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事例NO.05−27−04 ガラス工事業者が新商品として水槽用曲げガラス
05−27−04(1) 事例NO.05−27−04 ガラス工事業者が新商品として水槽用曲げガラスの製造 会 社 概 要 会社名(団体名) :まねきや硝子株式会社 代表者名:代表取締役社長 奥山 寛一(69才) 所在地:大阪府 東大阪市 会社創業時期: M・T・S・H 建設業としての主な業種(複数回答可) □総合工事業(□土木 □建築) □専門工事業(具体的に 板ガラスの工事一式 ) □建設関連業(□測量 □地質 □設計 その他) □建設業団体・組合等 □その他(具体的に ) 建設業としての主要受注先(複数回答可) □国、公団等の国の機関 □都道府県及びその機関 □市町村及びその機関 □民間発注者 □官公庁工事の下請 □民間工事の下請 □その他(具体的に ) 建設業許可番号:大臣(般12)第15029号 資本金額: 60百万円 役職員数:160人 (うち建設業従事 26人) 直近年度の売上高: 2,990百万円<平成13年度> 25年 5月 (注)新分野進出が子会社等の別会社方式の場合には、本体の建設会社の情報を記述 新分野・新市場への取組又は先進的な取組の概要 取組分野 (複数回答可) 取組の類型 (複数回答可) 事業の段階 取組体制 (複数回答可) 工業所有権の有無 □リフォーム・リニューアル (□住宅、□非住宅建物、□その他) □環境分野(□土壌汚染浄化、□廃棄物処理、□省エネ、□リサイクル、□解体 □緑化、□その他) □農林水産業、□福祉(□介護、□その他) 、□運輸、□物品販売 □その他(具体的に 水槽用曲げガラス製造 ) □新製品の開発、□新技術・工法の開発、□既存技術の応用、□販路の開拓 □仕入ルートの開拓、□既存人材の有効活用、□IT の活用、□遊休地の活用 □余裕資金の活用、□コストダウン、□財務力の強化 □その他(具体的に ) □調査検討段階、□準備段階、□着手段階、□事業展開段階(既に展開している) □自社単独(□子会社、□別会社設立、□その他) 、□フランチャイズ □協力会社方式、□共同出資会社の設立、□合併・吸収分割、□組合組織活用 □業務提携(同業又は関連業種と) 、□異業種連携、□ネット上での連携 □産学連携、□上記以外の組織からの技術・ノウハウの導入 □その他(具体的に ) □特許権取得(申請中) 、□実用新案権取得(申請中) 、□取得は考えていない 問い合せ先 会社名(団体名) :まねきや硝子株式会社 担当者氏名(役職) :奥山 喜茂(専務取締役) 所在地 eメール 電話 URL [email protected] − 05−27−04(2) 取 組 内 容 の 詳 細 1.新分野・新市場への取組又は先進的な取組等(以下「当該取組」という。 )のテーマ ガラス工事業者が新商品として水槽用曲げガラスの製造。 2.当該取組の内容 まねきや硝子(株)は、専用の連続曲げ電気炉を製作し、ペットショップ等で販売されている水 槽用曲げガラスを製造し、水槽メーカーに納入している。 3.当該取組との出合い又はアイデア発案の契機 水槽メーカーK社の社長からガラスの取扱量が多いと聞いたことがきっかけで、平成 13 年2月、 インターネットでK社の住所を調べ、社長が飛び込みで営業に行った。その当時は、K社の仕入先 が水槽曲げガラス製造から撤退する時期であり、K社は国内で水槽曲げガラス製造をしてくれる会 社を探していた。はじめて営業に行った社長に対して、水槽曲げガラスをつくれるかと打診があり、 即決で曲げ専用炉をつくり、製造することにした。 4.社長の役割と社内の実行体制 社長自らの陣頭指揮のもと、水槽曲げの連続炉の製作を鉄工部が担当した。曲げ炉の設計責任者 及び工場責任者として、ガラスメーカー関係者を各 1 名ずつ招聘した。 5.従業員教育、新規の人材確保等の方法 曲げ炉の設計責任者として、元ガラスメーカーのM氏を顧問として、H氏を工場責任者として迎 えた。いずれもガラスメーカーとの人脈を通じて実現した人事である。 曲げ炉の操作そのものは、温度条件を作業員に指示して、計器板にて操作・管理しており、通常 のガラス加工と変わらないため、特別な教育は不要である。 6.事業化までに至る間で苦心した(苦心すると思われる)こと、及び成功の要因 ガラスの曲げ炉は、外気温に製造条件が左右される。夏と冬とで製造条件が違うため、気温が変 動すると、不良率が上昇する。現在、製造歩留まりは 70∼90%を達成しているが、損益分岐点には ほど遠い。また、インドネシア・中国等との価格競争になり、非常に厳しい状況であるため、いま だ事業として成功しているとはいえない。また、製造精度の要求が厳しく、コスト高になっている。 日本の電気代が大幅に下がらないと、あるいは、中国に対抗できる人件費等の条件がそろわないと、 黒字への転換は厳しい。 7.相談・助言、情報収集等の相手先。外部組織と連携した場合は相手先との連携形態 当初、国内で水槽曲げの連続炉の設計経験者を探したが見つからず、設計経験のある韓国のP氏 に曲げ炉の構造・温度条件等の相談をした。P氏は、社長が 10 年以上前に韓国を訪問した際、面識 を持った技術者である。 05−27−04(3) 8.当該取組の主たる顧客(活動領域)等 顧客は水槽メーカー。 9.当該取組の差別化等のポイント 水槽用ガラスの曲げ加工を行っている会社は、国内でも5社程度であり、ニッチ市場として目を 付けたという点では成功であるが、事業としてはまだ成功しているとはいえない状況にある。 10.当該取組への投資額及び必要資金の調達法 初期投資額は水槽曲げの連続炉の製作費等で約 6,500 万円。資金調達は銀行からの借入による。 11.当該取組に係る事業のスタートから現在までの売上及び利益の推移 売上は、当初は月 500 万円程度であったが、現在では月 1,000 万円程度。損益は当初月 800 万円 程度の赤字であったが、現在では月 400 万円程度の赤字に縮小。今後も赤字幅を縮小していきたい。 12.当該取組の大きな成果と思われるもの 新規事業に取組むときは、綿密な市場調査と中期的・長期的戦略の上で進めるべきであり、経験 と勘とだけでは、なかなか成功までは達しないという教訓が得られたこと。 13.今後の課題と解決方針 今後の課題としては、製造方法を見直して原価を下げ、最終的には黒字化することである。その ためには、曲げ炉をさらに改良し、生産効率をアップすることが必要と考えている。 14.公的助成・支援制度の活用状況(これら制度の改善要望などもあれば併せて記述) 平成 13 年2月からの取組みであり、助成・支援制度についての調査は特に行っておらず、活用で きる制度があるかどうかまだ把握していない。