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「 水ビジネス 110兆円水市場の攻防」―技術で勝って、ビジネスで負ける
毎 月 1回 15日 発行 (通 巻 第 743号 平成 23年 5月 15日 ) 当協 会 ホ ームベ ー ジア ドレス http://www ibanet Orip 一一 目 ◇時 の動 き―― 「水 ビ ジ ネ ス 110兆 円 水 市場 の 攻 防 J一 ― 技術で勝って、ビジネスで負ける日本一一 …… 1 ◇通達―― ・ 労 働安 全衛生 法 関係手 数料 令 の一 部 を改 正 す る 政令 の適 用につ い て ………… ……………………3 ・ 東日本大震災により労働安全衛生法に基づく免許を滅失等した被災 者への免許を取得していることを証する書面の発行等について …3 次― ― ◇検査の 目一―貯湯槽加熱管端部の腐食減肉 ………………… 4 ◇海外情報一一 NOx対 策 と工業用ボイラー ………………… 5 ・… ・6 『「多忙な管理職渡辺さんの事例」 ◇フレームアイーーーウォーキングでメタボ対策 ◇情報―― ボイラーおよび圧力容器関係災害の概要(速 報版)… 6 ・7 ◇委員会現状報告――最近の技術委員会活動から一溶接委員会 … … ……………… 7 ◇がんばる長寿ボイラーーー竹山食品工業巾 5月 は 。原 子 カ エネ ルギ ー安 全 月 間 ・水 防 月 間 6 は 月 環 境 の日 6月 5 日 ︶ ,環 境 月 間 ︵ ・全 国 安 全 週 間 準 備 期 間 ・水 道 週 間 6 月 1 日 ∼ 7 日 ・危 険 物 安 全 週 間 6月 5 日 ∼ H 日 11111=,.1摯 │=11====二 := │ 上越線・ 津久田駅付近 を走行する 「EL&SL奥 利根号」 (平 成 16年 撮影) 上越線 とい う路線名は、上州 (群 馬県)と 越後 (新 潟県)を 結ぶ ことに由来する。津久田 駅か ら徒歩約 30分 の ところには、修験者が集 まる落差 37mの 名瀑「棚下不動 の滝J(日 本 の滝 100選 )が ある。 [写 真提 供 :神 奈川検査事務所 高橋 勇 氏] 「水ビジネス110兆 円 水市場の攻防」 ―技術で勝って、ビジネスで負ける日本― 16%に 拡 大す る との 予測 も出 され て い る。 は じめ に 世 界水 ビジ ネ ス市場 は、2030年 には 80∼ 120兆 円 に 日本 の 水処理技 術者 は、世 界 に誇 れ る技 術 を有 して い な る との予測 もあ る。 水 ビジ ネ スの 約 8割 は民 営 化 され る と 自負 して い るが 、世 界水 ビジ ネ スの 視 点か ら見 る と ガ ラパ ゴ ス化 した 日本 の 技 術 の 存 在 感 は な い 。「技 術 で た上 下水 道 事 業 経 営 で あ り、2006年 時 点 で は、 世界 の 上 下水 道 民 営 化 率 はお よそ 10%だ ったが、2015年 には 勝 って、 ビジ ネ スで 負 け る 日本」 の実態 に迫 り、 今後進 展 す る世 界水 ビジ ネ スヘ の 日本 の 水戦略 を述 べ る。 1 世 界 は水不 足 に直面 してい る 地 球 上 の 水 資源 の 975%は 海 水 で、 残 りの 2.5%は 淡 水 で あ るが 、 そ の 8割 以 _Lは 氷 河 、氷 山で 固定 され、 ま た地下 水 と して貯留 され て い る。我 々が 自由 に使 え る淡 水 の 水 資源 は 001%で あ り、 この 限 られ た水 資源 で地球 Lの 約 69億 人が暮 ら して い る。 また、 ア ジアの経 済発展 、人口増加 によ り 2025年 には 世界水需要 の約 7割 が アジアで 占め る と予測 されて い る。 2.国 家間 の 水争 い が頻発 国際河 川 を巡 り、流域 各 国 の 争 い が頻 発 して い る。 ナ イル 川、 チ グ リス・ユ ー フ ラテ ス河 、 メコ ン河 な ど枚挙 に い とまが な い。 ラ イバ ルの語 源 は リバ ー で あ り、 人間 写真 シンガポ ール水週間会議 2010で 講演す る筆者 の基 本 的 な争 い は水 の 争奪 戦 で あ る。 つ4 毎 月 1回 15日 発行 ボ イ ラ ・ ニ ユ ー ス 3.世 界 水市場 の 伸 び 過 去 10年 間 の 水 市場 の 伸 び は平 均 6%で あ り、 新 興 国 を含 む ベ ス トシナ リオで は 12%で あ る。 海 水 淡 水 化 は 平均 1496の 伸 びで 、 今後 20%以 上の 伸 びが 期 待 され て い る。 411■ i水 処理 市場 は平均 8∼ 9%の 伸 びで あ ったが、 今 後 は 15%以 上 の 伸 びが期 待 され て い る。 4.水 メ ジ ャー と 日本 平成 23年 5月 15日 今 まで 世 界 で 成功 した 日本 型 ビ ジ ネ スモ デ ル を 見 る と、す べ て 陛界中 の 個 人 に販売 され た もので あ るc トヨ タ、 日産、 ホ ンダ製 の 日本車 、 ソニー 、 パ ナ ソニ ック等 の 家 電 な ど、 す な わ ち 日本 国 内 で技 術 的 な デ フ ァ ク ト (実 質 的 な F題 )を 徹 底 的 に ク リア し、 そ の上 で 海 外 の ニー ズ (コ ス ト感覚 、デザ イン)を 取 り入れ成功 して い る。 I・ 現 地 で の建 設 や調達 を含 む、鉄 道、水 イ ンフ ラの よ う な公共 イ ンフ ラ システム受注 で は、す べ て苦戦 して い る。 水 メジ ャー は、 L下 水道事 業 を一 貫 して請 け負 える実 力 を有 して い るcそ の背 景 は、 ヴェオ リア、 スエ ズ と も (2)公 共 イ ンフラ ビジ ネ スは トップセ ール スで決 ま る フ ラ ンス 国 内 の _ll F水 道 事 業 を 160年 前 か ら遂 行 して ラ受注 に国 を挙 げて邁 進 し、大統 領や 国家元首 が トップ い るか らで あ るcフ ラ ンス 人 に してみ れ ば、水 道 は民営 セー ル スを繰 り返 して い る。 が常識 であ る。 そ れ に比 べ「1本 の 水処理 メー カー は、役 水 イ ンフ ラ ビジ ネ スにつ い て は、世 界 の上 下水道民営 化市場 は水 メ ジ ャー と呼 ばれ る フラ ンス勢が 強 い。 これ 所 の 仕 様 書 に基 づ い た機 器 を納 人 す るだ けで、 事 業 運 営 、 そ の もの に関 わ ってい な いので 事 業経営 の 実績 は な これ らの背 景 には、各 国 は国益 確保 として公 共 イ ンフ は、伝統 的 に フ ラ ンスの シラ ク前 大統 領が 中心 的 な役割 い。 したが って、 世界銀行 や ア ジア 開発 銀 行が行 う国際 を呆 た し、最 近 で はサ ル コ ジ大 統 領 が 中近束諸 国 を精力 人札 に も参 加 で きな い。 日本 で も 2002年 に水 道法 が 改 正 され、民 間企業 が水道事 業 を経営 で きる こ とになった 的 に廻 ってい る。 今後 、中近 東 で は、10兆 円規模 の電 力・ 水 公社 の 入札 が 目白押 しで あ り、 各国 と も トップ レベ ル が、民 間企業 にとり、水道事業 の リスク管理 (民 が経営 す の セー ルス を展 開 して い る。 ることの議 会や付i民 の 同意、責任 の所在、組合 問題等 )の 不透明 さが あ り、遅 々として進 んでいないのが 実態 である。 7.今 後 の水 ビジネス戦略 5.世 界各 国の水 ビジ ネ ス戦 略 2009年 1月 、水の安全保障戦略機構 が設立 され、現 在 「チーム水 ・ 日本」 として 34チ ームが活躍 して いる。 lll界 各国 は、 │工│を 挙 げて水 イ ンフ ラ ビジ ネ ス創 出 に取 (1)日 本 の産官学を含めた取 り組み り組 んで い る。 (2)各 省庁 の水 ビジネスヘの取 り組み (1)フ 経済産業省「水 ビジ ネス国際展開研究会」、環境省「水 タスクフォースチ ーム」、 F■1交 省 「下水道 グ ローバ ルセ ンター」、「サ ニ テー シ ョン・ハ ブ」、三省合同で「海外 ラ ンスの 水戦略 ヴ ェ オ リアネし、 そ して スエ ズ社 、2つ の フ ラ ンス系 企 業 は世 界 ││∫ 場 で大 きな ビジ ネス を展 開 して い る。 水部 門 の 売 り llげ は、 各 々 1兆 6千 億 円、8千 6百 億 円で あ るの この 成功 の 裏 に は フ ラ ンス政府 の 外 交 努力 が あ る。 2社 が ビ ッグビジ ネス を締 結す る前 には、 常 に シラ ク前大統 領が 各 [1の トップ と会談 し、「露払 い Jを 行 って い る。 (2)シ ンガポ ール の水戦略 国 内 の 水 需 要 の 50%以 _Lを 隣 国 マ レー シアか ら輸 入 して い た、シ ンガポ ー ル政府 は「 これ は 国家存 亡の危機」 であ る と認識 し、 国家 的 プ ロ ジェ ク トと して水 資源 の 確 保 に乗 り出 した。 外 資 系水 処理 会社 を積 極 的 に誘 致 し、 国内企業 と組 ませ極 めて短 時 間 にその技 術 力 や ノウハ ウ 水 インフ ラ PPP協 議会」 などを設置 してい る。 (3)日 本企業 の水 ビジネスヘの取 り組み 国内の水関itt./1N業 の動 きも活発である。「 有限責任事 業組合 ・海外水循環 システム 協議 会」 には 50社 が参加 して い る。 水 の安全保障戦略機構 の「チ ーム水 。日本J では 34チ ームが活動 してい る。 そ の よ うな活動 の 中 で特筆 で きるのが、荏原製作所、 日揮、三菱 商事 に よる水事業新 会社 の 誕生 (水 ing,11 年 4月 )で ある。 また、商社 の水 ビジネスヘ の取 り組 み も活発化 して い る。 を習 得 して世 界水 ビ ジ ネ ス市場 へ 進 出 し、現 在、 中 国、 8.海 外水 ビジネスヘの展望 リビア、 中近束 な どで大 きな成果 を挙 げて い る。 日本には、世界に誇れる良 い技術があ りなが ら、それ を世界展開 しようとす る意思がなかったが、最近にな り (3)韓 国 の 水戦 略 韓 │は 、先 進 的水処理技 術 開発 に関す る研 究 開発事業 「 を推 進 して い る。 2005年 に は水 処 理 膜 の 開発 事 業 を立 ち上 げ、 陛界 で 活躍 で きる韓 国企業 を二つ 以上育 成す る こ とを発 表 し、国 を挙 げて シ ンガポ ー ルの 成功 に続 こ う 海外勢 に刺激 され大 きな水 ビジネスの機運が高 まって き てお り、民間企業や地方 向治体 で多 くの試 みがなされて い る。 と して い る。 韓 国水 フ ォー ラムの 会長 チ ョー ジ ン・ ヒ ョ 海外 で水 ビジネスを展開す る場合、 まずは情報発信で ある。海外 の企業やオ 支術者、そ して研究者 は、誇大広告 ン氏 は 水 ビジ ネ ス を「 ブ ルー ゴー ル ドイ ンダス トリー」 と命 名 し、 シ ンガ ポ ー ル に続 く世 界水 ビジ ネ スヘ の 進 出 とも思えるプレゼ ンをす るが、 日本か ら技術者が主体 で 行 う英文 での情報発信 は少ない、 これでは世界か ら認め を呼 びか けて い るの られない し、世界で戦 うことは不可能 である。 日本全体 が引 きこ もり現象である、 これを打破する ことは技術者 6.日 本 は なぜ イ ンフラ ビジ ネ スで 負 け るの か (1)日 本 の 成功 モデル は個 人向 け製 品 の責務 で もある。 日本 の技 aT者 は世 界 的 に も勤 勉 で ま じめ、 しか も約 束 は守 る とい う評判 が 高 い が、海外 コ ンサ ル タン ト会社 の 目から見ると① プレゼン能力のなさ、②市場 ニー ズの把 握、市場調査能力の欠如、③経営感覚の鈍さ等が指摘 さ れている。新 しい分野に挑戦するときに、幅広い矢 Π 識と 通 達 つ0 イ ラ ・ ニ ュ ー ス 平成 23年 5月 15日 毎 月 1回 15日 発 行 人脈 が なけれ ば大 きな仕事 が で きな い=常 に技 術者 は 自 分 の 業 界以外 、特 に周辺 の 業 界へ の 視野 を広 げ る努 力が 必 要 であ る。 (ク ロー バ ル ウ ォー タ・ ジ ャパ ン 代 表 古村和 就 (国 連環境技 術顧 間、麻布大学客 員教授 )) 労働安全衛生法関係手数料令 の一部を改正 す る政 令 の適用 について 下記 の 事項 に留 意 の L、 遺憾 の な い よ うに され たい. 基発 0330第 1号 :己 1 平成 23年 3月 30日 都道府県労働局長 労 働安 全 衛生 法 関係 手 数料 令 (昭 和 47年 政 令 第 345 号 )第 6条 第 1号 か ら第 4号 の 改 llは 、労 働安 全 衛 生 殿 法 に 係 る免 許試験 の うち学 科 試験 に係 る手 数 料 の 額 に つ い て、7.000円 か ら 6,800円 に引 き下 げ る もの で あ る 厚生労働省労働基準局長 (公 印 省 略) こ と。 労働安全衛生法関係手数料令の一部 を改正する政令 の適用 について 2 改正 政令 の 施 行 の 日 (以 下 「施行 日」 とい う1)前 に 受験 の 中請 の 受 付 が 開始 され た 労 働 安 全衛 生 法 の 規 定 労働安全衛生法 関係手数料令 の一 部 を改正す る政 令 (平 成 23年 政令第 52号 。以下「改正政令」とい う。 )は 、 に よる免 許 試 験 の う ち学 科 試験 に係 る手 数 料 の 額 は、 受験 の 申請 が 施 行 日以 降 に行 わ れ る 場 合 で あ っ て も、 別添 (略 )の とお り平成 23年 3月 30日 に公布 され、同 年 4月 1日 か ら施 行 される こととなった。 改 1二 政 令 に よる改正 前 の 労 働安 全 衛 生 法 関係 手 数 料 令 今回の改正 は、労働安全衛 生 法 (昭 和 47年 法律第 57 号 )に 基 づ く免許試験 の うち学科試験 に係 る手数料の額 ※特 級 、一級 、 二 級 ボ イ ラ ー技士 および特 別 、普 通 ボ イ に定 め る額 で あ る こ と (改 正 政令 附則 第 2条 )。 ラ ー溶 接士 、 ポ イ ラ ー整備 士免 許試験 が これ に該 当 し を改定す るものであるが、 これ らの施 行 に当 たっては、 ます。 た被災者への免許を取得し ていることを証する書面の発行等について 本大震災により 労働安全衛生法に基づ〈 免許を滅失等し ◆東日 己 言 1 基発 0413第 5号 都道府県労働局長 証 明書 を発 行 す る被 災者 免 許 の 再 交 付 申請 に必 要 な本 人確 認 証 明書 を用 意 す 平成 23年 4月 13日 る こ とが で きな い被 災者 、避 難所 で生 活 して お り免 許 殿 の 受取 が 困難 な被 災者 を原則 とす る こ とっ 厚生労働省労働基準局長 なお 、 この よ うな原員1に 該 当 しな い場 合 で あ って も、 印 省 略) 東 日本大震災により労働安全衛生法に基 づ く免許 を 復 旧工事 に従 事 す るため に至急 免 許が 必 要 で あ る、 就 滅失等 した被災者 へ の免許 を取得 していることを証 職 に際 して必 要 で あ る、 自宅 の 損 壊 等 で 経 済 的 に著 し する書面 の発行等 について く困窮 して お り再 交 付 申請 が で きな い 等 の 事 情 も有 り (公 得 る こ とか ら、 相 談 者 の 置 か れ た状 況 を勘 案 し、 柔軟 労働安全衛生法 に基づ く免許 (以 下 「免許」 とい う。 を滅失等 した場合の取扱 い については、免許 システ ム事 ) 務処理要領 (以 下「事務処理要領」 とい う。)で 規定 し て い る ところであ るが、今般 の 東 日本人震災 にお い て な対応 を心 が け る こ と. 2 証 明書 を発 行す る免許 の 種 類 は以下 の 20種 とす るこ と。 (1)特 級 ボ イラー技 士 免許 (2)一 級 ボ イラー技 士 免許 (3)二 級 ボ イラー技 士 免 許 (4)特 別 ボ イラー 溶接 士免 許 (5)普 通 ボ イラー 溶接 士 免許 (6)ボ イラー 整備士 免許 は、再交付 申請 に必要な本人確認証明書 (運 転免許証や 住民票等 )の 入手先である地方 向治体 の庁舎が流出 して い る場合があるほか、 多 くの被災者が避難所で生活 して お り再交付 した免許を郵送す ることが 困難 である等 の事 態が発生 してお り、被災者 の免許再交付が困難な場合が 想定 されるところで ある。 このため、免許再交付が困難な東 日本大震災 の被災者 については、 当面 の措置 として、下記に よ り労働局長又 は労働基準監督署長が免許 を取得 して い ることを証する 書面 (以 下 「証明書」 とい う。)を 発行す ることとした ので、その取扱 い について遺漏 なきを期 された い。 対 象 とな る免 許 の 種類 以 下 、省略 3 証 明書 の 発 行 につ いて (1)証 明書 につ いて 証 明書 は別 添 (略 )の 様式 とす る こ と。 なお 、祠f明 書 の 有効 期 間 は 平 成 24年 3月 31日 ま