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南海トラフ巨大地震に備え防災行政無線の整備促進に取り組む

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南海トラフ巨大地震に備え防災行政無線の整備促進に取り組む
近畿総合通信局
2012 年 8 月 24 日 第 125 号
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9 月 1 日は防災の日
南海トラフ巨大地震に備え防災行政無線の整備促進に取り組む
昨年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は、広範囲におよぶエリアに甚大な被害をもたらし、放送、携帯電話、防災行政無
線などの情報通信施設にも多大な損害を与え、情報伝達や情報収集に支障が生じるなど、改めて情報通信の重要性が認識され
たところです。
このような状況を踏まえ、近畿総合通信局は、近い将来発生が懸念されている東海・東南海・南海三連動地震及びその地震
(※)
による津波の被害 に備え、防災情報伝達手段の多重化・多様化の促進や情報通信インフラ等の耐災害性の強化、通信確保
のための支援など災害発生時において情報伝達が円滑にできるよう情報伝達手段
確保に係る取組を進めています。
中でも、災害発生時に住民の避難行動を促すための警報伝達や災害時に必要と
なる様々な情報の収集・伝達の確保に有効なシステムのひとつである防災行政無
線は、情報伝達手段としての重要度がますます高まっており、近畿総合通信局で
は近畿管内の未整備自治体に対しシステムに必要な周波数の割当など整備促進を
進めるとともに、画像やデータの伝送などにより高度な通信が可能となる同無線
のデジタル化移行を推進しています。
神戸市のデジタル防災行政無線
の統制局(上)と屋外拡声子局
※ 当局が 7 月 6 日に開催した防災情報通信セミナーで講演した中央防災会議「防災対策推進検討会」南海トラフ巨大地震対策検討ワー
キンググループ主査を務める関西大学の河田教授によれば、3 つの地震が連動した場合、震度 6 以上の地域は 24 府県 687 市町村(人
口にして 4,700 万人)、津波高が 10m以上に達する地域は 11 都県 90 市町村におよび、同教授の試算によれば死者は最悪の場合、40
万人に達する可能性があるとの見解を示しました。
デジタル防災行政無線システムには同報系と移動系があります
デジタル同報通信無線システム
災害発生時に災害対策本部等から、直接地域住民に対して、
屋外に設置したスピーカーなどを通じて避難指示、災害情報
を伝達する災害対策上極めて重要な役割を持つ無線システム
です。近年、通信衛星を用いて国から市町村の同報系防災行
政無線を自動起動するなどし、津波警報・緊急地震速報など
の緊急情報を住民に瞬時に伝達する「全国瞬時警報システム
(J−ALERT)」の整備が進められています。
デジタル移動通信無線システム
災害対策本部等に設置した基地局と被災現場にある車両等
に設置した移動局または移動局相互で、災害時の情報収集・
連絡などの通信を行う無線システムです。消防・警察や電力・
水道・ガスなどの災害関連機関とをデジタル無線回線で結び、
情報収集や連絡の手段として利用できます。
市町村役場(統制局)
基地局
統制台
文字表示
サーバ
電話
関係各課
パソコン
インターネット
復信通信
テレメータ監視
特徴
・デジタル方式による高品質な音声伝送が可能
・多チャンネル化が可能
・役所と関係施設の通信が可能
・データ通信が可能
基地局用
無線装置
交換機
監視カメラ
役場固定系親局
戸別受信機
制御装置
遠隔制御装置
音声+データ伝送
車載型
LAN
FAX
有線網
携帯型
可搬型
特徴
・携帯電話のような通話が可能
・マルチメディア通話が可能
・隣接市町村との相互応援ための通信システム構築が容易
・基地局エリア外で移動局間の複信通信が可能
・デジタル通信のため高品質、干渉に強く、秘話性がある
2ページに続く
防災行政無線についてのお問い合わせは
無線通信部 陸上第二課へ
TEL:06−6942−8557
近畿総合通信局
2012 年 8 月 24 日 第 125 号
近畿の防災行政無線の整備状況
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平成 24 年 6 月末現在
近畿 2 府 4 県における防災行政無線の整備
状況は、6 月末現在で、全 198 市町村のうち
171 市町村で整備が行われています。
未整備市町村の中では、MCA 陸上移動通信
システムにより整備を行っているところもあ
り、これらを含めると整備率は 90.4% になっ
ています。
また、デジタル防災行政無線については、
全 198 市町村のうち 47 市町村で整備されて
いますが、現在アナログ方式で整備済みの自
治体へは、デジタル方式移行に関する意向調
査を行い、早期のデジタル化整備を働きかけ
ていきます。
( 平成 24 年 6 月末現在 )
地域
項目
市町村数
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
19
26
18(9) 22(10)
整備市町村数
43
41
37(7) 32(10)
近 畿
39
30
198
32(3)
30(8)
171(47)
併設設置
10
10
23
15
18
28
104
単独設置
8
12
14
17
14
2
67
MCAの代替的利用のみ
1
1
4
0
2
0
8
未整備市町村数
0
3
2
9
5
0
19
同報系・移動系併設(デジタル)※
整 備 比 率
100%
88.5% 95.3% 78.0% 87.2%
100%
同報系・移動系併設(アナログ)
同報系(デジタル)
90.4%
同報系(アナログ)
括弧内は、デジタル方式の再掲。市町村防災行政無線の同報系または移動系のいず
れか一方がデジタル方式の場合に計上。
移動系(デジタル)
※「併設設置」は、同報系、移動系ともに整備しているもの。 「単独設置」は、同報系、移動系のいずれかを整備しているもの。
「MCA の代替的利用のみ」は、同報系や移動系の代替として MCA のみを整備しているもの。
MCAの代替的利用のみ
移動系(アナログ)
未設置
※ 同報系または移動系のいずれかが
デジタルであれば計上しています。
各府県の防災行政無線システムの整備状況
衛星系システムとバックアップの地上系高速デジ
滋賀県 タル回線により構成されており、県下の各市町と
京都府
出先機関を結び運用。
統制局と中継局とをループ状に結ぶ大容量の基幹
回線を整備し、各市町村と出先機関とを多重無線
大阪府 システムで接続。バックアップに、衛星系システ
ムや MCA 方式の固定無線システムも運用。
マイクロ幹線系と衛星系の2ルート化、さらに固
奈良県
定端末系の MCA 方式導入による「奈良県防災行
政通信ネットワークシステム」を整備。
地デジについてのお問い合わせは
総務省地デジコールセンターへ
0570−07−0101
兵庫県
衛星系と「京都デジタル疎水ネットワーク ( 有線
系 )」を活用した地上系との2ルートのシステム
を中心に運用。
衛星系システム「兵庫県衛星通信ネットワーク」と
地上系システム「兵庫情報ハイウェイ(有線系)」
との2ルートのシステムを中心に運用。
幹線系としてマイクロ無線網等の「和歌山県防災行政無線シ
ステム」を運用。東南海・南海地震に備え、移動系システム
和歌山県
をはじめ、「きのくにe−ネット(有線系)」を活用した地上
系システムや衛星系システムの整備が行われている。
発行・編集 近畿総合通信局 総務部総務課企画広報室
〒540 -8795
大阪市中央区大手前 1-5-44 大阪合同庁舎第 1 号館
TEL: 06(6942)8508 FAX:06(6942)1849
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