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5.竹の燃料利用ビジネス化の検討状況
5.竹の燃料利用ビジネス化の検討状況 背 景 ・竹は千葉県の気候・地形などの自然条件に適し、県内各地に多くの竹林が造成された(県も奨励)。 ・特に竹林の多い府県は、福岡県・大分県・ 島根県・山口県・鹿児島県・兵庫県・愛媛県・千葉県・宮崎県・熊本県・佐賀県など。千葉県は統計上の面積が全国7位。 ・竹材やタケノコの需要減により多くの竹林が放置されているが、竹は生態的に森林より強く、周囲の放置された森林を駆逐して拡大。 ・生物多様性をはじめ森林の多様な公益的機能を低下させているほか、枯損竹が河川を流下し漁場環境を悪化させ問題化。 ・木質バイオマスの中で特に竹に着目して燃料化に取組む理由は、竹林拡大防止の本格的な対策を講じるために伐採竹の新たな利活用の開発が 不可欠。他の木質バイオマスと異なり、竹については、当面、大量に活用する有力な方策がない(飼料・肥料・チップ化等の利用事例あり)。 H19年度,20年度モデル事業での取組み:(県・森林組合・企業の協働) 19 年度放置竹林拡大防止モデル事業(NPO・森林組合委託伐採利用検討) 別途:竹の繊維製品化・獣害防止柵設置への利用検討 7 地区のうち1地区(大多喜町)の伐採竹の一部を臨海地区製油所発電ボイラーで燃焼テスト 燃焼試験: 伐採・搬出・運搬 ⇒ 森林組合君津支所でチップ化(50m3)・篩い分け・袋詰め ⇒ 運搬・投入・燃焼 燃料としての特性試験:企業研究所で試験 ⇒ 竹は燃料として利用可能(現行の石炭燃料重量の 1.5%を混入) 技術上の課題抽出:①ボイラーの燃料搬送系に適合したチップ化手法開発 ②現地でのチップ化の検討 ③運搬方法の効率化 ④数量変化率の把握(面積・本数・材積・重量・チップ化率等のデータ収集) ⑤ビジネスモデルの検討 20 年度放置竹林拡大防止モデル事業(補助)ほか 5地区のうち1地区(君津市)の伐採竹を現地において新型竹専用粉砕機でチップ化し燃焼テスト・ステージ2(H21.1) 燃焼試験: 伐採・搬出・チップ化(70m3)・運搬 ⇒ 森林組合君津支所に集積 ⇒ 運搬・投入・燃焼 前年度課題に対する対策 ①竹のチップ化に対応したチッパーによるチップ製造試験 ②新型竹粉砕チッパーで現地チップ化試験 ③数量変化率の再調査 ④ビジネス化実証事業に向けた調査事業検討 今後の展開 20~21年度 「千葉県型放置竹林拡大対策 ビジネスモデル1(案)」 竹の燃料利用ビジネス化に向けた調査 森林課・19~20年度テストを踏まえ、官民協働調査事業の推進(企業が国へ事業申請:県が協力) 協力項目:竹の燃料利用ビジネス化計画策定、安定供給システム検討(調査、搬出・集積・チップ化・運搬・投入・燃焼) 関係市町村及び千葉県森林組合との連携による安定供給に向けた検討 22年度~ ・21年度調査を踏まえ、企業及び関係機関と連携した、ビジネス化実証事業の協働検討 竹利用ビジネス化のコンセプト ・ 「県」 :竹の燃料利用と一体になった放置竹林対策(伐採・集積・伐採竹の利用・森林再生)実施 ⇒ 産学官連携による 「森林の公益的機能の確保」・ 「生物多様性の保全」・「低炭素社会構築に向けた取組み」 ・ 「企業」 :竹の燃料利用による ⇒「森林再生による地域貢献」・「化石燃料のグリーン化による二酸化炭素排出量の削減」 ビジネス化のイメージ(県内竹賦存量に基づく試算) 県内8地区(千葉市等北総地区・袖ヶ浦市・市原市・木更津市・君津市・富津市・大多喜町・安房地区)から集積 伐採竹搬出量(t/年) =Σ竹林統計面積(ha) × 竹林面積拡大率(1.5) × 竹林整備目標(10%) / 計画期間(15 年) × 100(t/ha) =8地区の竹林の整備(3,338t/年・15 年間)。集積場でチップ化。集積・運搬システムの構築による安定供給。 竹林整備計画策定 【計画項目】 ・整備地区の選定 ・搬出計画 ・作業道等計画 放置 竹林 対策 の ・集積場計画 伐採竹 ・チップ化手法検討 8地区 集積・加工 搬出 ・スケジュール策定 化石燃料のグリーン化 8地区計 運搬 年3,000t以上 京葉臨海地区 製油所の ボイラー シンボル的事業から ビジネスへ 追加による安定供給確保 ・コスト試算 ・事業費算出 森林再生による地域貢献 チップ化 間伐未利用材・里山伐採木・ 燃料供給用竹林の設置⇒計画的伐採 サンブスギ被害材等 (5~10年周期輪伐) (10t/ha・年)