...

ササに含まれる放射線セシウムの動態

by user

on
Category: Documents
21

views

Report

Comments

Transcript

ササに含まれる放射線セシウムの動態
森林・木材の放射誌
東日本に広く分布するササは、筒が山菜と
大きくバラつくようです。平成24年発生の葉
度はほとんど変化しませんでした。クマイザ
はさらに濃度が低く'平成25年になっても濃
懸念されているところです。このため'ササ
サの葉の寿命は2年と三種のうちで中間の長
して好まれることから、放射性物質の影響が
に含まれる放射性物質について実態を調査し
さです。放射性物質はまだ残っているものの、
新しい葉はど低濃度になる傾向があるため、
ました。
福島第一原子力発電所から距離約40kmの川
ササ全体の濃度もしだいに減少すると考えら
ミヤコザサは葉の寿命が1年と最も短いた
俣町に分布するクマイザサ、約70kmのいわき
ついて、放射性セシウム(cs134とcS137
め、平成23年の事故発生時に放射性物質が付
れます。
の合計)濃度を毎年測定し、植物体内の動態
着した葉は、翌24年には脱落していた可能性
市に分布するミヤコザサ、スズタケの三種に
・を調べました。一二種は葉の寿命が異なりへまた、
があります。平成23、24年発生葉は時間が経
過しても濃度は余り変化せず、500Bq/kg
枝のわかれ方から葉の発生年が分かるため、
時間を追って放射性物質の動きを調べること
葉の寿命が3年と最も長いスズタケは、平成
平成24年秋 平成25年春
∼1500的/kgのまま推移しました。一方、
図-は葉に含まれる放射性セシウム濃度を
平成24年秋 平成25年春 平成24年秋 平成25年春
町田
スズタケ(いわき市)
ミヤコザサ(いわき市)
クマイザサ(li i俣町)
ができます。
平成24年秋と平成25年春で比較したものです。
ササ全体としても1000的/kg以上と放射
セシウム濃度が4000的/kg以上でした。
ザサでは、事故前の平成22年に発生した葉に
性物質の影響が続いていることがわかりまし
25年になっても事故前に発生した葉は放射性
は平均で9万2千的/kg(ベクレルキログラ
た(図2)。
平成24年秋に調べたところ、川俣町のクマイ
ム)含まれていました。これらの葉は平成25
は高濃度のまま寿命を迎え枯れて脱落しへ 新
三種のササに共通した傾向として、古い葉
えて脱落しました。平成23年の事故直後に発
しい葉は年々低濃度になっていくことが分か
年春までにセシウムを保持したまま寿命を迎
生した葉は平成24から飾年にかけ、平均で1
りました。また、葉の寿命が長い場合は、濃
度の低下が遅いようです。しかし'ササの地
万6千的/kg∼6万8千的/kgでした。平成
23年の発生葉は採取する場所によって濃度が
1 20000
S平成21年発生葉 音平成22年発生葉 ○平成23年発生葉 音平成24年発生葉
図1 三種のササにおける発生年別葉の放射性セシウム濃度の変化
FORESTRY AND FOREST PRODUCTS RESEARCH iNST汀UTE No 28 22
私だちのくらしと
4000
0
間
800
400
0
クマイザサ ミヤコザサ スズタケ
臆平成24年秋 ○平成25年春
図2 三種のササにおける地上部・地下都全体の放射性セシウム濃度の変化
-;TIT ii\ふ、
ー(. I if/ :÷ 冓_、- 義 俣
r r二 ● 僮,_ヅ
W凉bモ
●。.
辻ネ蒔B
譲一一章一.\潤
・.-∴轍.
・一題
滋
(
唸
<S
ユ
剪
t"
奉メ
椎
池
B
辻聹ネカツ
i,ご
・字.. 劔剪
、●、
ふリヌイ
「 t 刄mーγ/一三 _tt,I_:拳 ∴∴ iL.ll .∴
一\
鋳二
鵬i二一 决iJ ( 做
上部が枯死脱落し新しい葉が発生するので、
CT
(:】つ
1 200
三種とも全体的には放射性セシウム濃度は
号 8000
年々低下していくものと予想されます。
1600
1 2000
H
-._一一一\薬,
剪颶
6V箸
6メ
)
劍
人ノア残潔,i- 剪闔ィ磁
a
池
2
ー遠浅
萄
2
i.-i
劍+R糘
千
・:黒"遙〝.Ita 劔
+. \′i
・..′t事.-∴ヽ
:響速◆ 劔劔笥 'iiN_.議‥----ii轍
`こ 劔
ヽ∴∴●i∴
-∴r-:千 -.-. 剪
、ご/
Κ
覗 ●"一
亳
さ資
2
坪ヌ
丼ルM
v
X耳
-ヽ、 も''. ・* 俯r ネ
∴∵∴
冓l.i 辛 亢R靈粐篦
子千 ・1 語刹ニ態署
草,i,'''
--,I-,
貞.i.:;-:_*
「脉 響
討メ簽メメ
イメ
剞
凵[--:ー「`帯.5'1一.:q
仂 シ 劔剞
劔I
疋「モ「
亳
ィ
ネ爾
一一一一言殿-,"ど--.一一一
冲I-
劔
∴
・∴r
I-
t
*.
ここ一一一、 ,4ゝ rL. 、逮\ 一、
2
劒Y[メ ト「 { ∼/u J ∴∴も:: 二,京ミぎ ∴:tEStt: :●一二∴∴∴ 犯 「メ ." 「r 汁 醒一一一i
iiir一二
↓∴ まへ- 劔--緩- ・ー評議-tI難でi_-;曾i'
∴「 警義幸重、ー
ぐ.
池ノ(iUニ
劔:′ :i.、 :ヽ' 喊+2
r
粐メ籘E
転琵J'一一七、/\
福島県いわき市のミヤコザサ群落による林床植生
肌*H
.,.蔦` ∴子.∴∴ ll-駄聞詰 ri ∵∴
イ
I
坪
儘ケ?
i.I.
ネ
ヽJl赦
ツ
R鎚自?
.r
稗vヌB
凩:
ヒ箚
b
(
謀「
ツ
I
H
カ
・:で
&「
劍
bティ
∼ 侏
ク
オ5553ヨ
56VX,メ
爾
も
亦
′ヽ-
ハB
∴i 啌イ籌
イツ
(
・tr-I
依
2
「∴
Iuj-,
丶b
Y(
.今㌢1
-I
:千
重jl-.
ツ
・>
喜 .子. 坪
X
ツ
"葛 .暮_ ∫
.一一● ◆
ヽ剪
/早∴- 劔図8,。'
福島県いわき市のスズタケ群落による林床植生
23 No 28 FORESTRY AND FOREST PRODUCTS RESEARCH INSTITUTE
\一°
b
・ヾ ∵
千-∴習蓋‥」 ∴∴∴ 痴R粨v 岬程 イ 辻ツツ 粫
ヽ 啝Bメ
劔∴r∴
福島県川俣町のクマイザサ群落による林床植生
'ユ
猿駕 ・1.〔亭∴
i′営、
勍十∴i:
F剖7
*B
爾
ィ
ィ
ィ
ィ
ィ
「
-iゝ●-
Fly UP