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当別町 - 公益社団法人 北海道国際交流・協力総合センター HIECC

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当別町 - 公益社団法人 北海道国際交流・協力総合センター HIECC
“伊達の町”で共存する
当別町
「スウェーデン」
石狩管内
北海道産業文化提携会議」にスウェーデン村の誘致を正式表
急速に具体化した友好親善の動き
明した。
1891年(明治4年)
、仙台藩一門・岩出山の伊達邦直主従
両国の友好親善を図るため翌80年に発起人会をスタートさ
によって初めて開拓のクワが入れられた当別町。その苦難の
せた財団法人スウェーデン交流センターは、83年に全道的な
歴史は同町出身の本庄睦男氏の小説「石狩川」で一躍全国に
組織として本格発足、8
4年(同59年)には 北洋 交 易、 ス
知られ、当別町は胆振管内伊達町と共に“伊達の町”のイメー
ウェーデンハウスらが同町太美地区で大規模なスウェーデン
ジが定着した。
ヒルズの共同開発に着手した。
!
!
が、その「伊達の町」が、「スウェーデンの町」という“も
86年には中心施設のスウェーデン交流センターも完成し、
う1つの顔”を持ち合わせるようになったのが、
「ストックホ
伊達の町でスウェーデンの町が共存する、という画期的な試
ルム郊外の風景にそっくり」という都倉栄二・元駐スウェー
みが一気に具体化した。
デン大使の一言だったというから、面白い。
1978年(昭和5
3年)
、同町獅子内のゴルフ場を訪れた都倉
新たなまちづくりへの発想の転換
氏が最初に抱いた印象だが、実は都倉氏は日本に帰任の折、
スウェーデン国王から「スウェーデンと日本の交流の足掛か
スウェーデンヒルズは開発主体が民間とはいえ、スウェー
りがほしい」との依頼を受けていたこともあり、「気候、風
デンとの友好親善関係樹立を目指す全道的な取り組みと、当
土の良く似たこの場所に交流拠点を建設してはどうか」の提
別町の将来を見据えた総合的なまちづくりの発想が一致した
案に結びついた。
ユニークな国際交流の姿といえる。
!北洋交易がスウェーデン風耐寒省エネ住宅
本庄氏が1905年(明治38年)に生まれた同町太美地区が100
翌79年2月に
による「スウェーデン村計画」を同町に提案、同町は同年11月
年後の現在、異国情緒たっぷりのスウェーデンヒルズに変ぼ
道、社団法人北方圏センターなどが参加した「スウェーデン・
うしているのも歴史の皮肉かもしれない。
国際交流とまちづくりが一体となった形の当別町のスウェーデンヒルズ
23
スウェーデンヒルズはマスタープランの計画面積が約3
00
その後、姉妹都市提携の流れが加速し、当初の候補だった
ヘクタール。うちゴルフ場などを省くスウェーデンヒルズそ
コッパルベリィ県の首都ファールン市に代わって、森と湖に
のものも150ヘクタール、
679区画にのぼる大規模宅地開発だ。
囲まれたダーラナ県のレクサンド市が浮上、87年(同62年)
10
2005年(平成17年)3月現在で209世帯、570人がすでに居住
月、町長ら1
5人が同市を訪れ、姉妹都市提携に正式調印した。
しているが、スウェーデン風の住宅と町並みは日本とは思え
提携後3年目の90年(平成2年)には国際親善試合のため
ないほどのたたずまいだ。
に当別町にホームステイしていた同市少年アイスホッケー
1991年(同3年)、92年に2年連続して「北海道まちづく
チーム25人と機を一にしてカール16世グスタフ国王が来町
り100選」で「21世紀に向けた街づくり」の代表例として選
し、姉妹都市提携へのスウェーデン側の熱意を裏付ける形と
ばれ、93年には「北海道街づくり功労者知事表彰」を受けた。
なった。
スウェーデンヒルズだけではない。その玄関口ともいえる
以来、両都市の相互訪問は95年の女性だけの訪問団も含め
JR石狩 太 美 駅 は90年、石 狩 太 美 郵 便 局 も 翌91年、共 に ス
毎年のように続けられ、97年からは中学生や高校生の相互訪
ウェーデン風の駅舎、局舎を完成、同年「町道スウェーデン
問も始まった。
大通線」が建設省推薦の「マイロード事業」に認定された。
また、2002年(同14年)に姉妹提携15周年を記念してレク
このほか、94年にJR石狩太美駅前広場がスウェーデンプ
サンド市が同市内に日本庭園を造成、当別町からは石灯ろう
ラザに衣替えしたのをはじめ、町内会館やコンビニなども競
を寄贈し、
04年8月の開園式には町議会議長が出席するなど、
うようにスウェーデン風の建物を建設しており、伊達の町の
中身の濃い交流となっている。
中に「スウェーデンの街」が新たな彩りを添えている。
これらの交流は町だけでなく、まちぐるみのものになって
伊達記念館、伊達邸別館など歴史をしのばせる町並みの残
いるのが大きな特徴だ。
る当別地区と見事なまでの対比、共存を示しており、国際交
姉妹都市提携の2カ月前に発足した当別・レクサンド都市
流とまちづくりが結びついた好例といえる。
交流協会は民間の任意団体で「両都市間の教育、文化、スポー
ツ、産業、経済などの交流を図る諸事業を推進する」のが目
的。町内43の団体、法人と1
46人の個人が会員で文字通り町
レクサンド市との篤い姉妹都市交流
を挙げた国際交流団体といえる。
スウェーデン風のまちづくりに平行して本来の友好親善を
団体1口5千円、個人同2千円の会費や寄付で運営されて
進める動きも急速に具体化した。
おり、訪問団の派遣、受け入れ、夏至祭など各種イベントの
主催、支援など国際交流の中核となって活動してきた。
80年代にスウェーデンと姉妹都市提携を結んでいたのは、
愛知県岡崎市とウッデバラ市だけ(現在では宗谷管内枝幸町
それと、全道的な広がりを持つ財団法人スウェーデン交流
がソレフテオ市と姉妹都市提携にあり、当別町と合わせ道内
センター。スウェーデンヒルズ内にある同交流センターの施
では2町で全国でも4自治体)
。スウェーデンヒルズの開発
設で各種のイベントを開催しているほか、町、同都市交流協
の着手、財団法人スウェーデン交流センター設立などハード、
会と一体となって友好親善事業に取り組んでおり、この三者
ソフト両面の動きに呼応するように、83年(昭和5
8年)、ス
の連携が分厚い交流の実を結んでいる、といえる。
ウェーデンの駐日大使が来町して町長、町議会議長らを同国
もうひとつ交流を支えているのが、ユニークな「国際交流
に招待した。
連絡員制度」
。姉妹都市提携時から世話になっていたレクサ
ンド市在住の日本人女性に、1992年(同4年)に委嘱した。
①定期的な情報交換②訪問団の受け入れ事務、通訳③当別
町のPR―などを依頼しており、交流がスムーズに運び、広
がりが図れるなど、交流には不可欠な要素になっているとい
う。
夏至祭
―「スウェーデンに一番近いまち・とうべつ」
木の葉や花のリングで飾られた約10メートルの柱「マイス
トング(夏至柱)
」をスウェーデンの民族衣装をまとった町
の男性らが左右から材木で支えながら、「エイ」「オー」の掛
姉妹都市提携3年後にレクサンド市の少年アイスホッケーチームと
共に当別町を訪れたスウェーデン王国カール16世グスタフ国王
=1990年3月
け声で立ち上げる。周りでは数百人の参加者がフォークダン
スを楽しむ。毎年6月下旬に当別町のスウェーデン交流セン
24
「民間の大使館」といったところ。
ここでは、スウェーデン人によるスウェーデン語の会話講
座、スウェーデンウール織物講習・展示会、料理教室、ス
ウェーデンセミナーなどが開かれ、12月にはクリスマスフェ
アとしてスウェーデンの冬の伝統行事「ルシア祭」も催され
る。
さらに、同交流センターは、賛助会員向けに連絡誌「ビヨ
ルク(白樺)」を年4回発行しており、「スウェーデン」は、
さまざまな形で当別町のマチと日常生活に根付いている。
スウェーデンハウスそのものは、スウェーデンからの製材
を持ち込み建設されているが、固定資産税などの税収増、住
宅関連工事や給排水工事の受注増、観光客の入り込み増など
当別町そのものへの経済効果も表れている。
なによりも、過疎化、人口減に悩んでいる道内各都市の中
で、当別町はゆるやかな人口増カーブをすら描いてきた。
「北欧、スウェーデンに最も近いまち・とうべつ」を目指
スウェーデンとの友好親善の象徴になっている当別町の夏至祭。奥
に見える建物がスウェーデン交流センター
した当別・レクサンド都市交流協会の理念は、まちづくりと
マッチしながら確実にその成果を挙げているといえる。
ター周辺で行われる夏至祭のクライマックスシーンだ。
スウェーデンの伝統行事「ミドソンマル」を模倣した夏至
祭はスウェーデンヒルズの開発が始まった84年(昭和59年)
が第1回目。以来、町、同交流センター、同都市交流協会の
三者共催で毎年開かれ、町内外から2千∼5千の人々が見学
に訪れるスウェーデンとの友好親善を象徴する一大イベント
として定着している。
2005年(平成17年)6月の第22回夏至祭には11年ぶりに同
町を訪れたスウェーデン在住のケイコ・マクナマラさんと、
バイオリニストのホーカン・ボリエソンさんがスウェーデン
民謡などを披露、マイストングの立ち上げには札幌に留学し
ている6人のスウェーデン大学生が飛び入り参加するなど、
当別の人々はレクサンドとの友好都市交流を改めて肌で実感
していた。
また、財団法人スウェーデン交流センターが同交流セン
ター施設で行っているイベントもなかなかのものだ。施設に
いながらにして冬のスウェーデンを実感できる「ルシア祭」
=2001年12月、同交流センターで
はスウェーデンのガラス工芸を学べる工房や民芸品を展示、
音楽会も開けるセンターホールなどもあり、さながら同国の
当別町
!
http : //www.town.tobetsu.hokkaido.jp/
人口:約2万人
1891年(明治4年)に仙台藩岩出山領主の伊達邦直
が家臣と共に移住、開拓に当たった。農業を基幹産
業にしているが、1976年(昭和51年)には北海道医
療大が開学、スウェーデン・レクサンド市との姉妹
都市提携、札幌大橋開通などで、札幌近郊の国際都
面積:4
2
2.
7
市、田園都市として新たな発展をみせている。
国際交流の問い合わせ先
当別町企画課企画振興係
℡(0133)
23―2330
スウェーデン交流センター ℡(0133)
26―2360
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