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1ボルトまたはネジ部品の使用上の注意について述べよ 4
1ボルトまたはネジ部品の使用上の注意について述べよ ボルトまたはネジ部品の使用上の注意には以下の四点がある ・ネジ部には引張だけが作用するようにし、曲げやせん断を受けないようする ・衝撃荷重が加わる場合には、ボルトを伸びやすくする ・適正な締付け力で締める ・ボルトをナット面から出す 4下記項目について転がり軸受とすべり軸受とを比較せよ 回転数 転がり軸受は、発熱や振動の問題から回転数に制限があるが、すべり軸受は軸と軸受が 直接触れないため、回転数を非常に大きく取ることができる。 騒音・振動 転がり軸受は、振動騒音共に高速になるほど大きくなるが、すべり軸受は、接触してい ないため極めて静粛である。 軸受荷重方向 転がり軸受は一つでラジアル荷重とスラスト荷重の両方を受けることが出来るが、すべ り軸受は、それぞれの荷重に対応する軸受が必要となる。 軸受寿命の原因 転がり軸受の主な寿命の原因は、転動体の疲労である。すべり軸受の主な寿命の原因は、 摩耗である。 コスト 5軸受に関する次の用語を説明せよ 基本動定格荷重の補正 基本動定格荷重の補正とは、高温で転がり軸受を使用する際に、硬さ低下による疲れ寿 命低下を考慮して、基本動定格荷重に係数をかけ、それを小さく見積もることである。 pV値 pV値とはすべり軸受の性能指標の一つで、単位時間あたりの発熱量を表すものである。 フレーキング フレーキングとは、転がり軸受において、繰り返し圧縮荷重を受けることで、軌道面が 疲労剥離を起こす現象のことである。 軸受定数 -1- 軸受定数は、すべり軸受の流体粘度と回転数の積を平均接触圧力で割ったもので、油膜 厚さを表すパラメータである。 転がり軸受の基本静定格荷重 転がり軸受の基本静定格荷重とは、瞬間的な衝撃荷重に対してどれだけ耐えられるかの 指標である。 くさび油膜圧力 くさび油膜圧力とは、すべり軸受において、軸と軸受の間のくさび形の隙間に流体が巻 き込まれることによって発生する圧力のことである。 ストライベック曲線 ストライベック曲線とは、横軸に軸受定数、縦軸に摩擦係数を取ったときに描かれる曲 線で、すべり軸受の潤滑状態を表したものである。 転がり軸受の基本定格寿命 転がり軸受の基本定格寿命とは、一群の同一軸受を同条件で運転し、90%の軸受がフレ ーキングを起こさずに回転を続けることが出来る総回転数のことである。 転がり軸受の許容回転数 転がり軸受の許容回転数とは、ある程度以上の発熱を生じさせないで、焼き付きを起こ すことなく回転させることが出来る経験的な許容値のことである。 dn値 dn値とは、軸受内径に毎分回転数をかけたもので、軸受の高速性の指標の一つである。 6次の軸の種類について簡単に説明せよ 機械軸 機械軸とは、主に回転機械や工作機械の軸に使用され、剛性、耐摩耗性の高い軸のこと である。 車軸 車軸とは、車や貨車などの自重を支え、動力を伝えない軸のことで、主に曲げモーメン トを受ける。 伝動軸 伝動軸とは、回転によって動力を伝達する軸のことで、主にねじりモーメントを受ける。 プロペラ軸 プロペラ軸とは、船など原動機からプロペラに回転を伝える軸のことで、主にねじりモ ーメントと、軸力を受ける。 -2- クランク軸 クランク汁とは、往復運動と回転運動を相互に変換する軸のことで、曲げとねじりモー メントが衝撃的に繰り返し作用する。 7軸の危険速度は何か ①その発生原因を挙げ②そこから振動が発生するメカ ニズムについて説明し、危険速度の定義を述べよ、③そして軸の設計における 対策について説明せよ 軸やそれに付属する部品は寸法や材料によって決まる固有振動数を持っており、これが 外荷重の振動数と一致すると共振を起こし、激しく振動する。このときの振動数を危険速 度という。対策法は、常用速度を常に危険速度の上または下に離しておく等の方法がある。 8次のキーについて目的、構造、使用法、特長などを述べよ 沈みキー 沈みキーは、軸とボスの両方に加工されたキー溝に入れることで、軸とボスを結合する ものである。荷重伝達能力が高いという特徴を持つ。 くらキー くらキーは、無加工の軸と、ボス側に加工されたキー溝の間に1/100テーパキーを打ち 込むことで軸とボスを結合するものである。軸とボスは、キーの摩擦力のみによって結合 されているため、荷重伝達能力は低い。 平キー 平キーは、ボス側に加工されたキー溝と、軸側に付けられたキーと同じ幅の溝の間に1/ 100テーパキーを打ち込むことで軸とボスを結合するものである。軸とキーの摩擦力に加 え、摩擦トルクによって動力を伝達するため、くらキーよりは動力伝達能力が高い。 接線キー 接線キーは、軸とボスの両方に120°の間隔で、軸の接線方向にキー溝を加工し、そこ に打ち込まれたキーによって軸とボスを結合するものである。他のキーとは違い、キーの 圧縮力としてトルクを受ける。荷重伝達能力は高く、交番トルクを受ける軸に使用される。 半月キー 半月キーは、軸側に半月型の溝を加工し、そこに半月キーを入れることで軸とボスを結 合する。テーパ軸で使用され、キーの位置が自動で調整されるという特徴を持つ。軸側の 溝が深く、強度が落ちるため、荷重伝達能力は低い。 すべりキー すべりキーは、キーをボス、または軸に固定したもので、ボスと軸とが軸方向に移動で きるようにした物である。荷重伝達能力は低い。 -3- スプライン スプラインは、軸の周りに直接キーを削りだしたもので、伝達トルクが大きく、軸方向 に移動できると言う特徴を持つ。 セレーション セレーションは、スプラインの歯の高さを低くし、歯数を増やしたものである。加重伝 達能力は高いが、軸方向の移動は出来ず、半永久的結合として利用される。 9軸継手選定の注意事項について説明せよ 軸継手選定の注意事項には以下の6項目がある ・心合わせが完全に行われているか ・回転の釣り合いが成立しているか ・取り付け、取り外しが出来るか ・伝達能力は要求を満たしているか ・回転体に突起物はないか ・連結の確実性が高いか 10次の軸継手について目的、構造、使用法、特長などを述べよ 大トルク伝達用フランジ型固定軸継手 大トルク伝達用フランジ型固定軸継手は、はめあいによって接続し、ボルトのせん断力 によってトルクを伝達する構造となっている。トルク伝達能力は高いが、偏心、偏角、エ ンドプレイのある状況では使用できない。 オルダムカップリング オルダムカップリングは、二重回転すべり子機構を利用した軸継手で、偏心がある状況 でも動力を伝達することが出来る。摩擦部が大きく、熱や振動が発生しやすいため、高速 では使用することが出来ない。 ボールジョイント ボールジョイントは、偏角を許容する軸継手で、同一平面にある2個一組のボールを軸 から等距離に軸角の1/2に配置した構造をしている。入力と出力の角速度が常に等しく、 大トルクの伝達も可能である。 ユニバーサルジョイント ユニバーサルジョイントは、偏角を許容する軸継手である。構造上、入力と出力の角速 度が同一にならないという特徴があるため、入力と出力の角速度を等しくするために、等 しい公差角を持った2組の継手を使用する必要がある。 -4- 11クラッチの機能と要求事項について説明せよ クラッチの機能は駆動側の軸の回転を止めずに、動力の伝達、制御を行うことで、要求 事項には以下の6つがある ・耐久性が高い ・静粛祭が高い ・安全性が高い ・確実性が高い ・作動中は摩擦係数が一定で高い ・摩擦係数の安定性が高い 12次のクラッチの構造を示し、動作原理を説明し、特徴を述べよ かみあいクラッチ かみあいクラッチは左図のように、互いにかみ合う爪を持ち、その爪のかみあいによっ て動力を伝達するものである。特徴としては以下のものがある。 ・すべりが無く、伝達が確実である ・回転中にかみ合わせると衝撃荷重がかかる ・低速回転時しか連結できない ・安価である ・両フランジを押しつける力が必要である ・すべりがないため熱を発生しない。 摩擦クラッチ 摩擦クラッチは、駆動側と従動側の摩擦面を押しつけ、接触面の摩擦力によって動力を 伝達するものである。特徴としては以下のものがある。 ・原動機を止めずに動力の伝達、遮断が行える ・結合が円滑で、衝撃が小さい ・異常負荷時に滑ることで、安全装置として働く ・摩擦により、摩擦面が摩耗する ・摩擦による焼損が発生する ・種類が多い 遠心クラッチ -5- 13ブレーキの機能と要求事項について説明せよ ブレーキとは、運動体の速度の減少、停止、停止状態の維持を行う装置である。 14異なる原理を持つブレーキを2つあげ、その構造を示し、動作原理とその特 徴を説明せよ。 摩擦ブレーキ 摩擦ブレーキは、軸側と固定側の摩擦面を押しつけ、接触面の摩擦力によって運動を停 止させるブレーキである。 回生ブレーキ 回生ブレーキは、軸に発電機を取り付け、運動エネルギーを電気エネルギーに変換する ことで物体の運動を停止させるブレーキである。 15次の摩擦ブレーキについて説明せよ 円盤ブレーキ 円盤ブレーキは左図のように軸方向に円盤を押し付け、その摩擦力によってブレーキを 行うものである。 円すいブレーキ 円すいブレーキは、円盤ブレーキと同様であるが、摩擦面を円錐状にすることで、見か け上の摩擦係数を大きくすることが出来る。 ブロックブレーキ ブロックブレーキは、軸の外周にブロックを押しつけることにより、その摩擦力でブレ ーキを行うものである。 ドラムブレーキ ドラムブレーキは、ブレーキシューを内側から外側のドラムに押しつけることでブレー キを行う。自動車の後輪に多用される。 バンドブレーキ バンドブレーキは、軸に巻き付けた鉄製帯を引張ることによる摩擦力でブレーキを行う ものである。 自動荷重ブレーキ 自動荷重ブレーキとは、負荷によるトルクを利用して、どちらかの回転の時のみブレー キが働くようにした構造を持つものである。 -6- 16ブレーキ容量とは何かを説明せよ ブレーキ容量とは、単位面積あたりの摩擦動力のことであり、ブレーキ設計の指標の一 つである。この値が大きいと放熱不十分となり、摩擦面の摩耗や損傷が激しくなる。 17ベルト伝動の長所と短所を述べよ 長所には次のようなものがある ・構造が簡単、安価で、潤滑装置が不要である ・静粛で振動が少なく、振動を吸収できる ・軸間距離の制約が少ない ・多軸伝動が可能である。 ・効率が比較的よい ・比較的簡単に大きな速度比が得られる。 一方短所には次のようなものがある ・すべりが発生すると回転比が一定でなくなる ・大動力の伝達には不向きである ・高速で使用すると、遠心力で摩擦力が低下するため、速度制限がある ・比較的多くの場所を取る。 18次のベルト伝動の特徴を述べよ 平ベルト伝動 平ベルト伝動には次のような特徴がある ・速度比は1:6くらいまでである ・軸間距離は10m以下である ・ベルトには常に張力が必要である ・周速度は10∼30m/sec位までとれる ・すべりが大きく、回転角の伝達精度はよくない ・ベルトのかけ方で軸の配置を自由に出来る ・ベルトが横にずれるため、ベルト車の形状に工夫が筆世である Vベルト伝動 ・速度比は1:7位まで ・軸間距離をaとすると、大車の直径<a<大+小車の直径とする必要がある -7- ・ベルトには常に張力が必要である ・周速度は15m/s位までである ・ベルトを多段掛けにする際は、各ベルトの張力を同じにする ・(F1-F2)/(F1+F2)を0.6以下にする ・無段変速機が簡単に作れる ・平行軸間の動力伝達にしか使えない 歯付ベルト伝動 ・すべりが発生しない ・速度比が一定である ・低速から高速まで使用可能である ・ベルトに張力が不要である ・ベルトの伸びが小さい 20チェーン伝動の長所と短所を述べよ チェーン伝動の長所には次のようなものがある ・回転比が確実である ・大馬力を伝達できる ・衝撃荷重を吸収できる ・温度、湿度、油性の影響が小さい 一方短所には次のようなものがある ・振動、騒音が発生しやすい ・高速伝動が困難である ・潤滑が必要である 22摩擦伝動装置の種類と分類について説明せよ 摩擦伝動装置は、回転比が一定でない転がり接触によるものと、一定の転がり接触の2 種類があり、前者には楕円型摩擦車がある。後者はさらに、2軸が平行なもの、交わるも の、食い違うものの3つに分類される。 23摩擦伝動の長所と短所を述べよ 摩擦伝動の長所には次のようなものがある ・静粛性が高い -8- ・無段変速機を作りやすい 一方短所には次のようなものがある ・ある程度のすべりは避けられない ・高速高荷重には不向きである ・荷重を大きくすると軸受の負荷が大きくなる 24摩擦伝動を利用した減速機構について一例を挙げ、図を描いて説明せよ 左図にリングコーンシャフト式の変速機を示す。円錐形を向かい合わせた構造とし、そ の両方に接触するリングによって動力を伝達する。リングを左右に移動させることによっ て、連続的に速度比を変化させることが可能である。 -9-