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アラブの書物の書き方、読まれ方
BR008R1 アラブの書物の書き方、読まれ方 研究のタイトル: マムルーク朝時代の歴史叙述と社会的実践 氏名:中町信孝 教授 所属:文学部 歴史文化学科 1.適用分野: イスラーム都市社会論、書物と読書の文化史 2.内容: ・特徴: イスラーム的知の担い手であるウラマー(知識人)は、前近代の都市社会に おいて支配エリートと民衆との仲介役として重要な役割を担っていた。この研 究では、歴史家としても知られる著名なウラマーの一人を取り上げ、彼がどの ように歴史書を著し、そしてそれがどのようにして人々に読まれていたのかを 検討することで、ウラマーと社会との関係を明らかにする。 ・概要: マムルーク、ウラマー、民衆の3者関係が織りなすマムルーク朝(1250-1517) の都市社会において、知を担うウラマーは文化面のみならず政治や社会全般に 対し大きな影響力を有した。歴史家でもあり政治家でもあった知識人アイニー (1360-1451)の場合、歴史書を執筆する、君主の御前でそれを読みあげる、写本 を作らせ流布させるといった歴史叙述行為が、彼の政治的・社会的活動と深く 関わっていたことが観察される。彼の著作の写本はトルコ、エジプト、英、 仏、独など各国に分散して収蔵されているが、それらの写本調査の積み重ねか ら、一人の知識人の著述戦略と、当時の都市社会での受容のされ方が、詳細に 再構成できるのである。 アイニーが建立した学院(カイロ) アイニーの直筆本(15 世紀) 3.キーワード: イスラーム史、アラブ中世史、歴史文献学、写本学、ウラマー 4.連絡先:甲南大学フロンティア研究推進機構(甲南フロント) TEL:078-435-2754 [email protected] http://www.konan-u.ac.jp/front/ BR008R1