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デキストラン化学修飾による L αーグリセロ ホスフェート
九大農学芸誌 ( S c i .B u ll .F a c .A g r ., 区y u s h uU n i v . ) 第4 8 巻 第1 ・ 2 号 3 5 4 0 ( 1 9 9 3 ) デキストラン化学修飾による L αーグリセロ ホスフェートオキシダーゼの安定化 清*・田中 松本 孝・筏島 豊 九州大学農学部食品分析学教室 ( 19 9 3年 7月 3 0日受理) S t a b i l i z a t i o no fL-αGlycerophosphateOxidase byChemicalM o d i f i c a t i o nw i t hDextran K i y o s h iMATSUMOTO,TakashiTANAKA andYutakaOSAJIMA Laboratoryo fFoodA n a l y s i s,F a c u l t yo fA g r i c u l t u r e, KyushuU n i v e r s i t y4 6 0 9,Fukuoka8 1 2 緒 安定性を現状より高めることは酵素試薬の生産,流通 主主 仁 コ 段階でのコストダウンにつながり,そのメリットは大 酵素は温和な条件で触媒作用を示し,優れた反応選 きいものと考えられる.そこで,本酵素の化学修飾に 択性を有することから,食品及び化学工業でのバイオ よる安定化を試みた. リアクターをはじめ,分析,医療など多方面に渡って 一般に,熱安定性と長期安定性はパラレルな関係に 利用されている.しかしながら,酵素は安定性に欠け あるといわれている.また,これまでに熱による酵素 るという致命的な欠陥を有するため,その利用には自 の失活は,酵素コンホーメーションにおけるアンホー ずと限界がある.したがって,酵素の安定化がより広 ルディングによって起こることが知られている 範な利用への鍵を握っていると思われる.酵素の安定 ( K l i v a n o v,1 9 7 9,1 9 8 3 ) . 一方,ポリオールの添加に 化を図る手段としては,大きく分けて二つの方法が考 よる蛋白質の安定化効果は,遊離酵素系に関して多く えられる.一つは,まず好熱性微生物の検索を行い, の興味ある知見を与えている(月向, 1 9 8 5 ) . そこで, 次に遺伝子操作などによる耐熱性遺伝子の発現などを 酵素分子表面にポリオール構造を導入すると同時に分 行う生物学的手段であり,もう一つは,化学的手段に 子内架橋を施すことにより酵素の安定化が期待される. よって,酵素蛋白質を修飾しその安定性の向上を追求 本研究ではポリオール構造を有する高分子としてデキ デキストラン複合体 ( L e n d . 9 7 6 ) . 生物学的手段 していく方法である(大島ら, 1 ストランを用い,酵素 による耐熱性酵素の開発例はすでにいくつか報告され e r se ta l .,1 9 8 5 ) を調製し,その特性を評価した. ているが,その数は現在のところ使用されている酵素 材料及び方法 数に対して少数に限られている.したがって,化学的 試薬 手段による酵素の安定化が相捕的手段として開発され L- aー グ リ セ ロ ホ ス フ ェ ー ト オ キ シ ダ ー ゼ る必要がある. L-a-グリセロホスフェートオキシダー .1 .3 .2 1,A e r o c o c c u sv i r i d a n s由来) (GPO,EC 1 ゼ、(Ja c o b s and VanDemark,1 9 6 0 東洋醸造(現旭化成工業)製を用いた.デキストラン K o d i . t s c h e k and Umbreit,1 9 6 9 ) はトリグリセリドキットなど臨 は Sigma社 製 ( D e x t r a n T70), 水 素 化 シ ア ノ ホ ウ 床用酵素試薬として広く応用されている.この酵素の 素ナトリウムはナカライテスク社製を用いた.その他 の試薬は特級試薬をそのまま用いた. 3 0 0, 恒 温 槽 装置:分光光度計は島津製作所製 UVはC o l o r a社の CryothermostatEK5型を使用した. *食品管理学研究室, L a b o r a t o r yo fFoodQ u a l i t yC o n t r o l 5 . 2 m g, フェ 活 性 測 定 法 :4ア ミ ノ ア ン チ ピ リ ン 1 3 5 3 6 松本 清・田中 ノ ー ル (5%) 0 . 2 m l,DLーグリセロー3ーリン酸1.95g, 54U/mg) 4.63mgを混合し, ペルオキシダーゼ ( 孝・筏島 豊 法により行った. 熱安定性試験:調製修飾酵素標品 (GPO-Dextran 0.05% (W/V) トリトン X-100を含む 40mM トリス G l y ) をそれぞれ一定量試験管に取り, 5 0'Cの恒温槽 . 0 ) を用いて 50mlに定容し,反応、 塩酸緩衝液 (pH8 7 中で一定時間加熱処理した後,氷冷した.その後, 3 混合液を調製した.試験管に酵素溶液 (L-a グリセ ℃で平衡化して活性を測定した.なお,修飾後の残存 ロホスフェートオキシダーゼ)を 0 . 0 2 m l取り, 37'C 活性が異なるため,熱安定性試験では酵素溶液のユニッ の恒温槽中で 5分間保ち平衡化した.別に 3 7'Cで 平 .5U/mlに統ーして行った. ト数を約 0 7'C 衡化した反応混合液1.0mlをこの試験管に加え, 3 結果及び考察 で1 0分間反応させた. 1 0分後, 0.25%ラウリルベン ゼンスルホン酸ナトリウムを 2ml加え反応を停止さ 1 . 活性化デキストラン調製における酸化剤量の検 せ , 500nmにおける吸光度を測定した. 討 GPO-デキストラン・グリシン複合体の調製:デキ 酸化剤である過ヨウ素酸ナトリウムの量を変化させ T 7 0 ) 300mgを 6mlの 脱 イ オ ン 水 に 溶 解 ストラン ( 種々の活性化デキストランを調製し,活性化デキスト し,過ヨウ素酸ナトリウム 400mgを加え,室温で 7 5 ランに導入されたアルデヒド基を測定すると共に,酵 分間穏やかに撹排した.その後,脱イオン水中で 1時 素 と の 反 応 に よ っ て 調 製 さ れ た 複 合 体 (GPO- 間毎に脱イオン水を換え 4回透析を行った.このよう Dextran-Gly) の 残 存 活 性 及 び 熱 安 定 性 を 測 定 し にして得られた活性化デキストラン溶液 1mlと 0.2M Table 1に示した.なお,修飾後の残存活性は修飾前 リン酸塩緩衝液 (pH8 . 0 ) 1mlに GPO 2.5mgを溶 の GPOの活性を 100%として相対値で表示し,熱処 解した酵素溶液を混合し,水素化シアノホウ素ナトリ 理後の残存活性は未処理の複合体,すなわち,修飾後 ウム 16mgを添加し, 熱処理で行っていない標品の活性を 100%として相対 5'C 下で 1 6時間反応させた. その後,未反応のアルデヒド基をブロックするために, 値で表示した.過ヨウ素酸ナトリウムの量が, 30mg 2 5 0 mg/ml)を 0 . 7 m l加 え , さ ら に グリシン溶液 ( から 400mgへと増加するにつれて活性化デキストラ 3時間反応させた.その後, 5'C下で 1 0m Mリン酸 ンに導入されるアルデヒド基は増加した.また,導入 塩緩衝液 (pH8 . 0 ) 中で透析を行った.なお,過ヨ されたアルデヒド基が多いほど,修飾後の残存活性は ウ素酸ナトリウムの量は目的に合わせて 30~400mg 低下するものの,熱安定性は増加する傾向が認められ まで変化させた.また, GPO デキストランーグリシン た.すなわち,熱安定性と修飾後の残存活性は相反す 複合体を GPO-Dextran -Glyと表示した. る傾向にあり,優れた熱安定性を有し,かつ高い修飾 アルデヒド基の定量:活性化デキストランに導入さ ,5 ジ ニ ト ロ サ リ チ ル 酸 れたアルデヒド基の定量は 3 後の残存活性を維持するためには,修飾段階での活性 低下を防止する必要があると思われた. Table 1 . R e l a t i o n s h i pbetw巴巴namounto fadded NaI0 ndt h e r m o s t a b i l i t yo f 4a GPO-Dextran-Gly ( 5 0 ' C ) . NaI0 4 (mg) Native 3 0 1 2 0 2 4 0 4 0 0 Molecularr a t i o NaIO g l u c o s e u n i t , / 0 . 0 8 4 0 . 3 3 7 0 . 6 7 4 1 . 12 3 Aldehydegroup ( M a l t o s emg/ml ) 3 . 5 5 1 0 . 7 5 1 7 . 6 7 1 8 . 9 8 R e s i d u a l a c t i v i t y a f t e r m o d i f i c a t i o n (%) 7 1 .2 5 2 7 . 5 3 2 5 . 6 5 1 6 . 3 9 6 . 3 3 R e s i d u a l a c t i v i t y a f t e r h e a t i n g a t5 0 ' C 30min (%) 60min (%) 2 5 . 5 9 2 9 . 3 9 5 0 . 2 5 7 4. 42 81 . 10 5 . 6 9 1 2 . 9 0 3 7 . 5 5 6 7. 40 8 0 . 1 0 L-Il'グリセロホスフェートオキシダーゼの安定化 3 7 2 . 還元剤の検討 ナトリウムに比べ強い還元剤であるので,高濃度では, 酵素と活性化デキストランとの反応はシッフ塩基を GPOの補欠分子族である FADが 還 元 さ れ 活 性 が 失 介して行われると考えられるので,修飾後の残存活性 われた.また,水素化ホウ素ナトリウムはシッフ塩基 Table 及び熱安定性に及ぼす還元剤の影響を調べた ( だけを還元するのではなく,活性化デキストラン中の 2 ) . 修飾後の残存活性が低いものほど熱安定性は増加 アルデヒド基まで還元してしまうため,修飾反応が水 する傾向が認められた.還元剤無添加のものでは顕著 素化シアノホウ素ナトリウムの場合ほど進まず,顕著 な熱安定性は認められず,シッフ塩基の還元は熱安定 な熱安定性が認められないものと思われた (German ta l .,1 性獲得には必須のものと思われた (Germane e ta l .,1 9 8 9 ) . 9 8 9 ).水素化ホウ素ナトリウムは水素化シアノホウ素 Table2 . E f f e c to freducingagentonr e s i d u a la c t i v i t y andt h e r m o s t a b i l i t yo f GPO-Dextran-Gly. Reducing agent Concentrationo f r e d u c i n g agent (mM) 1 2 7 . 3 1 0 . 6 NaBH CN 3 NaBH , R e s i d u a l a c t i v i t y a f t e r m o d i f i c a t i o n (%) R e s i d u a la c t i v i t y a f t e rh e a t i n ga t5 0C 3 3 . 3 9 7 . 3 8 1 2 . 3 4 0 3 0min (%) 6 0min (%) 4 6. 15 8 0 . 3 9 5 7 . 5 6 7 1 .7 4 1 9 . 7 9 3 6 . 3 4 3 . 修飾段階での活性低下の防止 . 3 3及 び 3 . 1 5倍高くする FAD無添加のものに比べ, 2 6時間反応すること GPOは活性化デキストランと 1 ことができた.これは, FAD添 加 に よ る 活 性 の わ ず により,反応段階でその活性が約 80%低 下 し , さ ら かな増加に加え, GPOの補欠分子族である FADが 水 に,透析により約 10%低 下 す る こ と が わ か っ た . そ 素化シアノホウ素ナトリウムによる還元から保護され こで,修飾段階での活性低下を防止するため安定化剤 たためと考えられた. (2)硫酸アンモニウム添加効果 の添加を検討した. 透析段階での活性低下を防止するため 10%硫酸ア (1)修飾段階における FAD添加効果 比較的優れた熱安定性を示した活性化条件である過 ンモニウム添加緩衝液中で透析を行った. Table 4に ヨウ素酸ナトリウム量 240mg及び 400mgを用いて活 示すように,過ヨウ素酸ナトリウムの量にかかわらず, 性化デキストランを調製し, GPOの 補 欠 分 子 族 で あ 修飾後の残存活性を硫酸アンモニウム無添加のものに (FAD) を反応 比べ約1. 5~ 2倍高くすることができた.さらに,遊 るフラビンアデニンジヌクレオチド 段階で 10mM添加して酵素との修飾反応を行った. 離の GPO及び GPO-Dextran-Glyに硫酸アンモニウ Table 3に 示 す よ う に , 過 ヨ ウ 素 酸 ナ ト リ ウ ム 2 4 0 ムを添加し長期安定性を検討し, F i g . 1に示した. mg,400mgの何れにおいても,修飾後の残存活性を F i g . 1から明らかなように,両者とも 10%濃 度 で 優 Table 3 . E f f e c to fa d d i t i o no fFADonr e s i d u a la c t i v i t ya f t e rm o d i f i c a t i o n . , NaIO (mg) 2 4 0 4 0 0 Native R e s i d u a la c t i v i t ya f t e rm o d i f i c a t i o n om M FAD (A) (B)/(A) ( f o l d ) 1 0 m MFAD ( 8 ) (%) ( % ) 1 6 . 3 9 6 . 3 3 7 1 .2 5 3 8 . 1 1 1 9 . 9 3 7 1 .8 5 2 . 3 3 3 . 1 5 1 .0 1 3 8 本 松 清・回 中 孝・筏 島 豊 巴c to f 10% (NH4 ) zS 0 4d i a l y s i sondextranm o d i f i c a t i o n . f f Table4 . E NaI0 4 (mg) R e s i d u a la c t i v i t ya f t e rm o d i f i c a t i o n 。% (NH4 l zS04 d i a l y s i s( A ) 10% (NH l zS04 4 d i a l y s i s (B) (%) (%) 2 7 . 5 3 2 5 . 6 5 1 6 . 3 9 6 . 3 3 7 1 .2 5 5 5 . 6 0 4 5 . 6 6 2 4 . 9 1 11 .5 3 7 2 . 8 1 3 0 1 2 0 2 4 0 4 0 0 Native (B)/(A) ( f o l d ) 2 . 0 2 1 .7 8 1 .5 2 1 .8 2 1 .0 2 いえる.この値を比較すると,過ヨウ素酸ナトリウム ¥20 GPO-Dntran-Gly 。 % ヨz。 E d k 巨宮冒﹄冨忠臣。usa-2mE 岨 H川 %%%% OAMao 。 111J h z b z d﹃ 盲 目 ヨ 富 国 09 も GPO-Native 240mg-10%硫酸アンモニウム添加緩衝液透析で得ら れた修飾酵素は,遊離の 9 . 5 7に対し 3 7 . 3 1と最も優れ ていた.さらに, FAD添加及び硫酸アンモニウム添 ig.2 加透析の残存活性及び熱安定性に及ぼす影響を F にまとめて示した.修飾後の残存活性は, a ( 1 0 lOFO F10A,FAD添加ー硫酸アンモニウム添加), b ( A,FAD添加硫酸アンモニウム無添加), c ( O F 1 0 A,FAD無添加硫酸アンモニウム添加), d (OFOA, 20 o 20 30 40 Time(day) FAD無添加ー硫酸アンモニウム無添加)の順で低く なった.熱安定性は, FAD添加または無添加の何れ においても,すなわち, aと bまたは C と dの比較に F i g .1 . E f f e c to fa d d i t i o no f ammonium s u l f a t e onl o n g . t e r ms t a b i l i t yo fm o d i f i e dGPO. おいて,修飾後の残存活性が低いほどわずかに優れて れた長期安定性を示した.これは,調製段階における が進み熱安定性が獲得されたものと思われた.一方, 透析中に酵素標品中に含まれていた安定化剤がはずれ, 硫酸アンモニウム添加または無添加の何れにおいても, いた.これは,修飾後の残存活性が低いほど修飾反応 不安定化したものに,添加された硫酸アンモニウムが すなわち, aと C または b と dの比較において, 安定化剤として作用したものと思われる.また,同じ FADを添加した方が修飾後の残存活性が高く,熱安 10%濃度においては修飾酵素の約 5 0日後の残存活性 定性も優れていた.これは,修飾効果とともに, FAD は遊離酵素が約 90%で あ る の に 対 し , 修 飾 酵 素 は 約 が保護作用を示し,修飾後の残存活性が高くなり酵素 100%とその差はあまり大きくないものの,修飾によ が安定化されたものと思われた. る安定化効果が認められる.より苛酷な条件である熱 安定性試験では,両者の聞に顕著な差が認められたこ とから,さらに長期的にみると熱安定性と同様に顕著 な差が認められると思われる. 5 . 修飾酵素の特性と L-a グリセロホスフェー卜 定量への適用 Table6に 修 飾 酵 素 の 特 性 を 示 し た . 至 適 pHは 9 . 8,至適温度は 4 0'Cであり,修飾による変化はほと 4 . 修飾酵素の評価 直は 2 4.1となり, んど認められなかった.一方, Km{1 反応段階で 10mMFADを添加したものについて, 修飾により基質との親和性がやや低下した. 硫酸アンモニウム無添加と 10%添 加 し た 緩 衝 液 中 で 修飾酵素を凍結乾燥し, L-aーグリセロホスフェー 透析した修飾酵素の評価を熱安定性と修飾後の残存活 i g . 3に 見 ら れ る よ う に , 濃 トの定量に適用した. F 性の二つの因子により行った. Table5において,修 度と吸光度 ω聞には良好な直線性が認められ,修飾酵 0 ' C, 6 0分 加 熱 処 理 後 の 残 存 飾後の残存活性を A,5 素の実用段階での問題はなかった. 活性を B とすると, (AxB) は修飾前の GPO活 性 100%から換算した総合的な残存活性を示していると 要 約 3 9 L-a グリセロホスフェートオキシダーゼの安定化 T a b l e5 . E f f e c to fNaI0 e s i d u a la c t i v i t ya f t e rm o d i f i c a t i o nandt h e r m o s t a b i l i t yo f 4onr C ) . GPO-Dextran-Gly ( 5 0' NaI04 (mg) C o n c e n t r a t i o n o f (NH hS04 4 R e s i d u a la c t i v i t y a f t e r m o d i f i c a t i o n A (%) AxB R e s i d u a la c t i v i t y a f t e rh e a t i n g a t5 0 " C (%) (%) 3 0min 6 0min B 。 。 。 4 0 0 4 0 0 2 4 0 2 4 0 N a t i v e Native 1 9 . 9 3 2 6. 15 3 8. 11 4 7 . 6 8 7 1 .8 4 6 9 . 5 7 1 0 1 0 1 0 (%) (%) 9 8. 49 91 .3 1 91 .6 6 8 8 . 6 9 3 8 . 7 3 3 3 . 9 4 9 7. 44 8 8 . 7 0 8 4 . 2 7 7 8 . 2 6 1 1 .7 2 1 3 . 7 6 1 9. 42 2 3 . 2 0 3 2 . 1 2 3 7 . 3 1 . 42 8 9 . 5 7 Table6 . C h a r a c t e r i s t i c so fGPO-Dextran-Gly 目 pHOptimum Temp.Optimum K mv a l u e(mM) 9 . 8 1 0 . 0 4 0 3 7 2 4 . 1 4 . 1 GPO-Dextran -Gl y GPQ-Native 020 60 ・ 4 o ω b m h •輔 OD 010 国 司 富 E 20 IOF 1 0 . . . 1OF0 . . . OF 10A OF0. . C o n d i t i o n J i db a r: R e s i d u a la c l i v i l ya f t e rm o d i f i c a t i o n( % ) S o H a l c h e db a r: R剖 d u a la c t i v i l ya f t e rh e a t i n ga tS O O C, ω m i n . ( % ) 1 0 F1 0 A :1 0mMFAD; 1 0 %a m m o n i 町n s u l f a t ed i a l y s i s 1 0 FO A: 1 0mMFAD; 0%a m m o n i u ms u l f a l ed i a l y s i s O F1 0A: OmMF A D ;1 0 %a m m o n i u ms u l f a l ed i a l y s i s O FO A: 0mMFAD; 0%a m m o n l u ms u l f a t ed i a l y s i s 20 40 ' 0 C o n c e n t r a t i o no fL α . G l y c e r o p h o s p h a t e G l y c e r o p h o s p h a t e F i g .3 . D e t e r m i n a t i o no fL -a(μM) bym o d i f i e dGPO. F i g .2 . E f f e c to fa d d i t i o no fFadandammonium s u l f a t ed i a l y s i sonr e s i d u a la c t i v i t ya f t e r m o d i f i c a t i o nandt h e r m o s t a b i l i t yo fmodi. f i e dGPO L -a-グリセロホスフェートオキシダーゼ (GPO) トラン化学修飾による安定化を試み,修飾酵素の安定 トリグリセリドキットなど臨床酵素試薬として広 性を熱安定慢を指標として評価した.過ヨウ素酸ナト く応用されている.この酵素の安定性を現状より高め )で活性化し,アルデヒド基を導入し リウム (NaI0 4 ることは,酵素試薬生産,流通段階でのコストダウン たデキストランを調製した.これを酵素上のアミノ基 につながり,そのメリットは大きい.そこで,デキス とシッフ塩基を介して架橋させた後,水素化シアノホ は , 4 0 松本 清・田中 孝・君主 島 ウ素ナトリウムによる還元を行った.さらに,未反応 文 のアルデヒド基をグリシンでブロックし,緩衝液中で GPO-D e x t r a n 透析を行った.得られた修飾酵素 ( G l y )は , 5 0C, 6 0分 加 熱 処 理 に 対 し , 未 修 飾 酵 素 ( G P O N a t i v e ) と比較して,高い熱安定性を示し, o 長期安定性においても優れていた.しかしながら,修 飾後の残存活性が低いという問題があった.そこで, PO-Dextran-Glyを得るために,反応の より優れた G 各段階について詳細に検討した.デキストラン活性化 時の NaI0 4の量を変え修飾を行ったところ,導入さ れたアルデヒド基量が多いほど,修飾後の残存活性は 低下するものの,熱安定性は増加する傾向が認められ た.修飾段階での活性低下を防止するため補酵素 FADを 10mM添加することにより,また, 10%硫 酸 アンモニウム緩衝液中で透析を行うことにより,修飾 後の残存活性をそれぞれ1. 5~ 3倍 , 1. 5~ 2倍 高 く す 硫酸アンモ ることができた. 10mMFAD添加, 10% ニウム透析した G PO-Dextran-Glyは,修飾後の残存 7 . 7 %( A ), 5 0oC,6 0分 加 熱 処 理 後 の 残 存 活 活性が 4 8 . 3 % (B)となり,修飾前の GPO活 性 100%か 性7 , GPO ら 換 算 し た 総 合 的 な 残 存 活 性 (AXB) は N a t i v eで 9 . 6 %であるのに対し, 3 7 . 3 %と優れていた. GPO-Dextran-Glyの凍結乾燥品は,その優れた熱安 定性を保持し,実際に, L-aーグリセロホスフェート の定量に使用可能であった. 豊 献 月向邦彦 1 9 8 5 蛋白質は糖やポリオールの存在下で 0 ・1 1 1 5 なぜ安定か.蛋白質・核酸・酵素, 3 1 1 2 6 .,T .S l a g m o l e n,R .R .C r i c h t o n 1 9 8 9 German,p R e l a t i o n Between S t a b i l i z a t i o na n dR i g i d i f i . c a t i o no ft h eT h r e e D i m e n s i o n a lS t r u c t u r eo f l B i o e n g .,3 3 :5 6 3 a nE n z y m e . B i o t e c h n o. 5 6 9 . J a c o b s,N .J .a n dP .J . VanDemark 1 9 6 0 The P u r i f i c a t i o na n dP r o p e r t i e so ft h ea G l y c e r o p h o s p h a t e O x i d i z i n g Enzyme o fS t r e j りt o c o c c u s 0 Cl . A r c h . B i o c h e m . B i o p h y s .,8 8 f o e c a l i s1 2 5 0 2 5 5 . .H . 1 9 7 9 Enzyme S t a b i l i z a t i o nb y K l i v a n o v,A . B i o c h e m .,9 3 :1 2 5 I m m o b i l i z a t i o n . Anal .H. 1 9 8 3 S t a b i l i z a t o no f Enzymes K l i v a n o v,A . a g a i n s t Thermal I n a c t i v a t i o n . A d v . Appl c r o b i o , . l2 9 :1 2 8 孔 1 :i .K .a ndW. W. U m b r e i t 1 9 6 9 a K o c i t s c h e k,L G l y c e r o p h o s p h a t e o x i d a s e i n S t r e t t o c o c c u s f a e c i u mF 2 4 . J . B a c t e r i o. l9 8 :1 0 5 3 1 0 6 8 . . P,P . German a n dR .R .C r i c h t o n L e n d e r s,J 1 9 8 5I m m o b i l i z a t i o no faS o l u b l eC h e m i c a l l y 巴r m o s t a b i l i z e d E n z y m e . B i o t e c h n o l Th B i o e n g .,2 7 :5 7 2 5 7 8 . 大島泰郎・藤田 忍・今掘和友 1 9 7 6 酵素の安定性 と安定化.今掘和友・成田耕造・徳重正信編:現 代の酵素化学(化学増刊 6 5),化学同人,京都 Summary T h e r m o s t a b i l i z a t i o no fLα g l y c e r o p h o s p h a t eo x i d a s e (GPO)byc h e m i c a lm o d i f i c a t i o nw i t h o x i d i z e dd e x t r a nwasp e r f o r m e d . Theenzymewasc o u p l e dw i t ho x i d i z e dd e x t r a np r o d u c e dby p e r i o d a t eo x i d a t i o n ,f o l l o w e dbyr e d u c t i o nw i t hsodiumc y a n o b o r o h y d r i d eandg l y c i n eb l o c k i n g . Them o d i f i e de n 勾Tme ( GPO-Dextran-Gly) t h u so b t a i n e dshowedh i g hr e s i s t i v i t ya g a i n s th e a t t r e a t m e n t compared w i t ht h a to fn a t i v e GPO,t h o u g ht h er e s i d u a la c t i v i t ya f t e rc h e m i c a l m o d i f i c a t i o nwasr e l a t i v e l yl o w .I no r d e rt og e tm o d i f i e denzymesw i t hh i g h e rr e s i d u a la c t i v i t y a f t e rm o d i f i c a t i o n,t h er e p r e s s i o no fi n a c t i v a t i o no fGPO d u r i n gt h ec o u p l i n gr e a c t i o n andt h e d i a l y s i sp r o c e d u r ewasi n v e s t i g a t e d . Thea d d i t i o no f1 0m Mf l a v i n ea d e n i n ed i n u c l e o t i d e( FAD) i a l y s i so ft h ec o u p l e d c o u l dr e p r e s st h ei n a c t i v a t i o nd u r i n gt h ec o u p l i n gr e a c t i o n .F u r t h e r m o r e,d enzymea g a i n s tab u f f e rs o l u t i o nc o n t a i n i n g10%ammoniums u l f a t er e d u c e di n a c t i v a t i o nd u r i n g o r6 0 min i nan i n c u b a t o r,t h e t h ed i a l y s i sp r o c e d u r e .A f t e rn a t i v eGPOwash e a t e da t5 0C f a c t i v i t yo fGPOwasr e d u c e dt o9 . 6 %fromt h eo r i g i n a l( n a t i v e1 0 0 % ) . Ont h eo t h e rhand,t h e c h e m i c a lm o d i f i c a t i o nw i t ho x i d i z e dd e x t r a ni t s e l fr e d u c e dt h eGPOa c t i v i t yt o4 7 . 7 %( A ) from 回 戸n e(GPO-Dextran-Gly),however,a c q u i r e dh e a t t h eo r i g i n a l( n a t i v e1 0 0 % ) . Them o d i f i e de r e s i s t i v i t y,andremaminedi t sa c t i v i t yupt o7 8 . 3 %( B )u n d e rt h esameh e a tt r e a t m e n t . Thus, t h eo v e r a l lr e s i d u a la c t i v i t yc o n v e r t e dfrom t h eo r i g i n a la c t i v i t y (AXB ) was c a l c u l a t e da s 3 7 . 3 % . TheGPO-Dxtran-Glywasa p p l i e dt ot h ed e t e r m i n a t i o no fL α g l y c e r o p h o s p h a t ew i t h agooda p p l i c a b i l i t y . 0