃ の冷熱によって冷やすことによって、冷凍機およびクーリングタ ワーの稼働を抑え、使用エネルギーを削減するものです。 燃料転換と冷熱利用により、約2,500tのCO2の排出削減を 見込んでいます。 LNG冷熱利用システム 60 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境 生産における環境配慮(廃棄物削減・再資源化) ゼロエミッションの達成・維持 カゴメでは、原料農作物をムダなく使用することはもちろん、 ロエミッションを維持していました。東日本大震災の影響により、 生産余剰物の削減と再資源化にも取り組んでいます。生産余剰 2011年度および2012年度は未達となりましたが、2013年度 物のうち、植物性余剰物・汚泥については2001年度に100% はゼロエミッションを達成しました。 再資源化を達成し、以後その維持に努めています。 ※カゴメでは自社基準に基づき生産余剰物の 99%以上を再資源化する また、2005年度に自社6工場でゼロエミッション※を達成し、 ことをゼロエミッションと定義しています。 2006年度からは新しく加わった工場を含め国内全7工場でゼ 生産物余剰物への取り組み 2013年度における国内全工場の生産余剰物の排出量は、 2012年度比約4.2%削減して9,419t、生産量あたりの排出量 は2012年度比約4.2%減少して22.9kg/klとなりました。 生産余剰物量の推移 (t) 20,000 15,000 12,183 12,046 13,445 10,000 9,832 9,419 2012 2013 5,000 0 2009 2011 (年度) 生産量あたりの生産余剰物量の推移 (kg/kl) 40 2010 37.9 33.1 28.1 30 28.8 27.9 27.9 20 10 0 23.2 27.9 23.9 22.9 2012 2013 目標 生産量あたりの生産余剰物 2009 2010 2011 61 (年度) K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 生産における環境配慮(廃棄物削減・再資源化) 食品リサイクル法への対応 食品リサイクル法では、食品廃棄物等の排出の抑制と、資源 資源化を進めています。 としての有効利用の推進(再生利用)を食品関連事業者に義務 報告義務が開始された2008年度より順調に改善していま 付けています。2007年度の改正により業種別再生利用等の実 したが、2011年度の東日本大震災の影響により一旦目標値を 施率目標(食品製造業85%)が設定されています。 下回りました。しかし、活動を強化したことにより2013年度は カゴメでは、生産余剰物や廃棄商品のリサイクルにおいて、 97.1%を達成いたしました。 生産部門、管理部門、営業部門等の全社で食品リサイクル率を 今後も、発生抑制・リサイクル向上の取り組みを進めてい 85%以上にすることを目標に、分別の強化やリサイクル可能な きます。 処理業者の選択等を行うことで、食品リサイクル法の定める再 食品循環資源の再利用等の実施率 (%) 95 91.4 97.1 92.6 90 85 85.0 85.0 85.0 85.0 85.0 2012 2013 84.6 80 75 0 77.7※ 目標 食品循環資源の再利用等の実施率 2009 2010 2011 ※震災分を除外した食品リサイクル率は (年度) リサイクルセンター カゴメでは、生産余剰物の再資源化のために工場敷地内にリ サイクルセンターを設置しています。 たとえば、富士見工場では、 ドラム缶やプラスチックなどの原 料容器や金属くずなどを19区分63分類に細かく分別し、個別 業者の回収まで再資源化の材料として大切にストックしていま す。また、リサイクルセンターでは、外からよく見えるようにする 那須工場のリサイクルセンター ことで、保管物の正しい分別・整理を徹底しています。 富士見工場での分別の様子 62 86.9%(2011年度実績) K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境 生産における環境配慮(用水使用量削減) 効率的な水利用・再利用の促進 カゴメの工場では、原料農作物の洗浄や製品の冷却などで大 2012年度より増加し8.8t/klとなりました。 量の水を使用していることから、効率的な水利用や再利用など これは用水の使用量原単位の高い商品を生産する新規ライン を促進し、用水使用量の削減に努めています。 の導入に伴い、水の使用効率が悪化したことが主な要因です。 2013年度における国内全工場の用水使用量は、2012年 今後も使用方法の再点検や冷却水の再利用などを通じて用 度比約10.4%増加して3,620千t、生産量あたりの使用量は、 用水使用量の削減 (千t) 5,000 4,000 3,000 水使用量の削減に努めます。 (t/kl) 7.4 7.4 7.7 8.0 3,137 3,157 3,116 3,280 10 8.8 8 3,620 6 2,000 4 1,000 2 0 2009 2010 2011 2012 2013 使用量 生産量あたりの使用量 63 (年度) 0 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境 生産における環境配慮(水質保全・化学物質管理) 法令基準に基づく工場の管理 国内のすべての工場では、法律で定める基準に基づいた排 すが、同法を遵守して適切に管理しています。同法では、一定 水をしています。地域の水質保全のため、自治体が定める基準 量以上の指定されている化学物質の排出・移動があった場合、 がある場合は、その基準に基づき、工場からの排水を行って 届出が義務づけられていますが、2013年度は那須工場で届出 います。 を行いました。 また、カゴメでは、PRTR法の規制対象物質を取り扱っていま 64 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境 物流における環境配慮 地球温暖化防止 CO2 排出量削減 カゴメは、2006年4月に改正された省エネルギー法により、 これは、原料輸送の配車をシステム化しロットの監視と効率的 「特定荷主 」に認定されました。 な配車による原料輸送頻度・ロットの見直しに取り組んだ効果に ※ 2013年度のカゴメの輸配送におけるCO2 排出量は、2012 よるものです。今後も、大型輸送車の使用比率の拡大、往復輸 年度に比べて原単位で約6.5%減少し、排出量は約8.1%減の 送の推進による車両台数削減、輸配送距離の短縮など、従来か 26,100t-CO 2 となりました。また、特定荷主には「エネルギー らの取り組みを強化し、輸配送におけるCO2 排出量の削減を進 消費原単位を中長期的にみて年平均1%以上低減する」努力が めていきます。 求められていますが、2009年度から2013年度の5ヶ年の年 ※特定荷主:事業活動に伴って貨物輸送を委託している量(自家物流を 平均削減量は2.9%と大幅に削減しています。 含む)が年間3,000万トンキロ以上となる事業者 (t-CO2) 排出量 販売重量あたりの排出量 物流におけるCO 2 排出量 (t-CO2/kg) 50 40,000 48.9 30,000 28,300 28,600 47.2 48.1 28,000 28,400 46.4 20,000 10,000 0 48 26,100 46 43.4 2009 2010 2011 2012 モーダルシフト カゴメグループでは、製品輸配送時における環境負荷低減の 取り組みとして、鉄道などのより環境負荷の低い輸配送手段に 切り替える「モーダルシフト」を継続して推進しています。 これにより、鉄道輸送を積極的に行っている企業として国土交 通省が認定する「エコレールマーク」の認定企業となっています。 また、2014年2月に、 「カゴメトマトケチャップ」 「カゴメソース ウスター醸熟」 「カゴメソース中濃醸熟」 「カゴメソースとんかつ 醸熟」において、国土交通省ならびに公益財団法人鉄道貨物協 会が制定する、第30回エコレールマークの商品認定を取得しま した。 65 2013 (年度) 44 0 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 物流における環境配慮 共同配送 国内カゴメグループは、ミツカングループ、日清オイリオグ 共同配送の目的は、物流品質の向上と環境配慮です。 ループと共同で、3社分の商品を同一車両に積み込んで配送す 現在、国内面積に占める共同配送稼動エリアの割合は、77% る共同配送を実施しています。 ● となっています。 カゴメ・ミツカングループ・日清オイリオグループ共同配送稼働エリアと開始時期 甲信 越 共 配 新潟地区 1998年6月 長野山梨地区 2000年9月 北 海 道 共配 中国共配 北陸共配 1999年9月 2001年7月 2005年2月 東北共配 1996年10月 九州共配 2012年4月 静岡県共配 2006年7月 四国共配 滋賀県共配 1999年6月 2002年11月 商品・原材料の廃棄物削減 適正な在庫管理による削減 カゴメグループでは、適正な在庫管理を行うことで、流通から 約25%増加しました。これは、輸入商品の品質不良による廃棄 の返品や出荷期限切れによる商品・原材料の廃棄量の削減に努 が前年より増加したためです。 めています。 今後も削減努力を継続します。 2013年度の商品・原材料の廃棄量は、2012年度に比べて 商品・原材料の廃棄量の推移 (t) 4,000 3,000 2,280 2,000 1,687 1,376 1,000 0 2009 1,363 1,088 2010 2011 2012 2013 66 (年度) K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境 オフィスにおける環境配慮 平常業務を通したさまざまな取り組み カゴメグループでは、本社、支店などのオフィス部門において も、省エネルギー活動や省資源活動を進めています。 電力使用量削減 国内カゴメグループでは、震災以降も節電活動に取り組んで 空調温度の調節、不要不急の機器の停止、複合機導入による機 います。従来行っているクールビズ、ウォームビズに加え、 「スー 器の削減等の施策を実施しています。 パークールビズスタイル」ガイドラインを策定・推奨し、エアコン 2013年度におけるオフィス部門での床面積あたりの電力使 用量は、2012年度と同等の164kWh/m2となりました。 の設定温度を夏季は高めに、冬季は低めに設定しています。 また、照明の間引きや小まめなスイッチオフ、執務スペースの (kWh/m2) 240 220 オフィス部門での電力使用量の推移(床面積あたり) 電力使用量 目標 208 200 180 176 182 176 164 164 173 160 176 159 150 140 0 2009 2010 2011 2012 2013 (年度) OA用紙使用量削減 2013年度における1人あたりのOA用紙使用枚数は、2012 国内カゴメグループでは、大型モニター画面の利用などによ 年度から微増の4,273枚となりました。 る社内会議のペーパーレス化、複合機の導入によるOA用紙使 用量の削減を進めています。 OA用紙使用量 目標 (枚/人) 8,000 OA用紙使用量の推移(1人あたり) 6,000 5,000 4,000 0 4,760 4,809 4,011 2009 2010 4,760 4,760 4,264 4,262 2011 2012 4,134 4,273 2013 67 (年度) K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境 生物多様性保全 生物多様性保全の基本的な考え方 カゴメは、 トマトをはじめとした野菜・果実など、たくさんの自然 の恵みを利用して、商品づくりを続けてきました。カゴメは自然の 力を活かした商品を提供することで、世界の人々の健康長寿に 貢献したいと願っています。 自然の恵みを育んでくれる農地の生物多様性は、農地や里山 という生態系が守られることで成り立っており、それらへの配慮 はカゴメにとって、たいへん重要な課題です。健全な作物は、多 生態系豊かな里山のトマト畑 様な生物が活動する豊かな農地から生まれ、農地は人間が管理 することで健全に保つことができます。 カゴメは今後もこの大切な農地の生態系や生物多様性の保 全に取り組んでいきます。 契約栽培による持続的農業の推進 国内の加工用トマト (トマトジュースの原料などに使用)は、契 約栽培で生産しています。 カゴメの契約栽培とは、契約した農家の皆さんと、栽培を始め る前に価格を取り決め、契約した畑から収穫されるトマト全量を 買い上げる栽培方法です。カゴメから種子や苗を提供し、栽培方 法を指導し、安定した収量を確保することで農家の皆さんがトマ ト栽培を通じて、経営の安定化を図ることができます。 契約農家へのジュース用トマト栽培方針説明会 近年、農家の高齢化が進み、農地の維持が困難になる問題が 生じています。これに対し、機械収穫などの省力化栽培や、収穫 しやすい品種(ヘタがトマトに残らない等)の開発を行い、作業 負荷を減らしトマト栽培の継続を支援しています。 農地の生物多様性は、農地が維持・管理されて成り立ちます。 トマト栽培を続けることで、耕作放棄地の抑制、生態系豊かな農 地の維持に努めています。 トマト収穫作業機 68 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 生物多様性保全 土づくりからの栽培指導と生物多様性保全型の農業 カゴメは安心・安全・環境に配慮した栽培思想の下、畑の土 づくりから指導し、過剰な化学農薬、化学肥料を使用しない栽培 に取り組んでいます。 農薬の使用方法へのこだわり 栽培上必要な農薬は使用しますが、生態系を崩さないための カゴメのこだわりがあります。 ● カゴメの一斉分析法で分析可能な農薬の優先的な使用 ● 現地担当者が畑を巡回する際、病虫害発生状況を確認し、迅 速に診断を行い、適切な農薬の使用を指導することで、農薬 の使用を最小限に抑制しています。 ● 毎年発生した病虫害の状況を総括し、病虫害の予防に力点を 置くことで、農薬使用量を低減しています。 ● トマトに使用可能な農薬170成分から、生産性と消費者・生産 者・環境に配慮した49成分に絞った「カゴメ使用農薬自主基 準」を設定し使用しています。 ● 毒物に指定された農薬の排除 ● 環境ホルモンの疑いのある農薬の排除 ● 土壌中の生物・微生物、天敵、河川に流れた場合の魚類に悪 影響があるとされる農薬の排除 ● ● トマト栽培を組み入れた輪作体系により土壌中の微生物相を 多様にし、連作障害や病虫害の発生を抑制しています。 ● BT剤(微生物農薬)など、環境への影響が少ないとされてい る農薬の優先的な使用 農薬散布履歴の確認や、残留農薬の自社分析(一斉分析によ る約550農薬の迅速な検査)で、 「カゴメ使用農薬自主基準」 が守られているかを確認しています。 肥料の使用方法へのこだわり ● 有機質肥料である堆肥・緑肥を積極的に使用し、化学肥料使 用量を抑制する土づくりを推奨しています。 ● 作付け予定の畑の土壌を事前にカゴメが分析し、畑の状態に 合わせた施肥設計を指導、その後、 トマトの葉や果実を用いた 生育診断で、 トマトの生育に最適な肥料の使用量を決定する ことで、土壌への過剰な肥料の使用を抑制しています。 カゴメの担当者による栽培指導 有機質肥料を多く含む畑の土 69 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 生物多様性保全 遺伝資源の維持と活用 研究開発本部では、約7,500種類のトマト遺伝資源を保管し ています。これは民間企業では世界有数。いろいろな遺伝的特 徴を持ったトマトの種子を収集し、交配を重ねて新たな有用品種 を生み出しています。 種子は一定の温度、湿度で保管していますが、年数が経つと トマトの種子 発芽率が落ちるため、順次更新しています。このようにして、蓄 積した貴重な遺伝資源を絶やすことなく維持しています。野生種 など一部の遺伝資源については公的な研究機関等にも提供し ており、ジーンバンク的な役割を果たしています。 収集した遺伝資源の保有形質は再評価し、病害抵抗性品種 (農薬使用量が低減)の開発等に活用しています。 豊富な遺伝資源から生まれた多様なトマト 外来種のハチの使用を禁止 カゴメは1998年、生鮮トマトの生産・販売事業を開始しまし た。屋外の加工用トマトとは違い、風のない温室トマトは受粉に ハチを使用します。外来種のセイヨウオオマルハナバチが、問題 を引き起こす可能性のある特定外来生物の候補に挙がっている ことを知り、2004年5月から、直接管理する全国3ヶ所の大型 温室を在来種のクロマルハナバチに切り替え、以降新設の5つ 菜園の大型ガラス温室 の大型温室は最初からクロマルハナバチを使用しています。当 初このハチの量産技術はまだ確立しておらず、 トマトの品質や経 済性への影響も不透明でしたが、カゴメが開発を後押しし、商品 化にこぎつけました。今では日本のトマト栽培全量がクロマルハ ナバチで賄えるまでに技術確立されています。 在来種のクロマルハナバチ 生物のいのちの大切さの教育支援 カゴメは1999年から、毎年、全国の小学校・幼稚園・保育園 に、カゴメトマトジュース用トマト「凛々子(りりこ)」の苗を無償で お届けしています。子供たちの「命への関心」 「感謝する心」を 育む学習教材として活用いただいています。 トマトジュース用トマト「凛々子(りりこ)」 凛々子の栽培を通した学習 70 研究開発本部の種子庫 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境 環境配慮型商品とシステムの研究・開発 環境に配慮した商品・システム カゴメグループでは、環境に配慮した商品の研究や開発にも 注力し、環境負荷の低い商品容器・梱包資材への切り替えや、生 鮮野菜商品の栽培方法の確立に注力しています。 グリーン電力使用容器の採用 カゴメでは、主要商品の「野菜生活100」ホームパックに使 用する紙製容器において、グリーン電力 ※を使用して印刷され た容器を採用しています。電力供給量の面などの課題もありま すが、今後も関係者とともに環境に配慮した取り組みを進めて いきます。 ※グリーン電力:風力、太陽光、バイオマス(生物資源)などの自然エネル ギーにより発電された電力のこと。自然エネルギーによる発電は発電 グリーン電力使用容器 (野菜生活100ホームパック) する時にCO2 を発生しないと考えられている。 環境に配慮した紙製飲料容器の利用拡大 カゴメでは、ギフトセット商品の飲料容器において、第3回エ コプロダクツ大賞・エコプロダクツ部門農林水産大臣賞を受賞し た、環境配慮型紙製飲料容器の「カートカン」を積極的に採用し ています。このカートカンは国内の間伐材や端材などを30%以 上使用しているため、 「植える→育てる→収穫する」というサイ カゴメギフト商品(カート缶) クルがスムーズに循環し、日本の森林を守り育てることにつなが ります。2013年度においてはギフトセット飲料商品の約10%を 占めています。 また、飲用後のリサイクルを進めるため、リサイクル方法をカ ゴメホームページに掲載しています。 http://www.kagome.co.jp/gift/recycle/ 間伐材マーク ▲ カートカンのリサイクル 飲用後の紙容器の分別と減容化の促進支援 飲用後の紙パックを分別し、さらにたたんで減容化していた だいたお客さまに対し、感謝を表したメッセージ「たたんでくれ てありがとう」を容器に表示しています。 本表示は2008年9月から200mlで開始し、今では100ml、 125mlの容器にも拡大しています。また、本取り組みは他企業 へも拡大しています。 感謝を示すメッセージ「たたんでくれてありがとう」 71 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境配慮型商品とシステムの研究・開発 「たたんでくれてありがとう」に寄せられた声 たたんでみると、パックに「たたんでくれてありがとう」と書 娘が「飲んだ後、このパックをたたんでごらん、いい言葉が出 かれていました。私は、とてもうれしくて、とても温かい気持ち てくるよ。」と言うので、紙パックをたたむと「たたんでくれてあり になりました。環境問題について考えなければならない今、私 がとう」という言葉が出てきて、娘と一緒にちょっとニッコリ。そ はパックをたたんでちゃんと分別するという うですね、牛乳パックは洗って切って ことから始めていきたいと思います。こんな 開いてリサイクルに出すのに、これは 気持ちにさせてくれてこちらこそありがとうご ついついストローをさしたままゴミ箱 ざいます。 にポイしてしまいますね。 次からは気 を付けて捨てるように心掛けます。 いつものようにたたんでいる次女が「いいえ、こちらこそ、ご 中学校の教員をしています。野菜生活100のパッケージに書 ちそうさまでした」と笑っていたので、声をかけてみると、カゴメ かれているメッセージを使って道徳の授業をします。カゴメの社 の紙パックに「たたんでくれてありがとう」と書いてあることを得 員の方が、ある高校ですべての紙パックがたたまれて捨てられ 意げに教えてくれました。私ははじめて知り、カゴメさんの小さな ている光景に感動したという経験などから、生産者としての責任 心づかいが、娘の心を優しくして下さっている を感じて「たたんで捨てる文化」を浸 のだと、嬉しく思いました。 透させたいという想いがあることを知 りました。授業の中で紹介しながら、 より良い社会を作っていこうとする気 持ちを育てるのが授業のねらいです。 トマト調味料の紙製容器の導入 カゴメでは、従来販売しているトマト調味料「カットトマト」 「基 本のトマトソース」や新商品「かけるトマト」にて、2013年3月よ り従来の缶容器から紙容器に順次変更しています。紙は、原料 となる木材が再生可能な資源であること、容器製造および輸送 におけるCO 2 排出量が缶よりも少ないことにより、環境負荷が 低いといわれています。また、廃棄の際にはたたむことができる ので、ごみのカサを減らすことができます。さらにカゴメホーム かけるトマトトマト&バジル 基本のトマトソース for Cooking カットトマト for Cooking 裏面 ページでは、常温保存が可能で、熱を加えずにパックにそのま ま調味料を加えて混ぜるだけの調理方法を提案していますが、 「使用の段階」において、手軽さ・楽しさ・環境負荷低減を同時 に実現することにもなります。 これからもカゴメはトマトのおいしさだけではなく、 トマトの 新しい価値を創造するために紙容器だからこそできるトマト料理 の手軽さ、楽しさも一緒にご提案してまいります。 72 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境配慮型商品とシステムの研究・開発 リサイクルしやすい包装 カゴメは、リサイクルシステムが確立され、高いリサイクル率 を維持している段ボールを包装材として積極的に採用していま す。ギフトセット商品の一部は、フタの材質を化粧箱から段ボー ルに変更し、廃棄時に再度リサイクルしていただけるよう、箱の たたみ方を側面に表示しています。また、株主優待についても 2003年度より化粧箱から段ボールに変更しています。 ギフトセットの箱のフタ 環境負荷を低減した生鮮トマト栽培の実践 ● 廃棄物 カゴメは、安全でおいしい生鮮トマトを1年中安定して市場に 栽培時に出るトマトの葉や茎を発酵させ、肥料として再資源化 お届けするため、大型温室を使用してトマトを栽培しています。 その大型温室では、スラブ(ココ椰子殻)を培地とした養液栽培 しています(いわき小名浜菜園)。また、その他の菜園において を行っています。 も、栽培時に出る葉や水耕栽培にて使用するスラブを堆肥や土 壌改良材へと再資源化するよう努めています。 また、環境負荷の低減のため、下記のような取り組みを進めて います。 ● エ ネルギー・CO2 削減 菜 園 では 、栽 培に 適 切な温 度を保 つため 暖 房を使 用し ますが 、その 熱 源には 、環 境に 優しい L Pガスを使 用して います 。さらに 、燃 焼 時に 発 生 するC O 2 を回 収してトマト の生 育に必 要な光 合 成に有 効に使 用しています。加えて、 外 部 の 石 油 化 学・精 製 会 社 等 から発 生 する副 生 ガス( 余 分 なガス )を精 製して つくられ た 液 化 C O 2 を利 用 するこ とにより、光 合 成を 一 層 促 進 させ てトマト収 量 の 増 加を 菜園の液化CO2 堆肥施設 図っており、その分のL Pガスの使 用 量を減らしています。 響灘菜園においては、近隣に設置された大規模太陽光発電所よ り一部電力を受電し、自然エネルギーを有効に活用しています。 ● 水 資源の有効利用のため、雨水の利用や養液・培地等の循環利 暖房はLPガスを使用し、燃焼時に発生 するCO2 を回収して光合成に使用 用を行っています。 ● 農薬 化学合成農薬の使用を最小限に抑えるため、外部からの虫の 侵入防止や毎日の虫の発生状況モニタリングによる早期対応、 害虫の天敵の導入、微生物防除剤、電解水の利用による害虫の 駆除等を実践しています。 響灘菜園が受電している太陽光発電所 73 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境 地域・社会における環境保全活動 さまざまな環境保全活動への参画 カゴメグループでは、事業所ごとの美化活動や植栽などの活 動のほか、さまざまな環境保全活動に参画しています。 植栽ボランティアへの参加 富士見工場では、工場で使用している井戸水の源流となる入 笠山山系の恵みに感謝し、 2005年度から富士見町主催の入笠 山植栽ボランティアに参加しています。 また、那須工場と研究開発本部では、日本盆栽協会(那須 野ヶ原支部)、塩那森林管理署と共同で、那須街道沿いの国有 入笠山での植栽ボランティア活動 地の赤松林に赤松の苗を植樹する活動を2011年度から実施 しています。地域の生態系保全に配慮し、同じエリアの赤松林 で芽吹いた苗を育て、植樹しています。 赤松林の植樹活動 地球にやさしい再生可能エネルギーを活用したソーラービジネスへの参入 います。 カゴメグループの太陽光発電事業は、 2013年6月より、工場 や配送センターの跡地を活用し、全国3ヶ所(青森県、山梨県、 ※1 一般家庭の年間消費電力、約2,000軒分相当 (一般家庭の消費電力:年間約3,600 kWh(経済産業省)) 福岡県)で行っています。3ヶ所合計の年間発電量(6, 875 ※2「みちのく未来基金」とは、カゴメ株式会社、カルビー株式会社、ロー MWh※1 )は、カゴメ国内グループで消費する電力の約12% ト製薬株式会社の3社が、東日本大震災において被災し両親または に相当し、食品メーカーが行っている太陽光発電事業の中で どちらかの親を亡くされた子ども達の進学を支援するために設立し は、最大級の規模になります。また、本事業においては、東日本 た奨学基金です。 大震災が起こった3月11日に合わせて、同日に売電された金 額を、20年間に亘り、みちのく未来基金 ※2 に寄付していきます (2014年105万円寄付)。 その他の太陽光発電を活用した取り組みとしては、自社消費 を目的に、工場における緊急時用のための太陽光発電電灯の導 入、研究開発本部の温室の太陽光発電設備の導入、茨城工場 チルド生産ライン施設への太陽光発電の設備の導入を行って 2014年2月に稼働開始したカゴメ久留米メガソーラ発電所 関係団体 カゴメは自社の取り組みに加え、環境活動に関して以下の団 ● プ ラスチック容器包装リサイクル推進協議会 体に参加しています。 ● L L紙パックリサイクル推進研究会 ● 関東農林水産関連企業環境対策協議会 ● ガ ラスびんリサイクル促進協議会 ● 全国清涼飲料工業会 ● 経団連環境安全委員会 ● 日 本缶詰びん詰レトルト食品協会 ● 日 経BP環境経営フォーラム ● 食品容器環境美化協会 ● グ リーン購入ネットワーク 74 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 環境 カゴメグローバル環境マネジメント 事業のグローバル化に伴い、国境を越えたグループ全体での フォーマンスデータを収集しました。 環境保全の取り組みが求められている動向を踏まえ、カゴメ 今後、グローバル環境マネジメント・環境保全活動を一層 グループとしての環境マネジメントの拡大を進めています。 推進すべく取り組んでいきます。 2 0 1 3 年 度にお い ては 、C O 2 排 出 量 、水の使 用 量のパ 海外生産事業所の環境パフォーマンス(2013年度実績) CO2 排出量(トン) 水使用量(千トン) Kagome Inc. (USA) 3,300 140 Kagome Foods, Inc. 7,600 78 Vegitalia S.p.A. 5,500 HIT(Italaglo) N/A※ 12,200 2,091 7,700 1,380 17,700 313 台湾カゴメ株式会社 4,300 88 可果美(杭州)食品有限公司 1,100 33 HIT(FIT) Kagome Australia Pty Ltd. ※グローバルにおける環境影響度把握に向けて、データ測定・集計環境の整備を進めています。 75 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 公正な事業慣行 サプライチェーンにおけるCSR推進 調達先との公平な関係 対等で適正・適切な関係の維持 カゴメは、 「開かれた企業」として、国内の調達先や現地製造 るとともに、その精神を尊重して、調達先との不公正な取引は一 メーカーとの対等で適正・適切な関係の維持に努めています。 切行いません。 新規に取引を希望される企業からのご提案は、随時、公平に カゴメでは、調達先も「カゴメ コンプライアンスホットライン」 受け付けています。また、取引にあたっては独占禁止法を遵守す http://www.kagome.co.jp/company/kankyo/report/management_02/index.html#comphot ▲ カゴメ コンプライアンスホットライン の対象としています。 調達先との認識共有 企業理念に基づく価値観の共有 カゴメでは、カゴメの企業理念に基づく価値観に共感いた だき、中長期的なパートナーシップを結んだ信頼できる調達先 の協力を得て、お客さまへ価値ある商品をお届けしています。 長期にお取引いただいている企業を中心に、年に1度の会合 調達先と意思疎通を図るため、 毎年開催している会合 を設け、相互の啓発と認識を深めています。 海外からの農産加工原料の調達について 海外の農産加工メーカーから調達する農産加工原料につい ては、基本的に調達先現地を訪問し、栽培から製造工程までの 品質管理状況の確認を行います。 とりわけトマトについては、毎年の製造シーズン前にサプライ ヤーとのミーティングを行っております。収穫した農作物を加工 サプライヤーとの打合せ する製造工程だけでなく、委託農家での農薬散布回数や最適 な施肥などの栽培方法まで、より良い品質のトマト原料を作れ るよう、畑から工場までのプロセス全体の課題についてサプラ イヤーとともに検討します。また、シーズン終了後には今季のレ ビューから来年度への課題を抽出し、お互いに継続して成長で きるような目標の設定を行います。 畑の確認 76 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 サプライチェーンにおけるCSR推進 調達先における実際の製造下での実地品質監査を開始 は未然防止視点での課題を洗い出しそれら改善に調達先ととも 安全でより良質の原料を調達するため、提出書類に基づく品 に取り組んでまいります。 質監査に加え該当原料を実際に製造している状況下で製造工 国内外すべての調達先の農産加工原料等の内容物原料に 程の確認を行う実地での品質監査を新たに導入いたしました。 おいて、この実地品質監査の実施を計画しております。 品質不良が発生するリスクをより具体的に把握し、新規の調達 拠点では購入の適合・不適合の判断を行い、既存の調達拠点で 77 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 消費者課題 製品品質の確保 安心・安全な製品をつくる理念と体制 カゴメは創 業 以 来 、自然の恵みを活かし、体にやさしく、 いただける商品づくりが最も重要であると考えています。そこで 楽しい 食 の 提 案に努 めてきました 。この 考えは 、お 客さま カゴメでは、 「品質方針」に基づき、原料調達、研究・開発、 とのお約束であるブランド・ステートメントの「自然を、おいし 生 産・物流の各工程で品質マネジメントシステム(QMS)を く、楽しく。KAGOME」という言葉に集約されています。 回し、商品の安全性確保に努めています。 このお約束を果たすためには、お客さまに安心してご利用 安心・安全への取り組み ● 品質方針 1 ● 2 トマトや野菜、果実、乳酸菌のおいしさと 健康価値を追求した商品づくりに努めます。 バイオジェニックスとプロバイオティクスの ● 遺伝資源を収集し、交配法による有用品種の開発 分野の探求による価値開発 ● 価値観を共有し合える国内外のサプライヤーとの ● 農業の安全管理とトレーサビリティを備えた ● 天然由来でない化学合成の添加物を使わない味づくり ● 素材の価値を最大限に活かす非加熱技術と 拠点づくり 成分変換技術の活用 3 農産原料の調達 4 HACCPとISO9001品質システムを継続的に レベルアップし、安全でムダのない商品づくりに努めます。 ● 原料から商品出荷までの危害評価とモニタリング体制 ● 5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾) ● 種子から取り組み、完熟・採れたての 安全な農産原料づくりを目指します。 ● 商品と共に品質情報をお伝えし、お客さまや 社会の声を企業活動へ反映してまいります。 お客さまにわかりやすく、選択しやすい商品表示と ユニバーサルデザイン 品質情報を共有し、学習し、問題解決に取り組む ● 商談やホームページに活用できる最新版の品質情報の共有 品質管理システム ● お客さまの声を分析し、経営情報へ変換、活用 ● カ ゴメQMSサイクル PLAN 研究 中期品質目標 行動計画 安心要素 安全性 ACTION 品質システム改善 DO 安全基準 年度計画推進 社内外資料活用 農業・表示・ 環境適正など お客さま・ 社外関係者 社外アドバイザリー 品質情報の 共有・公開 ボードとの定期的な 情報交換や アドバイスによる 品質保証体制の高度化 原料拠点 委託先 資材業者 トレーサビリティー CHECK 実施状況チェック モニタリング 顧客満足度評価 78 商品・安全情報 商品 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 製品品質の確保 よい畑からの原料調達 「よい 原 料 」はよい 畑から。カゴメの商 品 づくりは畑から カゴメでは、国内でのトマトの契約栽培で創業以来培ってきた 始まっており、 「畑は第一の工場」と考えて品質管理を行って 原料作物への思いと経験を、海外からの原料調達にも活かして います。 います。 原料調達の基本 た原料は、いわばカゴメの特注品。こうした指導を通じて、 カゴメの原料調達の基本は契約栽培です。食品メーカーが 安全な原料を得るためには、農家の方々のご協力が欠かせま 農家とのコミュニケーションも深まり、そこから生まれる信頼 せん。カゴメがそのために、100年にわたって培ってきた調達 関係が安心に結びつきます。年に何度かは、役員も農家との 方式が、 「契約栽培(面積・数量)」です。 国産のトマト、にんじ 交流の場を持ち、関係を深めています。 ん、ビート、クレソン、プチヴェールなどでは、大部分が契約 栽培になっています。 面 積 契 約 栽 培とは、 ( 1 )あらかじめ、作 物の品 種や栽 培 面積、出荷規格などを決めて栽培を依頼し、 (2)栽培中は、 カゴメの担当者が畑一枚まで自分の目で確認して、農薬使用 などその畑に適した栽培方法を指導し、 (3)収穫された分は、 全量、カゴメが買い取る-という調達方式です。契約栽培に よって、カゴメは、どのように栽培されたか、その履歴が明確 で、安全な原料を得ることができます。 契約農家から出荷され 「農家との交流を深める大嶽副社長」 (2013年8月 宮城県にて) 海外の最適栽培地からの原料調達 管理(源流管理)を行うとともに、 トレーサビリティの確立にも カゴメでは、商品の品質の安定と原料の安定調達のため 取り組んでいます。 に、国内でのトマトの契約栽培で培った経験や知見を活かし、 安全で、野菜や果物本来のおいしさや栄養を持ったさまざまな また、社会的に関心が高い中国からの一次加工原料調達に 原料を世界各地から調達しています。海外からの原料調達に ついては、上海に「中国品質保証事務所」を設けて、カゴメ おいては、原料へのこだわりを共有する信頼できる複数のパー 社員による生産前監査と生産立会いを実施しています。さら トナー企業とグローバルネットワークを構築し、中長期的な に、全ロット残留農薬分析を行うなど、品質保証を強化して 取り組みを行っています。 います。 カゴメでは、こうした取り組みによってカゴメの基準を満た トマトについては、パートナー企 業と協 力して、カゴメの す、安全な原料だけを調達しています。 専任の原料調達担当者が各地の畑を訪問し、栽培指導、使用 農薬や農薬散布記録の確認、残留農薬の分析など畑からの 79 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 製品品質の確保 ● カゴメの主な原材料の産地 原料生産国 ※2014年10月現在の内容です。 フランス スペイン トルコ ポルトガル アメリカ 中国 イタリア 日本 ブラジル チリ 南アフリカ オーストラリア カゴメは、海外の加工メーカーとの契約で、 「遺伝子組み換 えではないトマトの品種のみの使用」を確認しています。国内の ニュージーランド アルゼンチン に、自社で定期的に分析を行い、遺伝子組み換えではないこと を確認しています。 トマト栽培では、契約栽培農家に品種を指定しています。さら カゴメの担当者による定期的な現地での監督・指導の様子 http://www.kagome.co.jp/hinshitsu/guide/index.html ▲ 畑での取り組み カゴメの担当者による生産時立会い 畑から製品までの安全管理 フードディフェンスへの取り組み カゴメは、国内でのフードディフェンスに関して、いわゆる 自社工場:(1)安心・安全カメラの設置 「意図的な異物混入」に対する備えとして、外部からの侵入や、 ①工場敷地の出入口 お客さまにご安心いただくための説明をより精度高くできるため ②製造場の出入口 に、社内 管理をこの度見直しました。その結果、これまでは ③原材料の開出エリア、内容物の調合エリア 入退場者の記帳、薬品管理や水処理施設の施錠などソフト面 以上3重のカメラを7工場で227台設置 中心の対応でしたが、フードディフェンスに関する社内ガイドを (2)パスワード型の施錠装置の設置 定め、2014年5月より以下の対応を実施しています。 (3)安全・安心を担保できる様、工場責任者と 従業員とのコミュニケーション密度の向上 協力工場:(1)自社に準じた体制の協力依頼 (2)フードディフェンス的視点を強化した監査での 課題抽出と推進 80 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 製品品質の確保 畑から製品までの安全管理 カゴメは創業以来、自然の恵みを活かし、お客さまの健康 大前提です。カゴメでは、そのためにさまざまな検査や分析・ に 役立つ商品を提供することに全社を挙げて取り組んでい 研究を行っています。 ます。そのためには、安心・安全の確保は食品を取り扱う上での プロセス管理による安全性の確認(国内トマト契約栽培の例) 定植 栽培 土壌分析 未熟果分析 収穫 入荷 熟果分析 製造 出荷 使用水分析 仕掛品 製品分析 保証品出荷 排水分析 放射性物質に対する取り組み 2011年以降、安心・安全を語る上で、放射性物質の問題は てJA全農福島、各農協および契約農家の皆さまの協力を得て 関心の高い内容となりました。2011年、カゴメは福島第一原子 実態把握の試験栽培と調査を開始し現在も継続して実施し 力発電所事故の発生後すぐ、公的機関で工場の使用水の放射 ています。また、食品内の微量な放射性物質を測定できる「ゲ 性物質の分析を行い、安全性を確認しました。また、お客さまに ルマニウム半導体検 出 器 」を導 入し( 2 0 1 1 年 6月)、公 的 とっての安全を第一優先とし、放射性物質の影響が不明である 機関での分析とも並行して、研究開発本部にて自社の原料や 原料は使用しないこととし、福島県での契約を休止するとともに、 水、栽培土壌、商品の検査を開始しました。結果は2011年 当時公的機関からの具体的な補償が何ら決まっていなかった 7月より毎月ホームページにて掲載し、ご関心のある方どなた 状況を踏まえ、契約農家の方々への補償を行いました。合わせ でもご覧いただけるようにしています。 http://www.kagome.co.jp/company/news/info/ ▲ 東日本大震災関連のお知らせ 農薬に対する取り組み 農薬については、毎年、使用する原料を対象に残留農薬を 工場の品質検査の精度確認なども行っています。 分析し、安全性を確認しています。 ※残留農薬等のポジティブリスト制度:基準が設定されていない農薬などが 一定量以上含まれる食品の流通を原則禁止する制度 2006年5月に施行された「残留農薬等のポジティブリスト 制度※」では対象農薬が大幅に増え、残留基準の値も一層厳し くなりました。研究開発部門では、効率よく多成分を一斉に分 析できる方法の研究開発を進め、分析精度のさらなる向上に取 り組んでいます。 また、同部はカビ毒や微生物検査についても取り組み、原料 の安全性を検証しているほか、発売後の商品の品質評価や、 残留農薬分析(1) 81 残留農薬分析(2) K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 製品品質の確保 研究開発部門の取り組み エビデンス研究とメカニズム研究による価値機能の研究 カゴメでは、 トマトをはじめとする野菜素材や乳酸菌のさまざ 料の継続摂取によるインフルエンザ罹患率の低減を確認」〜 まな健康効果の研究により、効果的な摂取の解明にも取り組ん インフルエンザ流行期に栃木県那須塩原市の小学校15校に でいます。 2013年度から2014年10月にかけて、以下の て大規模調査を実施〜を、日本食品免疫学会設立10周年記 研究成果の情報発信や学会発表を行いました。 念大会(2014年10月16日〜17日)で発表。 カゴメでの ● 「カゴメ保有の乳酸菌 『ラブレ菌』のインフルエンザウィル 研究。 スに 対 する防 御 効 果を確 認 」を日 本 食 品 免 疫 学会第9 これらカゴメの研究成果につきましては、 「ニュースリリース 回学術大会(2013年10月17日~18日)にて発表。カゴメ・ (研究)」、 「カゴメ研究開発だより」としてウェブサイト上で ニュージーランドAg Research(アグリサーチ)社との共 ご紹介しています。 同研究。 また、 「カゴメ研究開発だより」 「もっと知りたいトマトと野菜」 ● 「 ス ル フォラ ファン に 悪 酔 い 軽 減 が 期 待 で き る 効 果 「もっと知りたい植物性乳酸菌」ウェブサイトでも、 トマトと野菜 を 発 見 」を A l c o h o l a n d A l c o h o l i s m 誌 電 子 版 と乳酸菌のさまざまな情報を、分かりやすくご紹介しています。 (2013年7月3日付)に掲載。 カゴメでは、今後も野菜や乳酸菌の持つ多様な機能性の解明 カゴメ・米国Johns Hopkins医科大学と共同研究。 を進め、お客さまの健 康 増 進に貢 献していきたいと考えて ● 「便秘はいくつかの栄養素の吸収効率を低下させるととも います。 に、老化・がんの原因となる酸化ストレスを高める可能性 が明らかに〜女子大学生を対象に調査を実施〜」を日本 農芸化学会2014年度大会(2014年3月28日~30日)で 発表。大妻女子大学との共同研究 。 ● 「食事前、もしくは食事中の野菜ジュース飲用でメタボの 原因となる食後の血糖値の急激な上昇が抑えられることを 確 認 」を日本 食 品 科 学 工 学 会 第 6 1 回 大 会 (2014年8月28日〜30日)で発表。カゴメでの研究。 ● 「ラク トバチルス・ブレビス・KB290(通称:ラブレ菌)を含む飲 カゴメ研究開発だより ラブレ菌 ▲ http://www.kagome.co.jp/research/index.html もっと知りたいトマトと野菜 ▲ http://www.kagome.co.jp/tomato/ http://www.kagome.co.jp/nyusankin/ ▲ もっと知りたい植物性乳酸菌 http://www.kagome.co.jp/company/news/index.html?cat=kenkyu ▲ ニュースリリース(研究) 自然の恵みを活かすものづくり カゴメでは、 「よい原料」と「よい技術」の最適組み合わせ 商品の安全性を確保しつつ、原料素材が持つおいしさと で、自然の恵みを最大限に活かすことを、ものづくりの基本的 栄養を活かす商品開発に積極的に取り組んでいます。 な考え方としています。 82 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 製品品質の確保 素材の価値を最大限に活かす非加熱技術と成分変換技術の活用 原 料 素 材 の 価 値を残 す 非 加 熱 技 術 には 、トマト本 来 の スイート製法」などもあります。 真っ赤な色やうまみ成分を損なわないよう、余分な熱をかけ 一 方で 、原 料 素 材 の潜 在 的な価 値を引き出 す 成 分 変 換 ずに高品質に濃縮することができる「トマトジュース」の「RO 技術には、野菜・果実が本来持っている香味を残しつつ、酵素・ (逆浸透膜)濃縮技術」や、人参の自然な甘みとカロテンを損 微生物などの力を活かして新たな風味を引き出す発酵技術 なわずに搾り、さらにクセやくさみを抑えることができる「キャ と、その風味を一体化させる熟成技術を組み合わせた「ソー ロットジュース」の「フレッシュスクイーズ製法」と「ベジタブ ス」の「醸熟製法」があります。 ル・リファイニング製法」があります。このほか、スチーム(蒸 このように、原料素材のおいしさと栄養を活かす技術開発を 気)と野菜ジュースを直接接触させて瞬間的に作用させる 通して、自然の恵みを活かした体にやさしいおいしさを実現 ことで、野菜本来の甘みを引き立てることができる「スチーム しています。 遺伝資源を収集し、交配法による有用品種の開発 カゴメでは約7,500種ものトマト種子をはじめとする豊富な していただける商品を提供するため、 トマトの持つ無限の可能 遺伝資源を保管・データベース化しています。農業研究部門で 性を引き出す、地道で着実な研究活動を進めています。 は、この遺伝資源を最大限に活用し、遺伝子組み換え技術は また、開発した品種が保有する能力を最大限に発揮させる 用いずに、従来型の交配育種によって「よい原料」となる品種 ための栽培適地の選定や、省力化が可能な栽培技術の確立に の開発に取り組んでいます。 取り組むとともに、安心・安全な原料を得るための使用可能 この方法では実用的な品種を開発するのに長い年月を要す 農薬の選定、および必要最小限の農薬使用量で病害虫の発生 ることもありますが、カゴメでは、おいしくかつお客さまに安心 を抑える栽培技術の確立を進めています。 生産・物流の基準・ルールと行動指針 評価する新しいマネジメントを始めており、品質第一のさら カゴメでは、2003年に設計開発~調達・生産・物流・販売に なる徹底を図っています。 わたり、ISO9001の認証を取得し、全社を挙げて品質マネジ メントの向上に努めています。また、商品の製造にあたっては、 HACCP ※の手法に基づき、以下の品質管理活動を全工場で 実施しています。 ● 食品の品質を分析して「科学的な根拠で殺菌条件」を設定 ● 原材料の危害は「新規原材料評価シート」で評価 ● 製造工程の管理と検査基準を「製造管理基準」で制定 ● 防虫、作業員の衛生(手洗い、消毒など)、衛生区画を「衛生 管理基準」で制定 ● 製造工程ごとの管理や検査の手順を「QC工程表」で明確 にして記録 さらに、 「提供する商品の品質は生産の現場がつくる」と いう考えの下 、生 産に従 事する従 業員に、日々 品 質を第 一 生産現場での「行動指針」 に考えた行動の徹底を促すため、2005年に生産現場での ※ HACCP:食品材料の入荷から製造・出荷に至る生産工程に対して、 「行動指針」を定めました。2008年度からは、この行動指針 予想される微生物的・化学的・物理的危害を分析し、その結果に基づき を目指す活動そのものが現場の成果となる、品質プロセスを 危害防止のための重要管理点を設定して集中的に管理する衛生管理手法 83 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 消費者課題 お客さまとのコミュニケーション お客さまの声を大切にする気持ち カゴメは、お客さまから支持される企業であり続けるために、新た らいただいたさまざまな声を企業活動に反映させています。ま な価値の提供による需要創造に全社を挙げて取り組んでいます。 た、ご意見・ご指摘をいただいたお客さまに対しては対策や対応 この実現のためカゴメでは、長年にわたって培ってきた技術 方針を、また、早期に対応できない内容に関してはその旨を、誠 や研究成果を、お客さまの健康に役立つ商品として提供すると 意を持って正確にお応えするよう心がけています。 ともに、お客さまとのコミュニケーションを大切にし、お客さまか お客さまの声への対応 カゴメでは、専任の「お客様相談センター」を設置し、電話と ● ウェブサイトを通じてお客さまのご質問やお問い合わせに対応し お客様相談センター フリーダイヤル 0120-401-831 ※年末年始休暇を除く毎日:9時~17時(土日祝日含む) また、より多くのお客さまからのご意見・ご質問をお受けする ています。 いただいたご質問、お問い合わせは、専用のデータベースに内 ため2014年8月の一ヶ月間限定でTwitterを活用した「夏休み 容をすべて登録し、社内の関連部門で迅速に共有するようにして 野菜相談室」を開設し、野菜・野菜ジュース等に関する多くの います。また、商品に関するご提案については、商品企画など担 問合せをお受けしました。今後もこのような新しい手法を通じて 当部門に速やかに内容を伝達し、商品開発などに反映させるとと より多くのお客さまからの問い合わせ・ご意見をいただけるよう もに、社内掲示板に掲載して全従業員で情報を共有しています。 な取り組みを推進してまいりたいと考えています。 お客さまから寄せられるご意見・ご指摘は、 「お客さまによる商 品評価の結果」と捉え、研究開発・設計・生産・販売に関わる各従 業員が、それぞれの立場で改良・改善に努めています。 お客さまの声を活かしました! (改善事例) お客さまから賞味期限表示が西暦の下2桁の表示である ペットボトル商品 ため、西暦なのか平成なのか分かりにくいという声を受け、ペッ トボトル商品(720ml、280g)、紙パック商品(100ml、125ml、 200ml)の賞味期限の年表示を西暦下2桁の表示から、西 暦4桁の表示に順次変更しています。 紙パック商品 変更前 変更後 賞味期限表示 2014年5月5日の場合 賞味期限表示 2014年9月7日の場合 賞味期限表示 2014年9月17日の場合 賞味期限表示 2014年9月30日の場合 お客さまの最近のお声から 2010年8月から、お客様相談センターに日々寄せられる声 し、全社に配信しています。お客さまの声が全従業員に伝わる の中から代表的なものを抽出し、毎日社内SNS(ブログ)で従業 ことで、従業員の励みや、改善への意欲などにつながっています。 員に配信しています。また、一週間に寄せられるお客さまの声を ※お客さまの声(文章)の集まりを自然言語解析の手法を使って単語や テキストマイニング手法 ※を活用し、より有用な情報として加工 フレーズに分割し、それらの出現頻度や相関関係を分析して有用な情 報を抽出する手法やシステム。 84 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 お客さまとのコミュニケーション 適正で分かりやすい表示 食品の表示は、2013年6月に制定された食品表示法をはじめ 適正であることを検証しています。 とした多くの法律によって規制されています。 これらの根拠資料に基づき、表示の原稿から最終デザイン段階 表示には、アレルギーや栄養成分などヒトの健康に関与する までの複数の工程で、3名以上の担当者が全ての新商品や表示 情報や、食品添加物、遺伝子組み換え、栄養成分などお客さまの 変更を伴うリニューアル商品の読み合わせチェックを行い、表示 興味のある項目が含まれています。法規から逸脱していないこと を確定しています。 は当然として、当社ではお客さまに誤解を与えないような分かり また、パッケージデザインは、社内のデータベースに保管し、 やすい表示を心がけています。 最新版と過去のデザインを検索できるようにしています。 そのために、商品の開発段階において原材料名やアレルギー 表示に関する設計書を作成し、配合と表示の食い違いや表示 漏れなどが生じないように確認しています。原料の産地や品種 などの表示は、調達先から証明書を取り寄せるとともに、必要に 応じて現地を訪れて、間違いがないことを確認しています。 また、栄養成分に関しては、社内の分析体制を整え、自社分析 データを基に表示を作成しています。主要商品は、外部の第三者 機関に分析を依頼して栄養成分の分析試験書を入手し、表示が ● 担当者による表示の読み合わせチェック 食品表示を規制する法令 景品表示法 公正競争規約 意匠法 商標法 食品表示法 薬事法 景品表示法 公正競争規約 食品表示法 計量法 公正競争規約 食品表示法 資源有効利用 促進法 PL法 JAS法 景品表示法 公正競争規約 85 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 お客さまとのコミュニケーション QRコードを活用した原料産地情報の提供 食の安全に対するお客さまの関心が高まるなか、お客さまから 商品の原材料について多くのお問い合わせをいただいています。 カゴメでは、従来から主要商品の原料産地をウェブサイトでお知 らせしてきましたが、お客さまのアクセスの利便性に配慮して、 2008年1月からお問い合わせを多数いただいた商品のパッケー ジに、主要原材料やその原産地、原材料管理の取り組みなどを 紹介した携帯サイトにアクセスできるQRコード(二次元バーコー ド) を掲載しています。 商品パッケージに掲載したQRコード 高齢者にも読みやすい表示の採用 商品パッケージにはさまざまな文字情報が表示されています。 これらの情報は、商品を選択・購入する上で必要な情報であり、 その多くが表示を義務付けられています。カゴメではこの表示に 関し、 「ユニバーサルデザイン(UD)※」に配慮した書体の採用を 進めています。狭い面積に必要な情報をすべて表示しようとする と、文字を小さくせざるを得ないこともあります。この書体はその ような場合でも、できるだけ読みやすく、誤読がされにくいよう工 夫された書体です。また、特に注意をいただきたい内容は視認性 野菜生活100のUD表示 を高める工夫をしています。 ※ユニバーサル・デザイン(Universal Design) :文化・言語・国籍の違 い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用するこ とができる製品・情報の設計のこと お客さまとの店頭でのコミュニケーション カゴメは毎年、お客さまと自然の恵みへの感謝の気持ちとして、 トップを含め従業員によるジュース用の生トマトの配布や試飲 を8月に行っています。直接お客さまと交流できる貴重な機会 となっています。 社長による店頭での試飲イベント 86 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 お客さまとのコミュニケーション 工場見学 カゴメでは、 「開かれた企業」という企業理念の実現を目指す 取り組みの一環として、 トマトの収穫シーズンである夏季を中心に 那須工場、富士見工場、茨城工場で工場見学を実施しています。 地元の小学生をはじめ、広くお客さまにカゴメの企業活動や環境保 全活動について理解を深めていただく、貴重な機会となっています。 工場見学の様子 http://www.kagome.co.jp/company/shokuiku/factory/ ▲ カゴメ工場 たんけん隊! 広告宣伝活動 カゴメは、広告をお客さまとカゴメをつなぐ大変重要なコミュニ ケーション手段と位置づけており、テレビ、新聞、ウェブサイトを中 心に積極的な活動を展開しています。 広告の出稿にあたっては、景品表示法だけでなく薬事法などの 法令に照らして、誇大な表現や誤りがないかを広告部門、法務部 門、品質保証部門で十分にチェックすることはもちろん、自社都合 ではなく、お客さまに商品の持つ価値や企業としての取り組みを分 かりやすく魅力的にお伝えすることを常に心がけています。 広告(トマトジュース) ウェブサイト カゴメでは、 「開かれた企業」としてお客さまをはじめとす るステークホルダーの方々への情報開示にも取り組んでおり、 1998年からウェブサイトを開設しています。ウェブサイトの運営に あたっては、ご利用いただく皆さまのご意見などを参考に利用者に とっての使いやすさ、分かりやすさに常に配慮し、商品情報や企業 活動に関する有用な情報をタイムリーに発信しています。 カゴメのものづくりウェブサイト 87 コミュニティへの参画及びコミュニティの発展 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 食育支援活動と工場見学の取り組み 食育支援活動 近年、健康志向の高まりや食習慣の多様化とともに、食育の 関する情報や楽しい体験機会の提供などを通して、心身を育む 重要性が改めて見直されています。カゴメは食に携わる企業と 「食の大切さ」、 「おいしい」という感動を親しい人たちと共有 して、企業活動を通じた皆さまの健康長寿への貢献を目指し、 する喜び、食物を育て収穫し、味わうことなどの「食の楽しさ」を さまざまな食育支援活動に積極的に取り組んでいます。食に 広く伝えていきたいと考えています。 子どもへの食育支援活動 カゴメ劇場(1972年~) カゴメ劇場は、1972年以来、未来を担う子どもたちの健やか な成長を願い、毎年夏休みに開催している、カゴメオリジナルの 子ども向けミュージカルです。第1部はトマトと野菜をテーマに した歌とダンス、第2部は世界の名作劇という構成で上演して います。これまでご覧いただいた親子は、延べ約341万人。 子どもの頃にカゴメ劇場を観劇していて、大人になって、結婚 カゴメ食育支援活動「カゴメ劇場」第1部 し、今度は自分の子どもを連れて見に来た、という方も年々増え てきました。 第40回(2012年)からは、東日本大震災遺児の進学支援の ための奨学基金「公益財団法人みちのく未来基金」のチャリティ として開催。会場に設置した募金箱への募金に加え、当日会場 で販売するカゴメ商品の収益金を、 「公益財団法人みちのく 未来基金」へ寄付しています。 カゴメ食育支援活動「カゴメ劇場」第2部 カゴメトマト劇場(2012~) 2012年6月より、東北被災地の子どもたちに向けて、カゴメ 劇場を出張公演用にコンパクト化した「カゴメトマト劇場」も随時 開催しています。カゴメが毎春実施しているトマトジュース用 トマト「凛々子(りりこ)」の苗のプレゼントにご応募いただいた 東北3県の小学校、幼稚園、保育園へ、この「カゴメトマト劇 場」をご案内し、お申し込みをいただいた学校・園へ公演スタッ フが順次お伺いしています。子どもたちが楽しみながら「食」へ の興味・関心を高める食育の機会として、これまでに約90校・園 からお申込みいただいています。 カゴメ食育支援活動「カゴメトマト劇場」 88 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 食育支援活動と工場見学の取り組み 先生方への食育支援活動 カゴメりりこわくわくプログラム トマトの苗プレゼント (1999年~) 「凛々子(りりこ)」とは、カゴメのジュース用原料トマトの総称 です。この苗を毎年4~5月に全国の小学校、幼稚園、保育園に 96本または48本ずつ無償で提供しており、 トマトの栽培を通し (明石市立二見小学校さま) 大切に育ててくれてありがとう! て、子どもたちに「命への関心」と「感謝する心」が育まれること を願っています。 2014年度は、全国2,094校・園で栽培していただきました。 また、子どもたちの指導に携わる先生方には、栽培ガイドブッ クの配布、ウェブサイトなどで栽培・食育実践のヒントとなる情報 を提供し、 「凛々子」の栽培が子どもたちにとって楽しい食育体験 (長崎県つぼみ保育園さま) みんなが楽しみにしてくれたから、 一杯採れましたね! の場となるよう栽培活動のサポートをしています。 工場見学 カゴメは、那須工場、富士見工場、茨城工場で見学を受け入れ ており、夏季にはトマトの収穫体験を実施しているところもあり ます。 「よい原料」と「よい技術」を最適な方法により組み合わせ たカゴメ独自の生野菜加工※や商品の生産工程をご覧いただい ています。 那須工場での 工場見学 また、上野工場内にあるカゴメ記念館では、創業者・蟹江 一太郎とカゴメの歴史を紹介しています。 ※生トマトの加工は那須工場で夏季のみ見学可能です。 茨城工場での 工場見学 富士見工場での 収穫体験 上野工場内の カゴメ記念館見学 89 コミュニティへの参画及びコミュニティの発展 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 東日本大震災への対応 ~カゴメの成長は社会の成長と共に~ カゴメグループは、 「健全で、元気な日本があってこそ、企業 による被害を受けております。カゴメグループは、 「カゴメの成長 の成長がある」と考えています。自分たちだけの成長を考えるの は社会の成長ととも」にという考えの下、被災者の方々や被災 でなく、社会の成長に貢献することで、カゴメの企業価値の向上 地で復興に携わる方々との「共助の絆」を結び、様々な活動を と持続的成長を確実なものにしていく、という考え方です。 続けております。 特に、①農業復興、②地域再生を担う人材育成、③こころと 東日本大震災は、東北地方を中心に日本各地に甚大な被害を からだの健康再生、に重点を置き、東北を中心とした被災地の もたらしました。カゴメの東日本にある一部の事業所や、野菜 復興に向け長く着実に取り組んでまいります。 原料を供給いただいている東北の生産者の方々の多くも、震災 農業復興 農業の6次産業化支援 東日本大震災による津波は、東北の農業にも大きな被害を 化支援機構へ発起人として出資するとともに人材を派遣してい もたらしました。 ます。国内外において農業が成長ビジネスとして注目される中、 農業はカゴメと親和性が高いことから、カゴメは東北の沿岸部 日本の「農」の発展につなげるべく、本ファンドを通じて、農業の において農業振興につながる新たな農業法人による事業化を 6次産業化をさらに拡大・高度化する取り組みを支援してまいり 支援しています。 ます。 震災直後には、津波被害を受けた宮城県仙台市の沿岸部にお さらに、2013年度は岩手県と宮城県において、新たに4.7ha いて、2013年7月に稼働を開始した大規模施設園芸団地(栽培 の栽培を行いました。沿岸部や内陸部において、行政や地域と 施 設 面 積 2 . 8 h a )の 建 設プロジェクトに参 画し、事 業 構 想 共有できる価値である「契約栽培」という強みを活かしたジュース づくりの支援をいたしました。現在、他の大規模プロジェクトにも 用トマトの 産 地 化 の 取り組みも始 めており、トマトジュース 参画し、支援活動を推進しています。 原料の全量国産化に貢献すると同時に、農地保全・営農支援と また、2012年8月に成立した株式会社農林漁業成長産業化 いった社会貢献を目指してまいります。 支援機構法に基づき設立された、株式会社農林漁業成長産 業 トマトジュース全量国産化に向けた被災三県の産地形成 カゴメはトマトジュース原料の全量国産化を方針に揚げ、産地拡 「セシウムのトマトへの移行率」や「カリウム増肥の効果」など、 大に取り組んでいますが、東日本大震災による放射能問題の影響で 世界初とも言える貴重なデータを得ることができたことから、2012 一時中止を余儀なくされました。 年度には6月のWPTC(世界加工用トマト評議会)や、9月の園芸 2011年度は福島県での加工用トマト栽培を休止し、福島県・JA 学会秋季大会での発表を通じ、国内外に貴重なデータの提供を行い 全農福島と共同で放射性物質のジュース用トマト生育への影響に ました。 ついて各地の圃場調査を行い、4,000サンプルを上回る分析により、 90 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 東日本大震災への対応 また、2013年度は十分な安全性が確認されたため、11月 26日に「ふくしま産トマトジュース」の発売に至りました(ふくし ま産の加工用トマトについては、本製品のみ商品化)。今後も、 継続して放射性物質の影響を経年的に調査・分析し、詳細な データの蓄積を継続していきます。さらに、福島県では、震災で 被災したいわき小名浜菜園が、いわき市役所に発足した「見せ ます!いわき情報局見せる課」に参加して、2012年のテレビCM を皮切りに農林水産業をはじめとした震災復興への取り組み や、がんばる市民の姿などを伝え、震災を乗り越えた商品を お届けする姿勢を紹介しました。 トマトジュース原料の全量国産化は、契約栽培生産者とお客 さまとの絆をつなぐ大切な取り組みであり、その実現のために も、品質上の「安全」はもちろん、お客さまにとって「安心」して ふくしま産トマトジュースの発売 十分な安全性確認の下、2013年 11月に「ふくしま産トマトジュース」 の発売に至りました。 いただけるトマトづくりを目指して、契約栽培生産者のみなさんと ともに、粘り強く、着実に進めていきます。 地域再生を担う人材育成 公益財団法人みちのく未来基金 2011年カゴメは、カルビー株式会社・ロート製薬株式会社と ともに、宮城県仙台市に「みちのく未来基金」を設立し、震災 遺児の進学の夢の支援を開始しました。 東日本大震災によって親を亡くされた子どもたちの高校卒業 後の高等教育進学のために、入学から卒業までに必要な入学金 と授業料の全額(年間上限300万円)を返済不要の奨学金とし て給付しており、震災時の0歳児が大学(院)を卒業するまで 四半世紀にわたり長く応援を続けてまいります。 基金第3期生の集い(2013年3月) 毎年3月には、基金生と支援者の方々が一堂に集い将来の夢と希望 を応援します。早くも今春に短大・専門学校を卒業した約20名は、 新社会人として元気に羽ばたいていきました。 初めての奨学支援を行った2012年度の進学者は90名、 2013年度は122名、2014年度は105名の遺児を迎え、 「みちのく未来基金」の基金生は、3学年合わせて約300名に なりました。さらに2015年度も、約100名のエントリーが見込ま れており、その後も毎年70~100名の基金生を迎える見込みです。 大変な震災経験をしてきた基金生たちではありますが、 「みち のく未来基金」を通じて貴重な先輩後輩の関係が作られ、とても アットホームな雰囲気の中、2014年3月には、夢をかなえた 約20名の新社会人が早くも誕生し、基金生と支援者の方々に 基金生と基金スタッフが気軽に集まる「みちカフェ」 進学後のアフターフォローとして「みちカフェ」を開催しています。 基金では奨学金の給付だけでなく、基金生の心のケアも重要な 仕事のひとつです。 よる「 基 金 第 3 期 生 の 集 い 」では 、さらなる飛 躍と明 るい 未来を祈り、全員でエールを送りました。 91 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 東日本大震災への対応 将来の農業人育成 カゴメは、農業そのものの再生支援に加え、東北における 将来の農業人育成に向け、農業高校でトマト栽培を通じた授業 支援にも取り組んでいます。 2012年度から被災地の農業高校2校で授業支援への取り組 みをスタートしました。2013年度は4校で実施、2014年度 は3県12校へ拡大して、 トマトの露地・施設栽培、調理、加工 農業高校への授業支援 カゴメの農業専門スタッフがトマト栽培授業を提供し、 未来の農業人育成を支援しています。 および工場見学、販売体験などの社会体験授業の提供により、 トマトの総合学 習を通じて東 北 復 興を担う未 来の農 業 人の 夢を応援しています。 農業高校生の工場見学 毎夏には、カゴメ那須工場を視察し、食品製造について の理解を深める社会体験授業を提供しています。 心とからだの健康再生 皆で支え合う社会づくり カゴメは震災当初、被災地への支援として関係省庁や被災地 の各自治体の災害対策本部と連携し、100万本を超える野菜 飲料を無償提供するなどの物的な支援を始めました。 震災から時が過ぎるにつれて、人的・物的被害の大きさなど、 今後想定される事態の厳しさが明らかになる中で、 「皆で支え あう社会」づくりに貢献すべきと考え、カゴメグループとして税 引き後利益の概ね10%に相当する金額を義捐金として、3億円 トマト劇場in東北 保育所や幼稚園を対象に、 トマト野菜の栽培や 食事マナーなどを楽しい歌やダンス・クイズを通して勉強します。 2014年度の食育テーマは「いただきます、ごちそうさま」です。 の寄付を日本赤十字社へ行いました。加えて、これとは別に、 従 業 員 有志による社内義捐募金活動を行い、国内外カゴメ グループの役員・従業員とOB有志より2,300万円の募金を 集め、日本赤十字社へ寄付を行いました。 さらに、長年培ったカゴメ食育を活用して、東北被災地向けの 食育支援活動を開始いたしました。長い避難生活を余儀なくさ れている被災地の方々の健康な食生活や、子どもたちの健やか な成長を応援するため、カゴメ従業員が直接被災地を回って、 食育支援活動を続けてまいります。 トマトキッチンカー 保育所・幼稚園・小学校・仮設住宅などを対象に 「トマトキッチンカー」が出動し、野菜クッキーや ご当地ナポリタンなど、料理体験型の食育を進めています。 被災地での食育支援活動は2012年度からスタートしました。 2013年度に続き、2014年度は、福島・宮城・岩手各県の小学 92 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 東日本大震災への対応 校・幼稚園・保育所の全箇所に、 トマトジュース用トマト「凛々子」 皆さまに対してカゴメ食 育の強みを活かした価 値ある復 興 苗を案内し、約500施設で栽培体験を提供しています。また、 支援活動を続けています。なお、食育支援活動の実働スタッフ 40年の歴史をもつ「カゴメ劇場」のノウハウを活かして構成した は、カゴメ従業員および、被災した東北の方々を中心に構成し、 東北被災地向けの食育公演「カゴメトマト劇場in東北」や、 トマト 被災地における新たな雇用と経済効果にもつながる運用を と野菜の調理体験の出来る「トマトキッチンカー」、 「料理教室」、 進めています。 「食育紙芝居」など、約100箇所を目標に、約12,000人の リジェネレーション・チャレンジ・プロジェクト 2012年10月、世界屈指のサッカークラブとして多くの社会 貢献活動を続けている「マンチェスター・ユナイテッド・フットボー ル・クラブ(以下MU)」と、アジア初の公式飲料スポンサー契約 を締結しました。カゴメとMUは共同で「リジェネレーション・チャ レンジ・プロジェクト」をスタートさせ、その一環として、東日本 大震災の被災地での再生支援に取り組んでおります。 2013年7月には、MUと横浜F・マリノスとのプレシーズン マッチを開催し、サッカーが大好きで将来のサッカー選手を 夢見る東北の多くの子どもたち(子どもたちと保護者250組 東北でのMUサッカースクール MUサッカースクール(MUSS)の専属コーチの指導の下、 東北の子どもたちは元気に楽しく練習に取り組みました。 500名)を招待しました。また、2013年に続き、2014年度春 には、MUサッカースクール専属コーチ(MUSS)による被災地 でのサッカースクールを岩手県(盛岡)、宮城県(仙台)、福島県 (須賀川)で開催し、子どもたちは本場の指導に目を輝かせ ながら、元気に楽しく体験しました。 2013年7月に来日したマンチェスターユナイテッド 2013年7月に行われたMUと横浜F・マリノスとの プレシーズンマッチには、東北の親子250組を招待しました。 従業員によるコミュニケーション 企業市民として「社会と共有できる価値」の実例である「みち 今後20年以上にわたり、震災遺児たちの進学の夢の実現に のく未来基金」を長期にわたり安定的(経済的)に支えていくこ 向けた「みちのく未来基金」を始め、東北の復興支援活動を決し とは、基金の発起企業であるカゴメの社会的責任であり、カゴメ て風化させず、全従業員が長期的・自発的に東北復興に寄り 従業員一人一人の自発的な支援意識と持続的な行動が不可欠 添えるよう、社内での広報活動や啓発機会を定期化し持続して となります。 まいります。 93 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 東日本大震災への対応 カゴメグループでは、震災後まずは、各事業所において、 部門独自の 復 興 支 援 や 募 金 活 動を始 めました 。事 業 所 の 有志が陸前高田や石巻、相馬などの被災地に直接出向いて、 ガレキ撤去や炊き出し応援などの活動を行いました。 「みちのく 未来基金」の活動がスタートしてからは、毎年3月に全従業員が 基金バッジ襟章をつけ、取引先さまなど社外への基金告知活動 を続けています。合わせて、東北で生産した復興支援グッズ 地域イベントでの募金活動 事業所周辺の住民の方々が集まるイベントで 募金活動を行っています。 の販売や、工場見学・カゴメ劇場・株主総会・株主健康セミナー・ 営業イベント・地域の集いなど、たくさんのお客さまと接する機会 で「みちのく未来基金」の告知やチャリティ販売による募金活動 を展開し、毎年約6百万円以上の募金を集めて「みちのく未来基 金」に寄付を行っております。加えて、2014年度からは従業員 を対 象とした給 与 天 引き募 金や、社内自販 機 募 金 、太陽光 ソーラー募金をスタートし、 「みちのく未来基金」への募金のさら なる規模拡大を進めてまいります。また、若手社員が中心の人事 教育として、復興支援活動に自主的に参加できる制度をスタート スポーツイベント会場での告知活動 多くの方々が集まる各種イベントで幅広く告知を しています。 させ、社員による東北復興への積極的な関与と、持続的な支援 意識の浸透を進めてまいります。 カゴメ劇場でのチャリティ販売 全国約20都市で行われる「カゴメ劇場」では復興支援 グッズや飲料のチャリティ販売を行っています。 営業イベントでの募金活動 「みちのく未来基金」に賛同する取引先さまは年々 増えています。量販店の店頭や催事で 基金告知や募金活動を続けていただいています。 94 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 GRIガイドライン内容索引 「カゴメサステナビリティレポート2014」は、GRI(Global Reporting Initiative)の 「サステナビリティ・レポーティング・ガイドライン 第3.1版」を参考にしています。 項目 指標 カゴメサステナビリティレポート2014 1 戦略および分析 1.1 1.2 組織にとっての持続可能性の適合性と、その戦略に関する組織の最高意思決定者 トップコミットメント (p.3-4) (CEO、会長またはそれに相当する上級幹部)の声明 トップコミットメント (p.3-4) サステナビリティへの取り組み(p.7-8) 私たちの戦略(p.19-20) リスクマネジメント (p.34) さまざまなリスクへの対応(p.39-40) 主要な影響、リスクおよび機会の説明 2 組織のプロフィール 2.1 組織の名称 私たちの事業展開(p.15-16) 2.2 主要なブランド、製品および/またはサービス カゴメの考えるサステナビリティとカゴメの理念体系(p.5-6) 事業部門別の戦略と業績(p.21-28) 2.3 主要部署、事業会社、子会社および共同事業などの組織の経営構造 私たちの事業展開(p.15-16) 2.4 組織の本社の所在地 私たちの事業展開(p.15-16) 2.5 組織が事業展開している国の数および大規模な事業展開を行っている、あるいは報告 書中に掲載されているサステナビリティの課題に特に関連のある国名 私たちの事業展開(p.15-16) 2.6 所有形態の性質および法的形式 私たちの事業展開(p.15-16) 2.7 参入市場(地理的内訳、参入セクター、顧客/受益者の種類を含む) 私たちの事業展開(p.15-16) 事業部門別の戦略と業績(p.21-28) 2.8 以下の項目を含む報告組織の規模 ・従業員数 ・事業数 ・純売上高(民間組織について)あるいは純収入(公的組織について) ・負債および株主資本に区分した総資本(民間組織について) ・提供する製品またはサービスの量 私たちの事業展開(p.15-16) 2.9 以下の項目を含む、規模、構造または所有形態に関して報告期間中に生じた大幅な変更 ・施設のオープン、閉鎖および拡張などを含む所在地または運営の変更 ・株主資本構造およびその資本形成における維持および変更業務(民間組織の場合) 該当なし 2.10 株主・投資家への責任>格付(p.43) 環境マネジメント>環境マネジメントシステム(p.55) 報告期間中の受賞歴 3 報告要素 報告書のプロフィール 3.1 提供する情報の報告期間(会計年度/暦年など) 3.2 前回の報告書発行日(該当する場合) 編集方針(p.2) 3.3 報告サイクル(年次、半年ごとなど) 編集方針(p.2) 3.4 報告書またはその内容に関する質問の窓口 編集方針(p.2) - 報告書のスコープおよびバウンダリー 3.5 以下を含め、報告書の内容を確定するためのプロセス ・重要性の判断 ・報告書内のおよびテーマの優先順位付け ・組織が報告書の利用を期待するステークホルダーの特定 私たちの価値創造基盤(p.17-18) 3.6 報告書のバウンダリー(国、部署、子会社、リース施設、共同事業、サプライヤー(供給 者)など) 編集方針(p.2) 3.7 報告書のスコープまたはバウンダリーに関する具体的な制限事項を明記する 編集方針(p.2) 3.8 共同事業、子会社、リース施設、アウトソーシングしている業務および時系列でのおよ び/または報告組織間の比較可能性に大幅な影響を与える可能性があるその他の事 業体に関する報告の理由 3.9 報告書内の指標およびその他の情報を編集するために適用された推計の基となる前 提条件および技法を含む、データ測定技法および計算の基盤 3.10 以前の報告書で掲載済みである情報を再度記載することの効果の説明、およびそのような 再記述を行う理由(合併/買収、基本となる年/期間、事業の性質、測定方法の変更など) 3.11 報告書に適用されているスコープ、バウンダリーまたは測定方法における前回の報告 期間からの大幅な変更 95 CSR情報のご紹介(p.1) 主要な財務・非財務パフォーマンス(p.29-30) 編集方針(p.2) K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 項目 指標 カゴメサステナビリティレポート2014 GRI内容索引 3.12 報告書内の標準開示の所在場所を示す表 GRIガイドライン内容索引(p.95-100) 保証 3.13 報告書の外部保証添付に関する方針および現在の実務慣行。サステナビリティ報告 書に添付された保証報告書内に記載がない場合は、外部保証の範囲および基盤を説 明する。また、報告組織と保証の提供者との関係を説明する - 4 ガバナンス、コミットメントおよび参画 ガバナンス 4.1 戦略の設定または全組織的監督など、特別な業務を担当する最高統治機関の下にあ る委員会を含む統治構造(ガバナンスの構造) コーポレート・ガバナンス(p.31-33) (p.35-36) 4.2 最高統治機関の長が執行役員を兼ねているかどうかを示す(兼ねている場合は、組織の 経営におけるその役割と、このような人事になっている理由も示す) コーポレート・ガバナンス(p.31-33) (p.35-36) 4.3 単一の理事会構造を有する組織の場合は、最高統治機関における社外メンバーおよ び/または非執行メンバーの人数および性別を明記する コーポレート・ガバナンス(p.31-33) (p.35-36) 4.4 株主および従業員が最高統治機関に対して提案または指示を提供するためのメカ ニズム コーポレート・ガバナンス(p.35-36) 株主・投資家への責任(p.41-43) 従業員の能力やモチベーションの維持・向上>360度観察制度(p.49) 職場環境の整備>労使関係(p.51) 4.5 最高統治機関メンバー、上級管理職および執行役についての報酬(退任の取り決めを 含む)と組織のパフォーマンス(社会的および環境的パフォーマンスを含む)との関係 コーポレート・ガバナンス>役員報酬(p.32) (p.36) 4.6 最高統治機関が利害相反問題の回避を確保するために実施されているプロセス 4.7 コーポレート・ガバ ナンス>コーポレート・ガバ ナンス体 制 性別およびその他の多様性指標へのあらゆる考慮を含む、最高統治機関およびその委員 (p.31) コーポレート・ガバナンス>基本的な考え方と体制(p.35) 会メンバーの構成、適性および専門性を決定するためのプロセス コーポレート・ガバナンス>社外取締役の選任(p.32) (p.36) 4.8 経済的、環境的、社会的パフォーマンス、さらにその実践状況に関して、組織内で開発 したミッション(使命)およびバリュー(価値)についての声明、行動規範および原則 カゴメの考えるサステナビリティとカゴメの理念体系(p.5-6) コンプライアンス>「開かれた企業」としての指針(p.37) 4.9 組織が経済的、環境的、社会的パフォーマンスを特定し、マネジメントしていることを 最高統治機関が監督するためのプロセス。関連のあるリスクと機会および国際的に合 意された基準、行動規範および原則への支持または遵守を含む コンプライアンス>コンプライアンス推進体制(p.37) さまざまなリスクへの対応>全社的なリスクマネジメント体制(p.39) 環境マネジメント>環境マネジメントシステム>環境方針と環境 管理制度の運用(p.54-55) 4.10 最高統治機関のパフォーマンスを、特に経済的、環境的、社会的パフォーマンスという 観点で評価するためのプロセス 環境方針と中期環境計画(p.52-53) - 外部のイニシアティヴへのコミットメント 4.11 組織が予防的アプローチまたは原則に取り組んでいるかどうか、およびその方法はど のようなものかについての説明 4.12 外部で開発された、経済的、環境的、社会的憲章、原則あるいは組織が同意または受 諾するその他のイニシアティブ 4.13 組織が以下の項目に該当するような、 (企業団体などの)団体および/または国内外 の提言機関における会員資格 ・統治機関内に役職を持っている ・プロジェクトまたは委員会に参加している ・通常の会員資格の義務を越える実質的な資金提供を行っている ・会員資格を戦略的なものとして捉えている リスクマネジメント (p.34) さまざまなリスクへの対応(p.39-40) 生物多様性保全(p.68-71) 製品品質の確保(p.78-83) - 地域・社会における環境保全活動>関係団体(p.74) ステークホルダー参画 4.14 組織に参画したステークホルダー・グループのリスト - 4.15 参画してもらうステークホルダーの特定および選定の基準 - 4.16 株主・投資家への責任>株主の皆さまとの「対話と交流の会」 (p41-42) 職場環境の整備>安全で働きやすい職場環境づくり (p.50) 種類ごとのおよびステークホルダー・グループごとの参画の頻度など、ステークホル 地域・社会における環境保全活動(p.74) ダー参画へのアプローチ サプライチェーンにおけるCSR推進(p.76-77) お客さまとのコミュニケーション(p.84-87) 食育支援活動と工場見学の取り組み>工場見学(p.89) 4.17 その報告を通じた場合も含め、ステークホルダー参画を通じて浮かび上がった主要な テーマおよび懸案事項と、それらに対して組織がどのように対応したか 96 環境方針と中期環境計画(p.52-53) K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 項目 指標 カゴメサステナビリティレポート2014 5 マネジメント・アプローチおよびパフォーマンス指標 経済 トップコミットメント (p.3-4) サステナビリティへの取り組み(p.9-12) 私たちの価値創造基盤(p.17-18) 私たちの戦略(p.19-20) 事業部門別の戦略と業績(p.21-28) 主要な財務・非財務パフォーマンス(p.29-30) マネジメント・アプローチ 側面:経済的パフォーマンス EC1 中核 収入、事業コスト、従業員の給与、寄付およびその他のコミュニティへの投資、内部留 保および資本提供者や政府に対する支払いなど、創出および分配した直接的な経済 的価値 サステナビリティへの取り組み(p.9-12) 私たちの価値創造基盤(p.17-18) 株主・投資家への責任>株主政策(p.43) 環境マネジメント>環境マネジメントシステム>環境会計(p.57) 東日本大震災への対応(p.90-94) EC2 中核 気候変動による組織の活動に対する財務上の影響およびその他のリスクと機会 - EC3 中核 確定給付型年金制度の組織負担の範囲 - EC4 中核 政府から受けた相当の財務的支援 該当なし 側面:市場での存在感 EC5 追加 主要事業拠点について、現地の最低賃金と比較した性別ごとの標準的新入社員賃金の比率の幅 - EC6 中核 主要事業拠点での地元のサプライヤー(供給者)についての方針、業務慣行および支出の割合 - EC7 中核 現地採用の手順、主要事業拠点で現地のコミュニティから上級管理職となった従業員の割合 - 側面:間接的な経済的影響 EC8 中核 商業活動、現物支給、または無料奉仕を通じて、主に公共の利益のために提供される インフラ投資およびサービスの展開図と影響 - EC9 追加 影響の程度など、著しい間接的な経済的影響の把握と記述 - 環境 マネジメント・アプローチ 環境方針と中期環境計画(p.52-53) 環境マネジメント (p.54-57) 側面:原材料 EN1 中核 使用原材料の重量または量 カゴメ 環境負荷の全体像(p.58) EN2 中核 リサイクル由来の使用原材料の割合 生産における環境配慮(廃棄物削減・再資源化) >食品リサイク ル法への対応(p.62) 側面:エネルギー EN3 中核 一次エネルギー源ごとの直接的エネルギー消費量 EN4 中核 一次エネルギー源ごとの間接的エネルギー消費量 主要な財務・非財務パフォーマンス(p.29-30) カゴメ 環境負荷の全体像(p.58) - EN5 追加 省エネルギーおよび効率改善によって節約されたエネルギー量 生産における環境配慮(省エネルギー・地球温暖化防止) >エネ ルギー使用量削減(p.59) オフィスにおける環境配慮>平常業務を通したさまざまな取り 組み>電力使用量削減(p.67) EN6 追加 エネルギー効率の高いあるいは再生可能エネルギーに基づく製品およびサービスを 提供するための率先取り組み、およびこれらの率先取り組みの成果としてのエネル ギー必要量の削減量 環境配慮型商品とシステムの研究・開発>環境に配慮した商品・ システム(p.71-73) EN7 追加 間接的エネルギー消費量削減のための率先取り組みと達成された削減量 物流における環境配慮>地球温暖化防止(p.65-66) オフィスにおける環境配慮>平常業務を通したさまざまな取り 組み>電力使用量削減(p.67) カゴメ 環境負荷の全体像(p.58) 生産における環境配慮(用水使用量削減) (p.63) 側面:水 EN8 中核 水源からの総取水量 EN9 追加 取水によって著しい影響を受ける水源 - 水のリサイクルおよび再利用量が総使用水量に占める割合 - EN10 追加 側面:生物多様性 EN11 中核 保護地域内あるいはそれに隣接した場所および保護地域外で、生物多様性の価値が 高い地域に所有、賃借、または管理している土地の所在地および面積 97 - K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 項目 指標 カゴメサステナビリティレポート2014 EN12 中核 保護地域および保護地域外で、生物多様性の価値が高い地域での生物多様性に対す る活動、製品およびサービスの著しい影響の説明 生物多様性保全(p.68-70) EN13 追加 保護または復元されている生息地 - EN14 追加 生物多様性への影響をマネジメントするための戦略、現在の措置および今後の計画 - EN15 追加 事業によって影響を受ける地区内の生息地域に生息するIUCN(国際自然保護連合)のレッドリ スト種(絶滅危惧種)および国の絶滅危惧種リストの数。絶滅危険性のレベルごとに分類する 該当なし 側面:排出物、廃水および廃棄物 EN16 中核 重量で表記する直接および間接的な温室効果ガスの総排出量 EN17 中核 重量で表記するその他の関連ある間接的な温室効果ガス排出量 主要な財務・非財務パフォーマンス(p.29-30) カゴメ 環境負荷の全体像(p.58) 生産における環境配慮(省エネルギー・地球温暖化防止)> CO2排出量削減(p.59-60) 物流における環境配慮>地球温暖化防止(p.65-66) 生 産における環 境 配 慮( 省エネルギー・地 球 温 暖 化 防 止 ) (p.59-60) 物流における環境配慮>地球温暖化防止(p.65-66) オフィスにおける環境配慮>平常業務を通したさまざまな取り 組み>電力使用量削減(p.67) EN18 追加 温室効果ガス排出量削減のための率先取り組みと達成された削減量 EN19 中核 重量で表記するオゾン層破壊物質の排出量 - EN20 中核 種類別および重量で表記するNOx、SOxおよびその他の著しい影響を及ぼす排気物質 - EN21 中核 水質および放出先ごとの総排水量 - 種類および廃棄方法ごとの廃棄物の総重量 生産における環境配慮(廃棄物削減・再資源化)>生産物余剰 物への取り組み(p.61) 生産における環境配慮(廃棄物削減・再資源化) >食品リサイク ル法への対応(p.62) 物流における環境配慮>商品・原材料の廃棄物削減(p.66) EN23 中核 著しい影響を及ぼす漏出の総件数および漏出量 環境マネジメント>環境マネジメントシステム>法令遵守(p.57) EN24 追加 バーゼル条約付属文書Ⅰ、 Ⅱ、ⅢおよびⅧの下で有害とされる廃棄物の輸送、輸入、輸 出、あるいは処理の重量、および国際輸送された廃棄物の割合 該当なし EN25 追加 報告組織の排水および流出液により著しい影響を受ける水界の場所、それに関連する 生息地の規模、保護状況、および生物多様性の価値を特定する 該当なし EN22 中核 側面:製品およびサービス EN26 中核 製品およびサービスの環境影響を緩和する率先取り組みと影響削減の程度 EN27 中核 カテゴリー別の再生利用される販売製品およびその梱包材の割合 物流における環境配慮>商品・原材料の廃棄物削減(p.66) 環境配慮型商品とシステムの研究・開発>環境に配慮した商品・ システム(p.71-73) - 側面:遵守 EN28 中核 環境規制への違反に対する相当な罰金の金額および罰金以外の制裁措置の件数 該当なし 組織の業務に使用される製品、その他物品、原材料の輸送および従業員の移動からも たらされる著しい環境影響 カゴメ 環境負荷の全体像(p.58) 種類別の環境保護目的の総支出および投資 環境マネジメント>環境マネジメントシステム>環境会計(p.57) 側面:輸送 EN29 追加 側面:総合 EN30 追加 労働習慣とディーセント・ワーク(公正な労働条件) マネジメント・アプローチ 雇用の維持と多様な働き方の尊重>人事に関する基本的な考え方(p.44) 従業員の能力やモチベーションの維持・向上>従業員育成の基 本的な考え方(p.47) 職場環境の調整>安全で働きやすい職場環境づくり (p.50) 中核 性別ごとの雇用の種類、雇用契約および地域別の総労働力 雇用の維持と多様な働きの尊重>公正・公平な雇用条件と制度(p.44-45) 中核 従業員の新規雇用総数および雇用率、総離職数および離職率の年齢、性別および地 域による内約 雇用の維持と多様な働きの尊重>公正・公平な雇用条件と制度(p.44-45) 追加 雇用の維持と多様な働きの尊重>自己都合退職者の再雇用制度 主要事業拠点ごとの派遣社員またはアルバイト従業員には提供されないが、正社員に (p.44-45) 雇用の維持と多様な働きの尊重>育児支援(p.45) は提供される福利 従業員の能力やモチベーションの維持・向上(p.47-49) 側面:雇用 LA1 LA2 LA3 98 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 項目 LA15 中核 指標 カゴメサステナビリティレポート2014 性別ごとの出産・育児休暇後の復職率および定着率 - 側面:労働関係 LA4 中核 団体交渉協定の対象となる従業員の割合 LA5 中核 労働協約に定められているかどうかも含め、著しい業務変更に関する最低通知期間 職場環境の整備>労使関係(p.51) - 側面:労働安全衛生 LA6 追加 労働安全衛生プログラムについての監視および助言を行う、公式の労使合同安全衛 生委員会の対象となる総従業員の割合 - LA7 中核 地域別および性別ごとの、傷害、業務上疾病、損失日数、欠勤の割合および業務上の 総死亡者数 - LA8 中核 深刻な疾病に関して、労働者、その家族またはコミュニティのメンバーを支援するため に設けられている、教育、研修、カウンセリング、予防および危機管理プログラム 職場環境の整備(p.50-51) LA9 追加 労働組合と正式合意に盛り込まれている安全衛生のテーマ 職場環境の整備(p.50-51) 側面:研修および教育 LA10 中核 性別ごとおよび従業員のカテゴリー別の、従業員あたりの年間平均研修時間 - LA11 追加 従業員の継続的な雇用適性を支え、キャリアの終了計画を支援する技能管理および生 涯学習のためのプログラム 従業員の能力のモチベーションの維持・向上>自己キャリアプラ ンの実施(p.47) 従業員の能力のモチベーションの維持・向上>教育・研修による 能力向上(p.48) 従業員の能力のモチベーションの維持・向上>キャリアカウンセ リング相談窓口(p,49) LA12 追加 定常的にパフォーマンスおよびキャリア開発のレビューを受けている従業員の性別ごと割合 - 側面:多様性と機会的等 LA13 中核 性別、年齢、マイノリティーグループおよびその他の多様性の指標に従った、総治体(経 営管理職)の構成および従業員カテゴリーごとの従業員の内訳 雇用の維持と多様な働き方の尊重>公正・公平な雇用条件と制 度(p.44-45) 側面:男女労働者に対する同一報酬 LA14 中核 従業員のカテゴリー別および主要事業拠点別の、基本給与および報酬の男女比 - マネジメント・アプローチ - 人権 側面:投資および調達の慣行 HR1 中核 人権への概念に関する条項を含む、あるいは人権についての適正審査を受けた重大 な投資協定および契約の割合とその総数 - HR2 中核 人権に関する適正審査を受けた主なサプライヤー(供給者)、請負業者およびその他 のビジネス・パートナーの割合と取られた措置 - HR3 中核 研修を受けた従業員の割合を含め、業務に関連する人権的側面に関わる方針および 手順に関する従業員研修の総時間 - 差別事例の総件数と取られ是正措置 - 側面:無差別 HR4 中核 側面:結社の自由 HR5 中核 結社の自由および団体交渉の権利行使が侵害され、または著しいリスクに暴されるかもし れないと判断された業務および主なサプライヤーと、それらの権利を支援するための措置 - 側面:児童労働 HR6 中核 児童労働の事例に関して著しいリスクがあると判断された業務および主なサプライ ヤーと、児童労働の有効な廃止に貢献するための対策 - 側面:強制労働 HR7 中核 強制労働の事例に関して著しいリスクがあると判断された業務および主なサプライ ヤーと、あらゆる強制労働の防止に貢献するための対策 - 側面:保安慣行 HR8 追加 業務に関連する人権の側面に関する組織の方針もしくは手順の研修を受けた保安要員の割合 - 側面:先住民の権利 HR9 追加 先住民の権利に関係する違反事例の総件数と取られた措置 該当なし 99 K AGOME SUSTAINAB ILIT Y 2014 項目 指標 カゴメサステナビリティレポート2014 人権に関する審査および/または影響アセスメントの対象となっている業務の割合とその総数 - 公式の苦情処理メカニズムを通して取り組み、決着された、人権に関する苦情の件数 - 側面:評価 HR10 中核 側面:改善 HR11 中核 社会 コンプライアンス(p.37-38) 東日本大震災への対応>〜カゴメの成長は社会の成長と共に〜(p.90) マネジメント・アプローチ 側面:地域コミュニティ SO1 中核 地域コミュニティ参画、影響アセスメントおよび開発プログラムが実施された事業の割合 SO9 中核 潜在的だが重大な、または実際に、マイナス影響を地域コミュニティに与える事業 該当なし 潜在的だが重大な、または実際に、マイナス影響を地域コミュニティに与える事業 で実施された予防策および暖和策 該当なし SO10 中核 - 側面:不正行為 SO2 中核 不正行為に関連するリスクの分析を行った事業単位の割合と総数 - SO3 中核 組織の不正行為対策の方針および手順に関する研修を受けた従業員の割合 SO4 中核 不正行為事例に対応して取られた措置 コンプライアンス>コンプライアンス徹底のためのさらなる取り 組み(p.37) - 側面:公共政策 SO5 中核 公共政策の位置づけおよび公共政策立案への参加およびロビー活動 - SO6 追加 政党、政治家および関連機関への国別の献金および現物での寄付の総額 - 側面:反競争的な行動 SO7 追加 反競争的な行動、反トラストおよび独占的慣行に関する法的措置の事例の総件数とその結果 該当なし 法規制の違反の対する相当の罰金の金額および罰金以外の制裁措置の件数 該当なし マネジメント・アプローチ 製品品質の確保>安心・安全な製品をつくる理念と体制(p.78) お客さまとのコミュニケーション>お客さまの声を大切にする気持ち(p.84) 側面:尊守 SO8 中核 製品責任 側面:観客の安全衛生 PR1 中核 製品およびサービスの安全衛生の影響について、改善のために評価が行われている ライフサイクルのステージ、ならびにそのとうな手順の対象となる製品およびサービス のカテゴリーの割合 製品品質の確保(p.78-83) PR2 追加 製品およびサービスの安全衛生の影響に関する規制および自主規範に対する違反の 件数を結果別に記載 該当なし 側面:製品およびサービスのラベリング PR3 中核 各種手順により必要とされている製品およびサービス情報の種類と、このような情報 お客さまとのコミュニケーション>適正で分かりやすい表示 条件の対象となる主要な製品およびサービスの割合 (p.85) PR4 追加 製品およびサービスの情報、ならびにラベリングに関する規制および自主規範に対す る違反の件数を結果別に記載 該当なし PR5 追加 顧客満足度を測る調査結果を含む、顧客満足に関する実務慣行 お客さまとのコミュニケーション>お客さまの声への対応(p.84) お客さまとのコミュニケーション>お客さまの最近のお声から(p.84) 側面:マーケティング・コミュニケーション PR6 中核 広告、宣伝および支援行為を含むマーケティング・コミュニケーションに関する法律、基 準および自主規範の厳守のためのプログラム お客さまとのコミュニケーション>広告宣伝活動(p.87) PR7 追加 広告、宣伝および支援行為を含むマーケティング・コミュニケーションに関する規制お よび自主規範に対する違反の件数を結果別に記載 該当なし 側面:顧客のプライバシー PR8 追加 顧客のプライバシー侵害および顧客データの紛失に関する正当な根拠のあるクレーム総件数 該当なし 中核 製品およびサービスの提供、および使用に関する法規の違反に対する相当の罰金の金額 該当なし 側面: PR9 100