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の異教徒について
叙事詩 Chansond eRolandの異教徒について 信 森 広 光 ストの聖墓やイヱノレサレムの聖地などに全 I 8世紀のヨーロツパに実在し,君臨した く触れていないことも興味を与える.しか く Ca署名なフランスの王, Charlemagne( しかつてイエノレサレムを占領し, ソロモン 1emagne*)大帝のスペイン遠征に纏わる伝 の神殿を職した経験者 Va1dabrun( v .1 5 6 1 説をうたった 9 : 1 萱フランスの武勲詩の最も 6 6 7 ) 以外には東方の英雄達は誰も設場し h a n s o nd e 古いものとして算えられる LaC ていない. Roland の研究は, 従来しばしば行われて この叙事詩の場而はスペインであろう. きた. しかしその焦点は殆んど常に棋やか しかもその行動は 1 1陛紀のモール人の占領 な騎士道の典型として くR o 1 Ro1and ( 地が舞台となっている.しかしこの詩の作 1 a n t )に向けられてきたきらいがある.しか 将(点の作イ!?かどうかは問題で、ある)は, るに当時スペインがアフリカから渡来した この当時の顕著な特徴であった十字市のキ 回教徒のモール人,即ちサラセン人が占拠 リスト教精神を導入し,スペインの異教徒 していた模様をこの LaC h a n s o nd eRoland には異端者の宿命を負わせている.この作 の中から汲み取ることも 11 世フランスの叙 品自体には種々な問題が伏在しているとし 事詩を特徴づけるものとして重要な課題の ても,優れた詩人としてその技量を遺憾な 一つであるように思われる.そして,この く駆使して揃く異教徒の姿は生々しく, osephB e d i e rの手によって編纂さ 権威者 J l 乙戦乱が落着き優雅な芸術が栄え始めた 1 1 れた中世フランス語によるテキスト 世紀のスペインに定着したモーノレ人の女性 (Ma- 4 5 n u s c r i td'Oxford)を検討しながら,異教徒 型と,北アフリカ本国から君主の率いる援 の取扱いを眺めて行こう. 軍の勇猛な男性型との聞に明瞭な区別を表 h a n s o nd eRoland 先ず,この叙事詩 LaC 現していることは独特である.この 2種の を読んで感じることは,異教徒の集団がキ 異教徒を代表するのが, M a r s i 1 i e王であり リスト教徒の側と同様に完壁にしかも整然 B a l i g a n t 大王である. 同じ神 l 乙仕える回 と組立てられていることにより,合理的観 教徒であってもう現地と本国との対照をま 念を与えられる.更に 1096年に始まった第 ざまざと見せてくれる.従ってこの英雄詩 l回十字軍の遠征後,時を経ないで書 かれ A たで、あろう.この作品の中に十字軍やキリ は,異教徒を主体として見ナこ場合 2部に 分けられ,その頂点は勿論後編のサラセン *入名の綴字については,テキストに最も頻繁に現われたものを用いた.テキスト内にも これらの綴字使用は不統ーである. 1 3 叙事詩 ChansondeRolandの異教徒について 軍の精鋭とフランス軍の選兵との正面衝突 Jouner,異人の Malbien の伯父の Mahen, にあって,恐らく詩人 Turoldusは Roland, らである. の活躍と同様にヲ異教徒の理惣像を生々し しかし多くの共通点があっても,注意す く描こうとしたので、はなかろうか. しかし れば根本的に微妙な相還があることに直ぐ 前編に登場する M a r s i l i e 王にとっては, に気付く.即ち異教の王の目的の lつは, この戦いはあくまでも聖戦であって Charlemagne を自分の領地としている美 Ma- homet(<Mahumet)や Apollin を祈願す しいスペインから追い出すことであり,大 ることによって,たとえ戦死しても楽関の 帝にとってはキリスト教の教義と威信をス 花束に閉まれて享楽と悦惚の約束という同 ペイン全土に敷くことである 教の教義は,その戦闘力を倍加し,キリス は戦いを好まず,平和的解決を望み,相談 ト教軍を脅かすものであると同時に,この 役Blancandrins K意見を求める.その答 信仰はある程度,キリスト教軍内にも浸透 していて,死にたいする勇気と法悦という えは,①最初から偽りの約束を為し,②東 洋の宮を法外に贈り(熊,ライオン,犬, 騎士道精神が強くうちだされていること 7 0 頭のラクダ, は , 400 頭の堺、馬,宝物を満載した 50台の車), この詩において注意すべき点であろ っ . 1 0 0羽の肱, M a r s i l i e王 金銀を積んだ ③彼等自身の息子を含めた人質を出し,た 事実,この叙事詩で相対峠する両陣営の とえその生命が犠牲になってもよい (v.28 反する点を除け 描写には,宗教理念のね l 4 4 ) という全く途方もない計略である. ば,全く著しい類似性がみられる.例えば これらの物資の供給によって C a r l e s もそ その陣容には Charlemagne! こ も M a r s i l i e の席兵を満足させるという, 1 1世紀頃の封 にも 1 2名の騎士達を側近におき,大帝の王 建社会で盛んに行なわれた庸兵制度を作者 庫は純金であり,異教の王のものは象牙で ある. フランスの騎士達は白い絹の敷物 p a l i e sb l a n c s( v .1 1 0 ),スペイン側の領主 a l i ea l e x 連はアレキサンドリアの絹 unp andrin( v .4 0 8 )の敷物に坐っている.敵軍 への使者として騎士連が志願しても大帝は その危険を感じて拒絶する. ( v . 2 5 0 5 1, 2 5 9, 2 7 3 )両対主とも〈賢者〉を傍らに侍ら は意図に組立てている. 結局 C h a n s o nd e R o l a n d の筋書は,この Valfunde 城の領 主Blancandrins によって決定されたので、 ある.つまり,これもすべて大事の前の小 事として強調する. Aseze s tmelzq u ' i liperdentl ec h e f s Quenusperduns ] ' o n u rne l ad e i n t e t, Nenuss e i u n scunduizamendeier! せ,大帝 l こは Naime公,王にはBlancan・ d r i n s が1 : f :えていてう 封建時代の慣習に よって諸伎に相談する M a r s i l i e王の側近 0 人の家臣がいて,評定の後で登場す には 1 る.即ち Blancandrinsを始めとして, Bal a r i n,Estamarin,Eudropin, l a g u e tの C Priamun,i l il I t i の Guarlan,Machiner,そ ( v, 4 4 4 6 ) (たとえヲ人質のもの遠の首がはねられよ うとも/我々の自由が縛られ,領地をとら れて,/乞食になることに比べれば,はる かにましだ!) Asez e s t mielz q u ' i l perdent l e st e s t e s 1 4 フテンス文学 Quenusperdunsc l e r eEspaigne, l ab e l e, J0 nenai ost qui bataille l i dunne, Nenusa i u n sl e smalsnel e ss u f f r a i t e s ! Nen ' a it e lgentk il as u ederumpet . ( v .1 8 . 1 9 ) ( v . 5 8 6 0 ) (たとえ,人質のもの達が首をはねられて (もはや戦いを挑むだけの軍備もなし,/ も,/この輝かしし美しいスペインを失 たとえ戦うにしても,我々には彼らを破る い,/多くの苦しみや難儀をうけるのに比 だけの力もない。) べれば,はるかにましだけ と嘆く.もし必要があれば,彼は 40 万の兵 彼は異教徒の間でも賢者として評判の肖 士を戦場に送ることができたが,確かに く,勇をもって鳴る立派な勇士であり,また M a r s i l i eのサラセン軍の構成は烏合の衆で 思慮深い人として玉のよき助言者でもあっ あったため,むしろ欺鴎で行動し v .2 4 2 6 ) この提案の特異さも, た. ( 異 lemagne 軍の後衛 2万 に 対 し て 個 別 的 に 教徒にとっては所詮,大義名分の立つもの 莫大な人海戦術で撃退しようと考えた.ム であったし, ーアやサラセンの名称は,当時スペインの キ リ ス ト 教 側 の Ganelon Char- ( く Guenes) にとっても憎き Roland を倒 異教徒やベルベル人やレヴアント人を総称 v .567-7 すための都合よい口実であった. ( した用語であって , La C h a n s o nd e Roland 9 ) しかし或る程度の同情も M a r s i l i e王に におけるサラセンの 1 2騎士も騒々雑多であ 感じないわけにはいかな L入 何 故 な ら 7年 る.即ち M a r s i l i e王の甥の Alroth,王の弟 間も C a r l e s大帝はスペイン全土を荒廃し, F a l s a r o n,アフリカ王の C o r s a l i s,Brigant 都市を践欄してきたからである.王は使者 の Malprimis,譜代領主 Balaguez, Mo Ganelan~乙尋ねる. nane大守, Turteluseの Turgis,Valterne Quante r ti l mais recreanzd ' o s t e i e r ? ( v .528, 5 4 3 ) Quanti e ri lmaisd ' o s t e i rr e c r e a n t ? ( v .5 5 6 ) (一体いつになったら彼は戦争に飽きるの だろうか?) こ尋ねBla n と 3回にわたって Ganelon t 司 の Escremiz,異人 Esturganz とその親友 Estramariz,S i b i l i e のl¥l[arganz,Mungre の Chernubles らが待機している. これは LaC h a n s o nd eRolandのべ、ルベル 人 ( v .885,1 2 3 6 )を含めた〈スペインのサ ラセン人〉の描写として優れている.彼ら v .1 2 1 5 )出身の F a l は Dathanと Abirun( candrins 自身も Ganelon t [I 我が国に何 saron公,雨が全く降らず何も成長しない (Quenusr e q u e r t・ を求めているのですか J 悪魔の土地出身の巨大で強力な長髪人, caen l an o s t r em a r c h e ? ) ) )と Car 1e sの意 図を問う. ; ' ヲ I s s i 刊松やにとかして塗ったように出 l: e s tn e i r scumep e i zk ie s tdemise( v .1 4 7 4 ) 異人から刊夏の花のように EHゾ Tantpar M a r s i l i e王は英雄的性格ではなく,事実, .( v .3 1 6 2 )耗 e r tb l a n c scumef i u rene t e st 将来について不安であったし,自己の軍事 J~l こ及ぶ千変万化の民政の集 1'11 であって, 力にも全く確信がもてなかった. 個人としては強力であっても, U l体として 1 5 叙事詩 ChansondeRolandの異教徒について は統制のある戦士ではない.両軍の決戦!L サラセン側はばたばた倒れ,先ず 3人の Ultrec e s tjurnnesurump l u sv i v a n t ; Maisd'unec h o s ev o ss o ijobeng u a r a n t : l 騎士は戦死し,残る騎士連も夫々一騎打 l こ S e i n tp a r e I sv o se s tabandunant; 敗れ,ただ最後に Chernublesと Margariz . AsInnocenzvosens e r e zs e a nt だけが残る .20 軍聞を率いた M a r s i l i e王の 攻撃が開始され,先頭の大将は Abismeで , ( v .1 5 1 7 2 3 ) (後位のもの笑いのたねになってはいけな サラセン軍きつての悪徳の塊りのような い./ 児 , 戦って討死にした方がよほどましであろ P l u sf e ldel u in ' o u tens acumpagnie. う./ Techesadmalesemult granz f e l o n i e s ; いずれにしても我々は速からず全滅するだ ろう。/ いかに頑張っても我らの生命はもたない。/ P l u saimeti 1traisunemurdrie しかしこれだけはしっかり憶えておいてほ Q u ' i l nef e s i s tt r e s t u tl ' o rdeG a l i c c ; しl)o/ Unchesn u l shomn e lv i tjuerner i r e . 我らは死ねば天国へ行く,必ず天国へ行け Vasselageademultgrante s t u l t i e . るということを。) ( v .1 4 7 1 7 8 ) (敵軍の間でも,この3' J 以 →' 1 ,の悪党はいな い。/ 極悪非道の札付き者で/・.•• 叛逆と殺裁を趣味とすることには/ ガリシアの黄金全部をもってしでもこれに 異教徒達は,もはや殉教や楽関の幻など の渇望の刺戟によって鼓舞された初期の熱 狂的回教信仰を失って,むしろ逆にこの精 神的基盤がキリスト教徒の側に移行した傾 向が上例から汲みとれる.しかしサラセン 軍の猛攻は繰返えされる.サラゴッサの町 は及ばない程だ./いつも黙っていて,一 の半分をも領有している Elimborinsや Aト 度も笑い遊ぶのを見た人はいない./ phaien,Escababiら 7人のアラビアの騎士 しかも勇猛呆敢で,倣慢この上ない男だ.) 達が倒れても,引続き攻撃をかけてくる. この悪者を異教徒の典型として,しかもそ 海軍大将 Valdabrun,アフリカの Malqui- の強さを描くことも忘れない作者の意図が ant(Malcud王の子), Grandonies(Cappa- ここに伺われる.このような異教徒軍の腫 doceの王, Capuelの子)が登場して戦場 のような大軍にキリスト教側の大僧正 を朱に染める Turpinsはフランス軍兵士を勇気づける. この詩の中によく ! l 1ち , らが死の五恐怖のために,戦場を放棄するの Que n u l s prozdom malvaisement r 白 n . chant ( ( P a i e n ss ' e nf u i e n t ) )は , H lてくる句であって,彼 ではないことを意味している. ( ( E !carnosenf u i u m s ! ) ) Aseze s tmiεlzquemoeriumcumbatant . Ai c e s tmott e l s .. C .m i l i es ' e nvunt, Pramisnuse s tf i nprendrunai t a n t, Kiquesr a p e l t, jan ' e nr e t u r n e r u n t . 1 6 フテンス文学 ( v .1 9 1 0 1 2 ) (そら逃げろ!/これを合図に 1 0 万の敵軍 (頼りない神よ,何んでこのような恥を与 えたのか?/ は戦場を棄てる,/呼んでも帰ってこない 我らの王の敗北を何んで見過したのか?/ つもりのようだ.) 何んで忠誠な信者に報いないのか!) この時代には,信仰と戦いとは密接な関 係をもっていたために Char1emagne 大 帝のスペイン遠征も,その目的はキリスト 教の布教であり,異教徒達がキリスト教を 神々の偶像を破壊しはじめる.かつての信 仰の対象をかくも簡単に捨て去る様はすさ まじい. 信仰さえすれば,戦いの目的は達せられた P u i ss il it o l e n tsuns c e p t r eea scurune, のである.この理論は更に飛躍して,礼拝 Parl e smains l ependents u runeculum- 堂でミサをあげることが神への奉仕で、ある be, とするなら,戦場で異教徒と戦うことも神 Entrel u rp i e zat e r el er e s t u r e n t, への奉仕で、あり,宗教のためには如何なる A granzb a s t u n sl eb a t e n ted e f r u i s e n t ; 戦争も許されることを意味するようになっ Etervagant o l e n tsune s c a r b u n c l e ていた EMahumetenzenunf o s s e tbutent 1 0 万人が逃走する状況は大変なも のである.この当時の戦場には露営のため E porcechenl emordented e f u l e n t . ( v .2 5 8 5 9 1 ) の幕舎が無く,当然捕虜は重要人物以外は 収容されない習慣で、あった. Home k i co (偶像より 2 奇杖と村l冠を剥ぎとり,/台座 1 l s e tquej en ' a v r a tp r i s u n j En t e lb a t ai を揺り動かして,/足もとに転がり落し f a i tO g r a n td e f e n s i o n :( v .1 8 8 6 8 7 ) (このよ て,/視棒で打ちまくり,粉砕してしまっ うな戦いでは捕虜にはなれない,みな勇敢 た./またテノレヴァガンの像からは紅玉を にも身を護る.) もぎとり,/マホメットの像も溝の中に投 M a r s i 1 i eが Ro1andとのロンスヴオーの 合戦で右手を失い, しかも息子の戦死を 聞いて失望のあまりサラゴッサで死んでし まった.彼の妻 Bramimundeと 2万以上の モール人が働突し悲歎に暮れた.彼らは Charlemagneと((Franced u l c e ) )を呪うだ げ込んで,/豚や犬どもの l 皮むまま, 踏み にじりにまかせた.) このように Mahomet 直系の Apollin が 最もひどい仕打を受けたことは注目に価す るし,これが彼らに最も親しい神であった せいで、あろうことが容易に想像できる. けでなく,面白いことには,彼ら自身の神 Mahomet が 彼 ら の 保 護 者 s e Mahomet 々をも罵しった. mev o e l te s t r e guarant ( v .8 6 8 ) として戦 ( ( E !malvais deus,por quei nus f a i st e l いの最中に呼び出され,崇拝されている事 hunte? C e s tn o s t r er e iporq u e i1 e s s a scunfundre? Kimultt es e r t, malvaisl u e rl ' e nd u n e s ! > ) ( v .2 5 8 2 8 4 ) 実を見ても,矢張り最高の神聖が Mahometにあったとみてよい. Mahumetl e v e n tenl ap l u sh a l t et ur . N ' iadpaienn e lp r i tcnel ' aOl・t. ( v .853 4 ) 吟 1 7 叙事詩 ChansondeRolandの異教徒について (最高段の塔内にマホメットの像を安置 のであると推測できる。即ち拐杖と神冠を し,/異教の軍勢は皆んなこれに祈願礼拝 もっ Apollin,輝ゃく紅玉をもった Terva- する.) gan,及びサラセン人の保護者である Ma- M a r s i l i e王は最初から呼びかけている. I I Iとも象徴として 1 1 1 J像を hometたちで,各 { Mahumets e r teApollinr e c l e i m e t : . Nespoetguarderquemalsnel ' ia t e i g n et ( v .8 9 ) (マホメットを拝み,アポリンに祈・るよう な人間であるから,/所詮滅亡は免がれが たい。) i:*売とスタイノレは後の r l r もっている. 乙の 1 │並フランス i 誌に継なえされ, H おこは 4人 1 1の 神をも加えて楠成されている. Turoldus によって拙かれている異教徒 の姿の特色は,その神々の描'与と同織に活 楼であり,鮮明である.ある者は伝説的, 幻想的であり,他の者は初期の史書にみら これらの実例は,当時の回教徒の神に対す れる実在の人物である.彼らは冷性であり, る概念や信条の解釈に大きな役割を果すも ζ S i b i l i cの Margariz は美男の容貌を 特l のである もち, Koran は彼らにとって,常に 神との同体の証拠であった Mahometが Purs ab e l t e tdamesl isunta m i e s : 6 8 2 年に残したときも,狂信者達は彼は死 Celen e lv e i tv e r sl u ines ' e s c l a r g i s s e t ; んだのではなく,神聖な無幻境にあること Quante l el ev e i t, nep o e tmuerner i e t ; を主張し,信仰者の前途に希望の光明を暗 示した. しかしこの武勲詩の中からは,回 教徒の神に対する信仰が,初期のものとは かなり変った種類のものであることが伺わ れる.種々の Chansond e g e s t eのt 1にも, この 3人の異教の神々や偶像が現われてく るが,その性質や根拠については何んの説 ( v . 9 5 7 9 ) (美男の誉れ高く,多くの女性に好かれ, / その顔を見て, 顔を赤らめ,/その て , i wをみ ほほ笑みかけない女はないという.) l l陣のいで立ちは極め またサラセン市勢の f て華麗である. 明も加えられていない.初期の武勲詩には Paiens ' a d u b e n td e sosbョr c ss ュ r a z i n e i s, 教訓的な匂いが強く,武勲詩の系譜を伝え Tuitl ip l u s u rens u n tdublezent r e i s . るようで興味深い. この詩人は Mahomet 01' elmesmultbons, s a r r a g u z e i s, Lacent1 を適切な場所に置き異教徒達を拝ませてい Ceignente s p e e sdeI 'a c e rv i a n e i s ; e v e n tenl ap l u sh a l る.即ち Mahumetl Escuzuntgenz, e s p i e zv a l e n t i n e i s ; t etur:/N'iadpaienn e lp r i tenel ' 冶 ' a o ω O吋 E gunfanunsb l a n c seb l o i sev e r m e i l z . ( v . 8 5 3 4 ) . L a i s s e n tl e smulsetuzl e sp a l e f r e i z, この詩には, TervaganK関する詳述は見 Es d e s t r e r s muntent,s i chevalchent e s - られないが,その根拠は各武勲詩に求めて t r e l z . みれば,結局 LaChansond eRoland におけ C l e r sf u tl ijurzeb e l zf u tl is o l c i l z : る人の神々の伝統は生き生きした異教の神I N'untguarnement que f u t ne r c f i a m - の三位一体の観念を合理的に大衆化したも . b e it ( v . 9 9 4 1 0 0 3 ) 1 8 フテンス文学 (異教の軍勢はサラセン作りの鎖鎧を身に つけ,/ の Turgisは ((Nev o sesmaiezu n c h e s ! 殆んどは 3枚重ねのものである./ サラゴッサ製の頑丈な鐙の絡をしめ,/ グエンナ鍛えの銅を帯び,/ P l u sv a l tMahumques e i n tPerre deRuロl e : l ' onur ・d e lcampe r tn o s t r ・ e . Sel u is e r v e z, 見事な楯をもち,ヴアレンシアの拾をかか 2 ) ( v .9 2 0 - えている./ 吹き流しはう白,藍,赤と色とりどり,/ 螺馬,飾り馬は乗り替えて,/ 軍馬 l 乙跨がり,競って乗り出す./ 空は晴れて,陽は燦然と照りつける./ 日に輝やき埋々として照り映える.) (御心配には及びません!/ローマの 聖ピエーノレなんかマホメット様と比べれば 月とすっぽん!/マホメット様にお仕えさ えすれば勝利は間違いないんだ.) この神への信頼にも拘らず, Mahometは 回教徒達を余りにも無惨に失望させた.彼 キリスト教徒にとって常に羨望の的であっ らの魂はサタンの悪魔によって地獄へとお た美しいアラビア応に跨って進軍する様 anmedel u ienp o r t e t とされたので、あるL' は , S a t h a n a s .( v .1 2 6 8 ) . まさに立派な騎士姿であったであろ こすぐれた男もいて,ヅュ う.また,妖術 l 詩人 Turoldusが異教徒を見るのが因襲 ピテノレの魔法に乗って地獄詣でをして来た 的な見方をしていたことと,当時の教会側 ものもいる L'encanteurk ija f u t en e n - の通念によって影響をうけていることは上 f e r : jPara r t i m a ll 'ic u n d o i s tJ u p i t er . ( v .1 3 9 1 2 ) . 勇敢なパラクホヱを領有する将軍について は,作者も特に注釈を加えている.即ち 記の事柄より明白である.この傾向は特に LaC h a n s o nd eR o l a n dの初めの箇所に顕著 であり.登場人物の描写にその一貫性を示 している. しかし Roland の死後 ( 2 3 9 6 ), B a l i - Corsadmultgente1 ev i sf i e rec l e r ; gant の登場によって, P u i squei le s ts u rsunc h e v a lmuntet, 徒の姿がみられることは非常な興味を与え Mults ef a i tf i e r sdes e sarmesp o r t e r ; る 。 Dev a s s e l a g ee s ti lbena l o s o e z ; a s e zo u s tbarrnet . Fustc h r e s t i e n s, ( v . 8 9 5 9 9 ) (身体つきは優美で,顔は出々しく清く,/ 一度馬上の人となれば,掴爽たる姿だ./ もとより武勇の誉れは高く,/ もし彼がキリスト教徒であれば,/さぞ立 派な騎士であろうに) 純粋な正統派の回教徒であるトノレトローズ ありのままの異教 H 異教徒の面白と真価は,この後半 l こ入っ て判然となり Turoldus の筆致によって, 精彩を極めてくる. ロンスヴォーの戦いに敗北した M a r s i l i e 王の親書が,彼の君主パピロンの Baligant に援軍を派遣するようにと送られた. ( v . 2 6 1 4 )B a l i g a n t は驚くなかれ, ヴヱノレギウ スよりもホメロスよりも年老いた異教の王 1 9 叙事詩 ChansondeRolandの異教徒について 者で,マホメット直系の子孫として回教徒 曹ぎ,錨をとり勇ましく海を渡る./ 擢を j の間で最高の権力をもっていた. ( v .2 615- 帆柱の頂きと,艦の高いところには/ 1 6 )手紙にもられた警告は, 多くの柘摺石と,灯火をかかけ、ている./ EnSarragucea l tsucurrel iber E, s ' i ln e lf a i t, i lguerpirats e sdcus Et u zs e sy d e l e squei ls o e l tadorer, S irecevrats e i n t ec h r e s t i e n t e t, A Charlemagnes evuldratacorder . ( v .2 6 1 7 2 1 ) (急遮サテゴッサに救援に来てくれ,/ 高くから明りが埠々と照らせば,夜中だと いうに,海は昼よりも美ししい./スペイ ンの陸に近づけば,/山一面1 こあかあかと !照らし全く明るい.) やがてスペインに着くが,碇泊する"院がな い.海から河口に入り,マノレプロースから マノレプリーズを至て,セープノレ河に至る.灯 もし来なければ,今迄礼拝していた/ 火や柘摺石が燦然と自![やけば,夜中であっ 神々や,その村l像を放棄して/ ても河の水面をくっきりと浮彫に照らす. キリストの神聖な教えに服し,/ やがて夜明とともにサラゴッサに到着する. シヤノレマーニュと和睦するつもりだ.) かくしてキリスト教 Charlemagne大帝 かくも信仰が全く簡単に置換できるもので と回教を守る Baligant 大王との一大決戦 あろうか.いかに当時のスペインの宗教心 の日が近づくのである, Baligantの側には が薄弱になっていたかが理解で・きる.とに Espaneliz と1 7人の玉達が寄添い かく fanと Clarienが使者として Marsilie王の Baligant は急速北アフリカに巨大 C l a r i - な軍勢と各種船舶を集めて,アレキサンド 乙 もとへと出発する.使者連がサラゴッサ l リアの港から 5月の初夏広大船団を出航さ 辿り着き,宮殿へと f H Jを通過するとき,騒 す. ( v .2 6 2 3 2 9 ) その航海の有.織は宗晴ら 音を聞き,多くの異教徒達が泣き叫び,働 しく,詩人の妙えなる筆捌さはさえてく 央している有様を見た.これは破壊された る. 異教の神々, Tervagant,Mahomet,Apoll i n の無力とを非難する声であった. 使者 Cranzsuntl e sozdec e l egenta v e r s e ; 連は感恕!な態度で S i g l e n taf o r tenagenteguvernement. J;bj追いの扶 1~ , < < C i l Mahumet k i nus ad Ensumc c zmazeenc e zh a l t e svarnes enb a i l l e, /E Tervagane Apollin, n o s t r e Aseziadc a rbunclesel a n t e r n e s ; /Salventl er e ieguardentl ar e i n e1 ) ) s i r e, Las u samuntpargetentt e ll u i s e r n e ( v .2 7日ー 1 3 ) を述べたとき, Bramimunde Parl an o i tl amerene s tp l u sb e l e, は憤然として捨鉢に答える. 3人の神々の名の下に E cumi lvienentenEspaignel at e r e, Tutl ip a i senr e l u i s tee s c l a i r e t . 6 3 0 3 7 ) ( v .2 (敵の船団は堂々としている.帆ζ l風をー ぱいはらませ,/ < < O ro imultgrantf o l i e ! C i s tn o s t r edeusuntenr e c r e a n t i s e . EnRencesvalmalvaisesvertuzf i r e n t : Nozc h e r a l e r siuntl e s s e to c i r e ; 20 フランス文学 C e s tmiens e i g n u renb a t a i l l ef a i l l i r e n t ; gant の名で戦宣布告をする. (v.2978-81) n ' e nadmie, Led e s t r epoignadperdut, 白馬に跨がる Charlemagne は,キリスト ' f i .10万騎を見わたしてから駆け出し, z t i : 教i の重大さを悟り,神とローマの使徒の益[1名 をI I Jえる RecleimetDeuel ' a p o s t l edeRo- Quedevendrai, d u l r u s e, c a i t i v e ? quenena iunhumek inem'oci・ E! l a s s e, e t ! ( (( v .2 7 1 4 2 3 ) me. ( v .2 9 9 8 ) . しかし大帝の心は, もう一 つの??渋と難儀があった,つまり Roland なき後, かつて征服した S e i s n e人 , Hun- (これはまた何んという愚かな御扶拶 1/ , Bugre人 ,Romain人 ,P u i l l a i n人 ,Pagre人 我らの神々は裏切り者です./ ,A f f r i k e人 ,C a l i i f e r n e人らが叛旗 l e r n e人 ロンスグォーでは何んら威信を示すことも を献えすかも知れない憂慮であった. (v.2 できずに/ 9 2 1 2 4 ) 味方の騎士をむざむざと戦死させました./ B a l i g a n tは軍馬に跨り,その雄姿は堂々と 私の君も戦いに敗れ,/しかも右の拳を失 し荘麗であった くされました./ 情けないことよ,憐れな私は一体どうなる んでしょう./いっそのことー思いに殺し Laforcheureada s e zgrantl iber, G r a i s l e sl e sf l a n c sel a r g e sl e sc o s t e z ; てくれる人はいないものかしら.) belemente s tm o l l e t, Grosadl ep i z, 彼女にとっては無理のない気持であり,し F i e rl ev i s a g e, l echefr e c e r c e l e t, かも金髪の Jurfalen王子も戦死した今と Tantpare r tb l a n c scumef l u rene s t e t ; Leesl e se s p a l l e sel ev i sadmultc l e r, なっては希望がない. 使者の Clarien は 「もう黙りなさい, お妃様 J ((Dame,ne (v.3157-62) (素股はとても広く./牌腹は細く,肋は p a r l e z mie i t a n tI ( v .2 7 2 4 ) となだめて, 張り,/胸は頑丈で肉が隆々とし,/肩骨は B a l i g a n t大王の戦略を説明する. 遅しく,血色は明るく,/不敵な面魂に頭 この後に登場するアラプ人には注意する 髪は渦巻き,/夏の花のように白い.) 価値がある.アラビアの異教徒軍は軍船か ら降り立った Paien d'Arabe des n e f ss e 百戦錬磨の勇士である彼が,もしキリス v .2 8 1 0 ) . 当時のアラビア人は s u n te i s s u t,( ト教徒であれば,さぞかし誉れ高い式将で 優秀な戦士であり,回教軍の中でも最右翼 あるのに 1Dev a s s e l a g ee s t suvente s p r o - であった.アラブの駿馬や螺馬 l こ跨り,騎 s ' o u s tc h r e s t i e n v e t ;/Deus! quel baron, 兵としては神技を示すほどであった t e t !( v .3 1 6 3 4 ) と作者は残念がる.彼の Ba- l i g a n tは忠匝の Gemalfin と 4人の大将軍 幅 馬術の素養も素晴らしく,軍馬を駆って l を伴ってサラゴッサへと飛ばす 50 尺もある濠をー跳びに乗り越える技量ζ l M a r s i l i e 王と Bramimunde ~こ会ってから,先駆け 異教徒達は鼓舞される.詩人は,フランス て行く. その先陣は大帝にまみえて B a l i - 軍の構成を描写した後に,対照的にサラセ 叙事詩 ChansondeRolandの異教徒について 立つてはいたが,強力なものであった.その 出身地は地理的ζ l明瞭なものもあるが,伝 説的或は詩人の創作によるものも多い.智 aligant は雄々しい武将であると同時 将 B ②①①⑤⑤⑦① ン軍の組織を示す. こ れ は 混 成 軍 団 で 成 2 1 Hums人 Hungres人 B a l d i s e人 ValPenuse人 Maruse人 に教養の高い人でもあった.彼は直ちに 30 LeusAstrimonies人 軍団 e s c h e l e sの部隊編成を, Torleus王と A r g o i l l e s人 Dapamort王に命じる.即ち, ① Clarbone人 B u t e n t r 叫人 ⑩ Fronde人 ( A ) ① ①①①①⑦ ② 頭の大きい Micenes人 以上がフランスの年代記交に書き示され NublesとBlo s人 rancor.XXX. ている名前である. GesteF Bruns人と Esclavoz人 e s c h e l e sinumbrent.( v .3 2 6 2 ) . S o r b r e s人と Sorz人 異教の大王は,先頭に龍印の旗を立て. d e e 、 ‘ ・ ) B , Tervaganと Mahomet の神旗を打つ立て, Jericho人 邪 神 Apollinの偶像を高々とかかげて進軍 ① Nigres人 e if a i tp o r t e r sun d r a する. Dedarant s ① Gros人 g o n ./E l ' e s t a n d a r t Tervagan e Mahum ⑩ B a l i d e人 /Eun'ymageneApolinl ef e Iu n .( v .3266- ① ValF u i tの Cane Ii u s人 6 8 ) . 智略に長けた Baligant は , Li ami- Turcs人 r a l ze s tmultdegrants a v i e r :( v .3 2 8 1 ) .優 P e r s人 秀な精鋭 3恒!軍団即ち①トノレコ軍,②オノレ P i n c e n e i s人 マレ一軍,③マノレフゃレーの巨人軍を待機さ S o l t e r a s人と Avers人 せ , オクシアンの部隊を自ら率いて進む. Ormaleus人と Eugiez人 これら軍勢の中でも, SamueI人 誇っていた.明らかに Turoldusは,当時の ②③①①⑥⑦③① Ermines人と Mors人 B r u i s e人 ⑩ ( c ) ① z 守 トノレコ軍が最強を トルコ人の剛勇さを認めていたことが理解 Clavers人 できる.雲霞の如き敵味方の大京が美しく Occian人 │涼伍を整えて接近する.両軍の問 l とは,遮 Malproseの巨人 ぎる山も谷も圧もなく,森も林もない平原 この、年代記d については, 作者はしばしば引合に出している. 即ち le s te s c r i tenl aGesteFrancor( v .1 4 4 3 ) ( 1 ) I ( 2 ) I le s te s c r i te sc a r t e see sb r e f s, /Coditl aGeste, p l u sd e .I I I .m i l l i e r s . ( v .1 6 8 4 5 ) ( 3 ) Cod i tI aGesteec i lk ie Icampf u t :( v .2 0 9 5 ) l u s u r sg e s t c sdel u is u n tgranzh o n u r s .( v .3 1 8 1 ) ( 4 ) Enp ( 5 ) I le s te s c r i tenl ' a n c i e n eg e s t e( v .3 7 4 2 )などである。 22 フランス文学 の真只中で遭遇する.オノレフエノレヌの Am- では,親子の情愛はフランス人のものより igant の旗を高々とかかげて b o r r e s が Ba1 もアラビ、ア人の方が強かったように思われ 突撃する. フロノレデーの王 Canabeus,ベ る.この場にのぞんで彼は悲しみの大きさ ルシア王 Torleu,Malpramis らは殉教の に自信を失い始めた自分に気付き,早速異 神冠を天国で受けるために数多くのフラン 国人の予言者 Jangleu を召して,戦いの ス軍と勇敢に戦った. 戦いは燐烈を極め 成行を問い質す.予言者の返答は卒直で絶 r 戦 望的であるが,一抹の血路がないこともな B a l i g a n t は味方の全市将士を励まし, いに勝ちさえすれば,美しく気高 l )姫でも 国でも領地でも何んでも与える」という. J0 v o sd u r r a im u l l e r sg e n t e seb e l e s, /S i v o sduraif e u sehonorset e r e s . ( v .33989 ) . 異教徒述は元気百倍する. さすがに B a l i g a n tは強い. フランス軍の将軍 Guineman,Gebuin,Lorant,Richart らを打ー ち倒し,アラビアラオクシアン,アノレゴイ かった.つまり Morze s t e s .B a l i g a n t ! . Jav o s t r edeunev o se r e n tguarant C a r l e se s tf i e r ses ihumev a i l l a n t ; Uncnev igentk is if u s tcumbatant. Maisreclamezl e sbaronsd'Occiant‘ TurkseEnfruns,ArabizeJa i a n z . nel ' a l e zdemuramt. Coq u ' e s t r eend e i t, ユ,パノレクノレら鬼の女1き軍勢が抗烈に攻め たてる.フランスとアラビアの両市はここ を先途と乱れ戦う Multbenif i e r c n tFran- c e i seA r r a b i t .( v .3 4 8 1 ) . この詩人の言葉 はそのすさまじさを伝える. 1 1 1 1ち Degrantdulorl ip o u s ts u v e n i r ! . C e s t eb a t a i l l ee s tmultf o r tas u汀nr ( v . 3 4 8 8 9 ) (その惨状は決して忘れられない 1/ 全く 耐えがたき戦いだ, ) ( v .3 5 1 3 1 9 ) (パリガン大王には,生命が危いです./ 陛下の神々はもうあなたをお護りにならな いでしょう./シヤノレノレは威勢よく勇敢で, /これほど堂々と戦う軍勢は未だ見たこと がありません./しかしオクシアン, トル コラアンフロン,/アラピ、ア,及び巨人軍 を呼んで,/全力をあげて,遅れをとって はいけません.) もはや生命も危く, 日頃のやfT々は当てに ならない.もはや今となっては予言者の忠 異教の大王は, その神々 Apollin,Ter- 告も役立たない.大王は山桔子の花の女1き , vagant,Mahomet の名を呼んで,戦いに 白需を鎧の外に出して, 勝利を授けてくれれば,純金の神像を造り なっても動じない党悟をきめる.彼は馬の ( M idamnedeu,j ov o sa i 奉ることを誓う ( いななき声を出すオクシアン勢,犬の吠声 mults e r v i t : / Tutes t e s ymagenes f e r a i をするアノレゴイ人の軍勢を集めて敵陣へ突 a l i g a n tは d ' o rf i n( v .3 4 9 2 3 ) .とのとき, B 入する.しかしフランス軍の反撃によって 子息 Malpramis と弟 Canabeus の戦死の 龍旗をもっ Ambure は倒れ,自分の龍印 報を聞いて,兜を傾けて,首をうなだれ, の王旗もろとも地 l 乙落ち, Mahomet聖 I 障が まさに息も絶えんばかりに悲しむ.この頃 泥まみれになるのを見た B a l i g a n t は形勢 いかなる事態に 叙事詩 ChansondeRolandの異教徒について 23 の不利を知り,神の加護が Car !e s の側に C:戦いを挑むとは何んたる非道 我が国土 I あることを悟る Liamiralza l q u e ss ' e na - だ./ p e r c e i t/Que i l ad t o r t e Carlemagnes 我が臣下となれば,領地をやろう./ ./Paiend'Arabe. . .( v .3 5 5 3 5 5 ) .乙 d r e it 束方まで‘来て我に仕えよ) の出来事7は,アラプ人にとっては常に敗北 を意味する兆と考えられていたものであっ た.いよいよ B a l i g a n t は意を決し, Car- C a r l e sの答えは断固としている. ( ( M u l tgrantv i l t e tmes e m b l e t : P a i sneamorned e iapaienr e n d r e . l e s との一騎打となる. これはアラビア軍 Receifl al e iqueDeusn o sa p r e s e n t e t, とフランス軍の勝敗を決する天王山であり, C h r e s t i e n t e t, epuit ' a m e r a is e m p r e s ; 回教とキリスト教の宗教上の対決であった. LL aC h a n s o nd eR o l a n dのクライ 乙の筒所 I マックスがみられるのである.両者とも剛 勇の士であり互いに関の戸fをあげることを 忘れない.異教の大王が「プレシューズ」 ( ( P r e c i u s e !))と叫べば, C a r l e s は「モンジヨ ワJ( ( M u n j o i e ! ) ) と答える. この天 l こも響 く雄叫びに,相互にその所花を知り,まさ P u i ss e r fec r e il er e io m n i p o t e n t e . ) ) ( v .3 5 9 5 9 9 ) (つまらぬことを日うな,/異教の者に施 こす情けも平和もないわ,/ J~ らの神の教え,/キリスト教を受け容れ れば直ぐにも和睦をもとうぞ./ 全能の王を崇め信仰せよ.) に龍虎相打つ息づまる一騎打が展開する. C a r l e sは決して自己の使命を忘れていない 正剣と邪剣とが交互に振られ,いずれか片 F -しく,再び一騎打が始め が,彼の言葉は 7 方が倒れるまでは,休むことを知らない. られた.大王は,大帝の褐色ζ l荊iく鉄兜め ( v .3 5 6 8 8 8 ) 2つの宗教を代表する両雄の がけて強く斬りつけ,兜は裂け,肉片を少 興亡を賭しての決闘はすさまじい限りであ a r l e sは梢々よろめき,今 しく切り落し, C る.両者は互いに牽制し合って,会話が始 にも倒れそうになったとき, a l i g a n tの言葉は悲恰的である. まる. B c i n tGabrielが声をかける. よって天使 S 神の加護に これを聞いて勇気と正気を取反して,異教 ( ( C a r l e s, kart epurpenses, の大王ζ l斬りつけると,宝石をちりばめた S iprenc u n s e i l lquev e r smeir er e p e n t e s ! 兜を M~ き, par1 emene s c i e n t e ; Morta smunf i l z, ( v . 3 6 1 9 )キリスト教軍の勝利を告げる叫び A multgrantt o r tmunp a i smcc a l e n g e s . 戸があがり,大王を失った,異教徒軍は, Devenmeshom [cn f e d e l t e tv o e i l lr c n もはや戦意もなく敗退する.これが神の思 dre ユ ev o l t . し召しであり, cum Damnesdeus l Venmeis e r v i rd ' i c iqu'enO r i e n t e . ) ) ( v .3 6 2 5 ),この戦いは異教徒の逃走で終っ 剛 ( v .3 5 8 9 9 4 ) (シヤノレルよ,よく反省しろ,/ B a l i g a n tf(致命的打撃を与える. たのである.一方, サラゴッサの町では Braminundeは高い塔で神が常に憎む邪教 後悔して詑びよ/ の僧侶達を侍べらせて,アラビア軍の敗走 我が子を討ったのは汝だな,/ の情景を見て叫ぶ. 2 4 フランス文学 ( ( A i e zn o s, Mahum! l と神の味方がなかったとしたら, B a l i g a n t j as u n tvencuznozhumes, の方が勝利を収めたかもしれない.その実 E!g e n t i l zr e i s, Liamiralzo c i sas igranth u n t e ! ) ) 力においては C a r l e s 以上であったで、あろ ( v .3 6 4 1 3 ) (ああ fマホメツトよ f う.第 3部 (Ganelonの処刑)に入ってか らは,もはや異教の登場をみない.僅かな 助け給え 1/ 蛇足として Bramimunde がエックスの洗 ああ優しき王よ,味方は敗れましたよ 1 礼池で信心深い名門の貴婦人達に付添われ 大玉さまにはあえない最後をとげられまし て改宗し,その名も Julienne と改め,真 7 こ!) のキリスト教徒となったくだりで終る. ( v . 3 9 7 8 8 7 )しかし最後の l a i s s e( 2 9 1 )に注 a r s i l i e にとっては この知らせは傷心の M a r l e s は天使 目する箇所がある.即ち C 口頭 余りにもひどかった.これを聞くや壁 l Gabriel の命によって,異教徒に包囲され を向けて,涙を流し,罪深く無念のまま死 たインフの町の Vivien王を救援するため, に果てた.そしてその魂は悪魔の手に渡っ ビーノレの地まで息つく暇もなく,再び遠征 7 こ. a r l e sは眼に しなければならないことを, C L'anmedel u ia sv i f sd i a b l e sd u n e t .( v .3 6 涙を浮べ,白需をしごきながら嘆く.即ち 4 7 ) .かくて正義の側が勝利をおさめ,作者 「とにかく,苦労の多い我が生涯だ」 は敬度に詩句を結ぶ. I 神明の加護をもて ( ( D e u s, s ipenusee s tmav i e ! ) )( v .4 0 0 0 ) .何 戦うものは,すべて成就する」と Multben 故なら今迄の行動は全くスペインにのみ限 e s p l e i t e tquiDamnesdeusa i u e t .( v .3 6 5 7 ) . られていたからである.キリスト教のため 大帝はサラゴツサを占領し,町中のユダヤ には,彼は何処までも行かねばならない運 教会や回教寺院を捜索させて,凡ゆる画像 命を背負っている.もし Turoldusがもう を鉄槌や斧で粉砕し,呪いや妖術の証拠は Iつの詩を書いていたとすれば,更に興味 消失してしまった.神を信じ,神を崇む あるものであろうことが想像できる. C a r l e sの心によって 1 0 万余人の異教徒は またキリスト教に改宗された女性が宗教 強制的に洗礼をうけ,拒絶する者は処刑さ 理念の相反する両陣営の聞の平和のはしわ れた.しかし Bramimunde 妃だけが洗礼 たしとなって,この叙事詩が持っているこ を版否したため,捕虜としてフランスヘ述 とは l )かな とも,詩的奇縁を感じないわけ l れ行き,平和的 l こ改宗させようと試みられ い.彼女は夫の死まで、は,貞節な妻であっ る. たし,この叙事詩のコンテキストで知る限 ここで LaC l z a n s o nd eRoland の第 2部が a r s i l i e 王ただ一人の りでは,回教徒の M 終る.第 1部 (Rolandの死まで)は,登場 a r l e sは 妻であったことは注意に価する. C 人物の説明であって,なかでも最も極悪な サラセン女王のエキゾ、ティックな美しさに a r l e s の部下の裏切り行為であった. 罪は C 魅かれたので‘あろうか.また彼女は,サラ 第 2部では,その主人公は B a l i g a n t とい セン宮廷に叛逆の知慧をもたらした騎士 a r l e s う価値ある好敵手であった. もし C Ganelonに感動したので-あろうか.とにか 2 5 叙事詩 ChansondeRolandの異教徒について く,彼女は非常に高価な 2個の首環を持ち のの性格を大巾に変え,初期の男性的叙事 帰るよう彼に贈った.それは黄金と紫水品 詩を宮廷ロマンスへと展開して行ったので と風信の玉で出来ており,ローマの凡ゆる ある. 富も及ばぬほどの価値のものであった. 最後に,数理的に統計を出してみて,作 ( v .6 3 7 9 )C a r l e s大帝さえ,未だ持ったこ 者の異教徒に対する取扱いの志向を結論し ともないような東洋の日もくらむばかりの こ費やした てみよう.作者が異教徒の描写 l 財宝は当時の西欧の地味な兵士達には大き a i s s eが全体の 2 9 1節中, 1 4 8節もあり, 詩節 l な魅力であったに遣いない 丁度半分強の割合を占めている.ここに異 この叙事詩の中では集団としての異教徒 教徒とキリスト教徒を同等に描写し刊力の に対するキリスト教徒の態度はあまり同情 とよって両者の葛藤を激烈なものに 均衡" I 的ではない.中世の騎士道は廃れ,十字軍 仕立てようとした手法が伺える.異教軍が の初め項の記録文書と当時の武勲詩の初期 強ければ強い程キリスト教軍の描写に張合 l対する の作品を考えてみても,異教の敵ζ いがあり,そして最後の勝利という華かな キリスト教徒の騎士が示した中世の騎士道 幕切れが,この作品を益々価値づけている は梢々すたれかかっている.異教徒は絶え のではなかろうか. ず悪者であり,滅ぼされるためにのみ創り この意味から異教軍の内訳を検討してみ 出されているようなものである.しかし例 ると, 外的に, ( 1 ) 純粋に異教徒のみを描写したもの:5 2 キリスト教徒であったならば, 雄々しく立派な貴族であったであろう場合 には,特別扱いされている.その騎士道は 節 ( 2 ) 異教徒とキリスト教徒とー絡に現われ この地上に異教の芽を出さないようにと, ていて, 無防備で横たわっている傷兵をも殺す行為 ⑧ 異教徒を主体的に描 l )たもの:2 7節 が認められていた時代なのである.いずれ ⑮ キリスト教徒を主体 l こしたもの:2 4 にしても,総括的には当時の記録文書や初 期の武勲詩には,キリスト教徒も異教徒と 節 ( 3 ) その他が純粋にキリスト教徒のみのも 同様に,野蛮な行動をとり,いや時にはもっ 4 3節中殆んどが Roland,C a r l e s, ので, 1 と残酷なものであった事実を証明してい Ganelonに費やされている. る.キリスト教徒の理想像として拙かれて しかもこれらのパーセンティジは, a r l e s の人格も,あの場合には批評 いる C A 全詩篇 2 9 1節1ft, される而もあり,逆に異教徒の行動を賞賛 ( 1 ) のもの 17.86% するよう際立たせる筒所さえみられる. ( 2 ) のもの a ) 24.77% b ) この頃からキリスト教徒と異教徒の問の 騎士道に,女性に対する礼節の跡が,この LaC h a n s o nd eRolandを初めとして初期の ( 3 ) のもの 8.24% 49.14% 4 8 i i i i中 , B 異教徒関係の詩節 1 2 英雄詩に辿ることができる.この特徴は 1 ( I ) のもの 35.13% 世紀の聞に発展し,やがては叙事詩そのも ( 2 ) のもの a ) 48.64% 26 フランス文学 b ) 1 6 . 2 1% という卒になっている. ありのままに伝え,しかも登場する状況と 場所に応じて適宜の性格を各様に個性づけ, 更に特徴づけるものとして,異教徒が集 すべての異教徒が同型でないことを強調し 中的ζ l現われている筒所の詩節を調べてみ ていることも,この叙事詩を価値づけ,作者 ると, の技量の評価を高めるものである.そして ( I ) 2→ 7, ( B lancandrins の独明場一 J I j 略) 更に特筆すべきことは,もしこの LaC . 加n s o nd e Roland がなかったとしたら,イタ 69→7 8,( M a r s i l i eの Rolandへの攻 撃準備一領主達の武者振る l )) 1 8 7→202, (真打 B a l i g a n tの登場一 リア・ノレネサンス文学の花を咲かせた B o i r i s t oの叙事詩,OrlandoInnamo ・ ardoや A r a t oと O r l a n d oF u r i o s oの存在を期待するこ とは到底できなかったで、あろう 進軍) 228→234, ( B a l i g a n t の戦いの雄姿 ( 1 9 6 2 年 9月) ーその軍団編成の妙) ( 2 ) a ) 3 7→42,( M a r s i l i e と Ganelon の交渉ー掛引き) 46→5 0, (Ganelon と約束一握 〈参考書目〉 ( I ) M. D e l b o u i l l e ; Sur l ag e n e s ede l a ChansondeRoland,P a l a i sd e sA c a d e . ・ mies, B r u x e l l e s,1 9 5 4 . 手) 9 3→1 0 8 ,( M a r s i l i eの領主達と Roland達の決戦一敗北) 1 1 2→(とびとび) 1 2 5 ,( M a r s i l e と Roland第 2回戦一勝利) 1 4 2 ー1 4 5 ,( M a r s i 1 i eの右拳,王 子の戦死一突撃) 235→(とびとび) 2 4 1, ( B a l i gantの攻撃一活躍) , (Baligant と Carles 2 5 7→262 の一騎打一戦死) ( 2 ) P .B o i s s o n n a d c ; Du nouveau s u rl a L i b r a i r i eAncienne ChansondeRoland, HonoreChampion, P a r i s, 1 9 2 3 . ( 3 ) D.M cMillan;LaChanson de G u i l - 1aume, E d i t i o n sA. & J .Picard& Cie., P a r i s,1 9 5 0 . ( 4 ) G .R.deLage;I n t r o d u c t i o nal ' a n c i e n f r a n c a i s,S o c i e t ed ' e d i t i o nd ' e n s e i g n e・ ments u p e r i e u r, P a r i s, 1 9 5 9 . ( 5 ) L .F o u l e t ;P e t i t esyntaxedel ' a n c i e n b ) 29→(とびとび)3 6, ( B lancan- i b r a i r i e Honore Champion, f r a n c a i s,L d r i n sと Ganelonの取引一成功) P a r i s ,1958. B1ancandrins,M a r s i 1 i e,B a l i g a n tらであっ J .Anglade; Grammaire elementai・ r ede l ' a n c i e nf r a n c a i s,L i b r a i r i e Ar- たことが理解できる. P a r i s, 1 9 5 8 . mandColin, 以上の事柄から,異教徒の主役が常に このように LaChansond eRolandにおい ( 6 ) ( 7 ) S . Ullmann; P I ・ e c i s desemantique て,果している異教徒の役割は,目覚しい f r a n c a i s e,E d i t i o nA.Francke,Berne, ものであり,その巧妙な Turoldusの筆は 1 9 5 2 . 多少の誇張はあっても,異教徒の真骨頂を ( 8 ) F .Brunot & C . Bruneau; P r e c i s de 27 叙事詩 ChansondeRolandの異教徒について 恥1asson& Cie, P a r i s,1 9 5 6 . c a i s e, grammaireh i s t o r i q u edel alanguef r a n - Ap r o p o sd e sP a i e n sdansl aC h α7Zs o nd θR o l α n d Enc equiconcernel afacondontl e sP a i e n ss o n te n v i s a g白 dansl aChansondeRoland, on r e lとvece c a r a c tをr e etonnant, as a v o i r qu'un groupe,appartenanta l ' a r m e ep a i e s tsystematiquementd e c r i tavecl e smemest r a i t squel e schr凸 i e n s . Parmil e sp a enne, i e n si lf a u td i s t i n g u e re n t r euntypefeminin, enEspagne, e ttypemasculin en Afrique quer e p r e s e n t e n tM a r s i l i ee tB a l i g a n t . Du p o i n tde vue paien,i l peut e t r cd i v i s een . deuxp a r t i e se tl ' a c c e n tp r i n c i p a le s tp l a c es u rl aseconde p a r t i e oua p p a r a i t Baligant I lsemblequeTurolduss es o i te f f o r c eded e c r i r el e sp a i e n savec sympathie e tv i v a c i t e ' i m a g edeRoland. I le s tcurieuxde n o t e r que l ad o c t r i n e commedest y p e si d白 uxal musulmanee tl af o ienMahomet, Appoline tTervagan, s ' a f f a i b l i r e n t ;vaincusal aguer r ei l sontnonseulementmauditCharlamagnee tl a“ douce France" mais encore abuse le s tsurprenantde l e sv o i rs ' e c a r t e rs if a c i l e del e u r sdieuxe ts o u i l l el e u rs t a t u c . I mentdel e u r sdieuxquif u r e n tauparavantunsymbolee tuno b j e tder e s p c c t . Lat e n dancedeTuroldusal e st r a i t e r conventionnellement, i nf 1uencepar l ' E g l i s ec h r e t i e n n e e s ts u r t o u tn o t a b l edansl e sp a s s a g e sdel apremiとr ep a r t i e . Lese c h a n t i l・ desontemps, l o n sdel asecondep a r t i es o n tdigncsd ' i n t e r e tenc equicocerne l e sa r a b e s, r e p r e s e n t白 commedecourageuxg u e r r i e r sdans l ' a r m e e musulmane. Dansc e t t eepopee l ' a u t e u r apeudesympathie pour l e sp a i e n se n v i s a g白 commeun groupe, par c o n t r e, e l l ee s t c o n s i d e r a b l equandi ls ' a g i td ' i n d i v i d u si s o l e s . Bienquel e sp a i e n ss o i e n tt o u i o u r sc o n e sdemonsdignesd ' e t r ed e t r u i t s, s ' i l sa v a i e n te t ec h r e t i e n s, i l sa u r a i e n t s i d合 出 commed e t ed e sgenerauxhonorablcse tcourageuχ. comp a t i s s a nt ee tpath 白i que込 l ' e g a r dd e sp a i e n snousconduital aconC e t t ea t t itude, c 1usionqueTuroldusd o i ta v o i runeascendance paiennedansl ar e g i o n sdes pyrenees ousemble a v o i r eu d e sr a p p o r t savecdesp a i e n squi par 1 as u i t es ec o n v c r t i r e n tau C h r i s t i a n i s m e . I le s ti n t e r e s s a n tden o t e rc i d e s s o u sl e sdonneess t a t i s t i q u e sdu t e x t e :s u r unt o t a lde 2 9 1l a i s, 148s o n tc o n s a c r白 auxp a i e n s .c ' e s t込 d i r eq u ' i l ss o n tp l u snombreux que ceux h r e t i e n s . c o n s a c r白 auxc 開 Nombrede1 pourcentage par s U J e t l a i s rapportaut o t a l 52 17.8 3 5 .1 7 2 24.8 48.6 24 8.2 1 6 . 2 1 4 3 4 9 .1 F' , 1A EEM.'EE 3 . Purementc h r e t i e n s Qd. M e ・U t -sぽ泊由 J﹁ 且 ρL 治臨 h γte m-ぽ 叫 に ・ ・ r1r 1 ・0 0 h・ 4 ‘.唱 /1 a a 白 m m unn . 口 ee M r 、︼ノ , 、a b 2 . ずr A 、 ‘ 、沼 町 1 . E n t iとrementp a i e n s 1 Pourcent a g e par rapport au t o t a l desl a i sp a i e n s