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PDF形式 816 キロバイト
かわら版
魚沼を支える建設産業の
2014. 2
No.8
スペシャリスト達を紹介する
。
道路の雪をとかしてくれる消雪パイフ、積もった雪を流すことができる流雪溝。魚沼に欠かせ
ない 2 つの消雪施設は、道路除雪(No.7 参照)と並んで、私たちの暮らしを⽀えてくれる⼤切
な役割を担っています。
消雪パイプから
水が出ないと…
消雪パイプの故障により、約
消雪パイプや道路除雪で対処
50cm の雪が積もり交通が困
難に。
しきれない雪の処理に流雪溝
が活躍。
春から秋にかけて休止する消雪
傷んだノズル
パイプ。車の通行により傷んだ
り、水の出口であるノズルが詰
まることがしばしばあります。
魚沼市大塚新田
消雪パイプを点検することで、その効
消雪パイプが有ると無いとでは大違い。道路に積もった雪は通行す
果を確実にするだけでなく、長持ちさせ
る車に踏みかためられとけにくくなるばかりか、滑りやすくなり渋滞
ることにも繋がります。今回は小出地域
や事故の原因にもなります。
の消雪パイプの点検をしている関さんに
お話を伺いました。
イノッチ
関 義晴さん
株式会社星野工業
点検総延長は約 22km
故障の連鎖に苦労
消雪パイプの点検は 11 月上旬頃から始めます。
これまでの点検・修繕の中でも小出橋は苦労し
パイプの中の砂や泥を取り除く作業、水が飛び出るノズ
ました。1 か所を直すと他の箇所が壊れ、故障の連鎖
ルに詰まった砂やゴミを千枚通しで取り除く作業、水の
が起きる場所でした。また、橋は凍りやすいため、水
勢いはノズルから約 30cm の位置に飛ぶようにマイナ
が途切れることは許されません。毎日のように小出橋
スドライバーで弁を調節する作業などがあります。それ
を見に行ったものでした。
ほど難しい作業ではありませんが、点検の総延長が約
22km(小出地域)と長いため、効率的に点検すること
が難しいです。経験者が人海戦術で対応します。
感謝の言葉に応えたい
消雪パイプは新旧入り
交じって張り巡らされており、
消雪パイプごとに特徴を把握
経験豊富な 5 つの会社で連携
雪が降ると消雪パイプが動き出すわけですが、
して魚沼地域振興局管内の点
水が出ない、逆に出すぎるという連絡をいただくよう
検・修繕を行っています。作業
になります。その場合は、ただちに現地に駆けつけ、
は大変ですが、地域のかたの
点検・修繕を行います。制御盤や井戸の位置、故障の
「ご苦労さん」の声を聞くと
履歴やクセなどを把握しているので、現地に向かうま
「頑張らなきゃならん」と思い
でに修繕をイメージできます。ただ、作業は消雪パイ
ますね。
プが動かない時に行わなければならないので、豪雪の
新潟県魚沼地域振興局が管理する
魚沼では修繕できる日がかなり限られます。
消雪パイプの総延長は車道と歩道
を合わせて約 76km あります。
1 方向が詰まったノズル
1 つずつノズルを点検
センサー
消雪パイプ
操作盤
流雪溝
井戸
ポンプ
雪に克ち 雪を親とするものは流雪溝なり
嗚呼 先人の大智やあらむ
今や日本全国につくられ、活躍している流雪溝。
1934(昭和 9)年に小出の人々がホーリッコと呼ばれ
る小川を利用し、雪を流したことが流雪溝の始まりとさ
れています。
流 雪 溝 発 祥 の地
消雪パイプの水は水温が高い地下水が有効ですが、使
い過ぎは地盤沈下などを引き起こします。そこで、セン
サーにより降雪等を感知しポンプを動かすことで、必要
な時に必要な量の地下水を使うようにしています。
粘土の多い層
砂や小石の多い層
1 つの井戸を複数の地域が共
有したり、ポンプが動く時間
がタイマーで設定されている
消雪パイプもあります。
降雪センサーは、雪が積もり
にくいように斜めになってい
ます。
流雪溝への投入口は転落防止の 雪溝の内部は点検や修繕などの
ため格子状の枠が設けられます。 ために通路がつくられています。
日ごろから消雪パイプや流雪溝を利用して
いる地域のかたにお話を伺いました。
上町連合自治会会長
角屋日出男さん
魚野川
消雪パイプが無かった頃は、毎朝 5 時に起きて道路や車庫前を除雪し、流雪
溝に流していました。時には流雪溝が詰まり、住民同士のいさかいになること
もありましたので、消雪パイプが設置されたときは嬉しかったですね。秋には
パイプやノズルの詰まりを取り除く点検が行われます。それでも 1 週間ほど雪
が降り続くと消雪パイプの水が出なくなることがありますが、代わりに道路除
雪をしてくれるので助かります。消雪パイプの点検や道路除雪は地元の業者が
してくれるので安心です。雪や地域の事情をよく知っていますからね。
上町の流雪溝の水は佐梨川の長八堰から取水しています。幾重にも枝分かれ
し、下流にいくほど水量が減るため、上下流に気遣いながら流雪溝を利用して
います。また、地域で流雪溝の管理組合をつくり、土砂や流木の撤去などを行
っています。平成 23 年の佐梨川洪水の時は、組合員が取水ゲートを閉めて、
流雪溝に洪水が流れこまないようにしました。
イノッチ
佐梨川
網の目のように張り巡らされた流雪溝の水
路図。(小出町流雪溝現況図 H5 年より)
長八堰
佐梨川
私たちには欠かせない流雪溝ですが、20 年程前の流雪溝にはフタがなく、
子どもが落ちて流される事故がたびたびありました。今では流雪溝にフタが付
き、子どもが落ちる心配はほとんどなくなりました。
流雪溝も消雪パイプも今はあるのが当たり前ですが、その大切さを今の子ど
もたちがわかってくれるといいですね。
せせらぎのあと
長八堰
昔のフタのない 長八堰へ続く水路。
佐梨川の
流雪溝。
水が利用されています。
消雪パイプ点検の時に「●●さん来てねぇがぁ?」。流雪溝を利⽤する時に「●●さん、除雪してねぇけど⼼配らねぇ」。
消雪パイプや流雪溝は、地域のコミュニケーションにも⼀役買っていることに気づかされました。豪雪を⽣き抜くためには、助け合うことが⼀番
だということを⾝に染みてわかっている魚沼の⼈々。この地から流雪溝が誕⽣したのは「必然」だったのかもしれないですね。
発⾏
お問合せ
新潟県魚沼地域振興局地域整備部計画調整課
〒946-0004 魚沼市⼤塚新田 91-4
TEL:025-792-4071
URL:http://www.pref.niigata.lg.jp/uonuma_seibi/
FAX:025-792-7401
email:[email protected]
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