...

レポート会員の皆様へ 2010 年8月度 Monthly Report 1. 当月の概要

by user

on
Category: Documents
20

views

Report

Comments

Transcript

レポート会員の皆様へ 2010 年8月度 Monthly Report 1. 当月の概要
レポート会員の皆様へ
2010 年8月度
Monthly Report
1. 当月の概要について
① 株式
昨年のドバイ・ショック、今年に入ってギリシャ問題、さらには米国の景気後退懸念・・・
なぜこれほどまでに次々と、世界経済は逆風にさらされ続けるのでしょうか。今回は冒頭
でこのようなことについて少し考えてみたいと思います。
まず連続して起きるこのような出来事が、互いに無関係な原因によって起きているのかと
いう点について考えてみます。これらの問題が独立した出来事だとすれば、確かに不思議
な気もいたしますが、仮に問題の根っこが同じだとすればどうでしょうか・・・
2008 年に起きたサブプライム・ショックは、市場に供給された過剰なマネーが主導した「特
殊な出来事」だと解釈されがちですが、本当にそうなのでしょうか。
確かに「特殊な一面」もありますが、あまりにそこばかりに目がいってしまいますと、こ
との本質を見誤るような気がしてなりません。私はむしろ 2008 年に起きた危機は決して特
殊なものではなく、いわば通常の景気後退のうち「非常に鋭角的に起きた後退」と考える
べきなのではないかと思っています。
2008 年から遡ること 6 年・・・危機の根本的な原因は、2002 年を起点とした世界的な景
気拡大期に徐々に形作られていったのではないでしょうか。この 6 年にも及ぶ異例に長い
景気拡大の結果、米国、欧州、日本、中東、アジア、南米・・・、世界のいたるところで
バブルが形成されました。その度合いは地域によってバラツキがありましたが、なかでも
米国、南欧、中東で顕著にみられ、そのぶんそれに続いて起きる景気後退は、必然的に「非
常に鋭角的」なものにならざるを得なかったと私は考えるわけです。
これに対し、それ以外の地域はどうだったのでしょうか。
例えば中国をはじめとした(日本以外の)アジアはどうでしょうか、これらの地域は、生
成されたバブルの量という意味で、米国や南欧に匹敵するレベルに達していたかもしれま
本資料は情報提供のみを目的としたものであり、販売もしくは勧誘を目的としたものではありません。本レポートの作成には十分な注意が払われておりますが、
本レポートに基づく投資によるいかなる損失をも弊社、作成者共に補償するものではなく、何らの責任も負いません。また本レポートは、有料会員様へのサー
ビスの一環として提供させて戴いております。本レポートの無断複製、転載、配布等の使用はご遠慮ください
せん。がベースとなる潜在成長力が高く、比較的短期の景気後退期のうちに、実体経済が
バブルの方に追いてしまった、その結果 2008 年以降は目だった経済危機には直面せずに済
んだといえるのではないでしょうか。この構図は南米にも共通しているといえるでしょう。
一方で豪州やカナダ、西欧などはこれとは少し違った構図がみられます。これらの地域の
経済は比較的保守的で、そのぶんそもそもバブルはさほど大きくは成長しなかった、その
結果、2008 年以降の景気後退もさほど鋭角的なものではなく、従って 2008 年以降も、経
済危機を引きずることはなかったと言えるのではないでしょうか。
このような視点に立って、昨年のドバイ・ショック、今年に入ってギリシャ問題、さらに
は米国の景気減速懸念を振り返ってみますとどうでしょうか。これら地域で起きた問題は、
いずれも根っこは同じだと私は思います。
確かに米国はサブプライム・ショックの後遺症、南欧では政府の財政赤字問題、中東では
過剰な建設投資の反動、これら個別の原因が直接的な問題として各国の経済の足を引っ張
り続けているのは間違いないのですが、これら問題のいずれも根っこは同じ、即ち生成に 6
年かかった巨大なバブルの後始末といえるのではないでしょうか。生成に 6 年かかった問
題の後片付けには、それなりの月日を要するのでしょうが、一方で 2002-2008 バブルに起
因する経済問題もほぼ出尽くした観もあり、あとは時間をかけてゆっくりと処理してゆく
だけという気もするわけです。今後はアジアを中心とした新興国が牽引するかたちの、世
界経済の緩やかな回復に期待したいところです。
もちろん目先の相場も重要ですが、たまにはこのような大局観があってもよいのではない
でしょうか。
さて今月の世界の株価は、月間で 2%から 5%程度の下げとなっています。米国や中国で発
表された経済指標に、弱い数字が目立ち、世界のマネーは株から債券へと移動したようで
す。
(NY ダウ平均 直近1年間の推移:INO.Com サイトより転載)
本資料は情報提供のみを目的としたものであり、販売もしくは勧誘を目的としたものではありません。本レポートの作成には十分な注意が払われておりますが、
本レポートに基づく投資によるいかなる損失をも弊社、作成者共に補償するものではなく、何らの責任も負いません。また本レポートは、有料会員様へのサー
ビスの一環として提供させて戴いております。本レポートの無断複製、転載、配布等の使用はご遠慮ください
なお、現在の各国株価指数の年初来騰落率は下記のようになっております。
・ 日経 225
-14.89%(-10.11%/+19.24%)
・ NYダウ
-2.66%(+1.05%/+18.82%)
・ 香港H株
-5.83%(-4.11%/+ 62.12%)
・ インド SENSEX
+3.06%(+3.51%/+81.03%)
・ ブラジル ボペスパ
-4.38%(-2.79%/+82.66%)
・ 英国 FTSE100
-0.87%(-3.90%/+22.07%)
・ ドイツ DAX
-0.11%(+4.19%/+23.85%)
・ ロシア RTS
-1.60%(+2.74%/ +128.62%)
・ サウジアラビア タダウル -1.08%(+2.50%/+27.46%)
(注)いずれも 8 月 27 日時点の値、
(
)内数字左側は先月レポート時点、右側は 2009
年の年間実績。
② コモディティ
今月のコモディティ相場は、月初に小麦はじめ農産物価格が上昇したこともあり、CRB 指
数は 280 ポイントに接近しましたが、その後世界的な景気後退への懸念から売られ、現在
は再び 260~270 の定位置に落ち着いています。
本資料は情報提供のみを目的としたものであり、販売もしくは勧誘を目的としたものではありません。本レポートの作成には十分な注意が払われておりますが、
本レポートに基づく投資によるいかなる損失をも弊社、作成者共に補償するものではなく、何らの責任も負いません。また本レポートは、有料会員様へのサー
ビスの一環として提供させて戴いております。本レポートの無断複製、転載、配布等の使用はご遠慮ください
(CRB 指数 2008 年以降の推移:INO.Com サイトより転載)
8 月上旬にロシアが小麦の輸出禁止を発表しましたが、市場は既に 6 月末から小麦を買い始
め、それ以降の小麦価格は 70%程度の上昇となっています。
さらに今年、中国は 14 年ぶりにトウモロコシの純輸入国になる見通しで、今後世界のトウ
モロコシ需給がタイトになる可能性が出てきました。世界を見渡しても、新興国の需要の
拡大や人口増加などで、世界の穀物在庫が減少しつつあります。世界の穀物在庫率(在庫/
消費)は 1990 年代の 30%前後から 2000 年代に入り 20%前後に低下してきました、ちなみ
に国際食糧農業機構(FAO)が安全な水準とする在庫率は 17~18%程度と、現在の水準を
僅かに上回る程度です。
③ ヘッジファンド
2010 年 7 月の Credit Suisse/Tremont ヘッジファンド指数は以下のようになりました。
■ CTA(マネッジド・フューチャーズ)型
-1.50%(-1.24%/-6.57%)
■ Distressed(破綻証券)型
+1.10%(+4.11%/+20.95%)
■ 株式ロング/ショート型
+2.53% (-0.77%/+19.47%)
■ マルチ・ストラテジー型
+1.90% (+2.89%/+24.62%)
■ 債券裁定型
+1.20% (+6.79%/-25.03%)
■ グローバル・マクロ型
+0.65% (+4.88%/+11.55%)
【注】 (
)内左側数字 2010 年初来累計実績/右側数字は 2009 通年の実績
本資料は情報提供のみを目的としたものであり、販売もしくは勧誘を目的としたものではありません。本レポートの作成には十分な注意が払われておりますが、
本レポートに基づく投資によるいかなる損失をも弊社、作成者共に補償するものではなく、何らの責任も負いません。また本レポートは、有料会員様へのサー
ビスの一環として提供させて戴いております。本レポートの無断複製、転載、配布等の使用はご遠慮ください
今月のヘッジファンドは、CTA がマイナスとなったものの、全体では+1.59%と 2 ヶ月ぶり
のプラスとなりました。以下代表的なヘッジファンド銘柄の 7 月度実績を御紹介いたしま
す。
□ Thames River Distressed Focus Fund (破綻証券型) +0.53%(+0.18%/+23.42%)
□ Swiss Capital Trend Fund(F o Fs)-1.40%(+1.04%/-3.52%)
□ Nevsky Fund(株式ロング/ショート) +3.38%(-2.18%/+32.14%)
□ Man AHL Diversified plc(マネージド・フューチャーズ) -2.30%(+0.8%/-16.9%)
□ Man BlueCrest Multi Strategy(マルチ・ストラテジー) +0.6%(+4.4%/+21.9%)
□ Tulip Trend Fund( マネージド・フューチャーズ) -1.67%(+2.34%/-25.53%)
□ Winton Futures Fund(マネージド・フューチャーズ)-2.78%(+3.84%/-4.63%)
□ Victory Arcadia Fund (裁定取引) -0.01%(+4.28%/+20.33%)
【注 1】(
)内左側数字は 2010 年初来累計実績/右側数字は 2009 通年の実績
では続きましていつものように、ファンドの月次報告書等に書かれたコメントを拾い読み
させて頂きます。
□Winton Futures Fund の 7 月度レポートより(月間-2.78%/年初来+3.84%)
『今月はここ数ヶ月続いたトレンドが反転した月となりました。特に長期に渡って下落し
続けてきたユーロが大きく上昇しています。また、農産物セクターも単月で急上昇してい
ます。債券は月初から中旬にかけて大きく売られましたが、月末に発表された米国の GDP
が予想を下回ったことから大きく買われ 7 月を終えています。
この様な市場環境の下、ファンドはユーロのショートポジションが積みあがっていた通貨
セクター、全体的にショート気味だった農産物セクターで損失を計上しています。月初か
ら中旬は、株式市場の上昇に伴い債券価格が下落した為に債券セクターでも損失を計上し
たことにより一時損失が膨らみました。しかし、月末に債券価格が急上昇したことにより
収益を獲得し損失幅を減らしています。
今月は、トレンドが反転した市場の一部で急激な上昇が見られました(小麦価格は単月で
約 50%上昇など)。しかし、当社の運用プログラムは中長期トレンドフォロー戦略中心と
なっており、この様な急激な変化があった場合でも、数日程度でポジションの方向性が全
て転換するということはありません。なお委託証拠金比率は 6.23%と殆ど先月末と同水準
となっており引き続き慎重運用を行っています。
本資料は情報提供のみを目的としたものであり、販売もしくは勧誘を目的としたものではありません。本レポートの作成には十分な注意が払われておりますが、
本レポートに基づく投資によるいかなる損失をも弊社、作成者共に補償するものではなく、何らの責任も負いません。また本レポートは、有料会員様へのサー
ビスの一環として提供させて戴いております。本レポートの無断複製、転載、配布等の使用はご遠慮ください
ウィントン社では運用プログラムを改善する為にリサーチへの多額の投資を継続していま
す。当社は期待収益率がプラスで、既存のシステムとの相関が低いと我々が確信できる場
合にのみ、新しい説明変数を運用プログラムに採用致します。8 月中旬には新たな現物株
式のシステムを加える予定です。当初は日次の分散 VaR を 0.04%程度で採用する予定です。
2008 年のパフォーマンスとは対照的に過去 18 ヶ月間のパフォーマンスは冴えないものと
なっています。これは当社のファンドだけではなく競合ファンドについても言えることで
す。当社のファンドの様にシステマティック運用を行っているファンドの投資家の方々は、
パフォーマンスの低迷はシステムが「機能しなくなった」のではないかとよく不安を抱か
れます。当社の運用は科学的な根拠に基づくアプローチを採用しています。これは長期に
渡るデータが物語っています。投資家の方々は、ある一時点で当社のトラックレコードを
比較していただいているかもしれません。しかし、当ファンドのトラックレコードはひと
つの連続的なアルゴリズムの運用結果ではなく、進化し続けてきたシステムの運用実績と
なっています。過去 40 年間のシミュレーションと照らし合わせた場合、直近のパフォー
マンスは決して逸脱しているわけではありません。将来のパフォーマンスは過去よりは悪
くなるかもしれませんが、引き続き信頼性のある分散ポートフォリオを提供することがで
きると考えています。
なおドイツ銀行が「DB Platinum dbx Systematic Alpha Index Fund」というウィントン・
ディバーシファイド・プログラムを用いて運用される UCITS 3 準拠のファンドを設定しま
した。詳細については、https://www.funds.db.com/app/fund/?region=null をご覧下さい。』
(注:なお今回は Winton の担当者から寄せられたコメントの抜粋、およびファンドの月次
報告書から引用しました)
□AHL Diversified Program の 7 月度レポートより
(月間-2.30%/年初来+0.8%)
『債券セクターは当月プラスの結果となりました。大半のロング・ポジションが奏功し、
中でも米国債及び日本国債の取引が主なプラス要因となりました。株式セクターは、世界
の株式市場における急反騰を受けてショート・バイアスのポジションが苦戦を強いられ、
当月マイナスの結果となりました。エネルギー・セクターは、原油及び天然ガスのショー
ト・ポジションから主な損失を被り、当月マイナスの結果となりました。原油については、
週間在庫の下落、ハリケーンの懸念、及び投資家が概ね楽観的な相場予想へ回帰したこと
を受けて相場が上昇し、当プログラムではショート・ポジションを中心に保有していた為に
本資料は情報提供のみを目的としたものであり、販売もしくは勧誘を目的としたものではありません。本レポートの作成には十分な注意が払われておりますが、
本レポートに基づく投資によるいかなる損失をも弊社、作成者共に補償するものではなく、何らの責任も負いません。また本レポートは、有料会員様へのサー
ビスの一環として提供させて戴いております。本レポートの無断複製、転載、配布等の使用はご遠慮ください
苦戦を強いられました。金属セクターは、金のロング・ポジションの苦戦が主な要因とな
り、当月マイナスの結果となりました。欧州ソブリン債危機の高まりが沈静化し、投資家
のリスク回避姿勢の大幅な緩和による株式相場の反騰を受けて、金相場は当月を通して下
落基調となりました。また、銀のロング・ポジションについても、金と同様の要因を受け
て苦戦を強いられました。一方プラスの面として、銅及びニッケルのロング・ポジション
は、楽観的な相場観の台頭を受けた相場上昇により、リターンを獲得しました。
』(注:レポートの一部を抜粋しました)
Winton レポートにもありますように、同社プログラムに限らずトレンド・フォロー全般に
低迷がみられ、多くの皆さんは、プログラムは既に「機能しなくなった」のではないかと
不安をお持ちではないでしょうか。同社の上記コメントによりますと、直近の運用状況は、
過去 40 年のデータに照らし合わせてみると、決してその標準値から逸脱していないとのこ
と、同社のコメントを信じるなら私たち投資家は、もう少し長い目でファンドのトラック
レコードをウオッチし続ける必要があることになります。また同社の上記コメントにみら
れるように、ドイツ銀行は Winton Diversified Program で運用する DB Platinum dbx
Systematic Alpha Index Fund をローンチしたとのこと、このファンドはいわゆるオフシ
ョア・ファンドではなく UCIT 3(欧州の投資信託基準)に準拠した、透明性と安全性の高
いファンドです。詳細は以下お伝えします。
◆DB Platinum dbx Systematic Alpha Index Fund
本ファンドは Winton Diversified Program によって運用されるファンドで、
いわゆる UCIT
3 に準拠しています。マネジメント・フィー等のコストは、オリジナルの Winton Futures
Fund に比べ当然高くなりますが、週次で売買できる流動性や、最低投資額の低さなどの点
で使い勝手のよいファンドといえるでしょう。
ファンド概要
□通貨:EUR/USD/GBP/JPY
□最低投資額:USD10,000/EUR10,000/GBP10,000/JPY1,000,000
□購入および解約頻度:いずれも週次
□監査法人:Ernst & Young S.A.
□管理運営:RBC Dexia Investor Services Bank S.A.
□資産管理銀行:RBC Dexia Investor Services Bank S.A.
□運用会社:DB Platinum Advisors
□購入手数料:5%
本資料は情報提供のみを目的としたものであり、販売もしくは勧誘を目的としたものではありません。本レポートの作成には十分な注意が払われておりますが、
本レポートに基づく投資によるいかなる損失をも弊社、作成者共に補償するものではなく、何らの責任も負いません。また本レポートは、有料会員様へのサー
ビスの一環として提供させて戴いております。本レポートの無断複製、転載、配布等の使用はご遠慮ください
□成功報酬:20%
□マネジメントフィー:毎年 1.00%(Winton 分)、1.78%(ドイツ銀行付加分)
◆Walton Land Banking 国内募集を 9 月で終了
Walton Japan は日本国内での募集を、9 月で終了いたします。今後の日本事務所の機能は、
既存投資家のサポートと、ランドバンキング物件の日本投資家向け販売業務に特化すると
のことです。
なお 10 月以降も海外代理店を通じ、引き続き日本人投資家も購入可能だと情報を得ており
ます。
2. 今後の見通しについて
① 概要
以下は、私が予想する各市場の向こう 6 カ月程度の見通しで、今回はやや大きな修正を行
わせて頂きました。
評価の目安は以下のとおりです。
★☆☆☆☆
最も弱気
★★☆☆☆
やや弱気
★★★☆☆
中立
★★★★☆
やや強気
★★★★★
最も強気
株式
先進国株式 ★★☆☆☆
新興国株式 ★★★☆☆
コモディティ
コモディティ全般 ★★★☆☆
本資料は情報提供のみを目的としたものであり、販売もしくは勧誘を目的としたものではありません。本レポートの作成には十分な注意が払われておりますが、
本レポートに基づく投資によるいかなる損失をも弊社、作成者共に補償するものではなく、何らの責任も負いません。また本レポートは、有料会員様へのサー
ビスの一環として提供させて戴いております。本レポートの無断複製、転載、配布等の使用はご遠慮ください
Gold ★★★☆☆
Silver ★★★★☆
Platinum ★★★☆☆
Copper ★★☆☆☆
農産物 ★★★★☆
原油 ★★☆☆☆
債券ほか
先進国債券 ★★★☆☆
新興国債券 ★★★☆☆
マネージド・フューチャーズ★★★☆☆
米国不動産 ★★☆☆☆
(注)赤字は先月から見通しを修正した部分
① 株式
世界の株式相場にとって、円ドルレートなどさほど大きな問題ではありませんが、私たち
日本人にとって、円高は死活問題といってよいでしょう。にも関わらず民主党の政権は、
昨年 8 月の発足以来、なにか手を打ってきたでしょうか・・・欧州、米国、中国、韓国・・・
リーマン・ショック以降、経済問題に必死で取り組んできた各国と比べ、我が国の政府は、
こと経済に関する限り思考停止に陥ってしまったかのようです。
鳩山政権時代は普天間問題や首相や党幹事長のカネに関する問題で揺れ、菅さんが首相に
なってからは消費税の取り扱いで揺れ、結局この一年間、経済に関しては無政府状態が続
いたといってもよいのではないでしょうか。民主党の代表選挙で菅さんが再選されるかど
うか解りませんが、もともと民主党には経済を語れる人材などおらず、誰が党の代表にな
ろうが、このまま民主党の政権が続く限り、この経済無政府状態は続くのかもしれません。
一方で世界を見渡してみるとどうでしょうか。
今年に入り世界経済はスローダウンしつつあり、徐々に世界経済の二番底入りの懸念が台
頭しつつあるようにもみえますが、本レポートの冒頭で申しあげたように、私は今後の世
界経済に対して、それほど悲観的ではありません。6 年間にわたりバブル的急成長をとげた
世界経済は、バブルの崩壊とともに急降下致しましたが、6 年かけて生成されたバブルの後
始末が、そうそう簡単に終わるとは思えません、特に潜在成長率の低い先進国は、自力で
本資料は情報提供のみを目的としたものであり、販売もしくは勧誘を目的としたものではありません。本レポートの作成には十分な注意が払われておりますが、
本レポートに基づく投資によるいかなる損失をも弊社、作成者共に補償するものではなく、何らの責任も負いません。また本レポートは、有料会員様へのサー
ビスの一環として提供させて戴いております。本レポートの無断複製、転載、配布等の使用はご遠慮ください
の後始末は難しいのではないでしょうか。私は今後の世界経済は新興国の成長にけん引さ
れる形で、時間をかけて徐々に回復してゆくと思っています。なお現時点での相場見通し
は、私が 6 月度の本レポートでご紹介した、以下の見方と変わっておりません。
□数四半期から1年半程度にわたり、世界経済に下押し圧力がかかり続けるが、その力は
さほど大きなものではない。
□そのうちいくつかの四半期で、先進国経済のマイナス成長が起きる可能性はある。
□一方で新興国経済の成長は、やや鈍化するもののマイナス成長は避けられる。
□上記の間、世界の株は、やや下向きのボックス圏で推移する、世界的にみてさらに数パ
ーセントから 10%程度の下落リスクはある。ただしリーマン・ショックの再来はない。
□上記期間終了後、世界経済は自律的回復サイクルに入る。
ここ数カ月にわたり、私は本レポートで株やコモディティなどサイクル性資産のウエイト
を、お下げになるよう推奨して参りましたたが、現時点でもその見方には変化ありません、
サイクル性資産への回帰については、もうしばらくお待ちいただくようお願いいたします。
【注目銘柄】
・上場パンダ(東証 1322、中国A株指数連動型 ETF)
・ボベスパ(東証 1325、ブラジル ボベスパ指数連動型 ETF)
・i Shares FTSE Xinhua A50 China Tracker (HK 0823 中国A株 50指数連動 ETF)
・中国企業の小売関連、消費関連など個別銘柄(青島ビール/00168、テンセント H/00700、
BYD/01211、玖龍紙業/02689、李寧/02331 以上いずれも香港株)
・JF
ASEAN (ASEAN 株インデックス・ファンド)
・i Shares MSCI Global Emerging Index Fund(EEM,世界新興国株指数連動型ファンド)
・日本の海運株(乾汽船 9113、商船三井 9104、川崎汽船 9107)
・日本の小型テクノロジー設備投資株(ミヤチテクノス 6885、ハーモニックドライブ 6324、
シグマ光機 7713、ニューフレア 6256)
・BlackRock World Mining(BlackRock 社のアクティブ型ファンドで世界の鉱山株に投資)
(注意)上記銘柄はあくまで長期的視点にたって私が注目し続けている銘柄です、現時点で
買いや Hold をお勧めしているわけではございません。
本資料は情報提供のみを目的としたものであり、販売もしくは勧誘を目的としたものではありません。本レポートの作成には十分な注意が払われておりますが、
本レポートに基づく投資によるいかなる損失をも弊社、作成者共に補償するものではなく、何らの責任も負いません。また本レポートは、有料会員様へのサー
ビスの一環として提供させて戴いております。本レポートの無断複製、転載、配布等の使用はご遠慮ください
② コモディティ
上記でサイクル性資産のウエイト下げを推奨させて頂きましたが、例外的に農産物は面白
いと思います。
以下は Power Shares DB Agriculture Fund の直近一年間のチャートです。
(Yahoo Finance サイトより転載)
本ファンドは大豆、トウモロコシ、小麦など穀物から食肉、砂糖、ココアなど幅広い農産
物価格を指数化したものに連動する ETF ですが、これに対し以下 NY ダウ(こちらも直近
一年間チャートです)のチャートを比較しますと、相関性の低さを確認することが出来ま
す。ご存知のように今月ロシアは小麦の輸出禁止を発表するなど、世界的な天候不順の影
響が出つつあります。ここ数年にわたり世界的に天候に恵まれ、世界の農産物生産は順調
に推移しましたが、それがゆえに私など多少不気味な気がいたします。世界に異常気象を
もたらすとされるラニーニャ現象は、3 年ぶりにすでに発生しており、2011 年初頭まで続
く見通しです。異常気象を期待しての投資には、一抹の後ろめたさを感じますが・・・純
粋な投資行動と割り切るなら、短期的にも長期的にも面白いのではないでしょうか。
(Big Charts サイトより転載、直近一年間の NY ダウ平均チャート)
本資料は情報提供のみを目的としたものであり、販売もしくは勧誘を目的としたものではありません。本レポートの作成には十分な注意が払われておりますが、
本レポートに基づく投資によるいかなる損失をも弊社、作成者共に補償するものではなく、何らの責任も負いません。また本レポートは、有料会員様へのサー
ビスの一環として提供させて戴いております。本レポートの無断複製、転載、配布等の使用はご遠慮ください
【注目銘柄】
・Diapason Rogers Commodity Index Fund EUR/CHF Class
・Diapason Rogers Commodity Index(Metals Segment)Fund EUR Class
・Power Shares DB Basemetal Fund (NY:DBB、銅・アルミ・亜鉛の合成指数連動 ETF)
・ETF Securities Physical Platinum(LSE:PHPT、プラチナ価格連動型 ETF)
・ETF Securities Physical Palladium(LSE:PHPD、パラジウム価格連動型 ETF)
・Power Shares DB Silver Fund(NY:DBS、銀価格の連動型 ETF)
・Power Shares DB Agriculture Fund(NY:DBA、農産物価格連動の ETF)
(注意)上記銘柄はあくまで長期的視点にたって私が注目し続けている銘柄です、現時点で
買いや Hold をお勧めしているわけではございません。
③ 不動産
今回は初めて本レポートで収益不動産のお話しをさせて頂きます。弊社では以前から都心
の中古ワンルームマンションへの投資を、長期的にインカムゲインを得るための有効な手
段として位置付けて参りましたが、今回はもう一つの選択肢としてファミリータイプのマ
ンション投資についてご紹介いたします。
一般にファミリータイプの物件は、ワンルーム・マンションとは違って、以下のような点
で投資には向いていないと考えられています。
・利回りがワンルーム物件に比べ低い点(一般にファミリータイプの物件は、物件価格に
比べ、賃貸料収入が低く、利回りの点で少々物足りなさがあります)
。
・物件価格がワンルームに比べ比較的高額で、仮にローンを組むにしろ、ある程度まとま
った資金が必要である点。
・ファミリータイプのマンションは、ワンルーム・マンションに比べ賃貸ニーズは低く、
空室のリスクが高い点。
このような観点から一般に、ファミリータイプのマンションは投資の対象となりづらく、
主に購入者が自ら住むため、いわば『実需』の資産として流通市場が形成されてきたとい
えるでしょう。
ところがなかには分譲されたファミリータイプのマンションに、オーナー自らが住むこと
本資料は情報提供のみを目的としたものであり、販売もしくは勧誘を目的としたものではありません。本レポートの作成には十分な注意が払われておりますが、
本レポートに基づく投資によるいかなる損失をも弊社、作成者共に補償するものではなく、何らの責任も負いません。また本レポートは、有料会員様へのサー
ビスの一環として提供させて戴いております。本レポートの無断複製、転載、配布等の使用はご遠慮ください
なく、賃貸物件として利用される場合があります。その背景にはオーナーごと様々な理
由があるのでしょうが、その代表的なものは転勤による引っ越しでしょう。このような場
合、オーナーはマンションを一時的に賃貸に出し、保有を続ける場合があるわけです。こ
うして『賃借人がついたファミリータイプの中古マンション』が生まれることになるわけ
です。
ところが一方で、オーナーがこのような『賃借人つきファミリータイプのマンション』を、
中古マンションの流通市場で売却しようとすると、大変苦労することになります。
ワンルーム・マンションの場合、オーナーの購入目的はほぼ 100%投資目的です、従って物
件に『賃借人』がついていることは、むしろプラスに作用することになります。これに対
しファミリータイプの物件はどういでしょうか・・・ファミリータイプのマンションの場
合、冒頭申しあげた理由で、オーナーの購入目的は投資目的ではなく、大半は自ら住まう
ため、いわば居住用といういわば『実需』です。従って既に賃借人が居座っている物件は、
まずその時点で購入対象から除外されることになるわけです。
つまり『賃借人つきファミリータイプのマンション』は、購入希望者が少なく、従って不
人気物件ということになるわけです。一般的にこのような物件は、賃借人がついていない
物件に比べ、20%から 30%程度ディスカウントして売買されているといわれています。
これは投資の世界でいうところの、一種の『歪み(ゆがみ)
』かもしれませんね。
このような物件を敢えて取得することにより、投資家は市場で決まる相場より低い価格で
購入することができますし、賃借人が住んでいる限り、
(ワンルーム物件ほどの高いリター
ンではありませんが)安定的な賃貸料収入を得ることもできます。一般的にファミリータ
イプ・マンションの平均的な賃借人回転年数は 5 年程度といわれていますので、平均 2~3
年後には賃借人は出てゆくことになるでしょう。ワンルーム物件の場合、この賃借人の退
去は決してありがたいお話しではありませんが、ファミリータイプの場合は少々事情が異
なります。なぜなら賃借人が退去した後は、いわば居住用物件として大勢の『実需』の購
入者を相手に、物件の売却交渉をすることができるわけですから。そこには比較的短期の
サヤ抜きのチャンスがあるわけです。
昨今中古のファミリータイプのマンションは、新築物件と比べた価格の安さから注目を集
めています。もちろん立地や物件の状態にもよりますが、比較的高い流動性を期待できる
のではないでしょうか。もちろんワンルーム・マンションにも、長期的なインカムゲイン
を得られるという大きな意味合いがありますが、このような出口戦略を明確にした収益マ
ンション投資も一考の価値があると思います。
本資料は情報提供のみを目的としたものであり、販売もしくは勧誘を目的としたものではありません。本レポートの作成には十分な注意が払われておりますが、
本レポートに基づく投資によるいかなる損失をも弊社、作成者共に補償するものではなく、何らの責任も負いません。また本レポートは、有料会員様へのサー
ビスの一環として提供させて戴いております。本レポートの無断複製、転載、配布等の使用はご遠慮ください
以上 2010 年 8 月度のレポートをお届けしました、今後ともどうぞよろしくお願いいたしま
す。
【Attention】
本レポートは、有料会員様の海外投資への啓蒙を最たる目的とし、投資助言代理業者に依
頼し作成したレポートです。当レポートの内容についてご質問等ございましたら、お気軽
にお問合せ下さいませ
【Attention】
本レポートの作成には十分に注意を払っておりますが、本レポートに基づく投資による
かなる損失をも弊社は補償するものではございません。
本資料は情報提供のみを目的としたものであり、販売もしくは勧誘を目的としたものではありません。本レポートの作成には十分な注意が払われておりますが、
本レポートに基づく投資によるいかなる損失をも弊社、作成者共に補償するものではなく、何らの責任も負いません。また本レポートは、有料会員様へのサー
ビスの一環として提供させて戴いております。本レポートの無断複製、転載、配布等の使用はご遠慮ください
Fly UP