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テーマに即した2つの話題提供

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テーマに即した2つの話題提供
パネルディスカッション
<テーマに即した2つの話題提供>
○矢部氏(コーディネーター)
では、改めまして、きょうのパネルディスカッションのテーマ
というか、フレームワークについて少し補足をしたいと思います。
冒頭にも申し上げましたとおり、団地、地域というスケールで
捉えるにしても、住宅・住戸・住まいというスケールで捉えるに
しても、そこに何がしかの魅力、あるいは市場で評価されるよう
な価値というものを抽出、もう一回見つけ出して引っ張り上げて
くるという行為、あるいはそこに今までそういうものがどうも失
われていたかもしれないというところに新しい魅力、新しい価値
をいかに装着、入れ込むか、そういう行動が伴っているであろう
という、そういう目線で今日発表があった事例を聞いていただくと、いかにどんなものを入れ
込んだのかとか、あるいはもともとあったが、みんながちょっと見過ごしていた、どんなこと
を抽出したのかというようなところに改めて関心がわいてくるということになります。
この後のパネルディスカッションの中でも、実際にプロジェクトに関わった人たちがどんな
ことに注目をしたのか、あるいはどんな価値を入れ込むとここに新しい動きが起こるのか、ど
ん な 背景 を 持 っ て そう い う こと を 考 え た のか と い うよ う な と ころ を 少 しう ま く 引 き 出せ れ ば
なとコーディネーターとしては考えています。
先ほど4つのケーススタディーをお話しいただきましたけれども、それぞれいろんな視点で
新しいものを足したり、そこからまた引っ張り上げたりということで関心の深いテーマを皆さ
んそれぞれお持ちでしたので、詳しくは後のパネルディスカッションでご披露いただくとしま
して、その前に、今日、実はこのパネルディスカッションの前に4つのケーススタディーをお
話し、ご登壇いただくにあたっては、もともと事業に関わった32の事業者の中からどのプロジ
ェクトの話を一番聞きたいかというところでいろいろ教えていただいて、調査みたいなことを
したのですけれども、そこでご要望があった中で、あと1つ2つ、皆さんにこのプロジェクト
についてはもう少しお話を聞いていただきたいというところがありますので、まず、その2つ
のうちの1つ目、団地再生事業協同組合の金丸理事長から、取り組みのケースについてお話を
いただければと思います。パネルディスカッションに入る前に2つ目の1つですね。
では金丸様、ご登壇よろしくお願いいたします。ご登壇の準備の前に、金丸さんたちが取り
組まれているプロジェクトは、団地の魅力、住まいの価値というこの2つを包括的に取り組ん
だ事例として皆さんお聞きいただければと思います。
ではよろしくお願いいたします。
<プロジェクト追加報告①:金丸氏>
○金丸典弘氏(団地再生事業協同組合・理事長)
ご紹介いただきました金丸と申します。
<新狭山ハイツの概要>
私たち のチ ームは 、若 いデザ イナ ー、建 築家 を中心 に、
建設不動産だけではなくて、公認会計士がいたり、お医者
様がいたり、介護事業者がいたり、あるいは教育者がいた
りというようなちょっと変わったチームでございます。た
またま今 回の32の事 業 の中でい ろいろ ご縁 が ありまし て、
直接的、間接的に3つの事業に関わらせていただきました。東京、神奈川、埼玉ということで
事業に関わらせていただきました。
これは直接うちが代表と
して関わった新狭山ハイツ
というところでございます。
先ほどから団地の魅力等い
ろいろお話をいただいてい
ると思います。もうこれは見
たとおりのいわゆる集合住
宅です。先ほどのケーススタ
ディーと明らかに違うのは、
こ れ は 32棟 ( 770戸 ) の 分 譲
の住宅団地です。ですからト
ップダウンで何をしようと
かということがそこに持っ
ていくのが一番難しい分譲
団地の例でございます。
<活動の概要「Must7」>
私たちの活動については、A3版の受け付けで渡していただいた49ページ、50ページに具体
な活動の例は掲載してございます。我々ふだん分譲団地の再生に取り組ませていただいており
ますが、「MUST“7”」と今回命名をしましたが、この7つの項目について全てを同時にバラン
ス よ くや っ て い か ない と な かな か 分 譲 団 地の 流 通 促進 は 難 し いの で は ない か と い う よう な 答
えに至りました。もともとトップダウンはできないというところではありましたけれども、こ
の一番上の組織づくりのところ、ここがやはり一番分譲団地は難しいというところです。
今回、狭山のほうの団地では、自治会と管理組合というのは、どこの分譲団地もほぼほぼあ
るのですね。ですけれども、第三の組織、今回は NPOの方とご一緒にさせていただきましたけ
れども、こういうことをチームつくって
活動する、団地の将来を考えるようなチ
ームというのが余り例を見ない。たまた
ま今回はこういうところとご一緒させ
ていただいたので、各事業についてほぼ
ほぼいろんな成果も出ましたし、課題も
見つけられたということでございます。
この組織については、後ほどまたパネル
ディスカッションのときにお話がある
かもしれませんが、特徴としては、第3
の組織、これが自立してなければならな
いとか、継続していかなければいけない、
自発的に動いていかなければいけない、あとまた若手を育成していかなければいけないという
ようなことがキーワードになってくるかなと思っています。
きょうは短い時間での話題提供ということでしたので、今回の我々のところではこの 7つを
ご提供させていただきました。 一番下のマーケット創出というのも分譲団地の流通における、
僕らからいくとあまりおもしろい流通のマーケットがないのですね。ですから今回2月の頭に
立ち上げもします。この辺の情報発信なども、団地の中の入居者に 関してはいろんな媒体を使
って活動事業ですとか、そういうものを発
信しているのですけれども、団地の外側に
対する発信はほとんどなされてないので
すね。ですから、そういうものを今回はや
らせていただきました。ここはアイディア
として、アンバサダーみたいなものをモデ
ル事業の費用を使ってやらせていただい
たり、具体な例はぜひA3のものを見てい
ただいて、後ほどのパネルディスカッショ
ンでも 少し ご案 内で き たら な と 思 い ま す 。
ご清聴ありがとうございました。
○矢部氏(コーディネーター)
金丸さん、ありがとうございました。
続きまして、もう1事例ご紹介していただきたいと思います。株式会社オープン・エー
取
手アート不動産プロジェクトの大我さんです。この事例は、住まい、住戸の魅力をいかに引き
上げるか、そういう切り口で取り組んだ事例ということであります。
では、大我さん、よろしくお願いします。
<プロジェクト追加報告②:大我氏>
○大我さやか氏(株式会社オープン・エー
取手アート不動産プロジェクトメンバー)
今、ご紹介いただきました取手アート不動産を運営し
ておりますオープン・エーの大我と申します。よろしく
お願いします。非常に短い時間ですので、かいつまんで 、
我々がこの3年間やってきたことで、取手で何が起こっ
ているかということをちょっとご紹介したいと思いま
す。
<取手アート不動産の概要>
私たちが取り組んでいる取手という常磐線、上野から
40分の何の変哲もない郊外、そこにどうやって人々の関
心を持たせるかということをこの
3年間ひたすら考え続けてやって
きました。
これは最初にエリア設定した戸頭
という駅の周辺の住宅団地の空き
家のプロット図なのですけれども、
実際、不動産の市場の中には、この
多分1件、2件ぐらいしか売買住宅
は出てなくて、我々が足で探したと
きには、ここが空いているなという
のを目視で調査するとこれだけ住
宅が空いているということがわか
ってきました。ですが、それがなぜ
流通していないのかという課題に
この3年間ずっと取り組んできたところです。
先ほど変哲もない郊外という話をしましたけれども、そもそも取手は東京都中心の都市部に
対して働きに出る方々がベッドタウンとして過ごした場所ですけれども、それをもうちょっと
取手でなければ、この町でなければならないものをつくっていかなければいけない。この町に
仕事だったり、趣味だったり、遊ぶ場所をどんどんつくって、この町で完結するような住まい
の場、暮らしの場をつくらなければいけない。そういうところでベッドタウンから暮らしを生
み 続 ける 町 と い う もの を 目 指し て い か な けれ ば い けな い の で はな い か とい う と こ ろ で我 々 は
取り組んできたわけです。
<取手に何があるのか?:アートプロジェクト>
取手にそもそもその資源として何があるのかというとこれです。
これは取手の井野団地という場所でやられているプロジェクトなのですけれども、我々の共
同パートナーである取手アートプロジェクトのほうで、団地の空き部屋をホテルにして、団地
の住民たちが実際そこのホテルマンとなっ
て、ホテルに来てくださるゲストを出迎える
というアートプロジェクトです。
その近くにはこうやって実際に空き家が
アーティストによって改良されて、ちょっと
アートギャラリーっぽく、実際住んでもいる
のですけれども、こんなよくわからない、普
通ではあり得ないような風景が広がってい
ます。
そこで我々が取手アート不動産として取
り組んできたことというのが、アーティスト
という取手に今芸大があって、そのアーティストが100人近くいると言われていますけれども、
目に 見 え ない ア ーテ ィ スト と い う資 源 と空 き 家、
そしてそこに暮らす人たちを結びつけていくと
いう動きが今後必要なのではないかというとこ
ろで、取手アート不動産事業というものを取手ア
ートプロジェクトと我々オープン・エーと共同事
業で始めたわけです。
その仕組みとしては、今、お話したように、ア
ーティストの持っている創造力、アイディアみた
いなものを空き家にインストールしていく。それ
を住まい手と物件オーナーに当然マッチングを
しながら空き家を改装していくというようなプロ
ジェクトです。
実際それだけではなくて、アーティストが実際い
らっしゃるというところに、こういうちょっと廃材
を使ったアクセサリーをつくったり、そういうアー
ティストの職みたいなものも提供していくという
ことを考えています。
<ごく普通の一軒家の再生>
ここからは実際どういうことが起こってきたか
というものの事例なのです。
これは1軒の普通の住宅です。今、再生されて、実際居住者さんがいらっしゃるのですけれ
ども、アーティストにまずこういう絵をかいてもらいました。みんなでタイルを貼っていった
らいいのではないかとか、あとは近くにすごい人気のパン屋さんがあるので、そこと同じよう
に、家を開くというアイディアを提案したりしました。
実際こういうプランをつくってみたらどうですかというのをやって、実際このプロジェクト
で一番おもしろいところは、改修をする前に居住者さんを先に決めるというところです。
普 通 の 先ほ ど の 住 宅 の ま ま で こう い う ア イ デ ィ ア は どう で す か と い う の を 物件 募 集 に 載せ
て、東京R不動産、取手アート不動産のほうで募集
をし たと こ ろ8 組近 い 申し 込み が 実際 あ り ま した。
そのうちに金沢から実際移住された陶芸作家さん
が今このうちに住んでギャラリー兼住宅としてや
っています。
このプロジェクトおもしろいのは、こういう形で
陶芸作家さんが住まわれているのですけれども、空
き家のオーナーさんが改修費を一部負担しつつ賃
貸で、借り主さんのほうでもお金を出されたという
ところが非常に物件価値の向上につながっているかな
と。
時間がないのでこの辺ははしょりますが、空いていた
診療所もこういう形で今はギャラリー化してイベント
に使われたり、こういうライブに使われたりということ
をしています。先ほど説明しましたように、我々がやっ
ているのは事業提案をした上で、そこのまずアイディア
を人々に見せる、それによって入居者を募集して、リス
クがないところで入居者を決めた上で工事をして
いくというような、オーナーさんにも入居者さんに
もベス トな 形で 提案 を してい くと いう とこ ろ です。
今、こういったプロジェクトを、「減量住宅」と
いう、空き家をひたすら減量していくというプロジ
ェクトをアーティストが手を加えながら、住みなが
らこういう形で改修をしていって、これが1年半た
つとアーティストによって改修された住宅がまた
市場に 出回 ると いう よ うな形 で今 やっ てお り ます。
実績としては、今、相談件数としては19件で、あとインストールしてないものもあるのです
けれども、6件がそのうち流通して、実際に入居者に結びついたというような物件になってお
ります。メディアにも紹介されました。
あとは、取手アート不動産ツアー、あり得
ない日常をのぞくツアーというのを最近始
めたのですけれども、それにも結構多くの方
が今参加してくださっていて、取手というの
はこういう場所なのだよ、こういう暮らしが
あるのだというのを体感して、実際にここで
取手に住みたい方も増えてきているところ
ではございます。
以上、かいつまんでですが、お話しいたし
ました。ありがとうございます。
○矢部氏(コーディネーター)
ありがとうございました。
それでは、少し時間をいただきまして、今からパネルディスカッ
ションのレイアウトに変更しますので1~2分お時間をいただき
まして、レイアウトが整いましたら、きょうパネラーとしてお越し
いただいている6名の皆さん、階段からご登壇いただければと思い
ます。もう大丈夫ですか。
それでは、パネラーの皆様、壇上のほうへお上がりください。よ
ろしくお願いいたします。
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