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ディーエスエムジャパン エンジニアリングプラスチックス株式会社

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ディーエスエムジャパン エンジニアリングプラスチックス株式会社
Success StoriesーOther Manufacturing
ディーエスエムジャパン エンジニアリングプラスチックス株式会社
オランダ発祥のライフサイエンス及びマテリアルサイエンス事業を展開する DSM 社の一部門である、ディー
エスエムジャパン エンジニアリングプラスチックス社は 2003 年東京に株式会社を設立。2013 年には横
浜にジャパンテクニカルセンターを開設し、日本国内のみならず海外にも高い技術を活かしたソリューショ
ンを提供している。
ディーエスエムジャパン エンジニアリングプラスチ
ックス社の親会社であるロイヤルディーエスエム社
シェアは約 20%を誇る。
同社の強みは、アジア・欧州・北米それぞれの生
(以下、DSM 社)は 1902 年国営炭坑会社として
産・販売拠点を活かした「グローバル供給力」である。
オランダで創業。その後、肥料・石油化学・機能
化学等へと事業領域を拡大し、現在、世界 55 カ
国・200 ヶ所以上の拠点で、ビタミンをはじめとした
これにより、世界各地に生産拠点を持つメーカーに
もスムーズに商品を提供できる。東日本大震災を
機にサプライチェーンを見直す動きがある中で、同社
栄養素等を取り扱う「ライフサイエンス事業」及び
工業用のプラスチック素材等を取り扱う「マテリアル
の「グローバル供給力」に関心を持つ顧客も出てき
たという。
サイエンス事業」を展開している。
1980 年初頭に駐在事務所を設立したのが日
本進出の始まりで、1990 年にはディー・エス・エム
さらに同社は「優れた用途開発力」も兼ね備えて
いる。顧客のニーズに合わせて個別に商品を開発
するため、化学だけでなく機械や部品についての豊
ジャパン株式会社を設立。2003 年にはマテリアル
富な知識を持つエンジニアを擁している。顧客と専
サイエンスを扱う部門として、ディーエスエムジャパン
エンジニアリングプラスチックス株式会社(以下、
門用語で深く技術的な議論ができる体制を整え、
ニーズを深堀していくことで、他社にはないソリューシ
DJEP 社)が設立された。
ョンを提供している。
同社は 2013 年 4 月横浜にジャパンテクニカル
センターを開設。日本に研究開発拠点を置くこと
で、国内メーカーのニーズに素早く対応するととも
に、グローバルトレンドや最新の知見を応用した技
術開発・イノベーションを進めている。
DJEP 社の強み
DJEP 社は世界でも有数の高機能で耐熱性に
優れたプラスチック素材の供給会社で、同社の製
品は国内外で、自動車や携帯電話、パソコンの部
品等の材料として使用されている。2010 年には三
菱化学よりナイロン樹脂事業を取得。これにより新
たな製品が加わり、日本における存在感がさらに高
まった。現在、PA6と呼ばれるナイロン樹脂の国内
日本市場の魅力
DJEP 社の代表取締役副社長である吉田氏は、
日本市場には大きく分けて2つの魅力があるという。
1つ目は「優良な顧客の存在」である。日本にはグ
ローバルに展開する自動車やエレクトロニクスメーカ
ーが数多く存在する。これらの企業に製品を採用し
てもらえれば、世界各地の生産拠点へ幅広く製品
を提供できる。グローバル企業であっても、製品仕
様の決定は本社(=日本)で行うことが多いので、日
本企業に当社の製品を採用してもらうために、日本
に拠点を置くことの意義は大きい。「世界をリードす
る日本の企業とお付き合いできる可能性があるとい
うだけでも、日本に進出する価値は十分あると思い
ます」と吉田氏は話す。
2つ目は、「国内メーカー企業の高いイノベーショ
ン力」である。エンジニアリングプラスチック業界では
製品の一部に用いられている金属をいかに樹脂に
置き換えていくかが重要となる。日本では、その際
必要となる高度な設計技術が日々新しく開発され
Copyright (C) 2015Japan External Trade Organization (JETRO). All rights reserved.
Success StoriesーOther Manufacturing
ている。「日本でビジネスを行うことで、国内企業が
識やアイデアを持った企業や大学と連携することで、
リードするイノベーションに積極的に参画できるように
していきたい」という。
世界に展開する日本発のビジネス創出を目指して
いる。
ジャパンテクニカルセンターの設立
DJEP 社は 2013 年に同社にとって日本初となる
研究開発拠点としてジャパンテクニカルセンターを神
奈川県横浜市に設立した。延床面積 740 ㎡の敷
地内には、テスト用の試験機器だけでなく、新製品
のサンプルを作ることができる、小規模な試作品生
産ラインも備えている。同センターを設けることで、第
三者機関や海外のテクニカルセンターに委託してい
た商品の評価や情報提供サービスを日本で自ら行
うようになり、顧客の様々なニーズに素早く対応でき
るようになった。日本企業の高い要求レベルに応え、
商機を捕らえるためにも研究開発拠点の果たす役
割は大きい。
設立からわずか2年程であるが、同センターの稼
働率は非常に高い。センターの質の高さは海外の
DSM グループ会社にも知られており、「海外からわざ
わざ日本で評価をお願いしたい、という連絡もくるほ
ど」だという。
自治体やジェトロのサポート
ジャパンテクニカルセンターの設立には、経済産業
省の「アジア拠点化立地推進事業費補助金」、横
浜市の「横浜市重点産業立地促進助成制度」が
利用されている。ジェトロ対日投資部は、インセンテ
ィブ情報提供の他、「アジア拠点化立地推進事業
費補助金」制度の事務局として申請事務補助等
の各種コンサルテーションを行った。
「国や自治体からのサポートが、拠点設立決定
の後押しになった。様々な候補地を巡った結果、十
分な土地があり、交通の便も良い横浜市への進出
を決めた」と吉田氏は語る。さらに国や自治体との
関係構築により、同社との取引開始を検討してい
る顧客に対し、「国から正式に助成対象として認め
られている企業」として印象付けることもできたとい
う。
今後の事業展開
同社の製品が日本のグローバル企業に採用さ
れ、世界各国の生産拠点で導入される例が少しず
つ出てきており、今後更なる事業の拡大を計画して
いる。「横浜のテクニカルセンターを活用し、顧客の
商品開発プロセスに積極的に関わっていきたい」と
吉田氏は意欲を示す。日本企業が展開するグロー
バルビジネスには参入の余地があると見ており、日
本は同社のアジア戦略の中で重要な拠点の1つと
なっている。
また DSM 社はグループ全体でオープンイノベーシ
ョンを推進している。日本でも 2012 年からオープン
イノベーションの取り組みを開始。イノベーティブな知
ディーエスエムジャパン エンジニアリング プラスチックス株式会社
代表取締役 副社長 吉田 浩 氏
(2015 年 9 月取材)
同社沿革
1902 年
1980 年初頭
1990 年
オランダのへーレンで創業
日本(東京)に DSM 駐在員事務所を設立
日本にディー・エス・エム ジャパン株式会社を設立
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1997 年
JSR 社との合弁で DSMJSR エンジニアリングプラスチック株式会社を設立
2003 年
2013 年
ディーエスエムジャパンエンジニアリングプラスチックス株式会社を設立
横浜にジャパンテクニカルセンターを開設
ディーエスエムジャパン エンジニアリングプラスチックス株式会社
設立:
事業概要:
2003 年 10 月
マテリアルサイエンス事業
親会社:
住所:
Royal DSM N.V.
〒105-0011 東京都港区芝公園 2-6-3 芝公園フロントタワー
URL:
http://www.dsmjapan.com
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