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雑穀類の食物繊維量
東北農業研究 (TOhOku Agric Res) 56, 263-264(2003) 雑 穀類 の食 物繊維 量 渡辺 満・伊藤美雪 (東 北農業研究 セ ンター ) Total C0nlenl 0f Dielary Fiber in Gr0ats 0f Buckvheat and 0ther Millets Mitsuru IATAxABE and Miyuki ITo (Nat i0nal Agricul tural Center f0r TohOku Regi0n) 1は じ め なる要因である ことが示 唆 されるが、品種 の違 いによる に 可能性 もあるため,今 後確認が必要 である。ソバでは ある穀粒全体 の食物繊維量 につ いての報告は無 い。また 40∼ 65%の 範囲 に分 布 して いた。ハ トムギは東北農 研で採種 したものは 47∼ 59%で あつたのに対 し,市 販品は 13%で あつた。アワ (0∼ 31%),キ ビ (0,28 %),ア マ ランス (115%)は いずれ も市販品であ り 市販品では,製 品 によ り精 自の度合 いが異なってお り 食物繊維 の認め られな い ものも含 まれて いた。市販 の雑 食物繊維量 に差があることが推定 される。そ こで本研究 穀 は精 自過程 を経ていることか ら,穀 粒 の外層が削 られ では,東 北農研 センターで採取 したソバ ,雑 穀種子 の種 ることになったものと考え られる。即ち,一 般的に穀類 皮を除去 した可食部および市販精 自粒 の総食物繊維量 を 調査す るとともに,調 製 した食物繊維 フラクションの変 の場合 には種子の外層に栄養成分等 が多 く含 まれて いる 異原吸着能を調査 した。 ものと考え られ る。玄穀か ら調整 したものについては、 概 ね食品成分表 に記載 されて いる数値 (ヒ エ :43%, 2試 ソバ (米 ):37%,ハ トムギ ソバ及び雑穀は食物繊維 の豊富な食品 として認識 され ている。 しか し,食 品成分表 に記載 されている数値はア ワ,ヒ エ,キ ビにつ いては精 自粒 のみであ り,可 食部で , 験 方 法 (1)供 試種子 , ことか ら,雑 穀 の食物繊維 の場合 にもこれが当てはまる :06%)よ りも高含量で あった。なお ,こ れ ら食物繊維 の認め られなかったサ ン プルはいずれ も同一 メー カーの製品であ り,精 自の程度 ヒエ 12(4),ソ バ 7,ハ トムギ 5(1), アワ 3(3),キ ビ 2(2),ア マランス 1(1)点 ,な お ()内 は市販品数。市販 のものはそのまま使用 し,東 北農研 で 採種 した雑穀は,脱 穀後イ ンペ ラ籾す り機で殻 を除去 し た。ソバは籾す り機で殻を破砕 ,除 去 した丸抜き (ソ バ 米 )を 使用 した。 いずれ も振動粉砕機 で粉末 にした。 (2)食 物繊維定量法 Prosky(AOAC)法 1)で 測定 し,総 食物繊維 量 (TDD が関係 して いる ものと推察 される。 (21雑 穀食物繊維 の変異原吸着能 図 2に セル ロース及 び雑穀か ら調製 した食物繊維 フラ ク ションの変異原吸着能 を示す。セルロー スは形状 の異 なる繊維状 ,微 小粒子状 のものを用 いた。そ の結果 ,い ずれ のセル ロー ス にも変異原吸着能 は認め られなか つ た。 これ に対 し,雑 穀 の食物繊維 フラクションには変異 原吸着能 が認め られた。す なわち,用 いた中では ヒエ及 びキビの変異原吸着能が強 く,ハ トムギ,ア ワ,ソ パ として算出 した。 (3)変 異原吸着能 の測定 , 直接変異源 である が 2(fuり lfuralnide)溶 液 に Pros,法 で調製 した食物繊維 フラクションを添加 ,イ ンキュベー アマ ランスは これよ りやや吸着能が低かつた。 ト後 ,遠 心後 の上澄み を HPLCで 分析 した。 4 3 雑穀類 の食物繊維量 を測定 した。市販品 の食物繊維 量 には大きな幅が認め られた のに対 し、玄 穀か ら調整 した 試験結果及び考察 ま と め ものについては、概ね食品成分表 に記載 されて いる数値 よ りも高含量 であった。調製 した雑穀食物繊維 フラクシ (1)雑 穀類 の食物繊維 含量 図 1に 雑穀類 の総食物繊維量 を示す。 ヒエの場合には 市販品の食物繊維含 有量に 0∼ 67%と 大きな差 が認め ョンには、変異原 (AF2)吸 着能が認 め られた。 られた のに対 し,東 北農研 で採種 したものの合量は 41 ∼ 53%で あつた。市販品 1∼ 3に ついては同じメーカ 引 用 文 献 1)AOAC 1990 0“ にlal ーの製品で精 自の仕方が異 なってお り,食 物繊維量 の異 -263- Mcthods Of Analysis,15th Ed, AssocladOn Of Offlclal chemists,Arlillgton,VA,Vol 東 北 農 業 研 究 第 56号 (2003) L Sec 985,29,1ll15. ロヒエ ll甲 旱奎 ホ泰鮨 =子 ll ●●●三 嘔 摯 市薔 1 "腋 3 市燿 2 市崚 4 マンカン1 ■■ルピー 中口産 1 キタワセ マンカン2 ■タユ■ 中口● 2 " 台■ ︵ 量 凛︶ 中E在 ネ 13'撃 ゞ ハ トムスメ ハ トジロウ ハ トヒカ リ :事 【 「 12,F2 3 1:9,2 1:,F1 7マ ラン ス 市瞑 図1 ソバ及び雑穀種子の総食物繊維量 A:ヒ エ、B:ソ バ、C:ハ トムギ、D:ア ワ、キビ、アマランス ︵ ︶ 凛 倒 ﹂ く A BC D EF GH I J K L 図2 食物繊維 フラクションの溶液 中変異原量 に及 ぼす影響 (イ ンキ ュベー ト 5時 間後 ) A:セ ル ロース (繊 維 状),B:セ ル ロース (微 小顆粒状 ),C:黒 ヒエ ,D:キ タワセ ソバ ,E:キ タユ キ ソ F:モ チアワ,G:ウ ルチアワ,H:モ チキビ,I:は とひかり (ハ トムギ),J:は とむすめ L:ア マ ラ ンス -264- (ハ トムギ),