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資料1:平成21年度受入実態調査報告

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資料1:平成21年度受入実態調査報告
資料№1
平成21年度
酪農教育ファーム認証牧場及びファシリテーターに対する
活動実態調査結果(報告)
平成22年10月18日
社 団法人
中 央酪農 会議
酪農教育ファーム推進委員会
1.
受入団体及び受入者数
平成 21 年度末の認証牧場数は 291 牧場(前年度から 34 牧場増加)となった。そのうち、
21 年度の受入なしの認証牧場数は 22 牧場となっており、20 年度実績(69 牧場)と比較して
大幅に減少している。
20 年度は飼料価格の高騰等により酪農経営が悪化し、酪農教育ファーム活動を酪農経営
の一環として位置づけていない認証牧場での体験受入が消極的である傾向が見られたが、
21 年度の乳価値上げにより、ボランティアとして活動を実施している認証牧場の酪農経営
が好転し、受入を再開したとみられる。
なお、認証牧場のうち受入を実施していない牧場については、ファシリテーター等の事
情により体験の受入が一定期間困難になり、
「牧場開放」を中心的に実施していたり、特に
新規認証牧場(8 牧場)については、次年度以降から受入を開始する予定であったりした
ことが理由として考えられる。
【表1】
項目
認証牧場数
受入なしの認証牧場数
(うち新規認証牧場)
平成 19 年度
平成 20 年度
平成 21 年度
250 牧場
257 牧場
291 牧場
7 牧場
(0 牧場)
69 牧場
(14 牧場)
22 牧場
(8 牧場)
また、21 年度の認証牧場(調査回収件数/上半期 245 牧場・下半期 245 牧場)における受
入者数は約 87 万 9 千人となり、20 年度と比較して受入者数で約 25%増加する結果となった。
これは、認証牧場数の増加に加え、酪農教育ファーム活動が着実に浸透・普及してきて
いることを表している。
背景としては、わが国をめぐる「食」や農林水産業に対する社会的関心の高まりと併せ
て、教育現場においては、平成 23 年 4 月から新学習指導要領に基づいた指導に完全に移行
することとなり、学校教育における「食育」
「いのちの教育」の重要性が認識され、その学
1
習手法である体験学習活動の需要が高まっていることが要因として挙げられる。
さらに、21 年度においては、1 団体あたりの受入人数実績(d)が少なくなっており、
家族連れ等を主なターゲットとした観光型の牧場などに訪れて酪農体験を実施した少人数
のグループが増加したことが推察される。
(注)調査結果について、19 年度の受入実態調査は、単に来場者数の報告を受けていたが、
20 年度からは『実際に体験を受けた来場者数の報告』という方式に変更したため、
受入人数等で前年との比較が正確には行えない事に留意する必要がある。
【表2】
項目
平成 19 年度
回答牧場数…a
回答率(認証牧場数)
201 牧場
平成 20 年度
平成 21 年度
257 牧場
272 牧場
80.7%(249 牧場) 100.0%(257 牧場)
93.5%(291 牧場)
受入団体数…b
(家族連れ等の小グループを含む)
受入人数…c
36,147 団体
28,705 団体
127,513 団体
690,707 人
705,568 人
879,229 人
1団体当たり受入人数…d
c/b
19 人
25 人
7人
牧場当たり平均受入団体数…e
b/a
180 団体
112 団体
469 団体
牧場当たり平均受入人数…f
c/a
3,436 人
2,745 人
3,232 人
2.
団体種類別の受入状況
団体種類別にみると、家族連れ等の個人グループについて、団体数は前年比 525%、人
数は 142%と増加している。これは、長期休暇や行楽シーズンに、牧場に訪れて動物との
ふれあいや酪農体験を楽しむ家族連れなどの個人グループが大幅に増えていると考えられ
る。
なお、21 年度に体験受入人数・団体数を飛躍的に伸ばした観光型の牧場にヒアリングを
おこなったところ、「子牛のかわいさ」「いのち」を感じてもらって何らかの学びを得ても
らいたいという意向から、ほとんどの来場者に「哺乳体験」などの酪農体験をさせるよう
にしたということであった(これまでは「牧場散策」のみの来場者も多数いた)。牧場側も
「体験」の有用性を認識していることの表れであると思われる。
また、幼稚園・保育園、小学校においては、受入人数がわずかに減少しているものの、
団体数については増加しており、中学校、高等学校、大学・専門学校、特別支援学校につ
いては、団体数・人数ともに大きく増加している。
2
21 年度については、多くの個人グループが認証牧場で酪農体験をおこなった一方で、学
校等の教育機関と連携した活動についても活発になされた。背景として、学校現場を含め
た教育機関での酪農教育ファーム活動に対するニーズの高まりや、活動の定着化があると
みられる。
【表3】
団体種類別団体数
幼稚園・保育園
小学校
中学校
高等学校
大学・専門学校
特別支援学校
子ども会等の団体
小
計
家族連れ等の個人
19年度
20年度
21年度
19年度
20年度
21年度
615
1,589
868
350
346
249
1,524
836
2,054
888
386
443
231
1,762
968
2,116
1,126
527
499
308
2,146
37,038
93,322
49,907
20,730
12,201
6,466
54,103
56,161
123,373
39,875
17,002
8,404
4,627
71,182
56,137
120,051
50,112
19,818
8,986
6,656
63,812
5,541
6,600
7,690
273,767
320,624
325,572
30,589
22,105
116,070
416,940
384,944
548,048
その他(イベント等)
合
計
団体種類別受入人数
3,753
36,130
28,705
127,513
【グラフ1】
3
5,609
690,707
705,568
879,229
3.
月別の受入状況
月別では、団体数・人数とも春から秋までの上半期が多く、冬季は全体的に団体数・人
数とも少ない。この傾向は過去の実態を見ても大きな変化はない。
21 年度は、4 月∼9 月(上半期)に受入団体数と受入人数が前年度を上回っている。特
に 5 月、8 月、9 月については、団体数・人数ともに過去 2 年を大幅に上回っており、長期
休暇などを利用して牧場で過ごす家族連れの増加と、21 年度からほとんどの来場者に「体
験」をさせるようにした観光型の認証牧場の存在が大きな要因と思われる。
一方で、20 年度の下半期(特に秋季)は、新型インフルエンザの発生により、教育機関
などの予定していた体験が相当数中止や延期になったというような、大きな影響があった。
さらに、冬季には、特に東北地域で例年に比べて積雪が多く、牧場開放が難しかったとい
う意見があった。よって、上半期に大きく伸びた家族連れなどの個人グループの実績も下
半期にはそれほど伸びなかった。
周辺環境により冬季の受入が困難な地域はやむをえないが、そうではない地域にあって
は、冬季の受入環境の整備や体験プログラムの工夫などにより、体験者の増加が見込まれ
る。
【グラフ2】
※家族連れ等の個人グループを含む
4
4.地域別の受入状況
平成 21 年度の地域別受入実態で、受入団体数が多いのは、関東、北海道であり、受入人
数は関東が多い。首都圏生活者が近隣の認証牧場を訪れていることがわかる。
受入団体数が大きく伸びた関東、北海道、東海については、観光型の牧場の個人グルー
プの実績の伸びが影響しているのと同時に、体験する教育機関が増加している傾向にある。
また、受入団体数については前年を下回った地域もあるが、受入人数については、どの
地域も前年を上回る実績となっている。このことからも、酪農教育ファーム活動の全国的
な広まりがわかる。
【表4】
地域
認証牧場数
(前年増加数)
受入団体数(前年比)
受入人数(前年比)
北海道
51
(1)
36,733
(382.8)
207,685
(180.3)
東北
42
(4)
1,173
(47.8)
26,028
(108.5)
関東
60
(11)
74,284
(904.0)
406,476
(108.0)
北陸
16
(2)
694
(172.6)
9,075
(162.2)
東海
49
(2)
5,509
(284.4)
123,088
(123.4)
近畿
13
(1)
3,795
(148.1)
25,443
(193.9)
中国
17
(3)
1,704
(176.0)
23,296
(129.3)
四国
7
(0)
1,484
(147.4)
16,215
(119.8)
九州
33
(10)
2,007
(150.8)
38,374
(101.9)
沖縄
3
(0)
130
(56.0)
3,549
(147.7)
全国
291
(34)
127,513
(444.2)
879,229
(124.6)
5.出前教室型活動の取組状況
近年、牧場に行けない学校等への対応策として「出前教室」が増加する傾向にある。そ
こで、昨年度から認証牧場とファシリテーターに対して、出前教室型の酪農体験学習活動
を実施したかどうかについても調査をおこなった。
出前教室を実施している認証牧場は 77 牧場であり、全体の 26%となっている。
また、1 回あたりの平均受講人数は 334 人(前年比 167%)となっており、学校などの教
育機関への出前活動と併せて、1 回あたりの受講人数が多い子ども会や地域のイベントで
の活動が増えていることが推察される。
実施方法としては継続型より 1 回のみの実施が圧倒的に多かった。特に、子どもたちを
外出させるのが難しい幼稚園・保育園にとって、出前教室に対するニーズが高いことがわ
かる。また、教育機関以外のイベントや子供会等でも多く利用されていることが分かった。
5
月別に見ると、牧場での受入と比較して、出前教室は 5∼6 月(春期)と 9∼11 月(秋期)
に多く、8 月(夏期)に低いことがわかる。また、2 月(冬期)も比較的需要がある。この傾向
は、昨年度の調査でもみられた。このことから、出前教室は牧場での受入が少なくなる時
期(冬期)における酪農教育ファーム活動の一環として位置づけられる傾向があると考え
られる。
なお、9∼11 月の活動件数が多くなっているのは、学校などでは 2 学期に体験活動が多
いことと併せて、地域のイベント(秋まつりなど)の影響もあるとみられる。
【表5】
項目
平成20年度
回答牧場(ファシリテーター)数
回答率(認証牧場数)
175 牧場
平成21年度
210 牧場
68.1%(257 牧場) 72.2%(291 牧場)
出前教室実施認証牧場数
1 回のみの出前教室
継続型の出前教室
1 回あたり平均受講人数
【グラフ3】
6
47 牧場
77 牧場
603 件
278 件
41 件
51 件
200 人
334 人
【グラフ4】
7
【認証牧場・ファシリテーターからの意見・要望など】
参考資料
≪牧場での酪農体験について≫
・ 学校の体験学習として、ぜひ牧場に来てほしい。
・ 出来るだけの打ち合せ・事前学習を数回にわたり行って頂くとありがたいし、望まし
い。
・ すべて事前打ち合せと名簿を作成してもらっている。アレルギーなども調査してから
実行。
・ 体験前に学校等で事前学習をしてもらえると、説明や質問に答え易い。
・ 学級・学年単位の場合、事前の打合せを来訪の上で行ってほしい。
・ 「食育」等の支援事業を利用される際の体験料の請求先の情報が不足がちで困る。
・ 事前学習及び事前打合せをしたい。
・ 事前学習に力を入れすぎないように!!
・ 事前勉強や学校へもどってからの学習を時間をしっかりとって行ってもらいたい。
・ 小学1・2年時の見学だけでなく、学年ごとに応じた更なる学習につなげてほしいと
思います。
・ 高校生になると私語が多く、体験を進めるのが大変です。
・ 各クラスの先生方にもよるが、連絡が不充分だったり、トラブルの素になっている。
・ 1∼3 月は、特に冬の為(やませで危ない!)早く退却した日もあり、来場者は大変だ
ったと思います。今年は例年になく雪が深く冬季開放は困難が多かったです。
・ 最近ブラウンスイスの見学者のみです。PR が必要なのでしょうか。
・ 体験・見学の際事前の話し合いをし、一度先生方に牧場にいらしていただくことが、
子供達との充実した時間をもてる秘訣です。よろしくお願いします。
・ 最近では事前にきちんと打合せをして下さるようになりましたので良かったです。
・ 動物との触れ合い後の手洗い消毒の徹底をお願いしたいです。
・ 体験の説明の時、静かに聞いてほしい。
・ 学校に対してもっと利用促進の PR 法を考えてはどうでしょうか。よい制度だと思いま
す。
≪出前教室型体験について≫
・ 子供達がとっても喜んでくれて、沢山の質問があり、とっても有意義な時間でした。
・ 食育の一環として、保育園に行き酪農のお話とバター作りの体験をしました。牛乳(液
体)がバター(固体)になる様子を目の前で体験させて、親子で楽しんでくれました。
・ 幼稚園に出向き、牧場のお話と羊毛クラフトを実施しました。楽しくかわいくできた
と思います。
・ 牛乳を使っての料理。3 才∼12 才までの子と親という事で、簡単で楽しく、おいしい
をコンセプトに実施しました。1番の人気はアイスクリーム。食事をした後の牛と牛
乳についての話ではみんな、「フ∼ン」とうなずきながら聞いてくれてました。今年
もやってほしいと言う声があり、計画中です。
・ 会場の祭りに参加して実施したのですが、東京・世田谷にて開催しました。子牛を連
れて行ったので、とても大変でしたが、受けはよかったです。
・ 昨年、新型インフルエンザがでた時は、行事をすることを延期される方や、中には中
止される方もあった。しかし子供は大変喜んでいた。
・ 近隣の小学校の食育クラブの講師として調理実習やバター作り体験を行いました。
8
・ 教室でのレクチャー。酪農の仕事の内容、社会的なつながりについて話をした。
・ 小学 3・4・5 年生に対し、家畜の成り立ち、出生から出荷までの話を通じて命の連鎖・
尊さを伝えた。後日、小学校より生徒の感想文が届き、とても有意義な授業であった
ことを実感した。
・ 子供達に喜んでもらえたことが嬉しかった。特に牛乳の温かさや、山羊・子牛の哺乳・
ふれあいが人気でした。
・ デパートの広場で子牛とのふれあいや、バター作り体験などを行い、牛乳のアピール
をした。
・ 一年生の職業講話に招かれ 50 分間、酪農の話をし、我が家の体験ビデオをスクリーン
でみせて質問に答えました。数日後、感想文が届き、生徒たちも私たちの仕事や牛乳
のことをよく理解してくれているようでした。
・ 朝の講話の時間で生き物(牛、動物)の話をした。ちょっと緊張したけど、帰る時、
数人に声をかけられ、身近に子供達を感じることは良かったかな。
・ タペストリーと牛の絵を貼って説明している。牛のふんと尿はどうなるの?パネルで
説明して、循環型になっているんだよ。環境に優しい農業です。野菜や花もきれいに
なるのよ。と言うと、皆喜んで話を聞く。
・ 消費者との交流の一環として、毎年商店街のイベント時にバターの手作り体験を行っ
ています。費用は商店街の全額負担で体験料は無料です。お年寄りから子供まで楽し
みにしてくれています。少しでも酪農のこと、牛乳のことを理解してくれればと思っ
ています。時には交牧連の仲間も手伝ってくれることもあります。
以
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