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キャリア教育・職業教育特別部会における関係団体からの主な御意見
キャリア教育・職業教育特別部会における関係団体からの主な御意見について(詳細版) 内容 Ⅰ 現状と課題 関係団体からの主なご意見 ・学歴別の正社員割合について、さらに詳細な調査が必要。(全国高等学校長協会) ・「座学中心の教育」が何を指しているのか分かりにくい。(全国高等学校長協会) ・「早期の進路分化」に関して、ヨーロッパ型教育と、戦後我が国が範としてきたアメリカ型教育の相違に言及しない限り誤解を生む可能性 がある。十分な補足説明を期待したい。(日本私立大学団体連合会) Ⅱ 改革の基本的 ■ 改革の基本的方向性 ・改革の基本的方向性が、キャリア教育に比べ、実践的職業教育推進に偏りすぎている。殊に高等教育については、学校種や専門ごとに 方向性 切り分けた議論が必要。(日本私立大学団体連合会) ・キャリア教育と職業教育の違いと相互の関連性は本審議の最も基本的な骨格であるので、明確にする必要がある(日本私立大学団体連 合会) ・義務教育を含む学校教育の各段階で、「労働教育」=働くことの意義と、労働を通じての社会への貢献、働く者の権利・義務について、 生徒・学生が確実に会得することが重要。(日本労働組合総連合会) ■ 義務教育段階からの体系的な取組 ・「勤労観・職業観をはじめ、社会的・職業的自立に必要な能力等を、義務教育から高等教育に至るまで体系的に身に付けさせていくこ と」には賛同。(日本私立小学校連合会) この視点は非常に重要で我が国でも必要。(全国高等学校長協会) ・義務教育段階からの体系的な取組を行なうこと、特に生活や社会、職業との関連も重視して各教科等の特質に応じた学習を行なうな ど、教育活動全体を通じた体系的な教育を行なうことは大切。(日本教職員組合) ・小中学校段階におけるキャリア教育や進路指導の重要性への指摘は大変重要であり、「将来社会人として働く」ことの意義を考えさせる 体験教育を強化するとともに、単線型ではなく個性や適性に応じた多様なキャリアパスの可能性等についての指導を充実していただき たい。(高等専門学校連合会) ・キャリア教育を推進するための学校内の組織・体制作りが必要。(全国市町村教育委員会連合会) ・教員の資質向上と専門的能力を有する教員の養成のため、以下のことが必要。①すべての教員がキャリア教育の本質的理解を共有、 ②すべての教員が基本的なキャリア・カウンセリングを行うことができるよう研修プログラムを開発・普及、③キャリア教育の視点に立ったカ -1- リキラム開発能力や地域社会等とコーデイネ-ト能力を身に付けさせるための教員研修の充実。(全国市町村教育委員会連合会) ・義務教育のキャリア教育、職業教育も極めて大切な分野であり、同時に推進すべき。(全国市町村教育委員会連合会) ・義務教育段階でのキャリア教育は、学校での取り組みも充実し非常に良くなってきた。多くの児童・生徒が純粋に社会貢献の仕事に関 心を持ち、職場体験学習で体験した多くの経験から、新たな仕事の夢を描く子ども達も増えている。(日本 PTA 全国協議会) ・各教科等の指導だけでなく、給食指導や清掃指導等まで一人の学級担任が行っている中でキャリア教育が行われている小学校と、そう ではない高等学校とが、キャリア教育の在り方について教育課程上異なることは当然である。無理にキャリア教育・職業教育の視点から 体系化しすぎないよう配慮が必要。(全国連合小学校長会) ・「中学校段階が極めて重要」「小学校段階におけるキャリア教育の充実が欠かせない」との提言に関し、こうした指導時間が実際にはきわ めて厳しい授業時間確保の中で、期待する質をもってキャリア教育を実践するためには、マクロ的な視点から全体の教育課程の在り方を 精選・整理することが必要であり、また全国どの義務制においても実践しうる条件整備が必要。(全国教育管理職員団体協議会) ■ 就学前教育 ・一人一人の幼児の心に実感をもった体験となるように指導することが、幼稚園教育におけるキャリア教育・職業教育。(全国国公立幼稚 園長会) ・正しい勤労観を培うためには、幼児期から、人に対する信頼感、人の中で生きていくことを喜びと感じられる力を育てていくことが必要。 (全国国公立幼稚園長会) ・社会的な問題と、幼児期の教育や保育の質は、時間軸ではかなりの開きがあるものの、確実に連なっているいくつかの事柄がある。幼児 期から児童期前半までの育てられ方が、社会での職業生活に大きな影響を及ぼしている。(全日本私立幼稚園連合会) ■ 小学校段階について ・小学校段階では、特別活動の中で係活動や当番活動等として指導し、望ましい勤労観・職業観の育成に努めている。また、生活科、社 会科等各教科の指導においては、様々な職業を通して、児童が現在及び将来の生き方を考える学習を設定している。このため現行の 教育課程の枠組みの中で実施されているキャリア教育を大きく変更することは、各学校に混乱を招くことはないか不安がある。(全国連合 小学校長会) ・新学習指導要領により、各学校は授業時間数の増加によって多忙な状況にあるため、これ以上の体験活動の充実を期待することは難し い。(全国連合小学校長会) -2- ・小学校段階では、児童の発達段階から、特別に時間を設定してキャリア教育や職業教育を実施する必要はない。むしろ将来仕事を持 つために身に付けておかなければならない基本的なことを十分指導しておくことが大切。自我や将来に目覚める前段階で断片的に職場 や仕事を体験するのではなく、自分と社会との関係を築く基本を身に付けさせておく方がより重要。(日本私立小学校連合) ■ 中学校段階について ・今後のキャリア教育の在り方については、①学校教育の課題として特化せず社会全体の課題として検討すべき、②課題の焦点化を図り 達成可能な目標とすべき、③教育課程上の位置づけを明確にすべき。(全日本中学校長会) ・中学生に対する教育が、職業生活を具体的に考えさせることよりは、勤労観や職業観を考えさせることの方が重要であるとの方針をとっ ており、自分の職業を具体的に考えるところまで至らない現状がある。(全国高等学校長協会) ・後期中等教育において生徒が職業教育を選択するためには、中学校在学時から、人生設計や進路指導を含めた十分なキャリア教育が 実施される必要。本報告では、前期中等教育におけるキャリア教育の必要性は記載されているが、具体的な教育プログラムの提示がな いため、これを明らかにすべき。(経済同友会) ■ 生涯学習について ・キャリア教育・職業教育は、生涯教育(学習)を通した、すべての学校段階で体系的に実践されてこそその実をより上げ得る性格のもの。 (日本私立中学高等学校連合会) ・大人である社会人の職業観、職業への意識も大切。そのためには、生涯を通して一貫した取り組みをすることが必要ではないか。社会 全般で取り組むこと、学校として取り組むこと、保護者・家庭が取り組むことを明確にする必要がある。(全国高等学校 PTA 連合会) ■ その他 ・小中学校における体験学習について、まず「体験」ありきでなく、教育活動としての「体験学習」を意義あるものにするために、学校現場 の自主性を尊重する姿勢が重要。また、体験先確保などの条件整備、現場への援助に一層の努力が必要。(全日本教職員組合) Ⅲ 後期中等教育 ■ 高等学校におけるキャリア教育・職業教育の充実と高等学校の在り方 におけるキャリ ア教育・職業教 育の在り方 ・今日的な課題に応えるよう、憲法 27 条・28 条や労働者保護法制に保障された「働くルール」「労働者の権利」「労働組合の知識」等が含 まれることが重要。これは進学・就職という進路希望の違いに関わらず、すべての高校生に必要な学習。(全日本教職員組合) ・「中核となる時間」を含むキャリア教育の視点について、教育課程上の位置付けを明確にする必要がある(全日本教職員組合) ・高度化している求められる知識・技能や人材ニーズに対して、どこまで後期中等教育段階で学習させるのか、高等教育段階にゆだねる -3- のかを明確にしないと、高校生は「夢や希望を描きにくい状況」になりやすい。(全国国公立幼稚園長会) ■ 高等学校普通科について ・本来は普通科においても、基礎教養としての職業教育が行われ、職業に関する基礎的な教科・科目を設定し、履修できるようにすること は、学校教育法 50 条「高等学校の目的」の規定にも沿った方策。こうした学習を保障するうえで、必要な教職員配置や近隣の「職業教育 を主とする学科」との連携を含めた教育条件の整備が必要。同時に、最低限「中核となる時間」を設定し、職業科目を選択できるようにす るなどの対応が求められる。(全日本教職員組合) ・普通科でこそ普通教育の一貫として共通に学ぶ職業に関する教育の充実が必要。そのため、学校設定教科・科目を利用して教科「職 業」などを設け、共通して職業に関する知識と理解を進める教育が必要。(日本教職員組合) ・普通科における職業に関する教科・科目の充実については、幅広い普通科の実態を鑑みると一律な形のものでなく、高等学校が生徒 の実態や地域の状況により工夫できる余地や裁量を残すべき。(全国高等学校長協会) ・キャリア教育推進のため、教育課程に「産業社会と人間」やそれに類する中核となる時間を明確に位置づけることについて、様々な事情 を持つ普通科があり、柔軟な対応が求められる。(全国高等学校長協会) ・「普通科における職業教育」の充実のために、職業に関する教科・科目を導入するには、教職員配置や施設・設備などを含め実際的な 課題が多いと考えることから、学校のすべてを通じての教育活動・学習を人間の「生活」の視点で深めることが必要。例えば、「総合的な 学習の時間」「産業社会と人間」の活用、また、すべての高校生が学習している必修教科「家庭」の中には、様々な希望進路や地域産業 などの関わりが考えられるケースが多く見受けられ、共通教科「家庭」での施設・設備の有効活用も図れるとともに、担当教員の職業に関 係する資質向上を期しながら、職業教育の指導に活用することも一方策と考えられる。(産業教育振興中央会) ■ 専門高校について ・労働者の育成のためには専門高校が必要であり、一定程度の「普通科」を「専門学科」に転換するなど、専門高校の拡充整備に向ける 時期。(産業教育振興中央会) ・近年の技術の高度化への対応、専門性を高めるために深く学びたいという生徒が年々増加している現状、専門高校生の特性を踏まえ、 センター試験や大学での試験科目に専門教科・科目の導入及び資格・検定を活用することについての明示をされたい。また、各大学等 における専門高校生の特別枠の確保とともに、その枠の拡大、特に国公立大学における特別枠の拡大に向けての必要性をお願いした い。(産業教育振興中央会) ・専門高校で学ぶ生徒の多くは、職業(就業)意識が高く、より高度な知識を修得しようとしている。各大学での入学者選抜方法において、 -4- 資格や検定の取得状況、各種コンテストへの参加実績等を考慮した入学枠の拡大は、「専門高校からも大学進学は十分可能である」こと への大きな裏付けとなり、生徒の個性、就学目的に合った進路選択、また専門高校生の向上心の高揚等に有意義。(日本高等学校教 職員組合) ・専門高校の学科は多種多様であることから、「ものづくり等」としてのくくりで表記するのではなく、農業・水産・商業・家庭・看護・福祉など 「モノづくり」以外でも、専門教育に係る課題研究を行うなど創造性、主体性、自主性を発揮するとともに、専門高校では、心の育成など 全人格の成長を見据えながら教育活動を実施しており、その機能・役割を明確に位置づけ記述してほしい。(産業教育振興中央会) ・「専門学科については、半数が就職し、地域の産業界の人材ニーズが強い一方で、」とあるが、本年度は求人票数を見ると地域のニー ズが少なく困っている現状があり、現状との乖離を感じる。(全国高等学校長協会) ・「専門高校では、一部の学科を除いて学科と職業との関連性は弱まっている傾向にある」との指摘は、就業先がないのか学科が時代に 合わないか判断に迷う表現。(全国高等学校長協会) ・後期中等教育において職業教育を担う工業高校、商業高校は、生徒の就職や地域経済にとって重要な役割を果たしてきたが、経済情 勢や産業構造が激変するなかで、常に教育内容の見直しを行いながら充実を図り、変化に適応していく必要がある。(経済同友会) ・職業学科の学級編成基準を 30 人、少なくとも当面 35 人学級を早急に実施することが必要。(全日本教職員組合) ・実験・実習を伴う教科指導に際して施設・設備の充実は不可欠。専門高校の設備は長期間更新が行われず、企業に比べ著しく年式の 古い機器が極めて多い。特に工業・農業の実習機器類の更新は、生徒の安全面を考慮し最優先されるべき。(日本高等学校教職員組 合) ■ 専門高校の5年制化について ・専門高校の5年制化について、特に高等専門学校制度との関係が不明確であり、慎重な検討が必要。(高等専門学校連合会) ・専門高校の5年制化は、指摘のように一律に考えることは難しく、専攻科の活用や専攻科と高等教育機関との円滑な接続が考慮される 必要がある。また職業教育に取組む専修学校高等課程への財政的支援策も必要。(日本教職員組合) ・5 年制化(専攻科の充実)によって即戦力となる人材育成の期待も高まるが、5 年制化を極端に拡大することは困難であり、導入には慎重 な議論が必要。併せて、大学・短大・専門学校や高等専門学校等が果たすべき役割を考慮し、検討していくことも必要。(日本高等学校 教職員組合) ■ 専門高校を基にした高等専門学校の設置について ・「専門高校を基にした高等専門学校の設置の可能性」については、内容が明確になっていないことから判断を保留。(全日本教職員組 -5- 合) ■ 総合学科(「産業社会と人間」)について ・「産業社会と人間」を普通科課程にも位置付けるという主旨には賛同(経済同友会) ・「産業社会と人間」の考え方については、様々な事情を持つ普通科があり、柔軟な対応が求められている。(全国高等学校長協会) ・「産業社会と人間」の指導方法と内容を含め、成果と問題の検証が必要。(産業教育振興中央会) ・「産業社会と人間」の充実を図るとともに、総合学科の特色が生かされるような定数・施設の充実が課題。また、「産業社会と人間」を総合 学科以外の専門学科や普通科で開設し、職業教育の充実を図ることも必要。(日本教職員組合) ・「産業社会と人間」又はそれに類する教科・科目等の設定科目の「ねらい」に沿った年間指導計画等の好事例の提示や、検定教科書と して位置付けを図るよう要望。(全国都道府県教育委員会連合会) ・本来、生徒の個性を引き伸ばすはずであった総合学科に期待されていた機能が十分に果たされていない。創設された本来の趣旨を活 かすため、とりわけ、独自の科目を指導する講師への経済的な保障は絶対に必要。制約が多すぎることや多忙感により、学校現場では 積極的に新たなものに挑戦する「やる気」が失われつつあるので、十分な教育予算や定数の加配をするべき。(日本高等学校教職員組 合) ■ 専攻科について ・高校看護科では、平成 14 年度から「5 年一貫教育」に移行して看護師養成を行っているため、本科 3 年での「例えば看護のように」との 例示の課題はない。看護専攻科の 2 年間は、短大、専修学校専門課程(専門学校)と同じカリキュラムを履修して、同じ国家試験を受験 しているにも関わらず、学校教育法上の位置付けが対応されていないことが課題。(産業教育振興中央会) ・看護校長会では、看護の資質能力を高めるとともに、保健師や助産師の資格取得を目指す生徒が増えつつあることから、専修学校から の大学3年への編入学が可能になった平成11年以降、専攻科からの大学3年編入学の途が開かれるよう要望している。早急に具体化 していただきたく「大学3年に編入できる法整備を急ぐべきである」など、具体的に踏み込んだ記述を切に要望。(産業教育振興中央会) ・高等学校専攻科は、現状では「高等学校設置基準」によって設置される機関であり、その修業年限も1年以上とされるなど、高等教育機 関との編入学やその修得単位の認定を検討するにあたっては、法制的な観点からなお十分な検討を要する点が少なくない。その法的 位置付けがまず明確にされた上で、高等教育機関との接続が考えられるべき。(日本私立大学団体連合会) -6- ■ 専修学校高等課程について ・高等専修学校制度は、教育課程、教科書及び教員資格等が柔軟に設計され、地域の事情など細かい要請にも応え得る利点がある。後 期中等教育段階の多様な職業教育の実践の拠点として、高等専修学校を積極的に活用するため、専門学校と同様、分かりやすい制度 への見直し、通信教育課程の制度化などが必要。(全国専修学校各種学校総連合会) ・高等学校でのキャリア教育・職業教育の充実において、今後、学習指導要領の適用や教員の任用などについて弾力的な措置を講ずる など、高等学校制度の根幹を大幅に改革する方向が模索されるとするならば、後期中等教育段階では、高等専修学校制度こそ職業教 育に特化した新たな枠組みとして位置づける方向で検討すべき。(全国専修学校各種学校総連合会) ■ 特別支援学校について ・特別支援学校について、①就学前教育の充実、②小学校及び中学校段階におけるキャリア教育の充実、③職業教育を進めていく上で の、専門高校や高等専門学校等との制度上の違い、④学校や教育委員会と地元の企業、商店、公共機関等との連携・協力、⑤特別支 援教育の指導内容方法の普通教育との共有化、⑥普通教育と特別支援教育の教育内容(学習指導要領、使用教科書等)の連続性、 ⑦高等学校卒業後における職業教育を継続して受ける機会の提供、⑧産業構造の変化に応じた障害者の安定雇用、⑨特別支援学校 (盲学校)専攻科卒業生の大学編入学の推進、⑩特別支援教育関係者も含めた検討委員会の設置、の各点を要望。(全国特別支援学 校長会) ・特別支援学校における進路指導のノウハウを十分に広範に活用できるよう、高校における特別支援教育の推進と同時に関係各機関と の連携強化を図る必要。(日本高等学校教職員組合) ・障害のある子どもの職業教育について、現在進められている文科省内の研究会とも連携し取組を進める必要。(日本教職員組合) ■ インターンシップ等について ・高等学校における企業等との連携によるインターンシップの強化の必要性。(日本労働組合総連合会) ・インターンシップそのものが「体験学習」として軽視されていないか危惧される。これを払拭するために、教員に向けた十分な趣旨の徹底 が必要。(日本高等学校教職員組合) ・労働者育成のため、企業の教育力を活用する長期インターンシップやデュアルシステムを引き受ける協力企業への助成などの特別措置 の方策、社会的評価面について検討されたい。 デュアルシステムについては、学校からの協力依頼のみではなく、企業から学校に働 きかけるシステムの構築の検討について考慮されたい。(産業教育振興中央会) ・「デュアルシステム」の取り組みも有効。しかし、全ての生徒を対象とすることや長期間の実施には、授業との整合性(単位認定基準の違 -7- い)や受け入れ側の負担等の課題があり、単位取得の代替や協力企業への助成等の優遇措置が必要。(日本高等学校教職員組合) ■ 外部人材について ・外部人材やキャリアカウンセラーは必要。(全国高等学校長協会) ・生徒一人一人へのきめ細やかな指導を行うキャリア・カウセリングの専門人材の配置などを進めることの提言は適切なこと。(産業教育振 興中央会) ・実務経験を有する者の活用にあたっては、教員としての任用のみならず、特別非常勤講師制度の積極的活用のほか、企業と連携した 外部の熟練技能者の講師招聘や、現職教員の企業派遣を拡充することが望ましい。(全国都道府県教育委員会連合会) ・「進路指導アドバイザー(仮称)」の配置や「キャリア・コンサルタント」との連携についても必要。(日本労働組合総連合会) ・コーディネータやキャリア・コンサルタント等の配置は、教員の負担軽減および資質向上に有効。(日本高等学校教職員組合) ・勤労観・職業観の醸成に向けた具体的方策として、成長段階に応じた労働体験やものづくり教育の時間拡大と内容充実を図る必要。そ の実施にあたって実践的な経験をもつ技術者や労働組合等、外部講師の積極的活用が不可欠。(日本労働組合総連合会) ・「技術・技能を有する者を学校に招いて講習会を実施」は良いとしても、教員免許状を持たない者を教員として任用することには反対。む しろ、教員の多忙化を軽減し、自己研修及び一定期間の専門技術研修を保障することで専門実習の指導力を高めることが必要。(全日 本教職員組合) ・豊かな実務経験と資格を有しながらも教員免許を持たない民間人が、実習教員のように実験・実習の部分を中心に指導することは有 益。しかし、教科指導全体を行ったり単位の認定に関わるなどの教育活動を担うとなれば、現在の教員免許制度との矛盾が生じる。教壇 に立ち、実験・実習以外の事をさせるのであれば、まずは教員免許を取得させる必要がある。(日本高等学校教職員組合) ■ 教員について ・教職員が学校外における社会体験を積むことで、キャリア教育を進める教職員自身が「本物を体験する」よい機会になるのではないか。 また、学校外における社会体験研修によって学んだものを学校現場で生かすことが重要。そのためにも各都道府県で実施している初任 者研修、3~5年経験者研修等のように、採用後の早い段階で社会体験研修が実施できるようにしたい。(全日本教職員連盟) ・全ての教員が他の職種や企業での勤務経験を有しているわけではなく、キャリア教育・職業教育に精通し、質・量ともに高水準の指導を 行うためには、教員の資質・スキル向上を図る研修講座の開設や受講機会の確保等は喫緊の課題。(日本高等学校教職員組合) ・高等学校における就職の進路指導の内容充実に向けた教職員研修の徹底が必要。(日本労働組合総連合会) ・キャリア教育・職業教育では、体験活動、専門的な知識・技能の指導、地域社会・産業界との連携等が必要とされるが、このような活動を -8- 実施する上でも安定した教職員の配置は不可欠。今後、キャリア教育・職業教育の実現という視点からも、次期定数改善計画の策定が 求められる。(全日本教職員連盟) ・優秀な人材を確保するためには、産業教育手当の堅持をはじめ、それ相応の給与や手当が必要。(日本高等学校教職員組合) ■ 施設・設備について ・高等学校の再編に際して、我が国の地域社会、経済を見据え、職業人の育成への重要性を踏まえ、生徒の個性及び目的志向、地域性 などを考慮しつつ専門高校、専門学科の拡充を進め、それぞれの学校ごとに十分な施設・設備を早急に整備することが必要。なお、専 門高校の各県等での統廃合等に伴い、生徒が通学のための移動手段の確保、交通費の支援、必要に応じて寄宿舎、(県に1校程度の 水産高校、看護学科等で実績あり)等の整備・支援が必要。(産業教育振興中央会) ・専門的な知識・技術・技能の教育の内容・方法を支えるのは、教員の資質向上とともに、施設・設備の充実が重要な基盤であることから、 「産業教育振興法」の趣旨などに基づき、その必要性を具体的に整備を進めることの重要性について配慮されたい。(例えば三位一体 改革で廃止された国庫補助の復活などを含めた、国などの整備方針を明示を打ち出せないか)また、施設・設備については、各学校の 画一的な整備ではなく、それぞれ特色化をもたらす施設・設備整備の在り方を明示し、地域性の考慮などの必要から拠点校方式も一つ の方策として考えられる。この場合は拠点校への移動の手段、交通費が課題。(産業教育振興中央会) ・「職業学科の施設・設備の改善・充実が必要である」という点に賛同するが、全国的な水準を確保し改善・充実を進めるためには「産振補 助」の復活を検討する必要がある。(全日本教職員組合) ■ その他 ・情報通信ネットワークの利用が役に立つ。(全国高等学校長協会) ・『社会人基礎力』『就職基礎能力』をぜひとも高校生に身につけさせていただきたい。(全国高等学校 PTA 連合会) ・多くの職業学科の設置者である各都道府県とも財政危機は共通しており、この結果実習に必要な費用、特に消耗品費が年々減額され ており、課題研究や基礎実習の内容に大きな影響を及ぼしている。職業教育の振興にとって、消耗品費の確保と教育予算の充実が必 要。(全日本教職員組合) ・キャリア教育・職業教育に対する取り組みに大きな隔たりがある。今後まとめられる本部会での審議結果については、産業構造の違いも あることと思うが、全ての都道府県においてある程度一定した基準により指導することが必要(日本高等学校教職員組合) ・キャリア教育・職業教育を遠い存在として後方に押しやったものには、競争原理を取り入れた学力中心主義・普通科教育中心主義が存 在したことに言及せず、「教育の重要な目的としての再認識」は、ありえないことを指摘したい。(全国教育管理職員団体協議会) -9- ・「専門高校の5年制化」や「専門高校を基にした高等専門学校の設置の可能性」の議論があるが、新学校種の構想の前に、既存の学校 体系全体の再整理が必要。(日本私立大学団体連合会) ・社会的風潮や進学重視の指導(各県ですすむ進学重点校や重点的な予算措置、国公立大学・医学部への合格者数を数値目標として 競う)が報告されているが、これらをどのように是正するかもあわせて議論する必要。(日本教職員組合) Ⅳ 高等教育にお ■ 各高等教育機関における職業教育の充実の方向性 ける職業教育 の在り方 ・述べられていることは理念として理解できるが、抽象的であるため、できれば具体的なカリキュラムや実践例を示していただきたい。(公立 短期大学協会) ■ 高等教育における職業教育を通じて育成することが求められる能力 ・能力だけでなく、意欲などの情意面についても考察する必要がある。(全国連合小学校長会) ・高等教育における職業教育を通じて育成することが求められる3つの共通能力を設定することは同意できるが、これらを育んでいくため にはこれらを内包したカリキュラム開発が必要。(公立短期大学協会) ■ 各高等教育機関における職業教育の充実の方向性 ① 大学・短期大学 ・大学の使命は、応用展開のきく基礎学力、豊かな教養と社会性を備えた人物を育てること。大学は職業訓練機関やハローワークではな い。就職の評価は率だけでなく質も重視すべき。(公立大学協会) ・雇用情勢が厳しさを増す中で、「確かな就職」こそ学生が最も望むことであり、大学は自らの存在意義を高めるためにもリベラル・アーツ 教育とともに、キャリア教育・職業教育を積極的に取り入れるべき。具体的なカリキュラムを検討する場合には、既存科目の有効性の再検 証のほか、社会の多様なニーズをくみ取り、それを科目化する努力も必要。(経済同友会) ・短期大学の取組として、地域や企業との連携、その中での実習・演習などを強化することを追求している立場から、短期大学の修業年限 を弾力的に運用できる枠組みについても検討していただきたい。例えば、実習・演習などに力を注ぐ場合、3年で卒業することを、留年で はなく、正規の年限としての卒業認定ができるようにすること。(公立短期大学協会) ・高等教育機関におけるキャリア教育・職業教育で果たしている役割や貢献などについて、十分な分析がなされているようには見えない。 また、どのような職業人養成において、どのような職能教育において、現在の大学・短期大学での教育がどのような点で不十分であるの かについても明瞭でない。(私立短期大学協会) - 10 - ・学術性を持つ大学・短期大学においても、従来から、職業を重視した教育を行ってきたところであり、多くの分野において職業人養成の 実績を挙げている現実を無視すべきではない。(日本私立短期大学協会) ・多様な大学がそれぞれの理念に基づくキャリア教育を実行できるような提案を期待するとともに、個々の大学での教育理念や体系の中 に、キャリア教育をどのような形で教育課程に位置づけ展開していくべきかについて、提案に向けたさらなる議論に期待したい。教育内容 は、大学の自主性が最大限尊重されねばならず、キャリア教育のみについて均衡を失したかたちで制度化を求めることのないよう留意い ただきたい(国立大学協会) ② 高等専門学校 ・高等専門学校専攻科の実態を踏まえた設置基準等を定めるとともに、その修了者に対する大学院入学資格の付与及び高専の主体的 な審査を尊重した学位授与の円滑化について、具体的な検討をお願いしたい。(高等専門学校連合会) ③ 専門学校 ・専門学校制度には通信教育の規定がなく、付帯的な教育活動として実施するため、通信教育の修了者に、専門士や高度専門士の称 号、大学編入学や大学院入学の資格を付与することが認められていない。専門学校の職業教育を広く国民に提供する仕組みとして、通 信教育課程の制度化が必要。(全国専修学校各種学校総連合会) ■ 「職業実践的な教育に特化した枠組み」について ・「職業実践的な教育に特化した枠組み」について、従来の大学との関係がどうなるかの記述が必要になると思うが、現在の大学進学者の 現状を考えると、このような取組の必要性は認められる。(全国高等学校長協会) ・高校における職業教育、大学における職業教育の視点のみではなく、一貫した職業教育の重要性から、インターンシップの必修化ととも に実験・実習を中心とした職業実践に特化した大学の在り方について考慮されたい。(産業教育振興中央会) ・学校教育として職業教育を行う高等教育機関を新たに制度化することは、「職業教育の重要性に対する認識不足」といった社会全体の 意識を改革する意義のある方策であり、教育現場で見られる「学力の向上=大学や短期大学への現役進学率の上昇=教育目標の達 成」といった誤った教育に対する評価を見直す契機になる。(全国専修学校各種学校総連合会) ・学校教育の選択肢として、職業教育に特化した新たな高等教育機関が具体的な目標となることは、生徒の目的意識の明確化や学習態 度等の改善にも資するものであり、高等教育全体の質の向上に繋がる。(全国専修学校各種学校総連合会) ・現在、職業教育を担っている短期高等教育の占める割合が減少している。既存の高等教育機関においてこそ職業教育が明確に整理さ - 11 - れていない現実があるので、新たな高等教育機関を創設して、各機関固有の職業教育の在り方・充実策を整理する必要がある。(全国 専修学校各種学校総連合会) ・新たな枠組みで育成する職業人の想定分野については、様々な職業・業種の高度専門職を支援する中堅的人材、将来の高度専門職 人材などを育成するため、分野を幅広く捉えるべき。特に地域で求められる専門職人材を持続的に育成する観点から、小規模な課程の 編成を認める制度設計が必要。(全国専修学校各種学校総連合会) ・「職業実践的な教育に特化した新たな枠組み」を新たに高等教育に位置づけることについては、ニーズ等を踏まえ、設置形態、教育課 程、教員及び施設設備等、教育全体の質保障の観点からも、十分かつ慎重な議論を行うべき。現時点では、「新たな枠組み」に対する 社会的なニーズの存在について判然としていない。中教審としては、まずもって既存の高等教育機関の教育の振興に向けた努力が大 切であることを指摘いただきたい(国立大学協会) ・「学術性を問わない職業実践的な教育体制の枠組み」の制度化について、真に大学、社会、学生の要請を分析・判断した上での期待で あるのか、また、将来の日本社会、国際社会への影響を十分に予測した上での提言なのか、疑問な点が多い。説得力のある議論とする ためには、判断の根拠を明確にする必要。(日本私立大学団体連合会) ・職業実践的な教育に特化した新たな枠組みの必要性やイメージが曖昧であり、メリットが想定しにくい。高等専門学校など他の学校種と の差異化が問題となろうし、実験・実習が増えれば実践的職業教育ができるとする判断も単純に肯うことができない。現在、大学等高等 教育機関と企業間で行われているインターンシップの実情と問題点をはじめ、現状を正確に把握し、日本の教育体系全体像を見据え て、議論することが必要。(日本私立大学団体連合会) ・「大枠として①大学制度の枠組みにおける検討と、②大学・短期大学等と別の学校としての検討が考えられる」とすることには、検討の在 り方として理解できる。しかし「別の学校としての検討」が、「大学制度の枠組みにおける検討」と切り離されて一人歩きすると、後者が充分 行われなくなる恐れがある。加えて、大学制度の枠組みが現在「学士課程の質の向上」「国際的な高等教育の質保証」等の視点から問 われ、短期大学にあってはキャリア教育・職業教育における存在意義が社会的ニーズとのギャップ等から見直されているのみならず、18 歳人口の減少から私立短期大学の定員割れが70%近い状況にあることを考えると、それと無関係に「別の学校」がキャリア教育・職業教 育に有効な形で制度設計できると思われない。課題は大きく、影響が大学制度そのものの在り方に及ぶと思われるので、総合的かつ慎 重な審議をお願いしたい。(公立短期大学協会) ・「新たな学校種」は、高等専門学校の創設時のような社会からの望む声が強くあってのことなのか疑問。「新たな学校種」を創設するため には、社会全体からその必要性が求められ、理解されたうえでのものでなければならない。(日本私立短期大学協会) ・現在、国を挙げて取り組んでいる様々な大学改革の流れの中で、キャリア教育・職業教育についてどのように位置付けようとしているの か。国がそのビジョンを明確に示し、より説得力のある提言によって、大学の努力を促す方法によるなど、現行制度の中で実現する可能 - 12 - 性についても議論すべき。(私立短期大学協会) ・「新たな学校種」の創設は、我が国の学校体系、高等教育制度の根幹に関わる問題であるので、今後の審議におかれては、これらを十 分に斟酌いただき、慎重な審議を重ねてお願いしたい。(私立短期大学協会) ・「新たな学校種」の内容は、教育内容や教員構成等において現在の専門学校で行われているものと、ほぼ同様であるとの印象を受ける ので、同じような学校が2種類存在することにならないか。専門学校との相違を含めて、「新たな学校種」が必要である理由について、より 具体的に示されたい。(日本私立短期大学協会) ・高等教育段階での国際的な通用性のある技術者教育の枠組みについては、具体的に養成しようとする人材像に応じ、職業実践的な教 育内容とその基盤となる学術的な教育内容のバランスにも留意する必要がある。(高等専門学校連合会) ・高等教育段階において職業実践的な教育をより充実させていくとの基本的な方向性については賛成であるが、新たな学校制度の具体 的内容については、既存の学校制度や学位・称号制度との関係、国際的な通用性の確保など、幅広い観点からの検討が必要。(高等 専門学校連合会) ・新たな学校について、高等専門学校の実績を参考としながら、「学術性を特段に問わない」職業実践的な教育に「特化」した枠組みと捉 えていることについては、更なる検討が必要。(高等専門学校連合会) ・新しい学校種の創設について、どのような存在になるのか具体的に見えてこない。既存の学校種の枠組みで、このような取組みが実現 できるのか検証することも含めて、慎重にご審議頂きたい。(全国中小企業団体中央会) ・「職業実践的な教育に特化した枠組み」について大学教育との関わりで考えると、大学への進学率が 50%を超えた現状においては、む しろ幅広い職業実践的な教育を既存の大学教育の中で具体的に位置付けていくことが重要。(経済同友会) ・「職業実践的な教育に特化した枠組み」を整備することは一定のメリットはあると思われるが、具体的な内容の提示がなく、関連して検討 すべきことがあまりに多い現状では、その是非を判断することは難しい。(全日本教職員組合) ・「新たな枠組み」について、高卒後の選択肢として考えるより、職業実践的な教育であれば学びなおしの機会として職業訓練校の充実や 高度化をはじめ、無償による職業訓練の機会を創出するなど、社会的なセーフティネットとして構想する必要。(日本教職員組合) Ⅴ 各学校段階を 通じたキャリア教 育・職業教育の 在り方 ■ 後期中等教育における職業教育の質の保証・向上 ・各種検定試験制度の積極的な活用について賛同。(全国高等学校長協会) ■ 高等教育における職業教育の質の保証・向上 ・工学の技術者教育という分野に限定されてはいるが、日本技術者教育認定機構(JABEE)による国際的にその教育の質を相互に認め合 う枠組みが存在し、技術士資格との関連付けも確保されている。今後、このような取組の普及・充実を図るとともに、その社会的認知度の - 13 - 一層の向上に向けた具体的な検討をお願いしたい。(高等専門学校連合会) ■ 学校と産業界をはじめとする地域の連携、学校間や関係府省間等との連携 ① 学校と産業界をはじめとする地域の連携 ・地域の企業に対しより積極的な受け入れを促すために、インターンシップ受け入れ企業に対する補助制度等の検討もお願いしたい。 (高等専門学校連合会) ・産業界における教員の長期研修の受入や積極的な人材交流を推進するなど、技術者教育に携わる教員に対して産業界等における経 験を積極的に付与するための方策について検討していただきたい。(高等専門学校連合会) ・企業実習等を通じて生徒・学生が企業の業務内容等を深く理解することは、職業教育に関して職業観、就業観を醸成する大きな機会。 生徒・学生のみならず、教員を対象とした企業研修等は、職業教育を実践する教員が実際の企業の現状や求められる能力等を認識す るのに大きな効果がある。また、企業にとっても、地域の生徒・学生が企業の事業内容を深く理解する機会であり、就職に繋がる機会でも ある。(全国中小企業団体中央会) ・人材育成の面から中小企業が教育界に求めることとして、産業界が生徒・学生を受入れるだけでなく、学校にも社会人の受入れ枠の拡 大をお願いしたい。(全国中小企業団体中央会) ・生徒に対して家庭や教育現場は勿論のこと、企業も含めた社会全体で「働くこと」の意味を十分に教え、自立し、自活できる個人に育て ることが望まれる。(経済同友会) ・地域社会や産業界との連携を図る際には、児童生徒の個人情報の扱い方、体験活動を実施する上での安全面の確保、活動に関する 費用負担に配慮しなければならない。また、キャリア教育を実践している学校の事例をもとに、指導上の留意事項等をまとめ、教育委員 会、学校等に周知することも必要。(全日本教職員連盟) ・地域ごとでのキャリア教育に対する中高連携を充実する必要。(日本高等学校教職員組合) ・学校がPTAの組織を通して、あるいはPTAを地域の一つとしてキャリア教育に活用できるのではないか。(全国高等学校 PTA 連合会) ・学校の取り組みは多くの保護者や地域の方に知られることで効果が高まる内容が多い。特に、キャリア教育はその代表的な取り組み。今 後の検討にあたり、保護者や地域の方へのキャリア教育の周知について、ご配慮いただきたい。(日本 PTA 全国協議会) ・地域との連携、関係府省間、組織間連携にとどまらず、家庭の中で保護者と子どもの間で生き方や進路について話題として話し合うよう 学校からも指導していただきたい。(全国高等学校 PTA 連合会) ・保護者に学校を会場とした体験講話などを依頼することや、「ホームページ」や「進路だより」、さらにメールマガジンなどを通して学校から 積極的に情報を発信することや、PTA活動の活性化が重要。(日本高等学校教職員組合) - 14 - ・学校からの保護者への積極的な働きかけなど、保護者との連携の推進する必要。(全国市町村教育委員会連合会) ・国の明確な方針の下に、次のような支援策等を強力に推進する必要がある。①インターンシップや有期実習型訓練など教育機関・中小 企業との連携し、推進支援策を強化する、②実践的なキャリア教育・職業教育の推進ができるよう関係省庁の政策連携を図る、③学校教 育段階において、職業観、勤労意識の醸成、創業・起業意欲を高める教育の充実。(全国中小企業団体中央会) ・学校外の教育資源活用にかかるシステムづくりとして以下のことを提案する。①職場体験、インターンシップ等の受け入れ先 の確保など、体験活動推進のための学校、地域、企業、関係行政機関等でのシステムづくり、②地域の産業界等のおける人 材をキャリア・アドバイザーとして確保・活用するためのシステムづくり。(全国市町村教育委員会連合会) ・インターンシップ等を推進していくために、関係機関等が連絡・協議を行う場を国、地方レベルで整備する、ハローワーク、大 学、専門学校等との連携や経済団体、企業等の理解と協力を推進するなど、関係機関等の連携と社会全体の理解を促進す る必要。(全国市町村教育委員会連合会) ・厚生労働省が推進しつつあるジョブカード制度は、学校教育終了後を視野においているようであるが、これについても高等教育段階で の職業教育の成果がジョブカードに記載できるようにしたり、高等教育機関での社会人等の再教育の成果がカードに反映されるように し、併せて、社会的に認知される条件整備が望ましい。(公立短期大学協会) ・適切な人材をいかに確保するかは大きな課題であり、今後、これを幅広く展開していくためには、国、地方自治体及び産業界の連携協 力による人材バンクを構築することについても検討をお願いしたい。(高等専門学校連合会) ・キャリア形成に当たり、大学と企業との連携は欠かせないが、大学がしっかりと教育を行うための正常な学習環境を確保するためには、 採用選考活動の早期化是正と新卒者を中心とした採用活動を行う企業慣行の改善を社会全体として求めていくべき。この問題は、大学 改革を推進する上での隘路であり、中教審として、単に企業の自主行動を期待するのみならず、政府における実効策の検討が必要であ ることを指摘いただきたい。(国立大学協会) ・職業教育について、地域との関わりの中で推進することは、様々な地域の状況から難しい。(全国高学校長協会) ・「地域の人材は地域で養成する」との観点は、地域企業の状況が様々であり、無理がある。(全国高等学校長協会) ② 学校間の連携・協力等 ・新たに学習ポートフォリオを作成するという意見もあるが、現行の指導要録を活用し、学校種間の円滑な接続をはかる方法を検討してほ しい。(全国連合小学校長会) ・「キャリア教育・職業教育」に関する学習活動の過程や成果の引き継ぎを行うことは困難。発達段階による子供の変容を考えると、小学校 - 15 - の学習の成果等をそのまま進学先で有効に活用するのは難しい。引き継ぎのための学習ポートフォリオ等の作成等、評価を行う教員の 負担もさらに増すことになる。これらのことを考えると、児童生徒の学習活動の様子を学習指導要録の所見欄に記し、各校種に引き継い でいくことで十分。(全日本教職員連盟) ・キャリア教育・職業教育の果たすべき役割は大きいが、新しいものを取り入れるのであれば、必ず現行のものも見直しながら進めるべき。 今後は教育環境の整備や地域社会・産業化との連携等様々な課題を解決し、検討されることを望む。(全日本教職員連盟) ・新しい枠組みだけでなく、現状の教育課程の中でいかにキャリア教育を改善・充実させるかという視点で検討していただきたい。(全国連 合小学校長会) ・「学校間の連携・協力等」に関し、これまでの連携・接続の多くは「イベント」であった。今後重要なことは、双方の協働によるキャリア教育 のカリキュラムマネジメントの開発。(公立短期大学協会) ・大学も単体としてではなく、地域の複数の大学・短大・高専によるコンソーシアムのような連携を活かし、現在以上の戦略的連携を明確に 築くことが望まれる。(全国公立短期大学協会) ■ その他 ・新たな今日のネットワーク社会や高齢化社会での人材ニーズの対応も必要。(全国高等学校長協会) ・教育に対する公財政支出の充実を図っていただきたい。(高等専門学校連合会) ・キャリア形成を十分なものにするためには、短期的な予算措置ではなく、各大学の多様な教育プログラムに沿った恒常的な財政支援が 必要。(国立大学協会) - 16 -