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1 自社で建設した施設でスイミングスクールを運営

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1 自社で建設した施設でスイミングスクールを運営
No.05−16−03
自社で建設した施設でスイミングスクールを運営
おやなぎ
∼小柳建設(株)∼
会 社 概 要
代表者名:小柳 直太郎(54 才)
会社名(団体名)
:小柳建設株式会社
所在地:新潟県加茂市
会社創業時期:昭和 20 年 8 月
建設業としての主な業種(該当項目は黒文字)
建設業としての主要受注先(該当項目は黒文字)
■総合工事業(■土木 ■建築)
■国、公団等の国の機関 ■都道府県及びその機関
□専門工事業(具体的に
) ■市町村及びその機関
□建設関連業(□測量 □地質 □設計 □その他)
■官公庁工事の下請
□建設業団体・組合等
□その他(具体的に
□その他(具体的に
■民間発注者
□民間工事の下請
)
)
建設業許可番号:国土交通大臣(特-14)第 13415 号
役職員数:150 人(うち建設業従事 約 130 人)
資本金額:350 百万円
直近年度の売上高:6,300 百万円<平成 14 年度>
(注)新分野進出が子会社等の別会社方式の場合には、本体の建設会社の情報を記述
新分野・新市場への取組又は先進的な取組の概要(該当項目は黒文字)
□リフォーム・リニューアル (□住宅、□非住宅建物、□その他)
取組分野
□環境分野(□土壌汚染浄化、□廃棄物処理、□省エネ、□リサイクル、□解体
□緑化、□その他)
□農林水産業、□福祉(□介護、□その他)
、□運輸、□物品販売
■その他(具体的に:体育施設の運営管理(スイミングスクール運営) )
取組の類型
□新製品の開発、□新技術・工法の開発、□既存技術の応用、□販路の開拓
□仕入ルートの開拓、□既存人材の有効活用、□IT の活用、□遊休地の活用
□余裕資金の活用、□コストダウン、□財務力の強化
■その他(具体的に:青少年育成事業 )
事業の段階
□調査検討段階、□準備段階、□着手段階、■事業展開段階(既に展開している)
取組体制
■自社単独(□子会社、□別会社設立、□その他)
、□フランチャイズ
□協力会社方式、□共同出資会社の設立、□合併・吸収分割、□組合組織活用
□業務提携(同業又は関連業種と)
、□異業種連携、□ネット上での連携
□産学連携、□上記以外の組織からの技術・ノウハウの導入
□その他(具体的に
工業所有権の有無
)
□特許権取得(申請中)
、□実用新案権取得(申請中)
、□取得は考えていない
問 い 合 せ 先
会社名 (団体名)
:小柳建設株式会社
スイミング事業部(J-PEC スイミングスクール)
担当者氏名(役職)
:澁谷高幸(本社企画課長、J-PEC スイミングスクール事務長)
所在地
電 話
〒959-1326 新潟県加茂市
青海町1丁目 5-7
0256-52-0008(代)
1
eメール
URL
[email protected].
jp
http://www.n-oyanagi.co.
jp
取 組 内 容 の 詳 細
1.新分野・新市場への取組又は先進的な取組等(以下「当該取組」という。
)のテーマ
自社で建設した施設でスイミングスクールを運営
2.当該取組の内容
新津市と五泉市の2ヶ所のスイミングスクールの運営
①J−PEC新津スイミングスクール (新潟県新津市)
②J−PEC五泉スイミングスクール (新潟県五泉市)
現在、生徒数(利用延べ人数)は両校併せ年間3万 1,
200人である。会員制による青少年を中心とした授業で
開始したが、その後、定年退職者や主婦などの中高齢者の
利用希望もあって、現在は子どもが7割、大人が3割とい
う状況である。ルートを決めて子供や高齢者向けの送迎巡
スイミングスクール会員の力泳
回バスを無料運行している。スクールはプールの提供というよりもソフトが主導であるため会員
制をとっている。地方での広報は口コミが重要であると考え、日曜日は無料で一般に開放してい
る。
3.当該取組との出合い又はアイデア発案の契機
現社長は2代目であるが、以前より、本業である建設業のみならず、常々、教育分野に関心を
もっていた。教育関連事業を検討するにあたっては、様々な事業の選択肢のうち、より大勢の人
と交流できるスイミングスクール事業を選択し、取組んだ。
企業理念
4.社長の役割と社内の実行体制
社長のスイミング事業立ち上げ決定をうけ、昭和61年、本社企画室のスタッフが事業化に向
け、収支シミュレーションを行い、事業計画を策定した。企画書の厚さは分厚いものとなった。
事業開始から17年経過したが、若干の修正がなされたものの、ほぼ当初計画どおりに事業は進
んでいる。スイミング事業は本社の一部門として位置付けられているが、地域貢献との視点にた
って、スイミングスクール事業も本業と同じくらい注力している。
現在のスタッフはパートも含め新津21名と五泉28名である。
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スイミングスクール事業方針
「明日を担う子供たちの健全な人間形成」
子供達が心身ともに健康に育つようにとの願いをこめて、小柳建
設ではスイミングスクール事業を展開しています。スポーツを通じ
て人とふれあう楽しさ、社会性、たくましさを身につけること、ま
た、高齢化社会に向けての生涯スポーツ・コミュニケーションの基
礎づくりにも貢献できると自負しています。これは、個人のみなら
ず、ひいては地域全体としての人材育成、積極的な健康生活への習
慣作りにも役立つことといえます。長期的な展望を持って継続して
いくことで、少しでも地域の未来に役立ち、日頃の感謝の気持ちを
表すことができたらと考えています。現在、新津と五泉の二つのス
クールで、子供たちが元気一杯に水しぶきをあげています。
スイミングスクールの生徒達
(出所:小柳建設パンフレットより)
5.従業員教育、新規の人材確保等の方法
スイミング経験者(高卒者2名)を採用しコーチを育成している。社員の研修については積極
的に支援している。他団体の強化コーチとの交流の場や社外セミナー、講習会などへは常に参加
させ、情報収集に努めるようにしている。女性が多い職場であることを含め、職場環境をよくす
ることが重要と考えている。
6.事業化までに至る間で苦心した(苦心すると思われる)こと、及び成功の要因
スイミングスクールの運営という全く異分野であるため、知識もノウハウもないなかで取組
んだ。最初は全国規模でスイミングスクールを運営している運営会社に相談し、その指導を受け、
昭和61年5月新津市に開設した。次いで、平成3年8月五泉市にスイミングスクールを開設し
た。施設の建設は自社で行なった。
7.相談・助言、情報収集等の相手先。外部組織と連携した場合は相手先との連携形態
客は新しいものに敏感でテレビ、ラジオ、雑誌などで取り上げられたものについて問い合わせ
てくる。最先端情報を入手するよう心がけており、これらの情報に関しては、客が知る前に既に
ほとんど知っている。外国、特にアメリカからの情報収集に努めている。健康分野の特徴は、そ
の年々、ニーズが変わる。その度ごとに、教え方の研修や免許取得が必要になる。ミーティング
では、プログラムとして導入できるものを常に検討し、決定されたものはスタッフを派遣し、学
習させている。
「決めたら行動は早い」
。担当となってから2年経過したが、膨大な情報量である。
「わかっていながら行動ができない」ではまずい。
8.当該取組の主たる顧客(活動領域)等
顧客は一般市民であり、新津市の人口は67,700人、五泉市は人口38,500人である。
9.当該取組の差別化等のポイント
エリアが広範であるため、遠方からくるだけの魅力付が必要である。新潟市内のプールよりも
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最新な情報、ソフト(プログラム)を提供するよう努めている。利用者ニーズの傾向には地域性
がみられ、新津市と五泉市とではニーズが異なる。一方ではスイミングが好まれ、一方ではフィ
ットネスが好まれる。サービス産業の中でどんどんニーズも変わっており情報収集は欠かせない。
プログラムを変えて行くことが必要である。そうでないと利用者から飽きられて客が離れていく。
施設管理の面でも、32度の水温管理、水をどれだけきれいにするかなどノウハウを蓄積して
いる。ISO14001を認証取得し、自主基準にもとづき塩素はできるだけ使わないようにして
いる。コストはかかるが、客が増えてくれればと考えている。雑誌にも水がきれいと取り上げら
れた。
広報活動面では、小学校の水泳指導に当社のコーチを派遣している。小学校の水泳授業は6月
の梅雨明けに始まるがまだ寒い。寒いうえ事故などの危険もあるため、最近の教師は水泳の授業
を嫌がる傾向がある。外部コーチの参加について依頼を受け、無料で派遣することとなった。当
スイミングスクールニーズの拡大策のひとつとして潜在ニーズの顕在化につながると考えてい
る。イベントの開催も行なっており、昨年は、オリンピック選手の中村舞さんを招き、市の後援
でイベントを開催した。参加は無料である。今年は6月にシンクロサーカスを招きイベントを開
催する予定となっている。イベントの企画はスタッフが行なっている。
10.当該取組への投資額及び必要資金の調達法
土地・建物、付属設備、人材などスイミングプール事業への初期投資は、おおよそ十数億であ
った。収益事業としてスイミング事業は時間と資金が大変である。
11.当該取組に係る事業のスタートから現在までの売上及び利益の推移
新潟県の冬のスポーツ参加率は低い。当スクールの利用者は、やはり夏が多いものの、降雪量
の多い新潟県で他のスポーツに比べると屋内施設であるため、季節による変動の少ないスポーツ
である。年間売上高は各々施設とも計画以上となっている。
12.当該取組の大きな成果と思われるもの
建設業とは接客対応なども全く違う。スポーツマンとしての「枠に捉われない、よく考える、
精神的に強い」といったスタッフの良い面、営業スタンスをフィードバックして建設業に活かし
ていきたい。
スイミングスクール事業について全く知らない人間が本業と兼務で事務長としてやってきた。
スイミングスクール事業についてのコンサルティングノウハウも蓄えることができた。
「一生懸
命やればできる」ということを実感している。毎日が「経営していて楽しい」
(スイミング事業
担当責任者)
。
13.今後の課題と解決方針
それぞれの施設のスタッフの質をさらに高めてゆきたいと考えている。さらにスイミングスク
ールを増やしていきたい。建設業とスイミングスクール事業では数字の大きさが違うが、スイミ
ング事業のマーケットは無限大である。その時々の流行があり市場が広い。将来は建設業をスイ
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ミング事業でバックアップしていきたい。
施設の維持は、
「サビ」との戦いである。スイミング施設は塩素を使用するため、傷みがひど
く、メンテナンスが大変であるが、自前の建設ノウハウで行なっていく方針である。
14.公的助成・支援制度の活用状況(これら制度の改善要望などもあれば併せて記述)
基本的に自力でやっていく考えである。資金的な支援よりも、きちんとやっている業者が評価
されるシステムが望まれる。例えば、新分野に参入していることが建設業の経営審査事項に加点
されるような評価システムがあるとよい。
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