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医療現場で働く医師やコメディカルの方々は

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医療現場で働く医師やコメディカルの方々は
医療現場で働く医師やコメディカルの方々は、過酷な勤務状況に
丹波医療再生ネットワークは、我が国の医療再生の希望の星です。
も関わらず、献身的に地域の皆さんへ提供する医療を支えてきまし
患者・家族・医療者が熟議を繰り返し、小児科を守った話は広く国民
た。それにも関わらず、現在、各地の医療機関が診療縮小や閉鎖を余
の知るところです。また、このような活動を丹念にフォローし、地域の
儀なくされています。先日、医師や看護師が比較的多いはずの東京
コンセンサス形成に貢献した丹波新聞は、新しいメディアのあり方を
でさえ、妊婦さんの脳内出血の処置ができる病院がすぐに見つから
示しています。全ての関係者の方々に深く敬意を表します。現在、地
すなわち
これを踏まえて、この状況を地域の住民に正しく啓蒙する事、正しい
ず、お亡くなりになるという悲しい出来事がありました。
域の病院を存続させるため、統合も含め、議論が進んでいるとお聞
1.するべき決断を下さなかった行政
情報を住民と共有する事こそが議会議員の役目と深く考えました、
きしています。皆さんでしたら、地域の力を結実して、この問題を解決
2.医療を有限と考えず使い潰してきた市民
そんなときに我が町の副院長の兼古 Drから兵庫県丹波の柏原病院
されるでしょう。この活動が、我が国の医療再生のモデルとなります。
3.医療の限界と不確実性について情報発信を怠たり、行政・市民と
の小児科の話とそれら崩壊を止め たお母さん達の話しを聞きまし
皆様のご活躍を期待しています。
連携してこなかった医療者
た。
これらの問題の背景には、医師不足、看護師不足といった、医療現
場の人手不足という根本的な問題があります。私は、「安心と希望の
いま、日本各地で医療が崩壊していると言われています。
方策を理事者に提案してきました。
僻地・離島のみならず、都市部でも医療は崩壊しつつあります。
結果、現在は素晴らしく地域住民に必要とされる病院に改革され院
内外からも非常に頼りにされるスタッフになりました。
この原因は3つの視点から考えることが出来ます。
医療確保ビジョン」具体化に関する検討会での議論等を通じて、医学
一般のお母さん達に出来る事が、住民の代表の議会議員がやらない
部定員を削減するという 1997 年の閣議決定を、11 年ぶりに見直し、
◆東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム
医師養成数を増やす方針を決めました。しかし、医師が一人前となっ
社会連携研究部門 上昌広
この3つの相乗効果によって医療は崩壊してきました。
わけには行かないと考え、今年の 4 月に設立総会を開き北海道でも
初めて医療崩壊に歯止めをかける動きが現れました。
て、皆さんの地域の医療を支える人材となるまでは、10 年近くかかり
北海道内の各市町村でも、
ます。
1.病院赤字を何とかしろと口だけ出す行政
本日講師の伊関先生や、夕張希望の杜の村上 Dr などに教授を受け
2.普段は地元の病院にかからず、コンビニ救急のみに地元の病院を
ながらこれからも頑張っていきます。特に柏原病院の小児科を守る
思います。
使う住民
会の代表の丹生さんの活動は我々にとっても大変参考となります。
療現場で働く医師やコメディカルの方々と、その方々を支える地域
戦争に勝つためには何をすべきか?
3.住民・行政に何も言わずただ立ち去る医療者
住民の皆さん一人一人が行動することが重要です。本年 7 月に、「兵
まず豊富で正確な情報収集、そして的確な分析、迅速な決断、さらに
この3つでいくつもの地域が医療崩壊の危機にさらされています。
庫県立柏原病院の小児科を守る会」や「丹波医療再生ネットワーク」
間髪を入れず行動すること。
の皆さんに柏原病院でお会いしました。「コンビニ受診をやめよう」
「医療崩壊」という敵が目の前に迫っているのに、ちんたら対策会議
今、丹波は「県立柏原病院の小児科を守る会」の活動を通じて、医
という呼びかけなど、様々な活動を拝見し、まさにこれが、医療再生
を開催したり、関係者の利害調整を図っていたのでは、「不名誉の戦
療崩壊を防ぐ一つのモデルケースとして全国から注目を集めていま
現在町内を奔走しております。
への大きな一歩だと確信しました。お母さん方が作られた「病院に行
死」を免れないのは火を見るより明らかです。
す。それは市民と医療者の本格的連携により、医療崩壊を防いだ数
地域医療崩壊を真剣に考えて行動できる町長目指して頑張っていま
く、その前に・・・」は、我が家でも重宝しています。
問題の先送り、すなわち「現状維持という選択」は、座して死を待つ
少ない実例であるからです。
すのでお許し下さい。
いま、医療をめぐる情勢は「戦争状態」といっても過言ではないと
目の前に迫っている医療崩壊の危機を乗り越えるためには、今、医
本来ならば、本日のフォーラムに参加をして一言お祝いを述べさせ
ていただきたかったのですが、あいにく現在 11 月 25 日告示 30 日投
票が行われます、上富良野町長選挙に立候補を予定しておりまして、
以外の何物でもありません。
地域住民が医療従事者と共に、地域の医療を考え、医療を守って
おられる、丹波の皆さんの行動を、日本中が注目しています。そして、
丹波の医療再生と、全国各地でも丹波の皆さんのような
勇気ある活動が広まることを祈念いたします。
丹波はいま、「小児科を守る会」のお母さんたちが活躍した第一幕
から、「医療再生」に向かう第二幕をあけられるかどうかの瀬戸際で
舛添要一
結びに、本日のこの医療フォーラムが皆さんにとっても、兵庫県にと
っても、日本にとっても有意義で実り多き会になることを心からご祈
そのために町長選に人を送り出すところまで動いています。
念申し上げます。
す。
行政は動きません。
◆厚生労働大臣
今、私たちの町でも丹波のケースを見本に医療者・市民・行政の連
携を図って医療を崩壊させないようにしようと動き始めています。
行政を動かすのは市民の力です。丹波市民が正しい決断をし、そ
彼らは等しく「決断したくない症候群」に冒されているからです。
れが行政を動かす、そんなシンポジウムになるようお祈りいたしま
だから、動くのは、ここにお集まりのみなさんしかいない。
す。
みなさんが行動を始めることで、動かない行政の尻(ケツ)を蹴り飛
本日の緊急医療フォーラムが新たな活動のうねりを生み出すこと
ばすしかないのです。
◆北海道地域医療を守る地方議員連盟
代表
金子益三
高知県は中山間地域が多く、林業の衰退で限界集落という専門用
◆上富良野町立病院外科医長・副院長 兼古 稔
語が生まれた地域です。
と確信しております。丹波の地域の医療を守ろうと一致団結し、行動
不幸にして活用できる医療資源は限られており、従って医療再生は
されている皆様を私は尊敬しています。私も立法府の一員として、現
「早い者勝ち」でしかあり得ません。
場の皆様の声を最大限に生かした政策づくりのため、微力を尽くす
その危機感を共有できた地域のみが次の舞台の幕をあけることが
所存です。
できるのです。
様大変おめでとうございます。
ずや観光で現在も元気です。
ここにお集まりのみなさんの決断と行動に熱い期待と連帯のエール
またご参加の皆様におかれましても、非常に医療崩壊危機に対する
担当者がすぐ変わり、時代によって言うことが違う行政は信用出来
を送ります。
真摯な受け止めに対しましても心から敬意を表します。
ません。
◆医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟幹事長
参議院議員
コウゾ、三つ又栽培で副業があり豊かだった地域は植林をおこない、
和紙の衰退で収益の道が断たれ村落が崩壊していきました。
今回の医療フォーラムを主催されました丹波医療再生ネットの皆
鈴木寛
副業も無く、山菜や椎茸で食いつないだ地域は、広葉樹林を残し、ゆ
住民が自分たちの未来を作るのです。
◆NHKディレクター
米原尚志
私たちは医療再生を目指して集まった医師の団体、全国医師連盟
さて、私は北海道で「地域医療を守る地方議員連盟」を立ち上げまし
今、地方では子供のいる世帯が収入や教育機会を求めて都市へ移
た、ラベンダー発祥の地、大雪山系十勝岳のふもとの町上富良野町
動していますが、都市では雇用機会が少ないために、非正規就労で
で、議会議員をしておりました金子益三です。
共働きをしているために子供が放置され充分な教育を受けられなく
です。守る会の丹生裕子さんとは、医療現場の危機打開と再建をめ
今の状況に行政が対応できるまでには、相当の時間がかかると思
ざす国会議員連盟のシンポジウムでご一緒させていただきました。
います。その行政にすべてをお任せで、責任追及ばかりしている間に
現在北海道はもとより全国的に急速におきている医療崩壊に対しま
地方が崩壊すれば行き先はないのです。
現場の医療スタッフの方々が身体を壊し、去っていってしまうかもし
して何とか住民、行政、医師が正しく連携を図りながらこの負のスパ
決断し、行動するしかないのです。
る優れた活動として高く評価しています。この活動を全国の多くの
れません。住民として出来る事、行政としてやらねばならないこと、
イラルを止める方策を模索しております。
医療は地域を支える社会基盤の一つに過ぎませんが、堤防に開いた
人が知るようになり、また、全国でおこなわれるようになれば、医療
そうしたことを現場の医療従事者の声に耳を傾けて真剣に考える。
しかし、この医療崩壊を止める王道はどこにも無く、ただひたすらこ
穴なのです。
の状況はかなり改善されるでしょう。これからも応援します。ご発展
そうしたシンポジウムになりますように、心からお祈りしています。
のような医療フォーラム、医療シンポジュームなどの開催を繰り返し、
30 名の医師が去って3億円の給与が地域で使われ無くなりました。
正しい情報の理解と住民の協力の他はありえないと考えます。
考えてみて下さい。
私達の町にも公立の病院があり、存続の危機に際した折に医師、職
◆近森病院
私たちは、丹波医療再生ネットワークを医療再生の決め手になりう
をお祈りいたします。
◆NPO 法人地域医療を育てる会
◆全国医師連盟
代表
黒川衛、
及び執行部一同
なっています。
藤本晴枝(千葉県東金市)
員と議会議員が真剣に情報を共有して話し合い、考え合って最良の
近森正昭 (高知県高知市)
地域の 20 年後、30 年後を見据え、地域の医療を真剣に考え、行動
私たち自身が動く、ということがとても大切です。
できるのは、地域の人たちにほかなりません。
「県立柏原病院の小児科を守る会」および「丹波医療再生ネットワ
丹波のみなさま、こんにちは。
かつて「下町に佐久総合病院を作ろう」のかけ声の下に結集した
私はドクター向けの月刊誌を編集している者です。
医師たちがいました。彼らが足立区の片隅に作った病院は大きく成
評論家はたくさんいますが、実際に自分たちで汗をかける人がどれ
守る会の一部の方にはお会いしましたが、丹波を訪れたことはあり
長し、東京と埼玉に合わせて460床の病床と8つの診療所、9つの訪
ーク」、そして丹波地域住民のみなさまの活動に、注目しています。
ほど少ないでしょう。
ません。
問看護ステーションを持つ地域医療の砦を築いています。
◆沖縄県立北部病院
言うことは簡単ですが、実行は難しいです。
さて、ドクターは、患者さんと向き合う上で、患者さんが叶えきれない
それらの医療機関を支えるものは地域住民の作った「友の会」です。
要求をすることに、ため息をついているように思います。
我々も、住民に導かれた医療再生運動としての「丹波医療再生ネット
しかし、丹波の皆さまは実行され、そして日本中に影響を与えられま
病院に行けばたちどころに元気になること
ワーク」の活動に注目しています。
した。
(若返りといえるほどの無茶ではないかと思うこともあります)。
病理科部長
「やんばる母と子の命を守る勉強会」会員
大城
真理子
県立柏原病院小児科を守る会の皆様
丹波医療再生ネットワークの皆様
いつでも自分の都合で、同じドクターにかかれること。
◆柳原リハビリテーション病院医局長
そしてさらに今後に向けて動こうとなさっておられます。
医療費を支払わずに済むこと。
全国医師連盟執行部
そのような皆様に、心からの敬意を表します。
誰もが 理想 をもつことはいいと思います。
坂口
足立健康友の会会員
志朗
そして、丹波の医療を守ろうと会場にお集まりの皆様
この一年半、日本各地で地域医療が崩壊してゆくさまを見てきま
こうだったらいいな、と思うのは自由だからです。
した。
そして、私自身も皆様に続いて自分の出来ることを探し、
でも、多くの場合、現実と照らし合わせることなく、実際に口に出して、
「病院を守ってください」「お医者さんをください」。
周りにも呼び掛けたいと思います。
ドクターに要求してしまうのです。
各地で行政へ向けての署名運動が行われています。
でも、叶うことはほとんどありません。
知識を知恵に
ひとりでなくみんなで
生命には限りがあること、
このような思いにさせて頂いたことを、感謝申し上げます。
医師の数が足りないこと、
言葉でなく行動で
医療財源の問題、
そんな中に、柏原もあります。
皆様のご活動の今後の発展を、心より祈念しております。
どれも目の前にいるドクターに責任があるのでしょうか。
◆一記者より
その原因には、身体の緊急時にしか医療に関心が持てない、という
小児科を守る会も、どこにでもあるような署名運動とスタートは同じ
だったかもしれない。
◆千葉県立東金病院
「お医者さんをください」
事情があると思います。
当然、かなわなかったのですよね。
毎日忙しいから仕方ない。確かにそうかもしれません。
でも、ここではただそれだけで終わらなかった。
北海道は砂川の地で脳卒中医の見習いをしております。
ただ、痛かったり苦しかったり、という お取り込み中 では、きちんと
本題とちょっとずれるかもしれませんが、、、
医療を理解するのは難しいように思います。
脳卒中の病病連携は非常に進んでおります。
ところが、守る会のみなさんは、フツウの日に、フツウに医療につい
忙しいなりも仕事のしやすい環境にいると思っています。
て考え、しかも、たのしそうに、にこにこと、今、自分たちにできること
あきらめなかった。
行政ができないなら、自分たちが医療を守ろうとした。
地域の医療を守るためには、まず自分たち自身が、自分たちを変え
を話し合っています。
なければならない、と。
▼先日の空知脳卒中医療連携研究会で出ていた問題点で、急性期
小児科を守る会の皆様は、自ら学び、実践しました。
→回復期→在宅の流れが理解できていなく、病院を追い出されると
私が、すてきだな、と思うのは、「ありがとう」の運動です。
いう感情から転院の際に非常に MSW が苦労するという話が出ていま
お医者さんに「ありがとう」を伝えよう。
した。
「ありがとう」を伝えたお母さんたちは、きっと何かを受け取っていま
住民が、地域にいる医療者が、語り合い、自らを省み、自らがなせる
ことで手をつなぎあうことが、地域の医療を守る最初の一歩、なの
す。
だと柏原の地へ足を運び痛切に感じました。
▼パンフレットを充実させようという話が出ていましたが、こういう
そして、そんなお母さんの姿を見たちびっこたちも。
でも、最初の一歩でしかありません。
ところで住民の方々のパワーが活用されないのかな?ともふと思
だけど、守る会だけですべてをつなぎとめられるのでしょうか。
いました。脳卒中医療は、医療の中でも金食い虫部門です。予防がも
このシンポジュームを通じて、丹波の医療を守る力強い二歩目、三歩
ちろん一番ですが、なってしまった時は適切な時期に適切な医療施
守る会の活動に無関心な人たちでも、自分の健康を過信している行
目が踏み出されることを願っております。
設で治療されることが早期退院にも医療費を無駄に増やさないこ
政の人たちでも、いざとなればドクターを頼るでしょう。
とにもつながります。
いつも知らんぷりしているドクターに、急に、自分の都合だけを押し
◆ままだひろし
テレビディレクター
つけて、お願いするのでしょうか。
▼医療圏にある医療資源は全部足して1個の大きな病院(転院=同じ
日本中の医療関係者が丹波医療再生ネットワークの一挙手一投足に
病院内での転棟)という考えが地域住民にも医療従事者にも浸透し
普段から医療について考え、だからこそ、必要に応じて心おきなくド
なければというどなたかの発言が心に残っています。
クターを頼る。
注目しています。
守る会は、それが実現可能だと証明しています。
何かを変えてくれるのでないかと注目しています。
▼残念ながらこの時勢にありながらも、地方自治体のエゴで重装備
ただ、守る会だけでは、小児科以外を守れない、そのことも残念な
世界中がオバマ次期大統領に注目していたようにです。
急性期病院を維持・発展させる動きがこの地方にも見えます。
がら明らかになってきているのではないでしょうか。
とりとめのない話になってしまいましたが、地域の方に簡単にできる
元気なときから、医療(だけでなくていいけど)に思いやりをもって
医療を守るための活動、知識普及というのはたくさんあると思いま
参加できること。
す。逆に簡単なことなのに最初の一歩を踏めない事もたくさんあり
守る会によって芽生えているこのことが、丹波で確立し、さらには全
ます。
国に拡がることに、微力ながら私もかかわっていきたいと思います。
アメリカでは歴史が動きました。
今度は皆様の番です。そして我々もそれに続きます。
◆ロハス・メディカル発行人
川口
恭
最初の一歩を踏み出した県立柏原病院小児科を守る会の皆様、丹波
医療再生ネットワークの皆様の更なる発展を期待しております。
◆砂川市立病院
脳神経外科
大森
義範
◆仁科典子
院長
平井愛山
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