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5 豊かな自然環境に包まれた都市の実現
5 豊かな自然環境に包まれた都市の実現 ⑴ 環境基本計画の目標 【基本目標】 ○ 自然環境の現状や特性、動向の把握・評価を行い、保全及び活用すべき地域の区分などによる位置 づけを明確にして、自然性の高い森林を将来にわたって保全するための施策を計画的に推進します。 ○ 市街地近郊の森林などを、市民が自然とふれあう場としての活用を図り、市民・企業・行政の参加 と協働による身近な自然環境の保全と育成のための活動を推進します。 ○ 自然性の高い森林を保全し、野生生物の生息・生育環境の保全を図るとともに、野生生物の現状の 把握と評価に基づく適切な保護や育成を推進します。 ⑵ 現況 札幌市は、都市における生活行動や産業活動に伴 様々な人間活動の影響によって、多様な生物の生 む自然環境を積極的に保全することにより、自然生 息する豊かな自然環境の破壊が地球全体で急速に進 態系が健全に維持され機能するように努め、自然と みつつあります。森林などの自然環境の減少は野生 共生する都市づくりを進めています。 う自然環境への負荷を低減するとともに、都市を包 生物の減少を招き、自然生態系に大きな影響を及ぼ しています。 また、それまで森林に吸収・固定されていた二酸 ア 自然の現状 化炭素が大気中に放出されて地球温暖化を加速する ア 地形 原因となるほか、森林がもつ水源のかん養や土壌の 地形は、その地域に特徴的な自然景観を示すとと 保全などの機能が損なわれるなど地球環境に様々な もに、地域の土地の成り立ちを語ってくれるもので 影響を及ぼしています。 もあります。 図₂-42 地形骨格図 恵庭・樽前火山地 千歳台地 島松丘陵 恵 庭 ・ 千 歳 低 地 余市山地 野幌台地 札幌扇状地 石狩低地 石狩 台地 厚田丘陵 85 第₂章 環境の状況と施策 丘地 砂 花畔 石狩湾(日本海) 5 豊かな自然環境に包まれた都市の実現 札幌市とその周辺地域の地形は、大きく山地、丘 ます。 陵地、台地、低地の₄つに区分することができ、地 域内には大小の河川や湖沼、河川によって形成され ウ 気候 た渓谷、扇状地、低地に広がる湿原、日本海に開け 札幌市の気候は、日本海型気候に属し、夏季は一 る海岸などが見られ、極めて変化に富んでいます。 般にさわやかで、冬季は積雪寒冷を特徴としており、 南西部に広く分布する山地は古い時代の火山活動 鮮明な四季の移り変わりが見られます(図₂-43)。 で作られたもので、その大部分が都市を取り囲む貴 札幌市と緯度をほぼ同じにする姉妹・友好都市の 重な森林地帯となっています。 気候の概要を表₂-19に示します。 丘陵地は、山地につながって南東部に広がり、こ れも大部分が森林となっています。台地は南東部か 図₂-43 札幌市の月別平均気温・降水量(平成17年) ら東部にかけて広がっています。この台地は、主に 200 火山噴出物によって形成されたものです。 地に分けることができ、札幌市の中心部は、豊平川 が作った扇状地上に発展して来ました(図₂-42)。 20 150 10 100 0(℃) (㎜) 50 イ 地質 気温 がっています。低地部はさらに低地、扇状地、砂丘 気温 降水量 低地は石狩川とその支流を中心とする地帯に広 30 降水量 0 札幌市域で最も古い地層は、中生代三畳紀から −10 1 2 3 4 5 6 7 8 −20 9 10 11 12 月 (資料)札幌管区気象台 ジュラ紀(₁億数千万年前)の薄別層と呼ばれる地 表₂-19 姉妹・友好都市の概要 層で、豊平川支流の薄別川下流付近で地表近くに見 ることができ、これが札幌の基盤を形成する地層と 項目 緯度 平均気温(℃) 経度 1月 7月 人口 (万人)面積 (㎢) なっています。 ポートランド市 45゜31'N 122゜40'W 4.0 20.0 53.9 南西部の山地には、新生代新第三紀から第四紀更 ミ ュ ン ヘ ン 市 48゜08'N 11゜34'E 0.1 18.2 127.3 310 瀋 陽 市 41゜48'N 123゜25'E -9.4 24.3 720.0 12,980 ノボシビルスク市 55゜02'N 82゜55'E -19.0 19.0 142.5 500 札 幌 市 43゜03'N 141゜21'E -2.5 21.3 187.4 1,121 新世始め(2400万年前~170万年前)の地層の分布 が見られます。この地層は、主に火山岩や火山砕せ つ岩からなり、南西部山地が活発な火山活動を経て 形成されたことを物語っています。 注:札幌市は2005年現在、ポーランドは2003年推計値、その他は2004年現在 (資料)札幌市政概要平成17年度版 台地や扇状地、低地には第四紀の地層が広く分布 しています。南東部の台地は、約₄万年前の支笏カ ルデラ形成に伴う大量の支笏軽石流が流下して形成 7 6 結凝灰岩)は、この時の高温の火砕流堆積物が固結 5 してできたものです。 4 狩沖積平野は、最終氷期が終わる約₁万年前から並 2 粘土からなる安定した地盤で、豊富な地下水に恵ま 1 れています。一方、その北方の低地では、気候の変 0 物の遺体が堆積してできた泥炭地が広く分布してい 降雪量 最深積雪 3 行して形成されました。扇状地の地質は砂や小石、 化による海進と海退で形成された砂丘地や、湿地植 図₂-44 札幌の降雪量と積雪量 (m) されました。南区石山などに見られる札幌軟石(凝 豊平川扇状地、発寒川扇状地などの扇状地群と石 347 平元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17年 (資料)札幌管区気象台 第₂章 環境の状況と施策 86 諸外国の北方都市と比べ、札幌市の気候で特徴的 図₂-45 札幌市の市街化区域の緑被率(平成15年度) なことは、降雪量が多いということです。 札幌市のひと冬の降雪量は₅m前後にもなり、人 農地率 草地率 樹林率 30 口188万人を超える都市の中では世界的にもまれに みる雪の多い都市です(図₂-44)。 エ 森林・緑地 札幌市の森林面積の割合は60%以上と市域の非常 緑 被 20 率 ︵ % ︶ 10 に大きな部分を占め、その大部分が山地部に集中し ています。 0 札幌市とその周辺地域の平地部では石狩湾に沿っ た防風林や北海道大学のキャンパス、野幌森林公園 中 央 区 北 区 東 区 厚 別 区 白 石 区 清 田 区 豊 平 区 南 区 西 区 手 稲 区 全 市 (資料)札幌市域緑被現況等調査(札幌市みどりの推進部) 等、いくつかの拠点的な緑地がありますが、連続性 やまとまりに欠け、山地部に偏在した分布となって います。 図₂-46 札幌市の森林面積 札幌市の市街地(市街化区域)に限ってみると、 樹林地の割合は8.0%、草地は8.3%、農地は2.8%と 森林面積(ha) 森林面積率(%) 緑被率は19.1%にすぎず、市街地の緑が少ないこと が分かります(図₂-45)。 また、森林面積の推移は図₂-46のとおりとなっ ています。 森 林 面 積 率 (%) 森 林 面 積 (ha) オ 植物 a 植生 札幌市周辺の現存植生の内訳は図₂-47のように 報告されています。 昭61 62 63平元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 年 (資料)北海道林業統計 札幌市とその周辺地域の平地部は冷温帯(ミズナ ラ-ブナクラス域)に属し、エゾイタヤやシナノキを 代表とする落葉広葉樹林によって特徴づけられます。 山地部では標高が高まるにつれてエゾマツやトド 図₂-47 札幌市周辺の現存植生 0 マツ等の常緑針葉樹が多くなり亜高山帯へと移行し ます。 南西部に広く分布する亜高山帯の自然林は地域の 面積のほぼ₄分の₁を占め、地域の水源として重要 な役割を果たしているほか、動物の生息地としても 大切な地域となっています。 25 30 35 40(%) ブナクラス域自然植生 植林地・耕作地植生 87 第₂章 環境の状況と施策 20 亜寒帯・亜高山帯代償植生 て限られていますが、ハイマツ等の分布する高山系 林が残っています。これらの自然林は、地域の自然 15 亜寒帯・亜高山帯自然植生 ブナクラス域代償植生 平地部へと続く山地部には、落葉広葉樹林の自然 10 寒帯・高山帯植生 南西部の余市山系の稜線部の一部には面積は極め の植生も見られます。 5 その他 (資料)環境省「第 回(1994∼1998年度)自然環境保全基礎調査」 5 豊かな自然環境に包まれた都市の実現 風土を色濃く残しており、いわゆる郷土の森として 各種動物の良好な生息域と考えられることから、大 重要な役割を担っています。 都市近郊にもかかわらず、動物種が豊富な地域と考 石狩川水系流域の平野部や扇状地、野幌・島松に えられます。 代表される丘陵地の多くは耕作地や宅地としての土 a ほ乳類 地利用が進んでいるため、旧来の自然の姿はなく、 ₇目12科40種が札幌市周辺で確認されています。 特に石狩平野の泥炭地植生は、その姿をほとんど消 これは、北海道内で確認されているほ乳類の約67% しています。 にあたります。 b 自然植生の割合 b 鳥類 札幌市の自然植生(原植生)の割合は、全国水準 札幌市周辺では北海道内で確認されている鳥類 に比べると非常に高い状況にあり、北海道全体に比 405種のうち、約68%の18目47科275種が報告されて べても高いと報告されています(図₂-48)。 います。 しかし、札幌市全体では自然植生の割合は高いも 北海道では、南方系の鳥の北限や北方系の鳥の南 のの、各区毎にみてみるとその違いが顕著です。図 限にあたる鳥も多く、また、渡りのコースにもなっ ₂-50に示すとおり、平地部に位置する北区、東区、 ており、鳥類が豊富です。札幌市周辺は、北海道南 白石区、厚別区にはほとんど自然の植生が残ってい ないのに対して、南区と西区では高い割合で残って 図₂-48 札幌市の自然植生 0 おり、自然性の高い地域は南西部の山地に偏ってい ることが分かります。 c 植物種 札幌市とその周辺地域の植物の分布は、各種文献 によると1,365種の高等植物(維管束植物)が報告 されています(図₂-49)。 これは、道内に生育している植物種の約62%、全 国の植物種の約23%を占めており、植物種は非常に 豊富であると言えます。 この理由として、この地域が冷温帯と亜高山帯の 移行部分に位置しており、南方系と北方系の植物が 混在しているためと考えられます。 の中で、特に着目されるものとして14件の植物群落 が報告されています(図₂-50)。 これらは、主に原生林やそれに近い自然林、南限 や北限など植生分布限界となる群落や個体群、特殊 な立地に生育するもの、郷土景観を代表するもの、 貴重種などです。 カ 動物 札幌市とその周辺地域の動物の生息状況は、各種 文献によると図₂-51の動物種が報告されていま す。南西部の山地には自然性の高い地域が多くあり、 40 60 80 (%) 全国 北海道 札幌市全体 中央区 北区 東区 白石区 厚別区 豊平区 南区 西区 手稲区 (注)植生自然度 、10の割合。 (注 )清田区は豊平区に含まれる。 (資料)第 ・ 回自然環境保全基礎調査・植生調査(環境庁) d 着目される植物群落 札幌市とその周辺地域に分布している各種の植生 20 図₂-49 札幌市周辺の植物 (種数) 2500 2000 札幌市周辺 北海道 全国 1500 1000 500 0 シダ植物 裸子植物 単子葉類 離弁花類 合弁花類 (資料)植物目録1987(環境庁、昭和63年) 北海道高等植物目録(たくぎん総合研究所、昭和60年∼平成 年)ほか 第₂章 環境の状況と施策 88 図₂-50 札幌市周辺の特定植物群落位置図 番号 群 落 名 番号 群 落 名 1 支笏地方ササ群落 8 定山渓天狗岳植物群落 2 札幌月寒羊ヶ丘自然林 9 余市岳高山植物群落 3 野幌自然休養林 10 無意根山大蛇ヶ原湿原植生 4 札幌藻岩山天然林 11 空沼岳万計沼針葉樹林 5 札幌円山天然林 12 輪厚付近コナラ林 6 石狩海岸砂丘林 13 島松~千歳市コナラ・ミズナラ林 7 手稲星置の滝自然林 14 支笏湖畔自然林 (資料)第₃回自然環境保全基礎調査・自然環境情報図(北海道 胆振・石狩・空知)(環境庁) 西部の特徴を示し、天然記念物のクマゲラが市街地 近郊で営巣していたり、同じく天然記念物のマガン やヒシクイの渡りのコースになっています。 (種数) 図₂-51 札幌市周辺の動物 札幌市周辺 北海道 全国 800 600 北海道は気候等の理由から全国的にはは虫類の少 ない地域です。札幌市周辺では北海道で確認されて いる11種のうち₂目₅科₈種が報告されています。 d 両生類 は虫類と同じく北海道は両生類の少ない地域で す。札幌市周辺では北海道で確認されている種のう 400 ち、釧路湿原など特定の地域でしか確認されていな いキタサンショウウオと移入種で道南地方で確認さ 200 0 c は虫類 れるウシガエルを除く₂目₃科₆種が報告されてい ほ乳類 鳥類 両生類 は虫類 淡水魚類 (資料)日本産野生生物目録(環境庁、平成 年) 生態学からみた北海道(東正剛、北海道大学図書刊行会、平成 年)ほか 89 第₂章 環境の状況と施策 ます。 5 豊かな自然環境に包まれた都市の実現 e 淡水魚類 は、文化財保護法に基づき、国の天然記念物に指定 札幌市とその周辺地域からは₉目14科46種が報告 されています。都心近くに、このような原始林が残 されています。これは全国の15%ですが、北海道内 されているのはとても珍しく、今後とも大切に守り で報告されている淡水魚類71種のうち、約65%にあ 伝えていかなければなりません。 たります。 d 鳥獣保護地区 f 昆虫類 野生鳥獣の保護繁殖を図るため、森林性鳥獣の生 札幌市とその周辺地域からは16目257科2,902種が 息地、都市の生活環境改善のため野鳥などを誘致す 報告されています。これは、北海道内で報告されて る地域等が設定されており、市内では₉カ所が鳥獣 いる昆虫類の約30%にあたります。 保護区に指定されています(図₂-52、表₂-20) 。 札幌市とその周辺地域は山地から平野部、海浜、 河川や湖沼まで多様な生息環境が存在し、また、寒 イ 自然とのふれあい 地系と温帯系の昆虫類が混在しています。 a 都市環境緑地 市街地の背後に位置する山並みの緑については、 なお、オ植物カ動物は平成₈年(1996年)及び平 街の中から望見できる身近な郷土風景であり、積極 成₉年(1997年)札幌市環境基本計画策定基礎調査 的に保全を図るため、相続・転売等により特に保全 によります。 上支障をきたす場合には、計画的に公有化していま イ 自然環境の保全 す。平成17年(2005年)度末までに29地区、413.0ha を公有化しました。 b 市民の森 貴重な自然を将来にわたって保全するため、各種 都市近郊の民有林について、所有者から森林を借 の法律や条例などに基づく保護地域制度の活用など り、散策路など最小限の整備を行うことにより自然 を推進するとともに、市民が自然とふれあう場づく とのふれあいの場を提供し、併せて所有者に森林整 りを進めています。 備を奨励して良好な都市近郊の緑の育成を図ってい ます。平成17年(2005年)度末までに₆カ所421.9ha ア 保護地域制度 が指定されています(表₂-21)。 a 国立公園・道立公園 c 都市環境林 自然公園法に基づき、優れた自然の景勝地を保護 札幌市の発展とともに歩んできた西山造林地(現 し、その利用の増進を図るために指定されるもので、 在の白旗山都市環境林)は、大正₂年(1913年)か 市内では南西部の一部が支笏洞爺国立公園に、また、 らの歴史があり保育等維持管理を継続しながら都市 北海道立自然公園条例に基づき、厚別区の一部が道 環境林として整備を進めています。 立野幌森林公園に指定されています。 都市環境林の整備については、総合的な森林資源 b 環境緑地保護地区 の培養を図り、多目的でかつ公益機能を高めること 北海道自然環境等保全条例に基づき、市街地及び に努め、森林レクリエーションや自然環境学習等の その周辺地の環境緑地として維持することが必要な できる場として開放しています。 樹林地や水辺地、良好な自然景観地、学術的に重要 ⒜ ふれあいの森(白旗山都市環境林内約120ha) な植物の生息地等の保護のために指定されているも 自然とのふれあいや木工作・陶芸等を通じて森林 ので、市内では環境緑地保護地区12カ所、自然景観 の理解を深める場として利用できます。 保護地区₆カ所、学術自然保護地区₁カ所が指定さ ⒝ 自然観察の森(白旗山都市環境林内約85ha) れています。 森林浴や動植物の生態観察など自然の中でレクリ c 天然記念物 エーションや学習の場として利用できます。 登山などで札幌市民になじみ深い藻岩山と円山 第₂章 環境の状況と施策 90 図₂-52 鳥獣保護区の位置図 この地図は建設省国土地理院発行の二十万分の一地勢図を縮図使用しました。 表₂-20 鳥獣保護区の設定状況 区 分 森 林 鳥 獣 生 息 地 身 近 な 鳥 獣 生 息 地 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 名 称 定 山 渓 円 山 ・ 藻 岩 羊 ヶ 丘 白 旗 山 手 稲 真 駒 内 緑 ヶ 丘 藤 の 沢 北 大 簾 舞 北 大 一 の 沢 野 幌 指定面積(ha) 1,654 335 2,337 2,218 143 8 32 62 2,048 表₂-21 市民の森の指定状況 名 称 盤渓市民の森 白川市民の森 南沢市民の森 豊滝市民の森 西野市民の森 手稲本町市民の森 91 第₂章 環境の状況と施策 所在地 中央区盤渓447-1他 南区白川1814-1他 南区南沢1885-1他 南区豊滝195-1他 西区西野1006-7のうち他 手稲区手稲本町593-8のうち他 面積(ha) 88.2 133.7 23.0 64.0 60.8 52.2 指定年月日 平元.₆.27他 平₃.₈.₁ 平₅.₆.₁ 平₇.₃.₁他 平₉.12.₁他 平13.10.₁他 5 豊かな自然環境に包まれた都市の実現 ⒞ 有明の滝自然探勝の森(有明の滝都市環境林内 約83ha) 白旗山と国営滝野すずらん丘陵公園とを結ぶ位置 にあり、良好な広葉樹林地を林間探勝路として利用 できます。 d 自然歩道 札幌市では、市街地周辺の自然環境に恵まれた森 林丘陵地に₈ルート、総距離75.0㎞を設定してい ます。老若男女を問わず体力に応じたルートで、自 然と親しみ、レクリエーションとして、また、健康 表₂-22 自然歩道のルートと距離 ルート 円山ルート 藻岩山ルート 三角山~盤渓ルート 中の沢~小林峠・源八沢ルート 西岡~真栄・有明ルート 西岡レクの森ルート 平和の滝~手稲山ルート 手稲山北尾根ルート 計 距離(㎞) 2.7 12.5 4.6 14.9 16.4 4.5 5.5 13.9 75.0 増進を図るために多くの市民が利用しています(表 ₂-22)。 e 豊平川さけ科学館 札幌市の母なる川である豊平川のサケ回帰事業を 通じて、広く生物や自然環境に関する知識の普及啓 発を目的として、昭和59年(1984年)に開館しまし た。サケのふ化と成長過程を観察することができる ほか、自然環境の保全に関する資料などを展示して います。 第₂章 環境の状況と施策 92 ⑶ 施策 主な事業の実施概要 施 策 事業名 自然性の高 い森林の保 全 森林法改正に伴 う森林管理体制 の充実 (民有林監視事 業) 身近な自然 の保全と活 用 平成17年(2005年)度 平成18年(2006年)度 担当部局 森林法改正により平成11年(1999年)度 平成17年(2005年)度の事業内容を引き続 から「伐採届出の受理」「森林施業計画 き行う。 の認定」業務が本市の自治事務になった ことから、市内民有林の現況、地形等に 精通している札幌市森林組合に委託し、 ₅月中旬~11月下旬まで監視、巡視を 行った。 環境局 みどりの推進部 都市環境緑地取 得整備 良好な都市生活環境を維持していくうえ で不可欠な資源である樹林地(都市環境 緑地)の保全と活用を図るため、計画的 な公有化を進めた。 平成17年(2005年)度の事業内容を引き続 き行う。 ・澄川都市環境緑地他1地区の用地取得 約8.3ha 環境局 みどりの推進部 市民の森整備 民有林の保全と有効利用を図るため、森 林所有者から山林を借上げ、必要最小限 の施設整備を行い、一般開放した。 平成17年(2005年)度の事業内容を引き続 き行う。 環境局 みどりの推進部 風致地区指定計 画 都市における自然的環境の骨格をなす山 並み、丘陵、河川及び市街地に残る緑地 を中心とした緑豊かな環境を保全するた め、風致地区の新規指定候補地調査を実 施した。 平成17年(2005年)度の事業内容を引き続 き行う。 環境局 みどりの推進部 森林整備地域活 動支援交付金 森林・林業基本法に基づき、森林の施業 に不可欠な地域における取り組みを支援 する制度で、森林施業計画の認定を受け ている森林所有者などが、市との協定に 基づき行う森林の現況調査等の地域活動 に対し、ha当り年間10,000円に積算基礎 森林面積を乗じた金額を交付した。 平成17年(2005年)度の事業内容を引き続 き行う。 環境局 みどりの推進部 93 第₂章 環境の状況と施策