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第 2 章 建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための

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第 2 章 建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための
第2章 建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための施策
第2章
建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための施策
1 耐震診断及び耐震改修の促進に係る基本的な取り組み方針
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住宅・建築物の所有者の役割
市の役割
市有建築物の耐震化促進
地震時に通行を確保すべき道路の沿線建築物の耐震化促進
計画的耐震改修の促進
耐震改修促進法による耐震改修計画の認定
(1) 住宅・建築物の所有者の役割
住宅・建築物の耐震化を促進するためには、住宅・建築物の所有者等が自らの問題
地域の問題として意識をもって、自発的・主体的に地震防災対策としての耐震化に取り
組むことが不可欠です。
(2) 市の役割
所有者等の取り組みをできる限り支援するという観点から、所有者等が耐震診断や耐
震改修を行いやすい環境の整備や、費用負担軽減のための制度の構築など必要な施策を
講じ、耐震診断及び耐震改修の促進に取り組みます。
(3) 市有建築物の耐震化促進
本促進計画の対象となる市有建築物については、防災拠点として重要な役割を果たす
庁舎、病院等の施設、地震被災時に避難・救援等で重要な役割を果たす学校等の施設を
最優先と位置付け、計画的な改修を図ります。
その他の建築物についても耐震化の促進を図るものとします。
(4) 地震時に通行を確保すべき道路の沿線建築物の耐震化促進
緊急輸送道路沿いの建築物は、耐震化の重点的促進に努めます。
(5) 計画的耐震改修の促進
建築物の用途や立地条件による緊急性及び公益性等の優先順位に配慮した耐震化の促
進施策の展開に努めます。また、目標年次を定めた計画的耐震化の促進に向けて、所有
者等へ理解と協力を求めます。
(6) 耐震改修促進法による耐震改修計画の認定
耐震改修促進法第 8 条による耐震改修計画の認定を受けた場合、既存不適格建築物の
緩和、耐火建築物に係る制限の緩和、建築確認の特例等があることから、耐震改修を行
う場合は、本認定を受けるよう推奨します。
また、本認定を受ける際、専門的・客観的な判断・判定のために、(社)鹿児島県建築士
事務所協会などの建築関係団体等に設置されている耐震判定委員会の活用に努めます。
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第2章 建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための施策
2 耐震診断及び耐震改修の促進を図るための支援策の概要
昭和 56 年 5 月以前に建築された住宅・建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を支援する
取り組みを行います。
(1) 木造戸建て住宅への支援策
木造戸建て住宅の耐震化の促進を図るため、耐震診断及び耐震改修工事に係る取り組
みを支援します。
①耐震診断…「木造住宅の耐震診断と補強方法」((財)日本建築防災協会 平成 16 年 7
月)に基づき、住宅の耐震性について判定する調査に対して助成します。
②耐震改修…耐震診断の結果、耐震性が基準より下回っていることが判明した場合、
耐震性能を確保するために耐震補強を行う工事に対して助成します。
(2) 耐震改修促進税制
耐震改修に対しては、税制優遇措置が講じられており、これらの制度について情報提
供に努め、耐震化の促進に向けて所有者等へ理解と協力を求めます。
◆税制優遇措置の概要
対象
主な要件等
改修
■住宅ローン減税
一定の要件に当てはまるとき、ローン残高の一部を所得税額から控除(平
成 20 年 12 月 31 日までに居住の用に供した場合)
■耐震改修促進税制
○住宅
・所得税:本市域内において、昭和 56 年 5 月以前に建築された住宅の耐震
改修に要した費用の 10%相当額(20 万円を上限)を所得税額から控除
(平成 18 年 4 月 1 日から平成 20 年 12 月 31 日までに改修をした場合)
・固定資産税:昭和 57 年 1 月 1 日以前から所在する住宅に一定の耐震改
修を行った場合、一定期間固定資産税額(120 ㎡相当部分まで)を 1/2 に
減額(平成 18 年 1 月 1 日から平成 27 年 12 月 31 日までに改修工事を施
した場合)
○事業用建築物
・所得税、法人税:事業者が行う特定建築物の耐震改修促進法の認定計
画に基づく耐震改修工事の費用について、10%の特別償却。(平成 18
年 4 月 1 日から平成 20 年 3 月 31 日までに改修工事を行う場合)
(関連)
中古住宅購入の際のローン減税
築後年数要件(マンション 25 年以内、木造戸建 20 年以内)を撤廃し、新耐
震基準への適合を要件化(平成 17 年より)
(3) 「耐震診断・耐震改修マーク表示制度」の活用
今後、平成 20 年 2 月に(財)日本建築防災協会が創設した「耐震診断・耐震改修マーク
表示制度」の活用を図ります。これは、昭和 56 年 5 月以前に建築された建築物で、建築
基準法の現行耐震基準等に適合していれば、その旨を表すマークを記載したプレートを
当該建築物に表示し建築物利用者等に情報提供することにより、建築物所有者・管理者
の耐震安全意識向上を図るとともに耐震改修を促進し、さらに地震発生時における建築
物利用者等の的確な対応を可能とすることを目的としています。
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第2章 建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための施策
3 安心して耐震改修を行うことが出来るようにするための環境整備
(1) 専門技術者の養成・紹介体制の整備
県知事が指定する木造住宅耐震技術講習会による技術者の育成、登録に関する情報を
共有し、ホームページ又は相談窓口により情報の提供に努めます。
(2) 専門技術者向け講習会及び市民向けのイベント等の情報提供
(社)鹿児島県建築士事務所協会では、鉄筋コンクリート造と鉄骨造の耐震診断・補強計
画に関しての専門技術者向けの耐震診断・耐震改修講習会を開催し、県ではその受講者
を登録するとともに技術者名簿を閲覧に供しています。
本市では、県及び建築関係団体等の連携による市民向けのイベントや各種行事の情報
を共有し、積極的に情報提供を実施することで建築物の耐震診断及び耐震改修の必要性
について普及啓発を図ります。
(3) 特定優良賃貸住宅の空き家の活用
住宅の所有者が耐震改修を行う際に仮住居の確保が必要となる場合、耐震改修促進法
に基づき、特定優良賃貸住宅(特定公共賃貸住宅及び地域特別賃貸住宅を含む。以下同
じ。)を仮住居として活用できるものとし、以下により特例として特定優良賃貸住宅への
入居を認めます。
① 対象者
耐震改修促進法により認定を受けた耐震改修計画に係る住宅の耐震改修を実施する
者であって、仮住居を提供することが必要であると認められる者。
② 仮住居として提供できる特定優良賃貸住宅
市内に所在する特定優良賃貸住宅で、入居者の募集をしたにもかかわらず 3 か月以
上継続して入居者がなく、例外的に入居者を入居させることについて、市長の承認を
得た住戸であること。
③ 仮住居として賃貸できる期間及び賃貸借の形態
2 年を上限とし、借地借家法第 38 条第1項の規定による定期借家契約であること。
(4) 市政出前トークの実施
「市政出前トーク」の活用を呼びかけ、木造住宅の耐震診断及び耐震改修に関する必要
な情報提供を行います。
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第2章 建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための施策
(5) ホームページを活用した講習会の案内、地震防災対策の情報提供
住宅・建築物の耐震化の促進に関する施策について、本市が実施する施策の充実を図
るとともに、県及び建築関係団体等の施策についてもホームページ等を活用し、市民へ
の情報提供の充実に努めます。
(6) 建築関係団体等の協力による耐震化の普及啓発
建築関係団体等が実施する住宅・建築物の耐震化の促進に係る各行事等について、情
報を共有し、市民への情報提供の充実に努めます。
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第2章 建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための施策
4 地震時の建築物の総合的な安全対策に関する事業の概要
(1) エレベーターの地震防災対策の推進
業界団体等と連携して、エレベーター内での閉じ込めが発生しないよう、建築物所有者
等に対し「地震時管制運転装置」等の普及・啓発及び情報提供を図ります。
(2) 屋外広告物、ガラス、外壁、天井等の落下防止対策の推進
① 業界団体の協力を求め、屋外広告物の適切な設計・施工や、維持管理についての
啓発、安全性の確保について屋外広告物所有者等に注意喚起を行います。
② 窓ガラス、外壁等の落下防止対策や、不特定多数の者が利用する大規模空間を持
つ建築物の天井等の崩落防止対策を行うよう建築物所有者等に注意喚起を行い、必要
に応じ適切な対策を講じるように指導します。
(3) ブロック塀の安全対策の推進
地震時に倒壊の危険性があるブロック塀の所有者等に注意喚起を行い、改修の推進を図
ります。特に、通学路や避難路沿いについて重点的に実施するなど、優先度、危険度に応
じた改善を推進します。
(4) 地震に伴う崖崩れ等による被害の軽減対策の推進
地震に伴う崖崩れ等による被害を防ぐため、従来実施してきた「がけ地近接等危険住宅
移転事業」を継続して実施します。また、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策
の推進に関する法律等を適正に執行するとともに、鹿児島県建築基準法施行条例第 3 条に
規定された「がけ地の建築制限」に適合させることにより、建築物の安全性を確認します。
(5) 家具の転倒防止対策の推進
本市は、県促進計画に記載されている家具の転倒防止に係る施策に加え、
「地区別防災
研修会」などにおける家具転倒防止器具の展示やその対策を記載したパンフレットの配布
又は市民のひろば「安心安全特集号」や「わが家の安心安全ガイドブック」などにより広
報、啓発を行います。
(6) その他の事業
分譲マンションの耐震化に関する取組みに対し、管理組合等へ情報提供等を行い、居
住者の不安解消に努めます。
5 地震発生時に通行を確保すべき道路に関する事項
(1) 緊急輸送道路の指定
大規模地震の発生後、救援・復興活動の骨格となる路線で、沿道の建築物の耐震化を促
進しておくことが重要な道路として県促進計画に定める緊急輸送道路を指定し、沿道建築
物の耐震化の促進を図ります。
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第2章 建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための施策
注)第1次、第2次の両方に指定されている道
路については、第1次で表示。
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第2章 建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための施策
【第1次緊急輸送道路】
地域間相互の連帯等、初動体制の確保に対応する路線で、市役所、県庁、県出先機関、
地方生活圏中心都市の役場、空港、港湾と接続するもの
道路種別
国土開発幹線自動車道等
路線名
九州縦貫自動車道鹿児島線
南九州西回り自動車道
国道3号
国道3号バイパス
国道10号
一般国道
国道58号
国道224号
国道225号
国道226号
鹿児島吉田線
指宿鹿児島インター線
主要地方道
鹿児島加世田線
鹿児島中央停車場線
鹿児島東市来線
鹿児島蒲生線
郡元鹿児島港線
一般県道
玉取迫鹿児島港線
鹿児島港下荒田線
唐湊線
市道
三官橋通線
臨港道路
谷山二区西線
谷山二区中央線
【第2次緊急輸送道路】
飲料水・食料品等の最低限必要な物資の供給確保、救急活動等の地域間相互の支援体
制の確保に対応する路線で、国等の出先機関、漁港、ヘリポート適地、警察署、総合病
院等と接続するもの
道路種別
路線名
国道225号
一般国道
国道226号
国道328号
谷山伊作線
谷山知覧線
主要地方道
鹿児島東市来線
桜島港黒神線
伊集院蒲生溝辺線
一般県道
小山田谷山線
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