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ヒメトビウンカのイネ縞葉枯ウイルス保毒虫

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ヒメトビウンカのイネ縞葉枯ウイルス保毒虫
24農病防第1581-3号
平成24年6月6日
各関係機関長 殿
香川県農業試験場病害虫防除所長
(公印省略)
平成 24 年度病害虫発生調査速報第3号について
このことについて、次のとおり発表したので送付します。
----------------------------------------------------------------------------------平成 24 年度病害虫発生調査速報第3号
1.病害虫名:ヒメトビウンカのイネ縞葉枯ウイルス保毒虫
2.対象作物:水稲
3.内
容:ヒメトビウンカのイネ縞葉枯ウイルス保毒虫率は 4.6%であった。近年、保毒
虫率が高まる傾向にあることから、イネ縞葉枯病の増加が懸念される。
4.調査結果の概要
1)地点別の保毒虫率は高くても7%程度であり、極端に高い地点は認められなかった。
しかし、平成 22 年から検定を継続している6地点のうち4地点において、本年の保毒虫
率は前年よりも高くなった(第1表)。
2)県下全域の保毒虫率は 4.6%であり、10 年平均の 2.7%に比べて高かった(第2表)。
第1表 ヒメトビウンカのイネ縞葉枯ウイルス保毒虫の地点別発生状況
平成22年
平成23年
検定地点
保毒虫
保毒虫
検体数 陽性数
検体数 陽性数
率(%)
率(%)
東かがわ市坂元
-
-
-
40
0
0.0
木田郡三木町
100
0
0.0
100
5
5.0
高松市小村町
40
0
0.0
100
2
2.0
高松市仏生山町(旧農試)
100
4
4.0
100
2
2.0
高松市香川町川東
19
1
5.3
100
4
4.0
高松市香川町浅野
-
-
-
100
3
3.0
綾歌郡綾川町陶
39
0
0.0
100
2
2.0
綾歌郡綾川町北
100
3
3.0
100
5
5.0
綾歌郡綾川町(農試)
-
-
-
-
-
-
仲多度郡まんのう町
-
-
-
-
-
-
仲多度郡多度津町
49
0
0.0
100
3
3.0
合 計
447
8
1.8
840
26
3.1
平成24年
検体数 陽性数
-
100
100
-
100
-
100
100
100
100
100
800
-
4
2
-
6
-
7
7
4
1
6
37
保毒虫
率(%)
-
4.0
2.0
-
6.0
-
7.0
7.0
4.0
1.0
6.0
4.6
注)5月下旬に小麦で採集したヒメトビウンカの中老齢幼虫を検体とし、個体別に検定した。
検体数は各地点において最大100個体とし、採集できた個体が100に満たない場合は全個体とした。
高比重ラテックス凝集反応法で検定し、陽性の比率を保毒虫率とする。
第2表 ヒメトビウンカのイネ縞葉枯ウイルス保毒虫率の推移
項目
採集地点数
検体数
保毒虫率(%)
平成6年
7年
8年
9年 10年 11年 12年 13年 22年 23年
8
9
12
13
699
927
3.0
2.7
692 1090
2.2
3.3
14
24 年
10年の平均値
(6~13、22、23年)
14
12
16
7
9
8
985 1247
953
480
447
840
800
-
3.5
3.3
1.8
3.1
4 .6
2.7
1.8
2.0
-
注)5月下旬に小麦で採集したヒメトビウンカの中老齢幼虫を検体とし、個体別に検定した。
平成13年以前はラテックス凝集反応法、22年以降は高比重ラテックス凝集反応法で検定し、陽性の比率を保毒虫率とする。
イネ縞葉枯病の発生が少ない時期が続いたため、平成14~21年は検定を中断した。
5.防除実施上の留意点
1)本年は、5月下旬の小麦上でのヒメトビウンカの発生量はやや少なかったが(第3
表)、小麦の収穫がやや遅れており、小麦の収穫期と水稲の移植期が接近することによ
って、ヒメトビウンカが水稲に移動しやすいと考えられる。したがって、水稲において、
ヒメトビウンカとこの害虫が媒介するイネ縞葉枯病の発生が懸念されるため、ウンカ類
対象の育苗箱施薬を必ず行う。
2)育苗箱施薬を行っていない水稲圃場やイネ縞葉枯病の多い地域では、地域の防除暦等
を参考にウンカ類に登録のある薬剤を選定し、本田初期にヒメトビウンカを防除する。
なお、早期栽培での防除適期は6月上中旬、短期栽培と普通期栽培での防除適期は7月
上中旬である。
3)本田初期の発病株は2次伝染を引き起こすため、抜き取って処分する。
4)出穂期頃のウンカ類を対象とした必須防除を実施する。
5)翌年の防除対策として、以下を実施する。
(1) 収穫後の耕起によってひこばえの発生を防ぎ、ヒメトビウンカの増加、あるいは、
ひこばえに発生した縞葉枯病を介したヒメトビウンカの保毒虫率の高まりを防止す
る。
(2) ヒメトビウンカはイネ科雑草でも増殖するので、とくに冬期から春期にかけて畦畔
や休耕地等の除草を徹底し、越冬量を減らす。
第3表 5月下旬(成熟期頃)の小麦におけるヒメトビウンカの発生状況
項目
発生圃場率(%)
発生圃場の平均虫数
平成14年 15年 16年 17年 18年 19年
100.0 100.0
34.3
11.3
88.2
76.5
26.2
4.2
20年 21年 22年 23年
83.3 100.0 100.0
6.1
27.0
26.9
77.8
5.7
86.7 100.0
10.5
42.3
24 年
平年値
(14~23年平均)
8 7.5
91.3
7 .0
19.5
注)県下5~7地点において、各地点2~3圃場調査。各圃場において、捕虫網で穂の高さを20回すくって捕獲。
農薬はラベルをよく読んで使用しましょう
6月~8月は、農薬危害防止運動期間です。
農薬の使用が増える時期ですので、今一度、農薬を適正に使用で
きているか、チェックしましょう。
病害虫防除所インターネットホームページ
URL: http://www.jppn.ne.jp/kagawa/
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