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個人遺伝情報の取扱いについての各国の法的対応比較表
資料2ー2 個人遺伝情報の取扱いについての各国の法的対応比較表 個人情 報、保健 医療情報 保護に関 する法律 遺伝情報 保護に関 する法規 定 イギリス オーストラリア アメリカ ドイツ オーストリア スイス スウェーデン ○データ保護法(1984 年制定、1998年改正) ・センシティブ情報の 1つに「身体的・心理 的な健康又はその状 況」を規定 ・同法により、個人情 報の管理の動向監視と 政策的提言を行う "Information Commissioner"を設 置。 ○プライバシー法 (1988年制定、 2000年改正) ・センシティブ情 報の一つに保健情 報(遺伝情報も含 む)を規定。 ○Health Insurance Portability and Accountability Act による医療プライバ シー規則(2002年) ・個人の特定が可能 な保健情報は、本人 の承認なしでは第3 者に開示できないこ とを原則とする。 ○連邦データ保護法 (1977年制定、1990 年、2001年改正) ・EU指令*に従い、保 健に関する個人情報 をセンシティブ情報 と位置付け。 ・個人の識別が可能 なデータ収集につい ては、作業内容を所 管官庁に登録。 ○データ保護法 (1978年、2000年改 正) ・全ての個人のプラ イバシー及び家族生 活に関する個人情報 は保護される。 ・センシティブ情報 の定義はEU指令*と実 質的に同一であり、 健康情報を含む。 ○連邦データ保護法 (1992年) ・遺伝情報については特 別な規定はないものの、 センシティブ情報に属す ると考えられている。 ・研究目的でも個人デー タの利用は、プライバ シー保護の例外として認 められており、個人が特 定できない形であれば公 表することも認められて いる。 ○個人情報保護法(1998 年) ・医療・保健に関する情 報もセンシティブ情報に 含まれる。 × ○遺伝技術法(1994 年) ・個人情報のうち遺 伝情報についての特 別な法規定。 ・研究目的に限り、 提供者の書面による 同意か、匿名化され た試料を用いる場合 は遺伝情報の利用が 可能。 × × ×(州によっては遺 伝学的知見に基づく 差別に関する個別 法) × フランス ○情報処理、情報ファイ ルと自由に関する法律 (1978年, 2004年改正) ・個人情報を「個人が同 定されているか、直接に 又は識別数字もしくは固 ○個人医療記録法(1985 有の要素に照合すること 年) で間接に個人を同定でき ・遺伝学的検査のデータ る、全ての人に関する情 は同法の対象である医療 報」と定義。 記録に含まれる。 ・保健医療に関する情報 はセンシティブ情報に含 まれる。 ○人を対象とした遺伝子 技術法(1991年) ・保健事業でのスクリー ニングを目的としたDNA 及びRNAの解析を利用し た遺伝学的研究が対象。 医学的に正当化される目 的のみ認められ、国家保 健厚生委員会の特別な許 可が必要。 × ・国家生命倫理諮問 委員会→大統領生命 国家倫理委員会(議会 生命倫理委員会(2001 医療領域における国家倫 国家倫理諮問委員会 (政府委員会の設置方針) 倫理会議 理委員会 報告も影響力) 年設置) (CCNE) ・保健福祉省長官・ 助言委員会 ○研究対象者保護法(研 ○被験者保護法 NHMRCによる人を ○人を対象とした遺伝子 究目的での遺伝子検査、 ○遺伝技術法(本人 (1991年) 研究での 対象とした研究に 技術法(1991年) DNA鑑定) ○データ保護法の適用 ○HIPAAによる医療 ○連邦データ保護法 同意がある場合に利 ○連邦データ保護法 関する声明(1999 ○バイオバンク法(2003 ○情報法第9章の特別規定 利用 用可能) プライバシー規則 年) (情報の医学研究目的で 年) (2002年) の利用) × × × ○障害差別法 (1992年) ○連邦職員に関する 雇用での ○障害差別法(1995年) 差別禁止に関する 大統領令(2000年) 利用 法規は各州レベル ○州により個別法 で施行されている ○ハンチントン病の検 保険での 査利用を承認(2000年) したが、2001年に5年 利用 間のモラトリアムを決 定 ○個人加入健康保 険では健康状態を ○グループ保険での 理由にした制限・ 検査結果の利用禁止 拒否は禁止 ○州により個別法 (National Health Act(1953年))。 × × × × ○個人情報保護法(2003年) ・センシティブ情報に関する規定 はない。法6条及び附帯決議にお いて一層の保護が必要な個人情報 については格別な措置が講じられ るような法制上の措置その他の措 置を講ずるべく要請。 ○民法、刑法、保健医療 法、労働法(1994年「生 命倫理法」、2004年同法 改正、02年病者の権利 法) 遺伝子技 術に関す ヒト遺伝委員会(HGC) (HGCA構想) る助言機 関 事業での 利用 日本 総合科学技術会議 生命倫理専門調査会 ○ヒトゲノム・遺伝子解析研究に 関する倫理指針(研究のみ) × × ○遺伝技術法で禁止 ○労働法(「遺伝形質に よる」雇用・待遇差別を 禁止) ○「労働者の健康情報の保護に関 する検討会報告書」(04年9月 6日厚労省):「職業上の特別な 要求がある場合を除いて原則とし て収集すべきではない」 × ○保健医療法(「保険へ ○保険業界と政府との協 のアクセス」規定で、保 × (遺伝検査法案**で 定による利用制限 険会社による遺伝子検査 ○遺伝技術法で禁止 は一定枠内で禁止) ○保険業界の自主コード 受診要求や検査結果利用 による利用制限 を禁止) ○「金融分野における個人情報保 護に関するガイドライン(案)」 (金融庁):「必要な範囲を超え たセンシティブ情報の取得、利 用、第三者提供は行わない。」 × (遺伝検査法案**で は原則禁止) *EU指令:‘95 欧州連合「個人データ処理に係る個人の保護及び当該データの自由な移動に関する欧州議会及び理事会の指令」 センシティブ情報:あらかじめ本人の明確な同意が必要【第8条】 ※ センシティブ情報として、人種、民族、政治的見解、宗教、思想、信条、労働組合への加盟、健康、性生活を規定【第18条】 **スイス・遺伝検査法案:国会(国民議会、連邦議会)で審議中 ×は存在せず × 平成14年度環境対応技術開発等に関する報告書 (財)バイオインダストリー協会 科学技術文明研究所