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2010年6月号 - 信金中金 地域・中小企業研究所
ISSN1346-9479 Shinkin Central Bank Monthly Review 第9巻 第6号(通巻450号) 世 界 金融 危 機 の 教 訓 と 中 小 企 業 金 融 第 8 回 信用金庫取引先海外進出状況調査結果 チ ャ レン ジ シ ョ ッ プ 運 営 の ポ イ ン ト −地域で経営者を育てる実践塾− 水 産 業に お け る 漁 業 制 度 の あ り 方 等 −農林水産業の活性化に向けて⑧− 統計 2010. 6 「信金中金月報掲載論文」募集のお知らせ ○対象分野は、当研究所の研究分野でもある「地域」「中小企業」「協同組織」に関連する金融・ 経済分野とし、これら分野の研究の奨励を通じて、研究者の育成を図り、もって我が国におけ る当該分野の学術研究振興に寄与することを目的としています。 ○かかる目的を効果的に実現するため、本論文募集は、①懸賞論文と異なり、募集期限を設けな い随時募集として息の長い取り組みを目指していること、②要改善点を指摘し、加筆修正後の 再応募を認める場合があること、を特徴としています。 ○信金中金月報への応募論文の掲載可否は、編集委員会が委嘱する審査員の審査結果に基づき、 編集委員会が決定するという、いわゆるレフェリー制を採用しており、本月報に掲載された論 文は当研究所ホームページにも掲載することで、広く一般に公表する機会を設けております。 詳しくは、当研究所ホームページ(http://www.scbri.jp/)に掲載されている募集要項等をご 参照ください。 編集委員会 (敬称略、順不同) 委 員 長 清水啓典 一橋大学大学院 商学研究科教授 副委員長 藤野次雄 横浜市立大学 国際総合科学部教授 委 員 川波洋一 九州大学大学院 経済学研究院教授 委 員 鹿野嘉昭 同志社大学 経済学部教授 委 員 首藤 惠 早稲田大学大学院 ファイナンス研究科教授 問い合わせ先 信金中央金庫 地域・中小企業研究所「信金中金月報掲載論文」募集事務局(担当:山田、照沼) Tel : 03(5202)7671/Fax : 03(3278)7048 Shinkin Central B a n k Monthly Review 2010年 6月号 目次 世界金融危機の教訓と中小企業金融 2 信金中金月報掲載論文編集委員長 清水啓典 (一橋大学大学院商学研究科教授) 調 査 第8回 信用金庫取引先海外進出状況調査結果 4 信金業務支援部 海外業務支援室 チャレンジショップ運営のポイント 畠山智成 27 髙田 眞 41 −地域で経営者を育てる実践塾− 水産業における漁業制度のあり方等 −農林水産業の活性化に向けて⑧− 信金中金だより 信金中央金庫 地域・中小企業研究所活動状況 (4月) 54 統 計 信用金庫統計、金融機関業態別統計 55 2010 6 個人名による掲載文のうち意見にわたる部分は執筆者個人の見解です。 投資・施策実施等についてはご自身の判断によってください。 世界金融危機の教訓と中小企業金融 信金中金月報掲載論文 編集委員長 清水 啓典 (一橋大学大学院商学研究科教授) 信金中金総合研究所は、本年4月1日を以て組織変更を行うと共に、名称を「信金中金 地 域・中小企業研究所」と改めて、信用金庫業界のシンクタンクとしての研究目的を一層明確に する改革を行った。折しも、世界金融危機の影響から中小企業を取り巻く金融環境は依然とし て厳しく、中小企業金融の活性化は日本経済の大きな課題となっている。 世界金融危機以前は、多数の投資家へのリスク分散を可能とする資本市場を中心とする欧米 の金融システムが先進的と見なされ、理想的な監督体制の下で、複雑多様な新金融技術を駆使 して新商品を開発し、高収益を謳歌する巨大銀行はアジア地域の金融機関の目標でもあった。 一方で、アジア地域で一般的な土地担保が重きをなす銀行貸出を中心とした金融システムは後 進的で、新金融技術を利用できない金融機関はリスク管理においても劣っていると見なされが ちであった。 しかし、世界金融危機の発生によってこのような見方は一変したと言って良い。最先端の高 度な独自モデルを駆使してリスク管理を行っていた欧米の巨大金融機関は、軒並み破綻して公 的資金を受けて実質国有化されると共に、それまでは表面化しなかった問題点が次々と明らか になったからである。 欧米金融機関の高収益源となったサブプライムローンを代表とする、金融工学を用いて作り 出された多数の証券化商品は、複雑すぎて、投資家も誰が誰に貸しているのか分からない状況 を生んでいた。金融機関は個別企業の視点だけからのリスク管理を行っていたために、金融業 界全体としてのリスク管理が全く欠けており、そのリスクが世界全体に拡散して世界を巻き込 んだ危機に発展したのである。結局、欧米の発達した資本市場や金融工学を利用したリスク管 理も、本質的には不動産担保を基礎とした貸出と変わるところはなく、一旦不動産価格の暴落 が起これば日本と同じく金融機関は危機に瀕する。本来自己責任で行動し、救済の対象ではな い資本市場の投資家たちも、余りに損失が大規模になると、結局国が税金を投入して保護せざ るを得なくなる現実も明らかになった。このような事態を生んだ欧米の金融監督体制の大変革 は不可欠であるが、根本的な改革の見通しは混沌としており、長い年月が必要となるであろう。 安定した金融市場と経済発展の基礎は、個々の借り手が着実に成長して誠実に返済を履行し、 次の成長企業に資金を供給する循環が円滑に機能する点にある。そのための金融機関の役割は、 2 信金中金月報 2010.6 成長の可能性のある企業を見いだして、単なる資金取引に留まらない相互の信頼関係を強化し つつ、その成長を支援することである。そのために日本では伝統的に、借り手が信頼に足る人 物であることを見極める「人を見る目」が金融機関の仕事の鍵とされてきた。今回の世界金融 危機の根源には、サブプライムローンに見られるように、金融工学を応用したリスク管理に依 存しすぎて「人を見ないで」行った貸出があり、金融機関本来の地道な努力が軽視されていた という問題がある。 そのような視点から改めて日本の金融システムを見直してみると、違った強みが見えてくる。 後進的と見なされがちなかつてのメインバンク制度も、借り手企業が危機に陥った際には資金 のみならず人材派遣も含めて支援し、企業の存続と成長を助ける役割を果たしていた。企業破 綻の回避は金融機関にとっては最も重要なリスク管理であり、メインバンク制度はそのための 役割を果たしていたとの評価が可能である。また、中小企業金融はリレーションシップ・バン キングと呼ばれ、金融機関が持つ借り手企業に関する密度の高い情報や、互いの親密な信頼関 係が重要な役割を果たすことが知られている。金融機関が企業を育てつつ共に成長する関係こ そがリスク管理の本質であり、このようなリスク管理体制こそが多くの中小企業を大企業にま で成長させ、日本の高度成長に貢献したと見ることもできる。 これまではリスク管理というと往々にして、借り手企業の状態を所与としたまま、金融機関 内部の資産負債管理に焦点が当てられていた。しかし、真のリスク管理とは各金融機関による 企業支援の地道な努力と借り手企業との信頼関係の賜であり、金融工学だけに依存して実現で きるものではない。また、金融機関や金融市場の発展は経済全体の成長なくしてはあり得ない。 経済の発展は既に大企業となった企業グループだけが牽引するのではなく、圧倒的多数の中小 企業の中から次世代の大企業が多数育っていく過程こそが生み出すものである。その意味で、 次世代の大企業を育てる中小企業金融は、個別案件は小規模でもその圧倒的な数のため、いつ の時代にも貴重な金融市場の中核的な存在であり、大企業の事業もそれを支える多数の中小企 業の存在によって成り立っている。 金融機関の規模に関しても、巨大金融機関が必ずしも効率が良いわけではない点も明らかに なった。たとえ一定期間は高収益を得ていても、結局破綻して国民負担とならざるを得ない膨 大な損失を生めば、長期的に見て存続可能な組織とは言えないであろう。金融取引は時間を超 えて資金を取引する事業であるから、その効率性は長期的な視点から判断しなくてはならない。 とりわけ、利益や損失を時間的に自由に移動させることの出来る金融派生商品の発達もあって、 金融機関の真の効率性は短期間の業績で評価できるものではない。 現在の中小企業の中に次世代の大企業は必ず存在する。日本の地域金融機関は欧米で言うベ ンチャー・キャピタルの役割を果たしてもいる。中小企業金融の効率化は日本経済全体の成長 の基盤であり、金融機関は「人を見る」だけでなく、「人を育てる」役割も担うべきである。こ のような重要な課題に対して、新たな組織となった「信金中金 地域・中小企業研究所」によ る一層大きな貢献を期待したい。 3 調 査 第8回 信用金庫取引先海外進出状況調査結果 信金中央金庫 信金業務支援部 海外業務支援室 (要 旨) 1.今回(09年)調査時における海外進出企業数は前回(07年)調査結果と比べ36先(減少 率2.4%)減少し1,488先となった。 2.進出地域はアジアが全体の89.5%と圧倒的多数を占めている。中でも最大の進出先である 中国は841先で構成比は56.5%となった。中国進出企業の51.4%が華東地域に進出しており、 華東地域進出企業の9割弱が上海市と江蘇省に集積している。中国に次ぐ進出先のアセアン では前回調査と同様にチャイナ・プラスワン戦略で注目されるベトナムとタイへの進出が増 加した。 3.「全国信用金庫統計」における信用金庫の国内貸出先数では製造業は17.3%に過ぎないが、 本調査における海外進出企業は製造業が73.7%と圧倒的に多い。業種の内訳は機械が 31.5%、商業が17.9%、化学が10.8%、繊維が10.0%で上位に入る。 4.新規進出先の進出動機は前回第1位の「現地国および周辺国市場が有望」と同第2位の「日 本国内市場への製品供給」が第1位に並び、前回第4位の「海外進出した販売先・親会社の受 注確保」が第3位となり、前回第3位の「低廉豊富な労働力の確保」は第4位に後退した。全 体では「低廉豊富な労働力の確保」と「日本国内市場への製品供給」が減少し、 「海外進出 した販売先・親会社の受注確保」が増加する傾向にある。 5.前回調査では良化傾向にあった進出企業の業況は、08年9月のリーマン・ショックがもた らした世界的な金融危機の影響により総じて悪化に転じた。業況悪化の度合いは地域により 異なり、中国では比較的軽微であったが、米州では悪化が顕著となった。進出企業の問題点 は前回に続き 「現地社員の教育」が最も多く回答企業の42.7%が挙げている。以下「人件費の 上昇」、 「為替変動」、「現地工場の生産性」 、 「文化・慣習の相違」 の順に多く指摘されている。 4 信金中金月報 2010.6 地域、進出形態、資本金、進出動機、業種、 1.信用金庫取引先海外進出状況調査 の概要 (1)調査方法 進出に際しての問題点等を調査した (図表1) 。 ニ.意思確認 イ.調査時期 個人情報保護法等情報管理の徹底が厳しく 09年6月∼8月 求められる中にあって、05年調査から情報入手 およびその情報の取扱方法に関して信用金庫 ロ.調査対象 取引先および信用金庫の同意を確認するため、 全国の278信用金庫の取引先(信用金庫数 調査票に記名・捺印を徴求することとした。 は09年8月31日時点) (2)定義 ハ.調査項目 イ.進出国・地域 調査は大別して「前回報告先」、「新規報告 アジア、米州、欧州、アフリカ、オセアニ 先」について、2種類の調査用紙 (調査票A、B) アの地域は図表2のとおり区分する。 を使用して取引先名、海外進出企業名、国・ 国・地域の詳細は以下のとおり区分する。 図表1 調査票B(新規報告先用) 調 査 5 アジア :さらに中国、北東アジア、ア 近 畿:滋賀県、京都府、大阪府、奈 良県、和歌山県、兵庫県 セアン、その他に分類 中 国 :香港、台湾を含まない。 中国・四国・九州:鳥取県、島根県、岡山県、広島 北東アジア:韓国、台湾、香港 県、山口県、徳島県、香川県、 アセアン :シンガポール、マレーシア、 愛媛県、高知県、福岡県、佐賀 タイ、フィリピン、インドネシ 県、長崎県、熊本県、大分県、 ア、ベトナム、ブルネイ、ラオ 宮崎県、鹿児島県、沖縄県 ス、カンボジア、ミャンマー ハ.分析対象 その他 :上記以外のアジア 米 州:グアム、サイパンを含む。 各分析の対象は信用金庫取引先が外国に設 オセアニア:グアム、サイパンを含まない。 立した現地法人(委託加工契約の相手先企業 を含む。)、支店、事務所等のうち、特に文 ロ.親会社所在地域 中、図表中、図表欄外に断りのないかぎり、 進出企業の親会社の国内所在地域は以下の 回答調査時に進出している企業である。 ように区分する(図表3)。 北海道・東北:北海道、青森県、秋田県、山形 県、岩手県、宮城県、福島県 関東甲信越:東 京 都、群 馬 県、栃 木 県、茨 ニ.業種分類 業種は機械器具製造業を一般、電気、輸送 用、精密に区分するとともに、その部品産業 城 県、埼 玉 県、千 葉 県、神 奈 を含める扱いとする。 川県、山梨県、長野県、新潟県 製造業 東海・北陸:静岡県、愛知県、岐阜県、三重 県、富山県、石川県、福井県 食 料 品:食料品、たばこ、飼料製造業 木材・パルプ:木材・木製品、家具・装備品、 図表2 国・地域区分 欧州 アジア 米州 アフリカ オセアニア 6 信金中金月報 2010.6 図表3 進出企業の親会社の所在地域 北海道・東北 関東甲信越 近畿 東海・北陸 中国・四国・九州 紙・パルプ・紙加工品製造業 繊 維:繊維、衣服、その他繊維製 品製造業 化 学:化学、石油・石炭製品、プ ラスチック、ゴム、窯業・ 土石製品製造業 金 属:鉄鋼、非鉄金属製品製造業 機 械 一般機械:一般機械器具(および部品)製造業 ホ.その他の用語解説 前回調査:07年7∼9月 に 行 わ れ た 信 用 金 庫取引先の海外進出状況調査 企 業:信用金庫取引先が外国に設立し た現地法人、支店、事務所等 企 業 数:企業の数(単位:先) 既進出企業:本調査時に海外に立地、登記、 または企業活動が行われている 企業 電気機械:電気機械器具(および部品)製造業 新規進出企業:今回調査の既進出企業の中で、 輸送用機械:輸送用機械器具(および部品)製造業 前回調査以降 (08年および09年) 精密機械:精密機械器具(および部品)製造業 に進出した企業 (今回新たに報 その他:雑貨・その他製造業 非製造業 農 林 漁 業:農業、林業、漁業 鉱 業:鉱業 建 設 業:建設業 告された企業でも進出時期が07 年以前の企業は含まない。) 進出予定企業:本調査時点において今後進出 を予定している企業 撤退企業:前回調査時に既進出企業として 商 業:卸売業、小売業 登録されたもののうち、本調査時 サービス業:サービス業 に実質的な活動を停止している そ の 他:その他非製造業 企業 (本邦での信用金庫と親会社 調 査 7 の取引解消、取引疎遠化等によ る取引状況の変化により前回調 査の既進出企業の現状が把握で 2.進出企業分析 (1) 進出企業数 きなくなったケースは含まない。 ) 今回(09年)調査時における海外進出企 独資企業:外資が100%出資する企業(外 業数は1,488先で、前回(07年)調査結果と 資同士の合弁を含む。) 比べ36先(減少率2.4%)減少した(図表4)。 合弁企業:外資と地場企業が出資する企業 進出企業数の増減は信用金庫と本邦親会社 海外増減要因:信用金庫取引先の進出企業の との取引関係の変化に伴う国内増減要因と過 増減(増加は進出、減少は撤退) 去2年間の海外への進出・徹底に伴う海外増 国内増減要因:日本における信用金庫と信用 減要因に分解される。今回調査では、08年 金庫取引先の関係にもとづく 以後の新規進出企業70先(海外要因)およ 増減(増加は07年以前に進出し び07年以前の既進出企業214先(国内要因) た企業の親会社との新規取引。 の増加に対し、海外から撤退した企業91先 減少は海外進出企業を有する (海外要因)、親会社の破綻、取引解消等によ 親 会 社 と の 取 引 解 消、 当 該 企 り減少した229先(国内要因)があり、全体 業の倒産等) 数は36先減の1,488先となった。 図表4 進出地域別進出企業数 (単位:先、%) 年度 海外増減要因 09年 構成比 07年比 増減 地域(国) アジア 進出 撤退 国内増減要因 取引開始 取引解消 07年 構成比 05年 構成比 03年 構成比 01年 構成比 (増加)(減少)(増加)(減少) 1,332 89.5 △26 63 78 196 207 1,358 89.1 1,384 89.1 1,633 87.2 1,271 85.5 中国 841 56.5 △7 48 54 132 133 848 55.6 857 55.1 947 50.6 641 43.1 北東アジア 185 12.4 △20 4 14 20 30 205 13.5 225 14.5 301 16.1 273 18.4 韓国 43 2.9 △9 2 6 3 8 52 3.4 53 3.4 78 4.2 71 4.8 台湾 42 2.8 △4 1 5 7 7 46 3.0 61 3.9 84 4.5 67 4.5 香港 100 6.7 △7 1 3 10 15 107 7.0 111 7.1 139 7.4 135 9.1 アセアン 298 20.0 2 11 9 41 41 296 19.4 290 18.7 367 19.6 339 22.8 シンガポール 13 0.9 △2 0 1 0 1 15 1.0 18 1.2 30 1.6 36 2.4 マレーシア 32 2.2 △3 0 2 3 4 35 2.3 38 2.4 49 2.6 58 3.9 113 7.6 4 1 4 18 11 109 7.2 101 6.5 117 6.2 93 6.3 インドネシア 45 3.0 △2 1 0 7 10 47 3.1 51 3.3 67 3.6 57 3.8 フィリピン 37 2.5 △5 0 0 5 10 42 2.8 44 2.8 69 3.7 72 4.8 ベトナム 56 3.8 10 9 2 8 5 46 3.0 36 2.3 32 1.7 19 1.3 2 0.1 0 0 0 0 0 2 0.1 2 0.1 3 0.2 4 0.3 インド 2 0.1 1 0 0 2 1 1 0.1 2 0.1 8 0.4 7 0.5 その他 6 0.4 △2 0 1 1 2 8 0.5 10 0.6 10 0.5 11 0.7 109 7.3 △8 4 9 11 14 117 7.7 120 7.7 165 8.8 170 11.4 米国 86 5.8 △11 3 8 5 11 97 6.4 101 6.5 138 7.4 142 9.6 その他 23 1.5 3 1 1 6 3 20 1.3 19 1.2 27 1.4 28 1.9 38 2.6 △1 2 4 5 4 39 2.6 38 2.4 54 2.9 35 2.4 オセアニア 8 0.5 0 1 0 1 2 8 0.5 8 0.5 11 0.6 8 0.5 その他 1 0.1 △1 0 0 1 2 2 0.1 4 0.3 10 0.5 2 0.1 1,488 100.0 △36 70 91 214 229 1,524 100.0 1,554 100.0 1,873 100.0 1,486 100.0 タイ その他 米州 欧州 合計 8 信金中金月報 2010.6 (2)進出地域 9月のリーマン・ショック後の世界的な景気 イ.進出先数および構成比の変化 の落込みより海外進出を見合わせる企業が増 進出地域はアジアが全体の89.5%(前回調 加したことが原因と考えられる(図表6)。 査比0.4ポイント増)と圧倒的多数を占めてい 新規進出企業のうち48先は中国に進出し る。次いで米州が7.3%(同0.4ポイント減)が ており構成比は68.6%(前回調査比13ポイン 多く、アジア、米州以外の地域(欧州、オセ ト増)を占める。これに香港の1先を加えた アニア等) への進出はわずか3.2%に過ぎない。 70.0%が中国本土を目指した進出である。 進出先数が増加したのは前回調査と同様に 北東アジアへの進出は4先となり構成比は チャイナ・プラスワン戦略で注目されるベト 5.7%(同4.5ポイント減)であった。中国・ ナ ム(前 回 調 査 比10先 増 ) と タ イ(同4先 香港以外でも韓国へ2先、台湾へ1先が進出 増)のみであり、他は減少となった。 している。 03年調査で初めて50%を超えた中国の構 アセアンへの進出は前回より9先減り11先と 成比は56.5%まで高まっている。また05年調 なった。進出国は中国プラス・ワン戦略で注 査で18.7%まで低下したアセアンの構成比 目されるベトナムが9先、タイ、インドネシア は、シンガポール、マレーシア、インドネシ が各1先となっており、ベトナムが増加してい アおよびフィリピンでは進出先数が減少した る。タイは、新規は1先のみだが、04年から07 ものの、ベトナムおよびタイが増加したこと 年に進出した10先が取引開始先として増加し により20.0%まで回復した(図表5)。 たことから、全体数では4先の増加となった。 巨大市場として注目されるインドは1先も ロ.新規進出動向 なく、中小企業にとってインドへの進出は依 今回調査において前回調査後の08∼09年 然ハードルが高いことがうかがわれる。 に進出した新規進出企業は70先あり、前回 進出予定先は前回調査を3先上回る23先と 調査の新規進出企業(06∼07年の進出企業) なった。国別には中国が8先と最も多く、ベ の108先に比べ38先減少した。これは、08年 トナム3先、台湾2先が続いている。 図表5 進出地域構成比の推移 (年) 09 56.5 12.4 20.0 7.3 3.8 07 55.6 13.5 19.4 7.7 3.8 05 55.1 14.5 18.7 7.7 4.0 03 0 10 20 30 中国 19.6 16.1 50.6 40 北東アジア 50 アセアン 60 70 米州 8.8 80 90 4.9 100 (%) その他 調 査 9 図表6 進出地域別新規進出および進出予定企業数 (単位:先、%) 新規進出企業 年度 09年 地域 07年 構成比 アジア 中国 北東アジア 韓国 台湾 香港 進出予定企業 05年 構成比 09年 構成比 07年 構成比 05年 構成比 構成比 63 90.0 91 84.3 116 92.1 17 73.9 18 90.0 26 78.8 48 4 68.6 5.7 60 11 55.6 10.2 80 17 63.5 13.5 8 3 34.8 13.0 13 2 65.0 10.0 19 3 57.6 9.1 2 1 2.9 1.4 6 2 5.6 1.9 6 2 4.8 1.6 0 2 0.0 8.7 0 1 0.0 5.0 0 3 0.0 9.1 1 1.4 3 2.8 9 7.1 1 4.3 1 5.0 0 0.0 11 0 15.7 0.0 20 0 18.5 0.0 19 2 15.1 1.6 6 0 26.1 0.0 3 0 15.0 0.0 4 0 12.1 0.0 マレーシア 0 0.0 1 0.9 2 1.6 0 0.0 0 0.0 0 0.0 タイ 1 1.4 5 4.6 5 4.0 1 4.3 1 5.0 0 0.0 4.0 0.8 3.2 0.0 0.0 4.8 3.2 100.0 0 1 3 1 0 0 6 23 0.0 4.3 13.0 4.3 0.0 0.0 26.1 100.0 0 0 2 0 0 0 2 20 0.0 0.0 10.0 0.0 0.0 0.0 10.0 100.0 1 1 2 0 0 0 7 33 3.0 3.0 6.1 0.0 0.0 0.0 21.2 100.0 アセアン シンガポール インドネシア フィリピン ベトナム その他 その他 米州 その他 合計 進出企業総数 (新規企業比率) 1 0 9 0 0 4 3 70 1,488 (4.7) 1.4 0.0 12.9 0.0 0.0 5.7 4.3 100.0 0 3 11 0 0 10 7 108 1,524 (7.1) 0.0 2.8 10.2 0.0 0.0 9.3 6.5 100.0 5 1 4 0 0 6 4 126 1,554 (8.1) が全地域で50%を超え、最大の進出先となっ (3)親会社の所在地域 イ.進出企業数 ている(図表9)。 進出企業の親会社の所在地は、東海・北 北海道・東北は北東アジアと米州が17.7% 陸、近畿、関東甲信越が全体の84.8%を占め で中国に次いで第2位となっている。 る。今回は東海・北陸が31先、近畿が30先 関東甲信越および東海・北陸は大手企業の 減 少 し た た め、 構 成 比 が1ポ イ ン ト 強 低 下 下請けとしてアセアンに進出する中小企業が し、他地域では0.2∼2ポイント拡大した。新 多いため、アセアンの構成比が20%を超えてい 規進出先は東海・北陸31先、関東甲信越15 る。関東甲信越は北東アジアも15.3%と高い。 先の順で多かった(図表7、8)。 地理的に最も中国に近い中国・四国・九州 および近畿は中国の構成比が60%台と特に ロ.進出地域の傾向 高い。これに、アセアン、北東アジアが10% 距離的に近い中国に進出する企業の構成比 台で続いている。 図表7 親会社所在地域別進出企業数 (単位:先、%) 年度 09年 親会社 所在地域 構成比 前回比 増減数 前回比 増減率 海外増減要因 国内増減要因 進出 撤退 取引開始 取引解消 (増加) (減少) (増加) (減少) 07年 北海道・東北 68 4.6 4 6.3 6 5 11 8 64 関東甲信越 379 25.5 △6 △1.6 15 24 62 59 385 東海・北陸 533 35.8 △31 △5.5 31 39 42 65 564 近畿 350 23.5 △30 △7.9 8 14 58 82 380 中国・四国・九州 合計 10 信金中金月報 2010.6 158 10.6 27 20.6 10 9 41 15 131 1,488 100.0 △36 △2.4 70 91 214 229 1,524 図表8 親会社所在地域構成比の推移 (年) 09 4.6 25.5 35.8 23.5 10.6 07 4.2 25.3 37.0 24.9 8.6 05 3.7 24.3 36.9 26.9 8.2 03 3.2 28.5 32.1 25.8 8.0 0 10 20 30 40 北海道・東北 50 関東甲信越 60 東海 70 近畿 80 90 100 (%) 中四国・九州 図表9 親会社所在地別進出地域の構成比 北海道・東北 54.4 17.7 関東甲信越 55.4 15.3 東海・北陸 51.4 62.0 中国・四国・九州 65.2 0 10 20 30 中国 24.0 北東アジア (4)業種 アセアン 60 70 米州 5.4 2.3 6.3 3.2 15.2 80 2.9 5.4 16.9 10.1 50 4.8 9.4 13.4 40 2.9 21.6 9.8 近畿 17.7 7.3 90 100 (%) その他 構成比を上回っている。 イ.進出数推移 新規進出企業における製造業の比率は03 進出企業の業種は製造業が73.7%、非製造業 年の74.5%から今回は62.9%に低下した。非 が26.3%を占めている。 「全国信用金庫統計」 に 製造業のうち商業の比率が03年16.8%、05年 おける信用金庫の国内貸出先数では製造業は 20.5%、07年20.8%、09年25.7%と上昇傾向 17.3%に過ぎないが、中小企業においては、低 に あ る。 こ の 間、 中 国 の 比 率 が03年7.7%、 廉豊富な労働力の確保や海外進出した販売 05年11.5%、07年8.9%、09年18.6% で 推 移 先・親会社の受注確保等を目的とする海外進出 したのに対し、北東アジアは03年6.6%、05 の動きは製造業が先行しているため、本調査に 年4.9%、07年2.0%、09年 は0先 ま で 低 下 し おける海外進出企業は圧倒的に多い (図表10) 。 ており、中国市場が存在感を高めている(図 業種の内訳は機械が31.5%で最も多く、以 表11)。 下商業の17.9%、化学の10.8%、繊維の10.0%、 金属の7.3%が続いている。信用金庫貸出先 ロ.進出地域別 の製造業の業種構成比と比較すると、化学、 中国、アセアンでは製造業が構成比の約8 繊維、機械において海外進出企業が貸出先の 割を占めている。中国に進出する製造業は機 調 査 11 図表10 業種別進出企業数 (単位:先、%) 信用金庫取引先海外進出状況調査 (参考)国内貸出先数 年度 09年 製造業 07年 製造業の 構成比 構成比 業種 製造業の 構成比 構成比 09年 3月末 製造業の 構成比 構成比 1,082 73.7 100.0 1,097 73.8 100.0 211,695 17.3 食料品 48 3.3 4.4 57 3.8 5.2 15,505 1.3 7.3 木材・パルプ 52 3.5 4.8 47 3.2 4.3 35,171 2.9 16.6 繊維 147 10.0 13.6 158 10.6 14.4 14,631 1.2 6.9 化学 159 10.8 14.7 164 11.0 14.9 8,928 0.7 4.2 金属 112 7.6 10.4 123 8.3 11.2 43,186 3.5 20.4 機械 462 31.5 42.7 434 29.2 39.6 51,370 4.2 24.3 一般機械 157 10.7 14.5 148 10.0 13.5 21,147 1.7 10.0 電気機械 132 9.0 12.2 132 8.9 12.0 12,493 1.0 5.9 輸送用機械 117 8.0 10.8 103 6.9 9.4 9,166 0.7 4.3 精密機械 その他製造業 非製造業 56 3.8 5.2 51 3.4 4.6 8,564 0.7 4.0 102 6.9 9.4 114 7.7 10.4 42,904 3.5 20.3 82.7 386 26.3 390 26.2 1,015,291 農林漁業 5 0.3 3 0.2 14,621 1.2 鉱業 0 0.0 0 0.0 756 0.1 建設業 8 0.5 15 1.0 246,048 20.1 商業 263 17.9 266 17.9 243,412 19.8 サービス業 101 6.9 98 6.6 510,454 41.6 9 0.6 8 0.5 1,468 100.0 1,487 100.0 1,226,986 100.0 20 - 37 - - 1,488 - 1,524 - - その他非製造業 合計(不明分除き) 業種不明 合 計 100.0 0.0 (備考)1.機械製造業には部品製造を含む。 2.構成比は業種不明分を除く。 3.国内貸出先数は『全国信用金庫統計2008年版』(信金中金総合研究所、2009年9月発行)による。 械が30.1%、化学が11.4%、金属が8.0%を占 3か国とも30%を超えており、平均で35.5% めており、機械やプラスチック・金属加工部 と中国、アセアンよりも高くなっている。こ 品 が 中 心 と な っ て い る。 こ の 他、 繊 維 が れは、①人件費が中国・アセアンに比べて高 13.6%を占めているが、前回調査よりも構成 いことから労働集約的産業にとって製造拠点 比は低下傾向にある。生産拠点としての色彩 としての魅力に乏しいこと、②所得の向上に がより強いアセアンは機械が36.8%、化学が 市場としての魅力があり商業に対する開放度 13.5%、金属が11.5%を占めるなど、機械お が高いことが原因と考えられる。また、米州 よ び 部 品 産 業 の 比 率 が 高 く、 他 の 業 種 は が生産拠点として魅力があるのは自動車など 10%未満となっている(図表12)。 一部の業種に限られることから、非製造業の 一方、北東アジアでは非製造業の構成比が 構成比が50%を超えている。 図表11 新規進出企業における業種構成比の推移 製造業 商 業 中国 北東アジア アセアン 米州 その他 商業以外の非製造業 合計 12 信金中金月報 2010.6 03年 74.5 16.8 7.7 6.6 1.0 0.5 1.0 8.7 100.0 05年 66.4 20.5 11.5 4.9 1.6 0.8 1.7 13.1 100.0 (単位:%) 07年 66.3 20.8 8.9 2.0 2.0 3.0 4.9 12.9 100.0 09年 62.9 25.7 18.6 0.0 2.9 2.9 1.3 11.4 100.0 図表12 進出地域別業種の構成比 全 世 界 3.3 3.5 中 3.7 3.8 国 7.6 10.8 10.0 11.4 13.6 7.0 31.5 30.1 8.0 17.9 8.4 13.8 7.5 8.1 1.1 5.0 北東アジア 3.9 8.9 8.9 33.9 5.5 30.0 2.8 アセアン 5.7 13.5 6.1 36.8 11.5 7.1 9.1 8.5 1.7 2.8 米 4.7 6.5 州 1.9 35.5 29.9 15.9 0.9 0 食料品 10 木材・パルプ 20 繊維 30 化学 40 金属 (5)進出時期 50 機械 60 その他製造業 70 80 商業 90 100 (%) 商業以外の非製造業 ず、対中進出について中国のWTO加盟交渉の イ.進出地域別 行方を静観する企業が多かったこと等により 今回減少した先を含む海外進出先の進出時 42先までに減少した。00年以降は世界の工場 期は94∼95年と02∼03年に2回のピークが現 となった中国への進出が加速し、00∼01年が れる。アジア通貨危機の影響により98∼99年 112先、02∼03年がピークとなる191先まで増 は96先と1回目のピーク (235先) の4割までに落 加している。その後SARS、反日感情の高まり ち込んだものの、00∼01年 以 後は中国 進出 により進出のための現地調査が進まなかった ブームにより進出企業は増加し、2回目のピー ことに加え、中国への一極集中を避け他国へ クの進出企業は265先に達している。その後は の進出を検討する企業があったことにより04 ブ ームが や や 沈 静 化し、04∼05年 が210先、 ∼05年は139先となり、06∼07年は98先、08∼ 06∼07年が167先、08∼09年が70先となって 09年は48先に減少した。ただし、新規先では いる。なお、06∼07年の進出先数が前回調査 中国が全体の68.6%を占め、今後の進出予定 時の108先から今回調査では167先に増加して 先も進出国未定の先を除いた18先中8先が中 いることから、次回調査によりある程度追加 国であり、中国に集中する傾向が続いている。 して捕捉されるものと思われる(図表13)。 アセアンは94∼95年の44先から98∼99年は 94∼95年 の中 国 進 出 企 業 は142先あるが、 22先に落ち込み、その後02∼03年には38先 96∼97年は67先に減少し、98∼99年は①アジ に回復したものの、04∼05年は35先、06∼ ア通貨危機の影響により日系企業の間で海外 07年は20先、08∼09年は11先に減少してい 進出に対して慎重な姿勢を示す企業が多かっ る。アセアン域内での新規進出先はチャイナ・ たこと、②中国の市場開放が思うように進ま プラスワン戦略で注目されるベトナム、タイ 調 査 13 図表13 進出地域別進出時期 (先) 300 250 200 150 100 50 0 ∼87 90∼91 94∼95 全体 中国 98∼99 北東アジア 02∼03 アセアン 06∼07 (年) 米州 (備考)前回進出先で今回減少した先を含む。 に集まり、それ以外の国は撤退、取引解消等 が、00年以降商業とサービス業の進出が増 により減少傾向にある。 加傾向にある。 北東アジアは非製造業の進出比率が中国、 直近 (08∼09年) では機械および商業の18先、 アセアンよりも高いこともあり、進出時期に 化学の10先、繊維およびサービス業7先が多い。 よるぶれは比較的小さくなっている。 (6)進出動機 ロ.業種別 海外への進出動機は「低廉豊富な労働力の 製造業の進出時期には、94∼95年(193先) 確保」を挙げる企業が進出全体の45.2%(前 と02∼03年(208先 )の2回 の ピ ー ク が あ る。 回調査比3.1ポイント減)を占め、以下「日本 94∼95年 は 機 械76先、 化 学47先、 繊 維24先 国内市場への製品供給」の43.0%(同0.6ポイ が多く、機械の内訳は電気機械の30先、一 ント減)、「現地国および周辺国市場が有望」 般 機 械 の22先、 輸 送 用 機 械 の16先 の 順 で の38.4%(同1.1ポイント減)、「海外進出した あった。一方、02∼03年は機械が107先、繊 販売先・親会社の受注確保」の30.5%(同1.5 維が28先、その他製造業が20先となり機械 ポイント増)が続いている(図表15、16)。 の比率が増している。機械の内訳は輸送用機 前回調査と順位に変動はないものの「低廉 械が36先、一般機械が35先、電気機械が30 豊富な労働力の確保」と「日本国内市場への 先となり輸送用機械と一般機械が電気機械を 製品供給」が継続して減少する傾向にあり、 逆転している(図表14)。 「海外進出した販売先・親会社の受注確保」 非製造業は製造業のように進出が一時期に が増加していることは信用金庫取引先の進出 集中することなくなだらかに推移している 目的は、日本で販売する製品のコストダウン 14 信金中金月報 2010.6 図表14 業種別進出時期 (単位:先) ∼87 88∼89 90∼91 92∼93 94∼95 96∼97 98∼99 00∼01 02∼03 04∼05 06∼07 08∼09 製造業 食料品 木材・パルプ 繊維 化学 金属 機械 一般機械 電気機械 輸送用機械 精密機械 その他製造業 非製造業 農林漁業 鉱業 建設業 商業 サービス業 その他非製造業 不 明 合 計 68 6 9 4 10 9 20 5 9 6 0 10 23 0 0 1 20 2 0 0 91 56 0 1 9 9 5 20 8 5 3 4 12 21 1 0 0 18 2 0 0 77 65 4 5 14 12 5 16 7 7 1 1 9 22 0 0 0 15 7 0 0 87 88 6 6 18 12 6 27 6 14 2 5 13 26 0 0 0 19 7 0 2 116 193 13 5 24 47 21 76 22 30 16 8 7 41 2 0 2 28 9 0 1 235 103 4 4 14 9 17 45 17 7 17 4 10 27 0 0 1 19 7 0 1 131 58 2 4 9 11 5 19 5 8 4 2 8 37 0 0 1 30 6 0 1 96 127 8 7 18 18 17 50 17 11 13 9 9 55 1 0 1 36 17 0 3 185 208 9 5 28 21 18 107 35 30 36 6 20 57 1 0 2 33 19 2 0 265 142 4 6 11 24 15 72 31 17 14 10 10 62 0 0 5 38 17 2 6 210 109 6 3 6 11 14 55 19 14 10 12 14 51 0 0 1 31 15 4 7 167 44 0 2 7 10 3 18 5 5 8 0 4 26 0 0 0 18 7 1 0 70 進出時 期不明 合計 うち今 回減少 33 1 2 17 2 1 6 4 0 2 0 4 30 0 0 0 21 9 0 15 78 1,294 63 59 179 196 136 531 181 157 132 61 130 478 5 0 14 326 124 9 36 1,808 212 15 7 32 37 24 69 24 25 15 5 28 92 0 0 6 63 23 0 16 320 (備考)前回進出先で今回減少した先を含む。 から、海外における受注確保や市場開拓に軸 保」を挙げる企業の多い地域は中国とアセア 足が移りつつあることを示している。 ンで50%を超えているのに対し、労働コスト 進出動機トップの「低廉豊富な労働力の確 の高い米州および北東アジアは相対的に低 図表15 進出地域別進出動機 (単位:件、%) 地域 中国 調査 年度 進出動機 回答数 比率 a 現地国および周辺国市場が有望 305 36.3 年 09 アセアン 回答数 比率 米州 回答数 比率 その他 回答数 比率 合計 回答数 比率 69 37.3 123 41.3 48 44.0 26 47.3 571 b 低廉豊富な労働力の確保 442 52.6 55 29.7 158 53.0 4 3.7 13 23.6 672 45.2 c 第三国市場への製品供給 114 13.6 46 24.9 54 18.1 6 5.5 3 5.5 223 15.0 d 情報収集力の強化 96 11.4 30 16.2 27 9.1 22 20.2 6 10.9 181 12.2 e 市場(消費)動向の把握 58 6.9 20 10.8 9 3.0 15 13.8 10 18.2 112 7.5 f 海外進出した販売先・親会社の受注確保 223 26.5 55 29.7 132 44.3 33 30.3 11 20.0 454 30.5 g 日本国内市場への製品供給 430 51.1 70 37.8 108 36.2 21 19.3 11 20.0 640 43.0 h 原材料の確保 101 12.0 20 10.8 19 6.4 12 11.0 6 10.9 158 10.6 i 日本での人手不足解消 93 11.1 6 3.2 40 13.4 0 0.0 0 0.0 139 9.3 j 円高対策 37 4.4 7 3.8 14 4.7 1 0.9 2 3.6 61 4.1 k その他 39 4.6 10 5.4 13 4.4 21 19.3 5 9.1 88 5.9 841 100.0 185 100.0 298 100.0 109 100.0 55 100.0 1,488 100.0 a 現地国および周辺国市場が有望 16 33.3 1 25.0 5 45.5 2 50.0 2 66.7 26 37.1 b 低廉豊富な労働力の確保 11 22.9 0 0.0 7 63.6 0 0.0 0 0.0 18 25.7 c 第三国市場への製品供給 6 12.5 1 25.0 2 18.2 0 0.0 0 0.0 9 12.9 d 情報収集力の強化 9 18.8 0 0.0 1 9.1 0 0.0 1 33.3 11 15.7 進出企業数 年新規進出先 09 北東アジア 回答数 比率 38.4 8 16.7 0 0.0 0 0.0 1 25.0 1 33.3 10 14.3 f 海外進出した販売先・親会社の受注確保 15 31.3 0 0.0 2 18.2 1 25.0 1 33.3 19 27.1 g 日本国内市場への製品供給 21 43.8 2 50.0 3 27.3 0 0.0 0 0.0 26 37.1 h 原材料の確保 3 6.3 1 25.0 1 9.1 0 0.0 0 0.0 5 7.1 i 日本での人手不足解消 1 2.1 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 1.4 j 円高対策 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 k その他 3 6.3 2 50.0 0 0.0 1 25.0 1 33.3 7 10.0 48 100.0 4 100.0 11 100.0 4 100.0 3 100.0 70 100.0 e 市場(消費)動向の把握 進出企業数 (備考)複数回答可、比率=回答数/進出企業数 調 査 15 図表16 進出地域別進出動機の比率 (%) 60 50 米州 40 アセアン 30 北東アジア 20 k その他 j 円高対策 i 日本での人手不足 h 原材料の確保 g 日本国内市場への 製品供給 f 海外進出した販売先・ 親会社の受注確保 市場︵消費︶動向の 把握 e d 情報収集力の強化 c 第三国市場への 製品供給 b 低廉豊富な労働力の 確保 現地国および 周辺国市場が有望 a 0 10 中国 い。「日本国内市場への製品供給」は中国が る制限が多いことから現地企業との合弁形態 51.1%、 北 東 ア ジ ア が37.8%、 ア セ ア ン が が一般的であったが、アジア通貨危機後に各 36.2%と高い。これに対し、「現地国および 国で外資導入に関する規制緩和が進んだこと 周辺国市場が有望」は米州が44.0%と高く、 から00年以降は独資形態が主流になっている。 以下アセアン、北東アジア、中国の順とな 01年調査においては、独資企業45.2%に対 る。中国は36.3%であり、進出企業の3分の1 し合弁企業39.5%と拮抗していたが、01年調 強が中国を販売市場として意識していること 査以降、新規進出先では独資企業が過半を占 になる。 めており、90年代に進出した企業も撤退や 新規進出先の進出動機は前回第1位の「現 独資企業へ転換が進んだことから、今回調査 地国および周辺国市場が有望」と同第2位の における構成比は独資企業65.0%、合弁企業 「日本国内市場への製品供給」が37.1%で第1 18.8%となった(図表17)。 位に並んでいる。以下、前回第4位の「海外 新規進出先の進出形態は01年以降独資企 進 出 し た 販 売 先・ 親 会 社 の 受 注 確 保 」 が 業が60%を超えていたが、今回は50%にと 27.1%で第3位となり、前回第3位の「低廉豊 どまり、合弁企業が22.7%に増加している。 富な労働力の確保」は25.7%で第4位に後退 地域別では、中国、アセアン、米州において した。 合弁企業の比率が増加した。従前から協力関 係にある現地企業と合弁企業を設立し、相手 (7)進出方法 方の生産設備を活用することにより、少額投 イ.進出形態 資かつ短期間で新工場を立ち上げる等合弁経 中国・アセアンへの進出が本格化した90年 営のメリットを活かした事例が見られた(図 代は独資(外資100%)企業での進出に対す 表18、19)。 16 信金中金月報 2010.6 図表17 進出形態構成比の推移 図表18 新規進出先の進出形態構成比の推移 (%) (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 15.3 19.7 21.5 16.1 16.2 20.3 18.8 39.5 29.5 22.2 56.3 63.6 45.2 50.8 01 03 05 07 独資 (外資100) 現地企業との合弁 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 65.0 09 15.5 23.3 (年) 22.6 27.3 14.0 15.3 61.2 62.1 01 03 14.6 22.7 72.0 59.4 50.0 05 独資 (外資100) その他 14.0 26.0 07 09 (年) 現地企業との合弁 その他 図表19 新規進出先の進出地域別進出形態の構成比 中 国 24.4 44.5 75.0 北東アジア アセアン 米 24.4 6.7 25.0 27.3 54.5 州 9.1 66.7 0 10 20 33.3 30 独資 (外資100%) 9.1 40 50 60 現地企業との合弁 70 支店・事務所 80 90 100 (%) 委託加工・その他 ロ.資本金 は14.1% (同0.2ポイント増) 、50∼100百万円の先 現地企業の資本金の構成比は資本金10∼50 は14.6% (2.1ポイント減) となっている (図表20) 。 百万円の先が29.2% (前回調査比1.0ポイント減) 地域別には、中国と北東アジアは資本金 と多いが、1∼3億円、3億円以上の先も23.5% 10∼50百万円の先が30%台と主流となって (同1.1ポイント増) 、18.6% (同1.8ポイント増) と高 い る の に 対 し、 ア セ ア ン と 米 州 は10∼50 い比率を占めている。また、10百万円未満の先 百万円は20%台にとどまり、1億円以上の先 図表20 資本金構成比の推移 (年) 09 14.1 29.2 14.6 23.5 07 13.9 30.2 16.7 22.4 05 17.4 29.0 03 17.7 32.1 0 10 20 30 14.7 50 16.8 15.0 23.9 14.1 40 18.6 22.2 60 70 13.9 80 90 100 (%) 10百万円未満 10∼50百万円 50∼100百万円 1∼3億円 3億円以上 調 査 17 が40%を超えている(図表21)。 (前 回 調 査 比4.0ポ イ ン ト 減 ) で 最 も 多 く、 新規進出先は、進出後に増資されている既 「自己資金・個人出資」33.2%(同0.5ポイン 存先に比べて、50百万円未満の先が55.1%と ト増)、「親会社からの借入」27.5%(同0.6 過半数を占める。地域別には、北東アジアは ポイント減)が続いている(図表23、24)。 すべて50百万円未満、中国は50万円未満の 現地での資金調達は、「現地進出日系金融 先が57.1%を占め、1億円以上の先は22.8% 機関からの借入」が11.2%(前回調査比0.8 に過ぎない。一方、アセアンは1億円以上の ポ イ ン ト 増 )、「現 地 金 融 機 関 か ら の 借 入 」 先 が66.7% を 占 め、50百 万 円 未 満 の 先 は 10.5%(同増減なし)と日系金融機関からの 33.3%と少ない。 借入がやや増加したものの、進出先における 新規進出先を業種別に見ると、製造業では 現地通貨建借入による資金調達は依然として 資本金1億円以上の先45.4%を占めるが、比 容易ではないため、親会社または経営者個人 較的初期投資の少ない50百万円未満の先も が日本国内で調達した資金を出資・貸出とい 42.5%ある。一方、非製造業は50百万円未満 う形で現地に持ち込む方法が一般的である。 の先が81.3%と圧倒的に多く、1億円以上の また、「自己資金・個人出資」が33.2%(同 先は6.2%にとどまる(図表22)。 0.5ポイント増)と高いのは、現地企業のリ スクを日本の親会社へ影響させないとする配 ハ.資金調達方法 慮や日本の親会社の財務戦略によるものと思 資金調達方法は、「親会社の出資」が47.0% われる。 図表21 地域別資本金構成比 29.2 14.1 全 体 30.6 24.5 うち新規先 中 国 37.2 38.9 うち新規先 うち新規先 米 州 うち新規先 11.1 32.2 18.9 6.7 50.0 50.0 0 10 20 7.2 20.9 55.6 21.1 21.1 12.2 25.0 16.8 11.1 22.2 5.7 50.0 24.6 12.7 17.1 11.5 50.0 アセアン 8.1 17.3 17.1 30.2 北東アジア 24.5 26.1 15.8 22.9 うち新規先 18.6 12.3 30.5 10.3 23.5 14.6 30 40 50 60 70 80 90 100 (%) 10百万円未満 18 信金中金月報 2010.6 10∼50百万円 50∼100百万円 1∼3億円 3億円以上 図表22 新規進出先の業種別資本金構成比の推移 (年) 製造業 09 18.2 12.1 07 12.1 24.3 18.9 34.5 20.6 05 37.5 0 10 8.8 6.4 12.5 15.3 9.7 9.7 55.6 20 30 10百万円未満 40 50 10∼50百万円 11.1 60 70 50∼100百万円 80 1∼3億円 90 調査 年度 進出動機 年 09 北東アジア 比率 回答数 比率 アセアン 回答数 比率 米州 回答数 その他 比率 回答数 合計 比率 回答数 比率 親会社の出資 372 44.2 73 39.5 164 55.0 59 54.1 32 58.2 700 47.0 親会社からの借入 196 23.3 46 24.9 122 40.9 31 28.4 14 25.5 409 27.5 現地進出日系金融機関からの借入 77 9.2 15 8.1 54 18.1 16 14.7 4 7.3 166 11.2 現地金融機関からの借入 73 8.7 23 12.4 41 13.8 14 12.8 5 9.1 156 10.5 289 34.4 69 37.3 83 27.9 33 30.3 20 36.4 494 33.2 15 1.8 1 0.5 7 2.3 1 0.9 1 1.8 25 1.7 自己資金・個人出資 その他 841 進出企業数 185 298 109 55 1,488 19 39.6 1 25.0 3 27.3 1 25.0 25 35.7 49 35.8 親会社からの借入 8 16.7 1 25.0 5 45.5 0 0.0 14 20.0 28 20.4 現地進出日系金融機関からの借入 5 10.4 0 0.0 0 0.0 0 0.0 5 7.1 10 7.3 現地金融機関からの借入 1 2.1 0 0.0 1 9.1 0 0.0 2 2.9 4 2.9 16 33.3 1 25.0 2 18.2 1 25.0 23 32.9 43 31.4 1 2.1 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 1.4 2 1.5 親会社の出資 年新規進出先 09 (単位:件、%) 中国 回答数 100(%) 3億円以上 図表23 進出地域別資金調達方法 地域 6.2 23.1 45.1 33.3 03 25.0 26.6 30.8 35.5 05 12.1 43.8 30.8 07 22.4 23.9 28.4 非製造業 09 12.1 11.8 33.8 14.7 03 33.3 自己資金・個人出資 その他 48 進出企業数 4 11 4 70 137 図表24 進出地域別資金調達方法の比率 (%) 70 60 50 米州 40 アセアン 30 北東アジア 20 中国 ③現地進出日系 金融機関からの 借入 ④現地金融機関 からの借入 ⑤自己資金・ 個人出資 ⑥その他 ②親会社からの 借入 ①親会社の出資 0 10 調 査 19 い」もしくは「やや良い」が20∼30%を占 (8)進出企業の業況と問題点 イ.業況 める一方で、「悪い」もしくは「やや悪い」 前回調査では良化傾向にあった進出企業の も20%台となっている(図表26)。 業況は、08年9月のリーマン・ショックがもた 業種別業況を見ると、製造業では、34.2% らした世界的な金融危機の影響により総じて (前回調査比14.2ポイント減)の企業が「良い」 悪化に転じた。 「良い」 もしくは 「やや良い」が もしくは「やや良い」 と回答し、 「悪い」もしく 前回調査比12.4ポイント減少して合計32.6%と は 「やや悪い」が21.3%であったことから、全 なり、 「悪い」 もしくは 「やや悪い」 は10.6ポイン 般的に業況が悪化する傾向にある(図表27)。 ト増加して合計19.9%と、03年のヒアリング 製造業の中で 「良い」 もしくは「やや良い」の 項目挿入以降最悪の結果となった(図表25)。 比率が高い業種は、繊維の38.8% (同11.2ポイ すべての地域で「良い」もしくは「やや良 ント減) 、食料品の37.4% (同10.0%減) 、化学 い」の比率が低下し、 「悪い」もしくは「やや の36.4% (同10.5ポイント減 (で、これらは 「悪 悪い」が増加したが、業況悪化の度合いは地 い」 もしくは 「やや悪い」 が10%台と相対的に低 域により異なる。中国においては、 「良い」も く、落込みは緩やかである。一方、機械、金 しくは「やや良い」が36.8%(前回調査比9.2 属は、 「悪い」もしくは 「やや悪い」の比率が機 ポイント減)に対し、「悪い」もしくは「やや 械の36.2% (同27.9ポイント増) 、金属の27.6% 悪い」が15.5%(同7.1ポイント増)と少な (21.9ポイント増)と急増し、「良い」もしくは く、影響は比較的軽微であった。これに対 「やや良い」も機械の32.8%(同17.4ポイント し、 米 州 で は、「良 い 」 も し く は「や や 良 減)、 金属の29.5%(同25.0ポイント減)と い」が14.7%(同18.7ポイント減)に減少し 急減しており、業況は急速に悪化している。 た だ け で な く、「悪 い 」 も し く は「や や 悪 非製造業は、 「良い」もしくは「やや良い」 い」が39.4%(同29.2ポイント増)に増加す が29.3% (同7.6ポイント減) 、 「悪い」もしくは るなど、業況悪化が顕著となった。アセアン 「やや悪い」が16.8%(同5.3ポイント増)と お よ び 北 東 ア ジ ア は 両 地 域 の 中 間 で、「良 小幅の悪化にとどまった。 図表25 進出企業の業況推移 (年) 18.2 09 14.4 41.3 14.5 5.4 6.2 1.3 07 23.8 21.2 42.4 8.0 3.3 1.2 05 21.9 0 10 20.2 20 30 良い 20 信金中金月報 2010.6 47.2 40 やや良い 50 普通 60 やや悪い 5.9 70 悪い 80 無回答 90 3.6 100 (%) 図表26 進出地域別業況の構成比 (年) 中 国 2.8 09 16.1 20.7 6.0 12.7 41.7 0.7 24.8 07 17.8 北東アジア 09 21.2 9.7 3.2 7.7 42.4 14.6 44.9 6.5 6.5 2.9 20.0 07 アセアン 15.1 18.1 09 9.8 49.3 16.1 8.1 18.8 33.9 2.9 5.0 1.0 31.1 07 米 州 5.5 09 26.0 9.2 15.6 48.6 3.0 7.1 31.8 7.3 13.8 1.7 13.7 07 0 10 19.7 20 良い 8.5 53.8 30 40 やや良い 50 普通 60 やや悪い 70 悪い 80 90 2.6 100 (%) 無回答 ロ.問題点 調査比3.5ポイント増)に上昇した。地域別 進出企業のうち何らかの問題点があると回 には中国が38.3%(同3.6ポイント増)、北東 答している企業の割合は93.1%であり、地域 アジアが34.9%(同7.3ポイント増)、アセア 別には中国が96.7%、アセアンが94.6%、北 ンが25.5%(同4.2ポイント増)と比率が高 東アジアが89.7%、米州が78.9%であった。 い。中国では、リーマン・ショック後雇用維 前回調査から第1位から第5位までの順位に 持を優先するため、最低賃金引上げは見送ら 変動はなかった(図表28、29)。 れたものの、労働契約法の施行や4兆元の景 進出企業の問題点として最も多く指摘され 気刺激策に伴う中西部での雇用拡大等の要因 ているのは「現地社員の教育」であり、今回 により、沿海部での賃金上昇が続いたものと も回答企業の42.7%(前回調査比3.7ポイン 考えられる。 ト 減 ) が 挙 げ て い る。 地 域 別 に は 中 国 の 3位の 「為替変動」は27.2%で前回調査比0.9 47.1%とアセアンの45.7%が高く、低コスト ポイント上昇した。「為替変動」は海外進出 労働力を求めて進出したものの、半数近くは 企業とって共通の問題であるが、リーマン・ 「現地社員の教育」で苦労していることがう ショック後に為替レートが事実上固定された かがわれる。 中国を除く地域で問題視する企業が増加して 第2位の「人件費の上昇」は32.5%(前回 いる。 調 査 21 図表27 業種別業況の構成比 (年) 15.9 18.3 製造業(合計) 09 15.3 39.5 4.9 6.0 1.4 23.7 24.7 07 食料品 09 14.6 39.6 18.7 18.7 2.8 7.3 40.1 4.2 4.2 3.5 07 21.1 木材・パルプ 09 13.5 07 14.9 26.3 1.9 13.5 59.6 11.5 3.5 7.0 38.6 2.1 19.2 20.4 18.4 繊 維 09 2.1 8.5 53.2 4.8 13.6 40.8 2.0 1.3 07 39.2 28.5 21.5 1.3 8.2 2.5 化 学 09 13.8 22.6 6.9 12.0 42.2 1.2 07 20.7 26.2 金 属 09 17.0 12.5 07 機 械 09 18.7 41.1 30.1 24.4 0.8 1.6 4.9 6.1 7.4 18.8 34.9 1.8 8.9 38.2 15.1 17.7 3.7 7.3 40.9 0.7 07 23.9 26.3 その他製造業 09 15.7 22.4 3.0 7.6 38.5 4.9 43.1 5.9 7.8 3.5 07 14.0 27.2 非製造業 (合計) 09 18.9 7.0 43.9 10.4 12.7 45.1 4.1 4.4 8.8 1.0 07 14.1 22.8 0 10 20 良い 30 やや良い 10.5 49.2 40 50 普通 60 70 やや悪い 悪い 80 無回答 90 2.3 100 (%) 第4位の「現地工場の生産性」は21.0%で には中国の24.0%を除き10%台となっている。 前回調査比1.1ポイント低下した。地域別に 新規進出企業では「現地社員の教育」が はアセアンが23.0%、中国が22.4%と比率が 38.2%、「為替変動」が19.1%、「現地社員の 高く、厳しい競争を勝ち抜くにはさらに生産 確保」と「資金調達」が16.2%、「販売不振」 性の向上する必要があることを示している。 が13.2%、「人件費の上昇」が11.8%で上位 第5位の「文化・慣習の相違」は前回調査 を占めている。 比1.0ポイント低下し19.1%となった。地域別 22 信金中金月報 2010.6 図表28 進出地域別問題点の比率 (%) 50 米州 アセアン 北東アジア 中国 40 30 20 調査 年度 年 09 年新規進出先 09 地域 問題点 a 派遣社員の選定 b 現地社員の教育 c 現地社員の確保 d 人件費の上昇 e 部品・資材の調達 f 現地工場の生産性 g 売掛債権の回収 h 販売不振 i 資金調達 j 為替変動 k パートナーとの関係 l 制度・政策の変更 m 法制度の未整備 n 政情・治安の不安定 o 文化・慣習の相違 p インフラの未整備 q その他 回答企業数 (回答率) 進出企業数 a 派遣社員の選定 b 現地社員の教育 c 現地社員の確保 d 人件費の上昇 e 部品・資材の調達 f 現地工場の生産性 g 売掛債権の回収 h 販売不振 i 資金調達 j 為替変動 k パートナーとの関係 l 制度・政策の変更 m 法制度の未整備 n 政情・治安の不安定 o 文化・慣習の相違 p インフラの未整備 q その他 回答企業数 (回答率) 進出企業数 q その他 図表29 進出地域別問題点 p インフラの 未整備 文化・慣習の 相違 o n 政情・治安の 不安定 m 法制度の 未整備 制度・政策の 変更 l k パートナー との関係 j 為替変動 i 資金調達 h 販売不振 g 売掛債権の 回収 現地工場の 生産性 f e 部品・資材の 調達 人件費の 上昇 d c 現地社員の 確保 現地社員の 教育 b a 派遣社員の 選定 0 10 (単位:件、%) 中国 比率 北東アジア 比率 アセアン 比率 米州 比率 その他 合計 比率 比率 70 8.6 14 8.4 41 14.5 10 11.6 3 7.9 138 10.0 383 47.1 52 31.3 129 45.7 19 22.1 8 21.1 591 42.7 125 15.4 20 12.0 38 13.5 11 12.8 5 13.2 199 14.4 311 38.3 58 34.9 72 25.5 4 4.7 5 13.2 450 32.5 138 17.0 16 9.6 53 18.8 4 4.7 3 7.9 214 15.5 182 22.4 31 18.7 65 23.0 11 12.8 2 5.3 291 21.0 71 8.7 4 2.4 13 4.6 7 8.1 2 5.3 97 7.0 72 8.9 22 13.3 42 14.9 31 36.0 9 23.7 176 12.7 90 11.1 10 6.0 26 9.2 3 3.5 2 5.3 131 9.5 206 25.3 48 28.9 85 30.1 28 32.6 10 26.3 377 27.2 56 6.9 6 3.6 6 2.1 3 3.5 0 0.0 71 5.1 161 19.8 19 11.4 23 8.2 0 0.0 2 5.3 205 14.8 72 8.9 8 4.8 20 7.1 1 1.2 0 0.0 101 7.3 58 7.1 7 4.2 31 11.0 2 2.3 2 5.3 100 7.2 195 24.0 20 12.0 31 11.0 12 14.0 7 18.4 265 19.1 54 6.6 5 3.0 25 8.9 0 0.0 1 2.6 85 6.1 44 5.4 17 10.2 12 4.3 11 12.8 4 10.5 88 6.4 813 100.0 166 100.0 282 100.0 86 100.0 38 100.0 1385 100.0 (96.7) (89.7) (94.6) (78.9) (69.1) (93.1) 841 185 298 109 55 1,488 2 4.3 1 25.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 3 4.4 20 42.6 0 0.0 5 50.0 1 25.0 0 0.0 26 38.2 10 21.3 0 0.0 0 0.0 1 25.0 0 0.0 11 16.2 7 14.9 0 0.0 1 10.0 0 0.0 0 0.0 8 11.8 4 8.5 0 0.0 1 10.0 0 0.0 0 0.0 5 7.4 4 8.5 1 25.0 1 10.0 0 0.0 0 0.0 6 8.8 3 6.4 0 0.0 0 0.0 1 25.0 0 0.0 4 5.9 7 14.9 0 0.0 1 10.0 1 25.0 0 0.0 9 13.2 10 21.3 0 0.0 1 10.0 0 0.0 0 0.0 11 16.2 7 14.9 0 0.0 4 40.0 1 25.0 1 33.3 13 19.1 2 4.3 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 2 2.9 5 10.6 0 0.0 1 10.0 0 0.0 0 0.0 6 8.8 6 12.8 0 0.0 1 10.0 0 0.0 0 0.0 7 10.3 3 6.4 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 3 4.4 5 10.6 1 25.0 1 10.0 0 0.0 0 0.0 7 10.3 1 2.1 0 0.0 2 20.0 0 0.0 0 0.0 3 4.4 2 4.3 0 0.0 2 20.0 0 0.0 0 0.0 4 5.9 47 100.0 4 100.0 10 100.0 4 100.0 3 100.0 68 100.0 (97.9) (100.0) (90.9) (100.0) (100.0) (97.1) 48 4 11 4 3 70 調 査 23 99年以前の進出企業の撤退先数52先のうち 3.撤退要因の分析 非製造業先は13先であるのに対し、00年以降 の進出企業においては41先中非製造業が16先 (1)進出企業の減少状況 を占めている。 イ.進出地域 今回の調査で07年調査における既進出企 業1,524先の21.0%に相当する320先が減少し ハ.業種、進出形態 た。このうち現地からの撤退は91先(前回 現地からの撤退した91先の業種は、製造業 調査比7先増)であった。撤退率(今回調査 57先 (構成比62.6%) 、非製造業30先 (同33.0%) 、 の撤退件数/前回調査の進出先数)は0.6ポ 不明4先 (同4.4%)に分類される。業別の内訳 イント上昇し6.0%となった(図表30)。 は機械が21先 (同23.1%)で最も多く、商業の 撤退件数では中国が54先(前回調査比4先 20先 (構成比22.0%) 、化学および金属の各8先 増)で最も多く、撤退率は米州が7.7%、北 (同8.8%) 、その他製造業の7先 (同7.7%) 、サー 東アジアが6.8%、中国が6.4%、アセアンが ビス業の6先(6.6%)が続いている(図表33)。 3.0%となっている(図表31)。 撤退先の進出形態は、独資企業47先(構 成比51.6%)、合弁企業24先(同26.4%)、支 ロ.進出時期 店・事務所10先(同11.0%)、委託加工・そ 今回減少した企業を進出時期別に分類する の他9先(同9.9%)となっており、進出企業 と、撤退率が高いのは06∼07年の11.1%、87 全 体 の 構 成 比(独 資 企 業62.2%、 合 弁 企 業 年以前の7.7%、92∼93年6.9%、96∼97年の 19.8%:不明先を含む比率)に比べ合弁企業 6.6%の順となる(図表32)。 の撤退する比率が高い。 図表30 進出地域別撤退企業数 撤退件数(a) 中国 北東アジア アセアン 米州 その他 合計 (単位:先、%) 進出先数(b) 撤退率 09年 54 07年 848 6.4 07年 50 05年 857 5.8 05年 74 03年 947 7.8 09年 14 07年 205 6.8 07年 13 05年 225 5.8 05年 17 03年 301 5.6 09年 9 07年 296 3.0 07年 10 05年 290 3.4 05年 22 03年 367 6.0 09年 9 07年 117 7.7 07年 7 05年 120 5.8 05年 9 03年 165 5.5 09年 5 07年 58 8.6 07年 4 05年 62 6.5 05年 7 03年 93 7.5 09年 91 07年 1,524 6.0 07年 84 05年 1,554 5.4 05年 129 03年 1,873 6.9 (備考)撤退率=今回撤退件数(a)/前回進出先数(b) 24 信金中金月報 2010.6 図表31 進出地域別撤退率推移 (%)12 8 4 0 03 05 中 国 アセアン 合 計 07 09 北東アジア 米 州 (年) 図表32 進出時期別進出企業数増減 期間 ∼87 件数増減 (単位:先、%) 88∼89 90∼91 92∼93 94∼95 96∼97 98∼99 00∼01 02∼03 04∼05 06∼07 進出時 期不明 合計 07年進出先数 84 72 83 102 215 122 89 172 229 186 108 62 1,524 09年撤退件数 6 4 5 7 9 8 3 10 11 9 12 7 91 (7.1) (5.6) (6.0) (6.9) (4.2) (6.6) (3.4) (5.8) (4.8) (4.8)(11.1)(11.3) (6.0) (撤退率) 製造業 3 3 4 6 3 7 3 8 7 6 4 3 57 非製造業 3 1 1 1 6 1 0 2 4 3 7 1 30 不明 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 3 4 図表33 業種・進出形態別撤退状況 地域 中国 (単位:先、%) 北東アジア アセアン 米州 その他 合計 項目 構成比 39 7 6 4 1 57 62.6 1,097 食料品 4 0 0 0 0 4 4.4 57 木材・パルプ 2 1 1 0 0 4 4.4 47 繊維 7 0 1 0 0 8 8.8 158 化学 6 1 1 0 0 8 8.8 164 金属 2 1 0 2 0 5 5.5 123 機械 14 2 3 2 0 21 23.1 434 一般機械 7 1 0 2 0 10 11.0 148 電気機械 6 1 1 0 0 8 8.8 132 輸送用機械 1 0 2 0 0 3 3.3 103 精密機械 0 0 0 0 0 0 0.0 51 4 2 0 0 1 7 7.7 114 製造業 業種 その他製造業 13 5 3 5 4 30 33.0 390 農林漁業 0 0 0 0 0 0 0.0 3 鉱業 0 0 0 0 0 0 0.0 0 建設業 4 0 0 0 0 4 4.4 15 商業 7 4 1 4 4 20 22.0 266 サービス業 2 1 2 1 0 6 6.6 98 その他非製造業 0 0 0 0 0 0 0.0 8 52 12 9 9 5 87 95.6 1,487 非製造業 合計(不明分除き) 2 2 0 0 0 4 4.4 37 合 計 54 14 9 9 5 91 100.0 1,524 独資(外資100%) 25 10 2 6 4 47 51.6 948 現地企業との合弁 15 2 4 2 1 24 26.4 302 8 0 1 1 0 10 11.0 105 6 1 2 0 0 9 9.9 136 54 13 9 9 5 90 98.9 1,491 0 1 0 0 0 1 1.1 33 54 14 9 9 5 91 100.0 1,524 業種不明 進出 形態 前回 進出先数 支店・事務所 委託加工・その他 合計(不明分除き) 進出形態不明 合 計 (2)撤退理由 で、以下「現地企業の業況不振」10先(同2 現地からの撤退理由は「現地側の事情によ 先増)、「現地での事業形態変更・移転等」8 るもの」47先(前回調査比1先減)と「日本 先(同6先増)、「製品の品質不良、イメージ 側の事情によるもの」44先(同8先増)に大 悪化」4先(同増減なし)となっている。 別される(図表34)。 撤退企業の多くは「低廉豊富な労働力を確 現地側の事情として最も多い要因は「現地 保」して「現地国および周辺国の市場開拓」 企業の不採算・コスト高」の14先(同2先減) あるいは「日本国内市場への製品供給」を目 調 査 25 図表34 進出地域別撤退理由 (単位:先) 中国 米州 その他 合計 29 9 3 3 3 47 現地企業の不採算・コスト高 6 5 1 1 1 14 現地企業の業況不振 6 2 1 1 10 現地での事業形態変更・移転等 7 1 8 製品の品質不良、イメージ悪化 4 現地販売先の移転・需要減 1 現地経営人材の不足 2 現地での業務完了・契約期限到来 3 現地側の事情によるもの 北東アジア アセアン 4 2 3 1 3 海外要因 3 1 現地法制度等の変更 1 1 売上回収のトラブル 日本側の事情によるもの 親会社の戦略上拠点が不要に 1 25 5 6 12 3 1 他社に譲渡・売却 4 親会社の倒産・業績悪化等 1 6 44 16 2 提携先の方針転換 6 1 1 1 1 2 14 親会社リストラの一環 1 その他・不明 7 2 3 2 54 14 9 9 合計 2 2 5 1 5 91 指して海外へ進出したが、当初計画の甘さか 約期限到来」等も撤退理由となっている。 ら「生産が軌道に乗らない」、景気悪化の影 日 本 側 の 事 情 に よ る 撤 退 理 由 と し て は、 響により「業況が振るわない」などの理由で 「親会社の戦略上拠点が不要に」の16先(前 撤退・移転等を余儀なくされるケースが多い 回比13先増)が最も多く、以下「他社に売 ことがわかる(図表35)。 却、譲渡」6先(同増減なし)、「親会社の倒 この他、 「現地販売先の移転、需要減」 、 「現 産・業績悪化等」5先(同3先増)等が挙げ 地経営人材の不足」、「現地での業務完了・契 られている。 図表35 撤退企業の進出動機 地域 進出動機 中国 回答数 a 現地国および周辺国市場が有望 (単位:件、%) 20 北東アジア 比率 回答数 37.0 比率 10 71.4 アセアン 回答数 3 比率 33.3 米州 回答数 その他 比率 6 66.7 回答数 4 合計 比率 80.0 回答数 43 比率 47.3 g 日本国内市場への製品供給 23 42.6 5 35.7 5 55.6 1 11.1 0 0.0 34 37.4 b 低廉豊富な労働力の確保 26 48.1 1 7.1 2 22.2 0 0.0 0 0.0 29 31.9 c 第三国市場への製品供給 9 16.7 4 28.6 2 22.2 2 22.2 0 0.0 17 18.7 f 海外進出した販売先・親会社の受注確保 5 9.3 1 7.1 4 44.4 3 33.3 0 0.0 13 14.3 h 原材料の確保 10 18.5 1 7.1 0 0.0 1 11.1 1 20.0 13 14.3 i 日本での人手不足解消 10 18.5 1 7.1 0 0.0 0 0.0 0 0.0 11 12.1 d 情報収集力の強化 5 9.3 2 14.3 2 22.2 1 11.1 0 0.0 10 11.0 e 市場(消費)動向の把握 2 3.7 3 21.4 3 33.3 1 11.1 0 0.0 9 9.9 k その他 3 5.6 0 0.0 0 0.0 1 11.1 1 20.0 5 5.5 j 円高対策 2 3.7 1 7.1 1 11.1 0 0.0 0 0.0 4 4.4 撤退企業数 54 (備考)複数回答可、比率=回答数/撤退企業数 26 信金中金月報 2010.6 14 9 9 5 91 調 査 チャレンジショップ運営のポイント −地域で経営者を育てる実践塾− 信金中央金庫 四国支店調査役 畠山 智成 (キーワード)チャレンジショップ、空き店舗、商店街活性化、起業、開業、商工会議所、 研究指導ソフト (視 点) 商店街や中心市街地の空き店舗対策の代表的手段の一つにチャレンジショップの運営があ り、全国各地で実施されている。行政や商工会議所等がチャレンジショップを導入する目的 は、起業を促し数年後には当地で開業できる人材を育て、その開業者が空き店舗に入ること によって空き店舗を埋めていくというものである。適切に運営すれば開業者を生み続けるこ とができる仕組みである。 しかしながら、チャレンジショップの運営に当たって、ただ単に出店者を募集するだけで は前述の目的を達成することは難しい。実際、出店計画の甘さや運営側のバップアップ体制 の弱さ等により、事業の終了を余儀なくされたチャレンジショップは少なくない。 そこで、本稿ではチャレンジショップの運営事例をもとにそのポイントを整理し、その後、 一定の開業者を輩出している2事例について紹介する。 (要 旨) チャレンジショップは2000年頃から全国各地で取り組まれるようになった。 チャレンジショップは、それだけで中心市街地や商店街が一気に賑わいを取り戻すという ものではないが、起業を促す仕組みとして優れている。ただし、失敗例も少なくない。 チャレンジショップ運営のポイントは、「募集時の審査」 、 「教育・指導」 、 「近隣商店街との 協調」、 「チャレンジショップのPR」の4つである。特に商工会議所等による教育・指導の 重要性が高い。 鳥取県鳥取市の「Begin」、東京都立川市の「Collabo」は、チャレンジショップ運営のポイ ントを実践しており、安定的に開業者を輩出している。 信用金庫がチャレンジショップの運営に深く関わることで、チャレンジショップ運営者、 起業希望者、信用金庫、信用金庫取引先等の地域関係者が互いにWIN−WINの関係を構築 できる可能性がある。 調 査 27 はじめに 不況が長引くわが国において、全国各地で 商店街や中心市街地の衰退が続いている。衰 退の象徴として、テレビが「シャッター街」と る商工会議所等の取組みをもとに、そのポイ ント等について考察する。 1.チャレンジショップの概要 (1)チャレンジショップとは なった商店街を映し出す光景も、残念だが見 チャレンジショップとは、商売を始めたいが 慣れたものとなってしまった。中心市街地や 経験もなく、最初から独立店舗で始めることが 商店街における空き店舗の増加は、回遊性の 困難な人に対し、行政や商工会議所などが家 低下、住民利便性の低下、景観悪化といった 賃や管理費などを一定期間無償または低額で 弊害をもたらし、結果として賑わい減少に拍 店舗を貸し出す制度である。貸出期間は半年 車がかかることとなる。そして、シャッター から1年、長くても3年程度までが多い。チャレ 街と言われるほどに空き店舗が広がってしま ンジショップの目的は、チャレンジショップを うと、その対処には非常な困難を伴うことが きっかけに独立開業する事業者を創り出し、地 多い。しかし、空き店舗率がそこまで高くな 域に根付く商店を増やすことで街の賑わいの い段階であれば、まだまだ対策の効果は期待 復活を図ることである。なお、チャレンジショッ できる。空き店舗対策としては、例えば、交 プは空き地に建物を建てる場合と空き店舗を 流施設・地産品レストラン・福祉施設・保育 活用する場合があるが、後者の場合、比較的大 施設等としての活用が挙げられる。ただし、 型の空き店舗を有効活用する手段ともなる。 これら施設は公的な色彩が強く、地域コミュ 単に、家賃補助付きの出店者募集や教育の ニティの拠点として賑わいを創出することが 一環として学生に出店させることも「チャレ 目的であることが多いことから、多くの空き ンジショップ」と呼ぶケースがあるが、本稿 店舗を活用することは難しい(1か所あるい では、出店者に家賃補助を行い、一定期間終 は数か所にとどまる。)。もちろん、賑わい創 了後は独立開業という形で卒業することを前 出の結果、近隣の空き店舗への出店希望者が 提とし、同じ建物で次々に卒業者を輩出して 現れることも期待しているが、副次的な目的 いく仕組みをチャレンジショップと定義する。 と言わざるを得ない。一方、チャレンジショッ プは、運営の仕方によっては開業者を生み続 (2)チャレンジショップの現状 けられる施策であり、空き店舗を埋めて商店 わが国において、チャレンジショップの数 街を活性化するための、より積極的な手段と や実績等についての統計データは見当たらな 言える。 い。よって、正確な数字を示すことはできな そこで、本レポートでは、チャレンジショッ いが、インターネットで検索するだけでも、全 プに着目し、一定の開業者を輩出し続けてい 国各地で盛んに実施されていることがわかる。 28 信金中金月報 2010.6 おそらく、全国のチャレンジショップの実施 しているため、立地が良すぎると開業後との 数は100や200で収まるものではないだろう。 ギャップが大きく、開業後の来客が激減する これだけ多くの地域で取り組まれていなが という事態にもなりかねない。あまりに人が ら、チャレンジショップの運営が成功してい 通らない場所は問題であるが、中心市街地の る例は決して多くなく、当初の目的を達成し 範囲内で一定程度の店舗等があれば、立地場 ないまま数年で事業の終了を余儀なくされる 所はさほどこだわる必要はないと言えよう。 ケースもある。 なお、空き地に建物を建てる方法とすでに しかしながら、チャレンジショップの効果 ある空き店舗を活用する方法のどちらでも良 的運営により、一定の開業者を輩出し続けて いが、設備負担が大きい業種(例えば飲食 いる事例もある。第2章ではそれらの運営事 店)のブースには、初期投資負担が大きくな 例を参考に、チャレンジショップ運営のポイ らないよう、設備等について一定の援助をす ントをまとめる。 ることも検討すべきだろう。 2.チャレンジショップ運営のポイント (2)ブース面積、ブース数の決定 ここでは、第3章で取り上げるチャレンジ 建物が決定すれば、次はそのチャレンジ ショップの運営事例、鳥取市「Begin」、立川 ショップを取り巻く環境によってブース面積 市「Collabo」を参考に、チャレンジショッ やブース数を決めることになる。ただ、近隣 プの運営の流れに沿って、そのポイントをま 商店の規模や年商、前面道路の通行量等を勘 とめる。このポイントは必ずしも全国どこで 案し、あまり過大なものにならないよう留意 も当てはまるというものではなく、それぞれ する必要はあるだろう。ブース数については、 の地域の環境等によっても異なってくる部分 賑わい感の創出や同志(出店者)が近くにい はあると思われるので、実際に取り組む際に ることで競争と協調の意識が醸成できること は留意が必要である。 等から、1つの建物に複数のブースがある方 が望ましいと思われる。 (1)立地選定 まずは、どこでチャレンジショップを行う (3)出店者の募集と審査 かである。一般的に店舗立地を検討する際に 立地と区画割りが決まれば、次は出店者の は、駅近く、大通り沿い、会社や学校など、 募集と審査となる。出店計画の質を上げるた 人が集まる場所の近くといった観点で、立地 めには、応募者を多く集めることが重要であ 条件の良い場所を求めるものである。しかし、 り、それゆえ、チャレンジショップのPRが大 チャレンジショップの場合は、一定期間ごと 事になってくる。行政や商工会議所のホーム に出店者が卒業・開業していくことを前提と ページで募集要項および出店申込書を掲載す 調 査 29 ることはもちろん、チラシやパンフレットも ように、出店申込書の作成段階から細かいア 作成し役所や中心市街地の商店等、人々が目 ドバイスを行うことができれば、応募者の成 にしやすい場所に置くようにしたい。地域新 功の可能性がより高まることとなろう。 聞等にも掲載されるよう、積極的に情報開示 を行うべきである。また、家賃設定は近隣相 (4)教育・指導 場の半分以下に抑えることが望ましい。 チャレンジショップは、経営経験がない (乏 審査については、鳥取市の「Begin」、立川 しい)人に起業機会を与えるものであるため、 市の「Collabo」ともに設けているように、複 教育・指導体制が必要である。商工会議所の 数のメンバーで構成された審査会を設置する 経営指導員による定期的な訪問指導のほか、 ことが望ましい。審査会の構成員としては、 例えば、鳥取市の「Begin」では、ショッピン 行政や商工会議所のほか、商店街、金融機関 グセンターの開発運営と商店街での商売経験 等が候補となる。審査は書類と面談の2種類 を持つタウンマネージャーが中心となり、出 で行う必要がある。出店申込書は、意思表示 店者との間で先生と生徒のような密な関係を や経歴だけではなく、チャレンジショップで 持って様々な具体的アドバイスが行われてい 実践したい商売の「企画書」としての内容も る。また、立川市の「Collabo」では、全出店者 求められる。具体的には、事業内容として取 に中小企業診断士の無料診断を実施している。 扱商品と価格設定、仕入方法、宣伝・集客方 また、出店者同士の横のつながりも一つの 法、店舗イメージ、顧客イメージ等や、さら 教 育 の 場 と な る。 鳥 取 市 の「Begin」 で は、 に、数値計画として資金計画および収支計画 なるべく気が合いそうな人を同じ建物やフロ の記載が必要である。 アに入居させるとともに、出店者協議会を定 面談審査では、出店申込書の記載内容につ 期的に開催している。 いて、踏み込んだ質問を行いながら応募者の 近隣商店街や商店との関係にも配慮が必要 回答内容、表情・態度などで適否を見極めて である。例えば、チャレンジショップは近隣相 いく。応募者のやる気や情熱は重要な選考ポ 場よりも低家賃であるが、出店者がこの低コス イントであるが、それだけでは不十分であ トの仕組みを利用して極端な低価格販売を行 る。商売をするうえでの最低限の知識と自分 えば、近隣商店街等との関係を悪化させてし がやりたいことが商売として成り立つかどう まうことにもなりかねない。また、地元の商売 かを客観的に見る力を持つ人を選考すること の先輩から学ぶべきことは多く、集客イベント が成功の条件の一つである。 等も連携して行うことが効果的である。こうし そのため、応募資格に商工会議所等が行う たことを踏まえ、チャレンジショップ運営者 起業塾や創業塾の受講を義務付けることが有 は、出店者に対し近隣商店街等とより良い関 効である。さらには、鳥取市の「Begin」の 係を築くよう指導・支援していく必要がある。 30 信金中金月報 2010.6 鳥取市の「Begin」、立川市の「Collabo」と 「Collabo」チラシ もに、選考基準に近隣商店街との協調性に関 する項目を盛り込み、選考にかかる審査会の メンバーに商店街会長を加えるなど、近隣商 店街との関係に配慮している。 出店者は卒業(出店期間終了)の2∼3か 月前になると、開業場所を探さねばならない が、その際に適切なアドバイスすることも求 められる。鳥取市の「Begin」で行っている ように、開業地の選択方法、契約交渉のコツ や空き店舗対策補助金、制度融資等の申請等 についてアドバイスすることで、開業後も良 好な関係が続き、開業後の経営状態も把握し やすくなる。チャレンジショップ事業をより 3.チャレンジショップの運営事例 (1)鳥取県鳥取市「Begin」 効果のあるものにしていくためには、卒業生 イ.チャレンジショップ事業への取組みの経緯 の現状把握や適切な指導も必要となる。 鳥取市におけるチャレンジショップの取組 みは、鳥取商工会議所が認定TMO(タウン (5)新規出店者募集、チャレンジショップ のPR マ ネ ジ メ ン ト 機 関 ) と な っ た2000年 に ス タートした。市営駐車場の一角にプレハブの 卒業すれば、また、(3)の出店者の募集と 五軒長屋を建てチャレンジショップとしたも 審査に戻る。 ので、取組み開始に際しては、当時、チャレ チャレンジショップ事業を継続するために ンジショップの成功事例として注目を集めて も、また、意欲ある出店者を確保し続けるた いた富山市の「フリークポケット めにも、チャレンジショップ応募者を増やす 考にしたという。 べく、継続的なPR活動が大切である。なお、 現在のチャレンジショップ「Begin」の建 PRに当たっては、出店者募集のチラシ等に 物は04年8月にオープンした。前述の長屋型 卒業生の店を載せるなど、卒業生支援を併せ チャレンジショップの場所に中心市街地活性 て行うことが望ましい。 化拠点「パレットとっとり (注)1 (注)2 」を参 」をつくること (注)1.富山市中央通りに97年7月にオープンしたチャレンジショップ。軽食や衣料、雑貨などの店が個性を競い合い、流行に敏 感な若者の心をとらえた。オープン翌年の通行量調査で休日歩行者が12.4%増となるなど中心市街地活性化事例として注目 を集め、全国にチャレンジショップの取組みが広がった。09年3月の閉店までの12年間で111店が入居し、うち65店が独立開 業している。(出典:北日本新聞社「富山のニュース」) 2.05年4月オープン。TMO構想において中心市街地活性化の重点拠点として鳥取本通りに建設された。生鮮食品・飲食店等 の商業施設、市民交流ホール、駐車場を有し、各種イベントも行われている。 調 査 31 になり、チャレンジショップを移転する必要 (ハ)応募資格 が生じたことがきっかけで、別の場所に1号 以下の条件をすべて満たすことを要する。 館∼3号館までを同時にオープンした。さら ①個人またはグループ に、08年4月には4号館をオープンしており、 ②小売業、飲食店、サービス業で、過去に店 10年3月現在で4か所14ブースとなっている。 舗経営の経験がおおむね1年以下の者 Begin1号館 ロ.チャレンジショップ「Begin」の概要 (イ)名称・住所・ブース数・管理責任者 名称 住 所 ブース 管理責任者 1号館 鳥取市瓦町507 3 鳥取商工会議所 2号館 鳥取市瓦町512 3 鳥取太平線通り商店街 3号館 鳥取市若桜町38 5 若桜街道商店街 4号館 鳥取市瓦町518 5 鳥取太平線通り商店街 (ロ)募集業種 小売業、飲食店(軽飲食に限る。)、サービ ス業 Begin2号館 Begin3号館 (備考)筆者撮影 32 信金中金月報 2010.6 ③地域・商店街の活動に積極的に参加し、協 (ホ)契約期間・更新回数 調性が維持できる者 ①管理責任者と出店者との間で契約期間6か ④応募前および出店期間中に、鳥取商工会議 月間の賃貸借契約書を締結する。 所および関連団体が主催する創業塾・事業 ②契約更新は5回を限度とする。 (最長で3年間) 計画作成講座等を受講すること。 ※契約更新に当たっては、チャレンジショッ プ運営協議会(商店街理事長、市職員、商 (ニ)選考(審査)基準 工会議所職員等の11名で構成)による面 応募資格を満たしていることの他、次の基 談審査がある。 準に合致する者とする。 (ヘ)家賃 ①商業活動に対して意欲的であること。 ②独立開業の意思が強くあること。 1年目の家賃は近隣相場の1/3程度である。 ③賑わい性、話題性に期待が持てること。 「Begin」では、鳥取市の商業環境等を踏ま ④出店希望店舗と業種・業態が適正であること。 えて、ブースの数や面積について次のように ⑤元気があり、考え方が積極的でプラス思考 整理している。 一つの建物(できれば、同フロア)に複数 であること。 のブース(店舗)が3店舗以上あることが望 ⑥他ブース出店者や商店街・地域との協調性 ましい。理由としては、次の3つがある。 があること。 ①近くに同じ目標を持つ人がいると、出店者 ※特に⑤、⑥を重視して選考している。 に競争意識が生まれる。 名称 1号館 2号館 3号館 4号館 ブース 面積 (m2) 賃借料(家賃)(円) 1年目 2年目 3年目 A 14.34 10,200 20,400 23,000 B 18.59 13,200 26,400 29,000 C 21.40 15,200 20,000 30,000 A 13.68 9,700 19,400 22,500 B 13.68 9,700 19,400 22,500 C 14.39 10,200 20,400 23,500 A 16.54 11,800 23,600 24,700 B 14.62 10,400 20,800 21,900 C 21.39 15,200 30,000 30,000 D 17.30 12,300 24,600 25,700 E 19.20 13,700 27,400 28,500 A 19.43 13,800 27,600 28,800 B 16.78 11,900 23,800 25,000 C 13.80 9,800 19,600 20,800 その他 飲食仕様 飲食仕様 (備考)信金中央金庫 地域・中小企業研究所作成 調 査 33 ②商売には近隣店との協調が欠かせないとい うことを学ぶことができる。 での商店経営など豊富な経験を持つタウンマ ネージャーであり、鳥取市中心市街地活性化 ③互いに相談する相手がいることで、出店者 協議会事務局長である熱田龍二氏が中心と の不安や孤独感を和らげることができる。 なって、以下のとおり具体性のあるアドバイ 1ブース当たりの必要最低限の面積につい スを行うなど、出店者への経営指導等を精力 ては、一般的な商店街の商店の面積よりやや 的に展開している。 狭い13∼20m2程度。理由としては次のとお 熱田事務局長は、自身の経営指導法につい りである。 てこう語った。 初めて商売を行う人にとって、1坪 (約3.3m2) 『「Begin」ではチャレンジショップ応募照 のディスプレイを演出 (陳列、管理) することは 会があった時から指導が始まっています。照 非常に難しいことである。だが、1坪の売場の 会の電話があれば話をおおむね聞いて、後日 演出ができれば、その応用で広げていくことは に出店申込書を取りに来ていただきます。そ 可能であろう。したがって、ディスプレイが2 こで募集要項などを説明し、出店申込書を書 坪、顧客が商品を見るスペースを1∼2坪、事務 いてきて下さいと言って渡します。ですが、 スペース用のバックヤードとして1∼2坪が必 大抵の方は最初は全然書けない、「好きだか 要と考えると、合計で4∼6坪(約13.2∼19.8m2) ら」ぐらいなんです。そこで、なぜ好きなの は最低限必要ということになる。なお、飲食 か?ライバル業者はいるか?仕入れはどこか 店の場合はディスプレイの代わりに客席が必 らか?顧客ターゲットは?といったことをお 要となるため、20m2程度は最低限必要となる。 尋ねします。「仕入れ先が決まっていなけれ ここから、一つのチャレンジショップ事業に ば、 こ こ と こ こ に 衣 料 品 の 問 屋 が あ り ま 必要な店舗面積を逆算すると、3∼4店舗分で す。」とか、「市場調査ができていないなら、 共用スペース等も含めて、100m2前後となる。 友達に商品を見せて反応を聞いてみたらいか がですか?」といったアドバイスをします。 ハ.チャレンジショップ「Begin」の特徴 (イ)出店規約の存在 このようにして、2∼4回程度の書直しを経 て、出店申込書が出来上がります。』 営業時間、休業日、事務局への報告義務、 出 店 者 へ の 指 導 で は、『週 末 に 各 店 を 訪 出店者協議会への参加義務、店舗同士の協力 れ、様子をうかがいます。店内の様子、例え 義務等を定めた出店規約がある。 ば、陳列状態や店員の動き等をしばらく見る だけで、お店の問題点や今後売上が上がりそ (ロ) 経 験 豊 富 な タ ウ ン マ ネ ー ジ ャ ー の 存 在、充実した教育指導 ショッピングセンターの開発運営、商店街 34 信金中金月報 2010.6 うか、下降しそうかということは大体分かり ます。その後、お茶でも飲みながら色々な話 をするんです。悩みを相談されたときは、 「こ うしろ」と言うのではなく、 「私だったらこう く、リラクゼーション関係や物販でもジーン するが、あなたはどう考える?」と答えます。 ズやランジェリーなど、専門性や個性を追求 また、対策がいくつか考えられるときに本当 して差別化している店が目立つ。 は「Aをやるべき」と薦めたいが、本人が「B をやりたい」と言えば、まずは本人の意向を 尊重します。それがうまくいかなかったら、 後日、 「じゃあどうしましょうか?」と一緒に ハ.チャレンジショップ「Begin」の実績・ 効果 (イ)開業率 考えます。このようなことを繰り返すうち 開業率は66.7%。(卒業生66名のうち44名 に、次第に自分の経営スタイルが築かれてい が市内で開業) きます。1年∼1年半くらい経った頃には教え ることが何もなくなる方も結構いらっしゃい (ロ)空き店舗数 ます。それから、チャレンジショップを卒業 鳥取市中心市街地の空き店舗数は一進一退 して新たに開業する際にもアドバイスを行っ で あ る。05年7月 と10年3月 の 比 較 で は、 中 ています。例えば、出店地を決める場合も、 心市街地全体の商店数約500店に対し、空き 不動産会社との交渉の仕方や物件候補地が複 店舗は66店で変化がない。店主の高齢化等 数ある場合、A地ならこのような商売をする による廃業もあることから、変化なしにとど 必要がある、B地ならこのように、C地なら まっていることは、44名の開業者を輩出し このように、と具体的にアドバイスします。 』 たチャレンジショップの成果と言える。 (ハ)複合店舗3形式 他のチャレンジショップでは、1空き店舗 に1出店者というケースもあるが、「Begin」 では1つの建物に複数のブースを作り、複合 店舗にしている。各館の運営管理は出店者全 ニ.チャレンジショップ「Begin」卒業生の声 (イ)JIJI(ランジェリーブティック)/森本 みゆき氏 森本氏は、生地店、下着店の店員として、 「JIJI」外観 員が協力し、役割分担することを出店規約で 定めており、こうした環境が開業後の近隣店 との協調性を養う訓練にもなっている。 (ニ)出店者の年齢層・業種 特に意図したものではないが、出店者の年 齢層は25∼35歳の若い層が多い。 業種としては売上総利益率の高いものが多 (備考)筆者撮影 調 査 35 デザイナーや仕入先等との人間関係を構築し (2)東京都立川市「Collabo」 ていたところ、チャレンジショップの話を知り イ.チャレンジショップ事業への取組みの経緯 合いから聞き、迷わずBeginの1期生となった。 チャレンジショップがある立川駅南口の中 「Beginの良いところは、卒業後も何でも相談 心市街地では、99年の多摩都市モノレール開 できること。チャレンジショップ出店時から 通に向けた開発とそれに伴う中心市街地再編 毎月の売上等を商工会議所に報告して色々な のための土地区画整理事業が盛んに行われて 相談をしてきたので、開業後も何でも包み隠 おり、後にチャレンジショップのできる場所 さず相談ができる。都度、具体的なアドバイ は、これら開発の換地により市が取得した土 スをしてくれるので頼りになる。」 地だった。市ではこの場所を街の賑わいづく りに活用しようということになり、①まちの (ロ)message(癒し雑貨とカラーセラピー) /石谷真美氏 情報発信拠点、②新たな商業の担い手の発掘 と育成、③賑わいの創出による回遊性向上と 石谷氏は、09年に中心市街地で開業した。 い う3つ の コ ン セ プ ト の 実 現 を 目 指 し て、 「趣味でアロマテラピー関係の資格を取って チャレンジショップに取り組むことになった。 いたが、それを商売にしたいという気持ちは チャレンジショップの建物については、当 なく、自分の人生を充実したいという気持ち 初予定では市が建築し、運営を任せる立川商 だけだった。しかし、チャレンジショップの 工会議所(=立川TMO)に賃貸するという 募集を見て、家賃も安く、やってみようとい 考え方だったが、検討を重ねるうちに、集客 う気になった。Beginの良い点を挙げるときり 力のある店舗にするためには民間の店舗建築 がないが、同じ号館に複数のチャレンジショッ のノウハウを活かした魅力ある施設整備が必 プがあって、互いに相談できたことや、定期 要との方向性が確認されたことから、結局、 的に行われる勉強会で商品の効果的な並べ方 設計・建築の段階から運営主体である商工会 等、商売の基本を学べたことがよかった。」 議所に依頼し、建物完成後に市が買い取り、 「message」店内 改めて商工会議所に賃貸するという方式を 取った。これにより、運営と一体となった効 果的な施設整備を進めることができた。 第1回目の出店者募集は02年11月に行い、 多くのメディアに取り上げられたこともあっ て、2つの出店スペースの枠に50人もの出店 希望者が集まった。その後、書類選考や面接 などを経て2人の出店者を選定し、03年4月 (備考)筆者撮影 36 信金中金月報 2010.6 に店舗オープンとなった。 ロ.チャレンジショップ「Collabo」の概要 住 所 店舗 月額家賃 (税込) 面積 立川市柴崎町 3−8−10 1階店舗 52,500円 48.65m2 2階店舗 42,000円 50.72m2 (イ)住所等・家賃・面積 家賃は近隣相場の1/5程度である。 (ロ)応募資格 「Collabo」地図 原則として、以下の要件に該当する者 ①立川商工会議所創業塾若しくは他商工会・ 商工会議所等の創業塾または創業に関する セミナー等の受講者、またはそれと同等の 実力がある者 ②チャレンジショップ終了後、立川市内で開 業できる人 ③新たに創業する人 「Collabo」外観 (ハ)選考方法 出店者の選考方法は、書類審査(一次審 査:応募者多数の場合)と審査会による選考 (最終選考・面談)である。審査会の構成員 は5名で、立川商工会議所専務理事、立川市 産業振興部長、柴崎中央商店会会長、中小企 業診断士、日本政策金融公庫融資部長であ (備考)筆者撮影 る。なお、審査会には、商工会議所の経営指 ②賑わいづくり・話題づくりへの挑戦 導 員5名 も 出 店 後 の 経 営 指 導 に 備 え て オ ブ 情報交換・情報発信としての場所となるよ ザーバーとして参加している。 うな要素を持つこと。まちの情報発信につい チャレンジショップ募集要項において、選 ては、観光パンフの設置等、立川TMOと連 考の視点として以下の3点を挙げている。 携して実施すること。 ①立川の“まち”に新しい刺激と魅力になる ③立地エリアの商業コミュニティづくりへの 店舗経営への情熱 挑戦 既存の業種など、従来の商業のカタにとら 店舗の経営については、1階店舗と2階店 われず、“まち”の魅力になるよう、新しい 舗、ならびに近隣商店街との連携や、個店が 工夫や業態の創出とチャレンジ精神があり経 他店と協力して面としての魅力を発揮するこ 営に意欲があること。 とについての理解を深めること。 (以下省略) 調 査 37 (ニ)契約期間・更新回数 (ロ)街の賑わいへの効果 店舗の契約期間は6か月間とし、更新は再 卒業生は12名であり、街の賑わいへのプラ 選考を経たうえで1回を限度とする。(最長 ス効果については、今のところ明確な結論は で1年間) 出ていない。しかし、06年度卒業生のイタリ アンレストラン「In Camera」は、着実にファン ハ.チャレンジショップ「Collabo」の特徴 (イ)中小企業診断士による無料経営診断 を獲得し、現在では、インターネットグルメサ イト 「食べログ」 において、立川エリア全店の中 チャレンジショップ出店期間中に1度、中 で総合評価NO.1となっている(10.3.12時点) 。 小企業診断士による無料診断が受けられる。 また、他の卒業生の店も数多くの新聞・情報 誌で取り上げられている。 (ロ)出店者の年齢 30∼40歳代が比較的多いが、20歳代、50 ホ.チャレンジショップ「Collabo」卒業生の声 ∼60歳代の出店者もあり、幅広い年齢層が ・トークスペース(カフェ)/高橋和子氏 出店している。 高 橋 氏 は06年 度 卒 業 生(当 時60歳 ) で、 同年代の友人と共に出店、現在はCollaboの (ハ)報告義務等 ほど近くで開業している。「創業塾がとても 出店時に取り交わす立川商工会議所との賃 役に立った。経営について何も知らなかった 貸借契約において、毎月の売上金額と買上客 が、帳簿の書き方やお金の借り方、広告宣伝 数の報告を義務付けているほか、経営指導を の仕方、企画書の書き方等を教えてもらった 受けることや「店舗使用規則」等の規則を遵 ことが有難かった。また、1年間という終わ 守すること等が義務付けられている。 りが見える期間なので、仮にうまくいかな かったとしても、必要コスト(投資損失)が ニ.チャレンジショップ「Collabo」の実績・ 「トークスペース」外観 効果 (イ)開業率83.3% 03年度から08年度の6年間のチャレンジショッ プ出店者累計12名のうち、10名が開業、そ のうち5名が現在も市内で営業している。応 募資格で卒業後の市内開業を条件としている が、立川中心市街地の家賃が高いこともあ り、立川市で創業した後にやむなく市外に移 転した店もある。 38 信金中金月報 2010.6 (備考)筆者撮影 計算できるので挑戦しやすかった。飲食店仕 とができるというメリットがある。 様の2階店舗は、業務用冷蔵庫、 オ ー ブ ン、 今回取材した開業者からも「チャレンジ ガス、水道、空調設備などがひととおり備え ショップや開業を目指している人が、時々話 付けられており(食器類、テーブル、イス等 を聞きに来ます。商売をやりたい人はまだま は自費)、低家賃であったことも含めて、出 だたくさんいると思います。 」という声があっ 店へのハードルが低いことがよかった。」 た。第2章で述べたチャレンジショップ運営 おわりに のポイントを参考に、多くの開業者を輩出す る地域が増えることを望みたい。 チャレンジショップは、空き店舗対策とし 最後にチャレンジショップ運営にかかる信 て00年頃から多くの地域で取り組まれてき 用金庫の役割を紹介したい。鳥取信用金庫で た。本稿で取り上げた2つの事例以外にも、 は、09年5月 に「Begin」 出 店 者 を 紹 介 す る 成果を挙げ現在もチャレンジショップを継続 パネルを作製し、鳥取市内店舗(本店営業 している地域がある一方、3年経っても一人 部、本町支店、鳥取東支店)のロビーに掲示 の開業者も創出できない地域もある。 した。信用金庫がチャレンジショップを応援 今回の取材等を通して確認できたことは、 し、地域における開業者が増えれば、開業資 チャレンジショップは、それだけで中心市街 金の融資など、本業にもプラスの効果が期待 地や商店街に一気に賑わいを取り戻すことが できよう。 できるというものではないが、起業を促す仕 その他にも、信用金庫が様々な段階でチャ 組みとして優れた面があり、運営の仕方に レンジショップを支援することが可能であ よっては開業者を生み出し続けることができ る。例えば、出店者募集やチャレンジショッ るということである。 プのPR段階では、信用金庫の店舗網や営業 「商売をやりたい」との思いがあっても、 ネットワークを使った募集案内やチラシの配 開業するには相応の資金が必要であり、ま 布も有効であろう。起業希望者から開業の相 た、失敗をすれば大きな痛手(投資損失)を 談を受けた場合でも、チャレンジショップを 被ることになる。さらに、指導を受けたり相 紹介することで次につながる可能性がある。 談をする相手もいなければ、初心者にとっ 実際に紹介者がチャレンジショップに出店す て、孤独感や不安は非常に大きなものとなろ る際に、仕入先や販売先を紹介することも可 う。運営体制が整っているチャレンジショッ 能であろう。また、チャレンジショップを暖 プにおいては、低コストで商売を行えるだけ 簾分けの舞台として活用することも考えられ でなく、アドバイスを受け随時改善を図った よう。その場合、暖簾分けを受けて独立する り、他の出店者と相談するなど、経営者とし 人は、チャレンジショップ出店中に親元の企 ての実践的訓練を積みながら開業を目指すこ 業からアドバイスを受けることもできるた 調 査 39 め、新規開業の成功率は一層高まることとな らば、チャレンジショップ運営者、起業希望 ろう。信用金庫がチャレンジショップ支援を 者、信用金庫、信用金庫取引先などの地域関 通じて経営者の性格や手腕、経営状況等を把 係者が互いにWIN−WINの関係になれる可 握 し、 卒 業 後 の 開 業 資 金 を 融 資するなど、 能性があるのではないだろうか。 チャレンジショップ運営に深く関わっていくな 〈 参考文献 〉 「チャレンジショップBegin募集要項」 「チャレンジショップBegin出店規約」 立川南口チャレンジショップ「Collabo」ホームページ 40 信金中金月報 2010.6 調 査 水産業における漁業制度のあり方等 −農林水産業の活性化に向けて⑧− 信金中央金庫 信金業務支援部調査役 髙田 眞 (キーワード)漁業制度、漁業権、組合管理漁業権、許可漁業、漁業調整委員会、漁協の 組合員資格 (視 点) かつてわが国は、世界一の漁業生産量(漁獲量と養殖量の合計)を誇る水産大国であった。 しかしながら、現在のわが国の水産業は、漁業生産量が減少し、水産物の産地価格も低迷し ており、水産物供給の多くを輸入に依存するなど、衰退が止まらない状況にある。 また、漁業就業者数は、戦後100万人以上であったのが現在20万人と戦後直後の約20%の 水準にまで落ち込んでおり、その減少に歯止めが掛からない状況にある。さらに、高齢化も 著しく進んでおり後継者不足にも直面している。このままでは、離島などの漁村において集 落が消滅することも起こりかねない。 このような状態を打開するためには、水産資源の回復と併せて新規参入の促進が不可欠で あるが、現状の漁業制度は参入制限や条件を設けており、意欲のある者の参入を制限し漁業 経営意欲を減退させている状況にある。 そこで、本稿では、新規参入の阻害要因となっている漁業制度等を紹介するとともに、そ れらの課題を明らかにし、改革の必要性を考察することとしたい。 (要 旨) わが国では、水産資源の悪化を助長しているとも言える資源管理制度および漁獲管理制度が 維持されている。これにより、早期の資源回復は困難な状況にあり、現状を打開するために は、養殖業者などの新規参入の促進が水産業の活性化に向けた有効策と言える。 新規参入を促進するためには、漁業制度を見直す必要がある。現状の漁業制度においては、 参入の制限や条件が設けられており、意欲のある者の参入を制限し漁業経営意欲を減退させ ている。 特に、漁業権については、免許の優先順位があり、新規参入が困難な状況にある。また、漁 業権には免許期間が設けられているだけでなく、漁業権免許の譲渡も禁じられており、経営 の自由が著しく制限されている。 既存の漁業者と新規参入者のイコールフッティングを確保するためには、漁業権以外にも、 許可漁業や漁業調整委員会のあり方および漁協の運用なども見直す必要があろう。 調 査 41 はじめに て、大きなビジネスチャンスとなっている。 しかし、水産大国とまで言われたわが国の現 (注)1 かつてわが国は、世界一の漁業生産量(漁 状は、水産資源が悪化 獲量と養殖量の合計)を誇る水産大国であっ く、乱獲を続けている状況にある た。しかしながら、現在のわが国の水産業 また、担い手の減少は著しく高齢化も進展 は、漁業生産量が減少し、水産物の産地価格 しており、わが国の水産業は、まさに危機的 も低迷しており、水産物供給の多くを輸入に 状況にあると言える。ここで、わが国の水産 依存するなど、衰退が止まらない状況にある。 業の担い手の状況を詳しく見ていきたい。 また、漁業就業者数は、戦後100万人以上 図表1はわが国の漁業就業者数の推移を示 であったのが現在20万人と戦後直後の約20% している。戦後直後において100万人以上で の水準にまで落ち込んでおり、その減少に歯 あった漁業就業者数は、現在、20万人にま 止めが掛からない状況にある。さらに、高齢 で減少している。この要因としては、①乱獲 化も著しく進んでおり後継者不足にも直面し による水産資源の悪化に伴い漁獲量が減少し ている。このままでは、離島などの漁村にお たこと、②産地価格が長期下落傾向にあるこ いて集落が消滅することも起こりかねない。 と このような状態を打開するためには、水産 高騰により漁業経費が増加したことなどが挙 資源の回復と併せて新規参入の促進が不可欠 げられる。 であるが、現状の漁業制度は参入制限や条件 しかし、この傾向はわが国だけではなく海 を設けており、意欲のある者の参入を制限し 外でも見られる。ノルウェーの漁業就業者数 漁業経営意欲を減退させている状況にある。 を見ると、1945年には約11万人だったが、最 そこで、本稿では、新規参入の阻害要因と 近では1万3千人にまで減少している (図表2) 。 なっている漁業制度等を紹介するとともに、 ただし、両国では、漁業就業者の年齢構成が それらの課題を明らかにし、改革の必要性を 大きく異なる。わが国の漁業就業者は60歳 考察することとしたい。 以 上 が 約5割 を 占 め て い る の に 対 し、 ノ ル 1.わが国水産業の担い手の動向 しているだけでな (注)2 (注)3 。 、③資材や燃油代および人件費などの ウェーは60歳未満が8割強を占めており、39 歳以下が4割となっている(図表3)。 現在、水産物需要は世界的に増加傾向にあ ノルウェーでは資源管理が徹底されており、 り、水産資源の管理を厳格に行い、安定した 漁業が儲かる産業として位置付けられている。 漁業生産や供給体制を確保している国にとっ また、ノルウェーの漁船は近代的で、天井も (注)1.水産資源の悪化とは、水産資源の現存量が減少している状況のこと。 2.わが国の水産資源の状況については、「水産業の動向と資源管理の重要性−農林水産業の活性化に向けて③−」『信金中金 月報』(2009年10月号)を参照願いたい。 3.1992年と2007年の魚価を比較すると、日本で獲れる魚の8割の価格が低下しているとの試算がある。 42 信金中金月報 2010.6 図表1 漁業就業者数の推移(日本) (万人) 120 100 80 60 40 20 0 1949 54 61 63 65 67 69 71 73 75 77 79 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 (年) (備考)農林水産省『漁業就業動向調査報告書』をもとに信金中央金庫 地域・中小企業研究所作成 高くスペースにも余裕があり、居住環境はビ 都市である釧路は64.6、八戸は86.0、塩釜は ジネスホテルを凌ぐものが多い。一方、日本 70.4、下関は74.3と全国平均を大きく上回る 漁船の居住環境はノルウェー漁船にはるかに スピードで人口が減少する。さらに、漁業に 劣っており、こうしたことも若年層の漁業離 依存している離島については、奥尻(北海 れを引き起こしている一因と言えよう。 道)が45.2、礼文(北海道)が35.4、奈良尾 水産都市の人口減少も問題である (図表4) 。 (長崎県)が43.5と半数以下まで人口の減少 例 え ば、2000年 の 人 口 を100と し た と き の が進むとされるところもある。このまま資源 2030年の将来予測人口を比較すると、全国 の悪化や高齢化が進むと、離島の漁村が消滅 平均は92.6の減少にとどまっているが、水産 する可能性も否定できない。 図表2 漁業就業者数の推移(ノルウェー) (万人) 図表3 漁業就業者の年齢構成の比較 (2004年) (%) 100 12 90 10 281 女性 1,670 80 8 37,590 60歳以上 70 60 6 50 30 2 20 73,380 5,331 39歳以下 10 0 1945 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 00010203040506 07 (年) (備考)「Statistics Norway」をもとに信金中央金庫 地域・ 中小企業研究所作成 女性 60歳以上 40∼59歳 39歳以下 40∼59歳 40 4 90,370 5,676 29.650 0 ノルウェー 日本 (人) (備考)農林水産省 『漁業就業動向調査報告書』 および水産庁 資料をもとに信金中央金庫 地域・中小企業研究所作成 調 査 43 図表4 日本の全国将来推計人口指数(2000年を指数100とした場合) 主要水産都市 年次 全国 釧路市 八戸市 石巻市 塩釜市 気仙沼市 銚子市 三浦市 焼津市 浜田市 下関市 長崎市 枕崎市 2015 99.5 84.1 96.5 93.9 87.4 89.5 82.3 87.4 98.6 87.3 89.4 87.2 84.2 2030 92.6 64.6 86.0 82.1 70.4 72.2 62.5 72.3 87.3 70.7 74.3 70.9 66.1 福江市 奈良尾町 厳原町 名瀬市 島嶼漁港地 奥尻町 礼文町 利尻町 八丈町 両津市 2015 年次 全国 99.5 70.3 61.9 67.6 91.9 80.7 86.7 68.8 82.9 92.0 屋久町 与那国町 小値賀町 100.9 87.8 64.5 2030 92.6 45.2 35.4 40.9 77.8 63.0 70.6 43.5 63.9 80.2 96.7 74.7 38.7 (備考)水産総合研究センター作成資料 て、悪化している漁業経営にさらなるダメー 2.漁業制度のあり方 ジをもたらしかねないといった意識を強く 担い手の減少に歯止めをかけるための根本 持っており、これが政府や行政による改革着 的な解決策は、水産資源の回復である。水産 手を躊躇させる要因にもなっている。 資源の回復は、漁業経営に不可欠な漁獲量の こうした状況の打開策としては、新規参入 増加をもたらす。また、港の水揚量も増加す の促進が有効である。異業種参入の積極化 ることとなるため、疲弊した地方の漁村や水 は、既存の概念にとらわれない発想やビジネ 産市場は昔のような活気を取り戻すこととな スモデルにより、市場や顧客を開拓するな ろう。そうなれば、水産業は地域において魅 ど、漁業経営に新たな可能性をもたらすこと 力のある産業となり、当然、担い手の増加も が期待できる。 期待できる。 特に、水産資源の悪化が進むなか、水産資 一方、悪化した水産資源を回復させるため 源の安定供給に向けて、養殖業の活性化が期 には、長い時間を要する。このため、早期に 待されている。養殖業は、漁獲漁業に比して 資源回復に向けた施策を講じるべきである 計画的な経営が可能であるため、漁業経営の が、わが国では、水産資源の悪化を助長して 安定化や多様化に向けて有効な手段となる いるとも言える資源管理制度および漁獲管理 が、一方では、従来の漁獲漁業とは異なる技 (注)4 制度が維持されている 。当然、これらの 制度については見直しの機運が高まっている (注)5 ものの 術開発や設備投資が求められる場合もある。 農業分野においては、農商工連携の取組みが 、資源回復に向けた施策を講じる 積極的に行われているが、水産業、特に養殖 ことは、漁業者から見れば一定期間、何らか 業においても、異業種の技術やノウハウを活 の形で漁獲の抑制を強いられることとなるた かした連携や新規参入の必要性が高まってい め、抵抗が強い。漁業者は、制度改革につい ると言えよう。 (注)4.わが国の水産資源の資源管理制度および漁獲管理制度については、「水産業における資源管理と漁獲管理のあり方−農林水 産業の活性化に向けて⑥−」『信金中金月報』(2010年2月号)を参照願いたい。 5.最近では、WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)が中西部太平洋のクロマグロ漁について、漁獲制限措置を導入する など、国際的にも資源管理の重要性が高まっていることから、わが国の資源管理や漁獲規制についても、改革を求める報道 や提言などが増えている状況にある。 44 信金中金月報 2010.6 しかしながら、現状の漁業制度は、参入の制 【定置網漁業】 限や条件を設けており、意欲のある者の参入 を制限し、漁業経営意欲を減退させている面も 否定できない。抜本的な資源回復措置を講じ ることが困難な現状においては、新規参入の促 進が水産業の活性化に向けた最も有効な策で あり、新規参入を阻む漁業制度は、抜本的な見 直しが求められている状況にあると言える。 (1)漁業制度の概要 (備考)全国漁業就業者確保育成センターHPより 図表5は現状の漁業制度を整理したもので 【小割式養殖業】 ある。 漁業種類は、沿岸漁業、養殖業、沖合・遠 洋漁業の3つがあり、各々に許可および免許 制度が設けられている。 イ.沿岸漁業、養殖業 沿岸漁業および養殖業については、資源管 理の必要性や水面を総合的に利用するため に、都道府県知事等の免許(漁業権漁業)ま たは許可(知事許可漁業)を受けることが必 (備考)全国漁業就業者確保育成センターHPより 要とされている。 【刺し網漁業】 図表5 漁業制度の概要 沿岸漁業 都道府県知事の免許または 許可を受けることが必要 漁業権漁業 知事許可漁業 ・定置漁業権 養殖業 ・区画漁業権 ・共同漁業権 沖合・遠洋漁業 大臣または知事の許可 (または承認) を受けることが必要 (備考)水産庁作成資料をもとに信金中央金庫 地域・中小企 業研究所作成 (備考)全国漁業就業者確保育成センターHPより 調 査 45 漁業権漁業には、定置網漁業を営む権利で (2)漁業権のあり方 ある「定置漁業権」、一定の区画内において 漁業権は、一定の水面において特定の漁業 養殖業を営む権利である「区画漁業権」、一 を営む権利であり、その権利は免許として漁 定の水面を共同に利用して小規模漁業を営む 業者等に付与される。個人や法人に免許が付 権利である「共同漁業権」の3つがある。 与されている場合(経営者管理漁業権)もあれ 定置網漁業は網を一定の場所に固定して行 ば、漁協に付与されている場合(組合管理漁 う漁業である。区画漁業の代表的なものには 業権)もあり、後者の場合は、組合員に対し 小割式養殖業があり、同じく共同漁業には小 て漁業を営む行使権が与えられることとなる。 型定置漁業や地びき網漁業がある。 しかしながら、 「漁業権」の権利については、 また、知事許可漁業の代表的なものには、 漁業者等において正しい理解がされていない 刺し網漁業がある。 ケースがある。また、漁業権には、免許の優先 順位があるなど、既存の漁業者や漁協を優先 ロ.沖合・遠洋漁業 する参入制限が設けられており、漁業経営に 沖合・遠洋漁業については、資源管理の観 意欲ある者の参入を制限している側面がある。 点から漁獲能力(漁船の隻数・トン数等)を さらに、資本力のある大企業が漁業権を得る 一定の水準にコントロールするために、大臣 ためにやむを得ず、子会社を作り漁協の組合員 または知事の許可(または承認)を受けるこ となって漁業権を得ている事例があるが とが必要とされている。 これは、漁協は中小零細な漁民の経済的社会 沖合・遠洋漁業の代表的なものにまき網漁 的地位の向上等を図るための活動を行う協同 業や底びき網漁業がある。 組織であることからすると、協同組織の原則 (注)6 【まき網漁業】 【底びき網漁業】 (備考)全国漁業就業者確保育成センターHPより (備考)全国漁業就業者確保育成センターHPより (注)6.規制改革会議「中間とりまとめ−年末答申に向けての問題提起−」(2008年7月2日)P.68参照 46 信金中金月報 2010.6 、 にそぐわない運用の事例であるとも言える。 て、妨害排除請求権や損害賠償請求権がある 今後は、個人・法人、そして経験などを問 が、過去の施設建設による漁業権の侵害の例 わず、参入意欲のある者が誰でも、企業であ を見ると、損害額は施設建設者と漁業者との ればその規模に関係なく、一定のルールの下 合意で決められていることが多く、その決定 で対等に参入できるよう、漁業権のあり方そ 過程や根拠が不明なものが多い。 のものを抜本的に見直す必要があると考える。 このため、漁場の一部を利用して新たにビ ジネスを展開しようとする事業者にとって イ.漁業権の保護に係る解釈の明確化 は、それが漁業権を侵害する場合に、どの程 漁業権の権利は、漁業において物権とみな 度の被害額を負担すべきかについて、判断材 され、妨害排除請求権等が認められていると 料や比較材料がない状況にある。 解されている。漁業権を侵害する行為として 水産庁は、「漁業権の侵害やその賠償請求 は、操業を妨げる行為や漁場の価値を量的お については、民法あるいは国家賠償法に基づ よび質的に低下させる行為が挙げられる。 き、当事者間または裁判所で決められるもの しかしながら、この漁業権が地域現場にお であり、行政が直接指導するものではない」 いて、 「漁場は全て漁業権者のもの」 と誤って解 との見解を示しているが、そもそも、係争の 釈されている場合があり、漁業権の侵害につ 原因が漁業者における漁業権についての解釈 いて、しばしば係争が生じている状況にある。 が誤っていることにあるならば、早期に正す 具体例を挙げると、陸上養殖業を始めよう 必要がある。ともすれば、漁業者の誤った解 とする者が、海水を利用するために漁場内に取 釈により、不当な損害請求がなされている可 水管を設置したいと申し出た際に、漁業権の侵 能性も否めない。 (注)7 害に当たるとして拒否された事例がある 。 したがって、漁業権の保護に係る解釈につ もちろん、取水管を設置することによって操 いては、漁業者や漁協にとどまらず広く国民 業が妨げられる場合や、排水が漁場水質を汚 に周知する必要があろう。また、漁業権の侵 濁する場合は、漁業権の侵害に当たると考え 害に対する救済措置については、水産庁と地 られるが、取水管を設置することのみをもっ 方自治体が協力して、算定根拠等の基準を示 て漁業権の侵害に当たるとは言い難い。この したガイドラインを作成するなど、被害額の 場合に、漁業者が漁業権の侵害を主張するの 透明化に向けた取組みも求められよう。 であれば、その被害内容と被害額を明確にす るなど、定性的かつ定量的に侵害の根拠を示 ロ.漁業権の免許に係る優先順位の廃止 すことが必要であろう。 漁業権には免許の優先順位が設けられてお また、漁業権の侵害に対する救済措置とし り (図表6) 、大きく分けて、①漁業者・漁協等、 (注)7.規制改革会議「中間とりまとめ−年末答申に向けての問題提起−」(2008年7月2日)P.70参照 調 査 47 図表6 漁業権の免許方法 漁業法 漁業権の免許方法 ・知事が漁業調整委員会の意見を聞いて、漁場計画を定め、これを公示 ・希望者の申請を受け、適格性を有する者の中から、優先順位の上位に該当する者に免許 (備考)水産庁作成資料をもとに信金中央金庫 地域・中小企業研究所作成 ②漁業生産組合等、③普通の個人・法人の順 (注)8 組合員となって行使権を得ている事例がある。 、 そもそも、漁業権の免許の優先順位は、水 漁業権の免許が優先的に付与されているが、 産資源の持続的な利用や漁業秩序の維持など この優先順位があるがゆえに、新規参入が阻 を目的として、地元漁業者に優先的に免許を 害されている事例が多数ある。 付与するために設けられているものであるが、 具体例を挙げると、定置漁業権において 地元漁業者しか水産資源を持続的に利用しな は、その免許の多くが漁業者や漁業者が出資 い、漁業秩序を守らないとは決して言い切れ した法人に付与されているが(図表7)、新 るものではない。水産資源の持続的な利用や 規に定置漁業権の免許を取得しようとした場 漁業秩序の維持のためには、一定のルールは 合に、地元の漁業者や漁協が反対し、免許を 必要であろうが、そのルールを守ることを前 得るまでに長期間を要した事例や、地元漁業 提にすれば、漁業権の免許を地元漁業者に優 者の同意を取り付けるために金銭的な要求が 先する理由はない。優先順位を設けているこ に、漁業調整委員会の適格性審査を経て (注)9 行われた事例などがある 。 とが、新規参入を阻害しているだけでなく、 特に、区画漁業権のうち特定区画漁業権 (注)10 それを漁業者が悪用し新規参入を望む者に不 においては、漁協が保有割合の98%を占め 正行為を行った事例も生じている。地元漁業 ている状況にある(図表8)。特定区画漁業を 者を優先した結果が、かえって漁村の衰退を 行うためには、漁協の組合員となって漁業権 もたらすことがあることも忘れてはならない。 を行使する以外に参入する方法がないという 繰り返しとなるが、漁業権については優先 のが実態であり、前述のとおり、資本力のあ 順位を撤廃し、個人・法人、そして経験など る大企業がやむを得ず子会社を作り、漁協の を問わず、一定のルールの下で、参入意欲の 図表7 定置漁業権の保有形態別免許件数 (2005年) 図表8 特定区画漁業権の保有形態別免許件数 (2005年) 個人 有限会社 株式会社 1,107 338 61 (57%) (17%) (3%) 漁協 その他 合計 185 265 1,956 (9%) (14%) (100%) (備考)水産庁作成資料をもとに信金中央金庫 地域・中小 企業研究所作成 漁協管理 その他 合計 7,551 (98%) 153 (2%) 7,704 (100%) (備考)水産庁作成資料をもとに信金中央金庫 地域・中小 企業研究所作成 (注)8.漁業調整委員会は、漁業に関する事項の処理にあたる行政委員会であり、国または都道府県に置かれている。詳細は後述 9.規制改革会議「中間とりまとめ−年末答申に向けての問題提起−」(2008年7月2日)P.68参照 10.区画漁業には、第1種区画漁業(真珠養殖業等) 、第2種区画漁業(クルマエビ養殖業等) 、第3種区画漁業(第1種および第 2種区画漁業以外の漁業)があり、これらのうち、ひび建養殖業、藻類養殖業、垂下式養殖業(真珠養殖業を除く。)、小割式 養殖業、第3種区画漁業である貝類養殖業を内容とする区画漁業権を特定区画漁業権と呼ぶ。 48 信金中金月報 2010.6 ある者が誰でも、企業であればその規模に関 そもそも、漁業権の免許期間は、漁業権の 係なく、漁業に参入できる環境を早急に整備 内容の固定化を防ぎ、海況等の変化、技術の するべきであろう。 進歩に応じて合理的な漁業権を設定するため に設けられたものであるが、現在において ハ.漁業権の免許期間の見直し は、免許期間が合理的な漁業経営や技術の進 漁業権には、免許期間が設けられているが 歩に応じた漁業経営を阻害している面がある (図表9)、漁業経営において、例えば、免許 ことも否定できない。よって、免許期間につ 期間が5年に設定されていることは、経営期 いては、経営意欲のある漁業者のニーズに即 間が5年間に限定され、その中で投資活動と したものとなるよう、期間の長期化や柔軟化 収益活動を計画せざるを得ないということを を図るべきであると考える。 意味する。また、漁業権の免許は、期間終了 時に免許の切替として、改めて漁業調整委員 ニ.漁業権の免許に係る譲渡制度の創設 会において免許手続が行われることとなって 漁業権は、漁業法において、相続または法 おり、免許の継続が確約されているものでは 人の合併もしくは分割による場合を除き、移 ない。 転の目的とすることができないとされている。 これについて、定置漁業経営者から、 「網や このため、既存の漁業者が漁業経営の基盤 ロープ等の設備投資が数億円単位の規模とな である漁場を拡大するためには、新たに漁業 ることも多く、その回収期間が限定されるこ 権の免許を得ることが必要となる。その場 (注)11 とによる弊害は大きい」との指摘がある 。 合、新たな漁場を申請し漁業権の免許を得る さらに、養殖業経営者からも、 「水産資源の悪 か、空いている漁場の漁業権の免許を得るこ 化が進むなか、養殖業には水産資源の安定供 ととなるが、前者については、漁業調整委員 給に向けた役割が期待されており、従来とは 会の免許手続が必要となり、加えて、新規に 異なる技術開発や設備投資の必要性が高まっ 漁場を設置することから、周辺漁業者との調 ていることから、その回収期間が限定される 整などに時間を要し、実際に免許を得るまで (注)12 ことによる弊害は大きい」 との指摘もある 。 ついても、新規に漁場を設置するものではな 図表9 漁業権の免許期間 いため前者ほどの時間は要しないものの、漁 漁業法 漁業権の 免許期間 に長期間を要することとなる。また、後者に 定置漁業 5年 区画漁業 5年または10年 共同漁業 10年 (備考)水産庁作成資料をもとに信金中央金庫 地域・中小 企業研究所作成 業調整委員会の免許手続が必要である(漁協 が漁業権を管理する特定区画漁業権について は漁協内の調整が必要となる。)ことに変わ (注)11.規制改革会議「中間とりまとめ−年末答申に向けての問題提起−」 (2008年7月2日)P.69参照 12.規制改革会議「中間とりまとめ−年末答申に向けての問題提起−」 (2008年7月2日)P.69参照 調 査 49 りはなく、いずれにせよ、積極的な経営展開 定の水面を漁業者が共同に利用しているた に向けた機動的な規模拡大が困難である。 め、その代表者を選定して、漁業調整委員会 一方、農業、林業において、経営規模の拡 において、その者の適格性を判断すればよい 大に向けて経営基盤である農地や森林の流動 であろう。 化が求められており、また、重要な課題と さらに、多くの漁協では、組合員から漁業 なっているが、今後、漁業経営の体質強化を 権免許の行使料を徴収している。水産庁は、 図るためには、農業、林業と同様に、漁業に 「漁協等が自ら有する漁業権を行使させるに おいても経営基盤の流動化が求められ、ま 当たり、組合経営における徴収すべき賦課金 た、課題となることは容易に予想されること の一種として行使料等を徴収することは違法 である。したがって、今後は、漁業者同士の ではない」との見解を示しているが、定置漁 交渉・同意によりその権利の移転を可能にす 業や区画漁業において直接漁業権の免許を保 るなど、漁業権の免許の譲渡制度の創設を検 有している個人・法人には、このような行使 討すべきであろう。 料は発生していない。 すべての漁業権について、漁業調整委員会 ホ.組合管理漁業権の見直し が直接漁業者の適格性を審査し、漁業者に直 特定区画漁業権および共同漁業権は組合管 接免許が付与されるよう見直す必要があろう。 理漁業権と言われており、基本的に、漁協が 漁業権を管理している。このため、漁協はこ (3)許可漁業のあり方 れらの漁業権の免許を保有して、組合員にそ 許可漁業においては、許可の有効期間が5 れを行使させる役割を担う一方で、漁協の定 年と定められており、許可隻数の決定は、大 める行使規則に則って、組合員について行使 臣許可漁業については水産政策審議会の意見 資格を審査する役割を担っている。 を聴取し許可総隻数を公示、知事許可漁業に しかしながら、漁協は組合員による出資に ついては漁業調整委員会の意見を聴取し許可 より成り立つ協同組織であり、漁協と組合員 の最大限度隻数を公示している。 は利害関係者にほかならないことから、客観 そもそも、許可の有効期間は、対象資源の変 的な審査には困難を伴い、行使資格を審査す 動や漁業調整上の状況変化および政府間の取 る役割を担うことは相応しくないと考える。 決めに対応する必要があることから設けられ 一方、定置漁業権においては、漁業調整委 ているものである。また、漁業法において、 「許 員会が漁業者の適格性を審査して、直接漁業 可等をしなければならない船舶の隻数が公示 者に免許を与えており、特定区画漁業権およ した隻数を超える場合、現に当該指定漁業の び共同漁業権においても、同様の取扱いは可 許可を受けている者が、その指定漁業の許可 能であると考える。例えば、共同漁業権は一 有効期間の満了日の到来のため、その許可等 50 信金中金月報 2010.6 に係る船舶と同一の船舶についてした申請が 図表10 漁業調整機構 (都道府県単位の問題を処理) あるときは、他の申請に優先して許可等をしな 地位の安定に配慮した措置も講じられている。 しかしながら、現在の許可漁業は、低コス ト・高生産性型への転換に向けて多額の投資 が必要な時期を迎えている。このため、一律 的な許可期間が定められていることは、投資 の回収期間が限定されることにもなり、漁業 経営の自由が阻害されているとも言える。た 海区漁業調整委員会 漁業調整機構 ければならない」 と定められており、実績者の (2つ以上の海区にわたる問題を処理) 連合海区漁業調整委員会 (太平洋や日本海など広域的な問題を処理) 広域漁業調整委員会 (備考)水産庁作成資料をもとに信金中央金庫 地域・中小企 業研究所作成 とえ漁業法の規定により、実績者に地位の安 このうち、海区漁業調整委員会の権能に 定が配慮されたとしても、実際の許可におい は、諮問事項(漁業権の免許等に関し知事か ては、漁業調整委員会において適格性の審査 らの諮問に対して意見を述べること)、建議 がなされることから、確実に許可が継続され 事項(漁業権の免許等に関し知事に建議する るとは言い切れない。 こと)、決定事項(独立した機関として漁業 したがって、許可漁業の許可の有効期間に に関することについて指示、裁定等を行うこ ついては、今後、経営意欲のある漁業者の と)などがあり、漁業権の免許手続において ニーズに即したものとなるよう、期間の長期 は、海区漁業調整委員会が適格性などの審査 化や柔軟化が必要であろう。 を行うこととなっている。 3.その他(漁業調整委員会、漁協) しかしながら、その権能を行使する海区漁 業調整委員会は、原則として15人の委員に 新規参入を促進するためには、漁業制度の よって構成され、うち9人は選挙選出の漁民 他にも見直すべき点が多々ある。ここでは、 委員(選挙委員)、6名は都道府県知事の選任 その中の具体例として、漁業調整委員会およ による学識経験委員および公益代表委員(併 び漁協について見直すべき点を挙げたい。 せて、選任委員)となっていることから、中 立性を確保した組織運営を図るためには、こ (1)漁業調整委員会のあり方の見直し れら委員構成の見直しが必要であろう。 漁業調整委員会には、海区漁業調整委員 そもそも、学識経験者委員は、漁業調整を 会、連合海区漁業調整委員会および広域漁業 行うに当たって、自然条件と社会経済的条件 調整委員会があり、その海区の区域内におけ に関する科学的な知見を反映させる必要があ る漁業に関する事項を処理することを所掌事 ること、また、公益代表委員は、漁業および 項とする行政委員会である(図表10)。 漁民の実情を踏まえた上で、漁業と一般公益 調 査 51 との調整を図ることのできる者が必要である されている。 ことから設けられているが、現在の委員構成 しかしながら、漁協の中には、法定組合員 では、選挙委員が全員賛成すれば、議事が採 数を満たしておらず、法定従事日数も満たし 択されることとなり、選任委員を設けている ていない組合員が多いものもあり、本来であ 趣旨が反映されない場合もありうる。 れば解散すべき漁協が存続しているといった また、中立性を確保した組織として適正な 指摘がある。事実、2005年には福岡県の早米ヶ 権能を行使するために、地元の漁業の状況に 浦漁協に対して、法定組合員数を下回ってい 深い理解のある漁業者の必要性は認めるもの ることを理由に福岡県が同法に基づく解散命 の、深い理解があるがゆえに、漁業権免許の 令を出した事例がある 適格性の審査などにおいて、客観的な判断が 三池漁協に対しても、常例検査忌避を理由に 疎かとなり、中立性を損なう可能性も排除で 同じく県が解散命令を出した事例もある きない。 こうした事例を受けて、水産庁は同法を改 したがって、中立性を確保した組織とし 正し、組合員審査の適正化が図られるよう、 て、客観的な判断に基づき適切に権能を行使 各漁協の定款に「組合員の資格およびその審 するため、現在定められている漁民委員数 査の方法」を記載しなければならない旨を明 (9名)と学識経験委員数および公益代表委 確化するなど、漁協に対して改善を求めてい 員数(6名)の割合を見直し、少なくとも第 るが、漁協の資格審査がどのように行われて 三者的立場である学識経験委員等の選任委員 おり、どのように不充分であったかなどは公 数が半数となるよう改めるべきであろう。併 表されていない。 せて、連合海区漁業調整委員会、広域漁業調 漁業権制度は、地元漁業者が地域資源の管 整委員会の漁民の委員構成についても同様に 理を自主的かつ主体的に行うことを前提に設 見直しが必要である。 計され運用されているものであり、それゆえ、 (注)13 。また、福岡県の新 (注)14 。 漁協に対して優先的に漁業権免許が付与され (2)漁協の組合員資格審査の適正化 る優先順位が設けられている。法定組合員数 水産業協同組合法では、漁協は正組合員が を満たさない漁協や、法定従事日数も満たし 20人未満になると解散することとなっている。 ていない組合員が多い漁協などにおいては、 また、正組合員資格は、「組合の地区内に住 漁業権制度の前提となっている「地元漁業者 所を有し、かつ、漁業を営みまたはこれに従 による自主的かつ主体的な地域資源の管理」 事する日数が1年を通じて90日から120日ま が困難であることは言うまでもない。 での間で定款で定める日数を超える漁民」と さらに、前述のとおり、新規参入を希望す (注)13.2005年12月27日 朝日新聞(夕刊)より。 14.2008年4月23日 水産経済新聞より。 52 信金中金月報 2010.6 る者に対して漁協が妨害行為を行う事例があ 環境の悪化を理由に、漁業に対して逸早く燃 るが、仮に実態を伴わない漁協による妨害行 油代の直接補填を決定するなどの緊急対策を 為だとすれば、漁協の本旨から逸脱するだけ 講じたが、本来であれば、緊急時に特別な支 でなく、漁協の既得権のみを重視した極めて 援を講じなくても耐え得る経営体力の確保を 不適切な行為と言わざるを得ない。 優先する必要がある。現在のように、漁業権 漁業権制度だけでなく、漁協を優遇してい の優先順位など漁業者の保護を前提に政策を る制度や事業は他にもあるが、それは、漁協 立案し、施策を講じていては、いつまでも経 が地元漁業者の協同組合であることが前提と 営体力の確保を望むことはできない。 なっている。その前提が崩れている可能性が 資源管理制度および漁獲管理制度と併せ あるのならば、早急に漁協の運営実態を調査 て、漁業制度についても抜本的な改革に着手 し、その結果を公表するとともに、適正な資 しなければ、わが国の水産業は、さらに衰退 格審査が行われていない漁協については、そ のテンポが速まる可能性がある。 の改善措置についても公表するべきであろう。 わが国は、世界最大級の水産消費国であ おわりに り、水産大国である。国民の視点に立った改 革が早期に求められている。 2008年、政府は、燃油等の高騰による経営 〈 参考文献 〉 規制改革会議「中間とりまとめ−年末答申に向けての問題提起−」(2008年7月2日) 内閣府「規制改革推進のための第3次答申および規制改革推進のための3か年計画(再改定)」(2009) 日本経済調査協議会『魚食をまもる水産業の戦略的な抜本改革を急げ』(2007) 調 査 53 信金中金だより 信金中央金庫 地域・中小企業研究所活動状況 (4月) 1.レポート等の発行 発行日 レポート分類 通巻 タ イ ト ル 執筆者 10.4.1 内外金利・為替見通し 22-1 10.4.7 産業企業情報 22-1 「老舗」の経営が示唆するものは何か −なぜ「老 鉢嶺実 舗」は長く存続し続けることができるのか− 10.4.7 地域調査情報 22-1 商店街再生への道しるべ−モデル商店街の事例をも 松山真一朗 とに− 10.4.7 地域調査情報 22-2 チャレンジショップ運営のポイント −地域で経営 畠山智成 者を育てる実践塾− 10.4.15 中小企業景況レポート 139 国内金利環境:年前半は成長減速も、後半には民需 斎藤大紀 の持直しで自律回復軌道へ 1∼3月期業況は4半期連続の小幅改善 (特別調査:デフレ不況下の中小企業経営) − 2.講座・講演・放送等の実施 実施日 種類 タ イ ト ル 講座・講演会・番組名称 主催 講師等 10.4.13 講演 ∼14 具体的事例を交えた最新の中国 中国(上海・蘇州等)エリア視察 事情 岐阜信用金庫 篠崎幸弘 10.4.20 講演 日本経済の現状と展望について 姫路信用金庫 斎藤大紀 10.4.21 講演 「ゆうちょ銀行」の戦力∼店舗 業務推進担当部長 情報連絡協 四国地区信用金庫協会 品田雄志 信金中央金庫 四国 配置と営業力∼ 議会 支店 10.4.21 講演 環境変化に挑む中小企業の経営 足立成和経営塾 事例 10.4.21 ∼22 講演 中 国 ビ ジ ネ ス 担 当 者 養 成 セ ミ 中 国 ビ ジ ネ ス 担 当 者 養 成 セ ミ 岡崎信用金庫 ナー ナー 篠崎幸弘 10.4.23 講演 アジア進出企業への処方箋 貿易投資個別相談および貿易投 京都信用金庫 資セミナー 篠崎幸弘 10.4.27 講演 これからの中小企業経営 しょうなん経営塾 湘南信用金庫 鉢嶺実 10.4.28 講演 「時代に挑む!中小企業の熱き みとしん経営研究会中央支部講 水戸信用金庫 経営者達」−環境変化に挑む中 演会 小企業の経営事例− 鉢嶺実 54 信金中金月報 2010.6 ひめしん経営塾 足立成和信用金庫 鉢嶺実 統 計 1.信用金庫統計 (1)信用金庫の主要勘定概況………… 55 (2)信用金庫の店舗数、合併等……… 57 (3)信用金庫の預金種類別預金、地区別預金 …… 58 (4)信用金庫の預金者別預金………… 59 (5)信用金庫の科目別貸出金、地区別貸出金 …… 60 (6)信用金庫の貸出先別貸出金……… 61 (7)信用金庫の余裕資金運用状況…… 62 2.金融機関業態別統計 (1)業態別預貯金等…………………… 63 (2)業態別貸出金……………………… 64 統計資料の照会先: 信金中央金庫 地域・中小企業研究所 Tel 03-5202-7671 Fax 03-3278-7048 (凡 例) 1.金額は、単位未満切捨てとした。 2.比率は、原則として小数点以下第1位までとし第2位以下切捨てとした。 3.記号・符号表示は次のとおり。 〔 0 〕ゼロまたは単位未満の計数 〔−〕該当計数なし 〔△〕減少または負 〔…〕不詳または算出不能 〔*〕1,000%以上の増加率 〔 p 〕速報数字 〔 r 〕訂正数字 〔 b 〕b印までの数字と次期以降との数字は不連続 4.地区別統計における地区のうち、関東には山梨、長野、新潟を含む。東海は静岡、愛知、岐阜、三重の 4県、九州北部は福岡、佐賀、長崎の3県、南九州は熊本、大分、宮崎、鹿児島の4県である。 ※ 信金中金 地域・中小企業研究所のホームページ(http://www.scbri.jp/)よりExcel形式の統計資料をダウンロードすることができます。 1.(1)信用金庫の主要勘定概況(2010年3月末速報) ○預 金 3月の全国信用金庫の預金は、月中9,501億円、0.8%減と、前年同月(7,356億円、0.6%減)と同様に減少した。 ① 要求払預金は、各種自振口資金の一時滞留等がみられたものの、年金振込金や公金預金の流出等から、月 中7,878億円、1.9%減と、前年同月(5,719億円、1.4%減)と同様に減少した。 ② 定期性預金は、定期積金の掛込みによる増加等がみられたものの、公金預金の流出や満期到来の増加等か ら、月中3,943億円、0.5%減と、前年同月(3,243億円、0.4%減)と同様に減少した。 ③ 外貨預金等は、月中2,318億円、86.6%増加した。 なお、2010年3月末の預金の前年同月比増減率は、1.6%増となった。 ○貸出金 貸出金は、月中1,871億円、0.2%増と、前年同月(2,170億円、0.3%増)と同様に増加した。 ① 割引手形は、前月末休日による商手決済のズレ込みや、期日落込みの増加等から、月中822億円、7.2%減 と、前年同月(2,446億円、15.8%減)と同様に減少した。 ② 貸付金は、前月末休日による回収分のズレ込みや、売上代金・工事代金による返済等がみられたものの、 地方公共団体向け融資の増加や住宅ローンの増加等がみられたこと等から、月中2,690億円、0.4%増と、前 年同月(4,617億円、0.7%増)と同様に増加した。 なお、2010年3月末の貸出金の前年同月比増減率は、0.9%減となった。 ○余資運用資産 余資運用資産は、月中1兆594億円、1.7%減と、前年同月(2兆円、3.4%減)と同様に減少した。 主な内訳をみると、預け金は、月中7,186億円、3.0%減となった。 コールローンは、月中2,960億円、44.1%減となった。 有価証券は、国債(1,206億円増)が増加したものの、社債(2,041億円減)、外国証券(956億円減)、短期 社債(446億円減) 、投資信託(284億円減) 、地方債(225億円減)等が減少したことから、月中2,890億円、 0.8%減となった。 統 計 55 信用金庫の主要勘定増減状況 (2010年3月末速報) 前月比増減 区 分 現 ( ( ( 資 産 項 目 金 (小 切 手 ・ 手 形) 預 け 金 (信 金 中 金 預 け 金) (譲 渡 性 預 け 金) 買 入 手 形 コ ー ル ロ ー ン 買 現 先 勘 定 債券貸借取引支払保証金 買 入 金 銭 債 権 金 銭 の 信 託 商 品 有 価 証 券 有 価 証 券 国 債 地 方 債 短 期 社 債 社 債 株 式 貸 付 信 託 投 資 信 託 外 国 証 券 そ の 他 の 証 券 小 計 貸 出 金 (月 中 平 残) (うち金融機関貸付金) 割 引 手 形 貸 付 金 手 形 貸 付 証 書 貸 付 当 座 貸 越 預 金 ・ 積 金 (月 中 平 残) 要 求 払 預 金 当 座 預 金 普 通 預 金 貯 蓄 預 金 通 知 預 金 別 段 預 金 納 税 準 備 預 金 定 期 性 預 金 定 期 預 金 定 期 積 金 外 貨 預 金 等 実 質 預 金 譲 渡 性 預 金 借 用 金 預 貸 率 残 高 ( 負 債 項 目 ( 1,585,856 207,395 ) 22,778,022 19,006,763 ) 44,300 ) 0 375,165 0 15,015 375,357 165,477 5,093 34,241,074 10,403,384 4,676,034 2,194 13,559,385 717,143 2 663,016 4,093,393 125,768 59,541,059 64,276,504 63,848,323 ) 712,079 1,053,815 63,222,284 4,854,661 55,474,286 2,893,337 117,364,323 117,218,117 ) 38,850,878 2,555,441 34,140,171 1,095,542 237,629 786,456 34,979 78,013,767 72,290,890 5,722,744 499,495 117,156,928 47,021 280,209 54.7 増 減 額 ( △ (△ (△ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ ( △ △ △ (△ △ △ △ △ △ △ △ △ 268,608 35,009 ) 718,658 781,397 ) 43,200 ) 0 296,096 0 20,369 28,579 31,974 530 289,045 120,617 22,505 44,642 204,112 10,332 0 28,425 95,685 4,711 1,059,488 187,140 49,074 ) 6,300 82,294 269,031 19,001 176,075 111,958 950,138 39,466 ) 787,819 159,215 1,405,716 6,656 143,369 319,819 1,493 394,393 403,284 8,759 231,892 985,146 14,763 9,557 前年同月比 増 減 率 ( △ (△ (△ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ ( △ △ △ (△ △ △ △ △ △ △ △ △ 20.3 20.3 ) 3.0 3.9 ) 49.3 ) ― 44.1 ― 57.5 8.2 16.1 9.4 0.8 1.1 0.4 95.3 1.4 1.4 0.0 4.1 2.2 3.6 1.7 0.2 0.0 ) 0.8 7.2 0.4 0.3 0.3 4.0 0.8 0.0 ) 1.9 6.6 3.9 0.6 152.0 68.5 4.4 0.5 0.5 0.1 86.6 0.8 23.8 3.2 (備考)預貸率=貸出金/預金・積金×100(預金には譲渡性預金を含む。) 56 信金中金月報 2010.6 増 減 率 △ (△ ( (△ △ △ △ △ △ △ (△ △ △ △ △ ( △ △ △ △ △ △ △ △ 5.2 0.9 ) 6.2 4.8 ) 39.3 ) ― 53.7 ― 80.2 41.4 6.4 39.0 5.6 6.6 23.0 92.2 4.7 8.9 33.3 0.4 8.2 9.2 5.7 0.9 0.9 ) 2.8 18.9 0.5 10.1 0.5 3.7 1.6 1.8 ) 0.9 3.4 1.4 0.2 4.9 3.9 6.8 2.0 2.3 1.3 1.5 1.6 9.1 20.5 (単位:百万円、% ) 前 年 同 月 前年同月比 月中増減額 月中増減率 増 減 率 262,648 18.6 0.4 ( 4,913 ) ( 2.4 ) (△ 9.9 ) △ 1,024,677 △ 4.5 3.0 (△ 1,664,557 ) (△ 8.4 ) ( 2.4 ) (△ 66,600 ) (△ 47.6 ) ( 4.1 ) 0 ― △ 100.0 △ 360,840 △ 59.6 △ 72.6 0 ― ― 65,336 615.2 △ 41.5 △ 24,384 △ 8.4 8.2 △ 53,774 △ 23.3 △ 19.8 △ 391 △ 9.6 △ 19.6 △ 863,991 △ 2.5 0.2 314,808 3.3 △ 4.0 △ 5,890 △ 0.1 9.8 △ 91,457 △ 76.3 △ 11.4 △ 105,615 △ 0.8 7.4 △ 238,607 △ 26.6 △ 20.5 0 0.0 0.0 △ 342,588 △ 34.1 △ 27.6 △ 367,430 △ 7.6 △ 6.0 △ 27,212 △ 19.1 △ 28.8 △ 2,000,073 △ 3.4 △ 0.1 217,070 0.3 2.1 ( 233,435 ) ( 0.3 ) ( 2.2 ) △ 11,840 △ 1.6 47.8 △ 244,647 △ 15.8 △ 22.3 461,717 0.7 2.7 △ 67,988 △ 1.2 △ 10.3 456,069 0.8 4.4 73,636 2.5 △ 1.3 △ 735,698 △ 0.6 1.5 ( 15,328 ) ( 0.0 ) ( 1.5 ) △ 571,980 △ 1.4 0.7 89,323 3.4 △ 0.8 △ 858,255 △ 2.4 1.3 △ 9,434 △ 0.8 △ 5.2 120,904 93.5 △ 21.5 83,680 11.3 △ 2.9 1,802 5.0 △ 7.2 △ 324,388 △ 0.4 2.0 △ 340,990 △ 0.4 2.2 16,603 0.2 △ 0.6 160,670 48.4 △ 13.7 △ 740,612 △ 0.6 1.5 △ 40,052 △ 43.6 △ 43.1 48,902 16.0 23.6 1.(2)信用金庫の店舗数、合併等 信用金庫の店舗数、会員数、常勤役職員数の推移 (単位:店、人) 店 舗 数 年 月 末 2006. 07. 08. 08. 3 3 3 6 9 12 09. 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 10. 1 2 3 本 店 (信用金庫数) 292 287 281 280 279 279 279 279 279 279 278 278 278 277 274 274 273 272 p 272 支 店 出張所 7,195 7,172 7,128 7,130 7,126 7,125 7,126 7,127 7,126 7,132 7,135 7,135 7,126 7,115 7,105 7,104 7,099 7,091 290 275 278 273 274 274 266 266 266 266 264 263 263 261 257 258 257 257 合 計 7,777 7,734 7,687 7,683 7,679 7,678 7,671 7,672 7,671 7,677 7,677 7,676 7,667 7,653 7,636 7,636 7,629 7,620 7,615 会 員 数 9,191,407 9,256,033 9,278,994 9,290,161 9,295,402 9,301,992 9,311,661 9,316,737 9,321,191 9,324,875 9,322,406 9,322,236 9,325,159 9,329,158 9,331,591 9,334,858 9,334,964 9,335,142 9,317,584 常勤役員 2,272 2,292 2,298 2,307 2,303 2,297 2,290 2,281 2,282 2,292 2,297 2,297 2,301 2,295 2,286 2,285 2,283 2,279 常 勤 役 職 員 数 職 員 男 子 女 子 計 79,286 32,080 111,366 77,908 32,165 110,073 77,110 33,065 110,175 79,405 36,589 115,994 78,680 35,931 114,611 78,198 35,565 113,763 76,956 34,766 111,722 79,849 38,640 118,489 79,684 38,556 118,240 79,240 38,351 117,591 79,026 38,204 117,230 78,847 38,046 116,893 78,513 37,873 116,386 78,373 37,776 116,149 78,219 37,705 115,924 77,963 37,454 115,417 77,761 37,329 115,090 77,521 37,243 114,764 合 計 113,638 112,365 112,473 118,301 116,914 116,060 114,012 120,770 120,522 119,883 119,527 119,190 118,687 118,444 118,210 117,702 117,373 117,043 115,653 信用金庫の合併等 年 月 日 異 動 金 庫 名 2004年10月12日 大阪 2004年11月15日 2004年11月22日 2005年 1 月 4 日 伊勢崎太田 2005年 2 月14日 北海 2005年 2 月14日 阪奈 新金庫名 金庫数 異動の種類 南大阪 大阪 303 合併 大牟田 柳川 大牟田柳川 302 合併 足利 小山 足利小山 301 合併 アイオー 301 名称変更 古平 北海 300 合併 八光 大阪東 299 合併 298 合併・解散 合併 2005年 3 月14日 (大分県信組) 杵築 (大分県信組) 2005年 7 月19日 仙台 塩竃 杜の都 297 2005年10月17日 高鍋 西諸 高鍋 296 合併 2005年11月21日 新川水橋 滑川 にいかわ 295 合併 2005年11月21日 広島 大竹 広島 294 合併 2006年 1 月10日 多摩中央 八王子 多摩 292 合併 2006年10月16日 三島 伊豆 三島 291 合併 2006年10月16日 愛媛 三津浜 愛媛 290 合併 2006年11月 6 日 島根中央 島根中央 290 合併 西中国 287 合併 北星 286 合併 しののめ 284 合併 太平 (出雲信組) 2007年 1 月 9 日 下関 津和野 2007年10月 9 日 名寄 士別 宇部 吉南 2007年11月26日 かんら ぐんま 2008年 1 月15日 沼津 駿河 沼津 283 合併 2008年 1 月15日 きのくに 湯浅 きのくに 282 合併 2008年 1 月21日 伊達 伊達 282 合併 2008年 3 月17日 鶴岡 酒田 鶴岡 281 合併 2008年 5 月19日 八戸 十和田 八戸 280 合併 2008年 7 月 7 日 盛岡 二戸 盛岡 279 合併 2009年 2 月16日 山形 山形 279 合併 2009年 7 月13日 羽後 羽後 278 合併 西中国 277 合併 青い森 275 合併 多野 (室蘭商工信組) (山形庶民信組) 秋田ふれあい 2009年10月13日 西中国 岩国 2009年11月 9 日 八戸 あおもり (下関市職員信組) 2009年11月24日 北見 紋別 北見 274 合併 2010年 1 月12日 山口 萩 萩山口 273 合併 2010年 2 月15日 杵島 西九州 九州ひぜん 272 合併 下北 統 計 57 1.(3)信用金庫の預金種類別預金、地区別預金 預金種類別預金 預金計 年 月 末 2006. 07. 08. 08. 3 3 3 6 9 12 09. 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 10. 1 2 3p 1,092,212 1,113,772 1,137,275 1,155,357 1,154,026 1,164,845 1,154,531 1,167,755 1,165,219 1,175,838 1,169,018 1,175,028 1,173,980 1,175,305 1,173,422 1,185,688 1,177,279 1,183,144 1,173,643 (単位:億円、%) 前年同月比 増 減 率 1.6 1.9 2.1 2.0 1.7 1.4 1.5 1.6 1.7 1.7 1.7 1.6 1.7 2.3 2.0 1.7 2.0 1.8 1.6 要求払 377,476 386,576 382,240 389,905 383,904 393,943 385,019 396,549 392,020 396,876 385,377 390,361 390,423 393,666 391,229 398,768 389,432 396,386 388,508 前年同月比 増 減 率 7.6 2.4 △ 1.1 △ 0.7 △ 1.1 0.2 0.7 1.3 1.9 1.7 1.5 1.2 1.6 3.0 1.9 1.2 1.8 1.4 0.9 定期性 709,409 721,712 749,326 760,497 765,437 767,221 764,590 767,717 769,710 775,550 780,390 781,586 780,243 778,518 779,281 783,981 784,847 784,081 780,137 前年同月比 外貨預金等 前年同月比 増 減 率 増 減 率 △ 1.1 5,326 △ 14.3 1.7 5,483 2.9 3.8 5,707 4.0 3.5 4,954 1.9 3.3 4,684 △ 9.9 2.1 3,680 △ 23.1 2.0 4,921 △ 13.7 2.0 3,488 △ 25.4 1.9 3,488 △ 32.1 1.9 3,411 △ 31.1 2.0 3,250 △ 31.2 2.0 3,080 △ 32.0 1.9 3,313 △ 29.2 2.0 3,121 △ 24.5 2.1 2,911 △ 20.3 2.1 2,937 △ 20.1 2.2 2,999 △ 16.9 2.1 2,676 △ 19.2 2.0 4,994 1.4 実質預金 1,089,623 1,110,316 1,134,949 1,154,100 1,152,387 1,162,631 1,152,438 1,166,708 1,163,452 1,174,809 1,167,973 1,174,044 1,172,599 1,173,761 1,172,426 1,184,175 1,175,663 1,181,420 1,171,569 前年同月比 増 減 率 1.6 1.8 2.2 2.1 1.8 1.4 1.5 1.7 1.8 1.7 1.7 1.7 1.7 2.2 2.1 1.8 2.0 1.8 1.6 譲渡性預金 1,181 998 911 1,054 1,027 953 517 618 616 674 699 701 647 637 651 623 615 617 470 前年同月比 増 減 率 18.1 △ 15.4 △ 8.7 △ 4.3 △ 11.9 1.5 △ 43.1 △ 42.2 △ 42.2 △ 36.0 △ 29.7 △ 33.9 △ 36.9 △ 36.2 △ 38.5 △ 34.6 △ 34.2 △ 32.6 △ 9.1 (備考)1. 預金計には譲渡性預金を含まない。 2. 実質預金は預金計から小切手・手形を差引いたもの。 地区別預金 北海道 年 月 末 2006. 07. 08. 08. 3 3 3 6 9 12 09. 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 10. 1 2 3p 57,985 59,138 59,718 61,509 61,043 62,558 60,762 62,257 62,045 63,119 62,244 62,677 62,538 62,592 63,154 64,039 62,789 62,952 62,249 近 畿 年 月 末 2006. 07. 08. 08. (単位:億円、%) 3 3 3 6 9 12 09. 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 10. 1 2 3p 214,393 220,845 226,819 230,609 230,832 232,514 230,428 233,656 233,360 235,110 234,808 235,797 235,930 236,110 236,080 239,098 238,128 239,063 236,255 前年同月比 増 減 率 1.3 1.9 0.9 2.6 1.8 1.8 1.7 1.7 2.3 2.6 2.3 2.2 2.4 2.9 2.7 2.3 2.6 2.3 2.4 前年同月比 増 減 率 2.3 3.0 2.7 2.1 1.7 1.2 1.5 2.0 2.1 1.9 2.1 2.0 2.2 2.7 2.8 2.8 3.1 3.1 2.5 東 北 40,213 40,258 40,772 41,571 41,437 41,996 41,643 42,628 42,435 42,896 42,603 42,820 42,708 42,831 42,631 43,031 42,654 42,943 42,044 中 国 51,229 52,842 53,292 54,130 53,927 54,294 53,589 53,930 53,802 54,393 53,809 54,229 54,089 54,059 53,880 54,437 53,827 54,254 53,669 (備考) 沖縄地区は全国に含めた。 58 信金中金月報 2010.6 前年同月比 増 減 率 0.4 0.1 1.2 1.0 1.0 1.2 2.1 2.6 3.2 3.1 3.0 2.8 3.0 3.0 2.5 2.4 2.6 1.2 0.9 前年同月比 増 減 率 0.3 3.1 0.8 0.5 0.7 0.5 0.5 0.0 0.5 0.4 0.3 0.2 0.3 0.8 0.3 0.2 0.5 0.4 0.1 東 京 205,069 207,952 211,882 214,157 213,266 215,009 213,414 214,978 214,919 215,799 215,468 216,471 216,296 216,784 215,962 217,529 216,320 217,239 216,076 四 国 19,914 20,731 21,775 22,152 22,179 22,515 22,362 22,594 22,722 23,135 23,043 23,148 23,146 23,279 23,224 23,461 23,377 23,457 23,230 前年同月比 増 減 率 2.1 1.4 1.8 1.5 0.9 0.6 0.7 0.8 0.7 0.7 1.2 1.2 1.4 2.0 1.4 1.1 1.3 1.1 1.2 前年同月比 増 減 率 3.2 4.1 5.0 5.0 4.3 3.6 2.6 3.1 3.8 4.4 4.4 4.2 4.3 4.9 4.3 4.1 4.6 4.4 3.8 関 東 208,477 211,889 216,685 220,259 220,044 222,430 219,830 222,515 221,605 223,752 221,912 223,202 222,820 223,293 222,523 224,863 223,108 224,299 222,133 九州北部 18,916 19,220 19,492 20,067 19,939 20,204 19,858 20,453 20,361 20,547 20,346 20,482 20,434 20,496 20,358 20,597 20,383 20,542 20,001 前年同月比 増 減 率 1.5 1.6 2.2 2.2 2.0 1.6 1.4 1.7 1.6 1.5 1.2 1.1 1.2 1.8 1.4 1.0 1.3 1.2 1.0 前年同月比 増 減 率 1.7 1.6 1.4 2.0 1.2 1.4 1.8 2.3 2.4 2.3 2.1 1.9 2.4 3.2 2.4 1.9 1.9 1.7 0.7 北 陸 33,344 33,765 34,270 34,796 34,910 35,145 34,931 35,272 35,326 35,827 35,450 35,746 35,626 35,668 35,478 35,837 35,612 35,785 35,516 南九州 24,078 24,173 24,313 24,729 24,550 24,820 24,447 24,817 24,829 25,040 24,756 24,881 24,896 24,911 24,825 25,130 24,922 24,967 24,785 前年同月比 増 減 率 0.8 1.2 1.4 1.3 2.0 1.9 1.9 2.1 2.4 2.9 2.3 1.9 2.0 2.7 2.2 1.9 1.9 1.8 1.6 前年同月比 増 減 率 △ 0.0 0.3 0.5 0.4 0.1 △ 0.2 0.5 0.3 0.9 1.2 0.9 0.7 1.4 2.0 1.6 1.2 1.5 1.2 1.3 東 海 217,087 221,464 226,859 229,875 230,484 231,986 231,857 233,264 232,431 234,702 233,204 234,212 234,112 233,908 233,952 236,311 234,813 236,291 236,289 全国計 1,092,212 1,113,772 1,137,275 1,155,357 1,154,026 1,164,845 1,154,531 1,167,755 1,165,219 1,175,838 1,169,018 1,175,028 1,173,980 1,175,305 1,173,422 1,185,688 1,177,279 1,183,144 1,173,643 前年同月比 増 減 率 1.4 2.0 2.4 2.6 2.5 1.9 2.2 2.1 2.1 2.0 1.7 1.7 1.5 2.1 2.1 1.8 1.9 1.8 1.9 前年同月比 増 減 率 1.6 1.9 2.1 2.0 1.7 1.4 1.5 1.6 1.7 1.7 1.7 1.6 1.7 2.3 2.0 1.7 2.0 1.8 1.6 1.(4)信用金庫の預金者別預金 (単位:億円、%) 年 月 末 2006. 07. 08. 08. 預金計 3 3 3 6 9 12 09. 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 10. 1 2 1,092,110 1,113,482 1,136,973 1,155,355 1,154,025 1,164,844 1,161,886 1,154,529 1,167,754 1,165,218 1,175,835 1,169,016 1,175,027 1,173,978 1,175,304 1,173,420 1,185,686 1,177,277 1,183,143 年 月 末 一般法人預金 2006. 07. 08. 08. 3 3 3 6 9 12 09. 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 10. 1 2 年 月 末 2006. 07. 08. 08. 3 3 3 6 9 12 09. 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 10. 1 2 181,849 186,590 180,120 178,644 179,495 184,107 179,355 178,052 182,454 183,907 180,195 177,479 177,780 183,060 183,390 181,435 186,741 182,722 181,203 要求払 11,146 10,088 9,087 11,641 10,798 9,253 9,542 9,366 12,174 10,820 12,675 12,320 12,223 11,406 9,434 13,144 10,385 10,341 10,431 前年同月比 増 減 率 1.6 1.9 2.1 2.0 1.7 1.4 1.9 1.5 1.6 1.7 1.7 1.7 1.6 1.7 2.3 2.0 1.7 2.0 1.8 個人預金 873,926 893,616 923,693 936,139 935,618 946,838 949,255 944,286 950,049 946,239 954,384 949,695 955,837 950,996 956,578 951,449 962,693 958,704 966,812 前年同月比 増 減 率 2.1 2.6 △ 3.4 △ 3.8 △ 4.9 △ 1.6 2.2 △ 1.1 △ 0.1 0.6 0.8 0.8 △ 0.6 1.9 4.9 0.9 1.4 1.7 1.0 要求払 前年同月比 増 減 率 8.3 △ 9.4 △ 9.9 7.7 7.5 △ 6.7 △ 19.2 3.0 7.8 7.5 8.8 6.5 32.2 5.6 △ 8.0 37.8 12.2 15.7 9.3 定期性 99,317 102,909 96,086 95,012 95,944 103,301 98,002 96,105 100,051 101,430 97,857 94,828 94,774 99,573 99,813 98,012 103,458 98,979 97,129 9,939 10,864 11,620 16,813 15,991 15,062 14,383 11,958 13,645 15,404 19,056 19,202 18,889 17,457 16,622 17,096 16,378 16,406 15,710 前年同月比 増 減 率 1.4 2.2 3.3 3.2 3.2 2.4 2.4 2.2 2.1 2.1 1.9 1.7 1.6 1.6 1.9 1.6 1.6 1.7 1.8 要求払 前年同月比 増 減 率 6.0 3.6 △ 6.6 △ 6.8 △ 8.1 △ 0.0 7.3 0.0 1.6 2.8 2.9 2.9 △ 0.9 3.7 8.7 △ 0.2 0.1 0.8 △ 0.8 定期性 前年同月比 増 減 率 5.6 9.3 6.9 △ 1.2 △ 1.3 △ 0.7 0.2 2.9 9.6 9.1 13.3 12.0 10.3 9.1 9.1 9.5 8.7 9.1 9.2 外貨預金等 263,269 270,825 273,708 280,480 274,030 279,208 280,895 276,390 281,898 278,006 283,823 276,047 281,018 276,525 283,083 277,465 283,211 278,783 287,363 82,264 83,430 83,703 83,309 83,232 80,561 81,114 81,701 82,166 82,235 82,096 82,409 82,750 83,208 83,306 83,136 83,015 83,457 83,796 444 562 752 190 199 61 118 857 64 68 99 105 115 46 61 84 54 65 67 前年同月比 増 減 率 8.2 2.8 1.0 0.8 1.0 0.7 1.4 0.9 1.2 1.4 1.1 0.9 0.7 0.9 2.0 1.3 1.4 1.7 2.3 定期性 前年同月比 増 減 率 △ 2.1 1.4 0.3 △ 0.1 △ 0.9 △ 3.5 △ 3.2 △ 2.3 △ 2.2 △ 1.8 △ 1.4 △ 1.2 △ 0.2 △ 0.0 0.7 2.3 3.0 2.9 3.3 外貨預金等 前年同月比 増 減 率 27.0 26.4 33.8 108.6 △ 51.2 △ 70.6 348.7 14.0 70.8 △ 52.9 △ 48.0 △ 56.1 △ 52.8 △ 76.7 △ 39.4 △ 79.0 △ 12.4 △ 23.8 △ 42.8 610,130 622,333 649,352 654,992 660,905 666,857 667,629 667,109 667,372 667,441 669,783 672,858 674,032 673,669 672,699 673,150 678,675 679,072 678,618 259 242 323 314 311 236 231 237 229 234 233 233 247 270 263 279 259 277 270 金融機関預金 14,797 11,753 11,692 11,918 11,913 9,514 9,224 10,001 9,357 8,770 9,417 10,206 10,173 11,005 9,210 10,203 9,426 9,030 8,909 前年同月比 増 減 率 △ 1.0 2.0 4.3 4.2 4.1 3.1 2.8 2.7 2.5 2.4 2.2 2.1 2.0 1.9 1.9 1.8 1.7 1.7 1.6 前年同月比 増 減 率 △ 19.8 △ 6.4 33.3 34.8 17.6 △ 15.5 △ 25.1 △ 26.3 △ 27.3 △ 24.9 △ 25.5 △ 23.3 △ 15.4 △ 13.0 14.1 21.5 9.6 15.2 16.8 前年同月比 増 減 率 △ 1.7 △ 20.5 △ 0.5 △ 0.4 △ 4.3 △ 20.9 △ 21.4 △ 14.4 △ 20.5 △ 22.2 △ 20.9 △ 11.1 △ 1.6 △ 7.6 △ 8.6 12.2 △ 0.9 4.2 △ 3.4 外貨預金等 前年同月比 増 減 率 515 △ 43.6 446 △ 13.3 623 39.4 657 63.6 672 40.3 762 53.4 720 36.1 778 24.8 769 21.2 782 19.0 768 16.7 780 18.0 777 18.9 791 17.6 786 5.9 824 14.8 797 4.5 838 12.2 822 14.0 公的預金 前年同月比 増 減 率 7.3 △ 0.0 △ 0.2 2.5 1.2 △ 3.6 △ 8.1 3.3 8.8 8.0 11.1 9.2 17.3 7.1 2.0 18.7 10.0 11.4 9.0 21,534 21,517 21,462 28,649 26,992 24,379 24,047 22,184 25,887 26,296 31,834 31,631 31,231 28,913 26,121 30,328 26,821 26,816 26,213 政府関係 預 り 金 譲渡性預金 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1,181 968 911 1,054 1,027 953 918 517 618 616 674 699 701 647 637 651 623 615 617 (備考) 日本銀行 「預金現金貸出金調査表」より作成。このため、「日計表」による(3)預金種類別・地区別預金の預金計とは一 致しない。 統 計 59 1.(5)信用金庫の科目別貸出金、地区別貸出金 科目別貸出金 (単位:億円、%) 貸出金計 年 月 末 2006. 07. 08. 08. 3 3 3 6 9 12 09. 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 10. 1 2 3p 626,702 634,953 635,433 630,412 638,492 649,018 648,786 643,667 644,816 642,434 642,593 641,254 644,595 642,984 640,200 646,570 641,724 640,893 642,765 前年同月比 増 減 率 0.9 1.3 0.0 0.2 0.4 1.6 2.1 2.2 2.0 1.9 1.7 1.1 0.9 1.1 0.2 △ 0.3 △ 0.6 △ 0.8 △ 0.9 割引手形 18,931 20,168 16,753 15,746 15,285 17,322 13,003 11,769 12,552 10,645 10,307 9,838 10,017 11,089 10,004 11,929 11,610 11,361 10,538 前年同月比 増 減 率 △ 7.8 6.5 △ 16.9 △ 17.2 △ 17.3 △ 10.7 △ 22.3 △ 26.2 △ 28.9 △ 32.3 △ 33.7 △ 42.0 △ 34.4 △ 26.7 △ 40.3 △ 31.1 △ 29.3 △ 26.4 △ 18.9 貸付金 607,770 614,784 618,680 614,666 623,207 631,695 635,782 631,898 632,264 631,788 632,286 631,416 634,577 631,895 630,195 634,641 630,114 629,532 632,222 前年同月比 増 減 率 1.2 1.1 0.6 0.7 1.0 2.0 2.7 3.0 2.9 2.7 2.6 2.3 1.8 1.8 1.3 0.4 0.0 △ 0.2 △ 0.5 手形貸付 67,172 62,626 60,234 55,184 56,819 57,096 54,019 50,954 49,360 49,022 49,064 48,910 49,910 49,110 48,843 50,024 48,915 48,736 48,546 前年同月比 増 減 率 △ 6.5 △ 6.7 △ 3.8 △ 5.0 △ 5.4 △ 6.4 △ 10.3 △ 10.5 △ 10.6 △ 11.1 △ 11.5 △ 12.3 △ 12.1 △ 12.5 △ 12.8 △ 12.3 △ 11.7 △ 10.9 △ 10.1 証書貸付 510,693 522,186 527,985 530,132 535,160 544,330 551,706 552,211 554,474 554,359 554,710 554,012 554,695 554,488 552,629 555,734 553,118 552,982 554,742 前年同月比 増 減 率 2.5 2.2 1.1 1.3 1.7 3.1 4.4 4.8 4.6 4.5 4.4 4.2 3.6 3.7 3.1 2.0 1.5 1.0 0.5 地区別貸出金 2006. 07. 08. 08. 3 3 3 6 9 12 09. 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 10. 1 2 3p 2006. 07. 08. 08. 30,652 31,012 31,109 29,723 30,540 31,384 31,786 30,834 30,636 30,463 30,422 30,360 30,778 30,870 30,542 30,971 30,526 30,544 31,006 近 畿 年 月 末 3 3 3 6 9 12 09. 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 10. 1 2 3p 124,456 127,784 128,502 127,855 128,996 131,111 131,004 130,510 130,951 130,275 130,340 130,010 130,484 130,501 129,813 131,411 130,554 130,418 131,100 前年同月比 増 減 率 2.1 1.1 0.3 0.6 2.2 3.8 2.1 1.9 2.3 2.4 2.0 1.2 0.7 0.7 △ 0.3 △ 1.3 △ 1.2 △ 0.9 △ 2.4 前年同月比 増 減 率 2.0 2.6 0.5 0.4 0.3 1.5 1.9 2.3 1.9 1.8 1.7 1.1 1.1 1.5 0.4 0.2 △ 0.1 △ 0.3 0.0 東 北 23,277 22,849 22,672 22,273 22,470 22,715 23,392 23,067 23,137 23,030 23,013 22,971 22,982 22,924 22,838 22,940 22,780 22,801 22,946 中 国 29,238 30,232 30,194 29,993 30,493 30,900 30,793 30,354 30,429 30,294 30,360 30,357 30,472 30,284 30,174 30,428 30,196 30,273 30,470 (備考) 沖縄地区は全国に含めた。 60 29,904 29,971 30,459 29,349 31,226 30,269 30,057 28,732 28,429 28,407 28,510 28,492 29,970 28,296 28,721 28,882 28,079 27,813 28,933 前年同月比 増 減 率 △ 1.8 0.2 1.6 1.6 1.8 0.3 △ 1.3 △ 2.2 △ 2.3 △ 3.2 △ 3.3 △ 3.0 △ 4.0 △ 5.8 △ 4.5 △ 4.5 △ 4.8 △ 5.1 △ 3.7 (単位:億円、%) 北海道 年 月 末 当座貸越 信金中金月報 2010.6 前年同月比 増 減 率 △ 0.7 △ 1.8 △ 0.7 △ 1.2 △ 0.7 0.3 3.1 3.6 4.0 3.3 3.2 2.9 2.2 1.9 1.3 0.9 0.7 △ 1.3 △ 1.9 前年同月比 増 減 率 △ 1.0 3.3 △ 0.1 △ 0.0 0.8 1.8 1.9 1.8 1.3 1.0 0.8 0.2 △ 0.0 △ 0.0 △ 0.8 △ 1.5 △ 1.6 △ 1.6 △ 1.0 東 京 123,508 124,506 123,881 122,963 123,303 125,809 125,048 124,542 124,596 124,161 124,198 123,766 124,235 124,070 123,395 124,264 123,613 123,270 122,784 四 国 10,631 10,608 10,684 10,665 10,862 10,976 11,023 10,927 11,004 10,981 10,976 10,952 11,008 10,978 10,976 10,996 10,923 10,899 10,917 前年同月比 増 減 率 0.3 0.8 △ 0.5 △ 0.5 △ 1.2 0.2 0.9 1.2 0.9 0.9 0.8 0.4 0.7 0.9 △ 0.0 △ 1.2 △ 1.5 △ 1.7 △ 1.8 前年同月比 増 減 率 △ 1.1 △ 0.2 0.7 1.1 1.7 2.6 3.1 2.9 2.9 2.9 2.7 2.2 1.3 1.2 0.8 0.1 0.1 △ 0.1 △ 0.9 関 東 118,550 119,227 119,536 118,659 120,300 121,719 121,363 120,466 120,402 120,037 120,022 119,811 120,476 120,176 119,800 120,950 120,044 119,821 119,681 九州北部 11,523 11,566 11,709 11,751 11,903 12,245 12,258 12,180 12,193 12,174 12,165 12,157 12,188 12,173 12,110 12,238 12,128 12,112 12,124 前年同月比 増 減 率 1.1 0.5 0.2 0.3 0.6 1.6 1.5 1.7 1.4 1.1 0.9 0.5 0.1 0.4 △ 0.2 △ 0.6 △ 0.7 △ 0.9 △ 1.3 前年同月比 増 減 率 1.3 0.3 1.2 2.1 2.0 4.1 4.6 4.8 4.2 3.6 3.3 2.5 2.3 2.5 1.3 △ 0.0 △ 0.7 △ 1.4 △ 1.0 北 陸 18,546 18,384 18,316 18,208 18,510 18,652 18,647 18,378 18,522 18,472 18,487 18,475 18,567 18,483 18,405 18,564 18,391 18,387 18,326 南九州 15,260 14,963 14,652 14,554 14,759 15,070 14,810 14,680 14,703 14,631 14,622 14,613 14,694 14,653 14,619 14,783 14,657 14,646 14,594 前年同月比 増 減 率 △ 0.4 △ 0.8 △ 0.3 △ 0.2 0.8 1.2 1.8 1.4 1.6 1.4 1.2 0.5 0.3 0.6 △ 0.1 △ 0.4 △ 0.9 △ 0.8 △ 1.7 前年同月比 増 減 率 △ 0.6 △ 1.9 △ 2.0 △ 1.8 △ 1.0 △ 0.0 1.0 0.6 0.5 0.5 0.3 △ 0.0 △ 0.4 △ 0.7 △ 1.3 △ 1.9 △ 2.1 △ 1.9 △ 1.4 東 海 119,924 122,722 123,155 122,752 125,327 127,407 127,618 126,701 127,196 126,871 126,947 126,744 127,663 126,837 126,494 127,991 126,882 126,689 127,768 全国計 626,702 634,953 635,433 630,412 638,492 649,018 648,786 643,667 644,816 642,434 642,593 641,254 644,595 642,984 640,200 646,570 641,724 640,893 642,765 前年同月比 増 減 率 1.2 2.3 0.3 0.9 1.7 2.9 3.6 3.8 3.6 3.3 3.1 2.5 1.8 1.8 0.9 0.4 0.1 △ 0.0 0.1 前年同月比 増 減 率 0.9 1.3 0.0 0.2 0.4 1.6 2.1 2.2 2.0 1.9 1.7 1.1 0.9 1.1 0.2 △ 0.3 △ 0.6 △ 0.8 △ 0.9 1.(6)信用金庫の貸出先別貸出金 (単位:億円、%) 貸出金計 年 月 末 2005. 06. 07. 08. 3 3 3 3 6 9 12 09. 3 6 9 12 年 月 末 620,947 626,700 634,953 635,431 630,411 638,490 649,017 648,783 642,433 644,594 646,569 32,326 32,103 32,828 32,332 31,819 32,376 33,911 32,996 32,703 33,088 33,551 年 月 末 サービス業 (各種サービス) 2005. 06. 07. 08. 3 3 3 3 6 9 12 09. 3 6 9 12 構成比 △ 0.1 0.9 1.3 0.0 0.2 0.4 1.6 2.1 1.9 0.9 △ 0.3 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 卸売業 3 3 3 3 6 9 12 09. 3 6 9 12 2005. 06. 07. 08. 企業向け計 前年同月比 増 減 率 80,908 80,075 79,987 78,660 78,590 79,080 80,493 80,166 ― ― ― 404,453 407,728 416,942 416,464 412,785 419,868 430,274 427,171 423,022 425,819 428,252 製造業 前年同月比 増 減 率 構成比 △ 0.1 0.8 2.2 △ 0.1 0.0 0.1 1.7 2.5 2.4 1.4 △ 0.4 65.1 65.0 65.6 65.5 65.4 65.7 66.2 65.8 65.8 66.0 66.2 小売業 前年同月比 増 減 率 構成比 △ 2.1 △ 0.6 2.2 △ 1.5 △ 1.7 △ 2.5 0.9 2.0 2.7 2.1 △ 1.0 5.2 5.1 5.1 5.0 5.0 5.0 5.2 5.0 5.0 5.1 5.1 前年同月比 構成比 増 減 率 △ △ △ △ △ △ 3.6 1.0 0.1 1.6 1.3 1.3 0.2 1.9 ― ― ― 13.0 12.7 12.5 12.3 12.4 12.3 12.4 12.3 ― ― ― 飲食業 11,812 11,116 10,780 10,304 10,244 10,209 10,377 10,284 10,479 10,551 10,574 △ △ △ △ △ △ △ 構成比 7.4 3.4 1.9 3.3 3.1 3.5 1.4 0.7 △ 0.5 △ 0.8 △ 3.0 5.5 5.3 5.1 4.9 4.9 4.9 4.9 4.9 4.8 4.8 4.7 前年同月比 増 減 率 構成比 2005. 06. 07. 08. 3 3 3 3 6 9 12 09. 3 6 9 12 物品賃貸業 3,398 3,399 3,379 3,145 3,105 3,131 3,128 3,159 3,207 3,218 3,303 前年同月比 構成比 増 減 率 △ 1.2 0.0 △ 0.5 △ 6.9 △ 6.7 △ 5.7 △ 4.7 0.4 3.2 2.7 5.5 0.5 0.5 0.5 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.5 18,529 21,043 23,294 27,845 27,760 28,171 29,068 32,878 33,391 33,063 33,630 △ 3.2 △ 1.5 1.2 △ 3.2 △ 3.4 △ 3.5 △ 0.5 1.3 0.8 △ 0.1 △ 3.2 12.7 12.4 12.4 12.0 11.9 11.9 12.1 11.9 11.8 11.8 11.8 前年同月比 増 減 率 構成比 12.9 7.9 7.8 5.4 5.4 4.8 4.4 3.1 4.2 3.6 3.2 14.9 16.0 17.0 17.9 18.1 18.1 17.9 18.1 18.6 18.6 18.6 前年同月比 増 減 率 構成比 △ △ △ △ △ △ △ △ 6.8 5.8 3.0 4.4 3.6 3.8 1.3 0.1 2.2 3.3 1.8 92,948 100,316 108,200 114,045 114,717 115,802 116,811 117,600 119,545 120,076 120,657 宿泊業 1.9 1.7 1.6 1.6 1.6 1.5 1.5 1.5 1.6 1.6 1.6 地方公共団体 年 月 末 構成比 不動産業 前年同月比 増 減 率 34,509 33,303 32,640 31,544 31,191 31,367 32,002 31,793 31,014 31,097 31,028 79,376 78,118 79,103 76,511 75,317 76,210 79,149 77,564 75,969 76,099 76,587 建設業 前年同月比 増 減 率 8,488 8,165 7,887 7,427 7,457 7,449 7,451 7,311 7,416 7,414 7,364 △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ 構成比 9.4 13.5 10.6 19.5 21.3 22.8 25.6 18.0 20.2 17.3 15.6 2.9 3.3 3.6 4.3 4.4 4.4 4.4 5.0 5.1 5.1 5.2 197,965 197,929 194,717 191,122 189,866 190,451 189,675 188,734 186,020 185,712 184,687 59,463 58,229 57,780 56,640 54,351 55,597 57,818 57,509 54,530 55,628 55,857 2.7 3.8 3.4 5.8 4.9 4.3 2.5 1.5 0.5 0.4 1.1 1.3 1.3 1.2 1.1 1.1 1.1 1.1 1.1 1.1 1.1 1.1 前年同月比 増 減 率 構成比 △ △ △ △ △ △ 3.7 2.0 0.7 1.9 1.7 2.5 0.0 1.5 0.3 0.0 △ 3.3 9.5 9.2 9.0 8.9 8.6 8.7 8.9 8.8 8.4 8.6 8.6 個人による貸家業 前年同月比 構成比 増 減 率 ― ― ― ― ― ― ― ― 49,847 51,621 52,140 医療・福祉 個 人 前年同月比 増 減 率 前年同月比 構成比 増 減 率 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 7.7 8.0 8.0 前年同月比 構成比 増 減 率 13,434 14,053 14,758 15,228 15,636 15,835 16,214 16,406 16,900 17,025 17,251 3.3 4.6 5.0 3.1 4.9 5.5 6.3 7.7 8.0 7.5 6.3 2.1 2.2 2.3 2.3 2.4 2.4 2.4 2.5 2.6 2.6 2.6 住宅ローン △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ 1.0 0.0 1.6 1.8 1.8 1.4 1.4 1.2 2.0 2.4 2.6 31.8 31.5 30.6 30.0 30.1 29.8 29.2 29.0 28.9 28.8 28.5 前年同月比 構成比 増 減 率 143,781 147,901 149,058 148,973 149,203 149,835 150,346 149,717 148,724 148,984 149,328 △ △ △ △ 0.4 2.8 0.7 0.0 0.2 0.5 0.3 0.4 0.3 0.5 0.6 23.1 23.5 23.4 23.4 23.6 23.4 23.1 23.0 23.1 23.1 23.0 (備考) 1.日本銀行「業種別貸出金調査表」より作成。このため、「日計表」による(5)科目別・地区別貸出金の貸出金計とは一致しない。 2.企業向け計には、海外円借款、 国内店名義現地貸を含む。 3.2005年3月から2005年12月までの増減率は、旧杵築信用金庫を調整して算出 4.2009年6月から日本銀行「業種別貸出金調査表」の業種分類変更に伴い、不動産業の内訳として「個人による貸家業」を追加 サービス業(各種サービス)の更新停止に伴い、 「飲食業」、 「宿泊業」、「医療・福祉」、「物品賃貸業」を追加 統 計 61 1.(7)信用金庫の余裕資金運用状況 (単位:億円、%) 年 月 末 現 金 2006. 07. 08. 08. 3 3 3 6 9 12 09. 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 10. 1 2 3p 商 品 有価証券 年 月 末 2006. 07. 08. 08. 3 3 3 6 9 12 09. 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 10. 1 2 3p 年 月 末 2006. 07. 08. 08. 16,963 17,490 16,670 16,023 14,998 17,680 16,741 15,522 15,548 16,495 14,325 14,441 15,210 13,779 14,507 16,104 13,950 13,172 15,858 3 3 3 6 9 12 09. 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 10. 1 2 3p 預け金 194,245 193,753 208,064 225,683 217,379 221,660 214,336 228,228 224,662 233,383 230,101 233,386 231,012 232,705 233,649 238,101 231,150 234,966 227,780 2.4) 0.2) 7.3) 5.8) 2.7) 0.0) 3.0) 1.3) 4.2) 3.4) 4.0) 3.1) 6.2) 7.1) 8.2) 7.4) 7.0) 4.6) 6.2) 151,668 168,470 176,971 198,084 188,006 194,122 181,259 201,943 198,047 206,524 204,903 209,591 202,244 208,148 208,852 203,252 196,453 197,881 190,067 6.4) 3.9) 1.6) 3.1) 4.0) 2.5) 0.2) 1.1) 0.1) 0.2) 0.1) 1.1) 0.3) 1.3) 1.6) 1.9) 2.8) 3.7) 5.6) 89,127 98,728 101,608 98,842 99,929 91,472 97,509 96,607 96,417 91,967 93,211 96,130 96,783 97,043 97,329 96,658 99,920 102,827 104,033 投資信託 外国証券 8,911 9,518 9,129 10,332 10,222 9,960 6,602 8,170 8,018 7,850 7,734 7,552 7,317 7,293 7,295 7,199 7,034 6,914 6,630 47,338 47,161 47,488 49,488 49,830 49,753 44,613 46,642 46,474 46,074 45,111 44,548 44,186 43,871 43,253 42,581 42,353 41,890 40,933 有価証券 69 59 45 54 50 41 36 40 43 36 38 41 38 51 48 44 59 56 50 306,055 318,110 323,482 332,248 334,654 330,068 324,132 332,861 334,101 331,519 333,492 336,779 335,707 338,432 337,715 336,438 341,772 345,301 342,410 株 式 貸付信託 9,236 10,514 8,284 8,819 8,687 8,787 6,580 8,283 8,003 7,925 7,843 7,688 7,598 7,602 7,593 7,432 7,287 7,274 7,171 (△ (△ ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( うち信金中金預け金 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ( ( ( ( ( ( ( ( ( (△ ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( 0.4) ( 11.0) ( 5.0) ( 3.9) ( 1.1) (△ 1.4) ( 2.4) ( 2.0) ( 4.5) ( 4.2) ( 5.5) ( 5.1) ( 7.5) ( 8.8) ( 9.9) ( 4.7) ( 4.6) (△ 0.0) ( 4.8) 国 債 買入手形 コール ローン ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 0 0 500 0 300 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1,949 7,517 8,918 9,649 7,979 7,148 2,439 4,937 4,006 5,854 4,374 5,408 4,092 5,459 4,939 6,351 6,799 6,712 3,751 地方債 短期社債 金融機関 貸 付 等 1,949 ( 8.0) ( 10.7) ( 2.9) (△ 0.7) ( 3.5) (△ 1.8) (△ 4.0) (△ 3.9) (△ 4.7) (△ 6.9) (△ 5.2) (△ 1.3) (△ 3.1) (△ 0.4) ( 2.6) ( 5.6) ( 6.6) ( 8.9) ( 6.6) 34,696 33,976 34,602 36,664 37,067 37,297 37,995 39,110 39,355 40,330 40,972 41,869 42,126 43,272 43,580 44,445 45,882 46,985 46,760 その他の 証 券 1,466 1,404 1,616 1,451 1,422 1,408 1,150 1,293 1,318 1,310 1,322 1,317 1,304 1,309 1,313 1,310 1,309 1,304 1,257 余資運用 資 産 計 (A) 524,777 543,515 563,638 589,117 581,294 582,358 562,869 586,823 583,961 593,639 588,056 595,681 592,253 595,892 596,727 602,961 599,309 606,005 595,410 80 169 320 810 352 1,546 283 519 643 710 758 753 394 491 600 610 638 468 21 信金中金 利 用 額 (B) 151,668 168,470 176,971 198,084 188,006 194,122 181,259 201,943 198,047 206,524 204,903 209,591 202,244 208,148 208,852 203,252 196,453 197,881 190,067 債券貸借取引 買入金銭 買現先勘定 支 払 保 証 金 債 権 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 社 債 115,196 116,636 120,431 125,838 127,142 129,840 129,396 132,235 133,870 135,348 136,537 136,918 135,995 137,547 136,749 136,201 137,345 137,634 135,593 ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( 3.1) 1.2) 3.2) 4.2) 6.2) 7.2) 7.4) 7.4) 7.0) 7.5) 7.6) 7.9) 6.9) 7.1) 5.9) 4.8) 5.7) 5.5) 4.7) 預貸率 (A)/預金 57.3 56.9 55.8 54.5 55.2 55.6 56.1 55.0 55.3 54.6 54.9 54.5 54.8 54.6 54.5 54.5 54.4 54.1 54.7 47.9 48.7 49.5 50.9 50.3 49.9 48.7 50.2 50.0 50.4 50.2 50.6 50.4 50.6 50.8 50.8 50.8 51.1 50.7 0 1,303 1,299 194 757 305 759 99 101 400 0 101 799 0 200 149 0 353 150 公社公団債 42,609 44,265 42,898 44,347 43,807 43,609 42,510 43,682 44,633 44,087 44,282 44,627 43,746 44,704 44,644 44,192 44,896 45,852 44,763 金銭の信託 2,825 2,641 2,452 2,792 2,603 3,036 2,653 3,195 3,395 3,811 3,657 3,491 3,382 3,385 3,632 3,725 3,548 3,467 3,753 2,668 2,637 2,205 2,471 2,572 2,415 1,768 1,937 2,102 2,137 2,067 2,030 2,006 2,079 2,034 2,044 2,029 1,974 1,654 金融債 33,464 33,925 35,774 36,797 37,178 38,064 37,492 37,622 37,256 36,822 36,114 35,798 35,189 34,985 34,703 34,237 34,203 33,754 33,263 その他 39,122 38,445 41,758 44,693 46,156 48,167 49,394 50,930 51,980 54,438 56,141 56,492 57,059 57,857 57,402 57,771 58,245 58,027 57,564 預証率 (B)/預金 (B)/ (A) 27.9 28.5 28.4 28.7 28.9 28.3 28.0 28.4 28.6 28.1 28.5 28.6 28.5 28.7 28.7 28.3 29.0 29.1 29.1 13.8 15.1 15.5 17.1 16.2 16.6 15.6 17.2 16.9 17.5 17.5 17.8 17.2 17.7 17.7 17.1 16.6 16.7 16.1 28.9 30.9 31.3 33.6 32.3 33.3 32.2 34.4 33.9 34.7 34.8 35.1 34.1 34.9 34.9 33.7 32.7 32.6 31.9 (備考)1. ( )内は前年同月比増減率 2. 預貸率=貸出金/預金×100(%)、預証率=有価証券/預金×100(%)(預金には譲渡性預金を含む。) 3. 2006年8月末までの余資運用資産計は、現金、 預け金、金融機関貸付等、買入金銭債権、金銭の信託、商品有価証券、 有価証券の合計 4. 2006年9月末以降の余資運用資産計は、現金、預け金、買入手形、コールローン、買現先勘定、債権貸借取引支払保証 金、買入金銭債権、金銭の信託、商品有価証券、有価証券の合計 62 信金中金月報 2010.6 2.(1)業態別預貯金等 (単位:億円、%) 年 月 末 2006. 3 国内銀行 信用金庫 前年同月比 増 減 率 1,092,212 1.6 大手銀行 (債券、信託 を含む。) 前年同月比 増 減 率 7,428,778 7.6 (債券、信託 を含む。) 前年同月比 増 減 率 4,998,602 11.4 うち預金 前年同月比 うち都市銀行 前年同月比 増 減 率 増 減 率 2,911,320 1.7 2,507,624 1.5 地方銀行 前年同月比 増 減 率 1,888,910 0.5 07. 3 1,113,772 1.9 7,674,949 3.3 5,191,912 3.8 2,916,384 0.1 2,487,565 △ 0.7 1,936,818 2.5 08. 3 1,137,275 2.1 7,780,686 1.3 5,268,076 1.4 3,032,690 3.9 2,525,751 1.5 1,956,991 1.0 08. 6 1,155,357 2.0 7,798,134 0.6 5,243,945 0.1 3,039,528 4.1 2,522,926 1.5 1,992,541 1.8 9 1,154,026 1.7 7,529,496 △ 2.4 5,014,192 △ 4.1 3,026,582 3.3 2,492,534 2.0 1,959,024 1.3 1.5 12 1,164,845 1.4 7,625,566 △ 1.2 5,076,807 △ 2.4 3,038,382 2.7 2,490,156 1.2 1,986,613 09. 3 1,154,531 1.5 7,694,609 △ 1.1 5,131,449 △ 2.5 3,133,105 3.3 2,575,584 1.9 2,002,165 2.3 4 1,167,755 1.6 7,661,316 △ 1.3 5,083,802 △ 3.0 3,116,433 2.8 2,557,908 1.6 2,013,275 2.3 5 1,165,219 1.7 7,645,278 △ 1.3 5,062,378 △ 3.2 3,095,452 2.3 2,543,925 1.2 2,018,537 2.7 6 1,175,838 1.7 7,684,306 △ 1.4 5,078,496 △ 3.1 3,121,625 2.7 2,571,576 1.9 2,036,327 2.1 7 1,169,018 1.7 7,624,734 △ 0.8 5,048,271 △ 2.4 3,092,055 2.3 2,538,504 1.7 2,011,138 2.3 8 1,175,028 1.6 7,609,090 0.1 5,025,391 △ 0.7 3,076,335 2.7 2,523,539 2.2 2,016,436 2.1 9 1,173,980 1.7 7,651,985 1.6 5,066,773 1.0 3,095,631 2.2 2,536,077 1.7 2,016,367 2.9 10 1,175,305 2.3 7,579,332 0.3 4,994,578 △ 1.3 3,048,885 1.3 2,496,707 0.6 2,016,193 3.8 11 1,173,422 2.0 7,632,672 0.2 5,040,703 △ 1.0 3,094,858 1.4 2,545,976 1.2 2,023,462 3.0 12 1,185,688 1.7 7,633,465 0.1 5,013,001 △ 1.2 3,089,445 1.6 2,534,595 1.7 2,043,112 2.8 10. 1 1,177,279 2.0 7,620,976 0.3 5,020,001 △ 1.0 3,090,558 1.5 2,541,101 1.8 2,028,975 3.1 2 1,183,144 1.8 7,640,521 0.1 5,021,944 △ 1.1 3,098,756 1.1 2,550,103 1.6 2,043,890 2.9 3 p 1,173,643 1.6 年 月 末 第二地銀 前年同月比 増 減 率 信用組合 前年同月比 増 減 率 労働金庫 農業協同組合 前年同月比 増 減 率 郵便貯金 前年同月比 増 減 率 預貯金等合計 前年同月比 増 減 率 前年同月比 増 減 率 2006. 3 541,266 0.3 159,430 2.1 141,803 2.3 788,653 1.5 2,000,023 △ 6.6 11,610,899 3.7 07. 3 546,219 0.9 ― ― ― ― ― ― 1,869,692 △ 6.5 10,658,413 1.3 08. 3 555,619 1.7 ― ― ― ― ― ― 1,817,438 ― 10,735,399 ― 08. 6 561,648 1.3 ― ― ― ― ― ― 1,811,385 ― 10,764,876 ― 9 556,280 0.7 ― ― ― ― ― ― 1,785,613 ― 10,469,135 ― 12 562,146 0.7 ― ― ― ― ― ― 1,791,005 △ 3.5 10,581,416 △ 1.3 09. 3 560,995 0.9 ― ― ― ― ― ― 1,774,798 △ 2.3 10,623,938 △ 1.0 4 564,239 1.3 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 5 564,363 1.6 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 6 569,483 1.3 ― ― ― ― ― ― 1,782,331 △ 1.6 7 565,325 1.7 ― ― ― ― ― ― ― ― ― 8 567,263 1.6 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 9 568,845 2.2 ― ― ― ― ― ― 1,764,443 △ 1.1 10,590,408 1.1 10 568,561 3.1 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 11 568,507 2.4 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 12 577,352 2.7 ― ― ― ― ― ― 1,769,908 △ 1.1 10,589,061 0.0 10. 1 572,000 2.7 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 2 574,687 2.5 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 3 10,642,475 △ 1.1 ― (備考)1. 日本銀行『金融経済統計月報』、ゆうちょ銀行ホームページ等より作成 2. 大手銀行は、国内銀行−(地方銀行+第二地銀)の計数 3. 国内銀行 ・ 大手銀行には、全国内銀行の債券および信託勘定の金銭信託 ・ 貸付信託・年金信託・財産形成給付信託を含 めた。 4. 信用組合、労働金庫、農業協同組合の計数については、日本銀行がデータの掲載を中止したことを受けて、更新を停止 した。 5. 2007年10月以降の郵便貯金は、振替貯金を含む。また、郵便貯金は2008年4月より四半期ベースで公表 6. 預貯金等合計は、単位(億円)未満を切り捨てた各業態の預貯金残高の合計により算出した。なお、2006年4月以降に ついては、信用組合、労働金庫、農業協同組合を除いたベースで算出した。 統 計 63 2.(2)業態別貸出金 (単位:億円、%) 年 月 末 2006. 3 信用金庫 大手銀行 地方銀行 前年同月比 増 減 率 626,702 0.9 前年同月比 増 減 率 2,291,469 2.1 前年同月比 増 減 率 1,896,885 1.4 都市銀行 第二地銀 前年同月比 増 減 率 1,403,556 2.2 信用組合 前年同月比 増 減 率 412,564 2.2 前年同月比 増 減 率 93,078 1.3 07. 3 634,953 1.3 2,270,176 △ 0.9 1,860,370 △ 1.9 1,445,409 2.9 419,377 1.6 ― ― 08. 3 635,433 0.0 2,281,304 0.4 1,854,662 △ 0.3 1,483,586 2.6 429,309 2.3 ― ― 08. 6 630,412 0.2 2,284,825 1.2 1,862,142 0.6 1,478,736 3.1 426,408 2.2 ― ― 9 638,492 0.4 2,280,702 1.3 1,849,717 0.8 1,495,911 2.9 430,585 1.9 ― ― 12 649,018 1.6 2,391,819 5.0 1,957,331 5.1 1,540,058 4.6 436,608 1.8 ― ― 09. 3 648,786 2.1 2,391,966 4.8 1,952,042 5.2 1,547,581 4.3 435,832 1.5 ― ― 4 643,667 2.2 2,371,777 4.7 1,940,527 5.0 1,533,233 4.1 432,824 1.6 ― ― 5 644,816 2.0 2,363,504 4.3 1,931,307 4.4 1,533,718 3.7 433,725 1.4 ― ― 6 642,434 1.9 2,346,518 2.7 1,912,553 2.7 1,527,067 3.2 432,265 1.3 ― ― 7 642,593 1.7 2,330,381 2.4 1,900,982 2.4 1,527,455 2.9 433,163 1.4 ― ― 8 641,254 1.1 2,307,220 1.5 1,878,428 1.3 1,525,596 2.5 432,268 1.0 ― ― 9 644,595 0.9 2,319,911 1.7 1,873,709 1.2 1,534,325 2.5 436,640 1.4 ― ― 10 642,984 1.1 2,299,148 △ 0.5 1,865,703 △ 1.1 1,531,519 2.1 434,419 1.3 ― ― 11 640,200 0.2 2,294,912 △ 1.9 1,863,046 △ 2.8 1,525,959 0.9 432,866 0.4 ― ― 12 646,570 △ 0.3 2,306,697 △ 3.5 1,870,486 △ 4.4 1,540,391 0.0 438,591 0.4 ― ― 10. 1 641,724 △ 0.6 2,286,166 △ 3.4 1,857,698 △ 4.2 1,536,562 0.0 436,530 0.4 ― ― 2 640,893 △ 0.8 2,283,568 △ 3.8 1,853,333 △ 4.7 1,535,649 △ 0.0 436,229 0.4 ― ― 3 p 642,765 △ 0.9 ― ― 年 月 末 2006. 3 労働金庫 農業協同組合 前年同月比 増 減 率 97,095 2.3 公的金融機関 前年同月比 増 減 率 213,185 0.0 前年同月比 増 減 率 ― ― うち中小 企業向け 前年同月比 増 減 率 ― ― 合 計 うち住宅 金融公庫 前年同月比 増 減 率 ― ― 前年同月比 増 減 率 4,734,291 2.0 07. 3 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 4,769,915 0.7 08. 3 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 4,829,632 1.2 08. 6 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 4,820,381 1.7 9 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 4,845,690 1.7 12 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 5,017,503 4.2 09. 3 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 5,024,165 4.0 4 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 4,981,501 3.9 5 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 4,975,763 3.6 6 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 4,948,284 2.6 7 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 4,933,592 2.4 8 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 4,906,338 1.7 1.8 9 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 4,935,471 10 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 4,908,070 0.7 11 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 4,893,937 △ 0.5 12 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 4,932,249 △ 1.6 10. 1 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 4,900,982 △ 1.6 2 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 4,896,339 △ 1.9 3 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― (備考)1. 日本銀行『金融経済統計月報』より作成 2. 大手銀行は、国内銀行−(地方銀行+第二地銀)の計数 3. 公的金融機関は、日本政策投資銀行、国際協力銀行、国民生活金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業 金融公庫、公営企業金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、商工組合中央金庫の合計 4. 公的金融機関のうち中小企業向けは、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫の合計 5. 信用組合、労働金庫、農業協同組合、公的金融機関 の計数については、 日本銀行がデータ の掲載を 中止したことを受 けて、更新を停止した。 6. 合計は、単位(億円)未満を切り捨てた各業態の貸出金残高の合計により算出した。なお、2006年3月以降については、 信用組合、労働金庫、農業協同組合、公的金融機関を除いたベースで算出した。 64 信金中金月報 2010.6 ホームページのご案内 当研究所のホームページでは、当研究所の調査研究成果である各種レポート、信金中金月報のほか、統計デー タ等を掲示し、広く一般の方のご利用に供しておりますのでご活用下さい。 また、「ご意見・ご要望窓口」を設置しておりますので、当研究所の調査研究や活動等に関しまして広くご意 見等をお寄せいただきますよう宜しくお願い申し上げます。 【ホームページの主なコンテンツ】 ○当研究所の概要、活動状況、組織 ○各種レポート 内外経済、中小企業金融、地域金融、 協同組織金融、産業・企業動向等 ○刊行物 信金中金月報、全国信用金庫概況等 ○信用金庫統計 日本語/英語 ○アジア主要国との貿易・投資に関する各種情報 海外ビジネス支援 ○論文募集 【URL】 http://www.scbri.jp/ I S S N 1 3 4 6−9 4 7 9 2010年(平成22年)6月1日 発行 2010年6月号 第9巻 第6号(通巻450号) 発 行 信金中央金庫 編 集 信金中央金庫 地域・中小企業研究所 〒103−0028 東京都中央区八重洲1−3−7 TEL 03(52 02)7 6 7 1 F A X 0 3(3 2 7 8)70 4 8 < 本 誌 の 無 断 転 用 、転載を禁じます>